JP4034112B2 - フレキシブルチューブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インタロックパイプおよびベローズ管を備えたフレキシブルチューブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のエンジン排気系には、エンジン側の振動が下流側排気管に伝達されるのを抑え、またレイアウト性などの向上を目的として、排気管の途中にフレキシブルチューブを挿入している。
このようなフレキシブルチューブとして図3に示すようなものがある。このフレキシブルチューブ10は、蛇腹部12bを有するベローズ管12の外側に配置されたアウタブレード13と、ベローズ管12の内側に配置されたインタロックパイプ14とを有する。
【0003】
ベローズ管12の直管部12a、およびアウタブレード13の端部13aはインタロックパイプ14の外周面に重ねられた状態で配置されるとともに、アウタブレードの端部13aの外側にはプロテクタ15が配置されている。そしてこのプロテクタ15と、直管部12a、端部13aとがインタロックパイプ14の外周面に溶接されている。
【0004】
またベローズ管12の蛇腹部12bの内周径を、直管部12aの内周径よりも大きく設定してインタロックパイプ14の外周面と間隙をとることにより、フレキシブルチューブ10がエンジン等の振動により振れた際に、インタロックパイプ14の外周面と蛇腹部12bとが接触しないようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなフレキシブルチューブにおいて、その柔軟性を向上させるために、全長を長くしたりすると、フレキシブルチューブが振動した際に、インタロックパイプの振れ幅も長さに応じて大きくなり、ベローズ管の蛇腹部とインタロックパイプの外周面とが接触することによって、異音等の不具合を発生していた。
【0006】
フレキシブルチューブの外形サイズは、周辺とのスペース確保や地上高からの制約のため大きくできないので、蛇腹部の内径のみを大きくすると山高さが小さくなって目的に反しベローズ管の柔軟性が失われ、かわりにインタロックパイプの径を小さくすれば排圧の上昇を招いてしまうという問題が生じる。
【0007】
したがって本発明は上記の問題点に鑑み、所要の柔軟性を確保しながらインタロックパイプとベローズ管の蛇腹部の接触による異音等の不具合の発生を無くしたフレキシブルチューブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、蛇腹部と両端に直管部とを有するベローズ管と、該ベローズ管の内側において同軸に、複数の環状板材または螺旋状に巻いた帯板材を側縁部分でインタロック機構を介して可撓するように連結したインタロックパイプを備え、ベローズ管は直管部に対し、蛇腹部の内周径を大径に設定し、直管部の内周面にインタロックパイプを直接またはカラーを介して接合させたフレキシブルチューブにおいて、蛇腹部は、外周径を略一定として、内周径をベローズ管の長手方向中央部においてその両側よりも大きく設定してあるものとした。
【0009】
請求項2の発明は、蛇腹部の内周径を、ベローズ管の長手方向中央部へ向かって連続的に大きくしてあるものである。
【0010】
請求項3の発明は、さらに蛇腹部のピッチをベローズ管の長手方向中央部においてその両側よりも小さく設定してあるものとした。
請求項4の発明は、蛇腹部のピッチを、ベローズ管の長手方向中央部へ向かって連続的に小さくしてあるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1は実施の形態の縦断面図である。
フレキシブルチューブ1は、蛇腹部2bを有するベローズ管2の外側に配置された編組管からなるアウタブレード3と、ベローズ管2の内側に配置されたインタロックパイプ4とを有する。ベローズ管2の直管部2a、およびアウタブレード3の端部3aはインタロックパイプ4の外周面に重ねられるとともに、アウタブレード3の端部3aの外側には、プロテクタ5が配置されている。
【0012】
このプロテクタ5の外側の端部の内周面は端部3aの外周面と整合するよう絞られ、内側の端部は径がアウタブレード3の一般外周径まで拡大されて軸方向内方に伸びている。そしてプロテクタ5と、上記ベローズ管の直管部2a、アウタブレード3の端部3aおよびインタロックパイプ4とは、溶接或いはカシメ等により固定されている。
【0013】
ベローズ管2の蛇腹部2bの外周径(山径)は、基本径Doutを有する。そして、両端部の山径はDoutより小さく、直管部2aより大きい径となって、外周の山を結ぶ包絡線を滑らかとしている。
蛇腹部2bの内周径(谷径)は、インタロックパイプの外径より大きく、かつ、長手方向の中央に向かうほど大きく設定されており、中央部で最大径Dinmxとなっている。これにより、蛇腹部2bの内周径は中央部においてインタロックパイプとの間隙が最大値Smxとなる。
【0014】
さらに蛇腹部2bは長手方向の中央に向かうほど山の間隔が小さくなるように設定されている。すなわち、端部側のピッチをWaとし、中央側のピッチをWbとして、Wa>Wbとなっている。
【0015】
本実施の形態は以上のように構成され、蛇腹部2bの内周径が中央に向かうほど大きく設定されているので、フレキシブルチューブ1が振動してインタロックパイプ4が振れた際に、図2に示すように、蛇腹部2bの外周径をDoutに抑え、フレキシブルチューブの外径を従来と同じとしたままでも、撓んだインタロックパイプがベローズ管2の蛇腹部の小径部に接触することがない。
【0016】
なお、蛇腹部2bの内周径が大きくなると山高さ(山径と谷径の差)が小さくなって蛇腹として曲げに対する剛性が大きくなるおそれがあるが、インタロックパイプと蛇腹部間の間隙を両者の接触を避けるに必要な限度に抑えて、内周径を中央に向かって連続的に滑らかに変化させているから、ベローズ管の柔軟性の低下を最小限とすることができる。
【0017】
同じく、蛇腹部2bの山高さが小さくなることによる曲げ剛性の増大に対して、本実施の形態では、蛇腹部のピッチを長手方向中央に向かうほど小さくしているので、山高さを小さくした影響を受けることなく、曲げに対する柔軟性を向上させることができる。
【0018】
なお、図示の実施の形態では、蛇腹部の内周径を長手方向の中央部で最大になるように滑らかに連続的に変化させているが、これに限定されず、中央部に向かって段階的に変化させるものとしてもよい。
同様に、蛇腹部のピッチも連続的に変化させるほか、段階的に、あるいは例えば、中央部を含む所定の中間部分のみその両端側より小さなピッチに設定することとしてもよい。
【0019】
さらに、ベローズ管の直管部2a、アウタブレード3の端部3a、およびインタロックパイプ4の端部が互いに重ねられて溶接接合されているものとしたが、インタロックパイプは例えばベローズ管の直管部およびアウタブレードの端部の内側にカラーを重ね、このカラーに接合させることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、蛇腹部と直管部とを有するベローズ管の内側に可撓性のインタロックパイプを備えたフレキシブルチューブにおいて、蛇腹部の外周径を略一定として、内周径をベローズ管の長手方向中央部においてその両側よりも大きく設定し、中央部において蛇腹部の内周径とインタロックパイプとの間隙が最大になるものとしたので、例えばフレキシブルチューブのサイズを長くした場合にも、蛇腹部の外周径を小さく保持しながら、インタロックパイプが振動で撓んでも蛇腹部の小径部に接触することがない。
【0021】
とくに、蛇腹部の内周径をベローズ管の長手方向中央部へ向かって連続的に大きくすることにより、インタロックパイプと蛇腹部間の間隙を両者の接触を避けるに必要な限度に抑えることができるので、ベローズ管の柔軟性の低下を最小限とすることができる。
【0022】
さらに蛇腹部のピッチをベローズ管の長手方向中央部においてその両側よりも小さく設定してあるものとすることにより、蛇腹部の剛性増大を抑え、曲げに対する柔軟性を向上させることができる。
とくに、蛇腹部のピッチをベローズ管の長手方向中央部へ向かって連続的に小さくすることにより、蛇腹の山高さの変化に対応させることができるので、蛇腹部の柔軟性を長手方向に均一なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【図2】インタロックパイプが振れた状態を示す図である。
【図3】従来のフレキシブルチューブを示す図である。
【符号の説明】
1 フレキシブルチューブ
2 ベローズ管
2a 直管部
2b 蛇腹部
3 アウタブレード
3a 端部
4 インタロックパイプ
5 プロテクタ

Claims (4)

  1. 蛇腹部と両端に直管部とを有するベローズ管と、
    該ベローズ管の内側において同軸に、複数の環状板材または螺旋状に巻いた帯板材を側縁部分でインタロック機構を介して可撓するように連結したインタロックパイプを備え、
    前記ベローズ管は前記直管部に対し、蛇腹部の内周径を大径に設定し、直管部の内周面に前記インタロックパイプを直接またはカラーを介して接合させたフレキシブルチューブにおいて、
    前記蛇腹部は、外周径を略一定として、前記内周径をベローズ管の長手方向中央部においてその両側よりも大きく設定してあることを特徴とするフレキシブルチューブ。
  2. 前記蛇腹部の前記内周径は、ベローズ管の長手方向中央部へ向かって連続的に大きくしてあることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルチューブ。
  3. 前記蛇腹部のピッチをベローズ管の長手方向中央部においてその両側よりも小さく設定してあることを特徴とする請求項1または2記載のフレキシブルチューブ。
  4. 前記蛇腹部のピッチは、ベローズ管の長手方向中央部へ向かって連続的に小さくしてあることを特徴とする請求項3記載のフレキシブルチューブ。
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