明 細 書
光導波路
発明の背景
本発明は、 光導波路、 Y形光導波路及びこれらを有する光学装置、 さらにこれ らの製造方法に関する。
近年のパソコンやイン夕一ネットの普及に伴い、 情報伝送需要が急激に増大し ており、 伝送速度の速い光伝送が普及されつつある。 光導波路は光伝送における 光イン夕一コネクションとして使用されている。 例えば光スプリツ夕 (分岐結合 器) のような光学装置では、 分岐構造と複数の曲線光導波路とを光学的に結合し て使用している。 かかる曲線光導波路は、 通常コア幅が一定である。
コア幅を変化させた曲線光導波路としては、 分岐部の損失を低減することを目 的として、 Y分岐の外側形状と内側形状を一定の関数に基づく形状としてコア幅 を漸次拡大させた曲線光導波路が報告されている。 例えば、 日本特許第 2 5 8 9 3 6 7号公報に記載されている。
光導波路が光スプリヅ夕を構成する場合などにおいて、 2本の曲線光導波路が 分岐構造に接続する部分では、 理想的には両曲線光導波路の間隔を無限小から徐 々に広げることが光の損失を低減するうえでは有効であるが、 製造上の制約から 歩留よく無限小の間隙を形成することは極めて困難である。 このため、 両曲線光 導波路の間隔を広く配置することで、 分岐部分の製造上の形状のばらつきの影響 を小さくすることができ、 また、 クラッド材料による狭幅部分の埋め込み不良を 低減することができる。 ところが、 広く配置した間隙からクラッドへの漏れ光が 多くなり、 結果として、 分岐過剰損失が大きくなるという問題があった。
発明の開示
本発明は、 曲線光導波路の曲線の形状を変えることにより上記課題を解決し得 ることを見出し、 完成されたものである。 本発明は、 さらに好ましくは、 曲線光 導波路の内周の曲線の形状を変えることにより上記課題を解決するものである。 すなわち、 第 1発明は、 両端部及び内側縁部と外側縁部によりなるコァ領域を 有する曲線光導波路であって、 中間部に前記両端部の小さくない方のコア幅のよ り広いコア幅の部分を少なくとも 1箇所に有することを特徴とする光導波路であ る。
第 2発明は、 曲部を有する光導波路であって、
前記曲部の外側縁部の所定位置から内側縁部までの最短距離を該所定位置の光 導波路幅とするとき、 前記曲部内の中間にある最大光導波路幅から該曲部の両端 部に向けて前記光導波路幅が漸減し、 かつ
前記外側縁部の前記曲部の両端部を結ぶ直線 Lの長さを 1、 前記直線 Lから外 側縁部までの最大高さを h、 前記内側縁部の前記曲部の両端部を結ぶ直線 L ' の 長さを 1 ' 、 前記直線 L ' から内側縁部までの最大高さを h' とするとき、
h/ l > h ' / 1,
であることを特徴とする光導波路である。
第 3発明は、 曲部を有する光導波路であって、 該曲部の内側縁部の曲率が外側 の曲率より小さいことを特徴とする光導波路である。
第 1発明ないし第 3発明の実施態様は以下のとおりである。
前記内側縁部が、 直線であることを特徴とする。
前記曲部の両端部の前記光導波路幅が略等しいことを特徴とする。
前記外側縁部と内側縁部が、 円弧状で、 前記最大光導波路幅の両縁部の位置の 法線が重なることを特徴とする。
前記光導波路の少なくとも一部が、 ポリマ一であることを特徴とする。
前記ポリマーが、 フッ素を含むポリイミド系樹脂であることを特徴とする。 第 4発明は、 第 1発明ないし第 3発明の光導波路を有することを特徴とする光 学装置である。
第 5発明は、 基板上に主光導波路とこれを分岐した 2本以上の分岐光導波路を 有する分岐形光導波路において、
^>なくとも一本の分岐光導波路が、 両端部及び内側縁部と外側縁部によりなる コア領域を有する曲線光導波路であって、 中間部に前記両端部の小さくない方の コア幅のより広いコア幅の部分を少なくとも 1箇所に有する曲線光導波路を有し てレ、ることを特徴とする分岐形光導波路である。
第 6発明は、 基板上に主光導波路とこれを分岐した 2本以上の分岐光導波路を 有する分岐形光導波路において、
前記分岐光導波路のうちの少なくとも 2本の分岐光導波路の一方は、 他方の前 記分岐光導波路に近い側の連続的に変化する外側縁部とその反対側の内側縁部を 有し、
前記外側縁部の所定位置から前記内側縁部までの最短距離を該所定位置の分岐 光導波路幅とするとき、 前記分岐光導波路の曲線領域内の中! ¾にある最大分岐光 導波路幅から該領域の両端部に向けて前記分岐光導波路幅が漸減し、 かつ 前記外側縁部の前記曲線領域の両端部を結ぶ直線 Lの長さを 1、 前記直線 Lか ら外側縁部までの最大高さを h、 前記内側縁部の前記曲線領域の両端部を結ぶ直 線: L ' の長さを 、 前記直線 L ' から内側縁部までの最大高さを h' とすると ぎ、
h/ l > h,/ l,
することを特徴とする分岐形光導波路である。
Y形光導波路は、 テーパを利用したり、 MM I構造を利用したり、 方向性結合 器を利用する等して構成することができる。 また、 2本の分岐形光導波路は、 分
岐部に平行に光学的に接合されていても、 所定の開き角をもって光学的に接合さ れていてもよい。 前記開き角は、 大きな角度でないことが好ましい。 好ましくは
、 開き角は 1 0 ° 以下である。 さらに好ましくは、 開き角は 5 ° 以下である。 さらに好ましくは、 開き角は 1 ° 以下である。
第 7発明は、 基板上に主光導波路とこれを分岐した 2本以上の分岐光導波路を 有する分岐形光導波路において、
少なく とも一本の前記分岐光導波路が、 曲部を有する光導波路であって、 該曲 部の外側録部の曲率が内側の曲率より小さい該光導波路を有していることを特徴 とする分岐形光導波路である。
第 5発明ないし第 7発明の実施態様は、 以下のとおりである。
基板上に主光導波路とこれを分岐した 2本以上の分岐光導波路を有する分岐形 光導波路において、 前記分岐形光導波路が Y形光導波路であることを特徴とする 前記曲線領域の前記主光導波路側の端部が、 前記分岐光導波路の分岐位置から 1 0 0 z m〜l 0 0 0 /zmの位置にあることを特徴とする。
前記曲線領域の長さが、 1 0 0 π!〜 4 0 0〃mであることを特徴とする。 第 8発明は、 第 5発明ないし第 7発明の分岐形光導波路を有することを特徴と する光学装置である。
第 9発明は、 両端部及び内側端部と外側端部によりなるコア領域を有する曲線 光導波路製造用マスクであって、 中間部に前記両端部の小さくない方のコア幅よ り広いコァ幅の部分を少なくとも 1箇所に有することを特徴とする曲線光導波路 製造用マスクである。
第 1 0発明は、 曲部を有する光導波路製造用マスクであって、 前記曲部の外側 縁部の所定位置から内側縁部までの最短距離を該所定位置の光導波路幅とすると き、 前記曲部内の中間にある最大光導波路幅から該曲部の両端部に向けて前記光
導波路幅が漸減し、 かつ
前言己外側縁部の前記曲部の両端部を結ぶ直線 Lの長さを 1、 前記直線 Lから外 側縁音 [3までの最大高さを h、 前記内側縁部の前記曲部の両端部を結ぶ直線 L ' の 長さを 1 ' 、 前記直線!/ から内側縁部までの最大高さを h ' とするとき、
h/ l > h' / 1,
であることを特徴とする光導波路製造用マスクである。
第 1 1発明は、 曲部を有する光導波路製造用マスクであって、 該曲部の内側縁 部の曲率が外側の曲率より小さいことを特徴とする光導波路製造用マスクである 第 9発明ないし第 1 1発明の実施態様は、 以下のとおりである。
前言己内側縁部が直線であることを特徴とする。
前言己曲部の両端部の前記光導波路幅が略等しいことを特徴とする。
前言己外側縁部と内側縁部が、 円弧状で、 前記最大光導波路幅の両縁部の位置の 法線 s重なることを特徴とする。
第 1 2発明は、 第 9発明ないし第 1 1発明のマスクを使用することを特徴とす る曲線光導波路の製造方法である。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1実施例の光導波路の説明図である。
図 2は、 本発明の第 2実施例の Y形光導波路の説明図である。
図 3は、 本発明の曲線光導波路を用いた光スプリツ夕における光損失を表す図 である。
図^は、 従来の曲線光導波路を用いた光スプリツ夕における光損失を表す図で
発明を実施するための最良の形態
本明細書において、 曲線光導波路とは、 光導波路を上方から見た場合の形状に おいて、 少なくとも外側縁部すなわち外周の一部が曲線である光導波路を意味す る。
本明細書 ^1おい 1:、 曲線光導波路の外周とは、 曲線をなすコアの凸側の周線を 意味する。 したがって、 内周とはコアの凹側の周線を意味する。 ただし、 内周は 後述するように直線 (曲率 = 0 ) でありえる。
本発明の ½導波路は、 図 1に示すように、 外周上の任意の点 Aにおける曲率が
、 前記点における法線と内周との交点 Bにおける内周の曲率より大きいことを特 徴とする。 かかる構造を有することにより、 曲線光導波路における、 光伝搬モー ドの中心軸ヒ、 光導波路の中心軸とのずれをより小さくすることができる。 内周 の曲率は好ましくは 0、 すなわち内周は直線である。 製造が容易であり、 かつ伝 搬モードの φι心軸と光導波路の中心軸とのずれを小さくする効果が大きいからで ある。
また、 上言己光導波路において、 両側の光接合端面における光導波路の幅(図 1 、 d )が同じであることが好ましい。 すなわち、 本願発明の曲線光導波路の一つ の実施態様として、 コア幅が一定の光導波路の一部として使用することが挙げら れるため、 かかる光導波路と接合する場合には、 両端面でのコア幅は同じである ことが好ましい。 ここでコア幅は内周と外周の最短距離として定義される。 また本発明の他の好ましい態様としては、 上記光導波路の両端面における外周 と内周の曲率半径の中心が同じである。
本発明の曲線光導波路を光学装置の少なくとも一部として用いることができる 。 光学装置としては、 光スプリツ夕、 光力ブラ、 光合分岐器、 光合分波器、 光送 信モジユーノレ、 光受信モジュール、 光送受信モジュール、 光スイッチ、 光変調器 、 光フィルタ、 光偏向器、 光分散補償器、 光アドドロップモジユーノレ、 光クロス
コネクトなど力けあげられる。
上記光学装置が光スプリッ夕である場合について説明する。 光スプリッ夕と は、 光を分岐するための装置であり、 例えば図 2に示すように、 分岐構造 Cと少 なくとも 2本 光導波路 D , D 5 とが光学的に結合している。
本発明の曲凝光導波路をこのような光スプリッ夕の一部として用いることによ り、 分岐構造と複数の曲線光導波路を光学的に接合する際に生じる光の損失を低 減することができる。 それは、 分岐構造 Cと分岐光導波路 D, D 5 の結合部にお いては、 分岐^ 6導波路 D , D ' の光学中心が内側にずれているので、 低損失な光 結合となる。 岐光導波路 D, D ' においては、 本発明の曲線光導波路の中心付 近の幅の拡大した部分が光学中心ずれを光導波路の中心の方向へ移動させて補正 するため、 曲鵜光導波路の内側への光の漏れがを低減させることができる。 すなわち、 從来、 2本の曲線光導波路が分岐構造に接続する部分では、 製造上 の制約から、 雨曲線光導波路の間隔を広く配置することで、 分岐部分の製造上の 形状のばらつきの影響を小さくすることができ、 また、 クラッド材料による狭幅 部分の埋め込み不良を低減することができる。 しかし、 広く配置した間隙からク ラッドへの漏れ光がある。 分岐構造を結合する点において、 曲線光導波路が前記 結合点において曲率をもつような形状であれば、 分岐構造から曲線光導波路の光 結合は低損失で行われる。 しかし、 分岐部で分岐構造に接続する 2本の曲線光導 波路が内側すなわち 2本の分岐光導波路に挟まれる側に凸形状なので、 前記内側 に凸形状部分の中を伝播する光伝播モード中心は内側にずれ、 かつ 2本の曲線光 導波路が間隔を広げながら分岐しているので、 分岐光導波路から光が内側に漏れ る。 これらのことは、 従来の曲線光導波路が分岐構造に接合した分岐光導波路に おいて、 光の損失を明度で表した図 4から理解できる。
これに対し、 本発明の曲線光導波路を、 上記従来の曲線光導波路の一 ¾ ^として 配置することにより、 光伝搬モードの中心軸と光導波路の中心軸とのずれが小さ
くなり、 結果として光損失を低減することができる(図 3 )。
本発明の曲線光導波路 E , E 5 の分岐構造端面と前記分岐構造 Cとの距離 (図 2、 a ) は、 コア幅、 結節度等により好ましい範囲を適'宜決定することができる が、 例としては、 コア幅が 6 . 5 zm、 屈折率差 0 . 4 %である場合に、 距離 a は 1 0 0 ζπ!〜 1 0 0 0 Aimであることが好ましく、 1 5 0〜5 0 O ^mである ことがより好ましい。 かかる位置に配置されることにより、 損失をより低くする ことができる。
また、 曲線光導波路 E、 E, の長さ (図 2、 b ) も同様に、 コア幅、 屈折率差 の因子により適宜好ましい範囲を決定することできるが、 例としては、 コア巾 が 6 . 5〃m、 屈折率差 0 . 4 %である場合に、 1 0 Ο ζπ!〜 4 0 0〃mであるこ とが好ましく、 1 5 0〜3◦ 0〃mであることがより好ましい。 これは、 曲線光 導波路が長いと、 高次モードが励振され損失が増し、 逆に短過ぎると、 光学ヰ心 のずれを小さくする効果が少ないからである。
本発明の曲線光導波路の第二の態様について以下に説明する。前記段落 0 0 0 4に述べた曲線光導波路における問題点は、 曲線光導波路において、 前記光導波 路の両光接合端面における幅が同じであり、 かつ前記光導波路の両光接合端面を 除く幅が前記両光接合端面における幅より大きい、 上記曲線光導波路によっても 解決することができる。 ここで、 曲線光導波路等の定義は上で述べたとおりであ る。 このような曲線光導波路によっても、 曲線部における光伝搬モードの中 ^軸 と、 光導波路の中心軸のずれを小さくすることができ、 結果として光損失をより 小さくすることができる。 上記曲線光導波路において内周は直線であること力 s好 ましい。
本発明の曲線光導波路は、 従来の曲線光導波路について公知の方法で同様に作 製することができる。 例え ί 'クラッド上にコア材料 (後述) からなる層を設けた 後、 前記層上に感光性レジスト層を設け、 本発明の曲線光導波路形状を有するマ
スクを載せて、 露光、 現像を行い、 本発明の曲線光導波路形状を有するレジス ト 層を設け、 その後エッチング等の手段により本発明の曲線光導波路形状を有する コアを-形成する。 また、 本発胡の曲線光導波路形状を従来のコア幅が一定な曲線 光導波路の一部として有するマスクを用いて、 本発明の曲線光導波路を少なくと も一部に有する光導波路または光学装置を一度に作製できることはいうまでもな い。
本発明の曲線光導波路のコァ、 クラッド材料としてはガラスや半導体材料等の 無機材料、 樹脂等の有機材料など様々なものが挙げられるが、 樹脂等のポリマ一 がドライエッチング等により菊時間で加工しやすいため好ましい。 このようなポ リマーとしてはいずれのものも使用できるが、 具体例としては、 ポリイミ ド系樹 脂 (例、 ポリイミド樹脂、 ポ リ (イミ ド ·ィソィンドロキナゾリンジオンィミ ド ) 樹脂、 ポリエーテルイミ ド樹脂、 ポリエーテルケトン樹脂、 ポリエステルイ ミ ド樹脂等) 、 シリコーン系樹月旨、 アクリル系樹脂、 ポリスチレン系樹脂、 ポリ力 —ボネート系樹脂、 ポリアミ ド系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 フエノール系樹脂 、 ポリキノリン系樹脂、 ポリキノキサリン系樹脂、 ポリベンゾォキサゾ一ル系樹 脂、 ポリべンゾチアゾ一ル系樹脂、 ポリべンゾイミダゾ一ル系樹脂、 及びフォ ト プリ一チング用樹脂 (例、 特闘 2 0 0 1 - 2 9 6 4 3 8号公報記載のポリシラン 、 二トロン化合物を有するシ リコ一ン樹脂、 D MA P N { ( 4—N, N—ジメチ ルァミノフエニル) 一 N—フ ェニル二トロン } を含有するポリメタクリル酸メチ ル、 ダイポリマー (dye polymer) 、 ニトロン化合物を含有するポリイミ ド樹 S旨 あるいはエポキシ樹脂、 特開 2 0 0 0— 6 6 0 5 1号公報記載の加水分解性シラ ン化合物等) が挙げられる。 上記樹脂はフッ素原子を有しているものであっても よい。 ポリマーとして好ましいものとしては、 ガラス転移温度 ( T g) が高く、 耐熱性に優れることからポリ イミド樹脂が挙げられ、 その中でも透過率、 屈折率 特性からフッ素を含むポリィ ミ ド系樹脂が特に好ましい。
フッ素を含むポリイミ ド系樹 旨としては、 フッ素を含むポリイミ ド樹脂、 フヅ 素を含むポリ (ィミ ド 'イソインドロキナゾリンジオンィミ ド) 樹脂、 フッ素を 含むポリエーテルイミ ド樹脂、 フッ素を含むポリアミ ドイミ ド樹脂などが挙げら れる。
上記フヅ素を含むポリイミ ド系樹脂の前駆体溶液は、 N—メチルー 2—ピロリ ドン, N, N—ジメチルァセトアミ ド、 ァ一ブチロラクトン、 ジメチルスルホキ シドなどの極性溶媒中で、 テトラカルボン酸二無水物とジァミンを反応させるこ とにより得られる。 フッ素は、 テトラカルボン酸二無水物とジァミンの両者に含 まれていても良いし、 いずれか一方にのみ含まれていてもよい。
また、 上記フッ素を含まないポリイミ ド系樹脂の前駆体溶液は、 N—メチル一 2—ピロリドン, N, N—ジメチルァセトアミ ド、 ァ一ブチロラクトン、 ジメチ ルスルホキシドなどの極性溶媒中で、 フヅ素を含まないテトラカルボン酸二無水 物とフッ素を含まないジァミンを反応させることにより得られる。
フヅ素を含む酸二無水物の例としては、 (トリフルォロメチル) ピロメリヅト 酸二無水物、 ジ (トリフルォロメチル) ピロメリット酸二無水物、 ジ (ヘプタフ ルォロプロピル) ピロメリヅト酸ニ無水物、 ペン夕フルォロェチルピロメリヅ ト 酸二無水物、 ビス {3, 5—ジ (トリフルォロメチル) フエノキシ } ピロメリヅ ト酸ニ無水物、 2, 2—ビス ( 3, 4—ジカルボキシフエニル) へキサフルォロ プロパン二無水物、 5, 5 ' —ビス (トリフルォロメチル) —3, 3' , 4, 4 ' —テトラカルボキシビフエニソレニ無水物、 2, 2' , 5, 5' ーテトラキス ( トリフルォロメチル) —3, 3 4, 4' —テトラカルボキシビフエ二ルニ無 水物、 5, 5' —ビス (トリフソレオロメチル) 一 3, 3' , 4, 4' —テトラ力 ルポキシジフエニルエーテル二無水物、 5, 5' —ビス (トリフルォロメチル) —3, 3' , 4, 4' ーテトラカルボキシベンゾフエノン二無水物、 ビス { (ト リフルォロメチル) ジカルボキシフヱノキシ } ベンゼン二無水物、 ビス "[ (トリ
フルォロメチル) ジカルボキシフヱノキシ } (トリフルォロメチル) ベンゼン二 無水物、 ビス (ジカルボキシフエノキシ) (トリフルォロメチル) ベンゼンニ無 水物、 ビス (ジカルボキシフエノキシ) ビス (トリフルォロメチル) ベンゼン二 無水物、 ビス (ジカルボキシフエノキシ) テトラキス (トリフルォロメチル) ベ ンゼン二無水物、 2, 2—ビス { (4一 (3, 4ージカルボキシフエノキシ) フ ェニル } へキサフルォロプロパン二無水物、 ビス { (トリフルォロメチル) ジカ ルポキシフエノキシ } ビフエニルニ無水物、 ビス { (トリフルォロメチル) ジカ ルボキシフエノキシ } ビス (トリフルォロメチル) ビフエニルニ無水物、 ビス { (トリフルォロメチル) ジカルボキシフエノキシ } ジフエ二ルェ一テルニ無水物 、 ビス (ジカルボキシフエノキシ) ビス (トリフルォロメチル) ビフエ二ルニ無 水物などが挙げられる。
フヅ素を含むジァミンとしては、 例え ί 、 4— (1H, 1 Η, 11H—エイコ サフルォロウンデカノキシ) —1, 3—ジァミノベンゼン、 4— ( 1 Η, 1 Η- パ一フルォロ一 1—ブ夕ノキシ) 一 1, 3—ジァミノベンゼン、 4— (1H, 1 Η—パ一フルオロー 1—ヘプタノキシ) 一1, 3—ジァミノベンゼン、 4— ( 1 Η, 1 Η—パ一フルオロー 1—ォクタノキシ) —1, 3—ジァミノベンゼン、 4 一ペン夕フルオロフエノキシ一 1, 3—ジァミノベンゼン、 4— (2, 3, 5, 6—テトラフルオロフエノキシ) 一 1, 3—ジァミノベンゼン、 4一 (4—フル オロフエノキシ) 一1, 3—ジァミノベンゼン、 4— (1H, 1 Η, 2 Η, 2Η —パーフルオロー 1—へキサノキシ) 一 1, 3—ジァミノベンゼン、 4 - ( 1 Η , 1 Η, 2Η, 2 Η—パ一フルオロー 1—ドデカノキシ) 一 1, 3—ジァミノべ ンゼン、 2, 5—ジァミノべンゾトリフノレオライ ド、 ビス (トリフルォロメチル ) フエ二レンジァミン、 ジアミノテトラ (トリフルォロメチル) ベンゼン、 ジァ ミノ (ペン夕フルォロェチル) ベンゼン、 2, 5—ジァミノ (パーフルォ口へキ シル) ベンゼン、 2, 5—ジァミノ (パ一フルォロブチル) ベンゼン、 2, 2'
一ビス (トリフルォロメチル) 一 4, 4' —ジアミノビフエニル、 3, 3' —ビ ス (トリフルォロメチル) -4 , 4' —ジアミノビフエニル、 ォク夕フルォ口べ ンジジン、 4, 4' ージアミノジフエ二ルェ一テル、 2, 2—ビス (p—ァミノ フエニル) へキサフルォロプロノ ン、 1 , 3—ビス (ァニリノ) へキサフルォロ プロパン、 1, 4一ビス (ァニリノ) ォク夕フルォロブタン、 1, 5—ビス (ァ 二リノ) デカフルォロペンタン、 1, 7—ビス (ァニリノ) テトラデカフルォロ ヘプタン、 2, 2' 一ビス (ト リフルォロメチル) -4, ージアミノジフエ ニルエーテル、 3, 3' —ビス (卜リフルォロメチル) 一 4, 4' ージアミノジ フエ二ルェ一テル、 3, 3', 5, 5' —テトラキス (トリフルォロメチル) 一 4, 4' —ジアミノジフエ二ルェ一テル、 3, 3 ' —ビス (トリフルォロメチル ) —4, 4' ージァミノべンゾフエノン、 4, 4' —ジァミノ一 p—テルフエ二 ル、 1 , 4一ビス (p -ァミノ フエニル) ベンゼン、 p—ビス (4—ァミノ— 2 一トリフルォロメチルフエノキシ) ベンゼン、 ビス (アミノフエノキシ) ビス ( トリフルォロメチル) ベンゼン、 ビス (アミノフエノキシ) テトラキス (トリフ ルォロメチル) ベンゼン、 2, 2—ビス {4— (4一アミノフエノキシ) フエ二 ル} へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス {4— (3—アミノフエノキシ) フ ェニル } へキサフルォロプロパン、 2 , 2—ビス {4— (2—ァミノフエノキシ ) フエ二ル}へキサフルォロプロパン、 2 , 2—ビス {4— (4—アミノフエノ キシ) 一3, 5—ジメチルフエ二ル} へキサフルォロプロパン、 2, 2—ビス { 4— (4—アミノフエノキシ) 一 3, 5—ジトリフルォロメチルフエニル] " へキ サフルォロプロパン、 4, 4' 一ビス (4—アミノー 2—トリフルォロメチルフ エノキシ) ビフエニル、 4, 4 ' —ビス (4—ァミノ一 3—トリフルォロメチル フエノキシ) ビフエニル、 4, 4/ —ビス (4—ァミノ一 2—トリフルォロメチ ルフエノキシ) ジフエニルスノレホン、 4, 4' —ビス (3—アミノー 5—トリフ ルォロメチルフエノキシ) ジフ ェニルスルホン、 2, 2 -ビス {4- (4—アミ
ノー 3—トリフルォロメチルフエノキシ) フエ二ル} へキサフルォロプロパン、 ビス { (トリフルォロメチル) ァミノフエノキシ } ビフエニル、 ビス 〔 { (トリ フルォロメチル) ァミノフエノキシ } フエニル〕 へキサフルォロプロパン、 ビス { 2— (アミノフエノキシ) フエ二ノレ〕 へキサフルォロイソプロピル } ベンゼ ンなどが挙げられる。 '
上記のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンは二種以上を併用してもよい 。 ポリイミド系樹脂の前駆体溶液として、 感光性を有するものを使用することも できる。
ポリイミド系樹脂前駆体溶液は、 スどナあるいは印刷などによる方法により基 板表面上に塗布され、 最終温度 2 0 0— 4 0 0 °Cで熱処理し硬ィ匕されてポリイミ ド系樹脂被膜とされる。
[実施例 1 ]
図 1を参照して、 基板 (図示せず) 止に設けられ、 曲部 bを有する光導波路 R であって、 前記曲部 bの外側縁部 0の戸 if定位置から内側縁部 Iまでの最短距離を 該所定位置の光導波路幅 wとするとき、 前記曲部 b内の中間にある最大光導波路 幅から該曲部 bの両端部に向けて前記^ ά導波路幅が漸減し、 かつ、 前記外側縁部 0の前記曲部 bの両端部を結ぶ直線 L C 長さを 1、 前記直線 Lから外側縁部まで の最大高さを h、 前記内側縁部 Iの前言 3曲部 bの両端部を結ぶ直線 L, の長さを I 5 、 前記直線! から内側縁部まで 最大高さを h ' とするとき、
h/ l > h 5 / 1 '
であることを特徴とする光導波路である。
[実施例 2 ]
図 1及び図 2を参照して、 基板 (図示せず) 上に主光導波路 Cとこれを分岐し た 2本の分岐光導波路 D、 D 5 を有する Y形光導波路において、 前記分岐光導波 路 Dは、 他の前記分岐光導波路 D ' に い側の外側縁部 0とその反対側の連続的
に変化する内側縁部 Iを有し、 前記外側縁部 0の所定位置から前記内側縁部 Iま での最短距離を該所定位置の分 光導波路幅 wとするとき、 前記分岐光導波路 D の曲線領域 b内の中間にある最大分岐光導波路幅 wから該曲線領域 bの両端部に 向けて前記分岐光導波路幅 wが i減し、 かつ、 前記外側縁部 0の前記曲線領域 b の両端部を結ぶ直線 Lの長さを 1、 前記直線 Lから外側縁部までの最大高さを h 、 前記内側縁部 Iの前記曲部領竑 bの両端部を結ぶ直線 L' の長さを 、 前記 直線 L' から内側縁部までの最大高さを h' とするとき、
h/l>h5 /1'
することを特徴とする Y形光導波路である。
図 2に示す構造を有する曲線光導波路を有する光スプリッ夕の分岐過剰損失を シミュレーションで評価し、 図 2における分岐構造 Cの分岐長さ、 分岐最終幅、 光導波路の a、 bを表 1に示しこ。 また、 図 2において、 b部分の内側縁部は直 線すなわち曲率 =0である。
比較として、 コア幅が 6. 5 /Amの 2本の曲線光導波路を同様に接合した光ス プリヅ夕の分岐過剰損失をシミエレ一シヨンで評価した (No. 3)。
シミュレーションの各スプリヅ夕の分岐における過剰損失の評価を、 表 1に示 した。
No. 分岐長 分岐最終隔 a b 分岐過剰損失(d B) さ (ju m) 、1丄 m) (ju m) ( λ ΐ. 31)
( m)
1 (本発明) 550 17 2lO 170 0. 12
2 (本発明) 450 16 180 260 0. 14
3 (比較) 550 17 一 - 0. 20
表 1の結果から明らかなように、 本 ¾明の曲線光導波路を用いた光スプリッ夕 は、 従来のコア幅が一定の曲線光導波路を用いた場合と比較して、 分岐過剰損失 を顕著に低減することができた。
次に、 表 1の N o . 2の本発明の曲線光導波路を有する 1 X 8スプリヅ夕の コアパターンマスクを作製した。 コアパ夕一ン寸法は、 プロセスで変化するので 、 変化量を考慮したコアパターンを C A Dで作図した。 コアパターン以外にもマ スクと基板の位置精度を向上させるためのァライメントマークや、 その他パター ン計測等に使用するマ一力もマスクに追加した。 C ADの作図の手順は、 製図作 業の効率を良くするため、 初めに 1素子分のパターンを製図し、 前記 1素子分の パターンを酉己列複写して、 マスク全体にパターンを配置した。 1素子分のパ夕一 ンには、 レイヤ一を設け、 コアパターンを作図したレイヤー以外にも、 違うレイ ヤーを用いて Yパターンを作図することが可能である。
以上のようにして製図した C AD図面からマスク基板にパターンを露光機を用 いて直接描画し、 パターン部分を C rの金属膜で埋めたマスクと、 パターン部分 以外を C rの金属膜で埋めたマスクとを制作した。 前記 2つのマスクは、 コアパ 夕一ン形成プロセスで使用するレジストの種類及び光導波路製造におけるコア形
成プロセスの種類によって使い分けることが可能である。
このマスクを用いて以下の材料を使用して以下のの製造方法により 1 X8ス プリヅ夕を作製した。
コア : 日立化成工業株式会社製 OP I 一 N 3205
クラッド: 日立化成工業株式会社製 OP I - 1005
シリコンウェハ上に有機ジルコ二ユウムキレ一トをスピンコート方により乾燥 膜厚 100オングストロームとなるように塗布し、 乾燥後、 その上にフッ素を含 むポリイミ ド樹脂からなる下部クラッド層 (8 zm) 及びコア層 (6. 5 m) を形成した。 次に、 コア層の上にシリコン含有レジストを 0. 5 m厚となるよ うに塗布し、 乾燥し、 コアパターンを介して露光及び現像し、 このレジストパ夕 ―ンを介して反応性ィオンエツチングを行い、 コア層を形成した。 レジスト剥離 後、 上部クラヅド層」 (1 5〃m) を形成してポリイミ ド光導波路を作製した。 次に、 前記 I X 8スプリツ夕の評価を行った。 評価に当たっては、 光導波路 基板の両端にガラスブロック付きの光ファイバ一とファイバ一アレイを用いて、 アクティブ調芯法によって測定した。 光源としては、 波長 1. 3 1 mの半導体 レーザを使用した。
本発明の曲線光導波路を用いた場合の挿入損失は、 平均値が— 10. 4dBで あり、 最も損失が大きいポートで— 10. 7 d Bであった。 従来のコアはバがー 定の曲線光導波路を使用した場合、 挿入損失は平均値が— 1 1. 2 dBであり、 最も損失が大きいポートで— 1 1. 4dBであった。 以上のように、 本発明の光 導波路を用いて構成されて 1 X 8スプリツ夕では、 コア幅が一定の従来の光導 波路を使用して構成されるスプリツ夕よりも良好な挿入損失を示した。
本発明の曲線光導波路は、 曲線部における光導波路の光の損失を低減すること ができる。 また、 本発明の曲線光導波路は、 分岐構造の分岐部との接合に好適に 用いることができる。 この接合部分においては、 分岐根元部の狭幅部分を有限の
間隙とした場合であっても、 分岐部根元中央部からの漏れ光を低減することがで き、 分岐過剰損失を少なくすることができる。