JP2005208446A - 曲線光導波路及び光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異なる性質の光導波路を接続する場合に好適に用いることのできる曲線光導波路を提供すること。
【解決手段】 コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限な曲線光導波路。このような曲線光導波路に別の形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路、ならびにこのような曲線光導波路を用いた光学装置である。
【選択図】 図16
【解決手段】 コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限な曲線光導波路。このような曲線光導波路に別の形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路、ならびにこのような曲線光導波路を用いた光学装置である。
【選択図】 図16
Description
本発明は、曲線光導波路及びそれを用いた光学装置に関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大しており、伝送速度の速い光伝送が普及されつつある。光導波路はこのような光伝送における光インターコネクションとして使用されている。
光伝送のための分岐結合器を構成する場合などにおいて、1×2分岐構造を構成する場合には、2本の曲線光導波路が分岐構造部に接続する部分(分岐光導波路の出力端)では、理想的には両曲線光導波路の間隔を無限小から徐々に広げることが分岐部での過剰損失を小さくするために有効であるが、製造上の制約から歩留まりよく無限小の間隙を形成すること及び間隔を無限小から徐々に広げることは極めて困難である。このため、該曲線光導波路の分岐光導波路の出力端との接続端部では軸ずれが生じた方が分岐部の過剰損失を小さく抑えることが可能である。すなわち、モード中心がそれぞれ内側に軸ずれを生じるため、両曲線光導波路の間隔を広く配置しても低損失に分岐部との接続が可能となる。このように、両曲線光導波路の間隔を広く配置することで、分岐部形状の製造ばらつきの影響を小さくすることができるばかりでなく、クラッド材料によって生じ得る狭幅部分の埋め込み不良を軽減することができる。このためには、円弧型曲線光導波路を有効に用いることができる。
光伝送のための分岐結合器を構成する場合などにおいて、1×2分岐構造を構成する場合には、2本の曲線光導波路が分岐構造部に接続する部分(分岐光導波路の出力端)では、理想的には両曲線光導波路の間隔を無限小から徐々に広げることが分岐部での過剰損失を小さくするために有効であるが、製造上の制約から歩留まりよく無限小の間隙を形成すること及び間隔を無限小から徐々に広げることは極めて困難である。このため、該曲線光導波路の分岐光導波路の出力端との接続端部では軸ずれが生じた方が分岐部の過剰損失を小さく抑えることが可能である。すなわち、モード中心がそれぞれ内側に軸ずれを生じるため、両曲線光導波路の間隔を広く配置しても低損失に分岐部との接続が可能となる。このように、両曲線光導波路の間隔を広く配置することで、分岐部形状の製造ばらつきの影響を小さくすることができるばかりでなく、クラッド材料によって生じ得る狭幅部分の埋め込み不良を軽減することができる。このためには、円弧型曲線光導波路を有効に用いることができる。
円弧を用いた曲線光導波路においてはその両端において曲率半径が有限であるため、直線光導波路と接続する場合には、該接続点において、曲率が不連続に変化するため、伝搬モードの中心軸が導波路構造の幾何学的中心位置に対して軸ずれを生ずるため、該接続部分でのモード整合を改善し、低損失な光導波路を提供するためには、該接続部分の導波路構造に軸ずれを設ける必要があった。軸ずれ量は、コアとクラッドとの屈折率、コア寸法、波長に依存するため、屈折率やコア寸法が製造上のばらつきにより変動することによって、損失の変動要因となることが課題であった。また、波長依存性のため、広帯域の波長範囲で最適な軸ずれ量を設けることはできないことが課題であった。
一方、分岐光導波路の入力端に円弧型曲線光導波路を用いると曲率半径が有限であるため、モード中心が軸ずれを起こすとともに中心軸に対して非対称なモード形状となるため、分岐比を対称(1:1)にするのが困難であった。また、異なる波長においては、軸ずれ量及び非対称性が異なるため、広い波長範囲で分岐比を一定に保つことが困難であった。そこで、分岐光導波路の入力端には、直線光導波路を接続させる手法を用いたが、この直線光導波路と曲線光導波路との接続部分で過剰損失が生じるばかりでなく、光導波路の全長が長くなり光導波路が大型化してしまうという欠点があった。
すなわち、分岐光導波路の出力端においては、円弧型曲線光導波路との接続が有利である。一方、分岐光導波路の入力端においては、分岐比を対称にする(1:1)ためには、直線光導波路のような曲率半径が無限大(曲率がゼロ)である光導波路を接続することが好ましい。
一方、分岐光導波路の入力端に円弧型曲線光導波路を用いると曲率半径が有限であるため、モード中心が軸ずれを起こすとともに中心軸に対して非対称なモード形状となるため、分岐比を対称(1:1)にするのが困難であった。また、異なる波長においては、軸ずれ量及び非対称性が異なるため、広い波長範囲で分岐比を一定に保つことが困難であった。そこで、分岐光導波路の入力端には、直線光導波路を接続させる手法を用いたが、この直線光導波路と曲線光導波路との接続部分で過剰損失が生じるばかりでなく、光導波路の全長が長くなり光導波路が大型化してしまうという欠点があった。
すなわち、分岐光導波路の出力端においては、円弧型曲線光導波路との接続が有利である。一方、分岐光導波路の入力端においては、分岐比を対称にする(1:1)ためには、直線光導波路のような曲率半径が無限大(曲率がゼロ)である光導波路を接続することが好ましい。
この光導波路(コア)の形状がS字型曲線などの曲線型である場合、曲率の不連続変化部分において光伝搬モードの中心軸がコアの幾何学的中心軸に対してずれが生じ、結果として光損失が生じる。この損失を低減するためには曲線の一部にコアの中心軸をずらした軸ずれ構造部分(オフセット)を設ける必要がある。しかし、かかる軸ずれ構造はコアとクラッドとの屈折率、コア寸法、光波長に依存するため、製造上のばらつき等の要因により最適な軸ずれ構造を設けることは困難であり、光損失が生じる問題があるため、一般には軸ずれ構造を有さないことが好ましい。また、波長依存性のため、広帯域の波長範囲で最適な軸ずれ量を設けることはできないことが課題であった。
ここでCADソフト等において、光導波路等における曲線形状を作成する関数が幾つか知られている。一つは曲率半径Rの二つの弧を逆方向に接続した形状(以下アーク結合形状と称する)である。アーク結合形状は接続点において曲率が不連続に変化するため、上述したように弧の接続部分に軸ずれ構造を設ける必要がある。(図2)
また、下記コサイン関数を用いた形状(CADソフト上ではSベンドコサインと称されている)も知られており、この形状では上記の軸ずれ構造を曲線の中途に設ける必要がない。
y=1/2(1−cosπz)・・・・・・・・・・・・・〔VIII〕
しかし、両端においてその曲率が有限であるため、直線光導波路との接合において軸ずれ構造を設ける必要が生じる。
また、下記サイン関数を用いた形状(CADソフト上ではSベンドサインと称されている)は軸ずれ構造を中途に設ける必要がなく、両端においてその曲率半径が無限大(曲率がゼロ)となるので、直線光導波路と両端で接合する場合には中心軸が一致し、軸ずれ構造を設ける必要がない。
y=z−(1/2π)sin2πz・・・・・・・・・・・・〔IX〕
ここでCADソフト等において、光導波路等における曲線形状を作成する関数が幾つか知られている。一つは曲率半径Rの二つの弧を逆方向に接続した形状(以下アーク結合形状と称する)である。アーク結合形状は接続点において曲率が不連続に変化するため、上述したように弧の接続部分に軸ずれ構造を設ける必要がある。(図2)
また、下記コサイン関数を用いた形状(CADソフト上ではSベンドコサインと称されている)も知られており、この形状では上記の軸ずれ構造を曲線の中途に設ける必要がない。
y=1/2(1−cosπz)・・・・・・・・・・・・・〔VIII〕
しかし、両端においてその曲率が有限であるため、直線光導波路との接合において軸ずれ構造を設ける必要が生じる。
また、下記サイン関数を用いた形状(CADソフト上ではSベンドサインと称されている)は軸ずれ構造を中途に設ける必要がなく、両端においてその曲率半径が無限大(曲率がゼロ)となるので、直線光導波路と両端で接合する場合には中心軸が一致し、軸ずれ構造を設ける必要がない。
y=z−(1/2π)sin2πz・・・・・・・・・・・・〔IX〕
なお、光導波路のかかる軸ずれ構造については、文献(例えば非特許文献1参照)に一般的な記載がある。
また、分岐光導波路の変曲点及び出力導波路との接続点に軸ずれを設け、テーパ導波路の分岐点における分岐導波路の間に隙間を設け、曲線光導波路における界分布のピークのずれを補填できるようにした分岐合波光導波路が提案されている(特許文献1参照)。
さらにまた、多項弧の光導波路を用いてモジュール化を容易にした光結合器及びその製作方法も提案されている(特許文献2参照)。
また、分岐光導波路の変曲点及び出力導波路との接続点に軸ずれを設け、テーパ導波路の分岐点における分岐導波路の間に隙間を設け、曲線光導波路における界分布のピークのずれを補填できるようにした分岐合波光導波路が提案されている(特許文献1参照)。
さらにまた、多項弧の光導波路を用いてモジュール化を容易にした光結合器及びその製作方法も提案されている(特許文献2参照)。
光波工学、国分泰雄、共立出版株式会社、第250頁
特許第2809517号公報
特表2002−530690号公報
本発明は、このような状況下で、上記のような、異なる性質の光導波路を接続する場合に好適に用いることのできる曲線光導波路を提供することを目的とするものである。
本発明はコア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限な曲線光導波路を提供するものである。
また、本発明はこのような曲線光導波路に別のコア形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路、ならびにこのような曲線光導波路を用いた光学装置も提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限な曲線光導波路。
(2)コア形状が以下の式〔I〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=1−cos〔(π/2)z〕・・・・・・・・・・・・・・・〔I〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
(3)コア形状が以下の式〔II〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)f(z)+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・〔II〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、f(z)はzの連続関数であり、f(0)=0、f(1)=1、f”(0)=0、f”(1)=0を満足する関数であり、f”(z)はf(z)のzに関する2階微分を表す。tはゼロでない実数である。
(4)コア形状が以下の式〔III〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)z+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・・〔III〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tはゼロでない実数である。
(5)コア形状が以下の式〔IV〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)〔z−(a/π)sinπz〕
+t[1−cos〔(π/2)z〕]・・・・・・・・・・・〔IV〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tおよびaはゼロでない実数である。
(6)上記(1)に記載の曲線光導波路に別のコア形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路。
(7)前記別のコア形状の光導波路は分岐光導波路である上記(6)に記載の光導波路。
(8)前記分岐光導波路の出力端を前記曲線光導波路の曲率半径が有限である端部に光学的に接続して配置した上記(7)に記載の光導波路。
(9)前記分岐光導波路の入力端に前記曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部を光学的に接続して配置した上記(7)に記載の光導波路。
(10)上記(1)に記載の曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部に光ファイバを光学的に接続して配置した光導波路。
(11)上記(1)に記載の曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部に光ファイバを固定するためのガイド溝構造を隣接して配置した光導波路。
(12)上記(1)に記載の曲線光導波路の曲率半径が有限な端部にフィルタ等を含む反射面を隣接して配置した光導波路。
(13)前記別のコア形状の光導波路は、コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ両端における曲率がゼロに漸近することを特徴とする曲線光導波路である上記(6)に記載の光導波路。
(14)前記コア形状が以下の式〔V〕で定義される、上記(13)に記載の光導波路:
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔V〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
(15)前記コア形状が以下の式〔VI〕で定義される、上記(13)に記載の光導波路:
y=z−(1/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VI〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
(16)前記コア形状が以下の式〔VII〕で定義される、上記(13)に記載の光導波路:
y=z−(a/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VII〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸、aはゼロでない実数である。
(17)光導波路のコアおよび/またはクラッドの一部または全部がポリマーである上記(1)〜(16)のいずれかに記載の光導波路。
(18)ポリマーがフッ素を含むポリイミド系樹脂である、上記(17)に記載の光導波路。
(19)上記(1)〜(18)のいずれかに記載の光導波路を用いた光学装置。
を提供するものである。
また、本発明はこのような曲線光導波路に別のコア形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路、ならびにこのような曲線光導波路を用いた光学装置も提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限な曲線光導波路。
(2)コア形状が以下の式〔I〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=1−cos〔(π/2)z〕・・・・・・・・・・・・・・・〔I〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
(3)コア形状が以下の式〔II〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)f(z)+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・〔II〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、f(z)はzの連続関数であり、f(0)=0、f(1)=1、f”(0)=0、f”(1)=0を満足する関数であり、f”(z)はf(z)のzに関する2階微分を表す。tはゼロでない実数である。
(4)コア形状が以下の式〔III〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)z+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・・〔III〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tはゼロでない実数である。
(5)コア形状が以下の式〔IV〕で定義される、上記(1)に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)〔z−(a/π)sinπz〕
+t[1−cos〔(π/2)z〕]・・・・・・・・・・・〔IV〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tおよびaはゼロでない実数である。
(6)上記(1)に記載の曲線光導波路に別のコア形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路。
(7)前記別のコア形状の光導波路は分岐光導波路である上記(6)に記載の光導波路。
(8)前記分岐光導波路の出力端を前記曲線光導波路の曲率半径が有限である端部に光学的に接続して配置した上記(7)に記載の光導波路。
(9)前記分岐光導波路の入力端に前記曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部を光学的に接続して配置した上記(7)に記載の光導波路。
(10)上記(1)に記載の曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部に光ファイバを光学的に接続して配置した光導波路。
(11)上記(1)に記載の曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部に光ファイバを固定するためのガイド溝構造を隣接して配置した光導波路。
(12)上記(1)に記載の曲線光導波路の曲率半径が有限な端部にフィルタ等を含む反射面を隣接して配置した光導波路。
(13)前記別のコア形状の光導波路は、コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ両端における曲率がゼロに漸近することを特徴とする曲線光導波路である上記(6)に記載の光導波路。
(14)前記コア形状が以下の式〔V〕で定義される、上記(13)に記載の光導波路:
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔V〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
(15)前記コア形状が以下の式〔VI〕で定義される、上記(13)に記載の光導波路:
y=z−(1/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VI〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
(16)前記コア形状が以下の式〔VII〕で定義される、上記(13)に記載の光導波路:
y=z−(a/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VII〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸、aはゼロでない実数である。
(17)光導波路のコアおよび/またはクラッドの一部または全部がポリマーである上記(1)〜(16)のいずれかに記載の光導波路。
(18)ポリマーがフッ素を含むポリイミド系樹脂である、上記(17)に記載の光導波路。
(19)上記(1)〜(18)のいずれかに記載の光導波路を用いた光学装置。
を提供するものである。
上記関数で定義される形状を有する曲線光導波路を用いることにより、一端においては直線導波路と軸ずれなしに低損失に結合し、他端においては同一の曲率の曲線光導波路と軸ずれなしに結合する光導波路を構成することができる。また、本発明の曲線光導波路を用いることで、一端においては直線導波路と軸ずれなしに低損失に結合し、他端においては光のモード中心を光導波路コアの幾何学的中心から軸ずれを起こした形で結合する光導波路を構成することができる。
曲率がゼロである端部の接合は、直線光導波路への接合の他に、分岐構造の結合部(1x2であれば、1ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、従来の軸ずれが必要な曲線光導波路を用いた場合に比べ、製造ばらつきが小さく、歩留まりの良い光導波路を得ることができる。さらに、広い波長範囲において、良好な光導波路を提供することができる。
曲率がゼロである端部の接合は、直線光導波路への接合の他に、分岐構造の結合部(1x2であれば、1ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、従来の軸ずれが必要な曲線光導波路を用いた場合に比べ、製造ばらつきが小さく、歩留まりの良い光導波路を得ることができる。さらに、広い波長範囲において、良好な光導波路を提供することができる。
曲率が有限である端部の接合は、曲線光導波路への接合の他に、分岐構造の分岐部(1x2であれば、2ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、分岐根元部の狭幅部分を有限の間隙とした場合であっても、分岐部根元中央部からの漏れ光を低減することができ、分岐過剰損失を少なくすることが可能である。
また、本発明では非S字型曲線光導波路を用いるので短尺化が可能であり、分岐の際には分岐比が安定する上、方向変換も可能となり、スプリッターの大規模化を小スペースで効率的に実現できる。
また、本発明の曲線光導波路は、簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができ、さらに光導波路を設計する際に、一般的なシミュレーションソフトウエアにて容易に作成することができる。
このように、本発明の曲線光導波路は、光導波路を設計、マスク作製、製造のプロセス全体を容易にする効果も有しており、これを用いて出来上がった光導波路の性能をも良好に実現できるものである。
また、本発明では非S字型曲線光導波路を用いるので短尺化が可能であり、分岐の際には分岐比が安定する上、方向変換も可能となり、スプリッターの大規模化を小スペースで効率的に実現できる。
また、本発明の曲線光導波路は、簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができ、さらに光導波路を設計する際に、一般的なシミュレーションソフトウエアにて容易に作成することができる。
このように、本発明の曲線光導波路は、光導波路を設計、マスク作製、製造のプロセス全体を容易にする効果も有しており、これを用いて出来上がった光導波路の性能をも良好に実現できるものである。
本発明の曲線光導波路は、コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限であることを特徴とする。
本発明の曲線光導波路としては、たとえば以下の式〔I〕で定義される関数を用いて実現することができる:
y=1−cos〔(π/2)z〕・・・・・・・・・・・・・・〔I〕
上記式では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔I〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
本発明の曲線光導波路としてはまた、以下の式〔II〕で定義される関数を用いて実現することができる:
y=(1−t)f(z)+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・〔II〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、f(z)はzの連続関数であり、f(0)=0、f(1)=1、f”(0)=0、f”(1)=0を満足する関数であり、f”(z)はf(z)のzに関する2階微分を表す。tはゼロでない実数である。
上記式では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔II〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
また、本発明の曲線光導波路としては、以下の式〔III〕で定義される関数を用いて実現することができる。
y=(1−t)z+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・・〔III〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tはゼロでない実数である。上記式〔II〕において、f(z)=zの場合に式〔III〕となる。上記式〔III〕では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔III〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
さらにまた本発明の曲線光導波路としては、以下の式〔IV〕で定義される関数を用いて実現することができる。
y=(1−t)〔z−(a/π)sinπz〕
+t[1−cos〔(π/2)z〕]・・・・・・・・・・・〔IV〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tおよびaはゼロでない実数である。上記式〔II〕において、
f(z)=z−(a/π)sinπz
の場合に上記式〔IV〕となる。上記式〔IV〕では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔IV〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
本発明の曲線光導波路としては、たとえば以下の式〔I〕で定義される関数を用いて実現することができる:
y=1−cos〔(π/2)z〕・・・・・・・・・・・・・・〔I〕
上記式では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔I〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
本発明の曲線光導波路としてはまた、以下の式〔II〕で定義される関数を用いて実現することができる:
y=(1−t)f(z)+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・〔II〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、f(z)はzの連続関数であり、f(0)=0、f(1)=1、f”(0)=0、f”(1)=0を満足する関数であり、f”(z)はf(z)のzに関する2階微分を表す。tはゼロでない実数である。
上記式では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔II〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
また、本発明の曲線光導波路としては、以下の式〔III〕で定義される関数を用いて実現することができる。
y=(1−t)z+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・・〔III〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tはゼロでない実数である。上記式〔II〕において、f(z)=zの場合に式〔III〕となる。上記式〔III〕では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔III〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
さらにまた本発明の曲線光導波路としては、以下の式〔IV〕で定義される関数を用いて実現することができる。
y=(1−t)〔z−(a/π)sinπz〕
+t[1−cos〔(π/2)z〕]・・・・・・・・・・・〔IV〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tおよびaはゼロでない実数である。上記式〔II〕において、
f(z)=z−(a/π)sinπz
の場合に上記式〔IV〕となる。上記式〔IV〕では、座標系を始点がz=0、y=0、終点がz=1、y=1となる形で規格化して示しているが、必要に応じてy方向及びまたはz方向に拡大縮小して用いることができる。また、必要に応じて向きを変えたり、反転させたりして用いることができる。上記式〔IV〕の形式で表現した場合、z=0は曲率半径が有限である端部、z=1は曲率がゼロに漸近する端部を示している。
本発明の曲線光導波路は中途に曲率の符号の反転がないパターンを有する非S字型のコア形状を有する曲線光導波路製造用マスクにあって、該パターンの一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限であることを特徴とするマスクを用いて製造することができる。
本発明の曲線光導波路は、上述したマスクを用いることにより、従来の曲線光導波路について公知の手順で同様に作製することができる。例えばクラッド上にコア材料(後述)からなる層を設けた後、この層の上に感光性レジスト層を設け、上記マスクを載せて、露光、現像を行い、本発明の曲線光導波路形状を有するコアを形成する。また、上記マスク材料には、公知のいずれのものを用いても良い。
本発明の曲線光導波路は、上述したマスクを用いることにより、従来の曲線光導波路について公知の手順で同様に作製することができる。例えばクラッド上にコア材料(後述)からなる層を設けた後、この層の上に感光性レジスト層を設け、上記マスクを載せて、露光、現像を行い、本発明の曲線光導波路形状を有するコアを形成する。また、上記マスク材料には、公知のいずれのものを用いても良い。
また本発明の曲線光導波路に別のコア形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路を構成することが可能である。別のコア形状の光導波路としては、例えば分岐光導波路が考えられ、その一つの例として分岐光導波路であり、その出力端を前記曲線光導波路の曲率半径が有限である端部に光学的に接して配置した光導波路がある。更に具体的には前記別のコア形状の光導波路は、コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ両端における曲率がゼロに漸近することを特徴とする曲線光導波路が考えられる。
両端における曲率がゼロに漸近する曲線光導波路のコア形状は:
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔V〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
y=z−(1/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VI〕
y=z−(a/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VII〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸、aはゼロでない実数である。
などで表される。
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔V〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。
y=z−(1/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VI〕
y=z−(a/π)sinπz・・・・・・・・・・・・・・・〔VII〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸、aはゼロでない実数である。
などで表される。
次に、添付した図面に基いて本願発明を更に詳細に説明する。図1は本発明の曲線光導波路の両端における直線光導波路との接続部を表した図である。図1において、直線光導波路コア部分11及び12が本発明の曲線光導波路コア部分1の両端部A,Bに接続されている。本発明の曲線光導波路1は、端部Aにおいて曲率半径が有限であり、端部Bにおいて曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している。図2は従来の曲線光導波路の両端における直線光導波路との接続部を表した図である。図2において、直線光導波路コア部分11及び12が従来の曲線光導波路コア部分10の両端部A,Aに接続されている。従来の曲線光導波路10は、両端部Aにおいて曲率半径が有限である。
既に記載している通り、本発明の曲線光導波路は、簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができ、さらに光導波路を設計する際に、一般的なシミュレーションソフトウエアにて容易に作成することができる。
シミュレーションソフトウエアによっては、光導波路部分構造の回転操作が困難な場合がある。このような場合には、上記式〔II〕の曲線光導波路を用いると入力端にてz方向に平行で出力端にてz方向と角度θをもつ光導波路を容易に与えることができる。さらに、上記式〔III〕の曲線光導波路を用いると入力端にてz方向と角度θ1、出力端にてz方向と角度θ2をもつ光導波路を容易に与えることができる。
上記を以下に更に説明する。
(イ)式〔I〕の場合(図3参照)
y'=(π/2)sin〔(π/2)z〕
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、y'=tanθ=0 つまり、
θ=0である。(左端部)
z=1(出力端)のとき、接線の傾きは、y'=tanθ=π/2(右端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、π/2という数字自体に意味はないが、始点では、z軸方向に平行であり、終点ではz軸から傾いている(θ≠0)ので使い勝手がよい。例えば、z軸に平行な分岐構造に接続して、出力端を傾けたい時など便利である。
(ロ)式〔II〕の場合(図4参照)
y'=(1−t)f’(z)−t(π/2)sin〔(π/2)z〕
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、
y'= tanθ1=(1−t)f’(0) (左端部)
z=1(出力端)のとき、接線の傾きは、
y'= tanθ2=(1−t)f’(1)+t(π/2) (右端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、(1−t)f’(0)、(1−t)f’(1)+t(π/2)という数字自体に意味はないが、始点ではz軸方向とθ1、終点ではz軸方向とθ2傾いている曲線を与えることができるので使い勝手が良い。例えば、z軸とある傾きθ1を持った光導波路に接続して、出力端をθ2に傾けたい時など便利である。なお、t=1の場合は式〔II〕は式〔I〕と一致する。
(ハ)式〔III〕の場合(図4参照)
式〔II〕において、f(z)=zの場合に相当するので、f’(z)=1であり、f’(0)=f’(1)=1となる。したがって、
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、y'=tanθ1=1−t(左端部)
z=1(出力端)のとき、
接線の傾きは、y'=tanθ2=(1―t)+t(π/2) (右端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、(1−t)、(1―t)+t(π/2)という数字自体に意味はないが、始点ではz軸方向とθ1、終点ではz軸方向とθ2傾いている曲線を与えることができるので使い勝手が良い。例えば、z軸とある傾きθ1を持った光導波路に接続して、出力端をθ2に傾けたい時など便利である。なお、t=1の場合は式〔III〕は式〔I〕と一致する。
(ニ)式〔IV〕の場合(図4参照)
式〔II〕において、f(z)=z−(a/π)sinπzの場合に相当するので、f’(z)=1−a・cosπzであり、f’(0)=1−a、f’(1)=1+aとなる。したがって、
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、
y'=tanθ1=(1−t)(1−a) (右端部)
z=1(出力端)のとき、接線の傾きは、
y'=tanθ2=(1−t)(1+a)+t(π/2) (左端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、(1−t)(1−a)、(1−t)(1+a)+t(π/2)という数字自体に意味はないが、始点ではz軸方向とθ1、終点ではz軸方向とθ2傾いている曲線を与えることができるので使い勝手が良い。例えば、z軸とある傾きθ1を持った光導波路に接続して、出力端をθ2に傾けたい時など便利である。なお、a=1の場合は式〔IV〕は式〔I〕と一致する。
シミュレーションソフトウエアによっては、光導波路部分構造の回転操作が困難な場合がある。このような場合には、上記式〔II〕の曲線光導波路を用いると入力端にてz方向に平行で出力端にてz方向と角度θをもつ光導波路を容易に与えることができる。さらに、上記式〔III〕の曲線光導波路を用いると入力端にてz方向と角度θ1、出力端にてz方向と角度θ2をもつ光導波路を容易に与えることができる。
上記を以下に更に説明する。
(イ)式〔I〕の場合(図3参照)
y'=(π/2)sin〔(π/2)z〕
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、y'=tanθ=0 つまり、
θ=0である。(左端部)
z=1(出力端)のとき、接線の傾きは、y'=tanθ=π/2(右端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、π/2という数字自体に意味はないが、始点では、z軸方向に平行であり、終点ではz軸から傾いている(θ≠0)ので使い勝手がよい。例えば、z軸に平行な分岐構造に接続して、出力端を傾けたい時など便利である。
(ロ)式〔II〕の場合(図4参照)
y'=(1−t)f’(z)−t(π/2)sin〔(π/2)z〕
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、
y'= tanθ1=(1−t)f’(0) (左端部)
z=1(出力端)のとき、接線の傾きは、
y'= tanθ2=(1−t)f’(1)+t(π/2) (右端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、(1−t)f’(0)、(1−t)f’(1)+t(π/2)という数字自体に意味はないが、始点ではz軸方向とθ1、終点ではz軸方向とθ2傾いている曲線を与えることができるので使い勝手が良い。例えば、z軸とある傾きθ1を持った光導波路に接続して、出力端をθ2に傾けたい時など便利である。なお、t=1の場合は式〔II〕は式〔I〕と一致する。
(ハ)式〔III〕の場合(図4参照)
式〔II〕において、f(z)=zの場合に相当するので、f’(z)=1であり、f’(0)=f’(1)=1となる。したがって、
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、y'=tanθ1=1−t(左端部)
z=1(出力端)のとき、
接線の傾きは、y'=tanθ2=(1―t)+t(π/2) (右端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、(1−t)、(1―t)+t(π/2)という数字自体に意味はないが、始点ではz軸方向とθ1、終点ではz軸方向とθ2傾いている曲線を与えることができるので使い勝手が良い。例えば、z軸とある傾きθ1を持った光導波路に接続して、出力端をθ2に傾けたい時など便利である。なお、t=1の場合は式〔III〕は式〔I〕と一致する。
(ニ)式〔IV〕の場合(図4参照)
式〔II〕において、f(z)=z−(a/π)sinπzの場合に相当するので、f’(z)=1−a・cosπzであり、f’(0)=1−a、f’(1)=1+aとなる。したがって、
z=0(入力端)のとき、接線の傾きは、
y'=tanθ1=(1−t)(1−a) (右端部)
z=1(出力端)のとき、接線の傾きは、
y'=tanθ2=(1−t)(1+a)+t(π/2) (左端部)
もとの式に定数倍してもかまわないので、(1−t)(1−a)、(1−t)(1+a)+t(π/2)という数字自体に意味はないが、始点ではz軸方向とθ1、終点ではz軸方向とθ2傾いている曲線を与えることができるので使い勝手が良い。例えば、z軸とある傾きθ1を持った光導波路に接続して、出力端をθ2に傾けたい時など便利である。なお、a=1の場合は式〔IV〕は式〔I〕と一致する。
図5は本発明で用いる別の新しい曲線光導波路の両端における直線光導波路との接続部を表した図である。図5において、直線光導波路コア部分11及び12が本発明で用いる別の新しい曲線光導波路コア部分21の両端部B、B接続されている。本発明で用いる図5に示した曲線光導波路21は、両端部Bにおいて曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している。図1、図2及び図5は両端を直線光導波路と良好に(低過剰損失に)接続した場合の構成例である。端部Aでは、光学中心がオフセットしているため、曲線光導波路と直線光導波路との接続部分で光導波路中心部分をずらす必要があるが、端部Bでは、光学中心がオフセットしていないため、接続部分で光導波路中心を一致させて接続できる。
図6は図1に示した曲線光導波路の端部Aの有効な利用例を表した図である。図6において、直線光導波路コア部分11に分岐構造コア部分31が接続されており、この分岐構造コア部分31の出力部分に本発明の曲線光導波路コア部分1及び2の曲率半径が有限な端部Aが接続されており、本発明の曲線光導波路コア部分2の曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部Bに直線光導波路コア部分12が接続されている。図7は図1に示した曲線光導波路の端部Aの図4とは別の有効な利用例を表した図である。図7においては、本発明の曲線光導波路を反射構造の近傍に配置された例を示しており、本発明の曲線光導波路コア部分1及び2が、曲率半径が有限な端部Aにおいて特定の光を反射するフィルタ、ハーフミラーを含む金属ミラーなどの反射体41に接続している。
図8は図1に示した曲線光導波路の端部Bの有効な利用例を表した図である。図8において、その構造は図6と全く同様であり、図8では本発明の曲線光導波路コア部分2の曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部Bに直線光導波路コア部分12が接続されている。図9は図1に示した曲線光導波路の端部Bの図6とは別の有効な利用例を表した図である。図9では本発明の曲線光導波路コア部分1の曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部Bに分岐構造コア部分31が接続されている。
図10は図1に示した曲線光導波路の端部Bの図9とは別の有効な利用例を表した図である。図10では本発明の曲線光導波路コア部分1の曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部Bに図5に示した曲線光導波路コア部分21の端部Bが接続されており、図9に示した曲線光導波路コア部分21のもう一方の端部Bは直線光導波路コア部分12に接続されている。図11は図1に示した曲線光導波路の端部Bの更に図10とは別の有効な利用例を表した図である。すなわち、本発明の曲線光導波路コア部分1の曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部Bに通常の光ファイバ42のコア部分が接続している。図12は図1に示した曲線光導波路の端部Bの更に図11とは別の有効な利用例を表した図である。すなわち、本発明の曲線光導波路コア部分1の曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部Bに通常の光ファイバ用ガイド溝43が接続している。
図13は本願の光学装置の一例として、本発明の曲線光導波路を用いた光スプリッタの一実施態様を示す図である。図13において、本願の光学装置は実線で示す本発明の曲線光導波路1〜6に破線で示す別のコア形状の光導波路21〜26をそれぞれ光学的に接続して配置して光導波路を構成し、更に分岐光導波路31〜33及び光ファイバ用ガイド溝43〜47も接続して光スプリッタ200を構成している。図14はやはり本願の光学装置の一例として、本発明の曲線光導波路を用いた図13とは別の光スプリッタの一実施態様を示す図である。すなわち、実線で示す本発明の曲線光導波路1〜6と分岐光導波路31〜33との接続光導波路に破線で示す図5の曲線光導波路21〜24を接続配置して更に光ファイバ用ガイド溝43〜47も接続して光スプリッタ201を構成している。
光導波路等を接続するとは、光学的に接続されていれば良く、大きな損失が生じない程度に必要に応じて間隙を設けたり、接着層が設けられていても良い。こうすることで、本発明の曲線光導波路の応用範囲が拡がる。
光導波路等を接続するとは、光学的に接続されていれば良く、大きな損失が生じない程度に必要に応じて間隙を設けたり、接着層が設けられていても良い。こうすることで、本発明の曲線光導波路の応用範囲が拡がる。
発明の光導波路においてはコアおよび/またはクラッドの一部または全部がポリマーであることが好ましく、ポリマーはフッ素を含むポリイミド系樹脂であることが好ましい。
本発明の光導波路のコア、クラッド材料としてはガラスや半導体材料等の無機材料、樹脂等の有機材料など様々なものが挙げられるが、樹脂等のポリマーがドライエッチング等により短時間で加工しやすいため好ましい。なお、クラッドの全部若しくは一部として空気層を用いてもよい。このようなポリマーとしてはいずれのものも使用できるが、具体例としては、ポリイミド系樹脂(例、ポリイミド樹脂、ポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエステルイミド樹脂等)、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリキノリン系樹脂、ポリキノキサリン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、及びフォトブリーチング用樹脂(例、特開2001−296438号公報記載のポリシラン、ニトロン化合物を有するシリコーン樹脂、DMAPN{(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−N−フェニルニトロン}を含有するポリメタクリル酸メチル、ダイポリマー(dye polymer)、ニトロン化合物を含有するポリイミド樹脂あるいはエポキシ樹脂、特開2000−66051号公報記載の加水分解性シラン化合物等)が挙げられる。上記樹脂はフッ素原子を有しているものであってもよい。ポリマーとして好ましいものとしては、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れることからポリイミド樹脂が挙げられ、その中でも透過率、屈折率特性からフッ素を含むポリイミド系樹脂が特に好ましい。
フッ素を含むポリイミド系樹脂としては、フッ素を含むポリイミド樹脂、フッ素を含むポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、フッ素を含むポリエーテルイミド樹脂、フッ素を含むポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
本発明の光導波路のコア、クラッド材料としてはガラスや半導体材料等の無機材料、樹脂等の有機材料など様々なものが挙げられるが、樹脂等のポリマーがドライエッチング等により短時間で加工しやすいため好ましい。なお、クラッドの全部若しくは一部として空気層を用いてもよい。このようなポリマーとしてはいずれのものも使用できるが、具体例としては、ポリイミド系樹脂(例、ポリイミド樹脂、ポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエステルイミド樹脂等)、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリキノリン系樹脂、ポリキノキサリン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、及びフォトブリーチング用樹脂(例、特開2001−296438号公報記載のポリシラン、ニトロン化合物を有するシリコーン樹脂、DMAPN{(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−N−フェニルニトロン}を含有するポリメタクリル酸メチル、ダイポリマー(dye polymer)、ニトロン化合物を含有するポリイミド樹脂あるいはエポキシ樹脂、特開2000−66051号公報記載の加水分解性シラン化合物等)が挙げられる。上記樹脂はフッ素原子を有しているものであってもよい。ポリマーとして好ましいものとしては、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れることからポリイミド樹脂が挙げられ、その中でも透過率、屈折率特性からフッ素を含むポリイミド系樹脂が特に好ましい。
フッ素を含むポリイミド系樹脂としては、フッ素を含むポリイミド樹脂、フッ素を含むポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、フッ素を含むポリエーテルイミド樹脂、フッ素を含むポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
上記フッ素を含むポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得られる。フッ素は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの両者に含まれていても良いし、いずれか一方にのみ含まれていてもよい。
また、上記フッ素を含まないポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、フッ素を含まないテトラカルボン酸二無水物とフッ素を含まないジアミンを反応させることにより得られる。
また、上記フッ素を含まないポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、フッ素を含まないテトラカルボン酸二無水物とフッ素を含まないジアミンを反応させることにより得られる。
フッ素を含む酸二無水物の例としては、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。
フッ素を含むジアミンとしては、例えば、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パ−フルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼンなどが挙げられる。
上記のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンは二種以上を併用してもよい。ポリイミド系樹脂の前駆体溶液として、感光性を有するものを使用することもできる。
ポリイミド系樹脂前駆体溶液は、スピナあるいは印刷などによる方法により基板表面上に塗布され、最終温度200〜400℃で熱処理し硬化されてポリイミド系樹脂被膜とされる。
ポリイミド系樹脂前駆体溶液は、スピナあるいは印刷などによる方法により基板表面上に塗布され、最終温度200〜400℃で熱処理し硬化されてポリイミド系樹脂被膜とされる。
本発明の光学装置は上記(1)〜(15)のいずれかに記載の光導波路を用いて構成される。このような光学装置としては、光スプリッタ、方向性光結合器、光カプラ、光合分岐器、光合分波器、光送信モジュール、光受信モジュール、光送受信モジュール、光スイッチ、光変調器、光フィルタ、光偏向器、光分散補償器、光アドドロップモジュール、光クロスコネクトなどがあげられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
本発明の曲線部分における過剰損失を以下のように評価した。(入力波長1.31μm及び1.55μm)
式[I]の関数で表される曲線を中心線とする本発明の光導波路1、2を端部Aで接続して図15のように中央部に配置した。この際、z軸方向の長さは、2.355mm、z軸と垂直方向の長さは、0.125mmとした。具体的には、式[I]を次式で表されるようにして、z方向、x方向に拡大縮小して、光導波路の形状を得た。
光導波路の中心線の軌跡:
x/ height=1−cos〔π(z/length)/2〕・・・・・・・・〔X〕
但し、height=0.125mm、length=2.355mmである。
次に、介在部には、式〔VI〕の関数で表される曲線を中心線とする本発明と別の形状の光導波路21,22を接続した。この際、z軸方向の長さは、3mm、z軸と垂直方向(x軸)の長さは、0.125mmとした。具体的には、式〔VI〕を次式で表されるようにして、z方向、x方向に拡大縮小して、光導波路の形状を得た。
光導波路の中心線の軌跡:
x/ height=z/length−sin〔π(z/length)/2〕/π・・〔XI〕
但し、height=0.125mm、length=3mmである。
なお、中央部と介在部との接続部にオフセットは設けなかった。また、接続部において両曲線の接線が略平行となるように中央部と介在部のz軸方向の長さを選択した。さらに、介在部の外側の入出力部には、z軸方向に平行な直線を中心線とする長さ0.1mmの光導波路11,12を接続した。入出力部と介在部との接続部においてもオフセットは設けなかった。図15のように構成された上記光導波路は、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmである。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.004dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.002dB(入力波長1.55μmの場合)であった。
本発明の曲線部分における過剰損失を以下のように評価した。(入力波長1.31μm及び1.55μm)
式[I]の関数で表される曲線を中心線とする本発明の光導波路1、2を端部Aで接続して図15のように中央部に配置した。この際、z軸方向の長さは、2.355mm、z軸と垂直方向の長さは、0.125mmとした。具体的には、式[I]を次式で表されるようにして、z方向、x方向に拡大縮小して、光導波路の形状を得た。
光導波路の中心線の軌跡:
x/ height=1−cos〔π(z/length)/2〕・・・・・・・・〔X〕
但し、height=0.125mm、length=2.355mmである。
次に、介在部には、式〔VI〕の関数で表される曲線を中心線とする本発明と別の形状の光導波路21,22を接続した。この際、z軸方向の長さは、3mm、z軸と垂直方向(x軸)の長さは、0.125mmとした。具体的には、式〔VI〕を次式で表されるようにして、z方向、x方向に拡大縮小して、光導波路の形状を得た。
光導波路の中心線の軌跡:
x/ height=z/length−sin〔π(z/length)/2〕/π・・〔XI〕
但し、height=0.125mm、length=3mmである。
なお、中央部と介在部との接続部にオフセットは設けなかった。また、接続部において両曲線の接線が略平行となるように中央部と介在部のz軸方向の長さを選択した。さらに、介在部の外側の入出力部には、z軸方向に平行な直線を中心線とする長さ0.1mmの光導波路11,12を接続した。入出力部と介在部との接続部においてもオフセットは設けなかった。図15のように構成された上記光導波路は、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmである。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.004dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.002dB(入力波長1.55μmの場合)であった。
比較例1
比較のために、実施例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、式[I]や式[VI]の曲線の代わりに円弧を用いた。また、実施例1と同様に、接続部において両曲線の接線が略平行となるように中央部と介在部のz軸方向の長さを選択した。具体的には、中央部、介在部に用いた円弧光導波路のz軸方向の長さは、全て2.6775mmとした。なお、中央部と介在部との接続部にオフセットは設けなかった。入出力部と介在部との接続部においてもオフセットは設けなかった。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.059dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.095dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。
比較のために、実施例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、式[I]や式[VI]の曲線の代わりに円弧を用いた。また、実施例1と同様に、接続部において両曲線の接線が略平行となるように中央部と介在部のz軸方向の長さを選択した。具体的には、中央部、介在部に用いた円弧光導波路のz軸方向の長さは、全て2.6775mmとした。なお、中央部と介在部との接続部にオフセットは設けなかった。入出力部と介在部との接続部においてもオフセットは設けなかった。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.059dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.095dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。
比較例2
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と介在部との接続部に0.2μmのオフセットを設けた。入出力部と介在部との接続部においては0.1μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.013dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.039dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.31μmでは、オフセットの効果により過剰損失が低減したが、波長1.55μmでは、過剰損失の低減は十分ではなく、両波長において同時に低損失を実現できなかった。
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と介在部との接続部に0.2μmのオフセットを設けた。入出力部と介在部との接続部においては0.1μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.013dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.039dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.31μmでは、オフセットの効果により過剰損失が低減したが、波長1.55μmでは、過剰損失の低減は十分ではなく、両波長において同時に低損失を実現できなかった。
比較例3
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と介在部との接続部に0.4μmのオフセットを設けた。入出力部と介在部との接続部においては0.2μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.013dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.019dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.31μm、1.55μmともに、オフセットの効果により過剰損失が低減したが、過剰損失の低減は実施例1に比べると十分ではなかった。
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と介在部との接続部に0.4μmのオフセットを設けた。入出力部と介在部との接続部においては0.2μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.013dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.019dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.31μm、1.55μmともに、オフセットの効果により過剰損失が低減したが、過剰損失の低減は実施例1に比べると十分ではなかった。
比較例4
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と介在部との接続部に0.6μmのオフセットを設けた。入出力部と介在部との接続部においては0.3μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.060dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.036dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.55μmでは、オフセットの効果によりわずかに過剰損失が低減したが、波長1.31μmでは、オフセットを設けなかった比較例1と同等の過剰損失にとどまり、両波長において同時に低損失を実現できなかった。
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と介在部との接続部に0.6μmのオフセットを設けた。入出力部と介在部との接続部においては0.3μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.060dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.036dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.55μmでは、オフセットの効果によりわずかに過剰損失が低減したが、波長1.31μmでは、オフセットを設けなかった比較例1と同等の過剰損失にとどまり、両波長において同時に低損失を実現できなかった。
比較例5
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と両端部との接続部に0.8μmのオフセットを設けた。入出力部と両端部との接続部においては0.4μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.155dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.092dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.31μmでは、オフセットを設けなかった比較例1と比べると、オフセットの逆効果により過剰損失がかえって増大した、波長1.55μmでは、過剰損失の低減効果はわずかであり、両波長において同時に低損失を実現できなかった。
比較のために、比較例1と同様に、z軸方向の全長10.91mm、x軸方向の振れ幅0.25mmとなるように、光導波路を構成した。但し、ここでは、中央部と両端部との接続部に0.8μmのオフセットを設けた。入出力部と両端部との接続部においては0.4μmのオフセットを設けた。このように構成した光導波路の過剰損失は、−0.155dB(入力波長1.31μmの場合)、−0.092dB(入力波長1.55μmの場合)であり、実施例1に比べて大きな過剰損を示した。波長1.31μmでは、オフセットを設けなかった比較例1と比べると、オフセットの逆効果により過剰損失がかえって増大した、波長1.55μmでは、過剰損失の低減効果はわずかであり、両波長において同時に低損失を実現できなかった。
以上の実施例及び比較例で用いた光導波路の構成要素、形状及び損失結果について、表1にまとめて示した。表1からわかるように、実施例1は、いずれの比較例と比べても、波長1.31μm、1.55μmともに低損失であった。また、円弧を組み合わせて構成した光導波路では、接続部での損失を低減するためにオフセットを種々変えて評価してみたが、両波長での低損失を同時に満足することができなかった。すなわち、複数の波長で使用される光導波路や、広帯域の波長範囲で用いられる光導波路では、オフセットして接続した場合であっても、全波長範囲で低損失を実現することができないことがわかる。
実施例2
次に、図16に示した構成の1×8スプリッタについて過剰損失を計算した。図中実線の部分1〜6に式〔IV〕の関数で表される曲線を有する本発明の光導波路を用い、点線の部分には従来のアーク曲線光導波路または直線光導波路を用いた。接続に本発明の光導波路を用いた場合は、平均−9.53dB(入力波長1.31μmの場合)、平均−9.66dB(入力波長1.55μmの場合)であった。次に比較のため、図16の実線の部分1〜6に従来のアーク曲線を用いて過剰損失を計算した。アーク曲線光導波路を用いた場合は平均−9.66dB(入力波長1.31μmの場合)、平均−9.72dB(入力波長1.55μmの場合)であった。なお、過剰損失の計算にはビーム伝搬法(BPM)を用いた。このように、分岐光導波路間を接続するために本発明の曲線光導波路を用いると損失を低減させることができた。
また、以下のようにして、上記のコアパターンのマスクを作製した。コアパターン寸法はプロセスで変化するので、変化量を考慮したコアパターンをCADで製図した。コアパターン以外にもマスクと基板の位置精度を向上させるためのアライメントマークや、その他パターン計測等に使用するマーカもマスクに追加した。CADの製図の手順は、製図作業の効率をよくするため、初めに1素子分のパターンを製図し、前記1素子分のパターンを配列複写してマスク全体にパターンを配置する。1素子分のパターンには、レイヤーを設けコアパターンを製図したレイヤー以外にも、違うレイヤーを用いてパターンを製図することが可能である。以上のように製図したCAD図面からマスク基板にパターンを露光機を用いて直接描画し、パターン部分をCrの金属膜で埋めたマスクと、パターン部分以外をCrの金属膜で埋めたマスクとを製作した。上記2つのマスクは、コアパターン形成プロセスで使用するレジストの種類及び光導波路製造におけるコア形成プロセスの種類によって使い分けることが可能である。
以上のように、本発明の曲線光導波路を用いて構成された1×8スプリッタでは、アーク結合形状のS字型曲線光導波路を用いて構成された従来のスプリッタよりも良好な過剰損失を示した。
次に、図16に示した構成の1×8スプリッタについて過剰損失を計算した。図中実線の部分1〜6に式〔IV〕の関数で表される曲線を有する本発明の光導波路を用い、点線の部分には従来のアーク曲線光導波路または直線光導波路を用いた。接続に本発明の光導波路を用いた場合は、平均−9.53dB(入力波長1.31μmの場合)、平均−9.66dB(入力波長1.55μmの場合)であった。次に比較のため、図16の実線の部分1〜6に従来のアーク曲線を用いて過剰損失を計算した。アーク曲線光導波路を用いた場合は平均−9.66dB(入力波長1.31μmの場合)、平均−9.72dB(入力波長1.55μmの場合)であった。なお、過剰損失の計算にはビーム伝搬法(BPM)を用いた。このように、分岐光導波路間を接続するために本発明の曲線光導波路を用いると損失を低減させることができた。
また、以下のようにして、上記のコアパターンのマスクを作製した。コアパターン寸法はプロセスで変化するので、変化量を考慮したコアパターンをCADで製図した。コアパターン以外にもマスクと基板の位置精度を向上させるためのアライメントマークや、その他パターン計測等に使用するマーカもマスクに追加した。CADの製図の手順は、製図作業の効率をよくするため、初めに1素子分のパターンを製図し、前記1素子分のパターンを配列複写してマスク全体にパターンを配置する。1素子分のパターンには、レイヤーを設けコアパターンを製図したレイヤー以外にも、違うレイヤーを用いてパターンを製図することが可能である。以上のように製図したCAD図面からマスク基板にパターンを露光機を用いて直接描画し、パターン部分をCrの金属膜で埋めたマスクと、パターン部分以外をCrの金属膜で埋めたマスクとを製作した。上記2つのマスクは、コアパターン形成プロセスで使用するレジストの種類及び光導波路製造におけるコア形成プロセスの種類によって使い分けることが可能である。
以上のように、本発明の曲線光導波路を用いて構成された1×8スプリッタでは、アーク結合形状のS字型曲線光導波路を用いて構成された従来のスプリッタよりも良好な過剰損失を示した。
実施例3
以下の材料を用いて、図16に示される概略構造を有する曲線光導波路を有する光スプリッタを作製した。
コア:日立化成工業株式会社製 OPI−N3205
クラッド:日立化成工業株式会社製 OPI−N1005
製造方法;V溝が形成されたシリコンウエハ上に有機ジルコニウムキレートをスピンコート法により乾燥膜厚100オングストロームとなるように塗布し、乾燥後、その上にフッ素を含まないポリイミド樹脂を乾燥膜厚0.3μmとなるように塗布し、乾燥後、フッ素を含むポリイミド樹脂からなる下部クラッド層(8μm)及びコア層(6.5μm)を形成した。次にコア層の上にシリコン含有レジストを0.5μm厚となるように塗布、乾燥し、実施例2で作製したマスクのコアパターンを介して露光、現像し、このレジストパターンを介して反応性イオンエッチングを行い、コア層を形成した。レジスト剥離後、上部クラッド層(15μm)を形成してポリイミド光導波路を作成した。その後、ダイシングによりチップに切り出した。
得られた光導波路の挿入損失を評価した。評価にあたっては、光導波路基板の両端に形成されたV溝をガイドとして光ファイバを固定して測定した。光源としては、波長1.31μmの半導体レーザを用いた。本発明の曲線光導波路を用いた場合の挿入損失は、最も損失が大きいポートで−12.4dB、アーク曲線光導波路を用いた場合の挿入損失は、最も損失が大きいポートで−12.5dBであった。また、挿入損失の8ポート間の最大、最小の差(均一性)は、本発明では1.3dB、アーク曲線光導波路を用いた場合は2.4dBであった。
以上のように、本発明の曲線光導波路を用いて構成された1×8型ツリー構成のスプリッタでは、アーク曲線光導波路を用いて構成された従来のスプリッタよりも良好な挿入損失を示した。また、ポート間の損失の均一性では、本発明の方が大幅に良好であった。
以下の材料を用いて、図16に示される概略構造を有する曲線光導波路を有する光スプリッタを作製した。
コア:日立化成工業株式会社製 OPI−N3205
クラッド:日立化成工業株式会社製 OPI−N1005
製造方法;V溝が形成されたシリコンウエハ上に有機ジルコニウムキレートをスピンコート法により乾燥膜厚100オングストロームとなるように塗布し、乾燥後、その上にフッ素を含まないポリイミド樹脂を乾燥膜厚0.3μmとなるように塗布し、乾燥後、フッ素を含むポリイミド樹脂からなる下部クラッド層(8μm)及びコア層(6.5μm)を形成した。次にコア層の上にシリコン含有レジストを0.5μm厚となるように塗布、乾燥し、実施例2で作製したマスクのコアパターンを介して露光、現像し、このレジストパターンを介して反応性イオンエッチングを行い、コア層を形成した。レジスト剥離後、上部クラッド層(15μm)を形成してポリイミド光導波路を作成した。その後、ダイシングによりチップに切り出した。
得られた光導波路の挿入損失を評価した。評価にあたっては、光導波路基板の両端に形成されたV溝をガイドとして光ファイバを固定して測定した。光源としては、波長1.31μmの半導体レーザを用いた。本発明の曲線光導波路を用いた場合の挿入損失は、最も損失が大きいポートで−12.4dB、アーク曲線光導波路を用いた場合の挿入損失は、最も損失が大きいポートで−12.5dBであった。また、挿入損失の8ポート間の最大、最小の差(均一性)は、本発明では1.3dB、アーク曲線光導波路を用いた場合は2.4dBであった。
以上のように、本発明の曲線光導波路を用いて構成された1×8型ツリー構成のスプリッタでは、アーク曲線光導波路を用いて構成された従来のスプリッタよりも良好な挿入損失を示した。また、ポート間の損失の均一性では、本発明の方が大幅に良好であった。
以上説明してきたように、上記(1)記載の発明によれば、一端においては直線導波路と軸ずれなしに低損失に結合し、他端においては同一の曲率の曲線光導波路と軸ずれなしに結合する光導波路を構成することができる。また、本発明の曲線光導波路を用いることで、一端においては直線光導波路と軸ずれなしに低損失に結合し、他端においては光のモード中心を導波路コアの幾何学的中心から軸ずれを起こした形で結合する光導波路を構成することができる。
曲率がゼロである端部の接合は、直線光導波路への接合の他に、分岐構造の結合部(1x2であれば、1ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、従来の軸ずれが必要な曲線光導波路を用いた場合に比べ、製造ばらつきが小さく、歩留まりの良い光導波路を得ることができる。さらに、広い波長範囲において、良好な光導波路を提供することができる。曲率が有限である端部の接合は、上記(7)記載の発明のように曲線光導波路への接合の他に、分岐構造の分岐部(1x2であれば、2ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、分岐根元部の狭幅部分を有限の間隙とした場合であっても、分岐部根元中央部からの漏れ光を低減することができ、分岐過剰損失を少なくすることが可能である。また、上記(10)〜(12)記載の発明によれば非S字型曲線光導波路を用いるので短尺化が可能であり、分岐の際には分岐比が安定する上、方向変換も可能となり、スプリッターの大規模化を小スペースで効率的に実現できる。
上記(2)〜(18)記載の発明によれば、曲線光導波路が簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができる。本発明の曲線光導波路は、簡単な関数で記載できるため、光導波路を設計する際に、一般的なシミュレーションソフトウエアにて容易に作成することができる。
上記(9)〜(16)記載の発明によれば、構成する曲線光導波路同士の互いの長所を生かし、短所を補い、かつスペース効率の高い光導波路が得られる。上記(2)〜(16)記載の発明によれば、さらに曲線光導波路が簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができる。
上記(17)または上記(18)記載の発明によれば、短時間で加工し易く耐熱性に優れ、透過率・屈折率特性に優れた曲線光導波路が得られる。
上記(19)記載の発明によれば、光学特性並びに伝送特性に優れ、スペース効率の高い光スプリッタ、方向性光結合器、光カプラ、光合分岐器、光合分波器、光送信モジュール、光受信モジュール、光送受信モジュール、光スイッチ、光変調器、光フィルタ、光偏向器、光分散補償器、光アドドロップモジュール、光クロスコネクトなどが得られる。
以上のように、本発明の曲線光導波路及び光学装置によれば、異なる性質の光導波路を接続する場合に好適に用いることのできる光導波路及び光学装置が得られる。
曲率がゼロである端部の接合は、直線光導波路への接合の他に、分岐構造の結合部(1x2であれば、1ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、従来の軸ずれが必要な曲線光導波路を用いた場合に比べ、製造ばらつきが小さく、歩留まりの良い光導波路を得ることができる。さらに、広い波長範囲において、良好な光導波路を提供することができる。曲率が有限である端部の接合は、上記(7)記載の発明のように曲線光導波路への接合の他に、分岐構造の分岐部(1x2であれば、2ch側)との接合に好適に用いることができる。この接合部分においては、分岐根元部の狭幅部分を有限の間隙とした場合であっても、分岐部根元中央部からの漏れ光を低減することができ、分岐過剰損失を少なくすることが可能である。また、上記(10)〜(12)記載の発明によれば非S字型曲線光導波路を用いるので短尺化が可能であり、分岐の際には分岐比が安定する上、方向変換も可能となり、スプリッターの大規模化を小スペースで効率的に実現できる。
上記(2)〜(18)記載の発明によれば、曲線光導波路が簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができる。本発明の曲線光導波路は、簡単な関数で記載できるため、光導波路を設計する際に、一般的なシミュレーションソフトウエアにて容易に作成することができる。
上記(9)〜(16)記載の発明によれば、構成する曲線光導波路同士の互いの長所を生かし、短所を補い、かつスペース効率の高い光導波路が得られる。上記(2)〜(16)記載の発明によれば、さらに曲線光導波路が簡単な関数で記載できるため、光導波路製造用マスクもしくは光導波路製造用成形型を作製する際に、一般的なCADにて容易に作成することができる。
上記(17)または上記(18)記載の発明によれば、短時間で加工し易く耐熱性に優れ、透過率・屈折率特性に優れた曲線光導波路が得られる。
上記(19)記載の発明によれば、光学特性並びに伝送特性に優れ、スペース効率の高い光スプリッタ、方向性光結合器、光カプラ、光合分岐器、光合分波器、光送信モジュール、光受信モジュール、光送受信モジュール、光スイッチ、光変調器、光フィルタ、光偏向器、光分散補償器、光アドドロップモジュール、光クロスコネクトなどが得られる。
以上のように、本発明の曲線光導波路及び光学装置によれば、異なる性質の光導波路を接続する場合に好適に用いることのできる光導波路及び光学装置が得られる。
1〜6:本発明の曲線光導波路
10:従来の曲線光導波路
11〜13:直線光導波路
21〜26:本発明で用いる別の新しい曲線光導波路
31〜33:分岐構造
41:反射体
42:光ファイバ
43〜47:光ファイバ用ガイド溝
50:クラッド
100:光導波路形成領域
200、201:光スプリッタ
A:曲率半径が有限な端部
B:曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部
10:従来の曲線光導波路
11〜13:直線光導波路
21〜26:本発明で用いる別の新しい曲線光導波路
31〜33:分岐構造
41:反射体
42:光ファイバ
43〜47:光ファイバ用ガイド溝
50:クラッド
100:光導波路形成領域
200、201:光スプリッタ
A:曲率半径が有限な端部
B:曲率半径が無限大(曲率がゼロ)に漸近している端部
Claims (19)
- コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ一端における曲率がゼロに漸近し、他端における曲率半径が有限な曲線光導波路。
- コア形状が以下の式〔I〕で定義される、請求項1に記載の曲線光導波路:
y=1−cos〔(π/2)z〕・・・・・・・・・・・・・・〔I〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。 - コア形状が以下の式〔II〕で定義される、請求項1に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)f(z)+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・〔II〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、f(z)はzの連続関数であり、f(0)=0、f(1)=1、f”(0)=0、f”(1)=0を満足する関数であり、f”(z)はf(z)のzに関する2階微分を表す。tはゼロでない実数である。 - コア形状が以下の式〔III〕で定義される、請求項1に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)z+t{1−cos〔(π/2)z〕}・・・・〔III〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tはゼロでない実数である。 - コア形状が以下の式〔IV〕で定義される、請求項1に記載の曲線光導波路:
y=(1−t)〔z−(a/π)sinπz〕
+t[1−cos〔(π/2)z〕]・・・・・・・・・・・〔IV〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸であり、tおよびaはゼロでない実数である。 - 請求項1に記載の曲線光導波路に別のコア形状の光導波路を光学的に接続して配置した光導波路。
- 前記別のコア形状の光導波路は分岐光導波路である請求項6に記載の光導波路。
- 前記分岐光導波路の出力端を前記曲線光導波路の曲率半径が有限である端部に光学的に接続して配置した請求項7に記載の光導波路。
- 前記分岐光導波路の入力端に前記曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部を光学的に接続して配置した請求項7に記載の光導波路。
- 請求項1に記載の曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部に光ファイバを光学的に接続して配置した光導波路。
- 請求項1に記載の曲線光導波路の曲率がゼロに漸近する端部に光ファイバを固定するためのガイド溝構造を隣接して配置した光導波路。
- 請求項1に記載の曲線光導波路の曲率半径が有限な端部にフィルタ等を含む反射面を隣接して配置した光導波路。
- 前記別の形状の光導波路は、コア及びクラッドからなる光導波路において、そのコア形状が中途に曲率の反転を有さず、かつ両端における曲率がゼロに漸近することを特徴とする曲線光導波路である請求項6に記載の光導波路。
- 前記コア形状が以下の式〔V〕で定義される、請求項13に記載の光導波路:
y=sinπz・・・・・・・・・・・・・・・・〔V〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。 - 前記コア形状が以下の式〔VI〕で定義される、請求項13に記載の光導波路:
y=z−(1/π)sinπz・・・・・・・・・〔VI〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸である。 - 前記コア形状が以下の式〔VII〕で定義される、請求項13に記載の光導波路:
y=z−(a/π)sinπz・・・・・・・・・〔VII〕
上記式において、y及びzは光導波路が存在する平面上の直交する座標軸、aはゼロでない実数である。 - 光導波路のコアおよび/またはクラッドの一部または全部がポリマーである請求項1〜請求項16のいずれかに記載の光導波路。
- ポリマーがフッ素を含むポリイミド系樹脂である、請求項17に記載の光導波路。
- 請求項1〜請求項18のいずれかに記載の光導波路を用いた光学装置。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP2004016537A JP2005208446A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 曲線光導波路及び光学装置 |
PCT/JP2005/000703 WO2005071454A1 (ja) | 2004-01-26 | 2005-01-20 | 曲線光導波路及び光学装置 |
US10/587,170 US7496254B2 (en) | 2004-01-26 | 2005-01-20 | Curved optical waveguide and optical device |
TW094102185A TW200533967A (en) | 2004-01-26 | 2005-01-25 | Curved optical waveguide and optical device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004016537A JP2005208446A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 曲線光導波路及び光学装置 |
Publications (1)
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ID=34901658
Family Applications (1)
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JP2004016537A Withdrawn JP2005208446A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 曲線光導波路及び光学装置 |
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JP (1) | JP2005208446A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109597163A (zh) * | 2018-11-13 | 2019-04-09 | 湖北工业大学 | 一种特殊Y分支型弯曲结构的1x16光分路器 |
-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004016537A patent/JP2005208446A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109597163A (zh) * | 2018-11-13 | 2019-04-09 | 湖北工业大学 | 一种特殊Y分支型弯曲结构的1x16光分路器 |
CN109597163B (zh) * | 2018-11-13 | 2020-06-09 | 湖北工业大学 | 一种特殊Y分支型弯曲结构的1x16光分路器 |
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