JP4033685B2 - 推進管のカーブ推進工法用のスペーサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管を敷設時にカーブ状の経路に沿って推進させるときに使用される推進管のカーブ推進工法用のスペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、市街地における管渠の埋設工事については、安全性の確保や建設公害の排除などの面から、開削工法に代わる各種の工法が開発されている。そのうちの一つに推進工法がある。この推進工法は、発進基地としての立坑を設け、埋設管路を構成する既成管の先端部で土砂を掘削しながら、この既成管をジャッキにて土中へ押し込むという工法である。
【0003】
推進工法は、近年の技術的進歩がめざましく、長距離の推進施工が可能になってきている。そして、それに伴って道路事情や立坑位置が制限されるなどの理由により、カーブ推進工法が計画される機会が多くなっている。このカーブ推進施工を行うにあたっては、主に次の3点について検討する必要がある。
【0004】
(1)カーブ推進の区間とその曲率半径
(2)掘削地盤の状態とそれについての補助工法
(3)推進力と管体強度すなわち耐荷力
図9はカーブ推進工法の概念を示す。ここで1は管体であり、複数の管体1…が軸心方向に直列されて、その端面どうしの間で推力を伝達するように構成されている。2で示す範囲部分は直線推進部、同じく3はカーブ推進部である。カーブ推進部3において、4はカーブ内側、5はカーブ外側である。6は推進力を示し、直線推進部2ではこの推進力6は管体1の周方向に沿って均等に分布している。
【0005】
一方、カーブ推進部3では、カーブ外側5では管体1の端面どうしが離れ、カーブ内側4が理論的にポイントタッチすなわち点当たりとなる。7はその点当たり部で、その部分に推進力6が集中する。このため、カーブ推進工法において、図10に示すように受口10の奥端11に対し挿口12のカーブ内側の点当たり部7によって、挿口12の開口端部が座屈し、あるいは斜線で示す受口奥端の部分11aがせん断破壊され、挿口12が受口奥端よりさらに奥方へと入りこんでしまい、以後推進施工が不可能になる事がある問題があった。
【0006】
このため従来では、図11に示すように、管体1の端面どうしの間に端面がテーパ状とされた環状スペーサ8を介挿し、この環状スペーサ8のテーパ面9で一点当たりを防止することが行われている(例えば特開平5−209494号公報、特開平7−229389号公報、特開2000−291379号公報など)。
【0007】
なお、図中6で示す線は推進力の分布状態を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来、環状スペーサ8は、鋳鉄製などほとんど圧縮変形しない硬材質であったため、テーパ面9のテーパ角がカーブ推進される管の管端交叉角と合致しない場合は図12(a)(b)に示すようにテーパ面9とそうでない平坦面20との境界部分9aの二点だけの当接となり、一点当たりは避けられるものの、点状の接触状態にはかわりがなく、この接触点部分での応力集中は避けられない問題があった。
【0009】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、カーブ推進部における推進応力の集中を確実に排除して、応力緩和を図ることができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、管路敷設時、カーブした経路に沿って推進される一方の管の端面と他方の管の端面との間の推力伝達部に介挿されるスペーサであって、前記管と略同一径のリング体よりなり、該リング体の軸方向肉厚が薄肉部と厚肉部とに異ならされ、この薄肉部と厚肉部とは前記リング体の円周の中心点を対称点として前記リング体の周囲に対を成して二組設けられ、薄肉部をカーブの最内側部分の管の端面どうしの間に位置させた状態でカーブ推進を行ったとき、前記リング体によって推力が伝達されると同時に、一方の管の端面と他方の管の端面との間に挟まれた前記厚肉部が、管によって加えられる軸方向押圧力によって軸方向へと圧縮変形し、かつ前記一方の管の端面と他方の管の端面とが前記薄肉部に接触可能とされてなる事を特徴とするものである。
【0011】
このような構成であると、推進管がカーブ推進されても、推進圧力により厚肉部が管軸方向へ圧縮変形され、一方の管の端面と他方の管の端面とが薄肉部に接触され、その結果一方の管の端面と他方の管の端面とは圧縮変形部と薄肉部との接触の三ケ所で接し、点当たりが発生することがなく、推進応力の分散が図られその応力緩和が図られることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の実施の形態である推進管のカーブ推進工法用のスペーサを示す。
【0013】
この推進管のカーブ推進工法用のスペーサ13(以下「スペーサ13」と言う)は、推進工法により推進される管体1と略同じ径で径方向寸法Rが管の肉厚とほぼ等しくされたリング体14であって、このリング体14の軸方向厚さが、平坦な端面とされた一端側14aから見て厚さt1の薄肉部15と、厚さt2の厚肉部16とに異ならされ、この薄肉部15と、厚肉部16とはリング体14の円周の中心点17を対称点として、リング体14周囲に対を成して二組設けられている。
【0014】
そして、スペーサ13を構成する材料は、薄肉部15を図5に示すカーブ内側4の管の端面どうしの間に挟んだ状態でカーブ推進を行ったとき、前記リング体14によって推力が伝達されると同時に、厚肉部16が、管によって加えられる軸方向押圧力Pによって管体よりも圧縮変形しやすい材質により形成され、具体的には鋼材などにより形成される。
【0015】
また、図1において28はリング体14の一つ割れの切れ目を示し、必要に応じて設けられる。
次に、スペーサ13の作用について説明する。
【0016】
図3に示すように、挿口12先端にスペーサ13を、薄肉部がカーブ内側に対応する姿勢で配置して受口10内へ挿入する。そして、図10に示した場合と同様に、受口奥端11と挿口12先端との間にスペーサ13を介挿した状態で管を推進していく。
【0017】
このとき、直進推進部では、スペーサ13の軸方向厚肉部16が受口奥端11と挿口12先端とに接するので、図4に示すように推進力の応力分散が図られる。
【0018】
次いでカーブ推進部にさしかかれば、図5に示すように、曲折角に応じて、カーブ内側4が強く圧接し、カーブ外側5が離れる。
このとき、図6に示すように、厚肉部16ではその角部16aに軸方向押圧力Pが集中するのと、リング体14の形成材料が推進力伝達可能であると共に変形も可能な金属材料であるので、その応力集中により、角部16aが図6(a)の状態から(b)に示すように圧縮変形され、挿口12先端との接触面積を増やしていき、押圧力Pが分散されていく。
【0019】
そして、最終的にはスペーサ13のカーブ内側4の最内側部分の薄肉部15表面に挿口12の端部が接し図6(b)に示すように圧縮変形部18、18と一点接触部19の三個所で接する。従って、応力分散が図られる。
【0020】
従って、推進力による受口奥端11のカーブ内側部分のせん断破壊などは確実に防止される。
【0021】
【実施例】
次に、この発明の実施例について説明する。
図1に示したような、一つ割りのリングであって、径方向寸法Rが13mm、軸方向厚さのうち薄肉部15の厚さt1が5mm、厚肉部16の厚さt2が15mmとされたステンレス(SS)製リングを用意し、最大曲げ角2°のカーブ推進の推進管に使用した。
【0022】
その結果、図7に斜線で示す部分が圧縮変形され、この圧縮変形にともない挿口12における薄肉部15に対応する点15pがスペーサ13に当接し、結局圧縮変形部二個所と薄肉部一箇所の合計三箇所の広い面積で推進力が伝達されているのが判明した。
【0023】
また、薄肉部15と厚肉部16とは対象位置に設けられ、図8に示すようにカーブに対する管頂からみた平面図に実線と鎖線で示すように左右何れの方向へも曲折できるのでS字状管路であっても対応できるなどの効果も有する。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、推進圧力によりスペーサの厚肉部が管軸方向へ圧縮変形され、一方の管の端面と他方の管の端面とがスペーサ薄肉部に接触されるので、カーブ推進部においても所定の面積を保った状態で一方の管の端面から他方の管の端面へ推進力が伝達されることになって、点当たりの発生を防止でき、したがって推進応力の集中を防止できてその応力緩和を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のカーブ推進工法用スペーサの正面図である。
【図2】 同スペーサの側面図である。
【図3】 推進管の接合状態を示す側面図である。
【図4】 本発明の実施の形態のカーブ推進工法用スペーサを用いて直線部分を推進している状態を示す側面図である。
【図5】 本発明の実施の形態のカーブ推進工法用スペーサを用いてカーブ部分を推進している状態を示す平面図である。
【図6】 カーブ推進している状態を示す図であり、(a)はカーブ推進工法用スペーサの圧縮変形前、(b)は同圧縮変形後の状態を示す。
【図7】 カーブ推進している状態のカーブ推進工法用スペーサの説明正面図である。
【図8】 カーブ推進している状態を平面視して示す説明断面図である。
【図9】 推進工法の説明図である。
【図10】 カーブ推進時における管同士の当接部の拡大断面図である。
【図11】 カーブ推進時における管同士の推進力の伝達状態を示す説明図である。
【図12】 カーブ推進時における推進力の伝達状態を示す説明図であり、(a)はその側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 推進される管体
4 カーブ内側
5 カーブ外側
10 受口
11 受口奥端
12 挿口
13 推進管のカーブ推進工法用スペーサ
14 リング体
15 薄肉部
16 厚肉部
17 中心点
Claims (1)
- 管路敷設時、カーブした経路に沿って推進される一方の管の端面と他方の管の端面との間の推力伝達部に介挿されるスペーサであって、前記管と略同一径のリング体よりなり、該リング体の軸方向肉厚が薄肉部と厚肉部とに異ならされ、この薄肉部と厚肉部とは前記リング体の円周の中心点を対称点として前記リング体の周囲に対を成して二組設けられ、薄肉部をカーブの最内側部分の管の端面どうしの間に位置させた状態でカーブ推進を行ったとき、前記リング体によって推力が伝達されると同時に、一方の管の端面と他方の管の端面との間に挟まれた前記厚肉部が、管によって加えられる軸方向押圧力によって軸方向へと圧縮変形し、かつ前記一方の管の端面と他方の管の端面とが前記薄肉部に接触可能とされてなる事を特徴とするカーブ推進工法用のスペーサ。
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