JP4033572B2 - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気センサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録再生装置および磁気抵抗効果素子に関し、特に、高記録密度磁気記録再生装置とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平2−61572号公報は、中間層によって分離した強磁性薄膜の、その磁化の互いになす角度によって電気抵抗が変化する積層膜およびそれを用いた磁場センサ,磁気記録装置の記載があり、鉄−マンガン合金薄膜の記載がある。
【0003】
特開平9−35212号公報にはMn−(Ru,Rh,Ir,Pd,Pt)膜を用いた薄膜磁気ヘッドの記載がある。
【0004】
特開平9−36455号公報には動作層の厚みが5ナノメートル以下である磁気抵抗効果素子の記載がある。
【0005】
特開平8−55312号公報にはスピンバルブ構造から薄いスペーサー層を隔てて薄いキーパー層を有する磁気抵抗センサ装置の記載がある。
【0006】
特開平9−147325 号公報には熱処理されたPtMn膜を有する磁気抵抗効果型ヘッドの記載がある。
【0007】
特開平6−76247号公報にはMn合金、特にMn−(Ni,Ir,Pd,Pt,Rh)およびMn−Ni−Cr合金の面心正方晶構造を有する反強磁性体層とその熱処理の記述がある。
【0008】
特開平9−231525 号公報には1%程度結晶が歪んだCrMnPt/Coの構成を有するスピンバルブセンサの記述がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、記録密度の充分に高い磁気記録装置、特にその再生部に外部磁界に対して十分な感度と出力で作用する磁気抵抗効果素子を実現し、さらに出力の対称性が十分に制御された良好な特性を得ることが出来ず、記憶装置としての機能を実現することが困難であった。
【0010】
近年、強磁性金属層を非磁性金属層を介して積層した多層膜の磁気抵抗効果、いわゆる巨大磁気抵抗、が大きいことが知られている。この場合、磁気抵抗効果は、非磁性層で隔てられた強磁性層の、磁化と磁化のなす角度によって電気抵抗が変化する。この巨大磁気抵抗効果を磁気抵抗効果素子として用いる場合には、スピンバルブとよばれる構造が提唱されている。即ち、強磁性層/非磁性層/軟磁性層の構造を有し、感知すべき磁界の範囲で実質的に磁化の固定した強磁性層に対して、他方の軟磁性層が外部磁界によって磁化回転することで相対的な磁化の角度差に応じて電気抵抗の変化を生じ、出力を得ることができる。
【0011】
強磁性層の磁化の固定には、保磁力および残留磁化の大きな磁性膜や、反強磁性膜/強磁性層界面に発生する交換結合磁界によって反強磁性膜と密着した強磁性層の磁化を実質的に固定する方法が用いられる。上記固定の効果を固定バイアス、この効果を生じる反強磁性膜を固定バイアス膜とよぶことにする。また上記磁化が実質的に固定された強磁性層を強磁性固定層と呼ぶことにする。同様に外部磁場によって磁化回転する軟磁性膜を自由層もしくは軟磁性自由層と呼ぶことにする。
【0012】
以上述べたように、高記録密度に対応した磁気ヘッドとしては巨大磁気抵抗効果を応用し、スピンバルブ型の磁気抵抗効果積層膜を適用する構成が望ましい。ここで、感知すべき磁界の方向を横方向、これに略垂直で磁気抵抗効果積層膜の膜面に平行な方向を縦方向と呼ぶことにする。磁気ヘッドとして用いる場合には、横方向を素子高さ方向、縦方向をトラック幅方向とすることが一般的である。その際、磁気抵抗積層膜のパターンの素子高さ方向の幅を素子高さ,トラック幅方向の幅をトラック幅と呼ぶ。また、磁気抵抗積層膜に電流を印加するために、トラック幅方向に一対の電極を配置して、磁気抵抗効果による抵抗変化を検出する構成が一般的である。
【0013】
さて、スピンバルブ素子が磁気センサとして良好な安定性と出力を得るためには、上述した反強磁性膜が強磁性固定層に印加する交換結合が十分に強いことが必要である。ここで、十分に強いとは、交換結合磁界が大きい,交換結合磁界に付属する強磁性固定層の保磁力が交換結合磁界に比べて十分小さい,交換結合が熱的に安定である、の3点が満たされなければならない。
【0014】
従来技術において、さまざまな反強磁性膜とその作製方法が研究されてきたが、その一つの特徴として、結晶構造が面内に均一であるということが挙げられる。一般に磁気センサとして用いられる薄膜は、概して多結晶体であって、基体上に形成されたそれはしばしば基体の面に対して強い配向性を示す。例えばガラス基体上にTa下地膜を5ナノメートル、Ni−Fe薄膜を5ナノメートル連続して成膜すると、面心立方構造を有するNi−Fe薄膜の(111)面が基体表面に平行に強く配向する。すなわち基体表面の法線の方向に対して強い結晶の方向性がある。
【0015】
しかしながら、基体表面の面内の方向にはこのような薄膜の結晶方位の特異性はなく、多結晶の薄膜のおのおのの結晶粒は、面内の方向についてはランダムに並んでいるのである。特に下地膜などを用いないで室温で形成された薄い薄膜の場合には、面に垂直な法線方向の配向性もほとんどなくてランダムであり、面内に関してはやはりランダムである。面内方向に結晶の方向性を制御する従来技術としては、例えば、単結晶基板上にエピタキシャル成長させる方法があるが、これは高価であって、磁気センサの製造に関しては現在用いられていない。
【0016】
一方で、ある種の反強磁性膜の結晶構造は、対称性の高い立方晶と比較して歪んでいることが知られている。例えば、NiOは基本的にはNaCl構造の立方晶であるが、厳密には菱面体である。Cr−45at%Mn−10at%Pt膜は体心立方晶が基本構造で、膜形成時の状態では体心立方であるが、200℃以上で熱処理すると(110)方向および(001)方向に数%程度歪んで斜方晶になる。Ni−50at%Mn,Pt−50at%Mnなどは膜形成時には面心立方構造であるが、250℃程度の熱処理によってCuAu(I)型の規則構造の正方晶になる。
【0017】
従来技術では、これらの歪みの方向は、薄膜の応力などによって、基体の面法線の方向については方向性があるにしても、面内方向に関しては、結晶粒のランダムな方位に準じて、なんら方向性を制御できなかったのである。反強磁性膜の交換結合は、反強磁性体の磁気構造と密接に関係していると考えられているが、上記のように交換結合磁界を印加すべき基体面内の特定方向と、反強磁性膜の結晶構造の歪みの方向は、制御されておらず、理想的に歪んだ反強磁性膜の交換結合を磁気センサに効率的に利用することができなかったのである。
【0018】
従って、本発明の目的は高密度記録に対応した磁気抵抗効果型磁気センサおよび磁気記録装置を提供することにあり、より具体的には面内に方向性を持たせた膜形成あるいは熱処理によって結晶の方位および歪みの異方性を交換結合の方向と一致させた反強磁性膜/強磁性固定層の構成を用いたスピンバルブ磁気センサと、それを用いた磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置とを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
磁気ディスク媒体においては、基体上にテクスチャーと呼ばれる微細な構造を形成してこの上に薄膜を形成して、テクスチャーの方向に結晶軸を優先的に向ける形成法が用いられている。また、磁気テープ媒体などにおいては、基体上に斜めの方位から膜粒子が付着するように膜形成の方位関係を配置して、結晶に方向性を持たせる技術が用いられている。また、薄膜に応力を印加しながら熱処理することによって、特定の方向の応力を緩和するように結晶変形の伴う現象を誘導することが可能である。
【0020】
本発明では高記録密度に対応する手段として、巨大磁気抵抗効果を用いた磁気センサを磁気ヘッドに搭載した磁気記録装置を用いる。上記磁気センサとして、軟磁性自由層/非磁性導電層/強磁性固定層/反強磁性膜の積層構造を有するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果膜からなる磁気抵抗効果素子を用いる。ここでスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果膜とは、軟磁性自由層/非磁性中間層/強磁性固定層/反強磁性層の積層構成を有し、上記反強磁性層が上記強磁性固定層に交換結合磁界を印加していて、外部の磁界に応じて前記軟磁性自由層の磁化が回転し、前記強磁性固定層の磁化との相対角度が変わって磁気抵抗効果を生じることを特徴とする。
【0021】
本発明の課題は、磁気抵抗効果素子の反強磁性膜の交換結合の強化である。課題を解決するための手段として、本発明では反強磁性膜の結晶方位あるいは歪みの方向を制御する。具体的には、第一に、基体に応力を印加した状態で熱処理を行う。熱処理によって構造の変化、例えば歪みの発生を伴う種の反強磁性膜において、この方法によって応力の印加方法とその大きさに対応して歪みの緩和方向が規定され、基体面内の特定方向に結晶の異方性を実現することができる。
【0022】
基体に応力を印加して熱処理するとは、通常の状態で膜を形成した基体を、応力の印加した状態に変形,束縛して熱処理を行う方法,応力を印加した状態の基体上に膜を形成し、基体の応力を開放した状態で熱処理を行う方法,熱処理を行ったときに応力が発生するような、長尺形状の応力印加膜や基体に溝加工した状態を作製する方法などを適用する。第二に、薄膜の膜形成時での結晶の異方性を実現するために、基体上にテクスチャーを形成して膜形成する方法,基体上に薄膜を斜め入射形成して異方的な結晶を成長する方法を適用する。
【0023】
上記のような手段を用いて作製した反強磁性膜を含む積層構成は、X線や電子顕微鏡観察によって、積層構成の結晶構造が面内の特定方向に歪み、あるいは優先方位を持っていることが観察できる。
【0024】
上記のような手段を用いて交換結合特性を向上した積層膜を磁気センサとして磁気ヘッドに搭載することで、良好な出力と安定性を有する磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の磁性積層体,磁気記録媒体、および磁気抵抗効果素子を構成する膜は高周波マグネトロンスパッタリング装置により以下のように作製した。アルゴン6ミリトールの雰囲気中にて、厚さ1ミリ,直径3インチのセラミックス基板に以下の材料を順次積層して作製した。スパッタリングターゲットとしてタンタル,ニッケル−20at%鉄合金,銅,コバルト,クロム−50at%マンガン,マンガン,鉄−50at%マンガン,酸化ニッケルの各ターゲットを用いた。ターゲット上には添加元素の1センチ角のチップを配置して組成を調整した。チップは、白金,ニッケル,鉄,コバルト,イリジウム,パラジウムを用いた。
【0026】
積層膜は、各ターゲットを配置したカソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラズマを発生させておき、各カソードごとに配置されたシャッターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。膜形成時には永久磁石を用いて基板に平行におよそ80エルステッドの磁界を印加して、一軸異方性をもたせるとともに、クロム−マンガン膜などの交換結合磁界の方向をそれぞれの方向に誘導した。基体上の素子の形成はフォトレジスト工程によってパターニングした。その後、基体はスライダー加工し、磁気記録装置に搭載した。
【0027】
熱処理は真空中で3キロエルステッドの磁界を印加して、230から270℃の特定温度で1から3時間行った。
【0028】
以下に本発明の具体的な実施例を図を追って説明する。
【0029】
図1は基体への応力の印加方法の例である。基体50のホルダー52は基体50に歪みを印加するスペーサ51により変形し、基体表面は変形に伴う応力を受ける。通常の状態でスピンバルブ積層膜を形成した後、このようなホルダーに基体を固定し、熱処理を行うことで、スピンバルブ積層膜に適当な応力を印加した状態で反強磁性膜の歪みを応力の方向に誘導することができる。同様に、このようなホルダーに基体を固定し、スピンバルブ積層膜を形成した後、ホルダーから基体を開放し、基体の応力が開放されてスピンバルブ積層膜に逆方向の応力が印加した状態で熱処理を行っても同等の効果がある。
【0030】
図2はスピンバルブ積層膜の構成例である。磁気抵抗効果積層膜10は、基体50上に、下地膜14,軟磁性自由層13,非磁性中間層12,強磁性固定層15,反強磁性膜11,保護膜30を積層してなる。反強磁性膜11は、交換結合によって強磁性固定層15に一方向異方性を印加して強磁性固定層15の残留磁化を感知磁界の範囲で安定に固定する。軟磁性自由層13は、Ni基合金層133,Co基層131からなる。Ni基合金層133は、厚膜での磁歪がほぼゼロである組成、例えばNi―19原子%Feが望ましい。この図では反強磁性膜11にCr−45at%Mn−10at%Ptを用いた例を示した。
【0031】
図3は本発明および従来技術によるCr−45at%Mn−10at%Pt反強磁性膜を用いたスピンバルブ膜の磁化曲線を示した図である。本発明の試料については応力の印加方向を交換結合磁界と平行(//)および垂直(⊥)の2つの方向の結果について示してある。交換結合磁界は、従来技術の応力無しの場合に比べて、応力が交換結合磁界と平行な場合に大きく改善されていることが分かる。逆に応力が交換結合磁界と垂直な方向の場合には交換結合磁界は低下し、保磁力が増大している。
【0032】
図4は本発明および従来の技術でのCrMnPt膜の厚さと交換結合の関係を示した図である。従来技術の応力のない場合に比べて、本発明の応力印加の場合にはCrMnPtがより薄い場合にまで交換結合磁界が得られることがわかる。
【0033】
図5は本発明および従来技術のスピンバルブ積層膜の面内成分を含む回折曲線を示した図である。従来技術の膜では、(10−1)ピークは試料の面内の方向を変えても一定である。これに対して本発明の膜では、応力の印加方向に対して平行な場合にはピーク位置が高角にずれ、逆に応力の印加方向に垂直な方向では低角にずれていることがわかる。これはすなわち、本発明のスピンバルブ膜においては結晶の歪みが面内方向で異方性が発生せしめられており、交換結合の特性を向上することができた、ということである。
【0034】
図6はスピンバルブ積層膜の別の構成例である。磁気抵抗効果積層膜10は、基体50上に、下地膜14,軟磁性自由層13,非磁性中間層12,強磁性固定層15,反強磁性膜11,保護膜30を積層してなる。反強磁性膜11は、交換結合によって強磁性固定層15に一方向異方性を印加して強磁性固定層15の残留磁化を感知磁界の範囲で安定に固定する。軟磁性自由層13は、Ni基合金層133,Co基層131からなる。Ni基合金層133は、ここではNi−17原子%Fe−10原子%Coの例を示した。またこの図では反強磁性膜11に
Mn−48原子%Ptを用いた例を示した。
【0035】
図7は従来技術および本発明のMnPt反強磁性膜を用いたスピンバルブ積層膜の磁気抵抗曲線を示した図である。応力なしの場合に比べて応力印加したスピンバルブ積層膜では交換結合磁界が増加し、また保磁力が低下していることが分かる。
【0036】
図8は本発明および従来の技術でのMnPt膜の厚さと交換結合の関係を示した図である。従来技術の応力のない場合に比べて、本発明の応力印加の場合にはMnPtがより薄い場合にまで交換結合磁界が得られることがわかる。また保磁力が低下しており、全体に交換結合が効率的になっていることがわかる。
【0037】
図9は本発明の応力印加による結晶歪みの異方性発生のメカニズムを示した図である。結晶が熱処理によって歪む場合、結晶の対称性から等価である変形方向が複数存在する。図の左側に示した応力印加のない場合には、結晶の変形方向は結晶の対称性から等価である複数の方向へも同じ確率で変形が生じ、結果として結晶の歪みの方向は面内に等方的になる。本発明の製造方法では、熱処理が行われて結晶が変形する時点で、スピンバルブ積層膜に特定方向の応力が印加される。すると、結晶的に等価である変形方向のうち、応力を緩和する方向が優位となり、結晶の変形方向に面内で異方性が生じるのである。
【0038】
図10は基体への応力の印加方法の別の例である。基体50の表面には溝53および溝54を形成してなり、溝形状により応力を発生させてなる。溝53および54は、基体を加工するか、あるいは応力を発生させやすい膜、例えばアルミナや酸化ニッケルなどの適切な厚さの膜を長尺状に形成して作製してもよい。このような形状に基体を加工し、スピンバルブ積層膜を形成した後、熱処理を行うか、スピンバルブ積層膜を形成した後に基体の溝形状を作製して、熱処理を行ってもよい。また、従来技術でテクスチャーを用いたり、斜め入射膜形成にて方向性を持たせた成膜技術が知られているので、これらも用いてもよい。
【0039】
図11は本発明の磁気抵抗効果素子による磁気センサを搭載した磁気ヘッドの概念図である。基体50上に磁気抵抗効果積層膜10,電極40,下部シールド35,上部シールド兼下部コア36,再生ギャップ37,コイル42,上部コア83を形成してなり、対向面63を形成してなる。
【0040】
図12は本発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置の概念図である。ヘッドスライダー90を兼ねる基体50上に磁気抵抗効果積層膜10,磁区制御膜
41,電極40を形成し、これらからなる磁気ヘッドを記録媒体91を有するディスク95上の記録トラック44上に位置決めして再生を行う。ヘッドスライダー90はディスク95の上を、対向面63を対向して0.1 ミクロン以下の高さに浮上、もしくは接触して相対運動する。この機構により、磁気抵抗効果積層膜10はディスク95上の記録媒体91に記録された磁気的信号を、記録媒体91の漏れ磁界64から読み取ることができるのである。
【0041】
図13は本発明の磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記録する記録媒体91を保持するディスク95をスピンドルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92によってヘッドスライダー90をディスク95のトラック上に誘導する。即ち磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー90上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッドがこの機構に依ってディスク95上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み取るのである。アクチュエーター92はロータリーアクチュエーターであるのがよい。記録信号は信号処理系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を信号処理系94を経て信号として得る。
【0042】
さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーターを制御して、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー90,ディスク95を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。またディスク95は両面に記録媒体を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドスライダー90はディスクの両面に配置する。
【0043】
上述したような構成について、本発明の磁気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置を試験した結果、充分な出力と、良好なバイアス特性を示し、また動作の信頼性も良好であった。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば良好なバイアス特性と、特に素子高さの精度に対して柔軟な磁気センサを提供でき、ひいては高い記録密度において良好な再生出力とバイアス特性を有する磁気ヘッドおよび高密度磁気記録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピンバルブ積層膜の基体の応力印加による保持方法を示した図である。
【図2】本発明の磁気抵抗効果素子による磁気センサのCrMnPt反強磁性膜を用いた積層膜構成の断面の構成例を示した図である。
【図3】従来技術および本発明の磁気センサのCrMnPt反強磁性膜を用いた積層膜の磁気抵抗曲線を示した図である。
【図4】従来技術および本発明の磁気センサの積層膜の交換結合とCrMnPt膜厚の関係を示した特性図である。
【図5】従来技術および本発明の磁気センサの積層膜の面内のX線回折曲線の異方性を示した図である。
【図6】本発明の磁気抵抗効果素子による磁気センサの積層膜構成の断面の別の構成例を示した図である。
【図7】従来技術および本発明の磁気センサのMnPt反強磁性膜を用いた積層膜の磁気抵抗曲線を示した図である。
【図8】従来技術および本発明の磁気センサのMnPt反強磁性膜を用いた積層膜の磁気抵抗曲線を示した図である。
【図9】従来技術および本発明の磁気センサの積層膜の交換結合とMnPt膜厚の関係を示した図である。
【図10】本発明の基体への応力印加方法の別の例を示した図である。
【図11】本発明の磁気センサを用いた磁気ヘッドの構成例を示した斜視図である。
【図12】本発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置の概念斜視図である。
【図13】本発明の磁気記録再生装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10…磁気抵抗効果積層膜、11…反強磁性膜、12…非磁性中間層、13…軟磁性自由層、14…下地膜、15…強磁性固定層、30…保護膜、35…下部シールド、36…上部シールド兼下部コア、40…電気端子、41…磁区制御膜、42…コイル、50…基体、51…スペーサ、52…ホルダー、53,54…溝、63…対向面、64…記録媒体からの漏れ磁界、83…上部コア、90…スライダー、91…記録媒体、92…アクチュエーター、93…スピンドルモーター、94…信号処理回路系、95…ディスク、131…Co基層、133…Ni基合金層。

Claims (3)

  1. 軟磁性自由層/非磁性中間層/強磁性固定層/反強磁性の積層構成を有し、前記反強磁性膜が前記強磁性固定層に交換結合磁界を印加している磁気センサの製造方法において、前記反強磁性膜あるいは前記積層構成を斜め入射薄膜形成法にて作製することを特徴とする磁気センサの製造方法。
  2. 前記反強磁性膜がCr−Mn−Ptからなり、その結晶構造が前記交換結合磁界の方向に歪あるいは優先方位を有していることを特徴とする請求項1記載の磁気センサの製造方法。
  3. 前記反強磁性膜がMn−Ptからなり、その結晶構造が前記交換結合磁界の方向に歪あるいは優先方位を有していることを特徴とする請求項1記載の磁気センサの製造方法。
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