JP4033559B2 - 電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫等に組み込まれる密閉形電動圧縮機は、電動機の始動装置と電動機に何等かのトラブルが生じた時、これを保護する過負荷保護装置とを備えており、これらにカバを被せて密閉形電動圧縮機に取り付けられている。電動機と始動装置とは、電動機の外殻に設けられた入力端子に始動装置のソケット端子が差し込まれ、電気的接続と取り付けが同時に行われるとともに、各装置にコード(リード線)を接続して電動機への電力供給を行っている。
【0003】
たとえば、実開昭51−106004号公報記載のものは、ベースに始動装置と過負荷保護装置とを取り付けてユニット化し、これにカバを被せて電動機外殻のプラグにユニットベースのコンセントを差し込んで電動機への取り付けと電気的接続を同時に行っている。カバは補助金具で電動機に固定される。始動装置と過負荷保護装置との端子には電力供給用コードが接続され、カバのコード通し穴からコードを外部に引き出す構造となっている。
【0004】
また、特開昭61−35595号公報記載のものは、保護カバ内に無接点始動装置と過負荷保護装置とを取付けて一体化し、これを圧縮機外殻の電極棒に前記無接点始動装置の電極受けを差し込んで圧縮機への取付けと電気的接続を同時に行っている。
【0005】
さらに、特開昭58−47976号公報記載のものがある。これは、特に熟練者でなくても、また格別な道具を使用することなく修理可能にしたものであるが、外部グリップ端子には電源用コードの位置がずれるのを防ぎ、かつ端子から外れるのを防ぐためのネジを備えたブリッジを有し、このブリッジは圧縮機外殻の囲み壁にあるカバによって支持されている。囲み壁はその外周部が蓋で囲まれ、蓋はこれを包囲するC形状の弾性片にて圧縮機に固定されている。
【0006】
一般に圧縮機は冷蔵庫の最下部に配置され、この最下部には食品収納スペース等が設けられる関係から、圧縮機は冷蔵庫の正面と背面方向、すなわち前後方向に最も小さい寸法となるよう配置される。その結果、通常、圧縮機の電力供給装置及び保護ユニットは冷蔵庫の背面から見た場合、左右いずれかの位置に取り付けられている。圧縮機に何等かの異常が生じ故障診断する時や電源コードまたは保護ユニットの取り外し、取り付け作業は圧縮機の左右いずれかの方向からの側面作業となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭58−47976号公報記載のものでは、ネジの取り外し、取り付け作業が圧縮機の側面となり、冷蔵庫の圧縮機周辺のスペースは庫内スペース確保を優先しているため狭く、また床面に近いものであるため作業は困難をともなう。サービス作業では作業者自身がその姿勢を変えて対応する以外になく、作業効率も著しく悪い。
【0008】
また、上記実開昭51−106004号公報及び特開昭61−35595号公報記載のものでは、外部引き出しコードに張力等の外力が加えられた時、その外力が直接端子部まで影響し、密閉形電動圧縮機に係るIEC規格(International Erectrotechnecal Commission:国際電気標準会議及びその規格)のIEC335−1「家庭用及びそれに類する電気機器の安全」に規定される以下の条件を満足できない。
【0009】
1.取付
X 型特殊な工具を用いることなく可とうケーブルまたはコードが容易に取り付け交換でき、且つ、可とうケーブルに特殊な加工を要しない。
【0010】
2.構造、性能
端子配置 各端子は夫々異極の端子及びアース端子に対応する端子に近接したところにあること。
【0011】
電源コード端子M3.5以上のねじ端子
アース端子 M3.5以上のねじ端子
コードクランプ電源コード、器内配線コード、アースコードとともにコードクランプすること。
【0012】
コードクランプコード変位 100N 1sec 25回 MAX 2mm
強度 端子変位 100N 1sec 25回 MAX 1mm
端子台カバ 特殊な工具を用いることなく開けられる。
【0013】
さらに、入力ピン端子が受ける外力について配慮されていなかった。たとえば、始動装置と過負荷保護装置とを収納するカバの固定構造が堅固でないと、外力が作用した場合、入力ピン端子は軸に直角方向に変化し、接触抵抗が増加してジュール熱が発生し、これにより温度上昇を起こす。最悪の場合に過熱焼損に発展する恐れがある。
【0014】
さらに、圧縮機を組み込む冷蔵庫では、電源接続部等の露出部分、即ちカバで覆った状態で注水絶縁試験が行われている。これは、屋外に設置された場合の雨水の浸入や、屋内であっても床面清掃の散水による水の浸入があり、これりよる絶縁低下について配慮されていなかった。
【0021】
本発明の目的は、電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機の組み込む冷蔵庫において、密閉形電動圧縮機の故障診断もしくは電源コードの取り付け、取り外し作業の容易な冷蔵庫を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、電動機の過負荷保護装置を一面が開放されたカバ内に収納し、この開放されたカバの一面側を密閉形電動圧縮機の外殻に取り付け、コード接続用端子を配置する端子台とこの端子台を覆う端子台カバとを有する電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫において、前記開放されたカバの一面に隣接する他の一面に開口部を設け、コード接続用端子を配置する端子台を前記カバと別体に設け、この端子台を前記カバの開口部にスライド嵌合機構により着脱自在に取り付けるとともに、前記カバに端子台カバを嵌合機構により着脱自在に取り付け、前記端子台のコード接続用端子が冷蔵庫の背面側になるように密閉形電動圧縮機を取り付ける、ことによって達成される。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機の実施例を図1から図27により説明する。
【0030】
図1は電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機の正面図、図2は図1のA−A断面平面図、図3は図1のB−B断面右側面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図1の左側面図、図6は図1から端子カバを除去した正面図、図7(a)は図6のC−C断面要部拡大図、(b)は図6のD−D断面要部拡大図、図8は図1から電力供給装置を除去した正面図、図9は図8から押さえばね、アース端子を除去した正面図、図10は図8の左側面図、図11は図1の一部省略下面図、図12は図1の分解斜視図、図13は電力供給装置の正面図、図14は図13の部分断面右側面図、図15は図13の左側面図、図16は図13の部分断面平面図、図17は端子台のコード接続用端子固定部の要部拡大斜視図、図18は端子台の他の取り付け機構の実施例を示す拡大断面図、図19はコード止め部の拡大下面図、図20は図19のE−E断面図、図21ないし25は結線図、図26はカバと端子台カバの固定部を示す部分断面拡大斜視図、図27は端子台カバ取り外し説明図である。
【0031】
図において、1は密閉形電動圧縮機、2は密閉形電動圧縮機1の外殻3に突出して設けられた電動機(図示せず)に電力を供給するための入力ピン端子(図10参照)である。4は密閉形電動圧縮機1の外殻3の入力ピン端子2の周囲に設けた平坦面3aに、その一部がプロジェクション溶接等の方法で固定された取付金具であり、前記入力用ピン2を囲む上下方向には、取付金具4の平坦面4aから立ち上げた一対の押さえばね係止部4bが対向して設けられている。この押さえばね係止部4bは、その途中が段曲げされ、先端側対向部4cの間隔が根本側対向部4dの間隔より大きな寸法に設定されている。さらにこの先端側対向部4cには、後述する押さえばね5を取付係止するための穴4eが設けられている。
【0032】
又、一対の押さえばね係止部4bと直角方向に交わる右側面位置には、アース端子取付部4fが設けられている。このアース端子取付部4fは、前記押さえばね係止部4b同様、入力用ピン端子2を囲むように平坦部4aから立ち上げられている。この立ち上げ面4gの下側の一端部は張り出されて上段曲げされ、その立ち上げ面4gには後述するアース端子6を取り付け固定するための雌ねじ4iが設けられ、段曲げ面4hにはアース端子6にねじ込まれるアース端子用ねじ7の逃げ穴4jが設けられている。
【0033】
6はアース端子で、前記アース端子取付部4fの立ち上げ面4gと段曲げ面4hに沿った面形状を有し、立ち上げ面4gに設けた雌ねじ4iに対応する位置にばか穴6aが明けられている。このばか穴6aの両面側には、これを囲むように一対のタブ端子6bが設けられている。
【0034】
また、段曲げ面4hの逃げ穴4jに対応する位置には、アースコードの端子部を接続固定するための雌ねじ6cが設けられている。
【0035】
また、このアース端子6は密閉形電動圧縮機1の外殻3に最も近接した位置で、後述する端子台10に並設して固定されたコード接続用端子11と並設して設けられている。
【0036】
さらに、このアース端子6は、端子台10をカバ9に取り付け、この組品を密閉形電動圧縮機1に取付固定した時、アース端子取付部4f及びアース端子6が端子台10の縦、横、高さ方向ともにに全投影面積内に位置するように配置されている。
【0037】
このように構成されたアース端子6は、ばか穴6aを介してアース端子固定用ねじ8によりアース端子取付部4fの立ち上げ面4gに設けられた雌ねじ4iに締付固定される。
【0038】
また、アースコードは、通常アース端子6に設けた雌ねじ6cにアース用ねじ7を用いて締付固定され、接地部まで導かれる。
【0039】
さらに冷蔵庫等製品本体側でアースする必要な部分からはその部分に接続されたコードをアース端子6のタブ端子6bに接続し、このタブ端子6bを経由して接地される。
【0040】
5は押さえばねで、弾性材料から成る線材から形成され、この両端部5aは同一方向にほぼ直角曲げされ、さらに前記両端部5aの先端はお互いに内側対向方向に曲げられたフック部5bが設けられている。このフック部5bは、前述の取付金具4の先端側対向部4cの穴4eに回転自在に挿通係止されている。また、両端部5aは、先端側対向部4cを包囲するように取り付けられている。
【0041】
Wは電力供給装置であり、密閉形電動圧縮機1を冷蔵庫等の製品に組込み、この製品を背面から見た時、熱可塑性合成樹脂製のカバ9の正面位置壁面9aに開口部9bを設け、この開口部9bの縁に設けた凹状レール9cに沿って熱可塑性合成樹脂製の端子台10の外周部10aを嵌合スライド固定して出来た内部空間に始動装置Sと過負荷保護装置P(図12参照)が組み込まれて構成されている。
【0042】
なお、端子台10の外周部10aに凹状レールを設け、カバ9の開口部9dの縁をこの凹状レールに嵌合させる逆のスライド嵌合方式であっても良い。
【0043】
この電力供給装置Wをさらに詳述すると、カバ9の左側面、即ちカバ9の天井位置には押さえばね固定部9dが設けられ、この押さえばね固定部9dに押さえばね5を後方から前方に回転させて係止し、押さえばね5の弾性力によって密閉形電動圧縮機1の外殻3の方向に押圧固定される。
【0044】
なお、本実施例ではカバ9は取付金具4の平坦面4a上に押圧固定されるようになっている。
【0045】
また、端子台10の内外両面には複数のコード接続用端子11が並設して設けられ、端子台10の外面側に位置する外部側端子11aには電源コードや温度調整器等に配線されるコードが接続され、端子台10の内面側に位置する内部側端子11bには始動装置S及び過負荷保護装置Pに配線されるコードが接続できるようになっている。
【0046】
さらに、外面側の外部側端子11aの下方位置には複数のコード止め固定部10bが並設されて居り、夫々のコード止め固定部10bにはコード止め12及び13がセルフタッピングねじ14によりねじ止めされている。
【0047】
ここで、端子台10とコード接続用端子11を詳述すると、夫々のコード接続用端子11は左右方向に並設して設けられ、そのコード接続用端子11間及び両端には絶縁壁10cが設けられている。
【0048】
また、端子台10の上面側10dと下面側10e間に高低差が付いている。即ち、上面側10dが低く、下面側10eが高く設定されている。上面側10dにはコード接続用端子11の内部側端子11bと対応する部分に任意の大きさ形状を有する開口穴10gが設けられて居り、下面側10eには外部側端子11aと対応する位置に盲穴10hが設けられている。
【0049】
また、この盲穴10hの下方位置の前記コード接続用端子11と対向する任意の位置に凹状穴10kが設けられている。
【0050】
これに対し、コード接続用端子11は、前述の端子台10の段部10fで区分された上面側10dに設けられた開口穴10gに対応する任意の位置に内部端子用雌ねじ11cが設けられ、内部側端子11bを形成する。また、この内部端子用雌ねじ11cの両側面には、これを囲むように一対のタブ端子11dが端子台10の外面側方向に設けられ、外部側端子11aの一部を形成する。
【0051】
また、端子台10の下面側10eの盲穴10hに対応する位置には、外部端子用雌ねじ11eが設けられ、もう一方の外部側端子11aを形成する。
【0052】
さらに、このコード接続用端子11には、タブ端子11dの上方位置に、一対のタブ端子11dの対向外形寸法より幅広の一対の出張り部11fが設けられとともにに外部端子用雌ねじ11eの両側にも同ようの一対の出張り部11gが設けられている。
【0053】
このそれぞれの出張り部11f、11gに対応する端子台10の絶縁壁10cにはこの出張り部11f、11gを当接し、コード接続用端子11が端子台10から浮き上がるのを防止するための端子受け部10i、10jがそれぞれの出張り部11e、11gの形状、寸法に合わせて設けられている。
【0054】
なお、この端子受け部10i、10jはコード接続端子11を端子台10の上面側10dの表面に沿ってスライドさせた時、前記出張り部11f、11gが端子受け部10i、10jと重なり合うように絶縁壁10cの直角方向に連なり配設されている。
【0055】
すなわち、端子受け部10i、10jは絶縁壁10cが連なる上面側10d及び下面側10eの表面との間にコード接続用端子11の板厚よりこれを若干上廻る間隔が出来るように絶縁壁10c上に設けた凸部或いは凹部である。図17に示すように前者の凸部により形成されている代表例が端子受け部10iであり、後者の凹部で形成されている代表例が端子受け部10jといえる。
【0056】
また、コード接続用端子11のスライド端子と逆方向の抜け止めは、前述の端子台10の盲穴10hの下方位置に凹状穴10kを設け、コード接続用端子11のスライド面側の凸部11hを互いに係合させた取り付け機構により防止できる。
【0057】
なお、この取り付け機構は例えば図18に示すように端子台10側に凸部10Lを設け、これに対応するコード接続用端子11側に凹状穴11iあるいは単なる穴11jを設けて良く、その組合せ構成、形状及び位置に左右されるものではない、要は取付作業性が容易で、他の部品を用いることなく両者間の大きな摩擦抵抗が作用する手段であれば何を用いてもよいことになる。
【0058】
つぎに端子台10とコード止め12及び13について詳述すると、端子台10に設けられたコード止め固定部10bは、全周が壁10mで囲われて居り、この壁10mで囲われた任意の位置に複数のねじ締結用ボス10nが設けられている。また、前記ねじ締結用ボス10n間はその任意の位置に於いて仕切り壁10pで区分けされている。
【0059】
本実施例では、一方のねじ締結用ボス10nを中心として左右上下両方向に凹状開口部10qを配し、他方のねじ締結用ボス10nには、左方上下方向のみ凹状開口部10qを配したものとしてある。すなわち、それぞれのねじ締結用ボス10nの周辺上下方向対向面に、これを一対として合計3組の凹状開口部10qが形成されている。
【0060】
また、この凹状開口部10qの壁10mの深さ方向の寸法は、ねじ締結用ボス10nの先端を基準として上側が深く、下側が浅くその寸法を異にして設定してある。
【0061】
これに対して、コード止め12は、前述のねじ締結用ボス10nを包囲して嵌合できる有底円筒部12aを有し、この有底円筒部12aの底12b側を両方向に延長してその周囲方向を壁12cで囲った構成となっている。
【0062】
また、コード止め13は、前述のねじ締結用ボス10nを包囲して嵌合できる有底円筒部13aを有し、この有底円筒部13aの底13b側を一方のみ延長してその周囲を壁13cで囲った構成となっている。
【0063】
それぞれのコード止め12とコード止め13の外形寸法は、前述のコード止め固定部10bの壁10mと仕切り壁10pで区切られた空間内に収納できる寸法関係になっている。
【0064】
また、コード止め12が左側のねじ締結用ボス10n側に、コード止め13が右側のねじ締結用ボス10n側に装着される。
【0065】
この時それぞれのコード止め12及び13は有底円筒部12a及び13aにはねじ通し穴12d及び13dが設けられて居り、このねじ通し穴12d及び13dにセルフタッピングねじ14を挿通して前述のねじ締結用ボス10nにねじ込むことで、雌ねじ部が形成されて端子台10と一体化できるものである。
【0066】
また、コード止め12及びコード止め13に設けた壁12c及び13cの高さ方向の寸法は、底12b底13bのねじ締結用ボス10nと接する面を基準にして、図19に示すように前述の凹状開口部10qの深い凹み10q’と浅い凹み10q”に合わせて、深い凹み10q’と対応する側の壁12c’と13c’が高く、浅い凹み10q”と対応する側の壁12c”及び13c”が低くなっている。すなわち、凹み10q’と壁12c’と13c’並びに凹み10q”と壁12c”及び13c”の組合せによる噛合構成となっている。
【0067】
また、これ等コード止め12及び13を前述のコード止め固定部10bに組み付けた時には、ねじ締結部用ボス10nの先端とコード止め12と13の底12b及び13bが当接した位置で止まる。この時、凹み10q’と壁12c’及び壁13c’がまた、凹み10q”と壁12c”及び13c”間には任意の間隔が設けられる。この間隔の最小寸法はコード1本の外形寸法より小さく、且つ上下両方向に形成されている間隔はほぼ同一寸法になるようにその寸法が決められている。
【0068】
このように構成されたコード止め12及び13は、図20に示すようにコードを通して締め付けるとそのコードは水平方向の2箇所が凹み10q’と壁12c’と13c’あるいは凹み10q”と壁12c”及び13c”の端面同志で圧接される。また、この時コードの圧接される位置はコードの水平方向が段付噛み合わせ形態の圧接になる。
【0069】
さらに、端子台10の下面側10eのコード接続用端子11間の任意の空間には、その一端が絶縁壁10cで囲われ、その一端がコード止め固定部10bの壁10mに至る複数のコード通し穴10rは密閉形電動圧縮機1の始動方式が図21の分相始動方式を除く図22に示す分相始動、コンデンサCr運転方式、図23に示すコンデンサCs始動方式、図24に示すコンデンサCs始動、コンデンサCr運転方式等のコンデンサCs、Crを接続して用いる場合、端子台10に配設した内部端子11b及び外部端子11aが不足し、始動装置Sへのコード接続ができなくなることに対し配慮したものである。
【0070】
すなわち、コンデンサCs、Crと始動装置S間に接続したコードの出入りをこのコード通し穴10rを介して行い、出入りしたコードを全てコード止め12により固定して外部に引き出せるように構成したものである。
【0071】
その結果、1つの電力供給装置Wで全ての始動方式に対応でき、また、たとえば実際の製品では図25に示す如く冷凍室用ファンモータを含めあらゆる結線にも追従できるように、本実施例ではコード止め12の両側に凹状開口部10qを有する側の一方または両方に電源コード及び器内配線コードを固定し、コード止め12の片側に凹状開口部10qを有する側にアースコードを固定することを想定している。
【0072】
これにより、アースコードは電源コード等に引張り力が加わり、万一コードが移動するようなことがあっても、他のコードの影響を受けて同時にアースコードが移動することがなく、極めて信頼性の高いコード止めを提案できる。
【0073】
また、本実施例では、コード接続用端子11の外部端子用雌ねじ11eには普通一般に電源コードが接続される。この時、その電源コードがほぼ水平状態でコード止め固定部10bとコード止め12及びコード止め13により形成された間隙部を通過できるようにしてある。すなわち、凹状開口部10bの深い凹み10q’は端子台10の下面側10eの表面との間にほぼコード接続用端子11の板厚寸法と等価な段差を設けてある。
【0074】
その結果、接続される電源コードに無理な力が加わらず、また、外部端子用雌ねじ11eとコード止め固定部10b間を必要最小限の寸法で設計できるため、端子台10を小形化できる効果がある。
【0075】
また、コード接続用端子11に設けられた内部端子用雌ねじ11cは、タブ端子11dの無効空間となる部分に配設してあり、コード接続用端子11自身の材料取りを改善し、且つ端子台10の投影面積をその分小さくできる効果がある。
【0076】
また、この方法ではアース端子6にも採用されて居り、このことは全端子を同一面に並接しても小形軽量化した端子台が得られる根拠となっている。
【0077】
つぎにカバ9について詳述する。カバ9は前述の通り電力供給装置Wを冷蔵庫等の製品に組み込み、この製品を背面から見た時、その正面位置壁面9aに開口部9bが設けられ、この開口部9bの縁3方向に凹状レール9cが設けられている。更にこの対面する凹状レール9cを形成する縁9eのカバ9の外面側に一対の鉤の手状の凸部9fが設けられている。それぞれの鉤の手の方向は、開口部9bに対して外側を向くように形成されている。
【0078】
また、上下方向上側に設けた鉤の手状凸部9fは後述の端子台カバ15の上面側壁面15aの中央部に合致する位置にあり、下側に設けた鉤の手状凸部9fはカバ9と端子台10を嵌合固定した時、端子台10のコード止め固定部10bに設けたねじ締結用ボス10n下方位置にある。
【0079】
また、カバ9の上下方向上面壁9g及び下面壁9hの外面側には、取付金具4の押さえばね係止部4bの板幅外周面を包囲するように一対の凸部壁面9iが設けられている。なお、この凸部壁面9iの高さ方向の寸法はほぼ取付金具4の板厚寸法と近似した寸法である。
【0080】
また、カバ9の天井位置に設けられた押さえばね係止部9dは半円状を成し、押さえばね5を取付係止した時、上、下方向に一対に設けられている。この半円状の中央部には押さえばね5を収納固定するための前記押さえばね5の直径より大きな凹状溝9jが設けられている。
【0081】
また、前記一対の押さえばね係止部9d間の中央部カバ9の天井面にはその一部の範囲を凹ませた押さえばね5の着脱工具受け部9kが設けられている。
【0082】
また、カバ9の内部空間には始動装置Sと過負荷保護装置Pの位置決め取付部材がカバ9と一体成形されている。
【0083】
始動装置Sは始動装置Sのソケット端子が密閉形電動圧縮機1の入力用ピン端子2と合致するように内部リブで固定され、また、過負荷保護装置Pは始動装置Sの下方位置に取付金具4の平坦面4aとその受熱部が当接され、特開昭61−35593号公報記載のものと同様な方法により取る付け固定されているため、その説明は省略する。
【0084】
本実施例が上記公報記載のものと異なる点は、カバ9の上面壁9g及び下面壁9hが取付金具4の押さえばね係止部4bに設けられた根本側対面部4dと当接し、カバ9の上、下方向の自由な動きを規制するとともにに、上面壁9g及び下面壁9hの外面側に設けた一対の凸部壁面9iと前記押さえばね係止部4bに設けた根本側対面部4dの板幅外周部面を当接せしめてカバ9の左右方向の自由な動きを規制するように、それぞれの関係寸法が始動装置Sのソケット端子と入力用ピン端子2を取付基準として定められていることである。
【0085】
従って、取付金具4がカバ9の取付時のガイド役をはたすとともにに、カバ9に加えられる外力をこの取付金具4が受け止める構造となっていることから、取付作業性がよく、また強度的に優れたものとすることができる。
【0086】
その結果、カバ9と一体化された端子台10のコード接続用端子11及びコード止め12の取り付け、取り外し作業が電力供給装置Wを密閉形電動圧縮機1に取り付けた状態で実施しても何等支障なく行えるものである。
【0087】
また、カバ9は前述のような構成となっていることからアンダーカット成形部分が発生せず、成形に用いる金型は普通一般に用いられる2方開き構造で対応できる。その結果、金型が安価に製作できる。また、アンダーカットレスにより金型構造がシンプルで金型の保守点検の減少とともにに金型寿命が長くなる効果がある。
【0088】
つぎに端子台カバ15について詳述する。端子台カバ15は箱状を成し開口部端面15bがカバ9に設けられた開口部9bの縁に当接し、端子台10のカバ9から露出した全範囲を覆うように配置される。
【0089】
すなわち、端子台10に取り付けられたコード接続用端子11及びコード止め12、13を含み、端子台10の投影面積内にあるアース端子6及びにこの範囲内に配線される全てのコードが端子台カバ15で覆われることになる。
【0090】
また、この端子台カバ15は4方向の壁面のうち前述の端子台10のコード止め固定部10bに設けた複数の凹状開口部10cと対面する下面側壁面15cには、前記凹状開口部10qと対応する位置に複数のコード引き出し口15dが設けられている。
【0091】
更に、端子台カバ15の下面側壁面15cの前述の端子台10のねじ締結用ボス10nの下方に位置する内壁面15c’と、これに対面する上面側壁面15aの中央部に位置する内壁面15a’には、前述のカバ9の開口部9bの縁9eに設けた一対の鉤の手状凸部9fを引掛け固定する鍵穴15eが設けられている。
【0092】
この鍵穴15eは、内壁面15a’、15c’に直交する横穴と壁面15a、15cの外壁面15a”、15c”側にそれぞれ2重壁15fを設け、この2重壁15fで囲まれてできた空胴部15g、すなわち、縦穴を前記横穴と連通させることによって形成されている。
【0093】
また、この横穴は端子台カバ15の射出成形加工時にその横穴がアンダーカットとなり、金型構造が複雑になることをさけるためその一例を図26に示すように2重壁15fの作用効果により形成される。
【0094】
その結果、金型が普通一般に用いられるシンプルな2方開き構造とする事ができ、安価なものとする事ができる。また、成形サイクルも長く成らず成形品の成形コストも低価格で供給できるものである。
【0095】
このように構成された端子台カバ15をカバ9に取り付けるには、端子台カバ15に設けた鍵穴15eとカバ9に設けた鉤の手状凸部9fを嵌合ロックさせればよい。この嵌合時、鉤の手状凸部9fのピッチ間寸法L1と鍵穴15eのピッチ間寸法L2の関係において、L2<L1となる部分が存在することはこの種のロック機構を設ける場合の常識である。
【0096】
本実施例においても、L2より大きなL1部を通過させる時には鉤の手状凸部9f側または鍵穴15e側のいずれかに変位を発生させることになる。本実施例では鍵穴15eを設けた壁面15a、15cに変位を発生させ、またその復元力を用いてロックさせるロック機構としてある。
【0097】
従って、何等かの理由によりこの端子台カバ15を取り外す必要が生じた場合には、図27に示すように、前記端子台カバ15の上面側壁面15aに設けた2重壁15fで囲まれた空胴部15gに図27に示す如くマイナスドライバーの先端部を差し込み、上方に持ち上げると同時に手前に回転力を加えれば、前記同ようこの部分のロック部を解除することができる。
【0098】
上述の如く強度的にも強く、その変位量も大きくとれる端子台カバ15のたわみを利用していることから、鉤の手状凸部9fの強度とたわみ量を用いる方式と比較し、設計上の自由度が広く、且つ、材料選定範囲が広げられることから、カバ9及び端子台カバ15の難燃性をたとえばUL規格の94−5Vとすることも可能であり、信頼性、安全性の向上にも結び付けられるものである。
【0099】
つぎに前述のように構成された電力供給装置Wと密閉形電動圧縮機1の組立手順について説明する。
【0100】
まず最初に密閉形電動圧縮機側の組立手順について説明すると、アース端子6を取付金具4のアース端子取付部4fに設けられた雌ねじ4iにアース固定用ねじ8で締め付け固定する。
【0101】
つぎに押さえばね5のフック部5bを取付金具4の押さえばね係止部4bに設けた穴4eに挿通して取り付け、取り付け完了後押さえばね5を後方に回転させて仮の位置に静止させておく、なお、この組立順序は押さえばね5の取り付けが先で、アース端子6の取り付けが後でもその作業順序は問わない。
【0102】
つぎに電力供給装置Wの組立手順について説明すると、コード接続用端子11を端子台10の所定の位置にスライドさせて固定する。その後所定の内部端子用雌ねじ11cに始動装置S及び過負荷保護装置Pとの間を電気的に接続するコードの端子部を端子固定用ねじ16で締付固定する。それぞれのコード接続完了後、その他の端部を定められた通り始動装置S及び過負荷保護装置Pの各端子に接続する。
【0103】
これ等結線作業完了後、カバ9の凹状レール9cに沿って端子台10の外周部10aを嵌合スライドさせると同時に、始動装置S及び過負荷保護装置P並びにコードをカバ9の内部空間に挿入し、それぞれの構成部品を所定の位置に嵌合固定する。
【0104】
つぎに外部端子11a側への結線に入り、所定の外部端子用雌ねじ11eに電源コード等の端子部を端子固定用ねじ16で締付固定する。
【0105】
また、所定のタブ端子11dには前記外部端子用雌ねじ11eに接続されたコード以外のコード、すなわち、器体内配線コードのリセプタクル端子部が嵌合挿入される。
【0106】
これ等コード類は端子台10に設けられたコード止め固定部10bの指定の凹上開口部10qに整列され、コード止め12とセルフタッピングねじ14により固定され、ここで電力供給装置Wを密閉形電動圧縮機1への取り付け前の準備作業が終了する。
【0107】
つぎにこの電力供給装置Wを密閉形電動圧縮機1に取り付ける組立手順について説明すると、カバ9の始動装置S等の収納面を入力用ピン端子2の方向に合わせ、カバ9の凸部壁面9i内の空間に取付金具4の押さえばね係止部4bが納まる空間位置からカバ9全体を入力用ピン端子2方向に移動させる。
【0108】
任意の空間位置に於いてカバ9の上面壁9g及び下面壁9h並びに凸部壁面9iと押さえばね係止部4bに設けられた根本側対面部4bがいずれかの面で接触する。
【0109】
この接触させた状態で、押さえばね5をカバ9の外周に沿って手前方向に回転させ、壁9の天井に設けた押さえばね係止部9dの凹上溝9jに引掛け固定する。
【0110】
ここで、密閉形電動圧縮機1に対する電力供給装置Wの電気的接続と取り付けが完了する。
【0111】
この状態で、アース端子6の雌ねじ6cに接地用アースコードの端子部をアース用ねじ7で締付固定する。また、必要に応じてタブ端子6bには器体内アースコードのリセプタクル端子部を嵌合挿入して結線する。
【0112】
なお、このアース端子6に対する結線作業は必ずしもこの段階にする必要はなく、前述の密閉形電動圧縮機1側の組立手順で説明したアース端子6の取付終了後でもよいことを付記する。
【0113】
これ等の結線作業終了後、端子台10に設けたコード止め固定部10bのコード止め13と対応する凹状開口部10qにコード部を整列させ、コード止め13とセルフタッピングねじ14を用いてアースコードを固定する。
【0114】
このようにして組立の完了した電力供給装置Wを備えた密閉形電動圧縮機1の露出充電部は、前述のカバ9に設けた鉤の手錠凸部9fと端子台カバ15の鍵穴15eを結合ロックさせて端子台カバ15を被せることにより解消する。なお、この時点で全ての組立作業が完了する。
【0115】
この時の前述した通り、アース端子6も同時に絶縁され、且つコード止め12及び13も露出せず十分な安全性が確保されるようになっている。
【0116】
これに対し、万一サービスが必要になった場合には、前述と逆の方法、すなわち絶縁台カバ15を取り外し、もしこの段階で電源コードのみの交換であれば、電源コードの端子を締め付けている端子固定用ねじをゆるめた上取り外し、新しい電源コードと交換する。
【0117】
また、始動装置Sまたは過負荷保護装置Pあるいは密閉形電動圧縮機1の故障診断を必要とする場合には、押さえばね5をカバ9の押さえばね係止部9dから取り付けと逆の方法により離脱させ、その後の後方に回転させた後、カバ9を取り付けと逆の方向に移動させる。この時カバ9以外の部品はカバ9から外れて密閉形電動圧縮機1側に残る。何故ならば、始動装置Sは入力用ピン端子2と結合しており、端子台10は前記始動装置Sとの接続コード及びアース端子6との接続コードのコード接続により、また過負荷保護装置Pは前記始動装置Sとの接続コード及び端子台10との接続コードの接続及び整形効果によりそれぞれがバラバラにならないよう結合されているためである。
【0118】
この状態で、必要な部分を取り外し確認あるいはサービス交換を行い、作業終了後、カバ9を被せると接続コード整形効果によりそれぞれの部品が所定の位置に納まり元の状態に復元できるものである。
【0119】
上述する本実施例によれば、つぎの効果がある。
【0120】
端子台を密閉形圧縮機を組み込む冷蔵庫の背面から見た場合、正面位置に配置した場合に、コード接続用端子及びアース端子へのコード接続作業並びにコード止めによるコード固定作業及び端子台カバの取り付け、取り外し作業の全てが目視可能位置で実施できるため、作業が容易であって、かつ確実にできる。
【0121】
また、合成樹脂を射出成形することによって成形されるカバと端子台を分離分割することによって、カバと端子台の一体成形と異なり、アンダーカット成形を一掃できる。このことは金型構造が単純化でき、金型製作に費やす製作期間の短縮とともにに製作費用を低減できる効果をもたらす。また、金型製作の単純化は成形品のバリ発生が減少し後加工費の低減並びに金型寿命の延長が図れる。
【0122】
さらに、カバに必要な性能、たとえば耐熱性、難燃性、端子台に必要な性能、たとえば難燃性、対トラッキング性等その使用目的に合わせて幅広く種々の材料の中から最適材料を選択することが可能になる。
【0123】
したがって、電力供給装置全体の性能向上はもとより、材料選定範囲の拡大に伴い安価な材料を任意に選ぶことができ、この面からの原価低減も可能になる。
【0124】
その上、端子台と始動装置及び過負荷保護装置間のコード接続は予め端子台単品状態でその作業が可能となり、不確実となり勝ちなねじ止め端子の締付作業が確実に行える。
【0125】
また、始動装置と過負荷保護装置及び端子台へのコード接続完了品を、端子台のカバスライド嵌合固定時に、それぞれの装置を同時にカバの所定位置に収納することができるため、その作業性は大幅に向上する。
【0126】
つぎにコード接続用端子とアース接続用端子を並設することによって、各端子を省スペースで配設することができる。また、コード接続用端子とアース接続用端子間の絶縁壁を端子台に設けた絶縁壁でできるため、部品増加を招くことなく絶縁性能に優れたものを小形で安価に提供できる効果がある。
【0127】
また、同様にカバ内に収納した始動装置及び過負荷保護装置とアース端子間も端子台に一体に設けた絶縁壁で絶縁され、電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を小形化できる。
【0128】
その上、端子台に設けた複数のコード止めによりコード接続用端子並びにアース端子に接続したコードを、任意のコード止めを利用して固定できることから、それぞれのコード止めを別々の所に設ける必要がないため、作業効率よ好で小形軽量化が可能になる。
【0129】
つぎに端子台へのコード接続用端子の固定では、コード接続用端子をリベットあるいはコード接続用端子自身のカシメ固定と異なり、コード接続用端子を端子台にスライドするだけでその固定が確実に行えるため、前者のようにカシメ固定用エアープレスやカシメ治具等の設備が不要である。
【0130】
また、端子台の両内外面に設けるコード接続用端子は、一方の雌ねじ側に設けた端子台の開口穴と、この開口穴を貫通して締め付ける雄ねじの締付方向と他方の雌ねじ側にはこれと逆方向から雄ねじを締め付けることにより、共通のコード接続用端子を用いることができる。
【0131】
更に、コード接続用端子の端子台の開口穴と対応する雌ねじ側には、この雌ねじを囲むコード接続用端子のスライド方向と直角方向カバ外面側に一対のタブ端子を配置したことにより、ねじ、タブで構成されるこの部分の端子スペースを最小とすることができる。
【0132】
その結果、コード接続用端子及びアース端子を小さくすることができ、これを多数配置した端子台の小形軽量化に大きく寄与できるものである。
【0133】
つぎに端子台カバは、この端子台カバにより全てのコード接続用端子、アース端子及びコード止めが覆われるため、充電部の露出はもとよりコード止め固定用ねじ部も露出せず安全性に優れた電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機が得られる。
【0134】
また、端子台カバの取り付け、取り外しは、その取り付け時に於いて端子台カバをほぼ水平移動させた他の部材(カバまたは端子台)に設けた係止部に、前記端子台カバに設けた係止部を嵌合固定するだけでよく、何等特殊工具を必要としないでその取付作業が完了する。更にこの嵌合固定後は互いの係止部間の鍵作用により、密閉形電動圧縮機の始動、運転停止時の振動及び製品輸送時に加わる振動、衝撃にも耐え外れることはない。
【0135】
この逆に取り外し時においては、端子カバの係止部近傍外側に設けた穴または溝にドライバの先端を差し込み、端子台カバの壁面の塑性変形(弾性)を利用して一方の係止部の嵌合状態を解除した後、他方の係止部の嵌合状態を素手で解除すればその取外作業が完了する。
【0136】
したがって、本端子台カバは取付作業性がよ好で特殊な工具を用いることなく取外作業が行えるため、量産性はもとよりサービス性に於いても優れたものとすることができる。
【0137】
また、種々の始動方式や、種々の制御方式により端子台に設けたコード接続用端子が不足する事態が発生しても、始動装置あるいは過負荷保護装置の端子に直接コードを接続し、そのコードを端子台に設けた長穴により外部に引き出した後、コード止めを用いて固定することができるため、1つの電力供給装置で全ての用途に対応できるものである。
【0138】
その結果、何種類もの電力供給装置を使い分ける必要がなく、誤組立による生産ラインの混乱を未然に防止できるとともにに、合理化等生産性向上による経済的効果に計り知れないものがある。
【0139】
さらに、IEC規格に合致し、またその使用目的に沿ったものを小形軽量化し安価なものとした上、信頼性、安全性に優れたものを簡単且つ容易に提供できる。
【0140】
図28は、密閉形圧縮機の他の実施例で、(a)は図1のEーE部分断面図、(b)は(a)のFーF断面図である。
【0141】
始動装置と過負荷保護装置を収納するカバ9内の範囲において、過負荷保護装置Pの左右両側の取り付け金具4の底部に2個の水抜き穴4kを設けたものである。
【0142】
本実施例によって、たとえばカバ内に雨水もしくは清掃時に水が侵入してもカバ外に排出されるので、絶縁低下を防止できるという効果がある。
【0143】
図29は、密閉形圧縮機を組み込んだ冷蔵庫の背面図である。
【0144】
冷蔵庫17の後部の下方底部に機械室18を設け、この機械室18内にコード接続用端子10(図4参照)が冷蔵庫17の背面側になるように密閉形電動圧縮機を取り付ける。19は冷蔵庫17のドアである。
【0145】
本実施例によって、密閉形電動圧縮機の故障診断もしくは電源コードの取り付け、取り外し作業の容易な冷凍機を提供することができる。
【0152】
【発明の効果】
密閉形電動圧縮機の故障診断もしくは電源コードの取り付け、取り外し作業の容易な冷蔵庫が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機の正面図である。
【図2】図1のA−A断面平面図である。
【図3】図1のB−B断面右側面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図1の左側面図である。
【図6】図1から端子カバを除去した正面図である。
【図7】図6のC−C要部拡大図である。
【図8】図1から電力供給装置を除去した正面図である。
【図9】図8から押さえばね、アース端子を除去した正面図である。
【図10】図8の左側面図である。
【図11】図1の一部省略下面図である。
【図12】図1の分解斜視図である。
【図13】電力供給装置の正面図である。
【図14】図13の部分断面右側面図である。
【図15】図13の左側面図である。
【図16】図13の部分断面平面図である。
【図17】端子台のコード接続用端子固定部の要部拡大斜視図である。
【図18】端子台の他の実施例の取り付け機構を示す拡大断面図である。
【図19】コード止め部の拡大下面図である。
【図20】図19のE−E断面図である。
【図21】分相始動方式の結線図である。
【図22】分相始動、コンデンサ運転方式の結線図である。
【図23】コンデンサ始動方式の結線図である。
【図24】コンデンサ始動、コンデンサ運転方式の結線図である。
【図25】実際の製品に用いた場合の結線図である。
【図26】カバと端子台カバの固定部を示す部分断面拡大斜視図である。
【図27】端子カバ取り外し説明図である。
【図28】密閉形圧縮機の他の実施例の部分断面図である。
【図29】密閉形圧縮機を組み込んだ冷蔵庫の背面図である。
【符号の説明】
1…密閉形電動圧縮機、2…入力用ピン端子、3…外殻、4…取付金具、
4a…平坦面、4b…押さえばね係止部、4e…穴、4f…アース端子取付部、
4g…立ち上げ面、4h…段曲げ面、4i…雌ねじ、4j…逃げ穴、
4k…水抜き穴、5…押さえばね、5a…両端、5b…フック部、
6…アース端子、6a…ばか穴、6b…タブ端子、6c…雌ねじ、
7…アース用ねじ、8…アース端子固定用ねじ、9…カバ、
9a…正面位置壁面、9b…開口部、9c…凹状レール、
9d…押さえばね固定部、9e…縁、9f…鉤の手状凸部、9g…上面壁、
9h…下面壁、9i…凸状壁面、10…端子台、10a…外周部、
10b…コード止め固定部、10c…絶縁壁、10d…上面側、
10e…下面側、10f…段部、10g…開口穴、10h…盲穴、
10i…端子受け部、10j…端子受け部、10k…凹状穴、
10p…仕切り壁、10q…凹状開口部、10l…凸部、10m…壁、
10n…ねじ締結用ボス、11…コード接続用端子、11a…外部端子側、
11b…内部端子側、11c…内部端子用雌ねじ、11d…タブ端子、
11e…外部端子用雌ねじ、11f…出張り部、11g…出張り部、
11h…凸部、11i…凹状穴、11j…穴、
12…コード止め、12a…有底円筒部、12b…底、12c…壁、
12d…ねじ通し穴、13…コード止め、13a…有底円筒部、
13c…壁、13d…ねじ通し穴、14…セルフタッピングねじ、
15…端子台カバ、15a…上面側壁面、15b…端面、15c…下面側壁面、
15d…コード引き出し口、15e…鍵穴、15f…2重壁、
15g…空洞部、16…端子固定用ねじ、17…冷蔵庫、18…機械室、
W…電力供給装置、S…始動装置、P…過負荷保護装置。
Claims (6)
- 電動機の過負荷保護装置を一面が開放されたカバ内に収納し、この開放されたカバの一面側を密閉形電動圧縮機の外殻に取り付け、コード接続用端子を配置する端子台とこの端子台を覆う端子台カバとを有する電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫において、
前記開放されたカバの一面に隣接する他の一面に開口部を設け、
コード接続用端子を配置する端子台を前記カバと別体に設け、
この端子台を前記カバの開口部にスライド嵌合機構により着脱自在に取り付けるとともに、
前記カバに端子台カバを嵌合機構により着脱自在に取り付け、
前記端子台のコード接続用端子が冷蔵庫の背面側になるように密閉形電動圧縮機を取り付けることを特徴とする電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫。 - 前記スライド嵌合機構は、カバの開口部もしくは端子台の縁部に凹状レールを設け、この凹状レールに端子台の縁部もしくはカバの開口部の縁部をスライドさせてカバ及び端子台を嵌合させるものであることを特徴とする請求項1記載の電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫。
- 前記端子台は、コード接続用端子とコード止めとの間のコード接続用端子間の絶縁空間に穴を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫。
- 前記端子台は、両面に複数のコード接続用端子を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫。
- 前記端子台は、相隣れるコード接続用端子を絶縁するために形成した絶縁壁とコード接続用端子との間に固定機構を設けてコード接続用端子の端子面と直角方向の動きを規制するとともに、端子台とコード接続用端子との間に凹凸による固定機構を設けてコード接続用端子の端子面に沿う方向の動きを規制するものであることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫。
- 前記端子台は、コード接続用端子に2個の雌ねじを配置し、一方の雌ねじの両側の端子面に端子面と直角方向のタブ端子を設けるものであることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置を備えた密閉形電動圧縮機を組み込む冷蔵庫。
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