JP4032945B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は操舵補助力の発生源としてモータを用いてなる電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動式パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータ及び該モータの回転力を舵取手段に伝える減速歯車機構を備えており、操舵手段の回転に応じた舵取手段の動作を前記モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
【0003】
減速歯車機構はその一端部が前記モータの出力軸に継合される駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記駆動歯車の他端部が挿入される軸受孔を有し、駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な円柱形の軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材とを備え、軸受部材を移動操作することにより、駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離を調整し、駆動歯車及び従動歯車の噛合部のバックラッシュ量を少なくして転舵時のバックラッシュによる歯打ち音をなくするように構成されている。(例えば、特許文献1。)
【0004】
また、減速歯車機構のウォーム歯車等は回転中心線に対しその歯すじが回転方向へ捩じれており、ウォームからウォームホイールへ回転トルクが加わるとき、換言すればモータの回転によって操舵補助する場合、ウォームがウォームホイールの歯すじに沿って径方向へ動くように分力(以下噛合反力と云う)が発生する。この噛合反力によりウォームが径方向へ押圧され、この押圧力により前記軸受部材が前記収容孔内で前記回転中心間距離が長短となる方向と交差する方向へ動き、該軸受部材が収容孔に当接して音鳴りすることになる。このため、特許文献1にあっては、前記軸受部材の周面で前記軸受孔に対し両側位置に環状溝を設け、各環状溝にOリングからなる弾性環を挿入保持することにより、軸受部材の動きを制限し、前記した音鳴りをなくするように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−21943号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1のように軸受部材の周面に弾性環が設けられた電動式パワーステアリング装置にあっては、弾性環が収容孔の周面に接触し、軸受部材及び収容孔の周面間で収容孔内が弾性環によって隔離されるため、軸受部材の動き側の端と収容孔との間に密封空間が発生する。従って、軸受部材が前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動する場合、密封空間内の空気が圧縮され、密封空間の内圧が上昇することになり、軸受部材の移動が抑制されることになり、改善策が要望されていた。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、弾性体によって回転中心間距離が長短となる方向と交差する方向への動きが制限された軸受部材を回転中心間距離が長短となる方向へスムーズに移動させることができる電動式パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電動式パワーステアリング装置は、モータの出力軸に軸継手を介して継合され、反モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部を支持し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材と、前記軸受部材及び収容孔間に配置された弾性環とを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受部材又は支持部材は前記弾性環が挿入された環状溝と、該環状溝の両側から環状溝よりも深い溝で環状溝に連通し、前記軸受部材の移動側両端部を連通させる連通溝とを有することを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、軸受部材及び収容孔の周面間で収容孔内が弾性環によって隔離されているが、弾性環が挿入された環状溝の両側から環状溝よりも深い溝で環状溝に連通し、軸受部材の移動側両端部を連通させる連通溝を有するため、前記回転中心間距離が長短となる方向へ軸受部材が移動する場合、該軸受部材をスムーズに移動させることができる。また、連通溝は環状溝を有する部材に設けられているため、軸受部材が前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動する場合の弾性環の連通溝による損傷をなくすることができ、弾性環の耐久性を高めることができる。また、連通溝にはグリース等の潤滑剤を溜めることができるため、軸受部材が前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動する場合の弾性環及び該弾性環が接触する周面の摩耗を低減でき、耐久性を高めることができる。
【0010】
第2発明に係る電動式パワーステアリング装置は、モータの出力軸に軸継手を介して継合され、反モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部が挿入された軸受孔を有し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材と、前記軸受部材及び収容孔間に配置された弾性環とを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受部材は移動側両端部から前記軸受孔にかけて貫通する孔を有することを特徴とする。
【0011】
第2発明にあっては、軸受部材及び収容孔の周面間で収容孔内が弾性環によって隔離されているが、軸受部材の移動側両端部及び収容孔間の空間内と軸受孔とは孔により連通しているため、前記回転中心間距離が長短となる方向へ軸受部材が移動する場合、該軸受部材をスムーズに移動させることができる。また、孔は軸受部材の移動側端部から軸受孔にかけて貫通しているため、軸受部材が前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動する場合の弾性環の孔による損傷をなくすることができ、弾性環の耐久性を高めることができる。また、軸受部材の孔にはグリース等の潤滑剤を溜めることができるため、軸受孔に挿入支持される駆動歯車の軸受部材との接触抵抗を低減できる。
【0012】
第3発明に係る電動式パワーステアリング装置は、モータの出力軸に軸継手を介して継合され、反モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部が挿入された軸受孔を有し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材と、前記軸受部材及び収容孔間に配置された弾性環とを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受部材又は支持部材は前記弾性環が挿入された環状溝と、該環状溝の両側から環状溝よりも深い溝で環状溝に連通し、前記軸受部材の移動側両端部を連通させる連通溝とを有しており、前記軸受部材は移動側両端部から前記軸受孔にかけて貫通する孔を有することを特徴とする。
【0013】
第3発明にあっては、軸受部材及び収容孔の周面間で収容孔内が弾性環によって隔離されているが、環状溝の両側から環状溝よりも深い溝で環状溝に連通する連通溝と、軸受部材の移動側両端部から軸受孔にかけて貫通する孔とを有するため、前記回転中心間距離が長短となる方向へ軸受部材が移動する場合、該軸受部材をより一層スムーズに移動させることができる。
【0014】
また、連通溝は環状溝を有する部材に設けられており、孔は軸受部材に設けられているため、軸受部材が前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動する場合の弾性環の連通溝及び孔による損傷をなくすることができ、弾性環の耐久性を高めることができる。 また、連通溝及び孔にはグリース等の潤滑剤を溜めることができるため、軸受部材が前記回転中心間距離が長短となる方向へ移動する場合の弾性環及び該弾性環が接触する周面の摩耗を低減でき、さらに、軸受孔に挿入支持される駆動歯車の軸受部材との接触抵抗を低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の減速歯車機構部分の構成を示す拡大断面図、図2は電動式パワーステアリング装置の全体構成を示す断面図、図3は軸受部材部分を拡大した横断平面図、図4は軸受部材の構成を示す側面図、図5は軸受部材部分を拡大した横断平面図である。
【0016】
電動式パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータ1と、該モータ1の出力軸1aに雄形継手部21及び雌形継手部22を有する軸継手2を介して継合される駆動歯車としてのウォーム3及び該ウォーム3に噛合する従動歯車としてのウォームホイール4を有する減速歯車機構Aと、該減速歯車機構Aに繋がる舵取手段5とを備えている。
【0017】
この舵取手段5は、一端部が舵取りのための操舵輪Bに繋がり、他端部に筒部51aを有する第1の操舵軸51と、筒部51a内に挿入されてその一端部が第1の操舵軸51の筒部51aに連結され、操舵輪Bに加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー52と、他端部がトーションバー52の他端部に連結され、減速歯車機構Aに繋がる第2の操舵軸53とを備え、該第2の操舵軸53がユニバーサルジョイントを介して例えばラックピニオン式の舵取機構(不図示)に繋がる。
【0018】
減速歯車機構Aのウォーム3は両端に軸部3a,3bを有しており、一端の軸部3aが転がり軸受6を介して支持部材7に回転自在に支持された状態でモータ1の出力軸1aに継合され、他端の軸部3bが円柱形の軸受部材8を介して支持部材7に支持されている。尚、軸部3aは転がり軸受6の内輪6aに圧入されている。軸部3aの途中には転がり軸受6の内輪6aの一端と向き合い、ウォーム3の内輪6aとの相対移動を規制するフェールセーフとしてのC形リング等の規制環9が着脱可能に取付けられている。ウォームホイール4は第2の操舵軸53の途中に嵌合固定されている。
【0019】
支持部材7はウォーム3を収容し、該ウォーム3の軸部3a,3bを、転がり軸受6及び軸受部材8を介して回転自在に支持した第1収容部7aと、ウォームホイール4を収容し、該ウォームホイール4を第2の操舵軸53及び該第2の操舵軸53に嵌合された2つの転がり軸受10,11を介して支持した第2収容部7bとを有する。
【0020】
第1収容部7aはウォーム3の軸長方向に長くなっており、その長手方向一端部には転がり軸受6を嵌合支持する支持孔71及び該支持孔71に連なるねじ孔72及びモータ取付部73が設けられており、ねじ孔72に転がり軸受6を固定するためのねじ環12が螺着されている。また、モータ取付部73にモータ1が取付けられている。
【0021】
モータ1の出力軸1aとウォーム3の軸部3aとはセレーションを有する雄形継手部21及び雌形継手部22を介して継合されている。雄形継手部21は軸部3aの周面にセレーションを設けることにより構成されており、また、雌形継手部22は出力軸1aに嵌合固定された筒部材23の内側にセレーションを設けることにより構成されており、雄形継手部21と雌形継手部22との間に径方向隙間ができるように雄形継手部21及び雌形継手部22がセレーション嵌合されている。
【0022】
雄形継手部21のモータ側端面、換言すればウォーム3の一端には軸長方向へ窪んだ凹所21bが設けられている。この凹所21bには出力軸1aの端面にその一端が当接してウォーム3を反モータ側へ付勢する付勢手段としてのコイルバネ13が収容されている。 コイルバネ13の付勢力が軸部3aから規制環9を介して転がり軸受6の内輪6aに伝動され、転がり軸受6の軸長方向隙間をなくする。
【0023】
第1収容部7aの他端部には、ウォーム3の他端の軸部3bが挿入される凹孔74及び該凹孔74の内面に臨み、ウォーム3及びウォームホイール4の回転中心間距離Hが長短となる方向に穿設された円柱形の収容孔75が設けられている。この収容孔75には軸部3bが回転自在に嵌合される軸受部材8と、該軸受部材8をウォームホイール4の方向へ付勢するコイルバネからなる弾性体14と、収容孔75の外部への開放部を閉じる閉孔部材15とが収容されている。また、収容孔75の外部への開放側にはねじ部76が設けられており、該ねじ部76に閉孔部材15が螺着されている。この閉孔部材15と軸受部材8との間には軸受部材8の回転中心間距離Hが長くなる方向への移動を許容する空間C1が発生するようにしてある。
【0024】
収容孔75は、支持部材7の内側となる一端、換言すれば軸受部材8に対して閉孔部材15と反対側の端を第2収容部7bと連通しない閉鎖部77とし、この閉鎖部77と軸受部材8との間に軸受部材8の回転中心間距離Hが短くなる方向への移動を許容する空間C2が発生するようにしてある。
【0025】
軸受部材8はその軸長方向の中間位置、換言すれば収容孔75に沿って移動する移動方向両端の途中に回転中心間距離Hが長短となる方向と直交するように穿設された軸受孔81と、移動側端部8a,8b及び軸受孔81間の周面に凹設された2つの環状溝82,83とを備えており、軸受孔81に軸部3bが回転可能に挿入されたすべり軸受16を設けてあり、該すべり軸受16を介して軸部3bを軸受部材8に支持してある。環状溝82,83には収容孔75の周面に接触し、軸受部材8が収容孔75内で回転中心間距離Hが長短となる方向と交差する方向へ動くのを制限するOリングからなる弾性環17,17が挿入保持されている。
【0026】
軸受部材8の周面には 環状溝82,83の両側となる移動側端部8a,8bから環状溝82,83よりも深い溝で環状溝82,83に連通する連通溝84が周方向に離隔して4個設けられている。各連通溝84は軸受孔81の両移動側端部8a,8bと連通するように等間隔で設けられている。このため、空間C1とC2とが連通溝84により連通される。図3、図5により明らかなように各連通溝84の幅方向両端縁は湾曲しており、連通溝84による弾性環17,17の損傷をなくするようにしてある。なお、連通溝84は1又は複数個であればよく、個数は特に制限されない。
【0027】
また、軸受部材8の一方の移動側端部8aには弾性体14を収容支持する円柱形の凹所8cと、該凹所8cの開口縁に連なる浅底の環状凹部8dとが設けられており、該環状凹部8dにゴム製の環状の弾性板18が挿入支持されている。この弾性板18は、金属製の軸受部材8が金属製の閉孔部材15に直接当接するのを防いでいる。
【0028】
尚、支持部材7内には、トーションバー52の捩れに応じた操舵軸51、53の相対回転変位量によって操舵輪Bに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ19が内装されており、該トルクセンサ19が検出したトルク等に基づいてモータ1が駆動制御されるように構成されている。
【0029】
以上のように構成された電動式パワーステアリング装置は、ウォーム3を組込む場合、支持部材7の収容孔75に軸受部材8を挿入し、支持部材7の第1収容部7aに収容するウォーム3の軸部3bを凹孔74から軸受部材8のすべり軸受16に挿入する。
【0030】
このようにウォーム3及び軸受部材8を組込んだ後、弾性体14、閉孔部材15を収容孔75に挿入し、該閉孔部材15の回転操作により弾性体14を介して軸受部材8を移動させ、さらに、すべり軸受16を介してウォーム3を揺動させ、該ウォーム3をウォームホイール4の歯面に接触させ、ウォーム3及びウォームホイール4の回転中心間距離Hを調整し、ウォーム3及びウォームホイール4の噛合部のバックラッシュ量をなくすることができる。この場合、軸受部材8の周面に設けられた弾性環17,17が収容孔75の周面に接触し、軸受部材8及び収容孔75の周面間で収容孔75内が弾性環17,17によって隔離され、軸受部材8の移動側端部8a,8b及び収容孔75間に空間C1,C2が発生する。また、軸受部材8と閉孔部材15との間に介在された弾性体14がウォーム3をウォームホイール4に向けて付勢し、該ウォーム3のウォームホイール4との噛合部に予圧を加えている。
【0031】
操舵補助によってウォーム3がウォームホイール4の歯すじに沿うように径方向へ押圧され、この押圧力、換言すれば前記噛合反力が軸部3bから軸受部材8の軸受孔81に加わった場合、軸受部材8の周面に設けられた弾性環17,17によって軸受部材8の前記噛合反力による動きを抑制することができる。従って、軸受部材8が支持部材7の収容孔75に当接することを防止でき、この当接による音鳴りをなくすることができる。
【0032】
また、前記噛合反力によって軸受部材8が回転中心間距離Hが長くなる方向へ移動する場合、軸受部材8の移動側端部8a及び収容孔75間の空間C1内の空気は、軸受部材8の周面に設けられた連通溝84から軸受部材8の移動側端部8b及び収容孔75間の空間C2と軸受孔81とに流出する。従って、軸受部材8をスムーズに移動させることができる。また、弾性体14の弾性復元力によって軸受部材8が回転中心間距離Hが短くなる方向へ移動する場合、軸受部材8の移動側端部8b及び収容孔75間の空間C2内の空気は、軸受部材8の周面に設けられた連通溝84から軸受部材8の移動側端部8a及び収容孔75間の空間C1と軸受孔81とに流出する。従って、軸受部材8をスムーズに移動させることができる。
【0033】
また、軸受部材8及び収容孔75間の隙間にはグリース等の潤滑剤が塗布されるが、この潤滑剤の一部を連通溝84に溜めることができる。従って、前記隙間の潤滑剤が減少した場合においても連通溝84内の潤滑剤を弾性環17の外周部に供給することができ、弾性環17及び収容孔75の摩耗を長期間に亘って低減できる。
【0034】
実施の形態2
図6は電動式パワーステアリング装置の実施の形態2の構成を示す要部の断面図である。
この実施の形態2の電動式パワーステアリング装置は、実施の形態1のように軸受部材8の周面に連通溝84を設ける代わりに、凹所8cから軸受孔81にかけて貫通する第1の孔85、軸受部材8の移動側端部8bから軸受孔81にかけて貫通する第2の孔86を設け、軸受部材8の移動側端部8a,8b及び収容孔75間の空間C1,C2内の空気を軸受孔81に流出させるようにしたものである。
【0035】
実施の形態2において、第1の孔85は軸受部材8の凹所8cから軸受孔81の両端部、換言すれば非すべり軸受部分にかけて軸受孔81の中心と交差するように穿設してある。第2の孔86は軸受部材8の移動側端部8bから軸受孔81の両端部、換言すれば非すべり軸受部分にかけて軸受孔81の中心と交差するように穿設してある。第1及び第2の孔85,86は夫々2つとしてあるが、該孔85,86の個数は特に制限されない。また、各孔85,86は軸受孔81の中心と交差するように穿設する他、軸受孔81の中心と直交的に穿設してもよい。なお、第1の孔85は軸受孔81から移動側端部8aにかけて設けてもよい。
【0036】
実施の形態2にあっては、前記噛合反力によって軸受部材8が回転中心間距離Hが長くなる方向へ動く場合、軸受部材8の移動側端部8a及び収容孔75間の空間C1内の空気は、第1の孔85から軸受孔81に流出する。従って、軸受部材8をスムーズに移動させることができる。また、弾性体14の弾性復元力によって軸受部材8が回転中心間距離Hが短くなる方向へ移動する場合、軸受部材8の移動側端部8b及び収容孔75間の空間C2内の空気は、第2の孔86から軸受孔81に流出する。従って、軸受部材8をスムーズに移動させることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0037】
実施例の形態3
図7は電動式パワーステアリング装置の実施の形態3の構成を示す要部の拡大断面図である。
この実施の形態3の電動式パワーステアリング装置は、軸受部材8に実施の形態1の連通溝84と、実施の形態2の第1及び第2の孔85,86とを設けたものである。
その他の構成及び作用は実施の形態1、2、5と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0038】
尚、以上説明した実施の形態では軸受部材8に環状溝82,83及び連通溝84を設けたが、その他、この環状溝82,83及び連通溝84は収容孔75に設けてもよい。この場合、連通溝84は空間C1,C2に連通させる。
【0039】
また、以上説明した実施の形態では軸受部材8の周面に軸長方向に離隔する2つの環状溝82,83を設けたが、その他、この環状溝82,83は何れか1つであってもよい。また、連通溝84は軸受部材8の移動側端部(移動側端面)から環状溝82,83にかけて設ける他、軸受部材8の移動側端面と離隔した位置から環状溝82,83にかけて設けてもよい。この場合、例えば軸受部材8及び収容孔75の周面間の隙間の寸法を、移動側端面から環状溝82,83にかけて設けるものに比べて大きい寸法とし、空間C1の空気は環状溝82に連通する連通溝84及び隙間を経て環状溝83に連通する連通溝84から空間C2へ流出し、空間C2の空気は環状溝83に連通する連通溝84及び隙間を経て環状溝82に連通する連通溝84から空間C1へ流出するように構成する。
また、以上説明した実施の形態では、ウォーム3である駆動歯車及びウォームホイール4である従動歯車を備えたウォーム歯車である他、ベベルギヤ、ハイポイドギヤであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明、第2発明、第3発明によれば、回転中心間距離が長短となる方向へ軸受部材が動く場合、軸受部材の移動側両端部を連通させることができ、弾性環によって回転中心間距離が長短となる方向と交差する方向への動きが制限された軸受部材を回転中心間距離が長短となる方向へスムーズに移動させることができ、しかも、弾性環の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す減速歯車機構部分の拡大断面図である。
【図2】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の全体構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の軸受部材部分を拡大した横断平面図である。
【図4】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の軸受部材の構成を示す側面図である。
【図5】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の軸受部材部分を拡大した横断平面図である。
【図6】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の実施の形態2の構成を示す要部の断面図である。
【図7】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の実施の形態3の構成を示す要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 モータ
1a 出力軸
2 軸継手
3 ウォーム(駆動歯車)
3b 軸部
4 ウォームホイール(従動歯車)
7 支持部材
75 収容孔
8 軸受部材
8a,8b 移動側端部
81 軸受孔
82,83 環状溝
84 連通溝
85,86 孔
17 弾性環
C1,C2 空間
H 回転中心間距離

Claims (3)

  1. モータの出力軸に軸継手を介して継合され、反モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部を支持し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材と、前記軸受部材及び収容孔間に配置された弾性環とを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受部材又は支持部材は前記弾性環が挿入された環状溝と、該環状溝の両側から環状溝よりも深い溝で環状溝に連通し、前記軸受部材の移動側両端部を連通させる連通溝とを有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. モータの出力軸に軸継手を介して継合され、反モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部が挿入された軸受孔を有し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材と、前記軸受部材及び収容孔間に配置された弾性環とを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受部材は移動側両端部から前記軸受孔にかけて貫通する孔を有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  3. モータの出力軸に軸継手を介して継合され、反モータ側に軸部を有する駆動歯車と、該駆動歯車に噛合し、舵取手段に繋がる従動歯車と、前記軸部が挿入された軸受孔を有し駆動歯車及び従動歯車の回転中心間距離が長短となる方向への移動が可能な軸受部材と、該軸受部材を収容する収容孔を有する支持部材と、前記軸受部材及び収容孔間に配置された弾性環とを備え、前記モータの回転によって操舵補助するようにした電動式パワーステアリング装置において、前記軸受部材又は支持部材は前記弾性環が挿入された環状溝と、該環状溝の両側から環状溝よりも深い溝で環状溝に連通し、前記軸受部材の移動側両端部を連通させる連通溝とを有しており、前記軸受部材は移動側両端部から前記軸受孔にかけて貫通する孔を有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
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