JP4034426B2 - カリックス(8)アレーン誘導体の製造方法 - Google Patents

カリックス(8)アレーン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカリックスアレーン誘導体の製造方法に関する。詳しくは、本発明は分子認識をはじめとする新しい機能性の発現等に利用されるカリックス(8)アレーン化合物を高収率で高選択的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
カリックスアレーン化合物(誘導体)は、サイクロデキストリンと同様な筒状構造の化合物として知られている。従来からこのような構造上の特性や機能(包接機能や触媒機能等)を利用する数多くの研究と応用開発が行われている。
【0003】
機能を利用するものとしては、酵素反応や触媒反応、或いは金属イオンの輸送体や選択性吸着剤として、或いは分子認識の包接化合物として知られている。化合物の特性を利用するものとしては、例えば電子写真の分野では、カリックス(n)アレーン化合物を負荷電制御剤として含有する静電荷像現像用トナー(特許公報第2568675号、特開平7−64336号公報)、アゾ化カリックス(n)アレーンを含有させた電子写真感光体(特開平10−48858号公報)等がある。
【0004】
ところでカリックスアレーン化合物の合成法としては、J.Am.Chem.Soc.1981,103,3782−3792(C.D.Gutsche et al)、Org.Synth.(1990),68,234−237(C.D.Gutsche et al)、等に見られるように、一般にはキシレン等の芳香族系の溶剤を反応溶媒として、フェノール類とホルムアルデヒドとをKOHやNaOH、tert−ブチルアルコキシド(tert−BuOK)等の塩基触媒の存在下で脱水縮合することにより一段法で粗合成し、これをクロロホルム等の溶媒を用いて精製し、必要に応じてクロマト分離することにより目的物を得ている。
【0005】
また、特開昭59−104333号公報には、8環状体フェノール・ホルムアルデヒド化合物の製法に関し、p−フェニルフェノール類とホルムアルデヒド類を反応させて得られるフェノール・ホルムアルデヒド樹脂に非水系溶媒(例えば、キシレンやジオキサン)及びLiの水酸化物又はNaの水酸化物を加えて加熱反応させる方法が記載されている。
【0006】
しかし、この方法で得られる粗合成カリックス(n)アレーン誘導体は、n=4やn=6等の縮合度の異なる環状化合物を含むことが多い。また、粗合成品からカリックス(8)アレーンのみを選択的に単離したり、高純度で取り出すためには、クロロホルム等の有害な溶媒を必要とする上に収量も低下し、特に工業的製造にはコストが高くなり不利である。
【0007】
本発明は従来技術に存した上記の問題を解決するために行われたものであり、その目的とするところは、カリックス(8)アレーン誘導体を選択的に且つ高収率で製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法は、
芳香族系溶剤からなる反応溶媒中においてアルカリ触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類を脱水縮合反応させてカリックスアレーン誘導体を製造する方法であって、
前記反応系に多価アルコールを存在させて前記脱水縮合反応を行なわせることを特徴とする。
【0009】
本発明において用いるフェノール類は、下記式(A)で表されるものであることが好ましい。
式(A)
【0010】
【化3】
Figure 0004034426
[式(A)中、Rは水素(H)、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置換フェニル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリサイクリック基、又は未置換若しくは核置換アラルキル基を示す。]
本発明における多価アルコールの量は、フェノール類に対して0.01乃至10mol%であることが好ましい。
【0011】
また、本発明において用いる多価アルコールは、1分子中にOH基を2乃至6個有するものとすることができる。カリックス(8)アレーン誘導体を製造する上での選択性及び収率の観点において、多価アルコールは、好ましくは、グリセリン又はエチレングリコール、より好ましくはグリセリンである。
【0012】
また、本発明のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法は、
芳香族系溶剤からなる反応溶媒中において、アルカリ触媒及び多価アルコールの存在下で、上記式(A)で表されるフェノール類の1種又は2種とホルムアルデヒドを、加熱還流下において脱水縮合反応させるものとすることができる。
【0013】
また、本発明のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法は、下記一般式(I)で表されるカリックス(8)アレーン誘導体を製造するものとすることができる。
一般式(I)
【0014】
【化4】
Figure 0004034426
[一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ、水素(H)、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置換フェニル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリサイクリック基、又は未置換若しくは核置換アラルキル基を示し、R1とR2は、同じであっても異なってもよい。
また、m及びnは、それぞれ0乃至8の整数を示し、m+n=8である。
また、R1を含む括弧で括られた構成単位とR2を含む括弧で括られた構成単位の結合順は任意である。]
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法において主原料として用いるフェノール類としては、次のようなものを例示することができる。すなわち、
式(A)におけるRが水素であるフェノール;
式(A)におけるRが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、tert−オクチル基等の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基(例えば炭素数1乃至12のもの)である、p−アルキルフェノール類;
式(A)におけるRが、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等のアルケニル基(例えば炭素数1乃至12のもの)である、p−アルケニルフェノール類;
式(A)におけるRが、メチル基やエチル基等の炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基やエトキシ基等の炭素数1乃至4のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン等で核置換された又は未置換のフェニル基である、p−フェニルフェノール類;
式(A)におけるRが、メトキシ基、エトキシ基、イソポロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基(例えば炭素数1乃至12のもの)であるようなp−アルコキシフェノール類;
式(A)におけるRが、メトキシエチル基、エトキシプロピル基、オクトオキシプロピル基等のアルコキシアルキル基(例えば炭素数1乃至12のもの)である、p−アルコキシアルキルフェノール類;
式(A)におけるRが、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のアリサイクリック基(シクロアルキル基、例えば炭素数3乃至12のもの)である、p−アリサイクリック基置換フェノール類;
式(A)におけるRが、ベンジル基、フェニルエチル基、α,α’−ジメチルベンジル基等のアラルキル基、又はメチル基やエチル基等の炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基やエトキシ基等の炭素数1乃至4のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン等で核置換されたアラルキル基であるようなp−アラルキルフェノール類
等である。
【0016】
これらのフェノール類は、1種又は2種用いることができ、一般式(I)で表されるカリックス(8)アレーンの主要な構成要素を形成する。
【0017】
一般式(I)で表されるカリックス(8)アレーンは、具体的には、例えば下記構造のものである。
【0018】
【化5】
[p−tert−ブチルカリックス(8)アレーン]
Figure 0004034426
【0019】
【化6】
[R1:tert−ブチル基、R2:メチル基、m及びnはそれぞれ1乃至7の整数であってn+m=8、tert−ブチル基を含む構成単位とメチル基を含む構成単位の結合順は任意である。]
Figure 0004034426
フェノール類との脱水縮合によりフェノール類を連結させるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド)、アセトアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。一般にはホルムアルデヒドを発生するパラホルムアルデヒドを使用する。
【0020】
パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類は、通常、フェノール類に対し1当量乃至1.5当量使用する。
【0021】
本発明のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法におけるフェノール類とアルデヒド類の脱水縮合反応では、アルカリ触媒、すなわち、KOH、NaOH、RbOH、LiOH等のアルカリ金属の水酸化物や金属アルコキシド(例えば、tert−C49OK)等の強塩基(特にアルカリ金属を含有する強塩基)を用いる。アルカリ触媒は、通常、フェノール類に対し0.01当量乃至0.05当量使用する。この反応においては、アルカリ触媒におけるアルカリ金属イオン(K+、Na+、Rb+、Li+等)の鋳型効果により環形成が進行すると考えられている。
【0022】
反応溶媒は、疎水性の芳香族系溶剤からなる。すなわち、反応溶媒の実質的な全成分又は主成分が疎水性の芳香族系溶剤である。そのような溶剤として、一般にキシレンが用いられる。
【0023】
本発明の特徴は、上記の一般的なカリックスアレーンの製法において、反応系に多価アルコール類を存在させて前記脱水縮合反応を行なわせることにある。
【0024】
本発明の製造方法において好適な多価アルコールとしては、
エチレングリコール[HOCH2CH2OH]、
プロピレングリコール[CH3CH(OH)CH2OH]、
ジエチレングリコール[HOCH2CH2OCH2CH2OH]、
へキシレングリコール[(CH3)2C(OH)CH2CH2(OH)CH3]
等の2価のアルコール;
グリセリン[HOCH2CH(OH)CH2OH]等の3価のアルコール;
meso−エリトリット[HOCH2(CHOH)2CH2OH]
ペンタエリスリトール[C(CH2OH)4]
等の4価のアルコール;
イノシトール
【0025】
【化7】
Figure 0004034426
ソルビトール[HOCH2(CHOH)4CH2OH]、
マンニトール[HOCH2CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH2OH]
等の6価のアルコール
などが挙げられる。
【0026】
カリックス(8)アレーン誘導体を製造する上での選択性及び収率の観点においてより好ましいのは、グリセリンとエチレングリコールであり、特にグリセリンが好ましい。
【0027】
多価アルコール類は、反応系に触媒量使用することができ、フェノール類に対して0.01乃至10mol%であることが好ましい。0.01mol%未満では十分な効果を発揮し難く、目的のカリックス(8)アレーンを高収率且つ高選択的に得難い。一方、10mol%を超えて使用して特に効果がより高まる訳ではなく、また、キシレン等の反応溶媒としての芳香族系溶剤の回収操作において不利となる。
【0028】
反応系に多価アルコールを存在させて前記脱水縮合反応を行なわせる目的は、カリックス(8)アレーン化合物を高選択的に且つ高収率で得るためである。アルカリ触媒のみで高選択性及び高収率を実現できない理由は、この反応が、アルカリの存在する水相とフェノール類の存在する有機相の相間での反応により進行し、アルカリ金属イオンの鋳型効果により環形成が行われると考えられるからである。反応系に多価アルコールを存在させると、反応中の触媒移行が促進されて高選択性及び高収率が実現されるものと考えられる。
【0029】
本発明においては、上記のような反応基材、溶媒、アルカリ触媒及び多価アルコールを用いて脱水縮合反応及び環化反応を行わせる。
【0030】
本発明の製造方法の典型的な実施形態としては、芳香族系溶剤(例えばキシレン)中、アルカリ金属水酸化物(例えばKOH)及び多価アルコールの存在下、上記式(A)で表されるフェノール類の1種又は2種とホルムアルデヒドを、加熱還流下に脱水縮合させることにより実質上目的のカリックス(8)アレーン誘導体のみを高収率で得るという態様を挙げることができる。
【0031】
また、この発明の実施形態としては、1種のフェノール類を用いる実施例1のような方法と2種のフェノール類を用いる実施例5のような方法を挙げることができる。
【0032】
更に、本発明の製造方法のより具体的な例は、次の通りである。すなわち、キシレン500乃至1500ml中に、1種又は2種のp−アルキルフェノール0.5mol、パラホルムアルデヒド0.65mol、5N水酸化カリウム(KOH:7×10-3mol)及び多価アルコール(好ましくはグリセリン0.01mol)を仕込み、混合、加熱、及び脱水処理して、3乃至7時間加熱還流下で脱水縮合反応させる。反応液を放熱させた後、濾過し、濾取した生成物を、キシレンを用いて洗浄した後、更にイソプロパノールを用いて洗浄し、次いで減圧乾燥させることにより、目的のカリックス(8)アレーンのみを白色粉末として高収率(80%以上)で得る。
【0033】
生成物の確認は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析やMS(質量スペクトル)分析等により行なうことができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、選択的に且つ高収率でカリックス(8)アレーン誘導体を得ることができる。ワンポットで目的物を得ることが可能であり、反応後におけるクロロホルム等の有害な塩素系溶剤による精製やクロマト分離等の必要性が低いので、環境汚染を起こし難く、製造コストも低下させることができる。また、高純度のカリックス(8)アレーン誘導体を提供することができるので、市場性が高まると共に、カリックス(8)アレーン誘導体を使用する新規材料の開発及び応用展開等に資することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される訳ではない。
【0036】
実施例1
撹拌器及び還流管等の必要器具を備えた1000mlのガラス製四ツ口フラスコを用いて、350gのキシレン中に、p−tert−ブチルフェノール85.3g(0.57mol)、パラホルムアルデヒド27.7g(0.74mol)、5N水酸化カリウム1.6g(8.0×10-3mol)、及びグリセリン1.3g(0.014mol)を仕込み、混合、加熱、及び脱水処理して、還流下、5時間反応させた。反応物を放熱させた後、濾過し、濾取した生成物を、キシレンを用いて洗浄した後、更にイソプロパノールを用いて洗浄し、次いで50乃至150℃で減圧乾燥させることにより、白色粉末として81.3g(収率88.0%)のp−tert−ブチルカリックス(8)アレーン[HPLC分析及びMS分析により確認した]を得た。
【0037】
この白色粉末のHPLC分析結果(図1)によって、p−tert−ブチルカリックス(8)アレーンが選択性高く得られたことが認められた。
【0038】
実施例2
実施例1のグリセリンに代えてエチレングリコール1.0g(0.016mol)を用いる他は実施例1と同様に処理及び操作を行ったところ、白色粉末として80.5g(収率87.2%)のp−tert−ブチルカリックス(8)アレーン[MS分析により確認した]を得た。
【0039】
HPLC分析結果は、実施例1と同様であった。
【0040】
実施例3
実施例1におけるp−tert−ブチルフェノールに代えてp−クレゾール61.6g(0.57mol)を用いると共に、グリセリンに代えてペンタエリスリトール2.7g(0.02mol)を用いる他は実施例1と同様に処理及び操作を行ったところ、白色粉末として61.2g(収率89.5%)のp−メチルカリックス(8)アレーン[HPLC分析及びMS分析により確認した]を得た。
【0041】
実施例4
実施例1におけるp−tert−ブチルフェノールに代えてp−フェニルフェノール96.9g(0.57mol)を用いると共に、グリセリンに代えてソルビトール1.5g(8.2×10-3mol)を用いる他は実施例1と同様に処理及び操作を行ったところ、灰白色粉末として85.1g(収率82.0%)のp−フェニルカリックス(8)アレーン[HPLC分析及びMS分析により確認した]を得た。
【0042】
実施例5
実施例1におけるp−tert−ブチルフェノールに代えてp−クレゾール30.8g(0.29mol)及びp−フェニルフェノール48.5g(0.29mol)、グリセリンに代えてmeso−エリトリット1.9g(0.015mol)、5N水酸化カリウムに代えてtert−ブトキシカリウム0.9g(8.0×10-3mol)をそれぞれ用いる他は実施例1と同様に処理及び操作を行ったところ、白色粉末として73.2g(収率85.0%)の下記式で表されるカリックス(8)アレーン(混合物)[HPLC分析及びMS分析により確認した]を得た。
【0043】
【化8】
Figure 0004034426
[上記式中、メチル基を含む構成単位とフェニル基を含む構成単位の結合順は任意である。]
比較例1
350gのキシレン中に、p−tert−ブチルフェノール85.3g(0.57mol)、パラホルムアルデヒド27.7g(0.74mol)、及び5N水酸化カリウム1.6g(8.0×10-3mol)を仕込み、混合、加熱、及び脱水処理して、還流下、5時間反応させた。反応物を放熱させた後、濾過し、濾取した生成物を、キシレンを用いて洗浄した後、更にイソプロパノールを用いて洗浄し、次いで50乃至150℃で減圧乾燥させることにより、白色粉末として69.3g(粗収率75.0%)のp−tert−ブチルカリックスアレーンを得た。
【0044】
この白色粉末は、HPLC分析結果(図2)によって、p−tert−ブチルカリックス(6)アレーンとp−tert−ブチルカリックス(8)アレーンの混合物であることが認められた。
【0045】
この白色粉末(p−tert−ブチルカリックス(6)アレーンとp−tert−ブチルカリックス(8)アレーンの混合物)からp−tert−ブチルカリックス(8)アレーンを単離するため、これを120倍量のクロロホルムに熱時溶解し、再結晶させた。その精製収率は87%(粗収量に対する収率)であり、p−tert−ブチルカリックス(8)アレーンの単離収率は65.3%(粗収率×精製収率)であった。
【0046】
比較例2
350gのキシレン中に、p−tert−ブチルフェノール85.3g(0.57mol)、パラホルムアルデヒド27.7g(0.74mol)、5N水酸化カリウム1.6g(8.0×10-3mol)、及びトリアセチン3.1g(0.014mol)を仕込み、混合、加熱、及び脱水処理して、還流下、5時間反応させた。反応物を放熱させた後、濾過し、濾取した生成物を、キシレンを用いて洗浄した後、更にイソプロパノールを用いて洗浄し、次いで50乃至150℃で減圧乾燥させることにより、白色粉末として65.9g(粗収率71.4%)のp−tert−ブチルカリックスアレーンを得た。
【0047】
この白色粉末は、HPLC分析によって、p−tert−ブチルカリックス(4)アレーンとp−tert−ブチルカリックス(8)アレーンの混合物であることが認められた。
【0048】
上記実施例及び比較例を表1にまとめた。
【0049】
【表1】
Figure 0004034426
表1中、(a)は精製カリックスアレーンの収率を示し、(b)は精製カリックスアレーンから単離された(8)アレーンの収率を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たp−tert−ブチルカリックスアレーンのHPLC−チャートを示す。
【図2】 比較例1で得たp−tert−ブチルカリックスアレーンのHPLC−チャートを示す。

Claims (9)

  1. 芳香族系溶剤からなる反応溶媒中においてアルカリ触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類を脱水縮合反応させてカリックスアレーン誘導体を製造する方法であって、
    前記反応系に多価アルコールを存在させて前記脱水縮合反応を行なわせることを特徴とするカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
  2. 上記多価アルコールが、1分子中にOH基を2乃至6個有するものである請求項1記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
  3. 上記多価アルコールが、グリセリン、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、及びmeso−エリトリットから選ばれる何れかである請求項1記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
  4. 上記多価アルコールが、2価のアルコール又は3価のアルコールである請求項1記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
  5. 上記多価アルコールがグリセリン又はエチレングリコールである請求項1記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法
  6. 上記フェノール類が下記式(A)で表されるものである請求項1乃至5の何れか1項に記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
    式(A)
    Figure 0004034426
    [式(A)中、Rは水素、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置換フェニル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリサイクリック基、又は未置換若しくは核置換アラルキル基を示す。]
  7. 芳香族系溶剤からなる反応溶媒中において、アルカリ触媒及び多価アルコールの存在下で、式(A)で表されるフェノール類の1種又は2種とホルムアルデヒドを、脱水縮合反応させる請求項記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
  8. 上記多価アルコールの量がフェノール類に対して0.01乃至10mol%である請求項1乃至7の何れか1項に記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
  9. 下記一般式(I)で表されるカリックス(8)アレーン誘導体を製造する請求項1乃至8の何れか1項に記載のカリックス(8)アレーン誘導体の製造方法。
    一般式(I)
    Figure 0004034426
    [一般式(I)中、
    及びRは、それぞれ、水素、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置換フェニル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリサイクリック基、又は未置換若しくは核置換アラルキル基を示し、RとRは、同じであっても異なってもよい。また、m及びnは、それぞれ0乃至8の整数を示し、m+n=8である。また、Rを含む構成単位とRを含む構成単位の結合順は任意である。]
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