JP4032997B2 - 照明システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明器具と、この照明器具の制御をしてこれを少なくとも点灯または消灯させる親機および子機とを備え、これら親機および子機の各々に、少なくとも上記制御に必要な情報の送受信をワイヤレスの通信で行うための通信手段を設けてなる照明システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11はセキュリティモード対応の従来の照明システムの構成図、図12は遠隔操作モード対応の従来の照明システムの構成図である(特許文献1等参照)。
【0003】
従来の照明システムには、セキュリティモードおよび遠隔操作モードなどに対応したものが存在している。家の照明システムがセキュリティモードに設定されると、図11に示すように、複数の子機3PAが周囲に人がいるかどうかを監視する。いずれかの子機3PAが人のいることを検知すると、その検知情報が親機2PAに無線にて送信される。そして、親機2PAは、検知情報を受信すると、予め定められた情報端末4に通報するかどうかを判断し、通報する場合にはネットワークNを介して人のいることが検知されたことを情報端末4に通報する。
【0004】
照明システムが遠隔操作モードに設定されると、図12に示すように、親機3PAはネットワークNからのメールの有無を監視する。そして、親機3PAは、例えば情報端末4から1階の子機3PA下の図示しない照明器具を点灯させる点灯コマンドを含むメールを受信すると、その照明器具を点灯させるかどうかを判断し、点灯させる場合には点灯コマンドを無線にてその子機3PAに送信する。これにより、1階の子機3PAが照明器具の点灯制御を実行し、照明器具が点灯することになる。
【0005】
特許文献2には、制御機器と無線通信機器との間で信号を無線にて送受信する構成において、無線通信機器の受信部が制御機器からの信号を受信した後に、無線通信機器の送信部を作動させる無線遠隔制御システムが記載されている。このようなシステムによれば、消費電力を軽減することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−273980号公報
【特許文献2】
特開2000−152352号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2のシステムでは、無線通信機器の受信部が制御機器からの信号を受信した後に、無線通信機器の送信部を作動させるために、無線通信機器の受信部が常時動作しているため、無線通信機器の送信部の消費電力しか軽減することができない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、受信に必要な消費電力を低減することができ、しかもそのための省電力化動作を各種モードに適合させることができる照明システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、照明器具と、この照明器具の制御をしてこれを少なくとも点灯または消灯させる親機および子機とを備え、これら親機および子機の各々に、少なくとも前記制御に必要な情報の送受信を当該親機と子機の間でワイヤレスの通信で行うための通信手段を設けてなる照明システムであって、前記親機および前記子機は、前記通信手段による通信の緊急度が異なる複数の制御モードを持ち、当該複数の制御モードから一の制御モードを設定可能とし、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、当該通信手段を動作させて連続受信又は間欠受信をするためにそれぞれが異なる受信期間を有する受信パターンを複数種類持ち、前記緊急度が高い制御モードが設定されると受信期間の長い受信パターンに切り替え、前記緊急度が低い制御モードが設定されると受信期間の短い受信パターンに切り替えて、その受信パターンに従って当該通信手段を間欠動作させて間欠受信をすることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明システムにおいて、前記子機は、自己の前記通信手段として、前記親機との通信用である無線式の第1通信手段を備えるとともに、前記照明器具との通信用である赤外線式の第2通信手段と、周囲における人の在否検出用であって検出結果が前記制御に必要な一の情報となる人感センサとを備え、前記親機は、自己の前記通信手段として、前記子機との通信用である無線式の第1通信手段を備えるとともに、前記照明器具との通信用である赤外線式の第2通信手段と、ネットワーク接続用のインターフェース手段とを備え、前記照明器具は、前記親機または前記子機との通信用である赤外線式の通信手段を備え、この通信手段を通じた前記親機または前記子機の制御で少なくとも点灯または消灯することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の照明システムにおいて、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、前記人感センサの検出の優先順位に基づいて、前記複数種類の受信パターンの何れかに切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の照明システムにおいて、前記複数種類の受信パターンには、前記人感センサの検出結果をセキュリティに利用する受信パターンが含まれ、この受信パターンによる受信期間は、他の受信パターンによる受信期間よりも長くなっていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の照明システムにおいて、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、バッテリを電源とし、自己のバッテリの残量に基づいて、前記複数種類の受信パターンの何れかに切り替えることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の照明システムにおいて、前記複数種類の受信パターンは、前記バッテリの残量が多い場合の受信パターンによる休止期間が、その残量が少ない場合の受信パターンによる休止期間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の照明システムにおいて、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、当該通信手段を間欠動作させて送信をするための送信パターンを複数種類持ち、所定条件に基づいて、前記複数種類の送信パターンの何れかに切り替えて、その送信パターンに従って当該通信手段を間欠動作させて送信をすることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の照明システムにおいて、前記複数種類の送信パターンは、通信相手の受信パターンによる受信期間が短い場合の送信反復回数が、通信相手の受信パターンによる受信期間が長い場合の送信反復回数よりも多くなるように設定されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1,図2は本発明による第1実施形態の照明システムの構成図である。
【0018】
第1実施形態の照明システムは、図1,図2に示すように、住宅に設けられ、複数の照明器具1と、これら複数の照明器具1の制御をしてこれらを少なくとも点灯または消灯させる親機2および複数の子機3とを備え、これら親機2および複数の子機3の各々に、少なくとも上記制御に必要な情報の送受信をワイヤレスの通信で行うための通信手段を設けた構成になっている。
【0019】
照明器具1は、所定距離内の見通し通信可能範囲内に設置された、親機2および子機3の少なくとも一方との通信用であり、例えば赤外線受光素子により構成される赤外線式の通信部(図示せず)を備え、この通信部を通じた親機2および子機3の少なくとも一方の制御で少なくとも点灯または消灯するように構成される。
【0020】
親機2は、自己の通信手段として、子機3との通信用であり、アンテナ21および無線機22により構成される無線式の通信部20を備えるとともに、所定距離内の見通し通信可能範囲内に設置された照明器具1との通信用であり、IrLEDにより構成される赤外線式の通信部23と、ネットワークNとの接続用のインターフェース部(I/F)24と、本照明システム全般の制御などの処理を行う制御部(CPU)25とを備えている。
【0021】
子機3は、自己の通信手段として、親機2との通信用であり、アンテナ31および無線機32により構成される無線式の通信部30を備えるとともに、所定距離内の見通し通信可能範囲内に設置された照明器具1との通信用であり、IrLEDにより構成される赤外線式の通信部33と、周囲における人の在否検出用であって検出結果が上記制御に必要な一の情報となる人感センサ(センサ)34と、子機3全般の制御などの処理を行う制御部(CPU)35とを備えている。
【0022】
ここで、照明器具1と親機2または子機3との間では、赤外線式の通信部で情報が送受信されることになる。照明器具1の赤外線式の通信部で、親機2または子機3から送信されたデータが受信されると、照明器具1がそのデータを基に点灯または消灯する。一般に、周囲照度を検出するための明るさセンサが例えば子機3などに具備され、明るさセンサにより検出された周囲照度が所定照度以下のときに、子機3のセンサ34によって人のいることが検知されると、子機3に対応する照明器具1の点灯制御が実行される。そして、人のいることを示す検知状態が所定時間保持され、その検知情報が得られる度に所定時間の計時がリセットされ、所定時間の経過時点で、対応する照明器具1の消灯(または調光)制御が実行される。
【0023】
一方、親機2と子機3との間では、無線式の通信部で情報が送受信されることになる。送信側において、制御部から無線機にデジタルデータが出力されると、無線機での変調を経て電波としてアンテナから送波される。受信側において、その電波がアンテナで受波されると、無線機での復調を経て送信側からのデータが受信される。
【0024】
親機2と子機3との間で送受信される情報には、セキュリティおよび遠隔操作などのための各種情報がある。
【0025】
例えば、セキュリティの場合、子機3のセンサ34が周囲に人のいることを示す検知情報を制御部35に出力したとき、制御部35が無線機32の送信周波数を設定し、上記検知情報に関する検知データを無線機32に送信する。これにより、検知データは、無線機32での変調を経て電波としてアンテナ31から送波され、親機2のアンテナ21で受波され、その無線機22での復調を経て親機2の制御部25に受信されることになる。この後、親機2の制御部25は、インターフェース部24を通じて、人のいることを示す検知情報を予め定められた情報端末4に送信する。これにより、情報端末4の保持者にセキュリティに関する情報が送信されることになる。
【0026】
遠隔操作の場合、親機2の制御部25が、インターフェース部24を通じて、情報端末4から子機3に付属する照明器具1をオンするためのコマンドを、電子メールまたはDTMF(Dial Tone Multi Frequency) で受信すると、無線機22の送信周波数を設定し、上記コマンド(図1では「DATA」)を無線機22に送信する。これにより、コマンドは、無線機22での変調を経て電波としてアンテナ21から送波され、子機3のアンテナ31で受波され、その無線機32での復調を経て子機3の制御部35に受信されることになる。この後、子機3の制御部35は、通信部33を介して、点灯コマンドを照明器具1に送信してこれを点灯させる。なお、インターフェース部24は、コマンドをメールで受信する場合、例えば、所定のLAN規格に準拠したネットワークインターフェースとなり、コマンドをDTMFで受信する場合、電話回線と接続される回線インターフェースとなる。
【0027】
図3に本照明システムの親機および子機に付与される間欠受信機能の説明図を示し、図4に同間欠受信機能の動作説明図を示す。
【0028】
本照明システムの親機2および子機3は、それぞれ第1の特徴として、図3に示すように、無線機22,32内のレギュレータ224,324のオン/オフまたはオン/待機/オフ(第1実施形態ではオン/オフ)をも含めた間欠受信機能を持つように構成される。
【0029】
すなわち、無線機22,32は、それぞれ、PLL用のIC(PLLIC)221,321と、受信用のVCO(受信VCO)222,322と、送信用のVCO(送信VCO)223,323と、これら各部への電力供給用のレギュレータ224,324とにより構成され、到来電波から信号を常時受信するほか、CPU25,35の間欠受信制御によって、到来電波から信号を間欠受信するようになっている。
【0030】
ここで、上記間欠受信機能による動作について説明する。到来電波から信号を間欠受信する場合、図3,図4に示すように、CPUが間欠受信のスタートとしてレギュレータのオン制御を行うことにより、レギュレータから各部に電力が供給される。
【0031】
この後(スタート時点から5ms 後)、CPUがPLL用のICにデータ(図4では「PLLDATA 」)を送信することにより、PLL用のICがそのデータに基づいた周波数で発振して、受信用のVCOの無線受信周波数が設定される。このとき、設定されるべき周波数に安定するまで時間がかかり、安定した場合には、ローレベルのロック(LOCK)検出信号がPLL用のICからCPUに出力される。
【0032】
そのロック検出信号が出力されると(スタート時点から10ms後)、受信用のVCOの発振周波数を基に到来電波が検波され、受信するべき到来電波からデータ(図4では「受信DATA」)を含む信号が受信される。この受信状態において、無線機の出力(RxDATA)として受信波形が現れる。
【0033】
この後(スタート時点から50ms後)、CPUがレギュレータのオフ制御を行うことにより、レギュレータから各部に電力が供給されなくなり、受信を休止する休止期間に移行する。
【0034】
この後(スタート時点から100ms 後)、CPUが間欠受信の新たなスタートとしてレギュレータのオン制御を行うことにより、レギュレータから各部に電力が供給され、上記と同様の動作が繰り返し実行される。
【0035】
このような間欠受信機能が本照明システムの親機2および子機3に付与されることにより、無線機22,32のオフ時に電力が消費されないため、上記のような50%デューティの間欠受信の例では、無線機22,32の消費電力が見かけ上半分に低減される。また、送信についても、受信と同様に、送信時に無線機22,32がオンにされる。
【0036】
図5に上記間欠受信機能を利用した親機および子機の受信パターン例を示し、図6に間欠受信でも必ず受信可能となる送信パターン例を示す。
【0037】
親機2および子機3は、第2の特徴として図5に示すように、自己の無線式の通信部20,30を常時または間欠動作させて常時または間欠受信をするための受信パターンを複数種類持ち、所定条件に基づいて、複数種類の受信パターンの何れかに切り替えて、その受信パターンに従って、自己の無線式の通信部20,30を常時または間欠動作させて常時または間欠受信をするように構成される。
【0038】
そして、親機2および子機3は、第3の特徴として、上記複数種類の受信パターンの何れに切り替えられても、送信するデータが確実に受信されるように同一データを連続して複数回送信するように構成される。
【0039】
図5の例には、RP1〜RP4の4種類の受信パターンが示されている。受信パターンRP1は常時受信のためのパターンである。受信パターンRP2は、上記間欠受信機能を利用した、750ms の受信期間と250ms の休止期間とを交互に繰り返す間欠受信のためのパターンである。受信パターンRP3は、500ms の受信期間と500ms の休止期間とを交互に繰り返す間欠受信のためのパターンである。受信パターンRP4は、250ms の受信期間と750ms の休止期間とを交互に繰り返す間欠受信のためのパターンである。
【0040】
これらに対して、SPは、送信パターンであり、50msの送信期間毎に同一データを4回連続して送信するためのパターンである。ここで、図6の例に示すように、受信パターンがRP3である場合、「DATA-A」は受信されるが、「DATA-B」は受信されない。このように、通信相手が間欠受信をしている場合、送信したデータが通信相手によって受信されないことがあるので、第1実施形態では、取りこぼしを防止して、送信するデータが確実に受信されるように同一データを連続して複数回送信するのである。図6の例では、「DATA-1」〜「DATA-3」を連続して送信することにより、そのいずれかのデータが必ず受信されるようになっている。第2実施形態では、受信パターンがRP1〜RP4の4種類であるため、それらのいずれの受信パターンであっても、データが必ず受信されるように、図5の例に示すSPの送信パターンが使用される。つまり、図5におけるRP1〜RP4とSPの送信回数は、あくまでも例示であって、実際にはSPのどうような送信タイミングであっても、少なくとも1回の送信時のデータが受信パターンRP4で必ず受信されるようにSPの送信回数が設定されるのである。
【0041】
このような構成では、親機2および子機3のうち、一方の送信側が送信パターンSPに従って同一データを図5の例では4回連続して送信し、他方の受信側がそのデータを受信することになる。
【0042】
そして、受信パターンがRP1である場合、消費電力を低減することができないものの、送信パターンSPによって4回連続して送信されるデータ全てが受信されることになるので、通信の信頼性が最も高くなる。これに対して、受信パターンがRP2〜RP4である場合、いずれも最低限(SPによる少なくとも1回の送信時のデータを受信できる)以上の通信(受信)性能を確保することができるとともに、消費電力の低減効率を増大させることができる。
【0043】
次に、これら4種類の受信パターンの何れかに切り替えるための所定条件について説明する。まず、第1実施形態では、親機2および子機3が、在宅モード、長期留守モード、セキュリティモードおよび安否確認モードなどの複数の制御モードを持っているとする。
【0044】
在宅モードでは、センサ34で人のいることが検知されると、親機2および子機3ともに、周囲が暗いとき(周囲照度が所定照度以下のとき)に照明器具1に点灯コマンドを送信する。親機2は、インターフェース部24を介した外部との通信を停止し、外部からの照明器具1の遠隔操作を受け付けない。
【0045】
長期留守モードでは、親機2および子機3ともに、センサ34の検出結果に関わらず、照明器具1を点灯させない。親機2は、インターフェース部24を介した外部への通信を停止するが、外部からの照明器具1の遠隔操作を受け付ける。
【0046】
セキュリティモードでは、センサ34で人のいることが検知されると、親機2および子機3ともに、照明器具1に点灯コマンドを送信し、親機2は、インターフェース部24を介して情報端末4に人のいること(人の侵入)を通報する。
【0047】
安否確認モードでは、センサ34で人のいることが検知されると、親機2および子機3ともに、周囲が暗いときに照明器具1に点灯コマンドを送信する。親機2は、センサ34の検出毎ではなく、例えば1時間毎に1回にまとめて安否情報を、インターフェース部24を介して情報端末4に送信し、外部からの照明器具1の遠隔操作を受け付けない。
【0048】
そして、4種類の受信パターンは、上記4種類のモードのうちいずれのモードに設定されたかに応じて切り替えられる。長期留守モードに設定された場合、親機2および子機3間の通信頻度が低いため、最低限以上の通信性能を確保することができる受信パターンRP2〜RP4のうちで最も通信性能の低い受信パターンRP4に切り替えられる。セキュリティモードに設定された場合、親機2および子機3間の通信頻度が最も高く、緊急を要するため、最も通信性能の高い受信パターンRP1に切り替えられる。安否確認モードに設定された場合、外部の情報端末4への送信を行うものの、外部からの照明器具1の遠隔操作を受け付けないため、2番目に通信性能の高い受信パターンRP2に切り替えられる。在宅モードに設定された場合、外部との通信を停止するため、3番目に通信性能の高い受信パターンRP3に切り替えられる。
【0049】
第1実施形態によれば、親機2および子機3が、通信部20,30を常時または間欠動作させて常時または間欠受信をするための受信パターンを複数種類持ち、所定条件に基づいて、複数種類の受信パターンの何れかに切り替えて、その受信パターンに従って通信部20,30を常時または間欠動作させて常時または間欠受信をするので、受信に必要な消費電力を低減することができ、しかもそのための省電力化動作を各種モードに適合させることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図7は本発明による第2実施形態の照明システムの構成図、図8は同照明システムの動作説明図である。
【0051】
図7に示す第2実施形態の照明システムは、複数の照明器具1と、親機2とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、電池36を電源に駆動し、その電池36の残量に基づいて、複数種類の受信パターンの何れかに切り替えて、その受信パターンに従って通信部30を間欠動作させて間欠受信をするように制御部35Aが制御する子機3Aを備えている。
【0052】
センサ34は指向性を持ち、その検知範囲が限られているため、センサ34の設置の自由度に制限の無い方が望ましい。このため、第2実施形態では、電池駆動とすることにより、適切な場所にセンサ34を自由に設置することができるようになっている。そして、図8に示すように、電池36の残量が所定の基準残量以上あれば、制御部35Aは、受信パターンRP3に切り替えて、その受信パターンRP3に従って通信部30を間欠動作させて間欠受信をし、基準残量を下回れば、受信パターンRP4に切り替えて、その受信パターンRP4に従って通信部30を間欠動作させて間欠受信をする。ここで、受信パターンRP3は、500ms の受信期間と500ms の休止期間とを交互に繰り返す間欠受信のためのパターンであり、受信パターンRP4は、250ms の受信期間と750ms の休止期間とを交互に繰り返す間欠受信のためのパターンである。
【0053】
また、制御部35Aは、受信パターンRP4に切り替えた場合、親機2に電池36の残量が少ない旨の通知をして、親機2によってその旨を表示させたり、あるいは図示しないブザーを鳴動させるなどして、電池の交換を促す。
【0054】
第2実施形態によれば、電池36の残量が多い場合の受信パターンRP3による休止期間が、その残量が少ない場合の受信パターンRP4による休止期間よりも短くなるように設定されているので、電池の交換がなされる前に電池切れになることを防止することができる。
【0055】
なお、第2実施形態では、子機が電池駆動であるとしたが、それと同様に親機が電池駆動であるとしてもよい。
【0056】
(第3実施形態)
図9は本発明による第3実施形態の照明システムにおける親機および子機の動作説明図である。
【0057】
第3実施形態の照明システムは、第1実施形態との相違点として、図9に示すように、親機2および子機3が、通信手段20,30を間欠動作させて送信をするための送信パターンを複数種類持ち、所定条件に基づいて、複数種類の送信パターンの何れかに切り替えて、その送信パターンに従って通信手段20,30を間欠動作させて送信をし、複数種類の送信パターンは、通信相手の受信パターンによる受信期間が短い場合の送信反復回数が、通信相手の受信パターンによる受信期間が長い場合の送信反復回数よりも多くなるように設定されていることを特徴とする。
【0058】
図9の例では、長期留守モードの場合、受信パターンがRP4、送信パターンがSP4となり、セキュリティモードの場合、受信パターンがRP1、送信パターンがSP1となり、安否確認モードの場合、受信パターンがRP2、送信パターンがSP2となり、在宅モードの場合、受信パターンがRP3、送信パターンがSP2となる。
【0059】
そして、送信パターンがSP4である場合、第1実施形態の送信パターンSPと同様に同一データが4回連続して送信される。これに対して、送信パターンがSP1,SP2,SP3である場合、それぞれ同一データが1,2,3回連続して送信される。
【0060】
このように、受信時間が長くなるほど、送信パターンによる送信反復回数をより少なくすることができ、照明システム全体の通信量を減らすことができ、送信のための消費電力を低減することができる。これにより、親機2を電池駆動とすることも可能になる。
【0061】
なお、第3実施形態の特徴は、子機3が電池駆動となる第2実施形態にも適用可能である。例えば図10において、通常時に複数の子機3Aが受信パターンRP1で動作しているとすれば、親機2は送信パターンSP1で動作すればよい。そして、親機2は、複数の子機3Aのうち一の子機3Aから、電池36の残量不足のため、例えば受信パターンRP4に切り替えた通知を受けたとき、その一の子機3Aに対しては、送信パターンSP4で通信を行い、他の子機3Aに対しては、送信パターンSP1で通信を行うようにすればよい。
【0062】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明は、照明器具と、この照明器具の制御をしてこれを少なくとも点灯または消灯させる親機および子機とを備え、これら親機および子機の各々に、少なくとも前記制御に必要な情報の送受信を当該親機と子機の間でワイヤレスの通信で行うための通信手段を設けてなる照明システムであって、前記親機および前記子機は、前記通信手段による通信の緊急度が異なる複数の制御モードを持ち、当該複数の制御モードから一の制御モードを設定可能とし、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、当該通信手段を動作させて連続受信又は間欠受信をするためにそれぞれが異なる受信期間を有する受信パターンを複数種類持ち、前記緊急度が高い制御モードが設定されると受信期間の長い受信パターンに切り替え、前記緊急度が低い制御モードが設定されると受信期間の短い受信パターンに切り替えて、その受信パターンに従って当該通信手段を間欠動作させて間欠受信をするので、受信に必要な消費電力を低減することができ、しかもそのための省電力化動作を各種モードに適合させることができる。
【0063】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明システムにおいて、前記子機は、自己の前記通信手段として、前記親機との通信用である無線式の第1通信手段を備えるとともに、前記照明器具との通信用である赤外線式の第2通信手段と、周囲における人の在否検出用であって検出結果が前記制御に必要な一の情報となる人感センサとを備え、前記親機は、自己の前記通信手段として、前記子機との通信用である無線式の第1通信手段を備えるとともに、前記照明器具との通信用である赤外線式の第2通信手段と、ネットワーク接続用のインターフェース手段とを備え、前記照明器具は、前記親機または前記子機との通信用である赤外線式の通信手段を備え、この通信手段を通じた前記親機または前記子機の制御で少なくとも点灯または消灯するのであり、この構成でも、受信に必要な消費電力を低減することができ、そのための省電力化動作を各種モードに適合させることができる。
【0064】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の照明システムにおいて、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、前記人感センサの検出の優先順位に基づいて、前記複数種類の受信パターンの何れかに切り替えるので、省電力化動作を人感センサの検出の優先順位に適合させることができる。
【0065】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の照明システムにおいて、前記複数種類の受信パターンには、前記人感センサの検出結果をセキュリティに利用する受信パターンが含まれ、この受信パターンによる受信期間は、他の受信パターンによる受信期間よりも長くなっているので、親機および子機間の通信頻度が最も高く、緊急を要するセキュリティのモードにおいて、最も通信性能の高い受信パターンに切り替えることができる。
【0066】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の照明システムにおいて、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、バッテリを電源とし、自己のバッテリの残量に基づいて、前記複数種類の受信パターンの何れかに切り替えるので、例えば電池の交換がなされる前に電池切れになることを防止することが可能になる。
【0067】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の照明システムにおいて、前記複数種類の受信パターンは、前記バッテリの残量が多い場合の受信パターンによる休止期間が、その残量が少ない場合の受信パターンによる休止期間よりも短くなるように設定されているので、電池の交換がなされる前に電池切れになることを防止することができる。
【0068】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の照明システムにおいて、前記親機および前記子機の少なくとも一方は、当該通信手段を間欠動作させて送信をするための送信パターンを複数種類持ち、所定条件に基づいて、前記複数種類の送信パターンの何れかに切り替えて、その送信パターンに従って当該通信手段を間欠動作させて送信をするので、例えば送信に必要な消費電力を低減することが可能になり、そのための省電力化動作を各種モードに適合させることが可能になる。
【0069】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の照明システムにおいて、前記複数種類の送信パターンは、通信相手の受信パターンによる受信期間が短い場合の送信反復回数が、通信相手の受信パターンによる受信期間が長い場合の送信反復回数よりも多くなるように設定されているので、送信に必要な消費電力を低減することができ、そのための省電力化動作を各種モードに適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施形態の照明システムの構成図である。
【図2】同照明システムの構成図である。
【図3】同照明システムの親機および子機に付与される間欠受信機能の説明図である。
【図4】同間欠受信機能の動作説明図である。
【図5】同間欠受信機能を利用した親機および子機の受信パターン例を示す図である。
【図6】間欠受信でも必ず受信可能となる送信パターン例を示す図である。
【図7】本発明による第2実施形態の照明システムの構成図である。
【図8】同照明システムの動作説明図である。
【図9】本発明による第3実施形態の照明システムにおける親機および子機の動作説明図である。
【図10】第3実施形態の特徴を、子機が電池駆動となる第2実施形態に適用した場合の説明図である。
【図11】セキュリティモード対応の従来の照明システムの構成図である。
【図12】遠隔操作モード対応の従来の照明システムの構成図である。
【符号の説明】
1 照明器具
2 親機
20 通信部
21 アンテナ
22 無線機
23 通信部(IrLED)
24 インターフェース部(I/F)
25 制御部(CPU)
3,3A 子機
30 通信部
31 アンテナ
32 無線機
33 通信部(IrLED)
34 人感センサ(センサ)
35,35A 制御部(CPU)
36 電池
4 情報端末
Claims (8)
- 照明器具と、この照明器具の制御をしてこれを少なくとも点灯または消灯させる親機および子機とを備え、これら親機および子機の各々に、少なくとも前記制御に必要な情報の送受信を当該親機と子機の間でワイヤレスの通信で行うための通信手段を設けてなる照明システムであって、
前記親機および前記子機は、前記通信手段による通信の緊急度が異なる複数の制御モードを持ち、当該複数の制御モードから一の制御モードを設定可能とし、
前記親機および前記子機の少なくとも一方は、当該通信手段を動作させて連続受信又は間欠受信をするためにそれぞれが異なる受信期間を有する受信パターンを複数種類持ち、前記緊急度が高い制御モードが設定されると受信期間の長い受信パターンに切り替え、前記緊急度が低い制御モードが設定されると受信期間の短い受信パターンに切り替えて、その受信パターンに従って当該通信手段を間欠動作させて間欠受信をする
ことを特徴とする照明システム。 - 前記子機は、自己の前記通信手段として、前記親機との通信用である無線式の第1通信手段を備えるとともに、前記照明器具との通信用である赤外線式の第2通信手段と、周囲における人の在否検出用であって検出結果が前記制御に必要な一の情報となる人感センサとを備え、
前記親機は、自己の前記通信手段として、前記子機との通信用である無線式の第1通信手段を備えるとともに、前記照明器具との通信用である赤外線式の第2通信手段と、ネットワーク接続用のインターフェース手段とを備え、
前記照明器具は、前記親機または前記子機との通信用である赤外線式の通信手段を備え、この通信手段を通じた前記親機または前記子機の制御で少なくとも点灯または消灯する
ことを特徴とする請求項1記載の照明システム。 - 前記親機および前記子機の少なくとも一方は、前記人感センサの検出の優先順位に基づいて、前記複数種類の受信パターンの何れかに切り替えることを特徴とする請求項2記載の照明システム。
- 前記複数種類の受信パターンには、前記人感センサの検出結果をセキュリティに利用する受信パターンが含まれ、この受信パターンによる受信期間は、他の受信パターンによる受信期間よりも長くなっていることを特徴とする請求項2または3記載の照明システム。
- 前記親機および前記子機の少なくとも一方は、バッテリを電源とし、自己のバッテリの残量に基づいて、前記複数種類の受信パターンの何れかに切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照明システム。
- 前記複数種類の受信パターンは、前記バッテリの残量が多い場合の受信パターンによる休止期間が、その残量が少ない場合の受信パターンによる休止期間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする請求項5記載の照明システム。
- 前記親機および前記子機の少なくとも一方は、当該通信手段を間欠動作させて送信をするための送信パターンを複数種類持ち、所定条件に基づいて、前記複数種類の送信パターンの何れかに切り替えて、その送信パターンに従って当該通信手段を間欠動作させて送信をすることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明システム。
- 前記複数種類の送信パターンは、通信相手の受信パターンによる受信期間が短い場合の送信反復回数が、通信相手の受信パターンによる受信期間が長い場合の送信反復回数よりも多くなるように設定されていることを特徴とする請求項7記載の照明システム。
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