JP4032880B2 - アルカリ金属塩化物を含有するガラス繊維用集束剤 - Google Patents

アルカリ金属塩化物を含有するガラス繊維用集束剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維用集束剤、ガラス繊維束及びガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、それ単独では機械的強度や耐衝撃性等の特性が不充分であるために、構造部材に用いるような場合は、ガラス繊維チョップドストランド(ガラス繊維モノフィラメントを集束剤で束ねて得られたガラス繊維束を所定の長さに切断したもの)等のガラス繊維を添加して、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)として用いられることが一般的である。
【0003】
かかるGFRTPは一般にペレット状で供給され、これを射出成形等により所定形状の成形物に成形して各種用途に用いるが、GFRTPの用途拡大に伴って、近年では複雑・微細な形状の成形品を作製することも試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のGFRTPは成形時の溶融粘度を低下させることが容易でなく、金型中での流動性に劣るため、複雑な形状の成形品の製造が困難であった。単に成形時の溶融粘度を下げるのであれば、ガラス繊維を添加する熱可塑性樹脂の分子量を低下させればよいと考えられるが、かかる方法によって得られるGFRTPは、使用した熱可塑性樹脂の分子量の低さに起因して、熱的・力学的特性が不充分になるという問題が発生していた。
【0005】
本発明者らは上記問題点を鑑みて検討を行った結果、ガラス繊維モノフィラメントを束ねるために用いられるガラス繊維用集束剤の組成を特定の組成にすることにより、GFRTPに多用されているポリアミド樹脂やPPS樹脂等の熱可塑性樹脂を低分子量化させることなく、GFRTPの熱溶融時の粘度を低下させることができるとの知見を得た。
【0006】
したがって、本発明の目的は、ガラス繊維モノフィラメントを束ねるためのガラス繊維用集束剤であって、当該集束剤を用いたガラス繊維束を熱可塑性樹脂に添加した場合に、複雑又は微細な形状の成形物を製造可能なレベルまでガラス繊維強化熱可塑性樹脂の溶融粘度を低減させることが可能な、ガラス繊維用集束剤を提供することにある。本発明の目的は、また、かかるガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維束、及び、かかるガラス繊維束を含むガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタン樹脂を皮膜形成樹脂として含む水系のガラス繊維用集束剤に所定量のアルカリ金属塩化物を添加することにより、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明のガラス繊維用集束剤は、ポリウレタン樹脂、潤滑剤、シランカップリング剤及びアルカリ金属塩化物を含む不揮発成分と、水を含む揮発成分と、から構成され、前記アルカリ金属塩化物の含有比率が、前記不揮発成分の全重量を基準として25〜75重量%であり、前記アルカリ金属塩化物が、塩化リチウムであることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のガラス繊維束は、上記本発明のガラス繊維用集束剤によりガラス繊維フィラメントが複数本集束されてなることを特徴とするものであり、本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物は、上記本発明のガラス繊維束を含む熱可塑性樹脂を成形してなることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき説明するが、本発明において、「不揮発成分」とは、120℃の加熱により揮発しない成分をいい、「揮発成分」とは、かかる加熱により揮発する成分をいう。
【0010】
(ポリウレタン樹脂)
本発明に適用可能なポリウレタン樹脂は、ガラス繊維用集束剤の乾燥温度(室温〜150℃)においてガラス繊維上に皮膜を形成可能な、ウレタン結合を有する樹脂である。かかるポリウレタン樹脂は、最低造膜温度が130℃以下(好ましくは80℃以下、更に好ましくは60℃以下、特に好ましくは20℃以下)であることが好ましい。
【0011】
また、ポリウレタン樹脂は、水分散物(又は溶解物)として以下のような性質を示すものであることが好ましい。すなわち、ガラス板表面上にポリウレタン樹脂の水分散物(又は溶解物)を固形分換算で2g塗布し120℃にて3時間乾燥させ、直径略20cmの乾燥皮膜を形成せしめ、放冷後、1cm角の升状にカッターナイフで切れ目を入れたときに、ガラス板から乾燥皮膜が剥離しないようなポリウレタン樹脂であることが好ましい。更には、1cm角の升状に切れ目を入れた乾燥皮膜に、粘着テープ(ニチバン社製、セロテープCT−15)を貼付け、引き剥がしたときに乾燥皮膜がガラス板から剥離しないようなポリウレタン樹脂であることが好ましい。
【0012】
かかるポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、オレフィン系ポリオール等のポリオールと、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等のポリイソシアネートとを任意の当量比で反応させて得ることができる。ポリウレタン樹脂末端はイソシアネート基であっても水酸基であってもよく、これらの基は公知の手法によりブロック化されていてもよい。また、ポリウレタン樹脂の主鎖は公知の手法による変性がなされていてもよい。
【0013】
ポリウレタン樹脂は、その化学構造中に例えばポリオキシエチレンユニットを有し、ガラス繊維用集束剤に含まれる水に溶解性及び/又は膨潤性を示すもの(以下「水溶性ポリウレタン樹脂」という。)であっても、水に対して溶解性や膨潤性を示さず水中で分散又は乳化されるもの(以下「水分散性ポリウレタン樹脂」という。)であってもよい。同一固形分であっても低粘度化が可能であることから、ポリウレタン樹脂は水分散性ポリウレタン樹脂が好ましい。また、水分散性ポリウレタン樹脂は、エマルジョン又はディスパージョンの形態で提供されるものが好ましい。
【0014】
(潤滑剤)
潤滑剤は、ガラス繊維束等のガラス繊維製品の製造工程における機械摩擦等からガラス繊維を保護することのできるものであればよく、例えば、高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコールの縮合物等の合成油;ポリエチレンイミン;ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイル等が例示できる。本発明において用いることのできる潤滑剤として特に好ましいものは、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」と記す。)である。TEPA/SAにおけるテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率はモル比として、前者/後者=1/1〜1/2が好ましい。かかる潤滑剤を用いることにより、ガラス繊維が機械摩擦から保護されるとともに、ガラス繊維束中のガラス繊維フィラメント同士の摩擦をも減少させ、更にはガラス繊維に柔軟性を付与することが可能になる。
【0015】
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤は、加水分解性基と疎水基(有機基)とを有するシラン化合物であり、かかる化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等の不飽和二重結合を有するシランカップリング剤;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられる。これらの中では、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。
【0016】
シランカップリング剤は、上記のようにガラス繊維と反応性を有する加水分解性ケイ素基と、熱可塑性樹脂との親和性を有する疎水基(有機基)とを有していることから、シランカップリング剤を含む本発明のガラス繊維用集束剤を用いることにより、ガラス繊維束と熱可塑性樹脂との界面接着性を向上させることができる。
【0017】
(アルカリ金属塩化物)
アルカリ金属塩化物としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましく、塩化リチウムが特に好ましい。アルカリ金属塩化物は含水塩であってもよく、ガラス繊維用集束剤に添加するに当たって1種のみを用いても複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
塩化リチウム等のアルカリ金属塩化物は、ガラス繊維用集束剤に帯電防止剤として用いられる場合があるが、かかる用途で用いる場合においては、含有比率をガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、1〜3重量%とすることが通常である。しかしながら、アルカリ金属塩化物の含有比率を本発明の如く25〜75重量%と高い値にすることにより、従来では全く認識されていなかった効果である、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度の低下という効果が得られる。かかる効果の原因は必ずしも明らかではないが、ガラス繊維束と熱可塑性樹脂が混合される過程で、ガラス繊維用集束剤中のアルカリ金属塩化物が熱可塑性樹脂の結晶化を阻害し、結晶化温度を低下させることが一因であると想定される。熱可塑性樹脂の結晶化温度が低下すると、金型中でガラス繊維強化熱可塑性樹脂(ガラス繊維束と熱可塑性樹脂との混合物)がある程度冷却されても当該樹脂の流動性が確保できると考えられ、このために、金型の細部までガラス繊維強化熱可塑性樹脂が到達し、複雑又は微細な形状の成形物の作製が可能になる。
【0019】
(含有比率)
上記特性を得るために、アルカリ金属塩化物の含有比率は、不揮発成分の全重量を基準として25〜75重量%でなければならない。かかる含有比率が25重量%未満ではガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物の流動性の向上効果が得られず、75重量%を超すと得られる成形物の物性が低下する。アルカリ金属塩化物の含有比率は、不揮発成分の全重量を基準として30〜60重量%が好ましい。一方、アルカリ金属塩化物の含有比率は、ガラス繊維用集束剤の全重量を基準としたときに、1〜5重量%が好ましく、1.5〜3.5重量%がより好ましい。
【0020】
ガラス繊維用集束剤における、ポリウレタン樹脂、潤滑剤及びシランカップリング剤の含有比率の含有比率は任意であるが、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、それぞれ、10〜80重量%、0.1〜10重量%及び1〜30重量%であることが好ましい。
【0021】
ポリウレタン樹脂の含有比率が上記下限値未満である場合は、ガラス繊維フィラメントを集束する強度が不充分になる傾向にあり、上記上限値を超す場合は、ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂を成形するときに、ガスが発生する場合がある。また、潤滑剤の含有比率が上記下限値未満である場合は、ガラス繊維フィラメントが機械摩擦等から充分に保護されなくなる傾向にあり、上記上限値を超す場合は、ガラス繊維束を乾燥させた際に着色することがあり、また成形物の強度が低下する場合がある。一方、シランカップリング剤の含有比率が上記下限値未満である場合は、ガラス繊維束と熱可塑性樹脂との界面接着性が不充分になる傾向にあり、上記上限値を超す場合は、ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂の成形物の強度が低下する場合がある
【0022】
ポリウレタン樹脂、潤滑剤及びシランカップリング剤の含有比率は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、それぞれ、15〜60重量%、0.5〜5重量%及び5〜25重量%であることがより好ましく、それぞれ、20〜40重量%、1〜3重量%及び10〜20重量%であることが更に好ましい。
【0023】
ガラス繊維用集束剤における不揮発成分は、ガラス繊維用集束剤の全重量を基準として1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。不揮発成分の含有比率が1重量%未満である場合は、1回の塗布でガラス繊維にガラス繊維用集束剤が付着する量が少なくなり、複数回塗布を行わなければならず製造コストが上昇する場合があり、20重量%を超す場合は、粘度が上昇し塗布性に問題が生じる場合がある。なお、揮発成分(不揮発成分以外の成分)中、水の含有比率は90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
【0024】
(その他添加成分)
本発明のガラス繊維用集束剤は、上述した必須成分に加えて、pH調整剤、帯電防止剤及び乳化剤等の添加成分を更に含んでいてもよい。また、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールやその他有機溶剤を少量含有していてもよい。
【0025】
pH調整剤としては、酢酸等の弱酸が好ましく、pH調整剤の添加によりガラス繊維用集束剤のpHを3.0〜5.0に調整することが好ましい。かかるpH調整により、シランカップリング剤の加水分解を促進させることができる。
【0026】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルスルホネート、第4級アンモニウムクロライドが例示可能である。ガラス繊維用集束剤に帯電防止剤を添加することにより、ガラス繊維に生じる静電気の発生を低減させることができる。帯電防止剤の含有比率はガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、1〜3重量%が好ましい。
【0027】
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。乳化剤の含有比率はガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、0.5〜2重量%が好ましい。
【0028】
本発明のガラス繊維用集束剤は、ピロリン酸塩を含むことが特に好ましい。ピロリン酸塩としては、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸アンモニウム、ピロリン酸カリウムが挙げられ、なかでもピロリン酸ナトリウムが好ましい。ピロリン酸塩の含有比率は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、20〜60重量%が好ましく、30〜40重量%がより好ましい。ガラス繊維用集束剤にピロリン酸塩を添加することにより、アルカリ金属塩化物に起因する成形物の着色を緩和することができる。
【0029】
(ガラス繊維用集束剤の製造)
本発明のガラス繊維用集束剤は、上述したポリウレタン樹脂の水性エマルジョン若しくはディスパージョン又は水溶液を調製し、それに上述した潤滑剤、シランカップリング剤及びアルカリ金属塩化物を添加し、必要に応じて上記添加成分や有機溶剤等を加えることにより製造することが好ましい。なお、シランカップリング剤はアルコール溶液として提供される場合があり、その場合はアルコール成分を除去することなく添加することが可能である。
【0030】
(ガラス繊維束)
本発明のガラス繊維束は、上述のガラス繊維用集束剤によりガラス繊維フィラメントが複数本集束されてなるものである。ガラス繊維束は、複数のガラス繊維フィラメントとガラス繊維用集束剤の不揮発成分とから構成されており、該不揮発成分は複数のガラス繊維フィラメント間に存在し、ガラス繊維フィラメントを束ねる接着剤(バインダ)として機能していることが好ましい。この場合において、不揮発成分はガラス繊維フィラメントの外周を連続又は不連続膜として被覆し、ガラス繊維を保護する機能も有していることが好ましい。
【0031】
上記不揮発成分は、ガラス繊維束の使用時にガラス繊維フィラメントを束状に保っておくだけの強度を有していればよく、ガラス繊維束中に一様に分布している必要はない。すなわち、ガラス繊維フィラメント同士の接着性の観点からは、不揮発成分はガラス繊維束の外縁部から中心部へ向けて略均一の濃度で分布していることが好ましいが、例えば、外縁部の濃度が高く中心部の濃度が低い場合であってもガラス繊維フィラメントを保持可能であり実用上問題とならないため、かかる構成のガラス繊維束も本発明において採用可能である。
【0032】
ガラス繊維束に用いられるガラス繊維フィラメントのフィラメント径は3〜23μmが好ましく、ガラス繊維束はかかるガラス繊維フィラメントが25〜4000本集束されてなるものであることが好ましい。ガラス繊維フィラメントのガラス組成としては、例えば、Eガラス、Sガラス、Cガラス等が挙げられる。ガラス繊維束におけるガラス繊維フィラメントの総重量とガラス繊維用集束剤の不揮発成分の重量との比は、前者100重量部に対して、後者0.2〜5.0重量部が好ましく、0.5〜2.0重量部がより好ましい。なお、本発明のガラス繊維束の態様としては、ガラス繊維ヤーン及びガラス繊維ロービングが挙げられる。
【0033】
ガラス繊維束は、例えば、白金ノズル(ブッシング)から引き出されたガラス繊維フィラメントにローラー型アプリケーターやベルト型アプリケーター等を用いてガラス繊維用集束剤を塗布し、これを集束機で集束することによってガラス繊維フィラメントを束ね、次いで、これを室温〜150℃で乾燥し、水等の揮発成分を除去することにより製造することができる。なお、乾燥の前に必要に応じて加撚を施してもよい。
【0034】
このような方法により得られるガラス繊維束は長繊維であるが、ガラス繊維用集束剤によりガラス繊維フィラメントが複数本集束されてなることを特徴とするガラス繊維束であって、前記ガラス繊維フィラメントの繊維長が数〜数十mmであるガラス繊維束(以下「短繊維長ガラス繊維束」という。)を用いることもできる。かかる繊維長のガラス繊維束を用いることにより、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂を作製が容易となるとともに、得られるガラス繊維強化熱可塑性樹脂中におけるガラス繊維束の分散性が向上する。
【0035】
短繊維長ガラス繊維束の繊維長は1〜25mmであることが好ましく、1.5〜13mmであることがより好ましい。短繊維長ガラス繊維束の繊維長が1mm未満である場合は、短繊維長ガラス繊維束の作製時に毛羽が発生して嵩高となり生産性が低下する傾向にあり、25mmを超す場合は、短繊維長ガラス繊維束同士がからまって嵩高となり生産性が低下する傾向にある。
【0036】
なお、短繊維長ガラス繊維束は、上述の方法によりガラス繊維束(長繊維)を作製した後に、かかるガラス繊維束を1〜25mmに切断することにより製造することができる(かかる製造法による短繊維長ガラス繊維束をガラス繊維チョップドストランドと呼ぶ)。
【0037】
(ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物)
本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物は、上述したガラス繊維束(長繊維及び/又は短繊維長ガラス繊維束)を含む熱可塑性樹脂を成形してなるものである。なお、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物がガラス繊維束の長繊維を含む場合は、当該長繊維は編組物であることが好ましい。
【0038】
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン12、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン46等)、PPS樹脂、共重合ナイロン、PET、PBT、ポリプロピレン、ポリエチレン等の結晶性高分子が挙げられる。本発明においては、ポリアミド樹脂及び/又はPPS樹脂を熱可塑性樹脂として用いることが好ましく、ポリアミド樹脂が特に好ましい。
【0039】
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、本発明のガラス繊維束を30〜200重量部含有することが好ましく、40〜150重量部含有することがより好ましい。なお、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物は、充填剤等の添加成分を更に含有していてもよい。
【0040】
また、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物においては、アルカリ金属塩化物が、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜1.5重量部(より好ましくは0.1〜1.0重量部、更に好ましくは0.1〜0.5重量部)になるように、ガラス繊維束と熱可塑性樹脂とを混合することが好ましい。アルカリ金属塩化物の重量が0.05重量部未満である場合は、溶融粘度の低減効果が不充分になる傾向にあり、1.5重量部を超す場合は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物の力学特性等が却って低下する傾向にある。
【0041】
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物を成形する方法は、特に制限されないが、本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物は、上記本発明のガラス繊維束(短繊維長ガラス繊維束が好ましい)と熱可塑性樹脂とのコンパウンドをペレット化し、射出成形することにより得ることが好ましい。以上説明した本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、高い引張り強度及び耐衝撃性を発揮するのみならず耐水性にも優れているために、インテークマニホールド等の用途に特に好適に用いることができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
[ガラス繊維用集束剤の作製]
(実施例1)
酢酸を添加しpHを5に調製した純水8kgに、シランカップリング剤であるγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、A1100)0.1kgを添加した。これに、ポリウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業社製:1660NS、ポリウレタン樹脂濃度:40重量%)0.4kgを添加し、室温で攪拌した。得られた溶液に、塩化リチウム0.1kgと、潤滑剤であるTEPA/SA(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)0.01kgを添加し、最後に純水を添加し総重量を10kgにして、ガラス繊維用集束剤を得た。
【0044】
(実施例2)
塩化リチウムの重量を0.2kgとした他は実施例1と同様にして、ガラス繊維用集束剤を得た。
【0045】
(実施例3)
塩化リチウムの重量を0.3kgとした他は実施例1と同様にして、ガラス繊維用集束剤を得た。
【0046】
(実施例4)
塩化リチウムの重量を0.3kgとし、ピロリン酸ナトリウムを0.3kg点かした他は実施例1と同様にして、ガラス繊維用集束剤を得た。
【0047】
(比較例1)
塩化リチウムを用いなかった他は実施例1と同様にして、ガラス繊維用集束剤を得た。
【0048】
[ガラス繊維束及びガラス繊維チョップドストランドの作製]
(実施例5〜8及び比較例2)
実施例1〜4及び比較例1で得られたガラス繊維用集束剤のそれぞれを、直径11μmのガラス繊維フィラメント1600本からなる束(日東紡績株式会社製:240TEX)に塗布し、110℃で乾燥してガラス繊維束を得た。この場合において上記ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分が0.95重量部付着するようにした。次いで、得られたガラス繊維束を長さ3mmに切断し、ガラス繊維チョップドストランドを作製した。なお、実施例1〜4及び比較例1で得られたガラス繊維用集束剤を用いて得られたガラス繊維チョップドストランドが、それぞれ実施例5〜8及び比較例2に該当する。
【0049】
[ガラス繊維強化ポリアミド樹脂成形物の作製]
(実施例9〜12及び比較例3)
実施例5〜8及び比較例2のガラス繊維チョップドストランドを、ナイロン6(宇部興産社製、1015B)のペレットにガラス含有率33重量%となるように混合し、エクストルーダー(押出成形機)によりペレット化した後、射出成形機によりガラス繊維強化ポリアミド樹脂成形物を得た。この場合において、100重量部のナイロン6に対する塩化リチウムの重量は、実施例9〜12について、それぞれ0.09、0.13、0.16、0.11重量部であった。なお、実施例5〜8及び比較例2で得られたガラス繊維用集束剤を用いたガラス繊維強化ポリアミド樹脂が、それぞれ実施例9〜12及び比較例3に該当する。
【0050】
[ガラス繊維強化ポリアミド樹脂成形物の性能試験]
(バーフロー測定法による流動性の評価)
実施例9〜12及び比較例3のガラス繊維強化ポリアミド樹脂を流動性試験用金型に注入し、バーフロー測定法による流動性の評価を行った。用いた流動性試験用金型は2つの金型(第1の金型及び第2の金型)からなっており、この2つの金型を締結することでガラス繊維強化ポリアミド樹脂が注入される流路が形成される。
【0051】
図1(a)は、第1の金型10の上面図であり、図1(b)は第2の金型20の上面図である。図1(a)に示す第1の金型10は金属からなる板状体(厚さ:200mm)であり、その片面には、金型中央11から金型縁部を略一周するように、幅10mm(図1(a)のx)深さ3mmの断面矩形の溝12が形成され、溝12の一端にはガス抜溝14が形成されている。なお、図1(a)におけるy、z、wの寸法は、それぞれ200mm、180mm、400mmである。
【0052】
図1(b)に示す第2の金型20は、第1の金型10と同種の金属からなる板状体(厚さ:100mm)であり、その中央部に注入孔22が形成され、溝はいずれの面にも形成されていない。なお、注入孔22は、第1の金型10と第2の金型20を締結した場合に、注入孔22の中心が金型中央11上に位置するように、第2の金型20に形成されている。
【0053】
図2(a)は、第1の金型10と第2の金型20とからなる流動性試験用金型1の斜視図である。図2(a)に示す流動性試験用金型1においては、締結具(図示せず)により第1の金型10と第2の金型20とが締結されることにより、注入すべきガラス繊維強化ポリアミド樹脂の流路21が形成される。両金型は締結された状態で80℃に加熱され、図2(a)のように垂直に立てた状態で注入孔22から260℃に溶融したガラス繊維強化ポリアミド樹脂が圧力40kgf/cm2で注入される。
【0054】
図2(b)は、上記条件でガラス繊維強化ポリアミド樹脂30が注入された流動性試験用金型1の斜視図である。ガラス繊維強化ポリアミド樹脂30は上記温度及び圧力条件で注入されるため、その組成によりガラス繊維強化ポリアミド樹脂30が到達可能な位置が異なる。すなわち、図2(b)のLの長さ(mm)が、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂30の組成により変化し、流動性に優れた樹脂はLの値が大きくなり、流動性に劣る樹脂はLの値が小さくなる。そこで、このLの値(mm)をバーフロー測定法による流動性の値とした。
【0055】
バーフロー測定法による流動性の評価結果を、含有するガラス繊維用集束剤の不揮発成分の組成(ガラス繊維用集束剤100重量部中の各不揮発成分の重量部、及び、不揮発成分の全重量を基準とした各不揮発成分の重量%)とともに表1に示した。なお、実施例9〜12及び比較例3で得られたガラス繊維強化ポリアミド樹脂成形物には、それぞれ実施例1〜4及び比較例1のガラス繊維用集束剤が用いられている。
【0056】
【表1】
Figure 0004032880
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガラス繊維束を熱可塑性樹脂に添加してなるガラス繊維強化熱可塑性樹脂の加熱溶融時の粘度を低減させることができるガラス繊維用集束剤を提供することが可能になる。そして、当該集束剤で集束されたガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂(ガラス繊維強化熱可塑性樹脂)を用いることにより、複雑又は微細な形状を有する成形物を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、第1の金型10の上面図であり、図1(b)は第2の金型20の上面図である。
【図2】図2(a)は、第1の金型10と第2の金型20とからなる流動性試験用金型1の斜視図であり、図2(b)は、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂30が注入された流動性試験用金型1の斜視図である。
【符号の説明】
1…流動性試験用金型、10…第1の金型、11…金型中央、12…溝、14…ガス抜溝、20…第2の金型、21…流路、22…注入孔、30…ガラス繊維強化ポリアミド樹脂。

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂、潤滑剤、シランカップリング剤及びアルカリ金属塩化物を含む不揮発成分と、水を含む揮発成分と、から構成され、
    前記アルカリ金属塩化物の含有比率が、前記不揮発成分の全重量を基準として25〜75重量%であり、
    前記アルカリ金属塩化物が、塩化リチウムであることを特徴とするガラス繊維用集束剤。
  2. 前記アルカリ金属塩化物の含有比率が、ガラス繊維用集束剤の全重量を基準として、1〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載のガラス繊維用集束剤。
  3. 前記不揮発成分として、ピロリン酸塩を更に含むことを特徴とする請求項1又は2記載のガラス繊維用集束剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス繊維用集束剤により、ガラス繊維フィラメントが複数本集束されてなることを特徴とするガラス繊維束。
  5. 前記ガラス繊維フィラメントの繊維長が1〜25mmであることを特徴とする請求項4記載のガラス繊維束。
  6. 請求項4又は5記載のガラス繊維束を含む熱可塑性樹脂を成形してなることを特徴とするガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂及び/又はPPS樹脂であることを特徴とする請求項6記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物。
  8. 前記ガラス繊維束におけるアルカリ金属塩化物の重量が、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜1.5重量部であることを特徴とする請求項6又は7記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形物。
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