JP4033382B2 - インスリン投与装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電場の力を利用してインスリンリスプロ類を皮膚または粘膜投与するインスリン投与装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病の患者は、スルフォニル尿素などのように経口糖尿病で治療できる2型糖尿病患者と、全くインスリンの分泌が見られない1型糖尿病患者とに大別できる。1型糖尿病患者は、インスリンが分泌されないためにインスリンを投与することが必要である。また、2型糖尿病患者でも、血糖コントロールが困難な場合は、1型と同様に、インスリンを投与する治療方法がとられる。しかし、インスリンは、血糖コントロール効果は高いものの吸収性や安定性が悪く経口での投与が出来ず、また、持続性も低いために苦痛を伴う注射による1日1回から数回の頻回投与に頼るしかないのが現状である。例えば、WO02/02179A1には、マイクロニードルを用いて、経皮的にインスリンやインスリンリスプロを投与した例が示されている。しかしマイクロニードルは、痛みは少ないものの皮膚に物理的に極小の孔を空け、そこから経皮的に薬物を吸収させるために、投与後に皮膚に孔が残る。そのため感染症などの問題が無視できない。
【0003】
一方、皮膚や粘膜に対して、薬物の吸収を促進する方法としてイオントフォレーシス(Journal of Pharmaceutical Sciences,76巻,341ページ,1987年)やエレクトロポレーション(特表平3−502416、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90巻,10504−10508ページ,1993年)等の様に電気的なエネルギーを用いた投与方法が開発されている。イオントフォレーシスは、皮膚の経毛嚢器官から薬物を送達させるために皮膚に孔などを生じることがなく、さらに負荷する電圧も低く、安全性に富んでいる。またエレクトロポレーションは、高い電圧を負荷するものの、適用時間が数マイクロ秒から数ミリ秒と極短く、エレクトロポレーションによりに皮膚に生じた孔は可逆的で、薬物投与終了後まで残ることはない。イオントフォレーシスおよびエレクトロポレーションはともに経皮または経粘膜により薬物の吸収を促進する安全な投与方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの技術を用いてもインスリンを投与することは難しい。例えば、イオントフォレーシスを単独で利用してインスリンの送達を行った報告があるが(Journal of Pharmaceutical Sciences,76巻,341ページ,1987年)、ほとんど効果が見られないか、または血糖値の下降が見られてもわずか十数分程度の効果でしかなかった。また、エレクトロポレーションを用いてもインスリンの効果を示す程十分量が送達されたという報告はない。またエレクトロポレーションとイオントフォレーシスの併用の研究もされているが、インスリンの効果を示す程十分量が送達された報告はない。インスリン以外の薬物をイオントフォレーシスとエレクトロポレーションの併用により経皮吸収を試みた例としては、分子量3000のカルシトニンであれば、ラットにおいて数百ng/mLの血中濃度を示すほど送達できたが、分子量4000のPTHでは100ng/mLにも満たない量しか送達出来ていないという報告がある(Journal of Controlled Release,66巻,127ページ,2000年)。すなわち、イオントフォレーシスとエレクトロポレーションを併用しても、分子量3000以上の化合物を送達することは難しく、分子量6000のインスリンを皮膚や粘膜から十分量を送達することはさらに難しいというのが現状である。
【0005】
従って本発明の目的は、インスリンの有効な経皮または経粘膜投与を可能にするインスリン投与装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、低い電場を長時間負荷することができるイオントフォレーシスと高い電場を短時間負荷することができるエレクトロポレーションを単独または組み合わせて用い、種々のインスリン(ヒトインスリン、プタインスリン、ウシインスリン、アルギニン−インスリン、インスリンリスプロ)の投与を試みた。
その結果、下記構造式
【0007】
【化2】
Figure 0004033382
【0008】
で示されるインスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩(以下、「インスリンリスプロ類」という)を用いる場合に、電場適用手段として、エレクトロポレーションとイオントフォレーシスとを組み合わせることにより、経皮または経粘膜吸収性が優れ、前記薬物が十分な薬効を発現し持続できることを見いだし、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明のインスリン投与装置は、上記インスリンリスプロ類を少なくとも2つの異なる電場適用手段を用いて経皮または経粘膜より投与するものである。ここで、2つの異なる電場適用手段は好適にはイオントフォレーシスとエレクトロポレーションである。この場合、イオントフォレーシスの適用電流は0.01〜1.0mA/cmであることが好ましく、またエレクトロポレーションの適用電圧は電極間の単位距離あたり1V/cm〜10kV/cmであることが好ましい。
【0010】
また、インスリンリスプロ類は、親水性マトリックスに溶解、懸濁または分散されていることが好ましい。親水性マトリックスは、例えば、寒天、ローカストギンガム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール類およびその誘導体並びにポリアクリル酸およびその塩類からなる群から選択される1またはそれ以上を含むことができる。
さらに、本発明のインスリン投与装置は、インスリンリスプロ類の放出制御膜を備えることができる。放出制御膜上にエレクトロポレーション用の少なくとも1対の電極を有する。放出制御膜は好適には多孔質膜により形成される。インスリンリスプロ類が膜上に保持されるようにすることができる。この場合、インスリンリスプロ類は乾燥状態で保持され、使用時その一部または全てを溶解させて使用することが好ましい。エレクトロポレーション用電極の少なくとも1つの電極は、皮膚または粘膜に直接またはその近傍(例えば、約100μm以下)に設置されるようにすることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るインスリン投与装置は、上記インスリンリスプロ類を含むエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤と、イオントフォレーシスの対電極となるリファレンス製剤と、両製剤にそれぞれ接続された電源装置とを備える。ここで、電源装置は、イオントフォレーシス用の接続口とエレクトロポレーション用の接続口とを有することができる。
さらに、本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤は、バッキングと、バッキングに配置されたイオントフォレーシス電極と、イオントフォレーシス電極上に配置され上記インスリンリスプロ類を含むインスリンリスプロ含有層と、インスリンリスプロ含有層上に配置され異なる極の電極を有するエレクトロポレーション電極とを備える。ここで、インスリンリスプロ含有層とエレクトロポレーション電極との間にインスリンリスプロ類の放出を制御する放出制御膜を備えることができる。この放出制御膜は孔径として0.01〜10μmを有する多孔質膜とすることができる。
【0012】
また、本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤は、バッキングと、バッキングに配置されたイオントフォレーシス電極と、イオントフォレーシス電極上に配置された親水性マトリックス基剤と、親水性マトリックス基剤上に配置されたライナーと、ライナー上に配置され上記インスリンリスプロ類を保持する保持膜と、保持膜上に配置され異なる極の電極を有するエレクトロポレーション電極とを備える。ここで、インスリンリスプロ類は保持膜に乾燥状態で保持されることが好ましい。エレクトロポレーション電極は多点接触型に形成することができる。
このように構成することにより、インスリンの有効な経皮または経粘膜投与を可能にするインスリン投与装置を得ることができる。
以下、本発明について詳細に述べる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るインスリン投与装置の実施形態の一例を示す図である。本装置は、2つの異なる電場適用手段として、イオントフォレーシスおよびエレクトロポレーションを有するものであり、図1に示されるように、インスリンリスプロを含むエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤115と、イオントフォレーシスの対電極となるリファレンス製剤114と、両製剤114、115にそれぞれ接続されたエレクトロポレーション−イオントフォレーシス電源装置111とを備える。この電源装置111は、イオントフォレーシス接続口112とエレクトロポレーション接続口113とを有する。本例では、両製剤114、115は皮膚116に貼付されている。
【0014】
本装置では、電源装置111により、高電場のエレクトロポレーションを負荷させ、かつ低電場のイオントフォレーシスを負荷させる。この場合、エレクトロポレーションの適用電圧は1V/cm〜10kV/cmが望ましい。また、イオントフォレーシスの適用電流は0.01〜1.0mA/cmがインスリンの送達量、電気刺激の点から望ましい。イオントフォレーシスの電流波形としては直流、パルス、パルス脱分極等が上げられるが、これらに限定されない。また電流値を一定にする定電流通電では上記のように0.01〜1.0mA/cmに、また電圧値を一定にする定電圧通電では1V〜20Vの間で適用にすることが望ましい。インスリンリスプロは、その等電点(約5.5付近)より低いpH環境下で存在するときは、イオントフォレーシス用電極の陽極側に含有させ、等電点より高いpH環境下に存在するときはその陰極側に含有させる。陽陰極の両方に含有させ、両方から同時に投与してもよい。この場合、エレクトロポレーション電極もイオントフォレーシスの陰陽両方の製剤に設置する必要がある。
【0015】
図2は、本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。本製剤は、図のように、凹部を有するバッキング16と、バッキング16の凹部底面部に配置されたイオントフォレーシス電極11と、イオントフォレーシス電極11を外部の電源装置に接続するためのイオントフォレーシス電極接続端子12と、バッキング16の内側に配置されたインスリンリスプロ含有層15と、インスリンリスプロ含有層15上に配置された同一平面用に隣り合うそれぞれ異なる極の電極からなるエレクトロポレーション電極14と、エレクトロポレーション電極14を外部の電源装置に接続するためのエレクトロポレーション電極接続端子13と、エレクトロポレーション電極14とエレクトロポレーション電極接続端子13とを接続する導電線18と、皮膚へ貼付し及び導電部18やエレクトロポレーション電極14が不必要に皮膚と直接接しないように絶縁する粘着絶縁層17とを備える。
【0016】
ここで、インスリンリスプロ含有層15は、有効成分として、上記インスリンリスプロ類を1種またはそれ以上含むものであり、インスリンリスプロの薬学的に許容され得る塩としては、特に限定されず、一般的に考えられる塩を用いることができる。
なお、インスリンリスプロ含有層15は、マトリックスに溶解または懸濁、分散させることのできる親水性基剤を用いることが望ましい。これらの基剤としては、例えば、寒天、ゼラチン、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体、メチルセルロースおよびこの誘導体、ペクチン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコールおよびその誘導体またはこれらのケン化物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
イオントフォレーシス電極の材料は、陽極側が銀や銅、陰極側が銀/塩化銀、銅/塩化銅のような非分極性の電極が望ましいが、例えばカーボン、チタン、金、白金などの分極性電極や、分極性、非分極性の両方を組み合わせて用いてもよい。エレクトロポレーション電極の材料は、電流を流すことができればどのような材料でもよく、例えばカーボン、白金、金、銀、チタン、アルミ、クロム、亜鉛、及びこれらの合金などが上げられるが、これらに限定されない。エレクトロポレーション電極は、イオントフォレーシス電極と異なり、陽陰の両極間の距離が重要である。この距離により負荷させる電場が違ってくるからである。この距離は0.01mm〜10cmの範囲に有ることが、望ましく、負荷される電圧を考慮して決定すべきである。例えば、10cmの電極間距離で10Vを負荷すれば1V/cmの電場であり、0.01mmの電極間距離に1Vを負荷すれば1000V/cmとなる。望ましいエレクトロポレーション負荷電場は1V/cm〜10kV/cmである。エレクトロポレーション電極とイオントフォレーシス電極は共有してもよく、また別々に設置してもよい。
【0018】
一方、イオントフォレーシスリファレンス製剤は、図示はしないが通常のイオントフォレーシス装置に用いられる構成のものでよい。例えば、本製剤は、図1において、エレクトロポレーション電極14、エレクトロポレーション電極接続端子13及び導電線18を除いた構成とすることができる。この場合、インスリンリスプロ含有層15は、インスリンリスプロを含まない単なる導電層に代えることができる。
【0019】
図3は、本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の他の例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。本製剤は、インスリンリスプロ放出制御膜を有する点で図2の製剤の例と異なる。すなわち本製剤は、図のように、凹部を有するバッキング26と、バッキング26の凹部底面部に配置されたイオントフォレーシス電極21と、イオントフォレーシス電極21を外部の電源装置に接続するためのイオントフォレーシス電極接続端子22と、バッキング26の内側に配置されたインスリンリスプロ含有層25と、インスリンリスプロ含有層25上に配置されたインスリンリスプロ放出制御膜29と、インスリンリスプロ放出制御膜29上に固定、もしくは印刷されており同一平面用に隣り合うそれぞれ異なる極の電極からなるエレクトロポレーション電極24と、エレクトロポレーション電極24を外部の電源装置に接続するためのエレクトロポレーション電極接続端子23と、エレクトロポレーション電極24とエレクトロポレーション電極接続端子23とを接続する導電線28と、皮膚へ貼付し及び導電部28やエレクトロポレーション電極24が不必要に皮膚と直接接しないように絶縁する粘着絶縁層27とを備える。
【0020】
インスリンリスプロ含有層25は、インスリンリスプロ溶液中に増粘剤が分散されたものである。インスリンリスプロ放出制御膜29は、特に限定されないが、インスリンリスプロの透過を妨げないことが好ましく、これには細孔を持つような多孔質膜を用いることが望ましい。多孔質膜の孔径としては好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μmが、薬物の保持性、透過性に適当である。
インスリンリスプロ放出制御膜の材料としては、例えば、ナイロン膜、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、ニトロセルロース、ポリカーボネイト、ポリスルフォン、ポリエチレン、不織布、ガーゼ、織布、紙、脱脂綿、連続発砲を有するポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル、ポリオレフィンフォーム、ポリアミドフォーム、ポリウレタン等の多孔質膜および発砲体などやこれら材料に化学的修飾、処理を加えたもの等が挙げられるが、これらに限定されない。インスリンリスプロは後述のように膜上に乾燥状態で保持させてもよい。
なお、インスリンリスプロ含有層25には、インスリンリスプロの他に電解質、吸収促進剤、安定化剤、pH調製剤、増粘剤、粘着剤、界面活性剤、乳化剤、不織布等を含んでいてもよい。
【0021】
バッキングの材料としては、例えば、加工性、柔軟性かつ適度な保形成に優れた材料であればよく、例えば、不織布、塩化ビニリデン、塩化ビニル等の重合体である塩素含有樹脂、オレフィン系、エステル系、スチレン系、アクリル系、アミド系、オキシメチレン系、フェニレンスルフィド系、アミドイミド系、アクリロニトリル系、エーテルケトン、エーテルスルホン、スルホン.エーテルイミド、ブタジエン、イソプレン等の高分子重合体やこれらの共重合体が挙げられるがこれに限定されない。上記材料をフィルム状にしたものや加工したもの、あるいは成型品が用いられる。バッキングの厚さは特に限定されないが、5〜250μmの厚さにすると保形性、柔軟性に優れるので好ましい。
【0022】
図4は、本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の他の例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。本製剤は、インスリンリスプロを乾燥状態で保持する保持膜を有する点で図2、図3の製剤の例と異なる。すなわち本製剤は、図のように、ライナー1012でイオントフォレーシス電極や親水性マトリックスを有する部分1010と乾燥状態のインスリンリスプロやエレクトロポレーション電極などを有する部分1020に分けられ、1010は、凹部を有するバッキング106と、バッキング106の凹部底面部に配置されたイオントフォレーシス電極101と、イオントフォレーシス電極101を外部の電源装置に接続するためのイオントフォレーシス電極接続端子102と、バッキング106の内側に配置された親水性マトリックス基剤105とからなる。また、1020は、保持膜109上に乾燥状態のインスリンリスプロ1011と固定もしくは印刷されたエレクトロポレーション電極104と、この保持膜周辺部を覆った絶縁粘着層107と絶縁粘着層107で保護されたエレクトロポレーション電極の導線108と、この導線108とつながるエレクトロポレーション電極端子103とからなる。
【0023】
ここで、製剤使用前には、インスリンリスプロ1011は保持膜109上に粉末で乾燥状態にある。使用時、バッキング106、イオントフォレーシス電極101、親水性マトリックス基剤105からなる部分1010からライナー1012を引き抜き剥離後、インスリンリスプロ保持膜109を部分1010と合わせる。これにより保持膜109上のインスリンリスプロは溶解し、部分1010とインスリンリスプロ保持膜109が一体になった製剤は投与できる形態となる。インスリンリスプロはpHによっては溶解しにくいこともあるので、溶解部に溶解補助剤を加えることができ、また乾燥時のインスリンリスプロの結晶状態を変える等の対策を講じてもよい。
【0024】
図5は、本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の他の例を示す図であり、(a)は適用面の平面図、(b)は導電層の平面図、(c)は多孔質膜部分断面図、(d)は全体断面図である。本製剤は、多点接触型のエレクトロポレーション電極を有する点で図2〜図4の製剤の例と異なる。すなわち本製剤では、多点接触型のエレクトロポレーション電極1202、1203が多孔質膜1201上に設置され、点状に皮膚と接触する。電極は皮膚を介して通電されるようにするために電極の周囲は誘電層1206で覆われている。エレクトロポレーションの電圧を負荷するための電流は端子1204、1205を介して流れる。これら端子1204、1205も電極周囲と同様に誘電体で覆われ漏電を防ぐ構造である。この多点接触型のエレクトロポレーション電極を組み込んだ製剤1240はエレクトロポレーション電極の他にイオントフォレーシス電極1209を有する。イオントフォレーシス電極1209はイオントフォレーシス電極端子1207を介して外部の電源装置に接続される。本製剤では、インスリンリスプロは導電層1208に含有させることができるが、多孔質膜1201に含有させてもよい。
【0025】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げ、本発明を詳細に説明する。
実施例1、比較例1、2では、インスリンリスプロ約500ユニット/mLの溶液を用いた。この調製方法を以下に示す。市販のヒューマログ(イーライリリー社製)を用い、遠心濾過、凍結乾燥により、イオンを含む低分子の除去、濃縮を行いその後、0.2N水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶解、0.2N塩酸で中和し、pH約7、濃度約500ユニット/mLのインスリンリスプロ溶液を得た。
比較例3で用いたヒトインスリンの投与液は市販のヒューマリン(塩野義社製)を用い、インスリンリスプロと同様の操作を行い、pH約7、濃度約500ユニット/mLのヒトインスリン溶液を得、これを用いた。
実施例2、比較例4のインスリン投与液はそれぞれ市販の100ユニット/mLのヒューマログ、100ユニット/mLのヒューマリンをそのまま用いた。
また、比較例5〜7では各種インスリンを100ユニット/mLに調製し用いた。
【0026】
(実施例1)
図6は、本実施例に用いたエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は平面図である。本製剤は、図示のように、凹部を有するバッキング37と、バッキング37の凹部底面部に配置されたイオントフォレーシス電極31と、イオントフォレーシス電極31を外部の電源装置に接続するためのイオントフォレーシス電極接続端子34と、バッキング37の内側に配置されたインスリンリスプロ水溶液層35と、インスリンリスプロ水溶液35上に配置された一対のエレクトロポレーション電極32と、皮膚へ貼付し及び不必要に皮膚と直接接しないように絶縁する粘着絶縁層36と、インスリンリスプロ溶液の供給用のポート33とを備える。
【0027】
ここで、バッキング37の凹部は直径17mmの円形断面を有する。高電圧負荷用のエレクトロポレーション電極32は銀箔を用いて作成し、電極間距離10mmで設置した。インスリンリスプロを含む側の低電圧を負荷するイオントフォレーシス電極31は銀箔を電気分解して作成した銀/塩化銀電極を用いた。イオントフォレーシス電極31は、イオントフォレーシス電極接続端子34を介してイオントフォレーシス電源装置と接続される。本製剤を有するインスリン投与装置をSDラット腹部へ貼付し、その後ポート33からインスリンリスプロ溶液(約500U/mL)を適用してインスリンリスプロ水溶液層35とした。この時、イオントフォレーシス電極は溶液中にある。エレクトロポレーション32を用いてパルス幅10ミリ秒で150ボルトを10回負荷した後、イオントフォレーシス電極接続端子34を介してイオントフォレーシス電極31をイオントフォレーシス電源装置と接続し、直流電流で0.31mAを1時間負荷した。経時的に頸静脈より採血し、インスリンリスプロ測定キット(インスリンリスプロリアキット:Lincoresearch社製)、グルコース測定キット(グルコースCIIテストワコー:和光純薬社製)を用いて、血中インスリンリスプロ濃度及びグルコース濃度を測定した。
【0028】
(実施例2)
インスリンリスプロ投与液の単位を100ユニット/mLとしたこと以外は、実施例1と同様の実験を行った。
【0029】
(比較例1:イオントフォレーシスのみを用いる例)
図6に示した装置からエレクトロポレーション電極32を取り除いた装置を用い、インスリンリスプロ溶液を投与し、イオントフォレーシス電極接続端子34を介してイオントフォレーシス電極31をイオントフォレーシス電源装置と接続し、直流電流で0.31mAを1時間負荷した。実施例1と同様に血中インスリンリスプロ濃度及びグルコース濃度を測定した。
【0030】
(比較例2:エレクトロポレーションのみを用いる例)
図6に示した装置からイオントフォレーシス電極31を取り除いた装置を用い、インスリンリスプロ溶液を投与し、エレクトロポレーション電極32を用いてパルス幅10ミリ秒で150ボルトを10回負荷した。実施例1と同様に血中インスリンリスプロ濃度及びグルコース濃度を測定した。
【0031】
(比較例3:ヒトインスリンを用いる例)
インスリンリスプロの代わりに、ヒトインスリン投与液(500ユニット/mL)を用いたこと以外は、実施例1と同様の実験を行った。
測定は、血中インスリン測定用キット(IMXインスリン・ダイナパック:ダイナボット社製)を用いて行った。また、グルコース濃度は実施例1と同様グルコースCIIテストワコーを用いた。
【0032】
(比較例4:ヒトインスリンを用いる例))
インスリンリスプロの代わりに、ヒトインスリンとして、ヒューマリン(100ユニット/mL:塩野義製薬社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の実験を行った。
測定は、血中インスリン測定用キット(IMXインスリン・ダイナパック:ダイナボット社製)を用いて行った。また、グルコース濃度は実施例1と同様グルコースCIIテストワコーを用いた。
【0033】
(比較例5:ブタインスリンを用いる例)
インスリンリスプロの代わりに、ブタインスリン(100U/mL:シグマ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の実験を行った。
血中のブタインスリン濃度の測定は行わず、血中グルコース濃度のみを測定した。
【0034】
(比較例6:ウシインスリンを用いる例)
インスリンリスプロの代わりに、ウシインスリン(100U/mL:シグマ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の実験を行った。
血中のウシインスリン濃度の測定は行わず、血中グルコース濃度のみを測定した。
【0035】
(比較例7:アルギニン−インスリンを用いる例)
インスリンリスプロの代わりに、アルギニン−インスリン(100U/mL:シグマ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の実験を行った。
血中のインスリン濃度の測定は行わず、血中グルコース濃度のみを測定した。
【0036】
実施例1および比較例1、2の血中インスリンリスプロ濃度の比較を、図7のグラフに示す。実施例1は本発明のイオントフォレーシスとエレクトロポレーションを適用し、比較例1はイオントフォレーシスのみを適用し、比較例2はエレクトロポレーションのみを適用して、それぞれインスリンリスプロを投与したものである。
図7から明らかなように、実施例1では最大で1200マイクロユニット/mLのインスリンリスプロの血中濃度を示したが、比較例1、2ではいずれもインスリンリスプロはほとんど検出されなかった。
【0037】
実施例1および比較例1、2の血中グルコースレベルの推移を、初期(投与前)の血糖値に対する投与後の血糖値の割合として、図8のグラフに示す。
実施例1では、投与後120分で既に初期の9%迄低下し、その後、低血糖のために死亡するラットが現れる程、高いインスリンリスプロの吸収が見られた。これに対し、比較例1、2では120分後で約80%までの低下に過ぎなかった。すなわち、エレクトロポレーションとイオントフォレーシスの組み合わせのみがインスリンリスプロの高い吸収を得ることができることが示された。
【0038】
実施例1と比較例3の血中インスリン濃度を、図9のグラフに示す。図9は、エレクトロポレーションとイオントフォレーシスを利用した場合における他のインスリンの吸収を比較したものであり、実施例1(インスリンリスプロをエレクトロポレーションとイオントフォレーシスを用いて投与)と比較例3(ヒトインスリンをエレクトロポレーションとイオントフォレーシスを用いて投与)の血中インスリン濃度を示す。両者は、インスリンの種類は違うが、投与量はいずれも約500ユニット/mLで同じである。先に示した結果と同様に、実施例1では最大で1200μユニット/mLの血中インスリン濃度を示したが、比較例3では100μユニット/mL程度の血中インスリン濃度しか得られなかった。
【0039】
実施例1と比較例3の血中グルコースレベルの推移を、初期(投与前)の血糖値に対する投与後の血糖値の割合として示す図10のグラフに示す。図10に示すように、薬効においても、インスリンリスプロでは投与後120分で対初期値9%まで低下したのに対して、ヒトインスリンでは40%程度の低下に過ぎなかった。すなわち、実施例1と比較例3の比較により、エレクトロポレーションとイオントフォレーシスを用いたとしても、インスリンリスプロを用いなければ十分な吸収が得られないことがわかる。
【0040】
実施例2と比較例4の血中インスリン濃度を、図11のグラフに示す。すなわち、図11は、インスリンリスプロ、ヒトインスリンとも投与液の濃度を100ユニット/mLとし、エレクトロポレーションとイオントフォレーシスを用いてインスリンを投与した場合の血中濃度を示すものである。
実施例2では、実施例1に比べて投与濃度を1/5としても、最大血中濃度が約700マイクロユニット/mLを示し、比較例4に比べて極めて高い吸収を得ることができた。
【0041】
実施例2と比較例4、5、6、7の血中グルコースレベルの推移を、初期(投与前)の血糖値に対する投与後の血糖値の割合として、図12のグラフに示す。すなわち、図12は、他のインスリン(アルギニン−インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン)をエレクトロポレーションとイオントフォレーシスを用いて、実施例2や比較例4と同様100ユニット/mLで投与したときの血中グルコースの経時的変化を示すものである。図11から明らかなようにインスリンリスプロを用いた時だけがグルコース濃度が対初期値に対し20%まで降下し、他のインスリンを用いた時はいずれも65%までの降下に過ぎなかった。
【0042】
これらに示した実験例より、高電場を極短時間負荷するエレクトロポレーションと低電場を長時間負荷するイオントフォレーシスを併用して、インスリンリスプロを投与したときのみが非常に高い吸収を得ることができ、高い薬効も確認された。イオントフォレーシスまたはエレクトロポレーションのどちらか一方では効果が無く、また両方を併用してもインスリンリスプロ以外のインスリンでは吸収が十分でなかった。
すなわち、本発明は、エレクトロポレーションおよびイオントフォレーシスとインスリンリスプロの組み合わせが、インスリンの経皮または経粘膜投与において著しく高い吸収性を得られることができることを見いだしてなされたものである。
【0043】
上述のエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤に用いられるの処方例を次の実施例3〜実施例7に示す。これらの処方により調製した組成物を、上述のエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤に添加し、投与製剤として用いることができる。
【0044】
(実施例3)
インスリンリスプロ(500ユニット溶液) 0.2mL
15%ポリビニルアルコール水性ゲル 1g
【0045】
(実施例4)
インスリンリスプロ(500ユニット溶液) 0.2mL
カルポキシメチルセルロースナトリウム 30mg
水 0.77g
【0046】
(実施例5)
インスリンリスプロ(500ユニット溶液) 0.2mL
寒天 10mg
ローカストギンガム 3mg
水 0.787g
【0047】
(実施例6)
インスリンリスプロ(500ユニット溶液) 0.2mL
キサンタンガム 3mg
ローカストギンガム 3mg
水 0.787g
【0048】
(実施例7)
インスリンリスプロ(500ユニット溶液) 0.2mL
ポリアクリル酸 50mg
水酸化アルミニウム 5mg
水 0.745g
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、インスリンの有効な経皮または経粘膜投与を可能にするインスリン投与装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインスリン投与装置の実施形態の一例を示す図である。
【図2】本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図3】本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の他の例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図4】本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の他の例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図5】本発明に係るエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤の他の例を示す図であり、(a)は適用面の平面図、(b)は導電層の平面図、(c)は多孔質膜部分断面図、(d)は全体断面図である。
【図6】本実施例に用いたエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は平面図である。
【図7】実施例1と比較例1、2の血中インスリンリスプロ濃度を示すグラフである。
【図8】実施例1と比較例1、2の血中グルコースレベルの推移を初期(投与前)の血糖値に対する投与後の血糖値の割合として示すグラフである。
【図9】実施例1と比較例3の血中インスリン濃度を示すグラフである。
【図10】実施例1と比較例3の血中グルコースレベルの推移を初期(投与前)の血糖値に対する投与後の血糖値の割合として示すグラフである。
【図11】実施例2と比較例4の血中インスリン濃度を示すグラフである。
【図12】実施例2と比較例4、5、6、7の血中グルコースレベルの推移を初期(投与前)の血糖値に対する投与後の血糖値の割合として示すグラフである。
【符号の説明】
111 エレクトロポレーション−イオントフォレーシス電源装置
112 イオントフォレーシス接続口
113 エレクトロポレーション接続口
114 イオントフォレーシスリファレンス製剤
115 エレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤
116 皮膚

Claims (19)

  1. 下記構造式
    Figure 0004033382
    で示されるインスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩(以下、「インスリンリスプロ類」という)を、少なくともイオントフォレーシスとエレクトロポレーションを用いて、経皮または経粘膜投与することを特徴とするインスリン投与装置。
  2. イオントフォレーシスの適用電流が、0.01〜1.0mA/cmであることを特徴とする請求項記載のインスリン投与装置。
  3. エレクトロポレーションの適用電圧が、1V/cm〜10kV/cmであることを特徴とする請求項または記載のインスリン投与装置。
  4. インスリンリスプロ類が、親水性マトリックスに溶解、懸濁または分散されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインスリン投与装置。
  5. 親水性マトリックスが、寒天、ローカストギンガム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール類並びにポリアクリル酸およびその塩類からなる群から選択される1またはそれ以上を含むことを特徴とする請求項の記載のインスリン投与装置。
  6. インスリンリスプロ類の放出制御膜を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインスリン投与装置。
  7. 放出制御膜上にエレクトロポレーション用の少なくとも1対の電極を有することを特徴とする請求項記載のインスリン投与装置。
  8. 放出制御膜が、多孔質膜により形成されていることを特徴とする請求項または記載のインスリン投与装置。
  9. インスリンリスプロ類が膜上に保持されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインスリン投与装置。
  10. インスリンリスプロ類が、膜上に乾燥状態で保持され、使用時その一部または全てを溶解させて使用することを特徴とする請求項記載のインスリン投与装置。
  11. エレクトロポレーション用電極の少なくとも1つの電極が、皮膚または粘膜に直接またはその近傍に設置されることを特徴とする請求項10のいずれかに記載のインスリン投与装置。
  12. インスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩を含むエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤と、イオントフォレーシスの対電極となるリファレンス製剤と、両製剤にそれぞれ接続された電源装置とを備えたことを特徴とするインスリン投与装置。
  13. 電源装置がイオントフォレーシス用の接続口とエレクトロポレーション用の接続口とを有することを特徴とする請求項12記載のインスリン投与装置。
  14. バッキングと、バッキングに配置されたイオントフォレーシス電極と、イオントフォレーシス電極上に配置され、インスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩を含むインスリンリスプロ含有層と、インスリンリスプロ含有層上に配置され異なる極の電極を有するエレクトロポレーション電極とを備えたことを特徴とするエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤。
  15. インスリンリスプロ含有層とエレクトロポレーション電極との間に、インスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩の放出を制御する放出制御膜を備えたことを特徴とする請求項14記載のエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤。
  16. 放出制御膜が、孔径として0.01〜10μmを有する多孔質膜であることを特徴とする請求項15記載のエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤。
  17. バッキングと、バッキングに配置されたイオントフォレーシス電極と、イオントフォレーシス電極上に配置された親水性マトリックス基剤と、親水性マトリックス基剤上に配置されたライナーと、ライナー上に配置され、インスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩を保持する保持膜と、保持膜上に配置され異なる極の電極を有するエレクトロポレーション電極とを備えたことを特徴とするエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤。
  18. インスリンリスプロまたはその薬学的に許容され得る塩が、保持膜に乾燥状態で保持されることを特徴とする請求項17記載のエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤。
  19. エレクトロポレーション電極が、多点接触型に形成されていることを特徴とする請求項1418のいずれかに記載のエレクトロポレーション−イオントフォレーシス製剤。
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