JP4033512B2 - メモリ試験方法及びメモリ試験装置 - Google Patents

メモリ試験方法及びメモリ試験装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体メモリ試験方法に係り、詳細には、メモリを試験し、不良セルの位置をフェイルビットマップとして表示してメモリの不良解析を行うメモリ試験方法及びメモリ試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
メモリLSIは、メモリセルとその周辺回路が同一チップに搭載されており、メモリLSIの試験では各種の特徴のある試験技術が用いられている。
【0003】
フェイルビットマップは、チップ内のセルアレーに着目して、アドレス対応に不良セルの位置を2次元マップ表示する方法である。フェイルビットマップは、不良セルの位置を正確にとらえられるので、製造マスクやチップ上の配線抵抗と不良セルの関係等のセル位置による詳細な解析に用いられる。不良セルの位置は、不良解析メモリに蓄積する。
【0004】
従来のこの種のメモリの不良解析装置としては、例えば、特開平6−131898号、特開平6−119799号、の各公報に開示されたものがある。
【0005】
図6は従来のメモリ試験装置の構成を示す図である。
【0006】
図6において、1はパターン発生器、2は波形生成器、3は試験メモリ、4は論理比較器、5は不良解析メモリ、6は物理変換を行うための演算処理装置、7は不良セルの位置をフェイルビットマップとして表示する表示装置、8は記憶装置である。
【0007】
上記パターン発生器1からは、試験パターンデータPDと、期待値パターンKDとが出力される。試験パターンデータPDは波形生成器2に与えられ、この波形生成器2で実波形に変換され、試験パターン信号として被試験メモリ3に与えられる。また、試験パターンデータPDには、アドレス信号が付加されており、そのアドレス信号によって被試験メモリ3がアクセスされて試験パターン信号の書き込みと読み出しが行われる。
【0008】
上記被試験メモリ3から読み出されたデータは、論理比較器4に与えられ、この論理比較器4で、パターン発生器1から出力された期待値データKDと比較される。
【0009】
上記論理比較器4の出力側には、不良解析メモリ5が接続されており、この不良解析メモリ5は、被試験メモリ3と同等のアドレス空間を有し、被試験メモリ3と同じアドレス信号でアクセスされる。論理比較器4で不一致が検出されると、不良解析メモリ5には不一致が発生したアドレスに不良の発生を表す「1」論理が書き込まれる。
【0010】
このように構成することにより、試験終了後に不良解析メモリ5を読み出し、「1」論理が書き込まれたアドレスを読み出すようにすれば、不良セルの位置を知ることができる。
【0011】
この不良解析メモリ5の内容をデバイスのメモリセルレイアウトイメージに並び換えて(以後、物理変換という)不良セルの位置を表示装置にドット表示等によって表示させる。この表示方法をフェイルビットマップといい、このフェイルビットマップにより不良セルの特定を容易にしている。
【0012】
図7は上記演算処理装置6における不良解析処理を示すフローチャートであり、図中のSはフローの各ステップを示す。
【0013】
まず、ステップS1で不良解析メモリ5への不良取り込みを行い、ステップS2で記憶装置8への不良ビット情報の書込みを行う。
【0014】
次いで、ステップS3で不良ビットデータを物理変換後、表示装置7に表示して処理を終える。
【0015】
このように、プロービングテスト(ウェハでのテスト)で得られる不良ビットデータを上記図7に示す処理により記憶装置8に記憶しておき、物理変換後のフェイルビットマップを縮小処理し、ウェハショットイメージに並べると(図6の表示装置7参照)、プロービングテスト終了後に、複数デバイスの大まかな不良状況を観察することができ、また各デバイスに注目すれば不良セル位置の詳細観測も可能である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のメモリの不良解析装置にあっては、上述した解析により、個々のメモリデバイスのセル欠陥位置をグラフィカルに表示し、解析することは容易にできものの、その欠陥がそのデバイス固有のものであるのか、あるいは、そのウェハプロセスのいずれかの工程で生じた問題で発生し、歩留まり低下の一因になっているのかを判断するのは難しかった。また、複数の欠陥が混在する不良情報の中から、どのような不良要因が含まれているのかを分離していくためには、単にフェイルビットマップを表示し解析する方法では非常な労力を要する。この問題はメモリ容量が大規模になればなるほど深刻な問題となってくる。
【0017】
本発明は、ウェハプロセスの問題点解析を短時間で効率よく行うことができるメモリ試験方法及びメモリ試験装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るメモリ試験方法は、
不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法であって、
不良セル数合計手段が、複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するビット線の不良セルの数を前記アドレスが共通するビット線毎にそれぞれ合計する工程と、
比較手段が、前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する工程と、
表示手段が、前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ビット線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ビット線のフェイルビットマップとして表示する工程と
を備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明に係るメモリ試験方法は、
不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法であって、
不良セル数合計手段が、複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するワード線の不良セルの数を前記アドレスが共通するワード線毎にそれぞれ合計する工程と、
比較手段が、前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する工程と、
表示手段が、前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ワード線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ワード線のフェイルビットマップとして表示する工程と
を備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明に係るメモリ試験方法は、
不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法であって、
不良セル数合計手段が、複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するブロックの不良セルの数を前記アドレスが共通するブロック毎にそれぞれ合計する工程と、
比較手段が、前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する工程と、
表示手段が、前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ブロック内のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ブロックのフェイルビットマップとして表示する工程と
を備えたことを特徴とする。
【0034】
本発明に係るメモリ試験装置は、
不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験装置であって、
複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するビット線の不良セルの数を前記アドレスが共通するビット線毎にそれぞれ合計する不良セル数合計手段と、
前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する比較手段と、
前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ビット線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ビット線のフェイルビットマップとして表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする。
【0035】
本発明に係るメモリ試験装置は、
不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験装置であって、
複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するワード線の不良セルの数を前記アドレスが共通するワード線毎にそれぞれ合計する不良セル数合計手段と、
前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する比較手段と、
前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ワード線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ワード線のフェイルビットマップとして表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする。
【0036】
本発明に係るメモリ試験装置は、
不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験装置であって、
複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するブロックの不良セルの数を前記アドレスが共通するブロック毎にそれぞれ合計する不良セル数合計手段と、
前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する比較手段と、
前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ブロック内のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ブロックのフェイルビットマップとして表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする。
【0038】
上記メモリ試験装置は、合計手段が、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報に基づいて合計するものであってもよい。
【0039】
上記メモリ試験装置は、上記マスクデータ情報が、ウェハ上にパターンを露光させるときの同一露光グループごとに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報であってもよく、上記マスクデータ情報が、最小セルレイアウトグループごとに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報であってもよい。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、メモリLSIの不良解析を行う装置に適用することができる。
【0041】
図1は本発明の第1の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、メモリの不良解析処理及び表示方法に特徴があり、ハード的構成自体は前記図6と同様な装置を使用することができる。このため、同一構成部材には同一番号を付して使用する。
【0042】
図1において、10はメモリ試験装置であり、1はパターン発生器、2は波形生成器、3は試験メモリ、4は論理比較器、5は不良解析メモリ、11は物理変換及び要素ごとのフェイルビットマップ表示処理を行う演算処理装置(不良セル数合計手段、合計手段、比較手段)、12は不良セルの位置を要素ごとのフェイルビットマップにより表示可能な表示装置(表示手段)、13は演算処理装置11の処理内容を記憶する記憶装置である。
【0043】
上記パターン発生器1からは、試験パターンデータPDと、期待値パターンKDとが出力される。試験パターンデータPDは波形生成器2に与えられ、この波形生成器2で実波形に変換され、試験パターン信号として被試験メモリ3に与えられる。また、試験パターンデータPDには、アドレス信号が付加されており、そのアドレス信号によって被試験メモリ3がアクセスされて試験パターン信号の書き込みと読み出しが行われる。
【0044】
上記被試験メモリ3から読み出されたデータは、論理比較器4に与えられ、この論理比較器4で、パターン発生器1から出力された期待値データKDと比較される。
【0045】
上記論理比較器4の出力側には、不良解析メモリ5が接続されており、この不良解析メモリ5は、被試験メモリ3と同等のアドレス空間を有し、被試験メモリ3と同じアドレス信号でアクセスされる。論理比較器4で不一致が検出されると、不良解析メモリ5には不一致が発生したアドレスに不良の発生を表す「1」論理が書き込まれる。
【0046】
試験終了後に不良解析メモリ5を読み出し、「1」論理が書き込まれたアドレスを読み出すようにすれば、不良セルの位置を知ることができる。
【0047】
上記演算処理装置11は、上記不良解析メモリ5の内容をデバイスのメモリセルレイアウトイメージに並び換える物理変換を行って不良セルの位置をドット表示等によって表示するフェイルビットマップ処理に加え、さらに、平面上に点が表示されるだけのフェイルビットマップに対して、ビット線不良、ワード線不良、ブロック不良などの要素に分けて要素ごとのフェイルビットマップを表示可能にし、さらにそれらを目的とするグループごとに分けて処理する機能を有する。このビット線不良、ワード線不良などの要素ごとの不良処理の詳細については図2及び図3により後述する。
【0048】
以下、上述のように構成されたメモリ試験装置10の動作を説明する。
【0049】
図2は、メモリ試験装置10の動作を示すフローチャートであり、不良ビットデータを蓄えた不良解析メモリ5を読み出し、物理変換による並び替えを行い、このデータ(Dpyn)に各種パラメータによる処理を行うものである。
【0050】
まず、ステップS11で、前記図6で述べた方法により取得した不良ビットデータを記憶装置13から読み出す。
【0051】
次いで、ステップS12で記憶装置13から読み出したデータを、処理するチップの物理変換論理式によるビットの並び替えを行って、変換後の不良情報を表示装置12にフェイルビットマップにより表示する。
【0052】
ステップS13では、あらかじめ与えておいたメモリのブロック分割情報を基に各X、Yライン上の不良セル数を積算する。
【0053】
この積算データをNbxn,Nbyn(b=0,1,2,…、n=0,1,2,…)とする。この後、解析を行うメモリで、あらかじめ推測できる不良形状のみに注目した加工を行う。加工例として、以下ステップS14〜S17を説明する。
【0054】
ステップS14で、ブロック内の総メモリセル数未満の判定値Blimに対し、Blim<sum(Nbxn)となるブロックをブロック不良と定義し、この判定に当てはまるブロックの不良ビットマップのみ表示し記憶装置13に記憶する(DBln)。
【0055】
ステップS14に分類された不良ブロック以外のブロックにより、ステップS15の処理を以下のように行う。
【0056】
ブロック内の1ワード線に存在するメモリセル数の最大値未満の判定値Ylimに対し、Nbxn>Ylimとなるラインを抽出し、この判定に当てはまる不良ビットマップのみ表示し記憶装置13に記憶する(Dwn)。
【0057】
ステップS14及びステップS15以外の不良ビットにより、ステップS16の処理を以下のように行う。
【0058】
ブロック内の1ビット線に存在するメモリセル数の最大値未満の判定値Xlimに対しNbyn>Xlimとなるラインを抽出し、この判定に当てはまる不良ビットマップのみ表示し、記憶装置13に記憶する(Dbtn)。
【0059】
さらに、ステップS16以外の場合は、ステップS17でステップS14〜ステップS16以外の不良ビットを表示し、記憶装置13に記憶する(Dcn)。図3は、上述した処理により不良ビットデータを蓄えた不良解析メモリ5を読み出し、物理変換による並び替え後、要素ごとのフェイルビットマップ表示処理を行った表示を示す図である。
【0060】
図3において、Nbxnはブロックb,アドレスxnライン上の不良ビット数、Nbynはブロックb,アドレスynライン上の不良ビット数であり、図3(a)は全不良ビット表示、図3(b)はブロック不良のみ表示、図3(c)はワード線不良のみ表示、図3(d)はビット線不良のみ表示、図3(e)はその他不良表示例である。
【0061】
本実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、不良ビットデータを蓄えた不良解析メモリ5から不良ビットデータを読み出して、物理変換による並び替えを行い、このデータ(Dpyn)に前記図2に示す各種パラメータによる処理を行うものである。
【0062】
すなわち、1チップの不良ビットマップにおいて、図3に示すように、マップ上の不良数を、X軸,Y軸の各アドレスごとに集計し、この集計結果でマスク処理を行うことにより、ビット線、ワード線、小数ビット不良など、注目する不良モードのみ表示する。上記マスク処理として、例えばビット線不良の場合は、図3(a)のNbyn,Nbyn+1,…のうち、ビット線不良と定義する不良ビット数Nbl未満の不良ラインを消去し、表示を行うことにより、ビット線不良モードのみ表示する。これにより解析したい不良モードの絞り込みが可能になる。
【0063】
このように、従来例では単純にフェイルのセルを表示するだけであったのに対し、本実施形態ではメモリのブロックごと、ビット線ごと、ワード線ごと、その他の不良、等に分けて表示することが可能になる。
【0064】
以上説明したように、第1の実施形態に係るメモリ試験装置10は、不良解析メモリ5、物理変換及び要素ごとのフェイルビットマップ表示処理を行う演算処理装置11、不良セルの位置を要素ごとのフェイルビットマップにより表示可能な表示装置12、演算処理装置11の処理内容を記憶する記憶装置13を備え、半導体メモリを試験し、試験後の不良セルの位置を不良解析メモリ5に蓄積するとともに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報に基づいて不良解析メモリ5に蓄積されたデータからメモリのブロックごと、ビット線ごと、ワード線ごと、その他の不良等の要素に分けて要素ごとのフェイルビットマップを表示するように構成しているので、混在したメモリの不良モードを、ブロック不良、ワードライン不良、ビットライン不良、メモリセル欠陥に分類し表示することができ、対策を行いたい不良モードに着目した解析が可能になる。
【0065】
したがって、欠陥がデバイス固有のものであるのか、ウェハプロセスのいずれかの工程で生じたかの判断が容易になり、また、複数の欠陥が混在する不良情報の中から、どのような不良要因が含まれているのか容易に解析することが可能になる。特に、メモリ容量が大規模になる場合であってもウェハプロセスの問題点解析を短時間で効率よく行うことができる。
【0066】
図4は本発明の第2の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置の全体処理を示す解析フローチャートである。
【0067】
本実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、前記図1における演算処理装置11が、フェイルビットマップに対して、ビット線不良、ワード線不良、ブロック不良などの要素に分けて要素ごとのフェイルビットマップを表示可能にし、さらに各チップごとのフェイルマップを処理する機能を有する。
【0068】
具体的には、前記第1の実施形態で取得した複数チップ不良ビットマップのデータ(Dpyn:物理変換後)を積算処理し、複数チップに対する不良ビット解析を行う構造となっている。
【0069】
すなわち、前記第1の実施形態で取得した各チップごとのフェイルマップを複数積算処理し、全体的な傾向をとらえるものである。
【0070】
以下、上述のように構成されたメモリ試験方法及びメモリ試験装置の動作を説明する。
【0071】
図4は、メモリ試験方法及びメモリ試験装置の動作を示すフローチャートであり、不良ビットデータを蓄えた不良解析メモリを読み出し、物理変換による並び替えを行い、このデータ(Dpyn)に各種パラメータによる処理を行うものである。
【0072】
まず、ステップS21で、前記第1の実施形態で述べた方法により処理した物理変換後のデータを読み出し、ステップS22で不良ビットマップの各セルごとに不良セルを加算する。
【0073】
次いで、ステップS23で処理データがあるか否かを判別し、処理データがあるときはステップS21に戻って上記アドレスごとの加算処理を任意の数のチップ数だけ繰り返す。処理データがなくなるとステップS24以降に進む。
【0074】
ステップS24では、各セルに積算された不良セル数に対し、あらかじめ定義しておいたセル数のグループにソーティング処理を行い、ステップS25で各グループに指定した色により不良ビットを表示して本フローの処理を終える。
【0075】
また、ステップS26で積算された不良数の中で最大となる不良数未満の表示したい不良数の範囲(Smax,Smin)を指定し、ステップS27で指定した積算不良数に当てはまるアドレスのセルを表示する。
【0076】
以上説明したように、第2の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、不良形状に該当する不良ビットマップを、複数のチップ数分積算し、この積算結果に基づいて欠陥発生頻度の大きいメモリセル位置及び不良形状を出力するようにしているので、欠陥の全体的な傾向をとらえることができ、ウェハプロセスで欠陥のおきやすいメモリセルの位置の特定や不良形状の解析が容易にできる。
【0077】
ここで、第3の実施形態として、前記第1の実施形態で分類したブロック不良、ワードライン不良、ビットライン不良、メモリセル欠陥のデータ(Dbln,Dwn,Dbtn,Dcn)に対し、第2の実施形態の処理を行うようにしてもよい。
【0078】
具体的には、図4に示すフローチャートにおいて、上記第2の実施形態の処理を分類した不良モードごとに行う。
【0079】
したがって、第3の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、複数チップのデータ重ね合わせにより煩雑になるデータを、あらかじめ分類しておいた不良モードに着目した処理を行うことにより、ウェハプロセスでの欠陥解析をさらに容易にすることができる。
【0080】
図5は本発明の第4の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置の処理概念を示す図であり、半導体のウェハプロセスにおいて、露光装置等による一度に処理するグループの概念図である。本実施形態は、このグループに着目した欠陥解析である。
【0081】
図5において、21はウェハスケール、22は同一露光グループを示すレチクルショットである。
【0082】
本実施形態は、ウェハ上にパターンを露光させるときの同一露光グループ(レチクル)ごとに前記第1の実施形態の処理を行う構成とする。
【0083】
以上の構成において、グループエリアのデータをあらかじめ与えておき、そのグループ内に配置されるチップの同一ロケーションのチップごとに前記図4に示すフローチャートの処理を行う。
【0084】
以上説明したように、第4の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、ウェハ上にパターンを露光させるときの同一露光グループごとに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報に基づいて不良解析メモリ5に蓄積されたデータから所定の不良形状に対応する不良データを抽出し、不良形状に該当する不良ビットマップとして表示するようにしているので、グループ内の配置に依存した不良解析を行うことができる。これにより、欠陥の発生する工程がどの工程であるかの絞り込みが可能になる。
【0085】
ここで、第5の実施形態として、最小セルレイアウトグループごとに前記第1の実施形態の処理を行うようにしてもよい。
【0086】
メモリセルのレイアウトは、通常、最小構成のメモリセルレイアウトを基に製品に実装するメモリ容量分繰り返して行う。本実施形態は、この最小構成のセルレイアウト単位に着目したメモリセル欠陥解析である。
【0087】
以上の構成において、前記第1の実施形態で分類したメモリセル欠陥データ(Dcn)に対し、メモリセルの最小レイアウト情報をあらかじめ指定しておき、この最小セルレイアウト上に存在するメモリセルごとにフェイルビットの積算処理を行う。最小セルレイアウトが、ミラー処理などで複数ある場合は、それぞれ別グループとして積算する。このデータに対し第2の実施形態処理を行い、最小セルレイアウトのグループごとに表示する。
【0088】
以上説明したように、第5の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置は、最小セルレイアウトグループごとに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報に基づいて不良解析メモリ5に蓄積されたデータから所定の不良形状に対応する不良データを抽出し、不良形状に該当する不良ビットマップとして表示するようにしているので、メモリセルの不良とメモリセルのレイアウトの関係が解析できるため、プロセス欠陥の起きやすいレイアウト上のウィークポイントを容易に判別することができる。
【0089】
なお、上記各実施形態では、メモリ試験方法をメモリセルの不良解析ツールとして適用した例で説明したが、このメモリ試験方法をメモリテストパターンの不良検出感度評価に適用することも勿論可能であり、この不良検出感度評価に使うことにより、テストパターンやテスト条件の有効性を判定でき、効率的なテストフロー構築を行うことができる。
【0090】
また、上記各実施形態に係る装置では、メモリ試験方法及びメモリ試験装置を、メモリLSIの試験装置に適用した例であるが、勿論これに限定されず、例えばVLIS、フルカスタムVLSIのメモリ試験方法であってもよいことは言うまでもない。また、不良形状のパターンはどのうようなものであってもよく何れか一方のみを解析する装置であってもよい。さらに、メモリ試験方法は、各種装置の一部に組み込まれる回路、若しくはソフトウェアにより実現する態様であってもよい。
【0091】
また、上記メモリ試験方法及びメモリ試験装置を構成する、例えばパターン発生器、比較器、不良解析メモリ、演算処理装置、表示装置等の種類、数、接続方法、さらには試験パターンなどは前述した上述の実施形態に限られないことは言うまでもない。
【0092】
【発明の効果】
本発明に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置では、不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、フェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法において、例えばビット線、ワード線、ブロックに関する不良セルの数を合計する工程と、合計された不良セルの数と所定値とを比較する工程と、比較結果に基づいてビット線を不良ビット線として表示する工程とを備えているので、対策を行いたい不良モードに着目した解析が可能になり、欠陥がデバイス固有のものであるのか、ウェハプロセスのいずれかの工程で生じたかの判断が容易になるとともに、複数の欠陥が混在する不良情報の中から、どのような不良要因が含まれているのか容易に解析することができ、ウェハプロセスの問題点解析を短時間で効率よく行うことができる。
【0093】
また、本発明に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置では、複数のチップに関して共通のアドレスを持つ不良セルの数を合計する工程と、合計された不良セルの数に基づいてフェイルビットマップを表示する工程とを備えているので、複数のチップに関して欠陥の全体的な傾向をとらえることができ、ウェハプロセスで欠陥のおきやすいメモリセルの位置の特定や不良形状の解析が容易にできる。
【0094】
また、本発明に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置では、複数のチップに関して共通する例えば、不良ビット線、不良ワード線、不良ブロックの数を合計する工程と、合計された不良ビット線の数に基づいてフェイルビットマップを表示する工程とを備えているので、欠陥の全体的な傾向をとらえることができ、ウェハプロセスで欠陥のおきやすいメモリセルの位置の特定や不良形状の解析が容易にできる。
【0095】
また、本発明に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置では、ウェハ上にパターンを露光させるときの同一露光グループごとに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報に基づいて不良解析メモリに蓄積されたデータから所定の不良形状に対応する不良データを抽出し、該不良形状に該当する不良ビットマップとして表示するように構成したので、グループ内の配置に依存した不良解析を行うことができる。
【0096】
また、本発明に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置では、最小セルレイアウトグループごとに、ウェハプロセスの工程で使用するマスクデータ情報に基づいて不良解析メモリに蓄積されたデータから所定の不良形状に対応する不良データを抽出し、該不良形状に該当する不良ビットマップとして表示するように構成したので、メモリセルの不良とメモリセルのレイアウトの関係が解析でき、プロセス欠陥の起きやすいレイアウト上のウィークポイントを容易に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記メモリ試験方法及びメモリ試験装置の解析処理を示すフローチャートである。
【図3】上記メモリ試験方法及びメモリ試験装置の解析処理を説明するための図である。
【図4】本発明を適用した第2の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置の不良解析処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した第4の実施形態に係るメモリ試験方法及びメモリ試験装置の不良解析処理を説明するための図である。
【図6】従来のメモリ試験装置の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のメモリ試験装置の解析処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パターン発生器、2 波形生成器、3 試験メモリ、4 論理比較器、5不良解析メモリ、10 メモリ試験装置、11 演算処理装置(不良セル数合計手段、合計手段、比較手段)、12 表示装置(表示手段)、13 記憶装置

Claims (6)

  1. 不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法において、
    不良セル数合計手段が、複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するビット線の不良セルの数を前記アドレスが共通するビット線毎にそれぞれ合計する工程と、
    比較手段が、前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する工程と、
    表示手段が、前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ビット線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ビット線のフェイルビットマップとして表示する工程と、
    を備えたことを特徴とするメモリ試験方法。
  2. 不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法において、
    不良セル数合計手段が、複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するワード線の不良セルの数を前記アドレスが共通するワード線毎にそれぞれ合計する工程と、
    比較手段が、前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する工程と、
    表示手段が、前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ワード線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ワード線のフェイルビットマップとして表示する工程と、
    を備えたことを特徴とするメモリ試験方法。
  3. 不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験方法において、
    不良セル数合計手段が、複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するブロックの不良セルの数を前記アドレスが共通するブロック毎にそれぞれ合計する工程と、
    比較手段が、前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する工程と、
    表示手段が、前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ブロック内のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ブロックのフェイルビットマップとして表示する工程と、
    を備えたことを特徴とするメモリ試験方法。
  4. 不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験装置において、
    複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するビット線の不良セルの数を前記アドレスが共通するビット線毎にそれぞれ合計する不良セル数合計手段と、
    前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する比較手段と、
    前記アドレスが共通するビット線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ビット線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ビット線のフェイルビットマップとして表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とするメモリ試験装置。
  5. 不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験装置において、
    複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するワード線の不良セルの数を前記アドレスが共通するワード線毎にそれぞれ合計する不良セル数合計手段と、
    前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する比較手段と、
    前記アドレスが共通するワード線毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ワード線上のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ワード線のフェイルビットマップとして表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とするメモリ試験装置。
  6. 不良セルの位置を不良解析メモリに蓄積するとともに、前記不良解析メモリに蓄積された不良セルの位置データをメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行うことによりフェイルビットマップとして表示するメモリ試験装置において、
    複数チップの前記不良セルの位置データが蓄積された前記不良解析メモリから各チップの前記不良セルの位置データを各々読み出し、アドレスが共通するブロックの不良セルの数を前記アドレスが共通するブロック毎にそれぞれ合計する不良セル数合計手段と、
    前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数と所定の不良数の範囲とを比較する比較手段と、
    前記アドレスが共通するブロック毎に合計された不良セルの数が所定の不良数の範囲内となる前記ブロック内のセルに対応するメモリセルレイアウトイメージ上の位置においてドット表示を行なうことにより不良ブロックのフェイルビットマップとして表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とするメモリ試験装置。
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