JP4033231B2 - 光分岐光導波路 - Google Patents

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Description

本発明は光分岐光導波路及びそれを用いた光学装置に関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大しており、伝送速度の速い光伝送が普及されつつある。光導波路はこのような光伝送における光インターコネクションとして使用されている。
ところで、光集積回路において、光分岐回路、光合波回路は基本的な要素として必要不可欠なものであり、従来よりY型に分岐された光導波路が知られている。従来のY分岐光導波路の構造は図1に示すように、主導波路1、テーパ導波路2、分岐導波路3、4を接続してなり、テーパ導波路2と分岐導波路3、4の間には分岐点5が存在する。
こうしたY分岐光導波路において、光の低損失化は重要な課題であり、その方法の一つとして円弧状に湾曲する分岐導波路3、4の曲率半径を大きくすることが考えられる。しかしながら、その場合には回路のサイズを大きくする必要があり、実際には回路のサイズは基板の大きさによる制約を受けるため、曲率半径の増大には限界があった。
また、分岐点5において、光の低損失化のためには、該分岐点5は鋭峻である必要があるが、パターンニングやエッチングの精度などの原因により、完全に鋭峻な構造とすることはできず、最も光の強度の大きい光学的な中心部分(光伝搬モードの中心軸)が、この分岐点5で散乱され、大きな分岐損失が生じる。
さらに、1×N光スプリッタに入出射ファイバーを接続して実装を行う場合には、治具の工具精度、アライメント装置の機械精度などによって、入射ファイバーと光回路の入射直線光導波路の間で軸ずれを生じる場合がある。この場合には、光導波路において、基本モードの他に、高次モード、放射モードが励振され、分岐比にばらつきが生じる。
上述の問題点に対し、主導波路にテーパ導波路を接続し、テーパ導波路の分岐点に、変曲点を有する複数の分岐光導波路を接続し、分岐光導波路にそれぞれ出射導波路を接続してなる分岐合波光導波回路において、分岐光導波路の変曲点及び出射導波路との接続点に軸ずれ(オフセット)を設け、テーパ導波路の分岐点における分岐導波路の間に隙間を設けることが提案されている(例えば特許文献1、特許請求の範囲参照)。この入射光導波路において、伝搬する光の強度分布(界分布)が、図2に示すように、光の強度分布の中心軸(光伝搬モードの中心軸)hと、入射光導波路(コア部)7の幾何学的な中心軸aとが一致し、しかもその形状が光の強度分布の中心軸hに対して対称をなす場合には、上記方法によって、分岐損失、分岐比のばらつきが少ない光分岐光導波路を得ることができる。
しかしながら、例えば光導波路が曲線構造を有する場合には、図3に示すように、光の強度分布の中心軸(光伝搬モードの中心軸)hが、入射光導波路(コア部)7の幾何学的な中心軸aと一致しない場合や、図4に示すように、光の強度分布の中心軸hと入射光導波路(コア部)7の幾何学的な中心軸aとが一致していても、光の強度分布を示す形状が、光の強度分布の中心軸hに対して非対称である場合がある。かかる場合に、上述のような軸ずれ(オフセット)構造を設けたとしても、光分岐光導波路において分岐比を等分とすることができないという問題点があった。
一方、入射光導波路を伝搬する光が、入射光導波路の幾何学的中心軸に対して非対称な光の強度分布(界分布)を持つ場合に、これを対称な形状とするには長い直線部分が必要であるため、モジュールが大型化するという問題点があった。
上記テーパ導波路を用いた光分岐光導波路に対して、マルチモード干渉(Multi‐Mode Interference、以下「MMI」と省略する場合がある。)型Y分岐光導波路が知られており、種々提案されている(例えば特許文献2、特許請求の範囲参照)。MMI型Y分岐光導波路は、入射導波路、マルチモード導波路部、及び2つの出射導波路からなり、入射導波路を伝搬する基本モード光が、マルチモード導波路の中心軸に入射されると、基本モード光(n=0)と高次モード光(n=2)が励振され、両モード光の位相速度差による干渉によって伝搬する光の波形が変形する。この両モード光の位相がπだけ異なる個所では、伝搬する光は2つのピークを持つ強度分布を有し、この部分に対応して2つの出射導波路を配置することにより、分岐比1:1(等分)の光の分岐を達成することができる(特許文献2、段落0038、0039参照)。従って、テーパ導波路と比較して短距離で光を分岐させることができ、また上述のような、最も光の強度の大きな光学的中心部分が、分岐点で散乱されて、大きな分岐損失が生じるということもない。
しかしながら、上述の分岐比1:1(等分)の光の分岐を達成するには、入射導波路を伝搬する光が基本モードのみであり、基本モードが入射導波路の中心軸に対して対称であり、入射導波路とマルチモード導波路の中心軸が一致しており、かつマルチモード導波路の形状が中心軸に対して対称である場合に限られる。すなわち、MMI型光分岐光導波路においても、入射側の光導波路を伝搬する光の強度分布(界分布)が、光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称の場合などは、分岐光導波路において、光の分岐比を等分とすることができないという問題点があった。
現実には、マルチモード光導波路に入射される光は、入射光導波路を伝搬する基本モード以外の高次モード、放射モードの成分をも含んでいることが多く、また例えば、入射光導波路が曲率を有している場合には、通常基本モードが非対称となる。
さらには、MMI型光分岐光導波路では、波長によって基本モード光と高次モード光の干渉位置が異なるため、光の強度の損失、分岐比ともに波長依存性を持つという問題点があった。すなわち、光の波長に応じてMMI型光分岐光導波路の設計を変更する必要があり、製造が非効率化する等の問題があった。
特開平4−213407号公報 特開2000−121857号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、分岐損失、分岐比のばらつきが少ない低損失な光分岐光導波路を提供することを目的とし、さらには、分岐損失、分岐比のばらつきが少ないことに加えて、波長依存性の小さい光分岐光導波路を提供することを目的とする。
本発明者らは、入射光導波路の幾何学的中心軸とマルチモード光導波路の幾何学的中心軸をずらすことによって、及び/又はマルチモード光導波路のコア形状をその幾何学的な中心軸に対して非対称とすることによって、入射側の光導波路を伝搬する光の強度分布(界分布)が、該光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称であっても、分岐損失、分岐比のばらつきが小さくなることを見出した。
さらに、入射光導波路の幾何学的中心軸とマルチモード光導波路の幾何学的中心軸をずらすことによって生じる界分布の波長依存性と、マルチモード光導波路のコア形状をその幾何学的な中心軸に対して非対称とすることによって発生する界分布の波長依存性を整合させることにより、波長に依存せず、かつ分岐損失、分岐比のばらつきを抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続された光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)とマルチモード光導波路の接続面において、入射光導波路(A)のうちの少なくとも1本の光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、かつ該光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線が前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と一致しないことを特徴とする光分岐光導波路、
(2)マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続された光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)とマルチモード光導波路の接続面において、入射光導波路(A)のうちの少なくとも1本の光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、かつマルチモード光導波路のコア形状が該マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称であることを特徴とする光分岐光導波路、
(3)前記光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線が前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と一致しない上記(2)記載の光分岐光導波路、
(4)前記光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布における最も強度の大きい光学的な中心軸が、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と実質的に一致することを特徴とする上記(1)又は(3)に記載の光分岐光導波路、
(5)前記マルチモード光導波路のコア形状が、少なくとも一方の側端部に切り欠き構造を有する上記(2)〜(4)のいずれかに記載の光分岐光導波路、
(6)前記切り欠き構造が、マルチモード光導波路のコアの入射光導波路(A)と接続する側から該コアの側端部に向けて、切り欠いたものであり、かつその形状が入射光導波路(A)と接続する側から出射光導波路(B)と接続する側に向けて正弦曲線構造である上記(5)記載の光分岐光導波路、
(7)前記入射光導波路(A)が1本の入射光導波路であり、前記出射光導波路(B)が2本以上の出射光導波路であり、2本以上の出射光導波路における各光導波路への光の分岐比が実質的に等分である上記(1)又は(2)に記載の光分岐光導波路、
(8)前記入射光導波路(A)及び/又は出射光導波路(B)がシングルモード光導波路である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の光分岐光導波路、
(9)前記マルチモード光導波路を構成するコア及び/又はクラッドの一部又は全部がポリマーからなる上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光分岐光導波路、
(10)前記ポリマーがフッ素を含むポリイミド系樹脂である上記(9)記載の光分岐光導波路、及び
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光分岐光導波路を用いた光学装置、
を提供するものである。
本発明によれば、分岐損失、分岐比のばらつきが少ない低損失な光分岐光導波路を提供することができ、さらには、分岐損失、分岐比のばらつきが少ないことに加えて、波長依存性の小さい光分岐光導波路を提供することができる。
従来のY分岐光導波路の構造を示す模式図である。 光の強度分布(界分布)を示す模式図である。 光の強度分布(界分布)を示す模式図である。 光の強度分布(界分布)を示す模式図である。 マルチモード光分岐光導波路の基本的構成を示す模式図である。 本発明の光分岐光導波路の構成を示す模式図である。 本発明のマルチモード光導波路のコア形状を示す模式図である。 本発明のマルチモード光導波路のコア形状を示す模式図である。 本発明のマルチモード光導波路のコア形状を示す模式図である。 本発明の光分岐光導波路を示す模式図である。 本発明の光分岐光導波路を示す模式図である。 本発明の光分岐光導波路を示す模式図である。
符号の説明
1.主導波路(コア部)
2.テーパ導波路(コア部)
3.分岐導波路(コア部)
4.分岐導波路(コア部)
5.分岐点
6.マルチモード光導波路(コア部)
7.入射光導波路(コア部)
8.出射光導波路(コア部)
9.出射光導波路(コア部)
10.入射光導波路とマルチモード光導波路の接続面
a:入射光導波路の幾何学的な中心軸
b:マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸
d:出射光導波路間の距離
h:光の強度分布の中心軸(光伝搬モードの中心軸)
L:マルチモード光導波路のコアの長さ
1:入射光導波路及び出射光導波路の幅
2:マルチモード光導波路の幅
x:オフセットの距離
z:側端部からの距離
本発明の光分岐光導波路は、マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続された光分岐光導波路であるが、以下入射光導波路(A)が1本の入射光導波路からなり、出射光導波路(B)が2本の出射光導波路からなる場合を例として具体的に説明する。
まず、本発明の光分岐光導波路の基本的構成について、図5を用いて説明する。本発明の光分岐光導波路の基本的構成は、マルチモード光導波路(コア部)6の一方の端部に、1本の入射光導波路(コア部)7が光学的に接続され、他方の端部に、例えば2本の出射光導波路(コア部)8及び9が光学的に接続されたものである。ここで、2本の出射光導波路(コア部)8及び9への光の分岐比は実質的に等分である。なお、光導波路(コア部)7、8及び9とマルチモード光導波路(コア部)6とは光学的に接続されていればよく、図5に示すように間隙なく接続されていてもよいし、又は光導波路(コア部)7、8及び9とマルチモード光導波路(コア部)6との間に間隙があってもよい。さらには、光導波路(コア部)7、8及び9に代えて、光ファイバーを直接マルチモード光導波路に光学的に接続させる場合をも含むものである。
入射光導波路(コア部)7からマルチモード光導波路(コア部)6に入射される光の強度分布は、入射光導波路(コア部)7とマルチモード光導波路(コア部)6の接続面10において、入射光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称である。ここで、入射光導波路の幾何学的な中心軸とは、入射光導波路を構成するコアの中心軸をいい、該中心軸から両側のクラッドまでの距離が等間隔である。
図6は本願の第一の発明における、光分岐光導波路の一形態を示すものであり、入射光導波路(コア部)7の幾何学的な中心軸aの延長線がマルチモード光導波路(コア部)6の幾何学的な中心軸bと一致しないことを特徴とする。ここで、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸とは、マルチモード光導波路を構成するコアの中心軸をいい、該中心軸から両側のクラッドまでの距離が等間隔である。
入射光導波路(コア部)7の幾何学的な中心軸aの延長線とマルチモード光導波路(コア部)6の幾何学的な中心軸bの軸ずれ(オフセット)の距離xは、入射光導波路とマルチモード光導波路の接続面における、入射光導波路からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布の非対称性に応じて適宜決定されるが、通常1.5μm以下であることが好ましく、さらには0.7μm以下であることが好ましい。
また、図6に示すように、入射光導波路(コア部)7からマルチモード光導波路(コア部)6に入射される光の強度分布における最も強度の大きい光学的な中心軸(光伝搬モードの中心軸)が、マルチモード光導波路(コア部)6の幾何学的な中心軸bと実質的に一致するように軸ずれ(オフセット)の距離xを設定することが好ましい。これは入射光導波路(コア部)7を伝搬する光の強度分布が、図3に示すような形状を有する場合に特に有効である。
このように、入射光導波路の幾何学的中心軸aと、マルチモード光導波路の幾何学的中心軸bの軸ずれ(オフセット)によって、入射側の光導波路を伝搬する光の強度分布(界分布)が、該光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称であっても、分岐損失、分岐比のばらつきを小さくすることができる。
次に、本願の第二の発明に係る光分岐光導波路は、図5に示す基本構成を有し、かつマルチモード光導波路(コア)6のコア形状が、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸bに対して非対称であることを特徴とする。
マルチモード光導波路は、通常幾何学的な中心軸bに対して対称な形状を有しており、マルチモード光導波路の長さ、幅を制御することにより、例えば伝搬する光をほぼ均等な2つのピークを持つ強度分布とし、この部分に対応して2つの出射光導波路を配置することにより、分岐比1:1(等分)の光の分岐を達成するものである。しかしながら、前述のように、入射側の光導波路を伝搬する光の強度分布(界分布)が、該入射側の光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称の場合、マルチモード光導波路内を伝搬する光は均等な2つのピークを持つ強度分布を有さず、分岐光導波路において、光の分岐比を等分とすることができない。
これに対して、第二の発明では、マルチモード光導波路のコア形状が、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称であることに特徴がある。ここで、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸とは、前述のマルチモード光導波路を構成するコアの中心軸と同一のものを指し、後に詳述する切り欠き構造の有無によって移動するものではない。
マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称なコア形状としては、種々のものが考えられるが、製造の容易さ等を考慮すると、マルチモード光導波路のコア形状が、少なくとも一方の側端部に切り欠き構造を有するものであることが好ましい。
ここで、切り欠き構造とは、コアの側端部を何らかの形状に切った構造であればよく、例えば、該コアの側端部とマルチモード光導波路の幾何学的な中心軸との距離が、光の進行方向に対して、少なくとも一部で互いに異なるように構成したものが挙げられる。より具体的には、図7に示すように、マルチモード光導波路の光の入射部におけるコアの幅を、出射部のコアの幅よりも小さくするように切り欠く形状や、図8に示すように、マルチモード光導波路のコアの中間部分において、側端部を切り欠く形状等が挙げられる。
また、図9に示すように、光の進行方向に対して、マルチモード光導波路のコアの側端部とマルチモード光導波路の幾何学的な中心軸bとの距離が、曲線状に変化するようにした形状を挙げることができる。この場合には、マルチモード光導波路のコアの側端部とマルチモード光導波路の幾何学的中心部bとの距離の変化を、マルチモード光導波路の出口付近において緩やかにするとよい。こうした形状をとることで、光の強度の損失をより抑制することができる。
さらには該距離をマルチモード光導波路の入り口から出口に向かって正弦関数状に大きくすること、すなわち、前記切り欠き構造が、マルチモード光導波路の入り口部分から出口部分に向けて正弦曲線構造を有するものであることが好ましい。光の強度の損失をより抑制することができるとともに、CAD等で容易に設計できるという利点がある。
また、本発明の目的である分岐損失、分岐比のばらつきが小さく、かつ波長依存性の小さい低損失なマルチモード光分岐光導波路を得るためには、本願の第三の発明である入射光導波路の幾何学的な中心軸の延長線が、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と一致せず、かつマルチモード光導波路のコア形状が、その幾何学的な中心軸に対して非対称であることがより好ましい。
入射光導波路の幾何学的中心軸とマルチモード光導波路の幾何学的中心軸の軸ずれ(オフセット)によって、上述のように分岐損失及び分岐比のばらつきを小さくすることができるが、それと同時に光導波路を伝搬する光の強度分布(界分布)の波長依存性が生じる。従って、使用する光の波長によって、光導波路の設計を変更する必要性がある。
一方、マルチモード光導波路のコア形状をその幾何学的な中心軸に対して非対称とすることによって、分岐損失及び分岐比のばらつきを小さくすることができるが、それと同時に界分布の波長依存性が生じ、オフセットを行ったときと同様に、使用する光の波長によって、光導波路の設計を変更する必要性がある。
これに対して、本願の第三の発明は、オフセットによって生じる界分布の波長依存性と、マルチモード光導波路のコア形状をその幾何学的な中心軸に対して非対称とすることによって生じる界分布の波長依存性を整合させることにより、波長に依存せず、かつ分岐損失、分岐比のばらつきを抑えるものである。すなわち、2つの波長依存性を生じさせる原因である、オフセットとマルチモード光導波路のコア形状の非対称性を、互いの波長依存性を相殺させるように、光導波路を設計するものである。
なお、上記の説明では、出射光導波路が2つのいわゆるY分岐光導波路をもって説明したが、これに限定されず、さらに多くの出射光導波路を有する光導波路にも適用可能である。ここで、本発明において「Y分岐」又は「Y型分岐」とは、直線3本で構成された狭義のY型分岐構造を指すのではなく、1本の入力から2本の出力(もしくはその逆)に分岐する1×2分岐の構造の光導波路の回路要素を指すものとする。
また、2本の出射光導波路(コア部)8及び9への光の分岐比は実質的に等分である場合について説明したが、マルチモード光導波路の長さ、幅を制御することにより、例えば1:2の分岐比など任意の分岐比を得ることができるため(例えば、特開2000−121857参照)、これに本発明を適用することで、任意の分岐比で、かつ分岐損失、分岐比のばらつきが少なく、しかも、波長依存性の小さい光分岐光導波路を得ることができる。
さらに、上記の説明では、入射光導波路が1本である場合について説明したが、入射光導波路は複数あってもよい。この場合には、複数ある入射光導波路のうち少なくとも1本の光導波路において上記の条件を満たせばよい。
本発明において、入射光導波路及び出射光導波路は、いずれか一方、または両方がシングルモード光導波路であることが好ましい。シングルモード光導波路を用いると、マルチモード光導波路を用いた場合に比較して、入力の光強度分布が安定するため、入力光強度分布に対応した分岐構造を提案する本発明の効果を的確に安定して発揮することができる。
また、入射光導波路及び/又は出射光導波路は光ファイバーであってもよい。本発明は、複数の分岐構造が連続して使用される場合、例えば1×2分岐構造をツリー構成として1×n分岐のスプリッタを構成する場合に、特に効果を発揮する。この場合には第1段目の入射光導波路は、光ファイバーと接続されることが多く、入射光導波路自体を光ファイバーとすることは、本発明の好ましい態様の一つである。なお、光ファイバーは反射減衰量の低減という利点があることから斜めに接続される場合があり、その場合には入射光強度分布が非対称となるため、本発明が特に有効である。
さらに、一般に双方向の光伝送では、Y型分岐光導波路において、出射光導波路から、入射光導波路に光を伝搬させることもあり、本発明の光導波路は光分岐光導波路のみではなく、光合波光導波路として使用することもできる。この場合、出射光導波路は入射用の光導波路として、入射光導波路は出射用光導波路として用いられ、本発明の光導波路は、マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の出射用として用いられる光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に光導波路(A)よりも多数の入射用として用いられる光導波路(B)が光学的に接続された光合波光導波路であって、光導波路(A)とマルチモード光導波路の接続面において、マルチモード光導波路から出射され光導波路(A)のうちの少なくとも1本の光導波路(a)に結合される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、かつ該光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線が前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と一致しないか又はマルチモード光導波路のコア形状が該マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称である光合波光導波路となる。
次に、本発明のマルチモード光導波路を構成するコア及びクラッドの材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料、樹脂等の有機材料など様々なものが挙げられるが、樹脂等のポリマーがドライエッチング等により短時間で加工しやすいため好ましい。なお、クラッドの全部もしくは一部として空気層を用いてもよい。このようなポリマーとしてはいずれのものも使用できるが、具体例としては、ポリイミド系樹脂(例、ポリイミド樹脂、ポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエステルイミド樹脂等)、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリキノリン系樹脂、ポリキノキサリン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、及びフォトブリーチング用樹脂(例えば特開2001−296438号公報記載のポリシラン、ニトロン化合物を有するシリコーン樹脂、DMAPN{(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−N−フェニルニトロン}を含有するポリメタクリル酸メチル、ダイポリマー(dye polymer)、ニトロン化合物を含有するポリイミド樹脂あるいはエポキシ樹脂、特開2000−66051号公報記載の加水分解性シラン化合物等)が挙げられる。上記樹脂はフッ素原子を有しているものであってもよい。ポリマーとして好ましいものとしては、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れることからポリイミド樹脂が挙げられ、その中でも透過率、屈折率特性からフッ素を含むポリイミド系樹脂が特に好ましい。
フッ素を含むポリイミド系樹脂としては、フッ素を含むポリイミド樹脂、フッ素を含むポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、フッ素を含むポリエーテルイミド樹脂、フッ素を含むポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
上記フッ素を含むポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得られる。フッ素は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの両者に含まれていてもよいし、いずれか一方にのみ含まれていてもよい。
また、上記フッ素を含まないポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、フッ素を含まないテトラカルボン酸二無水物とフッ素を含まないジアミンを反応させることにより得られる。
フッ素を含む酸二無水物の例としては、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。
フッ素を含むジアミンとしては、例えば、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼンなどが挙げられる。
上記のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンは二種以上を併用してもよい。ポリイミド系樹脂の前駆体溶液として、感光性を有するものを使用することもできる。
ポリイミド系樹脂前駆体溶液は、スピナあるいは印刷などによる方法により基板表面上に塗布され、最終温度200〜400℃で熱処理し硬化されてポリイミド系樹脂被膜とされる。
本発明の光学装置は、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光導波路を用いて構成される。このような光学装置としては、光スプリッタ、方向性光結合器、光カプラ、光合分岐器、光合分波器、光送信モジュール、光受信モジュール、光送受信モジュール、光スイッチ、光変調器、光フィルタ、光偏光器、光分散補償器、光アドドロップモジュール、光クロスコネクトなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
以下の材料を用いて、図10に示される概略構造を有する光分岐光導波路を作製した。
コア:フッ素化ポリイミド樹脂(日立化成工業株式会社製「OPI−N3205」)
クラッド:フッ素化ポリイミド樹脂(日立化成工業株式会社製「OPI−N1005」)
入射光導波路(シングルモード、コア部)7、2本の出射光導波路(シングルモード、コア部)8及び9の幅w1は6.5μm、マルチモード光導波路の幅w2は15μm、長さLは220μm、マルチモード光導波路の出口における出射光導波路(シングルモード、コア部)の距離dは3.5μmである。また入射光導波路(コア部)7は、図には示さないが、曲率半径rが15mmの曲線部分を有し、入射光導波路とマルチモード光導波路の接続面10において、入射光導波路からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布は、入射光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称な形状を有していた。入射光導波路(コア部)7の幾何学的中心軸aとマルチモード光導波路の幾何学的中心軸bとの軸ずれ(オフセット)xを0.5μmとした。波長1.55μmの光を用いて、2本の出射光導波路(コア部)8及び9へ出射される光の分岐比を測定した。その結果、光の分岐比は0.99:1であった。
比較例1
入射光導波路(コア部)7の幾何学的中心軸aと、マルチモード光導波路の幾何学的中心軸bとの軸ずれ(オフセット)を行わないこと以外は実施例1と同様にして光分岐光導波路を作製し、2本の出射光導波路(コア部)8及び9へ出射される光の分岐比を測定した。その結果、光の分岐比は光の波長が1.31μmの場合に0.98:1、光の波長が1.55μmの場合に0.90:1であった。
実施例2
実施例1に記載したのと同様の材料を用いて、コア形状が図11に示されるような切り欠き構造を持つ、マルチモード光導波路を有する光分岐光導波路を作製した。
入射光導波路(コア部)7、2本の出射光導波路(コア部)8及び9の幅w1は6.5μm、マルチモード光導波路の幅w2は15μm、長さLは220μm、マルチモード光導波路の出口における出射光導波路の距離dは3.5μmである。入射光導波路(コア部)7の幾何学的中心軸aとマルチモード光導波路の幾何学的中心軸bは一致させた。マルチモード光導波路の入り口部分は、側端部から距離z(z=0.6μm)だけ短くなっており、該入り口部分からマルチモード光導波路の出口部分に向けて正弦曲線構造を有するものである。また入射光導波路(コア部)7は、図には示さないが、曲率半径rが15mmの曲線部分を有し、入射光導波路とマルチモード光導波路の接続面10において、入射光導波路からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布は、入射光導波路の幾何学的な中心軸aに対して非対称な形状を有していた。波長1.31μmの光を用いて、2本の出射光導波路(コア部)8及び9へ出射される光の分岐比を測定した。その結果、光の分岐比は1:1であった。
実施例3
実施例1に記載したのと同様の材料を用いて、マルチモード光導波路のコア形状が図12に示されるような切り欠き構造を持ち、かつ軸ずれ(オフセット)構造を持つ光分岐光導波路を作製した。
入射光導波路(コア部)7、2本の出射光導波路(コア部)8及び9の幅w1は6.5μm、マルチモード光導波路の幅w2は15μm、長さLは220μm、マルチモード光導波路の出口における出射光導波路の距離dは3.5μmである。マルチモード光導波路の入り口部分は、側端部から距離z(z=0.8μm)だけ短くなっており、該入り口部分からマルチモード光導波路の出口部分に向けて正弦曲線構造を有するものである。また、入射光導波路(コア部)7の幾何学的中心軸aとマルチモード光導波路の幾何学的中心軸bとの軸ずれ(オフセット)xを0.9μmとした。
なお、入射光導波路(コア部)7は、図には示さないが、曲率半径rが15mmの曲線部分を有し、入射光導波路とマルチモード光導波路の接続面10において、入射光導波路からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布は、入射光導波路の幾何学的な中心軸aに対して非対称な形状を有していた。
波長1.55μmの光を用いて、2本の出射光導波路(コア部)8及び9へ出射される光の分岐比を測定した。その結果、光の分岐比は1:1であった。
実施例4
マルチモード光導波路の入り口部分が、側端部から距離z(z=0.2μm)だけ短くなっており、入射光導波路(コア部)7の幾何学的中心軸aとマルチモード光導波路の幾何学的中心軸bとの軸ずれ(オフセット)xを0.5μmとしたこと以外は、実施例3と同様にして光分岐光導波路を作製した。
波長1.31μm及び1.55μmの光を用いて、2本の出射光導波路(コア部)8及び9へ出射される光の分岐比を測定した。その結果、光の分岐比は波長1.31μmでは0.99:1、1.55μmでは1.01:1であった。
実施例1と実施例3を比較すると、側端部からの距離zと、オフセットx以外の光導波路形状は同一であり、いずれも分岐比が実質的に等分となった。すなわち、複数のzとxとの組み合わせによって、分岐比を1:1とすることができた。実施例1及び3では、z=−2.08x+1.12の関係を満足するzとxを選択することにより、分岐比を実質的に等分とすることができた。
また、入射光導波路の有する曲率によっても、zとxの関係は異なるが、同様に、分岐比が実質的に等分となるように、zとxを選択することが可能である。
さらに、zとxとの関係は用いる光の波長により異なるが、波長の異なる2種類の光を用いても、分岐比が実質的に等分となるように、zとxを選択することが可能であり、実施例4に示すように、波長の異なる2種類の光で分岐比1:1を実現することができた。
すなわち、図12に示される構造を有する光分岐光導波路によれば、入射光導波路(コア部)7からマルチモード光導波路(コア部)6に入射される光の強度分布が、入射光導波路とマルチモード光導波路の接続面10において、入射光導波路(コア部)7の幾何学的な中心軸に対して非対称であっても、光の波長に依存することなく、2本の出射光導波路(コア部)8及び9への光の分岐比を実質的に等分とすることができる。
本発明によれば、分岐損失、分岐比のばらつきが少ない低損失な光分岐光導波路を得ることができ、さらには、分岐損失、分岐比のばらつきが少ないことに加えて、波長依存性の小さい光分岐光導波路を得ることができる。また、この光分岐光導波路をスプリッタモジュールとして用いることにより、光損失の小さい、1:1の安定した分岐比を有する光学装置を得ることができる。

Claims (15)

  1. マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続されたマルチモード干渉型光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)とマルチモード光導波路の接続面において、入射光導波路(A)のうちの少なくとも1本の光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、かつ該光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線と前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸とを分岐損失及び分岐比のばらつきが少なくなる方向に軸ずれさせることを特徴とするマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  2. マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続されたマルチモード干渉型光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)とマルチモード光導波路の接続面において、入射光導波路(A)のうちの少なくとも1本の光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、かつマルチモード光導波路のコア形状が該マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して分岐損失及び分岐比のばらつきが少なくなるように非対称とすることを特徴とするマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  3. マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続されたマルチモード干渉型光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)が1本の光導波路(a)であり、該光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、前記出射光導波路(B)が2本以上の出射光導波路であり、2本以上の出射光導波路における各光導波路への光の分岐比が等分となるように、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線と前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸とを軸ずれさせることを特徴とするマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  4. マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続されたマルチモード干渉型光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)が1本の光導波路(a)であり、該光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、前記出射光導波路(B)が2本以上の出射光導波路であり、2本以上の出射光導波路における各光導波路への光の分岐比が等分となるように、マルチモード光導波路のコア形状が該マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称とすることを特徴とするマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  5. マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続されたマルチモード干渉型光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)が1本の光導波路(a)であり、該光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、前記出射光導波路(B)が2本以上の出射光導波路であり、2本以上の出射光導波路における各光導波路への光の分岐比のばらつきが±1%以下となるように、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線と前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸とを軸ずれさせることを特徴とするマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  6. マルチモード光導波路の一方の端部に、少なくとも1本の入射光導波路(A)が光学的に接続され、他方の端部に入射光導波路(A)よりも多数の出射光導波路(B)が光学的に接続されたマルチモード干渉型光分岐光導波路であって、入射光導波路(A)が1本の光導波路(a)であり、該光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布が、該光導波路(a)の幾何学的な中心軸に対して非対称であり、前記出射光導波路(B)が2本以上の出射光導波路であり、2本以上の出射光導波路における各光導波路への光の分岐比のばらつきが±1%以下となるように、マルチモード光導波路のコア形状が該マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸に対して非対称とすることを特徴とするマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  7. 前記光導波路(a)の幾何学的な中心軸の延長線が前記マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と一致しない請求項2、4又は6記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  8. 前記光導波路(a)からマルチモード光導波路に入射される光の強度分布における最も強度の大きい光学的な中心軸が、マルチモード光導波路の幾何学的な中心軸と一致することを特徴とする請求項1、3、5及び7のいずれかに記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  9. 前記マルチモード光導波路のコア形状が、少なくとも一方の側端部に切り欠き構造を有する請求項2、4及び6〜8のいずれかに記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  10. 前記切り欠き構造が、マルチモード光導波路のコアの入射光導波路(A)と接続する側から該コアの側端部に向けて、切り欠いたものであり、かつその形状が入射光導波路(A)と接続する側から出射光導波路(B)と接続する側に向けて正弦曲線構造である請求項9記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  11. 前記入射光導波路(A)が1本の入射光導波路であり、前記出射光導波路(B)が2本の出射光導波路であり、各出射光導波路への光の分岐比が0.99:1〜1.01:1の範囲である請求項1〜10のいずれかに記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  12. 前記入射光導波路(A)及び/又は出射光導波路(B)がシングルモード光導波路である請求項1〜11のいずれかに記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  13. 前記マルチモード光導波路を構成するコア及び/又はクラッドの一部又は全部がポリマーからなる請求項1〜12のいずれかに記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  14. 前記ポリマーがフッ素を含むポリイミド系樹脂である請求項13記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のマルチモード干渉型光分岐光導波路を用いた光学装置。
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