JP3932587B2 - 磁性積層体、磁気センサ、磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁性積層体、磁気センサ、磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性積層体,磁気記録再生装置および磁気抵抗効果素子に関し、特に、高記録密度磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平2−61572号は、中間層によって分離した強磁性薄膜の、その磁化の互いになす角度によって電気抵抗が変化する積層膜およびそれを用いた磁場センサ,磁気記録装置の記載があり、鉄−マンガン合金薄膜の記載がある。
【0003】
特開平6−60336号には磁性層の磁化の方向が垂直になるような手段、特に硬磁性膜を有する磁気抵抗感知システムの記載がある。また、磁性層がCoまたは Co合金である磁気抵抗効果センサの記載がある。
【0004】
特開平6−76247号にはニッケル−マンガン合金薄膜を用いた磁気記憶システムの記載がある。
【0005】
第19回日本応用磁気学会学術講演概要集(1995)pp352にはクロム−マンガン合金膜とニッケル−鉄合金膜との交換結合について示されている。
【0006】
特開平5−266436 号には非磁性層によって分離した強磁性層の、非磁性層と強磁性層の界面に別の薄膜材料を配置する磁気抵抗効果センサの記載がある。
【0007】
特開平6−111252 号には強磁性層と反強磁性層の間に軟磁性の中間層を付着した磁気抵抗センサの記載がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、記録密度の充分に高い磁気記録装置、特にその再生部に外部磁界に対して十分な感度と出力で作用する磁気抵抗効果素子を実現し、さらに十分にノイズの抑制された良好な特性を得ることができず、記憶装置としての機能を実現することが困難であった。
【0009】
記録密度の向上には記録媒体上の記録領域の1単位が狭くなることが必然であるが、これは特に磁気記録装置再生部の細小化が必要である。この場合問題となるのは小さい素子では第一に、素子端部等の形状異方性が無視できず、出力が低下しやすい、第二に磁壁の影響が大きくノイズが発生しやすいの2点である。
【0010】
近年、強磁性金属膜を非磁性金属膜を介して積層した多層膜の磁気抵抗効果、いわゆる巨大磁気抵抗が大きいことが知られている。この場合、磁気抵抗効果は、非磁性膜で隔てられた強磁性膜の、磁化と磁化のなす角度によって電気抵抗が変化する。この巨大磁気抵抗効果を磁気抵抗効果素子として用いる場合には、スピンバルブと呼ばれる構造が提唱されている。即ち、反強磁性膜/強磁性膜/非磁性膜/強磁性膜の構造を有し、その界面に発生する交換結合磁界によって反強磁性膜と密着した強磁性膜の磁化を実質的に固定し、他方の強磁性膜が外部磁界によって磁化回転することで出力を得ることができる。上記固定の効果を固定バイアス、この効果を生じる膜を固定バイアス膜と呼ぶことにする。外部磁界に対して線型な出力を得るためには、固定バイアスの方向、即ち、この反強磁性膜の交換結合磁界の方向は、感知すべき磁界の方向が望ましい。磁気ヘッドの場合にはこれは、一般に素子高さ方向と平行である。
【0011】
また一方では、磁気抵抗素子の磁壁移動に起因するノイズの抑制方法としては、磁気抵抗膜の単磁区化が効果的であるが、感知すべき磁界の方向に対して垂直方向に、磁気抵抗効果膜に縦バイアスを印加することが、有効である。即ち、磁壁を消失すると共に磁化の方向を、磁化過程が磁化回転によって生じるように設定できるからである。縦バイアスを印加する手段としては、磁気抵抗効果膜のトラック幅方向の端部に接触して、硬磁性膜もしくは反強磁性膜で交換結合磁界を印加された強磁性膜を配置し、その残留磁化により漏洩する静磁界を用いる方法が知られている。磁気ヘッドの場合、残留磁化あるいは交換結合磁界の方向はトラック幅方向である。
【0012】
以上述べたように、高記録密度に対応した磁気ヘッドとしては巨大磁気抵抗効果を応用し、スピンバルブ型の磁気抵抗効果積層膜に、単磁区化のための縦バイアスを適応する構成が望ましいが、積層膜の固定バイアス及び縦バイアス膜の両方またはいずれかに反強磁性膜が必要である。
【0013】
すでに公知の反強磁性膜として、鉄−マンガン合金膜,ニッケル−マンガン合金膜などが知られているが、これらには、材料上の問題がある。磁気記録再生装置に用いられる反強磁性膜材料に必要な特性は以下の五つである。(1)大きな結合磁界、(2)100℃以上の温度上昇に対して特性を保持する、(3)50nm以下の厚さの薄膜で特性を発揮する、(4)複雑な着磁プロセス、例えば長時間の熱処理などを必要としない、(5)さらされる環境に対する充分な耐食性、である。上記の公知の材料は以上の項目に照らし合わせると温度特性,耐食性,プロセスの簡略さ等の点についての材料的な問題を解決し切れていない。従来の材料のこのような特徴は高記録密度の磁気記録再生装置の実現、特に装置としての信頼性を実現をすることを著しく困難にしていた。
【0014】
しかしながら、公知例に示したように、Cr−Mn合金薄膜で耐食性と温度特性の高い反強磁性体が見出された。しかるに残る課題は上記(1)の大きな結合磁界である。なんとなれば、公知例によるとCrMn合金による結合磁界はNiFe薄膜40nmあたり室温で20Oe程度であって、これを2倍程度にすることができればこれを用いた装置、例えば磁気記録再生装置の磁気ヘッドの信頼性を大きく向上することができるだろう。
【0015】
また、同時に磁気抵抗効果膜の耐熱性についても課題がある。上述したスピンバルブ膜の各構成要素は数nmから数10nmの程度であるため、耐熱性は一般に低い。耐熱性の向上は、センサや媒体としての特性を高く保ち、更に、信頼性を向上する効果がある。
【0016】
従って、本発明の目的は高密度記録に対応した磁気記録装置および充分な出力と低ノイズ性,高信頼性を改善した磁気抵抗効果素子を提供することにあり、より具体的には単純な構成,材料で、バイアス特性を発揮する反強磁性膜を有する磁性積層体と、それを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点によれば、強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁性積層体であって、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部がCr基合金もしくはMn基合金であり、前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁性積層体が設けられる。
【0018】
本発明の第二の観点によれば、強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気センサであって、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部がCr基合金もしくはMn基合金であり、前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁気センサが設けられる。
【0019】
本発明の第三の観点によれば、強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気記録媒体であって、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部がCr基合金もしくはMn基合金であり、前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なとも一部がCoもしくはCo合金である磁気記録媒体が設けられる。
【0020】
本発明の第四の観点によれば、信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、前記磁気ヘッドは前記磁気センサを有する磁気記録再生装置が設けられる。
【0021】
本発明の第五の観点によれば、信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、前記磁気ヘッドは、軟磁性層,非磁性層,強磁性層及び反強磁性層を順次構成した薄膜を有し、前記薄膜が、外部の磁界に応じて前記軟磁性層の磁化が回転し、前記強磁性層の磁化との相対角度が変わって磁気抵抗効果作用を有し、前記強磁性層が、第一の強磁性層,第二の強磁性層,第三の強磁性層の積層体からなる磁気記録再生装置が設けられる。軟磁性層は記録媒体からの磁界によって磁界の変化を受け磁気抵抗変化を有するものであり、強磁性層は反強磁性層によって磁界が固定されるものを示している。軟磁性層と強磁性層とは磁界方向が互いに90度傾いていて、記録媒体からの磁界によって互いに0〜180度の磁界が変化し得るものである。
【0022】
本発明では高記録密度に対応する手段として、巨大磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドに搭載した磁気記録装置を用いる。
【0023】
その課題の一つとして、強磁性膜と直接積層して交換結合バイアスを生じる反強磁性膜の開発がある。課題を解決するための手段として、本発明では第一に、前記反強磁性膜の主成分をクロム及びマンガンとする。第二に、その特性を良好とするために白金族,金,銀,銅,ニッケル,コバルトの一つあるいはこれらの中から選択した複数の元素を加えてこの構造を体心立方構造のまま、格子定数を増加せしめて交換結合磁界の大きさと、温度特性を改善する。第三に強磁性体と反強磁性体の間に発生する一方向異方性の大きさを増大させるため、強磁性体の組成をコバルト、またはコバルトを主成分としたコバルト合金とする。コバルト合金の組成は、軟磁性体として用いる場合はCo−Fe−Ni合金が良く、また高保磁力材料として用いる場合にはCo−Pt合金が良い。第四に、一方向異方性の方向を揃えるために、熱処理を行う。第五に、特にスピンバルブ型磁気抵抗効果膜に有効であるが、反強磁性層に接する強磁性層を3層もしくはそれ以上の強磁性層の積層体とし、また、合計厚さを3nm以上にして磁気抵抗効果などの特性の熱劣化を防止する。
【0024】
本発明ではこのような材料構成、及び磁気特性を用いた磁気抵抗効果素子を再生部とした磁気記録再生装置において、高記録密度、すなわち記録媒体上に記録される記録波長が短く、また、記録トラックの幅が狭い記録を実現して、十分な再生出力を得、記録を良好に保つことができる。
【0025】
すなわち本発明の磁性積層体、特に磁気抵抗効果素子は、固定バイアスあるいは縦バイアスをクロム基合金の反強磁性体あるいはMn基合金の反強磁性体とコバルト系強磁性体で実現する。また、反強磁性膜に接する強磁性層を3層以上の強磁性層の積層体、例えば、Co/NiFeCr/Coのように構成して、その合計厚さを3nm以上好ましくは3〜20nmにすることで高い抵抗変化率,大きな交換結合磁界,高い熱安定性を有したスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を実現し、この結果良好な感度と信頼性を兼ね備えた磁気抵抗効果素子,磁気ヘッドと、記録密度の高い磁気記録装置を得ることができる。
【0026】
本発明は、信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、前記磁気ヘッドとディスクの少なくとも一方において、前記磁気ヘッドは強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気センサであって、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部がCr− Mn合金であり、前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金であり、前記ディスクは強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含み、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部がCr−Mn合金であり、前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、非磁性金属層によって仕切られた強磁性体の第1及び第2磁性層と該磁性層のいずれかに接して設けられた反強磁性層とを有し、印加磁界がゼロである場合に前記強磁性体の第1磁性層の磁化方向が、前記第2層の磁化方向に対し直交する方向である磁気抵抗センサであって、
前記第2磁性層の磁化方向を固定する手段を有する場合と有しない場合とがあり、
前記磁気抵抗センサに電流を生じさせる手段と、
前記磁気抵抗センサによって検知される磁界の関数として、前記第1層の磁化の回転によって生じる前記磁気抵抗センサの電気抵抗変化を検知する手段とを有し、前記第1及び第2磁性層がCo又はCo合金であり、前記反強磁性層がCr−Mn合金であることを特徴とする。
【0028】
前記磁気センサが、軟磁性層/非磁性層/強磁性層/反強磁性層の構成を有し、外部の磁界に応じて前記軟磁性層の磁化が回転し、前記強磁性層の磁化との相対角度が変わって磁気抵抗効果作用を有することを特徴とする。
【0029】
本発明は、信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、前記磁気ヘッドが、非磁性金属層によって仕切られた強磁性体の第1及び第2磁性層と該磁性層のいずれかに接して設けられた反強磁性層とを有し、印加磁界がゼロである場合に前記強磁性体の第1磁性層の磁化方向が、前記第2層の磁化方向に対し直交する方向であり、前記第2磁性層の磁化方向を固定する手段を有する場合又は有しない場合と、
前記磁気抵抗センサに電流を生じさせる手段と、
前記磁気抵抗センサによって検知される磁界の関数として、前記第1層の磁化の回転によって生じる電気抵抗変化を検知する手段とを有し、前記第1及び第2磁性層がCo又はCo合金であり、前記反強磁性層がCr−Mn合金であることを特徴とする磁気記録再生装置にある。
【0030】
前記Cr−Mn合金は30〜70原子%Mnを含有するものが好ましく、更にCo,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びReからなる群から選択された少なくとも一つを合計含有量で0.1 〜30原子%含有することができる。
【0031】
前記強磁性層がCoもしくはCo合金又はNi合金薄膜を介して両面にCo又はCo合金薄膜を有する積層体からなり、前記反強磁性層がCr−Mn合金又は、Cr−Mn−X合金であり、前記Xが、Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びReからなる群から選択された少なくとも一つであって合計含有量が0.1 〜30原子%であるのが好ましい。
【0032】
前記磁気記録再生装置は、装置環境温度が100℃以上で駆動すること、
前記磁気センサが、前記強磁性層と反強磁性層との積層構成に発生する一方向異方性と、磁気センサに流れる電流から発生する磁界とが略同方向であること、
前記一方向異方性が消失するブロッキング温度より低い温度で加熱し、磁界を印加しながら冷却する着磁工程を行うことが好ましい。
【0033】
本発明は以下の要件の少なくとも1つを有するものが好ましい。
【0034】
前記第二の強磁性層の飽和磁束密度が前記第一および第二の強磁性層の飽和磁束密度より小さいこと。
【0035】
前記強磁性層の厚さが3nm〜20nmであること。
【0036】
前記第二の強磁性層が、ニッケル50〜85原子%,鉄15〜20原子%,残部はクロム,バナジウム,チタン,銅,金,銀,白金族,タンタル,ニオブ,ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選択された少なくとも一つを合計で 35%以下含有し、飽和磁束密度が0.9 テスラ以下であること。
【0037】
前記第一および第三の強磁性層の少なくとも一方が、Coを主成分とする飽和磁束密度が1.0 テスラ以上の磁性体からなること。
【0038】
前記Cr合金反強磁性膜が、体心立方構造もしくはCsCl型構造の結晶格子を0.1 から10%の範囲で歪ませた構造を有すること。
【0039】
上記Cr合金反強磁性膜を歪ませる熱処理を行うこと。
【0040】
前記Co合金が、Co,NiおよびFeからなり、その組成が、Co30から98原子%,Ni0から30原子%,Fe2から50原子%であって、
特に、Co85から95原子%,Fe5から15原子%であるか、
またはCo50から70原子%,Ni10から30原子%,Fe5から20原子%であること。
【0041】
前記Co合金が、Co,Ni,Feおよび添加元素Xからなり、Co,Ni,Feの合計が70から98原子%,Xが2から30原子%であって、上記Xが Cu,Cr,V,Ti,Ta,Nb,Zr,Hfおよび白金族のいずれか一つまたは複数であること。
【0042】
上記Cr合金反強磁性膜表面上に熱処理,薄膜形成技術、またはイオン打ち込みなどによって酸化膜を形成してなること。
【0043】
前記強磁性体の第2磁性層の磁化方向を固定する前記手段が、前記強磁性体の第1磁性層よりも高い飽和保磁力を有する前記強磁性体の第2磁性層であること。
【0044】
前記強磁性体の第2磁性層の磁化方向を固定する前記手段が、前記強磁性体の第2磁性層に直接に接触する反強磁性層を有すること。
【0045】
前記強磁性体の第2磁性層の磁化方向を固定する前記手段が、前記強磁性体の第2磁性層に直接に接触する硬質強磁性層を有すること。
【0046】
異方性磁気抵抗が、個々の前記強磁性体の磁性層の磁化の回転によって生じる前記磁気抵抗センサの前記電気抵抗変化に加えられるように、前記電流の方向に対する個々の前記強磁性体の薄膜層の磁化方向が定められていること。
【0047】
異方性磁気抵抗が、前記強磁性体の第1磁性層の磁化の回転によって生じる前記磁気抵抗センサの前記電気抵抗変化に加えられるように、前記電流の方向に対する個々の前記強磁性体の薄膜層の磁化方向が定められていること。
【0048】
前記強磁性体の第1磁性層を単一のドメイン状態に保持するのに十分な縦方向のバイアスを生じさせる手段をさらに有すること。
【0049】
縦方向のバイアスを生じさせる前記手段が、前記強磁性体の第1磁性層の端部領域だけに、直接に接触する反強磁性層を有すること。
【0050】
縦方向のバイアスを生じさせる前記手段が、前記強磁性体の第1磁性層の端部領域だけに、直接に接触する硬質強磁性層を有すること。
【0051】
前記強磁性体の第1磁性層を単一のドメイン状態に保持するのに十分な縦方向のバイアスを生じさせる手段をさらに有すること。
【0052】
縦方向のバイアスを生じさせる前記手段が、前記強磁性体の第1磁性層の端部領域だけに、直接に接触する反強磁性層を有すること。
【0053】
縦方向のバイアスを生じさせる前記手段が、前記強磁性体の第1磁性層の端部領域だけに、直接に接触する硬質強磁性層を有すること。
【0054】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の磁性積層体,磁気記録媒体、および磁気抵抗効果素子を構成する膜は高周波マグネトロンスパッタリング装置により以下のように作製した。アルゴン3ミリトールの雰囲気中にて、厚さ1ミリ,直径3インチのセラミックス基板に以下の材料を順次積層して作製した。スパッタリングターゲットとしてタンタル,ニッケル−20at%鉄合金,銅,コバルト,クロム−50at%マンガンの各ターゲットを用いた。クロム−マンガン合金膜の作製では、クロム−マンガンターゲット上に添加元素の1センチ角のチップを配置し、チップの数を増加あるいは減少させることで組成を調整した。また、強磁性膜としてCo−Fe−Ni層を作るときはコバルトターゲット上にニッケル,鉄の1センチ角のチップを配置して組成を調整した。
【0055】
積層膜は、各ターゲットを配置したカソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラズマを発生させておき、各カソードごとに配置されたシャッターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。膜形成時には永久磁石を用いて基板に平行におよそ30Oeの磁界を印加して、一軸異方性をもたせるとともに、クロム−マンガン膜の交換結合磁界の方向を印加磁界の方向に誘導した層の形成条件の一例を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0003932587
【0057】
積層膜は、形成後に真空熱処理装置内において熱処理を行った。熱処理は、室温から、所定の温度、たとえば250℃まで昇温し、所定の時間、例えば1時間保持し、室温まで冷却して行った。上記昇温,保持、および冷却の全行程において、基板の面内に平行に2から5キロOeの磁界を印加して行った。上記磁界の方向は、膜形成時に永久磁石にて印加した磁界と平行な方向とした。
【0058】
基体上の素子の形成はフォトレジスト工程によってパターニングした。その後、基体はスライダーに加工し、磁気記録装置に搭載した。
【0059】
図1は45at%クロム−45at%マンガン−10at%白金の反強磁性膜/81at%Ni−19at%Fe膜を用いた磁性積層体を有するスピンバルブ膜の熱処理前と、熱処理後の特性を比較した図である。一方向異方性による結合磁界は図中の右側のループのシフト量として現われる。熱処理前の結合磁界は 300Oe,250℃,3時間の熱処理後でも380Oeである。これはNiFe層の厚さおよび磁化の大きさを考慮すると、公知例で示されているのと同程度の大きさである。
【0060】
図2は45at%クロム−45at%マンガン−10at%白金の反強磁性膜/Co膜を用いた磁性積層体を有するスピンバルブ膜の熱処理前と、熱処理後の特性を比較した図である。熱処理前の結合磁界は300Oeで、図1の場合とほぼ同様であるが、250℃,3時間の熱処理後では結合磁界が600Oeと2倍程度に大きくなっている。これはCo層の厚さおよび磁化の大きさを考慮すると、図1で示されている結合磁界の2倍程度の大きさである。
【0061】
図3は図1および図2で示した磁性積層体の試料のうち、250℃,3時間熱処理した試料の異方性をトルクメーターにて高温測定したものである。いずれの試料も300℃以上まで異方性を失わない。この異方性を消失温度のブロッキング温度と呼称するが、これらの試料のブロッキング温度は320〜330℃であった。さらに図3からは温度100℃においても一方向異方性エネルギーの低下は一割程度であることが見て採れる。これは、本発明の磁性積層体を用いた場合には結合磁界が2倍程度に大きくできるとともに、その大きさが環境温度100℃においても失われないことを示しており、実際、温度200℃に至って、やっと本発明の構成を用いない場合の室温の値と同等になるのである。
【0062】
図4は本発明の磁性積層体をスピンバルブ磁気抵抗効果膜として用いた場合の別の構成例で、反強磁性膜30(45at%Cr−45at%Mn−10at%Pt)と密着する強磁性層11は、反強磁性膜30と直接接合するCo層111,磁気特性の良好な軟磁性層112(81at%Ni−19at%Fe),非磁性層12(Cu)と直接接し、巨大磁気抵抗効果を生じるCo層113からなっている。下地膜14は他の膜の配向や結晶粒径を制御する下地層,軟磁性層13(81at%Ni−19at%Fe)は自由層である。すなわち、反強磁性膜との接合部、および非磁性膜との接合部にCo層を配置し、しかしながら固定層である強磁性層11の磁気特性を劣化させず、かつ、層全体の磁化の量をあまり増大させずに強磁性層11の厚さと特性を保つことができる。従って軟磁性層112は、磁気特性が良好で、飽和磁束密度がCoからなる層113および111より小さいことが望ましく、例えば飽和磁束密度が1テスラであるNi81Fe19膜である。あるいはさらに飽和磁束密度を低下させて0.5 テスラ程度でも良く、例えばNiFe−Cr膜なども適当であり、このNiFe−Cr膜は、0〜20 at%Crを含有するNiFe合金からなり、NiFe合金は75〜95at%Niと残部Feとからなる。
【0063】
図5は本発明の磁性積層体を磁区制御膜として用いた場合の構成例である。反強磁性膜30(図4の膜30と同じ成分及び含有量を有する。以下同一番号の層は同一成分と同一の含有量を有する層を示す)は強磁性層11(図4の層11と同じ構成を有する)と密着して一方向異方性を印加する。強磁性層11は、Co層111と軟磁性層112(図4の層112と同じ成分及び含有量を有する)からなっている。磁区制御膜41は磁気抵抗効果膜10に隣接し、一方向異方性で固定された磁化から発生する磁界を磁気抵抗効果膜10に印加してバイアス効果を与える。
【0064】
図6は本発明の磁性積層体をスピンバルブ型の磁気抵抗効果膜10に用いた場合の構成例である。一方向異方性の着磁方向71と電流の方向72は、電流によって生じる磁界の方向73が一方向異方性の着磁方向71と同一方向になるように設定すると、素子の安定性が増す。
【0065】
図7は本発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置の概念図である。ヘッドスライダー90を兼ねる基体50上に磁気抵抗効果膜10,磁区制御膜41,電極端子40を形成し、これらからなる磁気ヘッドを記録媒体を有するディスク 91上の記録トラック44に位置決めして再生を行う。ヘッドスライダー90はディスク91の上を、対向面63を対向して0.2μm 以下の高さ、あるいは接触状態で対向して相対運動する。この機構により、磁気抵抗効果膜10はディスク91上の記録媒体に記録された磁気的信号を、記録媒体からの漏れ磁界64から読み取ることのできる位置に設定されるのである。
【0066】
磁気抵抗効果膜10は例えば複数の磁性膜と非磁性導電膜を交互に積層した膜および一部の磁性膜の磁化を固定する反強磁性膜などの固定バイアス膜からなり、前記一部の磁性膜の磁化に対して、他の磁化が外部磁界により回転し、互いの角度が変化することによって電気抵抗が変化する。
【0067】
前記外部磁界は漏れ磁界64の対向面63に垂直な方向の成分であり、即ち、この方向が感知すべき磁界の感知方向60である。前記の対向面63に垂直な方向は特に素子高さ方向61、また対向面63に平行で素子高さ方向61に垂直なトラック幅方向62がここで定義される。
【0068】
電極端子40はこの磁気抵抗効果膜10に電流を通じるとともに、外部磁界によって変化する磁気抵抗効果膜10の電気抵抗を電気信号、特に電圧として取り出すのである。磁区制御膜41は磁気抵抗効果膜10に適切な動作範囲と磁区制御を与えるもので、硬磁性膜、または反強磁性膜と交換結合した軟磁性膜からなる。磁区制御膜41は磁気抵抗効果膜10のトラック幅方向62の側の端部に配置する。
【0069】
図8は本発明の磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記録する記録媒体を保持するディスク91をスピンドルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92によってヘッドスライダー90をディスク91のトラック上に誘導する。即ち磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー90上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッドがこの機構によってディスク91上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み取るのである。記録信号は信号処理回路系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を信号処理回路系94を経て信号として得る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーターを制御して、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー90,ディスク91を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。またディスク91は両面に記録媒体を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドスライダー90はディスクの両面に配置する。
【0070】
上述したような構成について、本発明の磁気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置を試験した結果、充分な出力と、低ノイズ特性を示し、また動作の信頼性も良好であった。
【0071】
図9は本発明を磁気記録媒体に用いた場合の構成例である。Cuからなる下地膜114上に反強磁性膜30,高保磁力Co合金膜15(80at%Co−20at%Pt)を積層してなる。これによりノイズを低減することができる。
【0072】
図10は本発明を磁気記録媒体に用いた場合の別の構成例である。軟磁性膜 16(81at%Ni−19at%Fe),Co膜17,反強磁性膜30,分離膜18(Ta),高保磁力磁性膜19(80at%Co−20at%Pt)を積層してなる。これにより軟磁性膜16に起因するノイズを抑制できる。
【0073】
図11は本発明の磁性積層膜の熱処理温度と交換結合磁界の関係を示した図である。交換結合磁界は熱処理温度150℃ですでに上昇を始めており、200〜250℃でほぼ一定となり、250℃ではほぼ一定である。しかしながら、図3に示したようにこの試料の交換結合磁界が消失する温度,ブロッキング温度は 300℃以上であるが、このような高温まで加熱すると、図には示していないが、交換結合磁界はかえって低下する。これは熱処理の過多によって界面の原子の拡散が生じた劣化と見られる。したがって、むしろブロッキング温度より低い温度での熱処理と着磁行程による方が交換結合を大きく保つことができることがわかる。また、図11中には2種類の熱処理炉で行った熱処理行程の結果が示してある。熱処理炉の種類によって交換結合磁界の大きさは大きく異なり、これは例えば、炉の真空度などが効いていると思われる。このような効果は適切な熱処理条件と、適当な保護膜の選択などで抑制または拡大することができる。
【0074】
図12は図2の磁気積層体のCrMnPt膜と同じ磁気積層体について、 CrMnPt膜の厚さと交換結合磁界HEおよび保磁力Hcについて示した図である。熱処理をしない試料ではCrMnPt膜の厚さが20nmと、30nmでは交換結合磁界HEはあまり変わらないが、保磁力Hcが20nmでは交換結合磁界に近い程度に大きい。これは特性は良好でない。しかしながら適切な熱処理を加えて本発明の主張するところの500Oe以上の交換結合磁界HEの増大を図った場合、図12で明らかなように、熱処理前(黒四角)にくらべ保磁力Hc(黒丸印)はほとんど増加していない。従って、CrMnPt膜が20nmであっても良好な磁気特性を得ることができ、例えば磁気抵抗効果素子の場合には、反強磁性膜に流れてしまう電流の量を低減することができ、センサとしての出力を向上することができる。
【0075】
図13は図2の磁気積層体と同じ磁気積層体について、Co層の厚さを変えた場合の交換結合の大きさを示した図である。
【0076】
Co層の厚さが0.4nm 以上で交換結合の大きさ、すなわち、交換結合磁界と磁性膜の飽和磁束密度および厚さの積で表される一方向異方性エネルギーが上がりだし、0.8nm 以上でほぼ飽和している。従って、反強磁性膜に隣接するCo層の厚さは0.4nm以上、特に0.8nm以上の厚さが適切である。
【0077】
図14は、図4の磁気積層体と同じ磁気積層体について、固定層となる強磁性層11の厚さを変えたときのスピンバルブ膜の耐熱性を示した図である。熱処理なしの値で規格化した、熱処理後の抵抗変化率はスピンバルブ膜の固定層の厚さ、すなわち図4で言うところの強磁性層11の厚さに依存している。従ってこの厚さを厚くし、同時にその磁化の量があまり増大しないとすると素子の特性が良好になる。この磁化の量が増大しすぎると図4で言うところの軟磁性層13に静磁的に働きかけてしまうためである。本発明の構成においては固定層を少なくとも強磁性体の3層構造にすることで、良好な特性と、良好な耐熱性を得ることができるのである。
【0078】
図15は本発明の磁性積層膜の熱処理時間と交換結合磁界の関係を示した図である。交換結合磁界は熱処理時間15分ですでに700Oe以上の上昇を始めており、30分以上,9時間までほぼ一定である。これは従来の公知例で知られる、Ni−Mn合金の秩序無秩序変態などに比べてかなり短時間である。
【0079】
図16は本発明の磁性積層膜の熱処理前後のX線回折曲線を示した図である。観測される回折強度はCrMnPt膜を体心立方構造(bcc)と仮定して考えたときの指数で110および220の反射強度で、良好な結晶配向性を示している。特に着目すべき点は、ピーク位置の変化である。熱処理なしに比べて、熱処理後の回折ピークは高角側にシフトしている。これは110面間隔が熱処理により2.05〜2.085Åと縮んでいることを表わしている。
【0080】
図17は本発明の磁性積層膜の熱処理による110面間隔の変化と交換結合磁界の関係を表わした図である。熱処理なしに比べて面間隔は2%程度まで縮み、また、面間隔の縮みと交換結合磁界の大きさには一定の関係があることがわかる。すなわち、結晶の歪みが交換結合磁界の増大を生じていると考えられる。また、同じ熱処理を施しても、交換結合磁界および面間隔の減少が異なる場合があるが、これはCrMnPt膜表面の酸化膜形成が、交換結合磁界の増強に密接に関連するからである。この点については図28について述べる。
【0081】
本発明の磁性積層膜の熱処理なしおよび熱処理後の断面透過電子顕微鏡像およびCrMnPt膜部の高速フーリエ変換像(FTT像)を観察した。断面透過電子顕微鏡像は膜の構造に熱処理の前後で大きな差異がないことが分ったが、フーリエ変換像は熱処理なしが、対称性が高く、通常の体心立方構造と一致するのに対し、熱処理後のフーリエ変換像はスポットが歪んでいた。基板面に垂直な方向では、図17の結果と同様に2%程度縮んでいる。また、これに斜めな方向ではスポットがブロードになるとともに8%程度まで歪んでいることがわかった。結晶格子の歪みの詳細は明らかでないが、熱処理前の体心立方構造から、熱処理後は何らかの歪んだ構造へ変化している可能性が高い。以上に示したように、熱処理によるCrMnPt/Co積層構造の交換結合の増大はCrMnPt膜の構造の何らかの変化を熱処理によって誘発するために起きると考えられるのである。図18はCrAl反強磁性膜/Co膜積層体およびCrAl反強磁性膜/NiFe膜積層体の交換結合磁界を示した図である。Co膜は飽和磁化の値がNi81Fe19膜に比べておよそ2倍なので、Co膜の厚さはNiFe膜の厚さの半分にして、比較してある。交換結合磁界はCrAl膜の厚さが500nm以上で発現しているが、強磁性層がCoの場合の方がNiFeの場合より交換結合磁界が増大していることがわかる。図ではCrAlの組成が20原子%のデータを示したが、 Al組成5から30原子%の領域で同様の効果が得られる。
【0082】
図19は本発明の磁気ヘッドのディスクとの対向面から見た構成例を示す図である。基体50上に下部シールド82,下部ギャップ51,磁気抵抗効果膜10,磁区制御膜41,電極端子40,上部ギャップ52,上部シールド兼下部磁気コア81および上部磁気コア83を形成してなる。
【0083】
図20は本発明のインダクティブ型記録ヘッドと磁気抵抗効果型再生ヘッドとを有する磁気ヘッドの斜視概念図である。ヘッドスライダー90を兼ねる基体 50上に下部シールド82,磁気抵抗効果膜10,磁区制御膜41,電極端子 40を有する再生ヘッドと上部シールド兼下部磁気コア81および上部磁気コア83を形成し、下部ギャップ51,上部ギャップ52の図示は省略してあり、コイル42は電磁誘導効果によって上部磁気コアおよび上部シールド兼下部コアに起磁力を発生するインダクティブ型記録ヘッドとを有する。
【0084】
図21はCo−NiおよびCo−Cu合金固定層を用いた場合の交換結合磁界を示す図である。Co−NiおよびCo−Cu層の厚さは、飽和磁化と厚さの積が3nm・Tになるように設定してある。Co層にNiを添加すると飽和磁化は低下し、40at%および1.2T まで低下するが、交換結合磁界は図のようにほぼ一定であり、Co層をCo−Ni層に代えても同等の効果が得られることがわかる。Co層にCuを添加しても同様に飽和磁化は低下し、20at%でおよそ1.2T まで低下するが、交換結合磁界は図中に示したように、Co層をCo−Cu層に代えても同等の交換結合磁界が得られる。
【0085】
図22はMn78lr22反強磁性膜/Co、およびMn78lr22反強磁性膜/ Co90Fe10の構成を用いたスピンバルブ膜の磁気抵抗曲線である。交換結合磁界はそれぞれ、500Oeおよび700Oeであり、大きな交換結合が得られることがわかる。このような特性はlrの組成が10〜40原子%、特に15〜 25原子%で良好である。
【0086】
図23は固定層および自由層の一部にCo50Ni20Fe30合金層を用いたスピンバルブ膜の構成例である。CoNiFe合金膜はCo膜に比べて軟磁気特性に優れて巨大磁気抵抗効果も大きく、また、反強磁性体と積層して良好な交換結合磁界を得ることができるので、図のような構成で、軟磁気特性に優れ、磁気抵抗効果が大きく、積層種の少なくて生産が容易な磁気抵抗効果積層膜とこれを用いた磁気センサを得ることができる。
【0087】
図24は本発明の磁気積層体の構成例を示す図である。Cr基またはMn基の反強磁性体、特に反強磁性薄膜とCoまたはCo合金からなる強磁性体、特に強磁性薄膜を積層してなる。両者の界面には交換結合効果による一方向異方性が誘導されている。このため、外部から磁界を印加して磁化過程を観察すると、ある大きさ,ある方向の磁界が外部磁界に加えて存在するように観察される。この磁界を交換結合磁界と呼ぶ。本発明の磁性積層体は図に示した構成を基本の単位構成とし、この構成、または、さらに積層構造を加えた構成で応用される。
【0088】
図25は本発明のCrMnPt/CoおよびCrMnPt/Co90Fe10の構成を用いたスピンバルブ膜の磁気抵抗曲線を示す図である。交換結合磁界はそれぞれ、400Oeおよび470Oeであり、大きな交換結合が得られることがわかる。このような特性はFeの組成が0〜30原子%で良好であり、またNiを30%程度まで加えても同等の効果が得られる。
【0089】
図26は本発明のCrMn−X(X=Pt,Pd,Rh,Au,Co,Cu)/Coの構成を有する磁性積層体の交換結合磁界を示す図である。図に示した添加元素(Pt,Pd,Rh,Au,Co,Cu)のいずれかを15原子%程度まで加えることで交換結合磁界は向上することがわかる。また添加量を30原子%程度まで増やしても交換結合磁界を得ることができるのである。添加元素を複数加えることも同様の効果がある。Pt,Auは1〜10原子%、Pd,Cu, Rh,Coは1〜20原子%において約50Oe以上の高い交換結合磁界が得られる。
【0090】
図27は本発明の(CrXMn100-X)92−Pt8/Co膜の交換結合磁界および保磁力の組成依存性を示す図である。CrとMnの組成比率を30から70%まで変えても十分大きな30Oe以上の高い交換結合磁界が得られ、特にCr50%からCr30%において50Oe以上の高い交換結合磁界が得られる。また Cr50から70%とすると、より保磁力が小さく、耐食性を向上することができる。
【0091】
図28は本発明のCrMnPt/Co構造を用いたスピンバルブ膜のマイクロオージェ法による深さ方向組成分析結果を示す図である。CrMnPt膜表面にはMnリッチな酸化物層が形成されていることがわかる。この酸化物層を熱処理によって形成した磁性積層体は、交換結合磁界が著しく向上する。本実施例では熱処理によって酸化物層を形成したが、ほかに、薄膜形成技術やイオン打ち込みなどの処理によっても同等の層を形成することができる。
【0092】
(実施例2)
図29は本発明の他の構造のスピンバルブ磁気抵抗効果膜を用いた磁気ヘッド(MRセンサ)の部分断面図である。
【0093】
本発明のMRセンサは、ガラス,セラミックのような適切な基板31の上に、軟質強磁性体の第1磁性層32,非磁性金属層5、及び強磁性体の第2磁性層2を付着させた構造である。強磁性層32及び2は、磁界が印加されていない場合は、個々の磁化方向が約90度の角度差になるようにする。さらに、第2磁性層2の磁化方向は、磁性媒体の磁界方向と同じ方向に固定される。磁界が印加されていない場合の軟質強磁性体の第1磁性層32の磁化方向は第2磁性層の磁界方向に対して90度傾いている。印加された磁界に感応して第1磁性層32に磁化回転が生じ変化する。
【0094】
本実施例における第1磁性層32,非磁性金属層5,第2磁性層2及び反強磁性体層3は図1,図2,図4に示した積層構造で用いた膜構成を用いることができ、また、硬質強磁性層7にはCo82Cr9Pt9,Co80Cr8Pt9(ZrO2)3を用いることができる。これらの図1,図2及び図4の膜構成は本実施例における第1磁性層32と第2磁性層2に相当する膜構成を有し、それらの磁界方向は前述と同様に形成されている。
【0095】
本実施例では軟質強磁性体の第1磁性層32の付着を行う前に、例えば、Ta,Ru、又はCrVのような適切な下部膜24を基板31の上に付着させる。下部膜24を付着させる目的は、後に付着させる層の組織,結晶粒度、及び形態を最適化させるためである。層の形態は、大きなMR効果を得るのに非常に重要である。それは層の形態によって非磁性金属層1の非常に薄いスペーサ層を利用することができるからである。さらに分流による影響を最小にするために、下部層は高電気抵抗がよい。下部層は前述したように逆構造としても使用できる。基板31は十分な高電気抵抗で、十分に平面であり、且つ適切な結晶構造の場合は、下部膜24は不要である。
【0096】
第1磁性層32は、紙面に平行な方向に単一のドメイン状態に保持させるための縦方向にバイアスを生じさせる手段が用いられる。縦方向にバイアスを生じさせる手段は、高飽和保磁力,高直角度、且つ、高電気抵抗を有する硬質強磁性層7が用いられる。硬質強磁性層7は、軟質強磁性体の第1磁性層32の端部の領域に接触している。硬質強磁性層7の磁化方向は、紙面に平行である。
【0097】
反強磁性層を第1磁性層32の端部の領域に接触させて付着させることができ、必要な縦方向のバイアスを生じさせる。これらの反強磁性層は、強磁性体の第2磁性層2の磁化方向を固定させるために用いられる反強磁性層3よりも十分に異なるブロッキング温度を有するものが良い。
【0098】
次に、例えば、Taのような高抵抗の材料のキャッピング層が、MRセンサ上部全体に付着させられるのが好ましい。電極8が備えられ、MRセンサ構造体と電流源及び検知手段間に回路が形成される。
【0099】
図30に本発明の一例である磁気ディスク装置の全体図を示す。本磁気ディスク装置の構成は、情報を記録するための磁気ディスク21,これを回転する手段のDCモータ(図面省略),情報を書き込み,読み取りするための磁気ヘッド
22,これを支持して磁気ディスクに対して位置を変える手段の位置決め装置、即ち、アクチュエータ26とボイスコイルモータ25、及び装置内部を清浄に保つためのエアフィルタなどからなる。アクチュエータは、キャリッジとレール,軸受からなり、ボイスコイルモータはボイスコイル,マグネットからなる。これらの図では、同一の回転軸に8枚の磁気ディスクを取付け、合計の記憶容量を大きくした例を示している。
【0100】
図31は本発明に係る磁気記録再生装置の平面図である。図において、21は磁気ディスク、22は磁気ヘッド、23はジンバル系支持装置、26はアクチュエータ(位置決め装置)である。磁気ディスク21は回転駆動機構により、矢印aの方向に回転駆動される。磁気ヘッド22は支持装置23によって支持され、アクチュエータ26により、回転直径O1 上で、矢印b1 またはb2 の方向に駆動されて位置決めされ、それによって所定のシリンダT1 〜Tn において、磁気記録,再生が行われる。
【0101】
磁気ディスク21は表面粗さRMAX が100Å以下、望ましくは50Å以下の表面性の良好な媒体とする。磁気ディスク21は、剛性基体の表面に真空成膜法によって磁気記録層を形成してある。磁気記録層は図9に示す磁性薄膜が用いられる。真空成膜法によって形成される磁気記録層の膜厚は0.5μm 以下であるので、剛性基体の表面性がそのまま記録層の表面性として反映される。従って、剛性基体は、表面粗さRMAX が100Å以下のものを使用する。そのような剛性基体としては、ガラス,化学強化されたソーダアルミノ珪酸ガラスまたはセラミックを主成分とする剛性基体が適している。
【0102】
また、磁性層が金属や合金などの場合には、表面に酸化物層,窒化物層を設けるか、表面を酸化皮膜とするのが望ましい。また、炭素保護膜の使用等も望ましい。こうすることにより、磁気記録層の耐久性が向上し、極く低浮上量で記録再生する場合や、コンタクト,スタート,ストップ時においても、磁気ディスクの損傷を防止できる。酸化物層及び窒化物層は、反応性スパッタ,反応性蒸着等によって形成できる。また、酸化皮膜は、磁気記録層の表面を、反応性プラズマ処理等により、意図的に酸化して形成できる。磁気ディスクは、磁気記録層の記録残留磁化が膜面に対して垂直方向の成分を主成分とする垂直記録,膜面内成分を主成分とする面内記録のいずれであってもよい。図示は省略したが、磁気記録層の表面に潤滑剤を塗布してもよい。
【0103】
図32は負圧スライダの斜視図である。負荷スライダ70は、空気導入面79と浮揚力を発生する2つの正圧発生面77,77とに囲まれた負圧発生面78を有し、さらに空気導入面79並びに2つの正圧発生面77,77と負圧発生面 73との境界において負圧発生面78より段差の大きい溝74とから構成される。なお、空気流出端75には磁気ディスクに情報の記録を行う後述するインダクティブ型の記録ヘッドと再生を行う前述のMRセンサとが前述の図21に示す概略構造の記録再生分離型の薄膜磁気ヘッドエレメント79を有する。
【0104】
負圧スライダ70の浮上時においては、空気導入面79から導入された空気は負圧発生面73で膨張されるが、その際に溝74に向かう空気の流れも作られるため、溝74の内部にも空気導入面79から空気流出端75に向かう空気の流れが存在する。したがって、負圧スライダ70の浮上時に空気中に浮遊する塵芥が空気導入面79から導入されたとしても溝74の内部へ導入され、溝74内部の空気の流れによって押し流され、空気流出端78より負圧スライダ70の外へ排出されることになる。また負圧スライダ70の浮上時には溝4内部には常に空気の流れが存在し澱み等がないため、塵芥が凝集することもない。
【0105】
図33は本発明のインダクティブ型の記録ヘッドの断面図であるが、この薄膜ヘッドは下部シール膜86と、その上に付着された前述の磁性膜からなる上部磁性膜85及び上部磁性膜84からなる。非磁性絶縁板89が層85,84の間に付着されている。絶縁体の一部が磁気ギャップ88を規定し、これは例えば周知技術によりエア・ベアリング関係に置かれた磁性媒体と変換関係で相互作用する。支持体はエア・ベアリング(ABS)を有するスライダの形になっており、これはディスク・ファイル動作中に回転するディスクの媒体に近接し浮上関係にある。
【0106】
薄膜磁気ヘッドは上部85,下部磁性膜84によりできるバック・ギャップ 96を有するバック・ギャップ96は介在するコイル87により磁気ギャップから隔てられている。
【0107】
連続しているコイル87は例えばめっきにより下部磁性層84の上に作った層になっており、これらを電磁結合する。コイル87は非磁性絶縁体89で埋められてあるコイルの中央には電気接点があり、同じくコイルの外端部終止点には電気接点として更に大きな区域がある。接点は外部電線及び読み取り書き込み信号処理ヘッド回路(図示略)に接続されている。
【0108】
本発明においては、単一の層で作られたコイル87が、やや歪んだ楕円形をしており、その断面積の小さい部分が磁気ギャップに最も近く配置され、磁気ギャップからの距離が大きくなるにつれ、断面積が徐々に大きくなる。
【0109】
バック・ギャップ96は磁気ギャップのABSに相対的に近く位置している。しかし楕円形コイルはバック・ギャップ96と磁気ギャップ88との間で比較的密に多数本入っており、コイルの幅乃至断面直径はこの区域では小さい。更に、磁気ギャップから最も遠い部分での大きな断面直径は電気抵抗の減少をもたらす。更に、楕円(長円)形コイルは角や鋭い隅や端部を持たず、電流への抵抗が少ない。又、楕円形状は矩形や円形(環状)コイルに比べ導電体の全長が少なくて済む。これらの利点の結果、コイルの全抵抗は比較的少なく、発熱は少なく、適度の放熱性が得られる。熱を相当量減らすので、薄膜層の層崩れ,伸長,膨張は防止され、ABSでのボール・チップ突出の原因が除かれる。
【0110】
幅の変化がほぼ均一に進む楕円形コイル形状は、スパッタリングや蒸着等より安価な従来のめっき技術で付着できる。他の形状特に角のある形のコイルではめっき付着が不均一な幅の構造になり易い。角や鋭い端縁部の除去はでき上ったコイルにより少ない機械的ストレスしか与えない。
【0111】
本実施例では多数巻回したコイルがほぼ楕円形状で磁気コア間に形成され、コイル断面径は磁気ギャップからバック・ギャップに向けて徐々に拡がっており、信号出力は増加し、発熱が減少される。
【0112】
本実施例では、インダクティブ型の記録ヘッドの上部及び下部磁性膜を以下の電気めっき法によって形成した。
【0113】
Ni++量:16.7g/l,Fe++量:2.4g/lを含み、その他通常の応力緩和剤,界面活性剤を含んだめっき浴において、pH:3.0 ,めっき電流密度:15mA/cm2 の条件でフレームめっきした上・下部磁気コアを有する誘導型の薄膜磁気ヘッドを作製した。トラック幅は4.0μm、ギャップ長は0.4μmである。この磁性膜の組成は42.4Ni−Fe(重量%)であり、磁気特性は飽和磁束密度(BS )が1.64T,困難軸保磁力(HCH)が0.5Oeで比抵抗 (ρ)は48.1μΩcmであった。上部磁気コア85,上部シールド層を兼ねた下部磁気コア84,コイル87である。再生のための磁気抵抗効果型素子86,磁気抵抗効果型素子にセンス電流を流すための電極,下部シールド層,スライダの構成を有する。本実施例の磁気コアの結晶粒径は100〜500Åとなり、困難軸保磁力が1.0Oe 以下であった。
【0114】
このような構成で評価した本発明による記録ヘッドの性能(オーバーライト特性)を測定した結果、40MHz以上の高周波領域でも−50dB程度の優れた記録性能が得られた。
【0115】
本実施例によれば、高保磁力媒体に対しても、高周波領域でも十分に記録可能であり、メディア転送速度15MB/秒以上,記録周波数45MHz以上,磁気ディスク4000rpm 以上のデータの高速転送,アクセス時間の短縮,記録容量の増大と、異方性磁気抵抗効果を基礎として優れたMR効果を有する高感度の MRセンサが得られることから面記録密度として3Gb/in2 以上との磁気ディスク装置が得られるものである。
【0116】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば十分な結合磁界と高い温度安定性を有した磁性積層体を提供でき、ひいては充分な再生出力と低ノイズ特性を有する磁気センサおよび高信頼性の高密度磁気記録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロム−マンガン合金膜/NiFeを用いたスピンバルブ膜の熱処理前後の特性を示した図である。
【図2】本発明のクロム−マンガン合金膜/Coを用いたスピンバルブ膜の熱処理前後の特性を示した図である。
【図3】クロム−マンガン合金膜/NiFeおよび本発明のクロム−マンガン合金膜/Coを用いたスピンバルブ膜の高温安定性を比較した図である。
【図4】本発明をスピンバルブ磁気抵抗効果膜として用いた場合の別の構成例である。
【図5】本発明を磁区制御膜として用いた場合の構成例である。
【図6】本発明をスピンバルブ型磁気抵抗効果素子に用いた場合の構成例である。
【図7】本発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置の概念図である。
【図8】本発明の磁気記録再生装置の構成例である。
【図9】本発明を磁気記録媒体に用いた場合の構成例である。
【図10】本発明を磁気記録媒体に用いた場合の別の構成例である。
【図11】本発明の磁性積層膜の熱処理温度と交換結合磁界の関係を示した図である。
【図12】CrMnPt膜の厚さと交換結合磁界および保磁力について示した図である。
【図13】Co層の厚さを変えた場合の交換結合の大きさを示した図である。
【図14】固定層の厚さを変えたときのスピンバルブ膜の耐熱性を示した図である。
【図15】本発明の磁性積層膜の熱処理時間と交換結合磁界の関係を示した図である。
【図16】本発明の磁性積層膜の熱処理前後のX線回折曲線を示した図である。
【図17】本発明の磁性積層膜の熱処理による110面間隔の変化と交換結合磁界の関係を表わした図である。
【図18】CrAl反強磁性膜/Co膜積層体およびCrAl反強磁性膜/NiFe膜積層体の交換結合磁界を示した図である。
【図19】本発明の磁気ヘッドのディスクとの対向面から見た構成例を示す図である。
【図20】本発明の磁気ヘッドの斜視概念図である。
【図21】Co−NiおよびCo−Cu合金固定層を用いた場合の交換結合磁界を示す図である。
【図22】Mn78lr22反強磁性膜/Co、およびMn78lr22反強磁性膜/Co90Fe10の構成を用いたスピンバルブ膜の磁気抵抗曲線である。
【図23】固定層および自由層にCo50Ni20Fe30合金層を用いたスピンバルブ膜の構成例である。
【図24】本発明の磁気積層体の構成例を示す図である。
【図25】本発明のCrMnPt/CoおよびCrMnPt/Co90Fe10の構成を用いたスピンバルブ膜の磁気抵抗曲線を示す図である。
【図26】本発明のCrMn−X(X=Pt,Pd,Rh,Au,Co,Cu)/Coの構成を有する磁性積層体の交換結合磁界を示す図である。
【図27】本発明の(CrXMn100-X)92−Pt8/Co膜の交換結合磁界および保磁力の組成依存性を示す図である。
【図28】本発明のCrMnPt/Co構造を用いたスピンバルブ膜のマイクロオージェ法による深さ方向組成分析結果を示す図である。
【図29】本発明のスピンバルブ型磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子の感磁部の斜視図である。
【図30】本発明の磁気ディスク装置の斜視図である。
【図31】本発明の磁気記録再生装置の平面図である。
【図32】本発明の負圧スライダーの斜視図である。
【図33】本発明のインダクティブ型記録ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1…非磁性金属層、2…強磁性体の第2磁性層、3…反強磁性層、7…硬質強磁性層、8…電極、10…磁気抵抗効果膜、11…強磁性層、12…非磁性層、13,112…軟磁性層、14…下地膜、15…高保磁力Co合金膜、16…軟磁性膜、17…Co膜、18…分離膜、19…高保磁力磁性膜、21…磁気ディスク、22…磁気ヘッド、26…アクチュエータ、40…電極端子、41…磁区制御膜、42…コイル、50…基体、51…下部ギャップ、52…上部ギャップ、60…磁界の感知方向、61…素子高さ方向、62…トラック幅方向、63…対向面、64…漏れ磁界、71…一方向異方性の着磁方向、72…電流の方向、73…電流によって生じる磁界の方向、81…上部シールド兼下部磁気コア、 82…下部シールド、83…上部磁気コア、84…下部磁性膜、85…上部磁性膜、86…上部シールド膜、87…コイル、88…磁気ギャップ、89…非磁性絶縁体、90…ヘッドスライダー、91…ディスク、92…アクチュエイター、93…スピンドルモーター、94…信号処理回路系、111,113…Co層。

Claims (20)

  1. 強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁性積層体であって、
    前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部が、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )であり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁性積層体。
  2. 強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気センサであって、
    前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部が、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )であり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁気センサ。
  3. 強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気記録媒体であって、
    前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部が、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )であり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合
    金である磁気記録媒体。
  4. 信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、
    前記磁気ヘッドは強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気センサであって、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部が、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )であり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  5. 信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、
    前記ディスクは強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含み、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体の少なくとも一部が、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )であり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  6. 非磁性金属層によって仕切られた強磁性体の第1及び第2磁性層と該磁性層のいずれかに接して設けられた反強磁性層とを有し、印加磁界がゼロである場合に前記強磁性体の第1磁性層の磁化方向が、前記第2磁性層の磁化方向に対し直交する方向である磁気センサであって、
    前記磁気センサに電流を生じさせる手段と、
    前記磁気センサによって検知される磁界の関数として、前記磁性層の各々の層の磁化の回転の差によって生じる上記磁気センサの電気抵抗変化を検知する手段とを有し、
    前記第1及び第2磁性層がCo又はCo合金であり、前記反強磁性層が、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )であることを特徴とする磁気センサ。
  7. 前記磁気センサが、軟磁性層/非磁性層/強磁性層/反強磁性層の構成を有し、外部の磁界に応じて前記軟磁性層の磁化が回転し、前記強磁性層の磁化との相対角度が変わって磁気抵抗効果作用を有することを特徴とする請求項4に記載の磁気記録再生装置。
  8. 前記磁気センサが、磁気抵抗効果を生じる能動領域と、能動領域に隣接して、能動領域にバイアス磁界を印加するバイアス膜を有し、前記バイアス膜がCoもしくはCo合金と直接密着する体心立方構造を基本構造とするCr合金反強磁性膜を有することを特徴とする請求項4、7のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
  9. 強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁性積層体であって、
    前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体は、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )膜が熱処理されたものであり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁性積層体。
  10. 強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気センサであって、
    前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体は、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )膜が熱処理されたものであり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁気センサ。
  11. 強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気記録媒体であって、
    前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体は、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )膜が熱処理されたものであり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金である磁気記録媒体。
  12. 信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、
    前記磁気ヘッドは強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含む磁気センサであって、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体は、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )膜が熱処理されたものであり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  13. 信号を磁気的に記録した強磁性記録媒体を有するディスクと、前記ディスクに摺動面を近接して、前記ディスクに対して相対運動を行い、前記記録媒体から漏洩する磁界を検出する磁気ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、
    前記ディスクは強磁性体と、強磁性体に密着する反強磁性体とを含み、前記強磁性体に一方向異方性を発現させる前記反強磁性体は、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及 びRe )膜が熱処理されたものであり、
    前記強磁性体の前記反強磁性体に密着する部分の少なくとも一部がCoもしくはCo合金であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  14. 非磁性金属層によって仕切られた強磁性体の第1及び第2磁性層と該磁性層のいずれかに接して設けられた反強磁性層とを有し、印加磁界がゼロである場合に前記強磁性体の第1磁性層の磁化方向が、前記第2磁性層の磁化方向に対し直交する方向である磁気センサであって、
    前記磁気センサに電流を生じさせる手段と、
    前記磁気センサによって検知される磁界の関数として、前記磁性層の各々の層の磁化の回転の差によって生じる上記磁気センサの電気抵抗変化を検知する手段とを有し、
    前記第1及び第2磁性層がCo又はCo合金であり、前記反強磁性体は、 Cr m Mn 1-m -X n 合金 (0.3 m 0.7 0.001 n 0.3 X= Co,Ni,Cu,Ag,Au,Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os及びRe )膜が熱処理されたものであことを特徴とする磁気センサ。
  15. 前記Cr−Mn合金のCrの組成比率は、30から50%であることを特徴とする請求項1または9記載の積層体
  16. 前記Cr−Mn合金のCrの組成比率は、30から50%であることを特徴とする請求項2または10記載の磁気センサ。
  17. 前記Cr−Mn合金のCrの組成比率は、30から50%であることを特徴とする請求項3または11記載の磁気記録媒体
  18. 前記Cr−Mn合金のCrの組成比率は、30から50%であることを特徴とする請求項4、7、8または12のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
  19. 前記Cr−Mn合金のCrの組成比率は、30から50%であることを特徴とする請求項5または13に記載の磁気記録再生装置。
  20. 前記Cr−Mn合金のCrの組成比率は、30から50%であることを特徴とする請求項6または14に記載の磁気センサ
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