JP2007260082A - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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エミ 森
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夕里子 渡邉
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Abstract

【課題】通電時に、好ましくないガスやイオンの発生を抑制して薬物イオンの投与効率を向上させたイオントフォレーシス装置を提供する。
【解決手段】イオントフォレーシス装置10は、作用側電極構造体20と非作用側電極構造体40とを有し、作用側電極構造体20は、作用側電極24、セパレータ26、第2イオン選択性膜28、薬液保持部30、第1イオン選択性膜32を有し、作用側電極24は作用側集電体24Aと作用側分極性電極24Bとから構成され、非作用側電極構造体40は非作用側電極44、電極側電解液保持部46、先端側電解液保持部48、第3イオン選択性膜50を有し、非作用側電極44は、非作用側集電体44Aと非作用側分極性電極44Bとから構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬物イオンを、電圧を印加することによって生体に投与するためのイオントフォレーシス装置に関する。
上記のようなイオントフォレーシス装置としては、特許文献1に記載されるように、作用側電極構造体及び非作用側電極構造体を有し、作用側電極構造体のイオン交換膜から薬液イオンを、皮膚や粘膜に投与させるものがある。
この特許文献1に記載されるイオントフォレーシス装置における作用側電極構造体は、皮膚や粘膜との接触側から、第1イオン交換膜、薬液保持部、第2イオン交換膜、第1電解液保持部、作用側電極の順で積層して構成されている。
又、非作用側電極構造体は、皮膚や粘膜との接触側から、第4イオン交換膜、第3電解液保持部、第3イオン交換膜、第2電解液保持部及び非作用側電極をこの順で積層して構成されている。
この特許文献1に記載されるイオントフォレーシス装置では、薬液保持部の薬液と電解液とが、第2イオン交換膜によって区画されているため、電解液の組成を薬物と独立に選択することが可能であり、従って、通電により塩素イオンを発生しない電解液を使用することが可能であり、電解液中の電解質として、水の電気分解よりも酸化又は還元電位の低いものを選択することによって、水の電気分解に起因する酸素ガスや水素ガス、水素イオンや水酸基イオンの生成を抑制することが可能であるとされている。
又、複数種類の電解質を溶解させた緩衝電解液を使用することによって、水素イオンや水酸基イオンの生成によるpH変化を抑制することもでき、更に、このイオントフォレーシス装置では、薬物イオンの電解液保持部への移行が、第2イオン交換膜により遮断されるために、通電時の化学反応によって薬物が変質する問題が解決されるとしている。
しかしながら、上記のイオントフォレーシス装置においても、通電時における電極反応の抑制が不十分であり、この電極反応が生じると、電解液や薬物への通電量が低減され、その結果、酸素ガス、塩素ガス又は水素ガスなどの好ましくないガスの発生、あるいは水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの好ましくないイオンが発生してしまうことがあるという問題点が残る。
更に、この特許文献1記載のイオントフォレーシス装置では、装置を構成する部品数が多く、又、電解液保持部や薬液保持部は、例えばゲル状態とした場合でも、変形し易く、且つ含水率が高い状態での取り扱いが必要になることから、製造の自動化や大量生産化が困難であり、製造コストが高くなってしまうという問題点がある。
WO03037425号公報
この発明は、通電時における電極反応を抑制し、電極反応を低減させた状態で、電解液や薬物への通電をすることができるようにしたイオントフォレーシス装置を提供することを解決課題とする。又、製造の自動化や大量生産化が容易で、且つ、低コストで製造することができるイオントフォレーシス装置を提供することを解決課題とする。
即ち、以下のような実施例により上記課題を解決することができる。
(1)作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これら作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に接続された直流電源と、から構成され、前記作用側電極構造体に保持される薬物イオンを、前記直流電源からの電圧によって、生体に投与するためのイオントフォレーシス装置であって、前記作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性の陽極又は陰極に電気的に接続された作用側分極性電極を含む作用側電極と、この作用側分極性電極の前面に配置され、前記薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択性膜と、前記第2イオン選択性膜の前面に配置され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、前記薬液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる第1イオン選択性膜と、を有してなり、前記非作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと反対の極性の陽極又は陰極に電気的に接続された非作用側分極性電極を含む非作用側電極と、前記非作用側分極性電極の前面に配置され、電解液を保持する電解液保持部と、前記電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第3イオン選択性膜と、を有してなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
(2)前記作用側電極は、前記直流電源に接続された作用側集電体と、この作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記作用側分極性電極とから構成されていることを特徴とする(1)に記載のイオントフォレーシス装置。
(3)前記作用側分極性電極は、活性炭繊維により構成されていることを特徴とする(2)に記載のイオントフォレーシス装置。
(4)前記作用側分極性電極は、前記薬物を含有する粘性液体を活性炭繊維に含浸させて構成されていることを特徴とする(3)に記載のイオントフォレーシス装置。
(5)前記作用側分極性電極と前記第2イオン選択性膜との間に、両者の電気的接続を維持しつつ、直接の接触を防止するためのセパレータを介在させたことを特徴とする(1)乃至(4)に記載のイオントフォレーシス装置。
(6)前記セパレータは、前記薬物を含有する粘性液体を不織布に含浸させて構成されたことを特徴とする(5)に記載のイオントフォレーシス装置。
(7)前記薬液保持部は、前記薬物イオンとなる薬物を含有する粘性液体を不織布に含浸させて構成されたことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(8)前記第1イオン選択性膜の前面に、前記薬物を含有する粘性液体を塗布して形成された作用側生体接触部を設けたことを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(9)前記非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記非作用側分極性電極とから構成されていることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(10)前記非作用側分極性電極は、活性炭繊維により構成されていることを特徴とする(9)に記載のイオントフォレーシス装置。
(11)前記非作用側電極における前記非作用側分極性電極は、前記電解液を含む粘性液体を前記活性炭繊維に含浸させて構成されたことを特徴とする(10)に記載のイオントフォレーシス装置。
(12)前記電解液保持部は、電解液を含有する粘性液体を不織布に含浸させて構成されたことを特徴とする(1)乃至(11)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(13)前記電解液保持部は、 前記非作用側分極性電極の前面に配置された電極側電解液保持部と、この電極側電解液保持部の前面に配置された先端側電解液保持部と、から構成されたことを特徴とする(1)乃至(12)のいずれかの記載のイオントフォレーシス装置。
(14)前記第3イオン選択性膜の前面に、前記電解液保持部に保持されている電解液と同一の電解液を含む粘性液体を塗布して形成された非作用側生体接触部を設けたことを特徴とする(1)乃至(13)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(15)前記第2イオン選択性膜と第1イオン選択性膜との間に、シート状の先端支持体を設けてなり、前記先端支持体は、前記第2イオン選択性膜と第1イオン選択性膜の平面形状における外形よりもやや小さい形状の作用側先端貫通孔を有し、前記薬液保持部は、前記作用側先端貫通孔内に配置されると共に、前記第2イオン選択性膜と第1イオン選択性膜との間に、その厚さ方向両側から挟持されていることを特徴とする(1)乃至(14)に記載のイオントフォレーシス装置。
(16)前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、前記中間支持体は、前記第2イオン選択性膜の平面形状における外形よりもやや小さい形状の作用側中間貫通孔を有し、且つ、この作用側中間貫通孔の周囲が、前記第2イオン選択性膜の外周に接触していることを特徴とする(1)乃至(14)のいずれかにに記載のイオントフォレーシス装置。
(17)前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、前記中間支持体は、前記第2イオン選択性膜の平面形状における外形よりもやや小さい形状の作用側中間貫通孔を有し、且つ、前記先端支持体との間に、前記第2イオン選択性膜の外周を挟持していることを特徴とする(15)に記載のイオントフォレーシス装置。
(18)前記作用側電極の後側に、シート状の基端支持体を設け、この基端支持体と前記中間支持体との間に、前記作用側電極を挟持したことを特徴とする(16)又は(17)に記載のイオントフォレーシス装置。
(19)前記作用側電極は、前記直流電源に接続された作用側集電体と、この作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記作用側分極性電極とから構成され、前記作用側分極性電極が、前記中間支持体における前記作用側中間貫通孔内に配置されていることを特徴とする(18)に記載のイオントフォレーシス装置。
(20)前記電解液保持部は、前記非作用側分極性電極の前面に配置された電極側電解液保持部と、この電極側電解液保持部の前面に配置された先端側電解液保持部と、から構成され、前記先端支持体に、前記第3イオン選択性膜と電極側電解液保持部の平面形状よりもやや小さい形状の非作用側先端貫通孔を設け、この先端支持体の前面に、前記第3イオン選択性膜を、後面に前記電極側電解液保持部をそれぞれ配置し、前記先端側電解液保持部を、前記非作用側先端貫通孔内に配置すると共に、その厚さ方向両側から前記電極側電解液保持部と第3イオン選択性膜との間に挟持していることを特徴とする(15)乃至(19)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(21)前記非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記非作用側分極性電極とから構成され、前記非作用側集電体が、前記基端支持体と中間支持体との間に挟持されたことを特徴とする(18)に記載のイオントフォレーシス装置。
(22)前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、前記電解液保持部は、前記非作用側分極性電極の前面に配置された電極側電解液保持部と、この電極側電解液保持部の前面に配置された先端側電解液保持部と、から構成され、前記非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記非作用側分極性電極とから構成され、前記中間支持体に前記電極側電解液保持部の平面形状よりもやや小さい形状の非作用側中間貫通孔を設け、前記非作用側分極性電極を、前記非作用側中間貫通孔内に配置し、且つ、前記非作用側集電体と電極側電解液保持部とにより挟持したことを特徴とする(15)乃至(21)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(23)前記作用側電極は、作用側集電体及びこれに電気的に接続する前記作用側分極性電極からなり、非作用側電極は、非作用側集電体及びこれに電気的に接続する前記非作用側分極性電極からなり、前記作用側集電体及び非作用側集電体は、一枚の樹脂シートの前面に、相互に隙間をもって形成された導電性材料からなることを特徴とする(1)乃至(22)のいずれかに記載のイオントフォレーシス装置。
(24)前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、前記樹脂シートを含む樹脂シート側部材と前記中間支持体とを、前記作用側集電体と非作用側集電体との中間位置で、これらを隔絶する範囲で接着したことを特徴とする(23)に記載のイオントフォレーシス装置。
(25)前記樹脂シートには、前記作用側集電体に接続される作用側導線及び非作用側集電体に接続される非作用側導線が、炭素を含む膜及び金属膜の一方により形成されていることを特徴とする(23)又は(24)に記載のイオントフォレーシス装置。
(26)前記先端支持体の両面における、前記作用側先端貫通孔の周囲には、第1イオン選択性膜及び第2イオン選択性膜の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び深さの段差部が形成されたことを特徴とする(15)に記載のイオントフォレーシス装置。
(27)前記中間支持体の前面における、前記作用側中間貫通孔の周囲には、前記第2イオン選択性膜の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び深さの段差部が形成されたことを特徴とする(16)に記載のイオントフォレーシス装置。
(28)前記先端支持体の両面における、前記非作用側先端貫通孔の周囲には、第3イオン選択性膜及び電極側電解液保持部の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び深さの段差部が形成されたことを特徴とする(20)に記載のイオントフォレーシス装置。
(29)前記中間支持体の前面における、前記非作用側中間貫通孔の周囲には、電極側電解液保持部の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び厚さの段差部が形成されたことを特徴とする(22)に記載のイオントフォレーシス装置。
この発明においては、作用側電極を、作用側分極性電極を含んで構成し、且つ、非作用側電極を、非作用側分極性電極を含んで構成しているので、通電時の電極反応がなく、あるいは低減され、塩素ガスなどの好ましくないガスの発生、水素イオンなどの好ましくないイオンの発生を抑制し、薬物イオンの投与効率を増大させることができる。
次に、図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態の例に係るイオントフォレーシス装置10について詳細に説明する。
このイオントフォレーシス装置10は、直流電源12と、この直流電源12の陽極及び陰極の一方に接続された作用側電極構造体20及び他方に接続された非作用側電極構造体40とから構成され、作用側電極構造体20に保持される薬物イオンを、直流電源12からの電圧によって生体に投与するものである。
このイオントフォレーシス装置10において、作用側電極構造体20及び非作用側電極構造体40は、薬液保持部等の構成部材を、重ね合わせた、いずれも樹脂シートからなる基端支持体14と中間支持体16との間に挟持し、あるいは中間支持体16及び先端支持体部18に形成される貫通孔に収納して構成されている。基端支持体14と中間支持体16とは同一の大きさとされ、又、先端支持体18はこれらより大きく形成されている。
基端支持体14、中間支持体16及び先端支持体18は、いずれも図4において下側面に粘着層14A、16A、18Aが設けられていて、相互に粘着されるとともに、先端支持体18の粘着層18Aは、皮膚又は粘膜に粘着するようにされている。
ここで、中間支持体16は、作用側電極構造体20の一部、及び、非作用側電極構造体40の一部を構成する一枚のシート状部材とされている。
同様に、先端支持体18は、作用側電極構造体20の一部、及び、非作用側電極構造体40の一部を構成する一枚のシート状部材とされている。
作用側電極構造体20は、直流電源12における薬物イオンと同種の極性の、陽極又は陰極に接続された作用側電極24と、この作用側電極24の前面に配置されたセパレータ26と、このセパレータ26の前面に配置され、薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択性膜28と、この第2イオン選択性膜28の前面に配置され、薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部30と、薬液保持部30の前面に配置され、薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる第1イオン選択性膜32と、この第1イオン選択性膜32の前面に、薬物と同一の薬物を含む粘性液体を塗布して形成された作用側生体接触部34とを、この順で積層して構成されている。
作用側電極24は、直流電源12に接続され、且つ、樹脂シート36の前面に印刷により形成された膜状の炭素からなる作用側集電体24Aと、この作用側集電体24Aの前面に電気的に接続して配置された作用側分極性電極24Bとから構成されている。
なお、「電気的に接続」とは、直接接触している場合のみでなく、導電体、例えば導電性接着剤等を介して接続する場合も含むものである(以下同じ)。
中間支持体16は、作用側分極性電極24Bとほぼ等しい厚さの樹脂材料からなり、且つ、この作用側分極性電極24Bの平面形状における外形とほぼ同一形状の作用側中間貫通孔21Aを有し、作用側分極性電極24Bは、作用側中間貫通孔21A内に収納されている。
又、先端支持体18は、薬液保持部30とほぼ等しい厚さの樹脂材料からなり、作用側分極性電極24Bの平面形状における外形とほぼ同一形状の作用側先端貫通孔22Aを有し、この作用側先端貫通孔22A内に、薬液保持部30が収納されている。
非作用側電極構造体40は、基端支持体14側から、直流電源12における、薬物イオンと反対の極性の、陽極又は陰極に接続された非作用側電極44と、この非作用側電極44の前面に配置され、電解液を保持する電極側電解液保持部46と、同様の電解液を保持する先端側電解液保持部48と、薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第3イオン選択性膜50と、先端側電解液保持部48に保持されている電解液と同一の電解液を含む粘性液体を塗布して形成された非作用側生体接触部52とを、この順で積層して構成されている。
非作用側電極44は、樹脂シート36の前面に、作用側電極24の作用側集電体24Aと離間して膜状に印刷された炭素を含む材料からなる非作用側集電体44Aと、この非作用側集電体44Aに接触して設けられた非作用側分極性電極44Bとから構成されている。
非作用側分極性電極44Bは、中間支持体16と等しい厚さとされ、これに形成された非作用側中間貫通孔41Aに収納されている。又、先端側電解液保持部48は、先端支持体18と等しい厚さとされ、先端支持体18に形成された非作用側先端貫通孔42Aに収納されている。
この実施例において、貫通孔22A、21A、41A、42Aはいずれも円形とされ、更に、作用側電極24、セパレータ26、第2イオン選択性膜28、薬液保持部30、第1イオン選択性膜32及び作用側生体接触部34も、円形膜状あるいはシート状とされている。
同様に、非作用側電極44、電極側電解液保持部46、先端側電解液保持部48、第3イオン選択性膜50及び非作用側生体接触部52も、円形の膜あるいはシート状とされている。
図2、図3に拡大して示されるように、樹脂シート36には、作用側電極24における作用側集電体24A及び非作用側電極44における非作用側集電体44Aに、連続的に膜状に印刷して形成された炭素を含む材料からなる作用側導線19A及び非作用側導線19Bがそれぞれ接続されている。
これらの作用側導線19A及び非作用側導線19Bは、その先端においてコネクタ19Cを介して直流電源12に接続されている。又、作用側導線19A及び非作用側導線19Bの樹脂シート36と反対側面には、例えばポリイミドフィルムからなる絶縁フィルム19Dが粘着されている。この絶縁フィルム19Dは、作用側導線19A及び非作用側導線19Bの、樹脂シート36と接触する範囲及び樹脂シート36からの突出部分の一定範囲を覆う長さとされている。
この実施形態においては、図1、図4に示されるように、円形の各部材を作用側電極構造体20と非作用側電極構造体40のそれぞれにおいて厚さ方向に重ねて配置し、図5に示されるように一体的にして、イオントフォレーシス装置10が構成されている。
ここで、中間支持体16の作用側及び非作用側中間貫通孔21A、41Aには、それぞれ作用側分極性電極24B及び非作用側分極性電極44Bが収納された状態で、その上下から他の部材によって挟み込まれ、同様に、先端支持体18における作用側及び非作用側先端貫通孔22A、42Aにも、薬液保持部30及び先端側電解液保持部48がそれぞれ収納された状態で、その上下から他の部材によって挟み込まれ、更に、基端支持体14と中間支持体16との間及び中間支持体16と先端支持体18との間の部材がそれぞれこれらによって挟み込まれて位置決め固定されるようになっている。
作用側電極24及び非作用側電極44における作用側集電体24A及び非作用側集電体44Aの外径は、作用側及び非作用側中間貫通孔21A、41Aの直径よりもやや大きく、これらの外周部分が、基端支持体14と中間支持体16との間に挟み込まれるようにされている。
図4の符号56は接着剤を示し、この接着剤56は、絶縁フィルム19Dにおける作用側及び非作用側集電体24A、44Aの間の中間部分を横断して配置され、絶縁フィルム19Dと中間支持体16を接着し、絶縁フィルム19Dと中間支持体16との間を作用側と非作用側とに隔絶させるものである。
又、図1の符号58は作用側生体接触部34及び非作用側生体接触部52を覆って先端支持体18の前面に剥離可能に取り付けられたリリースライナーを示す。
次に、上記各構成要素の材料、成分等について説明する。
この実施形態において、薬液保持部30は、PP(ポリプロピレン)不織布に薬物を含む粘性液体を含浸させて構成されている。又、薬液保持部30に含浸された薬物は、水等の溶媒に溶解するなどにより薬効成分が陽又は陰のイオン(薬物イオンに解離する薬剤(薬剤の前駆体を含む))を含有し、薬効成分が陽のイオンに解離する薬剤としては、麻酔薬である塩酸リドカイン、麻酔薬である塩酸モルヒネ等を例示することができ、薬効成分がマイナスのイオンに解離する薬剤としては、ビタミン剤であるアスコルビン酸等を例示することができる。
又、上記の他に、ホルモン、DNA、RNA、蛋白質、アミノ酸、ミネラル類、リポソームも含むものとする。
非作用側電極構造体40における電極側電解液保持部46は、PP不織布に電解液(詳細後述)を含む粘性液体を含浸させたものである。又、先端側電解液保持部48も、PP不織布に同様の電解液を含む粘性液体を含浸させたものである。
電極側電解液保持部46及び先端側電解液保持部48に用いられる電解液は電解質を主成分とし、この電解質は、水の電解反応(陽極での酸化及び陰極での還元)よりも酸化又は還元され易い電解質、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)やアスコルビン酸ナトリウム等の医薬剤、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸及び/又はその塩を使用することが特に好ましく、これにより酸素ガスや水素ガスの発生を抑制することが可能であり、又、溶媒に溶解した際に緩衝電解液となる組合せの複数種の電解質を配合することにより、通電中におけるpHの変動を抑制することができる。
上記のような薬物あるいは電解液を含む粘性液体は、例えば水(イオン交換水)に、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)(例えば日本曹達(株)のH−Type)、あるいは、水に溶けないセルロースを化学的に処理して水溶性の高分子としたメトローズ(例えば信越化学工業(株)の90SH−10000SR)等の粘着性材料を2質量%以上混合して製造することができる。
作用側電極24における作用側分極性電極24B及び非作用側電極44における非作用側分極性電極44Bは、共に、活性炭、好ましくは炭素繊維又は炭素繊維紙により形成されている導電性基材を主成分として構成されている。作用側及び非作用側分極性電極24B、44Bとして、活性炭繊維のみを用いる場合は、活性炭繊維からなる布及びフェルトを組み合わせて層を形成すると良い。又、導電性基材に対して、例えばバインダーポリマー中に活性炭を分散させた層を積層させても良い。上記活性炭は比表面積が10m/g以上のものを用いてもよい。
作用側分極性電極24Bには、薬液保持部30に保持されている薬物と同一の薬物を含む粘性液体が含浸され、又、非作用側分極性電極44Bには、電極側電解液保持部46に保持される電解液と同一の電解液を含む粘性液体が含浸されている。
作用側電極24における作用側集電体24A及び非作用側電極44における非作用側集電体44Aは、共に、PET(ポリエチレンテレフタレート)素材に炭素と接着剤とを混ぜたものを印刷して形成されている。
なお、作用側集電体24A、非作用側集電体44Aの材料としては導電性を有するものであればよく、炭素以外に、金、白金、銀、銅、亜鉛等の導電性の金属を用いても良い。又、印刷によることなく、炭素、金等の導電性素材そのものを集電体としても良い。又、作用側導線19A、非作用側導線19Bの材料についても同様である。
セパレータ26は、PP不織布に、薬液保持部30に保持された薬物と同一の薬物を含有する粘性液体を含浸させたものであり、作用側分極性電極24Bと第2イオン選択性膜28との間に介在させることによって、両者の物理的な接触を防止するものである。
第1イオン選択性膜32は、薬物イオンと同一符号のイオンを選択的に通過させるようにイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含んで構成されている。即ち、第1イオン選択性膜32は、薬液保持部30の薬液がカチオンに解離するときは陽イオン交換樹脂を含み、アニオンに解離するときは陰イオン交換樹脂を含んでいる。
第2イオン選択性膜28は、薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させるようにイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含有して構成されている。即ち、第2イオン選択性膜28は、薬液保持部30の薬液がカチオンに解離するときは陰イオン交換樹脂を含み、アニオンに解離するときは陽イオン交換樹脂を含んでいる。
第3イオン選択性膜50は、第2イオン選択性膜28と同様に、薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させるようにイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含んで構成されている。即ち、第3イオン選択性膜50は、薬液保持部30の薬液がカチオンに解離するときは陰イオン交換樹脂を含み、アニオンに解離するときは陽イオン交換樹脂を含んでいる。
上記陽イオン交換樹脂としては、ポリスチレン樹脂やアクリル酸系樹脂等の炭化水素系樹脂やパーフルオロカーボン骨格を有するフッ素系樹脂等の3次元的な網目構造を持つ高分子に、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等の陽イオン交換基(対イオンが陽イオンである交換基)が導入されたイオン交換樹脂が制限無く使用することができる。
又、上記陰イオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂と同様の3次元的な網目構造を持つ高分子に、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピルジル基、イミダゾール基、4級ピリジウム基、4級イミダゾリウム基等の陽イオン交換基(対イオンが陰イオンである交換基)が導入されたイオン交換樹脂が制限無く使用できる。
作用側生体接触部34は、薬液保持部30に含浸されているものと同一の粘性液体を、第1イオン選択性膜32の前面に塗布して構成されている。又、非作用側生体接触部52は、先端側電解液保持部48に用いられた電解液と同一の電解液を含有する粘性液体を第3イオン選択性膜50の前面に塗布して構成されている。なお、これらの塗布された粘性液体の上に、リリースライナー58を貼り付けることによって、粘性液体が拡がってしまうことを抑制するため、塗布量は各々7μLと少な目にするのが良い。
イオントフォレーシス装置10の組立時には、図1あるいは図4に示される状態で、各構成部材を配置して積層し、あるいは、貫通孔に収納し、リリースライナー58上に、基端支持体14、中間支持体16、先端支持体18を順次重ねて、これらを粘着層16A、14Aにより粘着して固定し、組立を完了する。
直流電源12としては、ボタン電池、あるいは、例えば特開平11−067236号公報、米国特許公開公報2004/0185667A1号公報、米国特許第6855441号公報等に開示される薄型の電池を使用することができ、本実施形態の構造に限定されるものでない。
次に、イオントフォレーシスによって投与すべき薬物を塩酸リドカインとした場合のイオントフォレーシス装置10における各構成部分の具体例について説明する。
基端支持体14、中間支持体16、先端支持体18は、それぞれ厚さ約1mmの発泡ポリウレタンシートを用いた。
作用側集電体24A及び非作用側集電体44AはPET素材に炭素と接着剤を混ぜたものを印刷した印刷電極とした。又、直径17mmの円形で、厚さ1.0mmの活性炭繊維からなる活性炭繊維層を構成した。この活性炭繊維層に水とHPC及び塩酸リドカインを混合した粘性液体を含浸させて作用側分極性電極24Bとした。又、活性炭繊維層に、水とHPC及びNaClを混合した粘性液体を含浸させて非作用側分極性電極44Bを構成した。各々の重量は120〜125mgとした。
セパレータ26は、直径18mm、厚さ0.1mmのPP不織布から構成して、水にHPC及び塩酸リドカインを混合した粘性液体を含浸させた。第2イオン選択性膜28は、直径21mm、厚さ30μmのアニオン交換膜とした。
薬液保持部30は、厚さ1.0mm、直径17mmのPP不織布に水とHPC及び塩酸リドカインを混合した粘性液体を含浸させたものであり、重量は250〜320mgとした。
第1イオン選択性膜32は、厚さ30μm、直径19mmのカチオン交換膜とした。この第1イオン選択性膜32の面積は、電流値を考慮して決定する。例えば電流値が1mAの場合は、直径19mmで、電流密度が0.35mA/cmとなる。ここでは、薬効のあるカチオン(リドカイン)をイオン交換基に置換しておく。
作用側生体接触部34は、水にHPC及び塩酸リドカインを混合した粘性液体を第1イオン選択性膜32に塗布したものであり、塗布量は7−25μLとした。
非作用側電極構造体40における電極側電解液保持部46は、非作用側分極性電極44Bで用いたと同一のNaClを含有する粘着液体をPP不織布に含浸した構成とし、直径18mm、厚さ100μmとした。又、先端側電解液保持部48は、直径が17mm、厚さ1mmのPP不織布に前記と同様の粘性液体を含浸させたものであり、重量は250〜320mgとした。又、イオン選択性膜50は、厚さ30μm、直径21mmとし、塩化物イオンをイオン交換基に置換されたアニオン交換膜とした。
非作用側生体接触部52は、前記と同様の粘性液体をイオン選択性膜50に塗布したものである。
次に本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係るイオントフォレーシス装置10においては、各々1枚のシート状材料からなる中間支持体16及び先端支持体18に形成された貫通孔内に、作用側電極構造体及び非作用側電極構造体のそれぞれ一部を構成する薬液保持部や電解液保持部あるいは電極の一部である分極性電極を収納して、且つ、これらを他の膜や部材によって挟み込んで支持すると共に、これら中間支持体16と先端支持体18及び基端支持体14との間に挟み込んで位置決め固定し、作用側電極構造体20及び非作用側電極構造体40を一体的に同時に構成することができる。
又、イオントフォレーシス装置10の製造に際しては、先端支持体18及び中間支持体16に形成された貫通孔とほぼ同一形状の分極性電極、イオン選択性膜、薬液保持部、電解液保持部等を重ねるのみであるので、製造が容易であり、且つ大量生産が可能である。
又、このイオントフォレーシス装置10において、作用側電極24及び非作用側電極44は、共に、集電体と分極性電極から構成されているので、従来のイオントフォレーシス装置における通電時の電極反応を生じることがなく、あるいはそのような電極反応を低減させた状態で、電解液や薬物への通電をすることができ、その結果、酸素ガス、塩素ガス又は水素ガス等のガスの発生、あるいは水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸等の好ましくないイオンの発生を抑止し、あるいは低減させることができる。
又、このイオントフォレーシス装置10において、中間支持体16の作用側及び非作用側中間貫通孔21A、41Aに、それぞれ作用側分極性電極24Bと非作用側分極性電極44Bを、厚さ方向に圧縮されないように収納しているので、これらが、活性炭繊維層に薬物あるいは電解液を含む粘性液体を含浸させた構成であっても、外力によって圧迫されて、含浸された薬物、電解液が漏出し難くなる。同様に、作用側先端貫通孔22Aに収納された薬液保持部30の薬物、及び非作用側先端貫通孔42Aに収納された先端側電解液保持部48の電解液が外力によって漏出し難くなる。
又、この実施形態において、作用側導線19A及び非作用側導線19Bは、作用側電極24の一部を構成する作用側集電体24A及び非作用側電極44の一部を構成する非作用側集電体44Aと共に炭素を含む材料を印刷して形成されているが、特にこの構成に限定されるものではない。これら作用側導線19A及び非作用側導線19Bをそれぞれ、例えば銀等の金属膜から構成することにより、樹脂シート36から剥がれ難く、且つ抵抗を低くすることができ、又、樹脂シート36を湾曲させることもできる。この場合、作用側集電体24A及び非作用側集電体44Aから、作用側導線19A及び非作用側導線19Bへの接続部を、図6に示されるようにテーパ面25、45とすると良い。
中間支持体16に対して、基端支持体14は、絶縁フィルム19Dの部分では粘着しないので、これらの間に分極性電極に含浸された薬物又は電解液が浸入することによって作用側電極24と非作用側電極44が導通してしまう可能性があるが、この実施形態においては、接着剤56によって、作用側集電体24Aと非作用側集電体44Aの間の位置で、絶縁フィルム19Dを中間支持体16の図において上面に接着させて、作用側電極24と非作用側電極44との間を隔絶して、両者の導通を防止している。
又、上記作用側電極構造体20において、セパレータ26が設けられているが、これは、作用側分極性電極24Bと第2イオン選択性膜28との直接的な接触を防止し、通電時に第2イオン選択性膜28の近傍において塩素ガスなどの気泡が発生し、これにより電極構造体内における通電性が損なわれることを防止するためのものであり、他の手段によって直接接触を防止できる場合は不要である。また、作用側分極性電極24Bと第2イオン選択性膜28とが直接的に接触したとしても、通電時に第2イオン選択性膜28の近傍において塩素ガスなどの気泡が発生しない場合には、セパレータ26などの両者の直接接触を防止するための手段は不要である。
更に、電極側電解液保持部46と先端側電解液保持部48とは、PP不織布に、電解液を含む粘性液体を含浸させた構成において共通であるので、一体的に構成しても良い。
又、作用側生体接触部34及び非作用側生体接触部52は、第1イオン選択性膜32及び第3イオン選択性膜50のそれぞれが、生体の皮膚や粘膜に十分に接触することができるものであれば必ずしも設ける必要は無い。
更に、上記実施形態において、作用側電極構造体及び非作用側電極構造体は、先端支持体、中間支持体及び基端支持体に形成された貫通孔に薬液保持部を配置したり、又、これらの支持体の間に膜を挟持したりする構成であるが、本発明はこれに限定されるものでなく、先端支持体、中間支持体、基端支持体を用いることなく、例えば、ケース状のバッキング材の中に、薬液保持部、電解液保持部、イオン選択性膜などを重ねて配置するようにした構成であってもよい。
更に又、作用側及び非作用側電極、薬液保持部、イオン選択性膜、第1〜第4貫通孔は円形とされているが、本発明はこれに限定されるものでなく、4角形、あるいは6角形等の形状であってもよい。
更に、作用側及び非作用側分極性電極24B、44Bは、必ずしも、薬物や電解液を含浸させなくてもよい。
又、作用側及び非作用側導線19A、19Bの樹脂シート36と反対側面が絶縁フィルム19Dによって覆われているが、本発明はこれに限定されるものでなく、絶縁フィルム19Dを設けない場合にも適用されるものである。この場合、接着剤56は、樹脂フィルム36と中間支持体16とを接着させるものとなる。要するに、接着剤56は、樹脂フィルム36側の部材と中間支持体16とを接着させるものであればよい。
次に、図7に示される本発明の第2実施形態に係るイオントフォレーシス装置60について説明する。
このイオントフォレーシス装置60は、中間支持体16と先端支持体18との間に挟み込まれた各部材や、先端支持体18の前面に配置された部材が面方向に位置ずれを生じないように、貫通孔22A、21A、41A及び42Aの両面又は片面に、接触する部材が入り込む段差部を形成したものである。
具体的には、先端支持体18の両面における、作用側先端貫通孔22Aの周囲には、第1イオン選択性膜32及び第2イオン選択性膜28の外径及び厚さとほぼ等しい外径及び深さの段差部22B、22Cがそれぞれ形成されている。又、先端支持体18の前面における非作用側先端貫通孔42Aの周囲には、第3イオン選択性膜50の外径及び厚さにほぼ等しい外径及び深さの段差部42Bが設けられている。
中間支持体16の前面における、作用側中間貫通孔21Aの周囲には、セパレータ26の外径及び厚さにほぼ等しい外径及び深さの段差部21Bが形成されていて、更に、非作用側中間支持体41の前面における非作用側中間貫通孔41Aの周囲には、電極側電解液保持部46の外径及び厚さにほぼ等しい外径及び深さの段差部41Bが形成されている。
このイオントフォレーシス装置60においては、上記段差部以外の構成は、イオントフォレーシス装置10と同一であるので、同一構成部分には同一の符号を付することにより説明を省略するものとする。
このイオントフォレーシス装置60は、貫通孔の両面又は片面に、対応する層あるいは膜等とほぼ外形、厚さが等しい段差部が形成されているので、組立過程及び組立状態で、これら各層、膜がずれることが無い。
本発明の実施の形態に係るイオントフォレーシス装置を示す分解斜視図 同イオントフォレーシス装置における作用側電極及び非作用側電極部分を拡大して示す平面図 図2のIII−III線に沿う拡大断面図 同イオントフォレーシス装置を示す分解断面図 同イオントフォレーシス装置の組立状態を示す断面図 イオントフォレーシス装置における作用側及び非作用側集電体に接続される作用側及び非作用側導線の変形例を示す図3と同様の断面図 本発明の実施の形態の第2例に係るイオントフォレーシス装置を示す分解断面図
符号の説明
10、60…イオントフォレーシス装置
12…直流電源
14…基端支持体
16…中間支持体
18、62、64…先端支持体
19A…作用側導線
19B…非作用側導線
20…作用側電極構造体
21A…作用側中間貫通孔
21B…段差部
22A…作用側先端貫通孔
22B、22C…段差部
24…作用側電極
24A…作用側集電体
24B…作用側分極性電極
25、45…テーパ面
26…セパレータ
28…第2イオン選択性膜
30…薬液保持部
32…第1イオン選択性膜
34…作用側生体接触部
36…樹脂シート
40…非作用側電極構造体
41A…非作用側中間貫通孔
41B…段差部
42A…非作用側先端貫通孔
42B…段差部
44…非作用側電極
44A…非作用側集電体
44B…非作用側分極性電極
46…電極側電解液保持部
48…先端側電解液保持部
50…第3イオン選択性膜
52…非作用側生体接触部
56…接着剤
58…リリースライナー

Claims (29)

  1. 作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これら作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に接続された直流電源と、から構成され、前記作用側電極構造体に保持される薬物イオンを、前記直流電源からの電圧によって、生体に投与するためのイオントフォレーシス装置であって、
    前記作用側電極構造体は、
    前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性の陽極又は陰極に電気的に接続された作用側分極性電極を含む作用側電極と、
    この作用側分極性電極の前面に配置され、前記薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択性膜と、
    前記第2イオン選択性膜の前面に配置され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、
    前記薬液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる第1イオン選択性膜と、
    を有してなり、
    前記非作用側電極構造体は、
    前記直流電源における、前記薬物イオンと反対の極性の陽極又は陰極に電気的に接続された非作用側分極性電極を含む非作用側電極と、
    前記非作用側分極性電極の前面に配置され、電解液を保持する電解液保持部と、
    前記電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと反対符号のイオンを選択的に通過させる第3イオン選択性膜と、
    を有してなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 請求項1において、
    前記作用側電極は、前記直流電源に接続された作用側集電体と、この作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記作用側分極性電極とから構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  3. 請求項2において、
    前記作用側分極性電極は、活性炭繊維により構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  4. 請求項3において、
    前記作用側分極性電極は、前記薬物を含有する粘性液体を前記活性炭繊維に含浸させて構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記作用側分極性電極と前記第2イオン選択性膜との間に、両者の電気的接続を維持しつつ、直接の接触を防止するためのセパレータを介在させたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  6. 請求項5において、
    前記セパレータは、前記薬物を含有する粘性液体を不織布に含浸させて構成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記薬液保持部は、前記薬物イオンとなる薬物を含有する粘性液体を不織布に含浸させて構成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記第1イオン選択性膜の前面に、前記薬物を含有する粘性液体を塗布して形成された作用側生体接触部を設けたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記非作用側分極性電極とから構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  10. 請求項9において、
    前記非作用側分極性電極は、活性炭繊維により構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  11. 請求項10において、
    前記非作用側電極における前記非作用側分極性電極は、前記電解液を含む粘性液体を前記活性炭繊維に含浸させて構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    前記電解液保持部は、電解液を含有する粘性液体を不織布に含浸させて構成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかにおいて、
    前記電解液保持部は、
    前記非作用側分極性電極の前面に配置された電極側電解液保持部と、
    この電極側電解液保持部の前面に配置された先端側電解液保持部と、から構成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかにおいて、
    前記第3イオン選択性膜の前面に、前記電解液保持部に保持されている電解液と同一の電解液を含む粘性液体を塗布して形成された非作用側生体接触部を設けたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかにおいて、
    前記第2イオン選択性膜と第1イオン選択性膜との間に、シート状の先端支持体を設けてなり、
    前記先端支持体は、前記第2イオン選択性膜と第1イオン選択性膜の平面形状における外形よりもやや小さい形状の作用側先端貫通孔を有し、
    前記薬液保持部は、前記作用側先端貫通孔内に配置されると共に、前記第2イオン選択性膜と第1イオン選択性膜との間に、その厚さ方向両側から挟持されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  16. 請求項1乃至14のいずれかにおいて、
    前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、
    前記中間支持体は、前記第2イオン選択性膜の平面形状における外形よりもやや小さい
    形状の作用側中間貫通孔を有し、且つ、この作用側中間貫通孔の周囲が、前記第2イオン選択性膜の外周に接触していることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  17. 請求項15において、
    前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、
    前記中間支持体は、前記第2イオン選択性膜の平面形状における外形よりもやや小さい
    形状の作用側中間貫通孔を有し、且つ、前記先端支持体との間に、前記第2イオン選択性膜の外周を挟持していることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  18. 請求項16又は17において、
    前記作用側電極の後側に、シート状の基端支持体を設け、この基端支持体と前記中間支持体との間に、前記作用側電極を挟持したことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  19. 請求項18において、
    前記作用側電極は、前記直流電源に接続された作用側集電体と、この作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記作用側分極性電極とから構成され、
    前記作用側分極性電極が、前記中間支持体における前記作用側中間貫通孔内に配置されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  20. 請求項15乃至19のいずれかにおいて、
    前記電解液保持部は、
    前記非作用側分極性電極の前面に配置された電極側電解液保持部と、
    この電極側電解液保持部の前面に配置された先端側電解液保持部と、から構成され、
    前記先端支持体に、前記第3イオン選択性膜と電極側電解液保持部の平面形状よりもやや小さい形状の非作用側先端貫通孔を設け、この先端支持体の前面に、前記第3イオン選択性膜を、後面に前記電極側電解液保持部をそれぞれ配置し、
    前記先端側電解液保持部を、前記非作用側先端貫通孔内に配置すると共に、その厚さ方向両側から前記電極側電解液保持部と第3イオン選択性膜との間に挟持していることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  21. 請求項18において、
    前記非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記非作用側分極性電極とから構成され、
    前記非作用側集電体が、前記基端支持体と中間支持体との間に挟持されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  22. 請求項15乃至21のいずれかにおいて、
    前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、
    前記電解液保持部は、
    前記非作用側分極性電極の前面に配置された電極側電解液保持部と、
    この電極側電解液保持部の前面に配置された先端側電解液保持部と、から構成され、
    前記非作用側電極は、前記直流電源に接続された非作用側集電体と、この非作用側集電体の前面に電気的に接続して配置された前記非作用側分極性電極とから構成され、
    前記中間支持体に前記電極側電解液保持部の平面形状よりもやや小さい形状の非作用側中間貫通孔を設け、前記非作用側分極性電極を、前記非作用側中間貫通孔内に配置し、且つ、前記非作用側集電体と電極側電解液保持部とにより挟持したことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  23. 請求項1乃至22のいずれかにおいて、
    前記作用側電極は、作用側集電体及びこれに電気的に接続する前記作用側分極性電極からなり、非作用側電極は、非作用側集電体及びこれに電気的に接続する前記非作用側分極性電極からなり、前記作用側集電体及び非作用側集電体は、一枚の樹脂シートの前面に、相互に隙間をもって形成された導電性材料からなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  24. 請求項23において、
    前記第2イオン選択性膜の後側にシート状の中間支持体を設けてなり、
    前記樹脂シートを含む樹脂シート側部材と前記中間支持体とを、前記作用側集電体と非作用側集電体との中間位置で、これらを隔絶する範囲で接着したことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  25. 請求項23又は24において、
    前記樹脂シートには、前記作用側集電体に接続される作用側導線及び非作用側集電体に接続される非作用側導線が、炭素を含む膜及び金属膜の一方により形成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  26. 請求項15において、
    前記先端支持体の両面における、前記作用側先端貫通孔の周囲には、第1イオン選択性膜及び第2イオン選択性膜の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び深さの段差部が形成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  27. 請求項16において、
    前記中間支持体の前面における、前記作用側中間貫通孔の周囲には、前記第2イオン選択性膜の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び深さの段差部が形成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  28. 請求項20において、
    前記先端支持体の両面における、前記非作用側先端貫通孔の周囲には、第3イオン選択性膜及び電極側電解液保持部の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び深さの段差部が形成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  29. 請求項22において、
    前記中間支持体の前面における、前記非作用側中間貫通孔の周囲には、電極側電解液保持部の外形及び厚さとほぼ等しい外形及び厚さの段差部が形成されたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
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