JP7298630B2 - 磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサに関する。
近年、種々の用途で、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサが利用されている。磁気センサを含むシステムでは、基板上に設けられた磁気抵抗効果素子によって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出したい場合がある。この場合、基板の面に垂直な方向の磁界を基板の面に平行な方向の磁界に変換する軟磁性体を設けたり、磁気抵抗効果素子を基板上に形成された傾斜面上に配置したりすることによって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出することができる。
特許文献1,2には、X軸センサとY軸センサとZ軸センサが基板上に設けられた磁気センサが開示されている。特許文献1に開示された磁気センサでは、基板上の厚膜にV字状の溝が形成されている。この溝の斜面の中央部分の平坦性が良好な位置には、Z軸センサをなす巨大磁気抵抗素子の帯状部が設けられている。帯状部は、巨大磁気抵抗素子の本体をなす部分であり、細長い帯状の平面形状を有している。
特許文献2に開示された磁気センサでは、基板上の厚膜に、第一の斜面および第二の斜面を有するV字状の溝が形成されている。第二の斜面は、溝の斜面の下半分をなす。第二の斜面と基板とがなす角は、第一の斜面と基板とがなす角よりも大きい。第二の斜面の中央部分の平坦性が良好な位置には、Z軸センサをなす巨大磁気抵抗素子の帯状部が設けられている。特許文献1と同様に、帯状部は、細長い帯状の平面形状を有している。
また、特許文献1,2には、斜面は、実際には、製造プロセス上、外方に向けてやや張り出した湾曲面となることが記載されている。
特開2006-310585号公報 特開2007-157979号公報
一般的に、磁気抵抗効果素子は、イオンミリングまたは反応性イオンエッチングによって、磁気抵抗効果素子となる積層膜をエッチングすることによって形成される。このエッチングでは、フォトレジストマスクが用いられる。フォトレジストマスクは、フォトリソグラフィを用いて、積層膜の上の所望の位置に形成される。また、フォトレジストマスクは、磁気抵抗効果素子の平面形状に対応した平面形状を有している。しかし、フォトリソグラフィの精度に起因して、フォトレジストマスクの位置と寸法には、ばらつきが生じ得る。
フォトレジストマスクの位置と寸法のばらつきによる影響は、湾曲面上に磁気抵抗効果素子を形成する場合に顕著に現れる。一般的に、湾曲面上に磁気抵抗効果素子を形成する場合には、マグネトロンスパッタリング装置のような、いわゆるノンコンフォーマルな成膜装置を用いて、湾曲面状に積層膜を形成する。そのため、積層膜の厚み(湾曲面に垂直な方向の寸法)は、湾曲面の傾斜角度が大きくなるに従って小さくなる。
張り出すような形状の湾曲面では、湾曲面上の位置が水平方向に所定の間隔だけ変化したときの傾斜角度の変化量は、湾曲面の頂上から遠ざかるに従って大きくなる。同様に、積層膜の厚みの変化量も、湾曲面の頂上から遠ざかるに従って大きくなる。そのため、フォトレジストマスクの位置または寸法が変化して、湾曲面の頂上とは反対側に位置するフォトレジストマスクの壁面の位置が変化すると、湾曲面の頂上とは反対側に位置する磁気抵抗効果素子の端部の近傍部分では、磁気抵抗効果素子の厚みが大きく変化する。その結果、所望の特性が得られなくなるという問題が生じる。
上記の問題は、窪むような形状の湾曲面に磁気抵抗効果素子を形成する場合にも生じる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、製造プロセスのばらつきに起因して傾斜部分の上に位置する磁気抵抗効果素子の厚みが変化することを抑制することができるようにした磁気センサを提供することにある。
本発明の磁気センサは、外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子を支持する支持部材とを備えている。支持部材は、磁気抵抗効果素子に対向する対向面と、対向面とは反対側に配置された平面よりなる下面とを有している。対向面は、下面に対して傾斜した傾斜部分を含んでいる。磁気センサの断面であって、下面に垂直な特定の断面において、傾斜部分は、傾斜部分上の第1の位置において下面に対して第1の角度をなして傾斜すると共に、傾斜部分上の第2の位置において下面に対して第1の角度よりも小さな第2の角度をなして傾斜している。
第1の位置における傾斜部分の曲率の絶対値は、第2の位置における傾斜部分の曲率の絶対値よりも小さい。磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果素子の幅方向の両端に位置する第1の端部および第2の端部を有し、上記断面において第1の端部が第1の位置の上方に位置するように、傾斜部分の上に配置されている。
本発明の磁気センサにおいて、磁気抵抗効果素子は、上記断面において第2の端部が第2の位置の上方に位置するように、傾斜部分の上に配置されていてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、第1の位置と第2の位置は、上記断面において下面に最も近い傾斜部分上の第3の位置から上記断面において下面から最も遠い傾斜部分上の第4の位置までの範囲内にあってもよい。この場合、傾斜部分は、第1の位置から第2の位置までの範囲内では、第1の角度が最大になり且つ第2の角度が最小になるように、下面に対して傾斜してもよい。また、傾斜部分の曲率の絶対値は、第1の位置から第2の位置までの範囲内では、第1の位置において最小になり、第1の位置を除く所定の位置において最大になってもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、対向面は、下面から離れる方向に突出した凸面を含んでいてもよい。この場合、傾斜部分は、凸面の一部であってもよい。あるいは、対向面は、下面に近づく方向に窪んだ凹面を含んでいてもよい。この場合、傾斜部分は、凹面の一部であってもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、磁気抵抗効果素子は、外部磁界に応じて方向が変化可能な磁化を有する磁性層を含んでいてもよい。磁性層は、第1の面と、第1の面とは反対側に配置された第2の面とを有すると共に、磁性層の第1の面に垂直な方向の寸法である膜厚を有していてもよい。第1の端部における膜厚は、第2の端部における膜厚よりも小さくてもよい。また、膜厚は、第2の端部から第1の端部に近づくに従って小さくなってもよい。また、第1の面と第2の面の各々は、上記断面と交差する方向に長い形状を有していてもよい。
本発明の磁気センサでは、支持部材の対向面の傾斜部分は、第1の位置において下面に対して第1の角度をなして傾斜すると共に、第2の位置において下面に対して第1の角度よりも小さな第2の角度をなして傾斜している。第1の位置における傾斜部分の曲率の絶対値は、第2の位置における傾斜部分の曲率の絶対値よりも小さい。磁気抵抗効果素子は、第1の端部が第1の位置の上方に位置するように、傾斜部分の上に配置されている。これにより、本発明によれば、製造プロセスのばらつきに起因して磁気抵抗効果素子の厚みが変化することを抑制することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態における磁気センサシステムの概略の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における傾斜部分の形状を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの製造方法における一工程を示す断面図である。 図8に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図9に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図10に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図11に示した工程に続く工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における支持部材の対向面の形状と曲率を示す特性図である。 比較例の磁気抵抗効果素子における磁荷を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子における磁荷を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの一断面を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における傾斜部分の形状を説明するための説明図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサシステムの概略について説明する。本実施の形態における磁気センサシステム100は、本実施の形態に係る磁気センサ1と、磁気センサ1が検出すべき磁界(検出対象磁界)である対象磁界MFを発生する磁界発生器5とを備えている。
磁界発生器5は、回転軸Cを中心として回転可能である。磁界発生器5は、一対の磁石6A,6Bを含んでいる。磁石6A,6Bは、回転軸Cを含む仮想の平面を中心として対称な位置に配置されている。磁石6A,6Bの各々は、N極とS極を有している。磁石6A,6Bは、磁石6AのN極と磁石6BのS極が対向するような姿勢で配置されている。磁界発生器5は、磁石6AのN極から磁石6BのS極に向かう方向の対象磁界MFを発生する。
磁気センサ1は、所定の基準位置における対象磁界MFを検出することができる位置に配置されている。基準位置における対象磁界MFは、磁石6A,6Bの各々が発生する磁界の一部である。基準位置は、回転軸C上にあってもよい。以下の説明では、基準位置は、回転軸C上にあるものとする。磁気センサ1は、磁界発生器5が発生する対象磁界MFを検出して、検出値Vsを生成する。検出値Vsは、磁気センサ1に対する磁界発生器5の相対的な位置、特に回転位置と対応関係を有している。
磁気センサシステム100は、回転可能な可動部を含む機器における可動部の回転位置を検出する装置として利用することができる。このような機器としては、例えば産業用ロボットの関節がある。図1は、産業用ロボット200に磁気センサシステム100を適用した例を示している。
図1に示した産業用ロボット200は、可動部201と、可動部201を回転可能に支持する支持部202とを含んでいる。可動部201と支持部202の連結部分は関節である。可動部201は、回転軸Cを中心として回転する。磁気センサシステム100を産業用ロボット200の関節に適用する場合には、例えば、支持部202に磁気センサ1を固定し、可動部201に磁石6A,6Bを固定すればよい。
ここで、図1に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、回転軸Cに平行な一方向(図1では奥から手前に向かう方向)をX方向とする。図1では、Y方向を右側に向かう方向として表し、Z方向を上側に向かう方向として表している。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。また、以下、基準の位置に対してZ方向の先にある位置を「上方」と言い、基準の位置に対して「上方」とは反対側にある位置を「下方」と言う。
本実施の形態では、基準位置における対象磁界MFの方向は、回転軸C上の基準位置を含むYZ平面内の方向として表される。基準位置における対象磁界MFの方向は、上記YZ平面内において、基準位置を中心として回転する。
磁気センサ1は、外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と記す。)を備えている。本実施の形態では、MR素子の抵抗値は、対象磁界MFの方向の変化に応じて変化する。磁気センサ1は、MR素子の抵抗値に対応する検出信号を生成すると共に、この検出信号に基づいて、検出値Vsを生成する。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の構成について説明する。始めに、図2を参照して、磁気センサ1の回路構成の一例について説明する。図2に示した例では、磁気センサ1は、4つの抵抗部11,12,13,14と、2つの電源端V1,V2と、2つのグランド端G1,G2と、2つの信号出力端E1,E2とを備えている。
抵抗部11~14の各々は、少なくとも1つのMR素子30を含んでいる。抵抗部11~14の各々が複数のMR素子30を含む場合、抵抗部11~14の各々では、複数のMR素子30が直列に接続されていてもよい。
抵抗部11は、電源端V1と信号出力端E1との間に設けられている。抵抗部12は、信号出力端E1とグランド端G1との間に設けられている。抵抗部13は、電源端V2と信号出力端E2との間に設けられている。抵抗部14は、信号出力端E2とグランド端G2との間に設けられている。電源端V1,V2には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランド端G1,G2はグランドに接続される。
抵抗部11と抵抗部12の接続点の電位は、抵抗部11の少なくとも1つのMR素子30の抵抗値と抵抗部12の少なくとも1つのMR素子30の抵抗値に依存して変化する。信号出力端E1は、抵抗部11と抵抗部12の接続点の電位に対応する信号を検出信号S1として出力する。
抵抗部13と抵抗部14の接続点の電位は、抵抗部13の少なくとも1つのMR素子30の抵抗値と抵抗部14の少なくとも1つのMR素子30の抵抗値に依存して変化する。信号出力端E2は、抵抗部13と抵抗部14の接続点の電位に対応する信号を検出信号S2として出力する。
磁気センサ1は、更に、検出信号S1,S2に基づいて検出値Vsを生成する検出値生成回路21を備えている。検出値生成回路21は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)あるいはマイクロコンピュータによって構成されている。
次に、1つのMR素子30に注目して、磁気センサ1の構成について更に詳しく説明する。図3は、磁気センサ1の一部を示す模式図である。図4は、磁気センサ1の一部を示す断面図である。なお、図4は、YZ平面に平行且つMR素子30と交差する断面を示している。図5は、磁気センサ1の一部を示す平面図である。
磁気センサ1は、更に、支持部材60を備えている。支持部材60は、抵抗部11~14に含まれる全てのMR素子30を支持している。図3および図4に示したように、支持部材60は、その一部がMR素子30に対向する対向面60aと、対向面60aとは反対側に配置された平面よりなる下面60bとを有している。対向面60aは、支持部材60におけるZ方向の端に位置する。下面60bは、支持部材60における-Z方向の端に位置する。下面60bは、XY平面に平行である。磁気センサ1は、例えば、下面60bまたは下面60bに対応する面を水平にして製造されてもよい。また、磁気センサ1は、例えば、下面60bまたは下面60bに対応する面の向きや傾きに基づいて設置されてもよい。このように、下面60bは、磁気センサ1の製造および設置の少なくとも一方の基準となる面であってもよい。
支持部材60の対向面60aは、下面60bに対して傾斜した傾斜部分を含んでいる。本実施の形態では、対向面60aは、下面60bに平行な平面部分60a1と、下面60bに非平行な少なくとも1つの曲面部分60a2とを含んでいる。図4に示したように、曲面部分60a2は、下面60bから離れる方向に突出した凸面である。上記の傾斜部分は、凸面の一部である。曲面部分60a2は、YZ平面に平行な任意の断面において、下面60bから遠ざかる方向(Z方向)に凸となるように湾曲した曲線形状(アーチ形状)を有している。YZ平面に平行な任意の断面において、下面60bから曲面部分60a2までの距離は、Y方向に平行な方向における曲面部分60a2の中央(以下、単に曲面部分60a2の中央と記す。)において最も大きくなる。
曲面部分60a2は、X方向に沿って延在している。図3に示したように、曲面部分60a2の全体形状は、図4に示した曲線形状(アーチ形状)をX方向に沿って移動してできる半円筒状の曲面である。
MR素子30は、曲面部分60a2の上に配置されている。ここで、曲面部分60a2のうち、曲面部分60a2の-Y方向の端に位置する端部から曲面部分60a2の中央までの部分を第1の傾斜部分と言い、符号SL1で表す。また、曲面部分60a2のうち、曲面部分60a2のY方向の端に位置する端部から曲面部分60a2の中央までの部分を第2の傾斜部分と言い、符号SL2で表す。図3では、第1の傾斜部分SL1と第2の傾斜部分SL2の境界を点線で示している。第1および第2の傾斜部分SL1,SL2は、いずれも、下面60bに対して傾斜している。本実施の形態では、MR素子30の全体が、第1の傾斜部分SL1上または第2の傾斜部分SL2上に配置されている。図3および図4には、第1の傾斜部分SL1上に配置されたMR素子30を示している。
MR素子30は、X方向に長い形状を有している。ここで、MR素子30の短手方向を、MR素子30の幅方向、または単に幅方向と言う。MR素子30の平面形状(Z方向から見た形状)は、矩形のように、幅方向の寸法がX方向の位置によらずに一定かほぼ一定の幅一定部分を含む形状であってもよいし、楕円形のように、幅一定部分を含まない形状であってもよい。幅一定部分を含むMR素子30の平面形状の例としては、長手方向の両端が直線である矩形の他に、長手方向の両端が半円となる長円形や、長手方向の両端が多角形となる形状がある。図3および図5には、MR素子30の平面形状が矩形である場合の例を示している。この例では、MR素子30は、曲面部分60a2に対向する下面30aと、下面30aとは反対側に位置する上面30bと、幅方向の両端に位置する第1の端部30cおよび第2の端部30dと、長手方向の両端に位置する第3の端部30eおよび第4の端部30fとを有している。MR素子30の幅方向の寸法は、X方向の位置によらずに一定か、ほぼ一定である。
支持部材60は、基板61と、この基板61の上に配置された絶縁層62とを含んでいる。基板61は、例えば、Si等の半導体よりなる半導体基板である。基板61は、基板61におけるZ方向の端に位置する上面と、基板61における-Z方向の端に位置する下面とを有している。支持部材60の下面60bは、基板61の下面によって構成されている。基板61の厚み(Z方向の寸法)は一定である。
絶縁層62は、例えば、SiO等の絶縁材料よりなる。絶縁層62は、Z方向の端に位置する上面を有している。支持部材60の対向面60aは、絶縁層62の上面によって構成されている。絶縁層62は、対向面60aに曲面部分60a2が形成されるような断面形状を有している。具体的には、絶縁層62は、YZ平面に平行な任意の断面において、Z方向に張り出すような断面形状を有している。
磁気センサ1は、更に、下部電極41と、上部電極42と、絶縁層63,64,65とを備えている。なお、図3では、下部電極41、上部電極42および絶縁層63~65を省略している。また、図5では、絶縁層63~65を省略している。
下部電極41は、支持部材60の対向面60a(絶縁層62の上面)の上に配置されている。絶縁層63は、支持部材60の対向面60aの上において下部電極41の周囲に配置されている。MR素子30は、下部電極41の上に配置されている。絶縁層64は、下部電極41および絶縁層63の上においてMR素子30の周囲に配置されている。上部電極42は、MR素子30および絶縁層64の上に配置されている。絶縁層65は、絶縁層64の上において上部電極42の周囲に配置されている。
磁気センサ1は、更に、上部電極42と絶縁層65を覆う図示しない絶縁層を備えている。下部電極41および上部電極42は、例えば、Cu等の導電材料よりなる。絶縁層63~65および図示しない絶縁層は、例えば、SiO等の絶縁材料よりなる。
ここで、磁気センサ1のうち、基板61と基板61の上に積層されたものを合わせて検出部と言う。図4は、検出部を示しているとも言える。図2に示した検出値生成回路21は、検出部と一体化されていてもよいし、検出部とは別体であってもよい。
ここで、図6を参照して、MR素子30の構成について詳しく説明する。本実施の形態では特に、MR素子30は、スピンバルブ型のMR素子である。図6に示したように、MR素子30は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層32と、外部磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層34と、磁化固定層32と自由層34の間に配置されたスペーサ層33とを含んでいる。MR素子30は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、スペーサ層33はトンネルバリア層である。GMR素子では、スペーサ層33は非磁性導電層である。MR素子30では、自由層34の磁化の方向が磁化固定層32の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。
磁化固定層32、スペーサ層33および自由層34は、下部電極41から上部電極42に向かう方向に、下部電極41側からこの順に積層されている。MR素子30は、更に、磁化固定層32と下部電極41との間に介在する下地層31と、自由層34と上部電極42との間に介在するキャップ層35とを含んでいる。なお、MR素子30における磁化固定層32、スペーサ層33および自由層34の配置は、図6に示した配置とは上下が反対でもよい。
磁化固定層32の磁化の方向は、MR素子30の長手方向に直交する方向であることが望ましい。本実施の形態では、MR素子30は、下面60bに対して傾斜した第1の傾斜部分SL1または第2の傾斜部分SL2の上に配置されている。そのため、磁化固定層32の磁化の方向も、下面60bに対して傾斜する。
本実施の形態では、便宜上、第1の傾斜部分SL1の上に配置された磁化固定層32の磁化の方向を、U方向または-U方向とする。U方向は、Y方向からZ方向に向かって所定の角度だけ回転した方向である。-U方向は、U方向は反対の方向である。また、本実施の形態では、便宜上、第2の傾斜部分SL2の上に配置された磁化固定層32の磁化の方向を、V方向または-V方向とする。V方向は、Y方向から-Z方向に向かって所定の角度だけ回転した方向である。-V方向は、V方向は反対の方向である。
図2には、X方向、U方向およびV方向を示している。なお、図2では、便宜上、U方向とV方向を同じ矢印を用いて示している。図2において、塗りつぶした矢印は、抵抗部11~14の各々に含まれるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向を表している。磁気センサ1は、抵抗部11,14におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向がU方向になり、抵抗部12,13におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向が-U方向になるように構成されてもよい。あるいは、磁気センサ1は、抵抗部11,14におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向がV方向になり、抵抗部12,13におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向が-V方向になるように構成されてもよい。
あるいは、磁気センサ1は、各々が抵抗部11~14を含む第1の回路部分および第2の回路部分を含んでいてもよい。第1の回路部分では、抵抗部11,14におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向がU方向になり、抵抗部12,13におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向が-U方向になるように構成されもよい。第2の回路部分では、抵抗部11,14におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向がV方向になり、抵抗部12,13におけるMR素子30の磁化固定層32の磁化の方向が-V方向になるように構成されてもよい。
自由層34は、本発明の磁性層に対応する。自由層34は、磁化容易軸方向が磁化固定層32の磁化の方向に交差する方向となる形状磁気異方性を有している。本実施の形態では、MR素子30は、X方向に長い形状にパターニングされている。これにより、自由層34は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状磁気異方性を有している。
ここまでは、1つのMR素子30に注目して、磁気センサ1の構成について説明してきた。本実施の形態では、抵抗部11~14の各々が、少なくとも1つのMR素子30を含んでいる。そのため、磁気センサ1は、複数のMR素子30と、複数の下部電極41と、複数の上部電極42とを備えている。図5に示したように、個々の下部電極41は細長い形状を有している。下部電極41の上面上において、長手方向の一端の近傍に、MR素子30が配置されている。個々の上部電極42は細長い形状を有し、2つの下部電極41上に配置されて隣接する2つのMR素子30を電気的に接続する。
支持部材60の対向面60aの曲面部分60a2の数は、1つであってもよいし複数であってもよい。曲面部分60a2の数が1つである場合、1つの曲面部分60a2の上に複数のMR素子30が配置される。この場合、複数のMR素子30は、第1の傾斜部分SL1と第2の傾斜部分SL2のいずれか一方のみに配置されてもよいし、第1の傾斜部分SL1と第2の傾斜部分SL2の両方に配置されてもよい。
曲面部分60a2の数が複数である場合、1つの曲面部分60a2の上には、1つのMR素子30が配置されてもよいし、複数のMR素子30が配置されてもよい。また、この場合、複数の曲面部分60a2は、一方向に沿って並ぶように配置されてもよいし、X方向とY方向にそれぞれ複数個並ぶように、複数列に配列されてもよい。
次に、図6および図7を参照して、傾斜部分とMR素子30について更に詳しく説明する。ここでは、第1の傾斜部分SL1を例にとって説明する。図7は、第1の傾斜部分SL1の形状を説明するための説明図である。なお、図7では、MR素子30のうち下地層31およびキャップ層35を省略している。
図7は、MR素子30と交差し且つ支持部材60の下面60bに垂直な特定の断面を示している。以下、この断面に関しては、符号Sを付して表す。断面Sは、MR素子30の長手方向と交差する。第1の傾斜部分SL1の形状を説明するために、任意の断面Sにおける第1の傾斜部分SL1上の第1の位置P1、第2の位置P2、第3の位置P3および第4の位置P4を定義する。第1の位置P1は、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対して第1の角度θ1をなして傾斜する位置である。第2の位置P2は、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対して第1の角度θ1よりも小さい第2の角度θ2をなして傾斜する位置である。本実施の形態では特に、第1の位置P1は、第2の位置P2よりも下面60bにより近い。なお、以下の説明において、特定の面が下面60bに対してなす角度は、0°以上90°以下の角度で表すものとする。
第3の位置P3は、第1の傾斜部分SL1において下面60bに最も近い位置である。具体的に説明すると、第3の位置P3は、第1の傾斜部分SL1の-Y方向の端であって、曲面部分60a2と平面部分60a1との境界にある。第4の位置P4は、第1の傾斜部分SL1において下面60bから最も遠い位置である。具体的に説明すると、第4の位置P4は、第1の傾斜部分SL1のY方向の端であって、第1の傾斜部分SL1と第2の傾斜部分SL2との境界すなわち曲面部分60a2の中央にある。第1の位置P1と第2の位置P2は、第3の位置P3から第4の位置P4までの範囲内にある。
第3の位置P3において第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度と、第4の位置P4において第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度は、いずれも0°である。第1および第2の角度θ1,θ2は、いずれも、0°よりも大きく90°よりも小さい。本実施の形態では特に、第1の傾斜部分SL1は、第1の位置P1から第2の位置P2までの範囲内では、第1の角度θ1が最大になり且つ第2の角度θ2が最小になるように、下面60bに対して傾斜している。
任意の断面Sにおける第1の傾斜部分SL1の輪郭は、互いに異なる曲率を有する複数の曲線によって構成されている。第1の位置P1における第1の傾斜部分SL1の曲率k1の絶対値は、第2の位置P2における第1の傾斜部分SL1の曲率k2の絶対値よりも小さい。言い換えると、第1の位置P1における第1の傾斜部分SL1は、第2の位置P2における第1の傾斜部分SL1よりも直線的であり、緩やかなカーブとなっている。
図7において、記号C1を付した円弧は、第1の位置P1における第1の傾斜部分SL1を近似する円すなわち第1の曲率円の一部を示している。また、記号C2を付した円弧は、第2の位置P2における第1の傾斜部分SL1を近似する円すなわち第2の曲率円の一部を示している。図7に示したように、第1の曲率円(記号C1)の半径は、第2の曲率円(記号C2)の半径よりも大きい。
第1の位置P1から第2の位置P2までの範囲内では、第1の傾斜部分SL1の曲率の絶対値は、第1の位置P1を除く第1の傾斜部分SL1上の所定の位置において最大になる。上記所定の位置は、第2の位置P2であってもよいし、第1および第2の位置P1,P2以外の位置であってもよい。また、第1の傾斜部分SL1の曲率の絶対値は、第1の位置P1から第2の位置P2にかけて、単調増加してもよいし、増加と減少を繰り返しながら全体的に増加してもよい。
なお、図7に示した例では、任意の断面Sにおける第1の傾斜部分SL1の輪郭は、第1の位置P1から第2の位置P2にかけて滑らかな曲線となっている。しかし、第1の傾斜部分SL1の輪郭は、曲率が実質的に無限大になる点を含んでいてもよい。この場合、第1の傾斜部分SL1の輪郭は、曲率が実質的に無限大になる点において折れ曲がる。なお、折れ曲がり点において第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度θbは、以下のように定義する。折れ曲がり点の近傍且つ折れ曲がり点よりも下面60bにより近い第1の傾斜部分SL1上の点において、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度をθaとする。また、折れ曲がり点の近傍且つ折れ曲がり点よりも下面60bからより遠い第1の傾斜部分SL1上の点において、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度をθcとする。角度θbは、角度θaよりも小さく、角度θcよりも大きい角度とする。角度θbは、角度θaと角度θcの平均値であってもよい。
MR素子30は、任意の断面Sにおいて第1の端部30cが第1の位置P1の上方に位置するように、第1の傾斜部分SL1の上に配置されている。本実施の形態では、更に、MR素子30は、任意の断面Sにおいて第2の端部30dが第2の位置P2の上方に位置するように、第1の傾斜部分SL1の上に配置されている。従って、本実施の形態では、MR素子30は、第1の傾斜部分SL1のうち第1の位置P1から第2の位置P2までの領域の上に配置されている。
また、図6および図7に示したように、MR素子30の自由層34は、第1の面34aと、第1の面34aとは反対側の第2の面34bと、第1の面34aと第2の面34bを接続する外周面とを有している。第1の面34aは、第2の面34bよりも、支持部材60の対向面60aからより遠い位置にある。第1の面34aは、キャップ層35に接している。第2の面34bは、スペーサ層33に接している。
本実施の形態では、MR素子30は、X方向に長い形状にパターニングされている。そのため、第1および第2の面34a,34bの各々は、X方向に長い形状を有している。第1の面34aは、第1の面34aの短手方向の両端に位置する第1の端部Ed1および第2の端部Ed2を有している。第1の端部Ed1は、MR素子30の第1の端部30cに位置する。第2の端部Ed2は、MR素子30の第2の端部30dに位置する。
ここで、第1の面34aが支持部材60の下面60bに対してなす角度を傾斜角度と言い、記号φで表す。第1の面34aは、傾斜角度φが0°よりも大きくなるように、支持部材60の下面60bに対して傾斜している。
ここで、第1の端部Ed1における傾斜角度φを傾斜角度φ1と記し、第2の端部Ed2における傾斜角度φを傾斜角度φ2と記す。任意の断面Sにおいて、第1の端部Ed1における傾斜角度φ1は、第2の端部Ed2における傾斜角度φ2よりも大きい。任意の断面Sにおいて、傾斜角度φは、第2の端部Ed2から第1の端部Ed1に近づくに従って大きくなっていてもよい。
第1の面34a上の任意の位置における傾斜角度φは、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度θに依存して変化する。具体的には、第1の面34a上の任意の位置における傾斜角度φは、その任意の位置の下方の第1の傾斜部分SL1上の位置における角度θとほぼ等しい。そのため、傾斜角度φは、角度θが大きくなるに従って大きくなる。
自由層34は、第1の面34aに垂直な方向の寸法である膜厚Tを有している。膜厚Tは、第1の面34aに垂直な方向における第1の面34aと第2の面34bとの間隔でもある。ここで、第1の端部Ed1における膜厚Tを膜厚T1と記し、第2の端部Ed2における膜厚Tを膜厚T2と記す。膜厚T1は、MR素子30の第1の端部30cにおける膜厚Tでもある。膜厚T2は、MR素子30の第2の端部30dにおける膜厚Tでもある。なお、膜厚T2については、便宜上、第2の面34bを曲面部分60a2に沿って延長した仮想の面を想定し、第1の面34aに垂直な方向における第1の面34aと仮想の面との間隔を膜厚T2としている。
任意の断面Sにおいて、第1の端部Ed1における膜厚T1は、第2の端部Ed2における膜厚T2よりも小さい。任意の断面Sにおいて、膜厚Tは、第2の端部Ed2から第1の端部Ed1に近づくに従って小さくなっていてもよい。
第1の面34a上の任意の位置における膜厚Tは、角度θに依存して変化する。具体的には、第1の面34a上の任意の位置における膜厚Tは、その任意の位置に最も近い第1の傾斜部分SL1上の位置における角度θが大きくなるに従って小さくなる。
また、傾斜角度φと角度θとの関係と、膜厚Tと角度θとの関係から、膜厚Tは、傾斜角度φが大きくなるに従って小さくなる。
ここまでは、第1の傾斜部分SL1を例にとって説明してきた。第1の傾斜部分SL1と第2の傾斜部分SL2は、曲面部分60a2の中央を含むXZ平面を中心として対称な形状またはほぼ対称な形状を有している。従って、上記の第1の傾斜部分SL1についての説明は、第2の傾斜部分SL2にも当てはまる。また、上記のMR素子30についての説明は、第2の傾斜部分SL2の上に配置されたMR素子30にも当てはまる。
次に、図8ないし図12を参照して、本実施の形態に係る磁気センサ1の製造方法について説明する。磁気センサ1の製造方法は、磁気センサ1のうち図3ないし図5に示した部分すなわち検出部を形成する工程と、検出部を用いて磁気センサ1を完成させる工程とを備えている。図8ないし図12は、検出部を形成する工程を示している。なお、図8ないし図12は、第1の傾斜部分SL1の上に形成されるMR素子30に注目している。
図8に示したように、検出部を形成する工程では、まず、基板61の上に絶縁層62を形成する。絶縁層62は、基板61の上にフォトレジストマスクを形成した後、絶縁膜を形成することによって形成してもよいし、基板61の上に絶縁膜を形成した後、この絶縁膜の一部をエッチングすることによって形成してもよい。絶縁層62が形成されることにより、支持部材60が完成する。
図9は、次の工程を示す。この工程では、絶縁層62の上すなわち支持部材60の上に、下部電極41および絶縁層63を形成する。下部電極41および絶縁層63は、例えば以下のようにして形成される。まず、絶縁層62の上に、金属膜を形成する。次に、金属膜の上に、エッチングマスクを形成する。エッチングマスクは、フォトレジスト層をフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成されてもよい。次に、金属膜が下部電極41になるように、エッチングマスクを用いて、金属膜をエッチングする。次に、エッチングマスクを残したまま、絶縁層63を形成する。次に、エッチングマスクを除去する。
図10は、次の工程を示す。この工程では、後にMR素子30を構成する各層となる膜を順に形成し、下部電極41および絶縁層63の上に、後にMR素子30となる積層膜30Pを形成する。次に、積層膜30Pの上に、エッチングマスク81を形成する。エッチングマスク81は、フォトレジスト層をフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成される。エッチングマスク81は、MR素子30の平面形状(上方から見た形状)に対応した平面形状を有している。エッチングマスク81は、MR素子30の第1の端部30cの位置を規定する第1の壁面81aと、MR素子30の第2の端部30dの位置を規定する第2の壁面81bとを有している。
図11は、次の工程を示す。この工程では、エッチングマスク81を用いて、例えばイオンミリングまたは反応性イオンエッチングによって、積層膜30Pをエッチングする。これにより、積層膜30Pは、MR素子30になる。
図12は、次の工程を示す。この工程では、まず、エッチングマスク81を残したまま、絶縁層64を形成する。次に、エッチングマスク81を除去する。次に、MR素子30および絶縁層64の上に、上部電極42および絶縁層65を形成する。上部電極42および絶縁層65の形成方法は、下部電極41および絶縁層63の形成方法と同様である。
次に、上部電極42および絶縁層65を覆うように、図示しない絶縁層を形成する。次に、電源端V1,V2等を構成する複数の端子の形成等を行って、磁気センサ1の検出部が完成する。
次に、図13を参照して、支持部材60の対向面60aの形状と曲率の一例について説明する。図13は、所定の断面Sにおける支持部材60の対向面60aの形状と曲率を示す特性図である。図13は、実際に作製した支持部材60の対向面60aを、原子間力顕微鏡を用いて測定することによって得られたものである。図13において、横軸は、Y方向に平行な方向についての位置を示している。左側の縦軸は、対向面60aの曲率を示している。なお、図13に示した曲率は、対向面60aが下面60bから離れる方向に突出した凸面である場合に、曲率の値が正になるように定義した。右側の縦軸は、対向面60aの高さを示している。なお、図13では、Z方向に平行な方向についての位置を、対向面60aの高さとしている。また、図13では、対向面60aの平面部分60a1の高さを0としている。また、符号71を付した実線は、対向面60aの曲率を示している。符号72を付した太線の実線は、対向面60aの高さを示している。
図13において、記号P1L,P2Lを付した点は、それぞれ、第1の傾斜部分SL1上に配置されるMR素子30の第1および第2の端部30c,30dに対応する位置を示している。このMR素子30は、第1の傾斜部分SL1のうち点P1Lから点P2Lまでの領域の上に配置される。点P1L,P2Lは、実質的に、第1の傾斜部分SL1上の第1および第2の位置P1,P2を示している。図13に示したように、点P1Lにおいて対向面60aが下面60bに対してなす角度は、点P2Lにおいて対向面60aが下面60bに対してなす角度よりも大きい。点P1Lにおける対向面60aの曲率の絶対値は、点P2Lにおける対向面60aの曲率の絶対値よりも小さい。点P1Lから点P2Lまでの範囲内では、対向面60aの曲率の絶対値は、点P1Lにおいて最小になり、点P1Lを除く所定の位置において最大になる。
同様に、図13において、記号P1R,P2Rを付した点は、それぞれ、第2の傾斜部分SL2上に配置されるMR素子30の第1および第2の端部30c,30dに対応する位置を示している。このMR素子30は、第2の傾斜部分SL2のうち点P1Rから点P2Rまでの領域の上に配置される。点P1R,P2Rは、実質的に、第2の傾斜部分SL2上の第1および第2の位置P1,P2を示している。図13に示したように、点P1Rにおいて対向面60aが下面60bに対してなす角度は、点P2Rにおいて対向面60aが下面60bに対してなす角度よりも大きい。点P1Rにおける対向面60aの曲率の絶対値は、点P2Rにおける対向面60aの曲率の絶対値よりも小さい。点P1Rから点P2Rまでの範囲内では、対向面60aの曲率の絶対値は、点P1Rにおいて最小になり、点P1Rを除く所定の位置において最大になる。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の作用および効果について説明する。図7に示したように、本実施の形態では、任意の断面Sにおいて、第1の傾斜部分SL1は、第1の位置P1において下面60bに対して第1の角度θ1をなして傾斜すると共に、第2の位置P2において下面60bに対して第1の角度θ1よりも小さな第2の角度θ2をなして傾斜している。第1の位置P1における第1の傾斜部分SL1の曲率k1の絶対値は、第2の位置P2における第1の傾斜部分SL1の曲率k2の絶対値よりも小さい。
第1の傾斜部分SL1の上に配置されるMR素子30は、任意の断面Sにおいて第1の端部30cが第1の位置P1の上方に位置するように、第1の傾斜部分SL1の上に配置されている。本実施の形態では、更に、MR素子30は、任意の断面Sにおいて第2の端部30dが第2の位置P2の上方に位置するように、第1の傾斜部分SL1の上に配置されている。
図8ないし図12を参照して説明したように、MR素子30は、積層膜30Pをエッチングすることによって形成される。このエッチングでは、エッチングマスク81が用いられる。エッチングマスク81は、フォトレジスト層をフォトリソグラフィによってパターニングすることによって、積層膜30Pの上の所望の位置に形成される。
エッチングマスク81は、MR素子30の第1の端部30cの位置を規定する第1の壁面81aと、MR素子30の第2の端部30dの位置を規定する第2の壁面81bとを有している。設計上、第1の壁面81aは、予め規定された第1の位置P1の上方に位置し、第2の壁面81bは、予め規定された第2の位置P2の上方に位置する。しかし、実際の製造プロセスでは、フォトリソグラフィの精度に起因して、エッチングマスク81の位置と寸法には、ばらつきが生じ得る。その結果、第1および第2の壁面81a,81bの各々の位置が変化し、MR素子30の第1および第2の端部30c,30dの各々の位置が、設計上の位置からずれてしまう。
ここで、第1の傾斜部分SL1上の所定の位置Pにおける、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度のずれ量について説明する。ここでは、所定の位置Pにおいて第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度を記号θで表し、所定の位置Pにおける第1の傾斜部分SL1の曲率を記号kで表す。また、所定の位置PをY方向に平行な方向にΔyだけずらしたときの、第1の傾斜部分SL1が下面60bに対してなす角度のずれ量を、記号Δθで表す。Δyが十分に小さい場合、ずれ量Δθは、下記の式(1)で表すことができる。なお、曲率kは、変化しないものとする。
Δθ=k*Δy/cosθ …(1)
式(1)から理解されるように、曲率kが大きいほど、ずれ量Δθは大きくなる。また、角度θが大きいほど、ずれ量Δθは大きくなる。
前述のように、MR素子30の自由層34の膜厚Tは、角度θに依存して変化する。従って、式(1)から、曲率kが大きいほど膜厚Tの変化量が大きくなると共に、角度θが大きいほど膜厚Tの変化量が大きくなると言える。
本実施の形態では、第1の角度θ1は、第2の角度θ2よりも大きい。そのため、もし、第1の傾斜部分SL1の輪郭が、例えば円弧のように曲率kが一定であり、且つΔyが同じであるとすると、第1の位置P1の近傍におけるずれ量Δθは、第2の位置P2の近傍におけるずれ量Δθよりも大きくなる。その結果、第1の端部30cにおける膜厚Tの変化量は、第2の端部30dにおける膜厚Tの変化量よりも大きくなる。
これに対し、本実施の形態では、第1の位置P1における第1の傾斜部分SL1の曲率k1の絶対値を、第2の位置P2における第1の傾斜部分SL1の曲率k2の絶対値よりも小さくしている。すなわち、本実施の形態では、自由層34の膜厚Tの変化量が相対的に大きくなる位置において、第1の傾斜部分SL1の曲率kを、相対的に小さくしている。これにより、本実施の形態によれば、第1の傾斜部分SL1の曲率kが一定である場合、あるいは曲率k1の絶対値が曲率k2の絶対値よりも大きい場合に比べて、製造プロセスのばらつきに起因して、第1の端部30cの近傍における自由層34の膜厚Tが変化することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、MR素子30を構成する自由層34以外の層についても、製造プロセスのばらつきに起因して、第1の端部30cの近傍における膜厚が変化することを抑制することができる。その結果、本実施の形態によれば、製造プロセスのばらつきに起因して、第1の端部30cの近傍におけるMR素子30の厚み(第1の傾斜部分SL1に垂直な方向の寸法)が変化することを抑制することができる。
また、本実施の形態では、自由層34の膜厚Tの変化量が相対的に小さくなる第2の位置P2の上方に、第2の端部30dが位置するように、MR素子30を配置している。これにより、本実施の形態によれば、第2の端部30dの近傍における自由層34の膜厚Tと、第2の端部30dの近傍におけるMR素子30の厚みが、製造プロセスのばらつきに起因して変化することを抑制することができる。その結果、本実施の形態によれば、自由層34全体の膜厚TとMR素子30全体の厚みが変化することを抑制することができる。
次に、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、第1の面34a上の任意の位置における自由層34の膜厚Tは、その任意の位置に最も近い第1の傾斜部分SL1上の位置における角度θが大きくなるに従って小さくなる。このような膜厚Tと角度θとの関係は、マグネトロンスパッタリング装置のような、いわゆるノンコンフォーマルな成膜装置を用いて積層膜30Pを形成することにより実現することができる。
本実施の形態では特に、任意の断面Sにおいて、第1の端部Ed1における膜厚T1は、第2の端部Ed2における膜厚T2よりも小さい。これにより、本実施の形態によれば、自由層34のうち第1の端部Ed1およびその近傍部分への磁荷の集中を抑制することができる。
以下、比較例のMR素子230と比較しながら、磁荷の集中を抑制することによる効果について詳しく説明する。始めに、図14を参照して、比較例のMR素子230について説明する。図14は、比較例のMR素子230における磁荷を説明するための説明図である。図14は、断面Sに相当する断面を示している。比較例のMR素子230は、本実施の形態におけるMR素子30と同様に、磁化固定層232、スペーサ層233および自由層234と、図示しない下地層およびキャップ層とを含んでいる。
比較例のMR素子230は、支持部材60の下面60bに平行な平面の上に配置されている。また、MR素子230は、本実施の形態におけるMR素子30と同様に、X方向に長い形状にパターニングされている。これにより、自由層234は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状磁気異方性を有している。
自由層234は、Z方向の端に位置する第1の面234aと、第1の面234aとは反対側の第2の面234bと、第1の面234aと第2の面234bを接続する外周面とを有している。第1および第2の面234a,234bは、いずれも、下面60bに平行な平面である。第1および第2の面234a,234bの各々は、X方向に長い形状を有している。第1の面234aは、第1の面234aの短手方向すなわちY方向に平行な方向の両端に位置する第1の端部Ed11および第2の端部Ed12を有している。比較例では特に、第1の端部Ed11は、第1の面234aの-Y方向の端に位置する端部であり、第2の端部Ed12は、第1の面234aのY方向の端に位置する端部である。
MR素子230に外部磁界が印加された場合、自由層234では、外部磁界の方向および強度に応じて自由層234の内部の磁気モーメントの方向が回転し、その結果、自由層234の磁化の方向が回転する。また、この場合、自由層234の外周面には、磁荷が生じる。
ここで、MR素子230に対してY方向の外部磁界を印加する場合について考える。Y方向の外部磁界が印加された場合、自由層234の外周面のうちの第2の端部Ed12の近傍部分には正の磁荷が集中し、自由層234の外周面のうちの第1の端部Ed11の近傍部分には負の磁荷が集中する。図14において、“+”の記号は正の磁荷を表し、“-”の記号は負の磁荷を表している。これらの磁荷に起因して、自由層234には、-Y方向の反磁界が生じる。反磁界の強度は、磁荷に近いほど大きい。そのため、自由層234の第1および第2の端部Ed11,Ed12の近傍部分では反磁界の強度が大きくなり、自由層234の中央部分では反磁界の強度が小さくなる。
外部磁界が印加されていない場合、自由層234の磁化の方向と、自由層234の内部の磁気モーメントの方向は、X方向に平行な方向に向いている。外部磁界の強度が小さい場合、自由層234の中央部分では、磁気モーメントの方向は、Y方向に向かって回転し始める。しかし、自由層234の第1および第2の端部Ed11,Ed12の近傍部分では、磁気モーメントの方向は、回転しないか、ほとんど回転しない。
外部磁界の強度がある程度大きくなると、自由層234の中央部分では、磁気モーメントの方向は、Y方向に一致するか、ほとんど一致する。一方、自由層234の第1および第2の端部Ed11,Ed12の近傍部分では、磁気モーメントの方向は、Y方向に向かって回転し始める。外部磁界の強度が更に大きくなると、自由層234の第1および第2の端部Ed11,Ed12の近傍部分でも、磁気モーメントの方向は、Y方向に一致するか、ほとんど一致する。
このように、比較例のMR素子230では、反磁界に起因して、自由層234の全体で磁気モーメントの方向が一様に変化しない。その結果、自由層234の磁化は、外部磁界の強度の変化に対して非線形的に変化する。その結果、比較例のMR素子230を備えた磁気センサが生成する検出信号は、外部磁界の強度の変化に対して非線形的に変化する。
次に、本実施の形態におけるMR素子30における磁荷について説明する。図15は、MR素子30における磁荷を説明するための説明図である。図15は、断面Sに相当する断面を示している。図15において、“+”の記号は正の磁荷を表し、“-”の記号は負の磁荷を表している。
本実施の形態におけるMR素子30では、第1の端部Ed1における膜厚T1は、第2の端部Ed2における膜厚T2よりも小さい。ここで、MR素子30に対してY方向の外部磁界を印加する場合について考える。この場合、比較例と同様に、自由層34の外周面うちの第2の端部Ed2の近傍部分には正の磁荷が集中する。一方、負の磁荷は、自由層34の外周面のうちの第1の端部Ed1の近傍部分に集中せずに、第1の面34aにも広がって分布する。これにより、自由層34の第1の端部Ed1の近傍部分における反磁界の強度と、自由層34の中央部分における反磁界の強度との差が小さくなる。上記の差が小さくなるに従って、自由層34の第1の端部Ed1の近傍部分における磁気モーメントの方向は、自由層34の中央部分における磁気モーメントと同じように回転するようになる。これにより、本実施の形態によれば、自由層34の磁化が、外部磁界の強度の変化に対して非線形的に変化することを抑制することができる。その結果、本実施の形態によれば、磁気センサ1が生成する検出信号が線形的に変化する範囲を拡大することができる。
ところで、製造プロセスのばらつきに起因するMR素子30の厚みのばらつきを抑制するために、第1の傾斜部分SL1の全体で曲率kを小さくすることが考えられる。しかし、そうすると、第1の角度θ1と第2の角度θ2の差が小さくなり、第1の端部Ed1における膜厚T1と第2の端部Ed2における膜厚T2との差も小さくなる。特に、第1の傾斜部分SL1の全体で曲率kを0にする、すなわち第1の傾斜部分SL1の全体を平面にすると、第1の角度θ1と第2の角度θ2が等しくなり、第1の端部Ed1における膜厚T1と第2の端部Ed2における膜厚T2が等しくなる。その結果、第1の端部Ed1およびその近傍部分への磁荷の集中を抑制する効果が得られなくなる。
これに対し、本実施の形態では、角度θが相対的に小さくなる第2の位置P2における第1の傾斜部分SL1の曲率k2の絶対値を相対的に大きくしている。これにより、本実施の形態によれば、第1の角度θ1と第2の角度θ2の差を大きくして、第1の端部Ed1における膜厚T1と第2の端部Ed2における膜厚T2との差を大きくしている。これにより、本実施の形態によれば、製造プロセスのばらつきに起因して第1の端部Ed1における膜厚T1が変化することを抑制しながら、自由層34のうち第1の端部Ed1およびその近傍部分への磁荷の集中を抑制することができる。
なお、ここまでは、第1の傾斜部分SL1の上に配置されたMR素子30を例にとって、本実施の形態の効果について説明してきた。しかし、上記の説明は、第1の傾斜部分SL1と第2の傾斜部分SL2が対称な形状を有していることから、第2の傾斜部分SL2の上に配置されたMR素子30にも当てはまる。
[変形例]
次に、図16を参照して、本実施の形態における変形例について説明する。変形例では、MR素子30は、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子である。変形例では、MR素子30は、図6に示した磁化固定層32、スペーサ層33および自由層34の代わりに、磁気異方性が設定された磁性層36を含んでいる。磁性層36は、外部磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有している。前述のように、MR素子30は、X方向に長い形状にパターニングされている。これにより、磁性層36は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状磁気異方性を有している。
磁性層36は、X方向に長い形状の第1の面36aと、第1の面36aとは反対側の第2の面36bと、第1の面36aと第2の面36bを接続する外周面とを有している。図6および図7を参照して説明したMR素子30の形状に関する説明は、変形例にも当てはまる。MR素子30の形状に関する説明中の自由層34、第1の面34aおよび第2の面34bをそれぞれ磁性層36、第1の面36aおよび第2の面36bに置き換えれば、変形例の形状に関する説明になる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。始めに、図17を参照して、本実施の形態に係る磁気センサの構成について説明する。図17は、本実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。
本実施の形態に係る磁気センサ101の構成は、以下の点で、第1の実施の形態に係る磁気センサ1と異なっている。本実施の形態に係る磁気センサ101は、第1の実施の形態におけるMR素子30の代わりに、MR素子130を備えている。図17は、YZ平面に平行且つMR素子130と交差する断面を示している。
支持部材60の対向面60aは、第1の実施の形態における曲面部分60a2の代わりに、下面60bに非平行な少なくとも1つの曲面部分60a3を含んでいる。図17に示したように、曲面部分60a3は、下面60bに近づく方向に窪んだ凹面である。後述するように、対向面60aは、上記の凹面(曲面部分60a3)の一部である傾斜部分を含んでいる。曲面部分60a3は、YZ平面に平行な任意の断面において、下面60bに近づく方向(-Z方向)に凹むように湾曲した曲線形状(アーチ形状)を有している。YZ平面に平行な任意の断面において、下面60bから曲面部分60a3までの距離は、Y方向に平行な方向における曲面部分60a3の中央(以下、単に曲面部分60a3の中央と記す。)において最も小さくなる。
曲面部分60a3は、X方向に沿って延在している。曲面部分60a3の全体形状は、図17に示した曲線形状をX方向に沿って移動してできる半円筒状の曲面である。また、支持部材60の絶縁層62は、対向面60aに曲面部分60a3が形成されるような断面形状を有している。具体的には、絶縁層62は、YZ平面に平行な任意の断面において、-Z方向に窪むような断面形状を有している。
ここで、曲面部分60a3のうち、曲面部分60a3のY方向の端に位置する端部から曲面部分60a3の中央までの部分を第1の傾斜部分と言い、符号SL11で表す。また、曲面部分60a3のうち、曲面部分60a3の-Y方向の端に位置する端部から曲面部分60a3の中央までの部分を第2の傾斜部分と言い、符号SL12で表す。第1および第2の傾斜部分SL11,SL12は、いずれも、下面60bに対して傾斜している。本実施の形態では、MR素子130の全体が、第1の傾斜部分SL11上または第2の傾斜部分SL12上に配置されている。図17には、第1の傾斜部分SL11上に配置されたMR素子130を示している。
MR素子130は、X方向に長い形状を有している。MR素子130の平面形状は、矩形である。ここで、MR素子130の短手方向を、MR素子130の幅方向、または単に幅方向と言う。MR素子130は、曲面部分60a3に対向する下面130aと、下面130aとは反対側に位置する上面130bと、幅方向の両端に位置する第1の端部130cおよび第2の端部130dと、長手方向の両端に位置する第3の端部および第4の端部とを有している。MR素子130の幅方向の寸法は、X方向の位置によらずに一定か、ほぼ一定である。
MR素子130は、スピンバルブ型のMR素子であってもよいし、AMR素子であってもよい。以下、MR素子130がスピンバルブ型のMR素子である場合を例にとって説明する。MR素子130は、第1の実施の形態における図6に示したMR素子30と同様に、下地層31、磁化固定層32、スペーサ層33、自由層34およびキャップ層35を含んでいる。自由層34は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状磁気異方性を有している。
次に、図18を参照して、傾斜部分とMR素子130について詳しく説明する。ここでは、第1の傾斜部分SL11を例にとって説明する。図18は、第1の傾斜部分SL11の形状を説明するための説明図である。図18は、図17に示した断面の一部を拡大した図である。なお、図18では、MR素子130のうち下地層31およびキャップ層35を省略している。
以下、MR素子130と交差し且つ支持部材60の下面60bに垂直な断面に関しては、符号Sを付して表す。第1の傾斜部分SL11の形状を説明するために、任意の断面Sにおける第1の傾斜部分SL11上の第1の位置P11、第2の位置P12、第3の位置P13および第4の位置P14を定義する。第1の位置P11は、第1の傾斜部分SL11が下面60bに対して第1の角度θ11をなして傾斜する位置である。第2の位置P12は、第1の傾斜部分SL11が下面60bに対して第1の角度θ11よりも小さい第2の角度θ12をなして傾斜する位置である。本実施の形態では特に、第1の位置P11は、第2の位置P12よりも下面60bから遠い。
第3の位置P13は、第1の傾斜部分SL11において下面60bに最も近い位置である。具体的に説明すると、第3の位置P13は、第1の傾斜部分SL11と第2の傾斜部分SL12との境界すなわち曲面部分60a3の中央にある。第4の位置P14は、第1の傾斜部分SL11において下面60bから最も遠い位置である。具体的に説明すると、第4の位置P14は、曲面部分60a3と平面部分60a1との境界にある。第1の位置P11と第2の位置P12は、第3の位置P13から第4の位置P14までの範囲内にある。
第3の位置P13において第1の傾斜部分SL11が下面60bに対してなす角度と、第4の位置P14において第1の傾斜部分SL11が下面60bに対してなす角度は、いずれも0°である。第1および第2の角度θ11,θ12は、いずれも、0°よりも大きく90°よりも小さい。
任意の断面Sにおける第1の傾斜部分SL11の輪郭は、互いに異なる曲率を有する複数の曲線を含んでいる。第1の位置P11における第1の傾斜部分SL11の曲率k11の絶対値は、第2の位置P12における第1の傾斜部分SL11の曲率k12の絶対値よりも小さい。
図18において、記号C11を付した円弧は、第1の位置P11における第1の傾斜部分SL11を近似する円すなわち第1の曲率円の一部を示している。また、記号C12を付した円弧は、第2の位置P12における第1の傾斜部分SL11を近似する円すなわち第2の曲率円の一部を示している。図18に示したように、第1の曲率円(記号C11)の半径は、第2の曲率円(記号C12)の半径よりも大きい。
MR素子130は、任意の断面Sにおいて第1の端部130cが第1の位置P11の上方に位置するように、第1の傾斜部分SL11の上に配置されている。本実施の形態では、更に、MR素子130は、任意の断面Sにおいて第2の端部130dが第2の位置P12の上方に位置するように、第1の傾斜部分SL11の上に配置されている。
第1の実施の形態で説明したように、自由層34は、第1の面34a、第2の面34bおよび外周面を有し、第1の面34aは、第1の面34aの短手方向の両端に位置する第1の端部Ed1および第2の端部Ed2を有している。第1の端部Ed1は、MR素子130の第1の端部130cに位置する。第2の端部Ed2は、MR素子130の第2の端部130dに位置する。
任意の断面Sにおける、第1の端部Ed1における傾斜角度φ1と、第2の端部Ed2における傾斜角度φ2との関係は、第1の実施の形態と同じである。また、任意の断面Sにおける、第1の端部Ed1における膜厚T1と、第2の端部Ed2における膜厚T2との関係は、第1の実施の形態と同じである。なお、膜厚T1については、便宜上、第2の面34bを曲面部分60a3に沿って延長した仮想の面を想定し、第1の面34aに垂直な方向における第1の面34aと仮想の面との間隔を膜厚T1としている。
ここまでは、第1の傾斜部分SL11を例にとって説明してきた。第1の傾斜部分SL11と第2の傾斜部分SL12は、曲面部分60a3の中央を含むXZ平面を中心として対称な形状またはほぼ対称な形状を有している。従って、上記の第1の傾斜部分SL11についての説明は、第2の傾斜部分SL12にも当てはまる。また、上記のMR素子130についての説明は、第2の傾斜部分SL12の上に配置されたMR素子130にも当てはまる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、請求の範囲の要件を満たす限り、MR素子の数および配置と、曲面部分の数および配置は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。
また、本発明の自由層34の第1および第2の面34a,34bの各々は、X方向に平行な方向に限らず、任意の断面Sと交差する方向に長い形状を有していてもよい。
また、本発明のMR素子の第2の端部は、平面部分60a1または曲面部分のうち下面60bに平行な部分の上に位置していてもよい。
1…磁気センサ、5…磁界発生器、6A,6B…磁石、11~14…抵抗部、21…検出値生成回路、30…MR素子、41…下部電極、42…上部電極、60…支持部材、60a…対向面、60a1…平面部分、60a2…曲面部分、60b…下面、61…基板、62~65…絶縁層、100…磁気センサシステム、200…産業用ロボット、201…可動部、202…支持部、P1…第1の位置、P2…第2の位置、P3…第3の位置、P4…第4の位置、SL1…第1の傾斜部分、SL2…第2の傾斜部分。

Claims (9)

  1. 外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子を支持する支持部材とを備えた磁気センサであって、
    前記支持部材は、前記磁気抵抗効果素子に対向する対向面と、前記対向面とは反対側に配置された平面よりなる下面とを有し、
    前記対向面は、前記下面に対して傾斜した傾斜部分を含み、
    前記磁気センサの断面であって、前記下面に垂直な特定の断面において、前記傾斜部分は、前記傾斜部分上の第1の位置において前記下面に対して第1の角度をなして傾斜すると共に、前記傾斜部分上の第2の位置において前記下面に対して前記第1の角度よりも小さな第2の角度をなして傾斜し、
    前記第1の位置における前記傾斜部分の曲率の絶対値は、前記第2の位置における前記傾斜部分の曲率の絶対値よりも小さく、
    前記磁気抵抗効果素子は、前記外部磁界に応じて方向が変化可能な磁化を有する磁性層を含むと共に、前記磁気抵抗効果素子の幅方向の両端に位置する第1の端部および第2の端部を有し、前記断面において前記第1の端部が前記第1の位置の上方に位置するように、前記傾斜部分の上に配置され
    前記第1の端部における前記磁性層の膜厚は、前記第2の端部における前記磁性層の膜厚よりも小さいことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記磁気抵抗効果素子は、前記断面において前記第2の端部が前記第2の位置の上方に位置するように、前記傾斜部分の上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記第1の位置と前記第2の位置は、前記断面において前記下面に最も近い前記傾斜部分上の第3の位置から前記断面において前記下面から最も遠い前記傾斜部分上の第4の位置までの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2記載の磁気センサ。
  4. 前記傾斜部分は、前記第1の位置から前記第2の位置までの範囲内では、前記第1の角度が最大になり且つ前記第2の角度が最小になるように、前記下面に対して傾斜し、
    前記傾斜部分の曲率の絶対値は、前記第1の位置から前記第2の位置までの範囲内では、前記第1の位置において最小になり、前記第1の位置を除く所定の位置において最大になることを特徴とする請求項3記載の磁気センサ。
  5. 前記対向面は、前記下面から離れる方向に突出した凸面を含み、
    前記傾斜部分は、前記凸面の一部であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気センサ。
  6. 前記対向面は、前記下面に近づく方向に窪んだ凹面を含み、
    前記傾斜部分は、前記凹面の一部であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気センサ。
  7. 前記磁性層は、第1の面と、前記第1の面とは反対側に配置された第2の面とを有
    前記磁性層の膜厚は、前記磁性層の前記第1の面に垂直な方向の寸法であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の磁気センサ。
  8. 前記膜厚は、前記第2の端部から前記第1の端部に近づくに従って小さくなることを特徴とする請求項7記載の磁気センサ。
  9. 前記第1の面と前記第2の面の各々は、前記断面と交差する方向に長い形状を有していることを特徴とする請求項7または8記載の磁気センサ。
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