JP4032750B2 - シャント抵抗並びにその抵抗値の調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャント抵抗並びにその抵抗値の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にパルス電流や交流大電流等の測定においては、抵抗値が既知のシャント抵抗に被測定電流を流し、このシャント抵抗に生じる電圧降下を測定することが行われている。この種のシャント抵抗として、本出願人は図11に示すようなものを既に提案している(特開2000−131349号公報参照)。この公報に記載されている従来のシャント抵抗は、略平板状の2枚の抵抗体6a,6bをそれぞれの一端縁で接合することで略U字形とし、各抵抗体6a,6bの他端縁に略L字形の固定端子板2a,2bの一端部を接合するとともに、固定端子板2a,2bを通して被測定電流を流した際にこれらの抵抗体6a,6bで生じる電圧降下を電圧信号として取り出すための一対のリード線40,40が各抵抗体6a,6bの固定端子板2a,2bとの接合部位近傍にスポット溶接等によって接続された構造を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来例においては、リード線40,40を各抵抗体6a,6bの表面に接続しているために、固定端子板2a,2bに臨む抵抗体6a,6bの側面方向にリード線40,40が引き出されており、抵抗体6a,6bの側面方向を開放しておかなければならないという構造上の制約が生じて設計の自由度が低下してしまうという問題があった。例えば、固定端子板2a,2bに放熱板を設ける場合、抵抗体6a,6bの側面方向に引き出されたリード線40,40が邪魔になり、リード線40,40を逃げるために放熱板の形状が複雑になったり、全体が大型化するといった問題が生じる。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、構造上の制約を無くして設計の自由度を向上することができるシャント抵抗を提供することにある。
【0005】
さらに、請求項10の発明は、抵抗体の抵抗値を簡単に調整することができるシャント抵抗の抵抗値の調整方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体と、この抵抗体の一端縁に一方の端部が接続される第1の固定端子板と、抵抗体の他端縁に一方の端部が接続されるとともに当該端部近傍を略U字形に曲成して抵抗体並びに第1の固定端子板の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板とを備え、抵抗体の電圧降下を電圧信号として取り出すための複数の端子片を抵抗体の側端縁より突設したことを特徴とし、抵抗体の側端縁より端子片を突設しているため、例えば端子片にリード線を接続した場合においてもリード線を抵抗体の側面方向と異なる方向へ引き出すことができ、構造上の制約を無くして設計の自由度を向上することができる。また、複数の端子片を一体に形成したことを特徴とし、端子片の寸法を大きくすることができ、例えばリード線を接続するためのレーザ溶接や抵抗溶接等によって接続部が溶けることが無く、しかも、リード線の接続位置を変えることでリード線からみた抵抗体の抵抗値を調整することができる。
【0007】
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体と、この抵抗体の一端縁に一方の端部が接続される第1の固定端子板と、抵抗体の他端縁に一方の端部が接続されるとともに抵抗体並びに第1の固定端子板の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板とを備え、抵抗体の電圧降下を電圧信号として取り出すための複数の端子片を抵抗体の側端縁より突設したことを特徴とし、抵抗体の側端縁より端子片を突設しているため、例えば端子片にリード線を接続した場合においてもリード線を抵抗体の側面方向と異なる方向へ引き出すことができ、構造上の制約を無くして設計の自由度を向上することができる。しかも、抵抗体と第2の固定端子板との間隔を狭くすることができるから、インダクタンス成分を低減して被測定電流の検出誤差を小さくすることができる。また、複数の端子片を一体に形成したことを特徴とし、端子片の寸法を大きくすることができ、例えばリード線を接続するためのレーザ溶接や抵抗溶接等によって接続部が溶けることが無く、しかも、リード線の接続位置を変えることでリード線からみた抵抗体の抵抗値を調整することができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位に位置決め用の突起を設けたことを特徴とし、抵抗体と固定端子板との接続位置が安定し、抵抗値のばらつきを抑えることができる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位に位置決め用の段差を設けたことを特徴とし、抵抗体と固定端子板との接続位置が安定し、抵抗値のばらつきを抑えることができる。さらに、段差を設けることで抵抗体と抵抗体に対向する固定端子板との間隔を狭くすることができ、インダクタンス成分を低減して被測定電流の検出誤差を小さくすることができる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、抵抗体における第1の固定端子板及び第2の固定端子板との接続部位よりも内側にある側端縁から端子片を突設したことを特徴とし、第1の固定端子板及び第2の固定端子板との接続部位に端子片を突設する場合に比べて抵抗体の抵抗値が安定する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位近傍に放熱板を設けたことを特徴とし、被測定電流が流れる抵抗体で発生した熱を効率よく放熱することができて温度上昇を抑えることができる。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、被覆抑えを有する接合用端子によりリード線先端部をかしめ固定し、該接合用端子を抵抗体の端子片に取り付けたことを特徴とし、リード線と抵抗体の接続部分の強度が増し、接続部分の信頼性が向上できる。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、端子片の先端部にリード線をかしめ固定するための切れ込みを形成したことを特徴とし、リード線を端子片に簡単に接続することができる。
【0015】
請求項9の発明は、上記目的を達成するために、請求項1〜8の何れかに記載のシャント抵抗の抵抗値を調整する調整方法であって、抵抗体の端子片を設けていない部位を削って抵抗値を調整することを特徴とし、抵抗体の抵抗値を簡単に調整することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(基本形態1)
図1及び図2を参照して本発明の基本形態1を詳細に説明する。図1に示すように本基本形態のシャント抵抗は、所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体10と、この抵抗体10の一端縁に一方の端部21が接続される第1の固定端子板20と、抵抗体10の他端縁に一方の端部31が接続されるとともに当該端部31近傍を略U字形に曲成して抵抗体10並びに第1の固定端子板20の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板30と、抵抗体10の電圧降下を電圧信号として取り出すために抵抗体10に接続される一対のリード線40,40とを備えている。
【0017】
抵抗体10は、図2に示すように例えば銅マンガン合金あるいは銅ニッケル合金により長尺の矩形平板状に形成されており、長手方向に沿った両側の端縁部11a,11bに第1及び第2の固定端子板20,30の端部21,31がそれぞれろう付けによって接合される。また、抵抗体10の長手方向に対向する一方の側端縁からはリード線40,40を各々接続する一対の端子片12,12が抵抗体10の長手方向に沿って一体に突設されている。ところで、一般にシャント抵抗を用いた電流測定では抵抗体10に被測定電流を流した際に生じる電圧降下から電流値を求めるため、抵抗体10の抵抗値をほぼ一定にする必要がある。一方、第1及び第2の固定端子板20,30と接続される端縁部11a,11bでは抵抗体10の抵抗値が不安定になる。そこで、本基本形態においては抵抗体10の両端縁部11a,11bよりも内側の部位から端子片12,12を突設して抵抗値が安定するようにしている。
【0018】
第1の固定端子板20は、図1に示すように電気銅あるいはHSM(EF−TEC4)のような導電性金属材料からなり、矩形平板状の主部22の一方の端部21近傍を略垂直に折曲することで全体が略L字形に形成され、主部22の略中央には固定用のねじ(図示せず)を挿通する丸形の挿通孔23が設けられている。一方、端部21の抵抗体10が接合される側の面には主部22に近づく向きに後退する段差24が設けてある。この段差24に抵抗体10の端縁部11aを当接することで抵抗体10の端縁部11aと第1の固定端子板20の端部21との位置決めが行える。さらに、端部21の段差24よりも先端側には抵抗体10の発する熱を放熱するための放熱板25が設けてある。この放熱板25は第1の固定端子板20と一体に形成されており、端縁部11aの先端から主部22に近づく向きに後退させて抵抗体10との間に隙間が生じるようにしてある。
【0019】
第2の固定端子板30は、図1に示すように電気銅あるいはHSM(EF−TEC4)のような導電性金属材料からなる板材を略L字形に折曲して平坦な主部32並びに主部32に略直交する連結部33が一体に形成され、連結部33の先端側が略U字形に折曲されてその先が抵抗体10と接続する端部31となる。また、主部32の略中央には固定用のねじ(図示せず)を挿通する丸形の挿通孔34が設けられている。一方、端部31の抵抗体10が接合される側の面には連結部33から遠ざかる向きに後退する段差35が設けてある。この段差35に抵抗体10の端縁部11bを当接することで抵抗体10の端縁部11bと第2の固定端子板30の端部31との位置決めが行える。さらに、端部31の段差35よりも先端側には抵抗体10の発する熱を放熱するための放熱板36が設けてある。この放熱板36は第2の固定端子板30と一体に形成されており、端縁部11bの先端より連結部33から遠ざかる向きに後退させて抵抗体10との間に隙間が生じるようにしてある。
【0020】
ここで、本基本形態のシャント抵抗は以下の手順で組み立てられる。まず、抵抗体10の抵抗値が所望の値となるように抵抗値を調整する。すなわち、抵抗体10の両端縁部11a,11b間に既知の電流を流し、端子片12,12間の電圧(抵抗体10に生じる電圧降下)から抵抗値を計測する。そして、計測した抵抗値が所望の値となるように抵抗体10の端子片12,12を設けていない部位(抵抗体10の長手方向に対向する他方の側端縁)を削って抵抗値を調整する。このように抵抗体10を削るだけで簡単に抵抗値を調整することができる。
【0021】
次に抵抗値の調整が済んだ抵抗体10の端子片12,12にリード線40,40を接続する。なお、端子片12とリード線40との接続は半田付け、レーザ溶接あるいは抵抗溶接等の適宜の方法で行えばよい。そして、リード線40を接続した抵抗体10の一方の端縁部11aを第1の固定端子板20の端部21に設けた段差24に当接して位置決めし、抵抗体10の端縁部11aと第1の固定端子板20の端部21とをろう付けによって接合する。続いて、抵抗体10の他方の端縁部11bを第2の固定端子板30の端部31に設けた段差35に当接して位置決めし、抵抗体10の端縁部11bと第2の固定端子板30の端部31とをろう付けによって接合する。そして、抵抗体10の端縁部11aに接合した端部31近傍において連結部33を略U字形に折曲し、第2の固定端子板30の連結部33を抵抗体10並びに第1の固定端子板20の端部21と略平行に対向させる。なお、このように抵抗体10と第2の固定端子板30とを対向させることにより、抵抗体10と第2の固定端子板30に各々流れる被測定電流に基づいて発生する磁界の多くが互いに相殺され、シャント抵抗のインダクタンス成分を低減して被測定電流の検出誤差を小さくすることができる。
【0022】
本基本形態のシャント抵抗は上述のような構造を有するものであり、リード線40,40を接続する端子片12,12を抵抗体10の側端縁より突設したので、リード線40,40を第1及び第2の固定端子板20,30と異なる方向へ引き出すことができる。その結果、抵抗体10の側面方向を開放しておかなければならないといった従来の構造上の制約が無くなり、設計の自由度を向上することができる。特に本基本形態では、リード線40が抵抗体10の側面方向に突出しないことから、第2の固定端子板30の連結部33を略U字形に折曲して抵抗体10及び第1の固定端子板20との間隔を狭くした構造とすることができる。さらに、第1及び第2の固定端子板20,30の端部21,31に放熱板25,36を設ける際にリード線40,40が邪魔にならず、リード線40,40を逃げるために固定端子板20,30の形状を複雑化する必要が無くなり、シャント抵抗の小型化が図れる。また、第1及び第2の固定端子板20,30の抵抗体10との接続部位である端部21,31に位置決め用の段差25,36を設けているので、抵抗体10と第1及び第2の固定端子板20,30との接続位置が安定し、抵抗値のばらつきを抑えることができる。さらに、第1及び第2の固定端子板20,30の抵抗体10との接続部位である端部21,31近傍に放熱板25,36を設けているので、被測定電流が流れる抵抗体10で発生した熱を効率よく放熱することができて温度上昇を抑えることができる。なお、本基本形態ではリード線40,40を先に端子片12,12に接続してから抵抗体10を第1及び第2の固定端子板20,30に接合しているが、反対に抵抗体10を第1及び第2の固定端子板20,30に接合した後にリード線40,40を抵抗体10の端子片12,12に接続するようにしても良い。また、第1及び第2の固定端子板20,30を抵抗体10に接合する順序は逆であっても良い。
【0023】
ところで、温度や湿度等の周囲環境の影響を受け難くするために、図3に示すように抵抗体10、第1の固定端子板20の端部21並びに第2の固定端子板30の連結部33及び端部31を合成樹脂成型部60と一体成型し、所謂樹脂モールドしても良い。
【0024】
また、図4に示すように抵抗体10の各端子片12,12に略U字形の切り込み12aを形成し、この切り込み12aにリード線40を挿入してかしめることによって端子片12にリード線40を接続する構造とすれば、レーザ溶接や抵抗溶接に比べてリード線40を端子片12に簡単に接続することができる。
【0025】
(基本形態2)
図5及び図6を参照して本発明の基本形態2を説明する。但し、本基本形態は第2の固定端子板50の構造が異なる点を除いて、その他の基本構成は基本形態1と共通であるので、共通する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
本基本形態における第2の固定端子板50は、図5に示すように電気銅あるいはHSM(EF−TEC4)のような導電性金属材料からなる板材を略L字形に折曲して平坦な主部52並びに主部52に略直交する連結部53が一体に形成され、連結部53の先端部分が抵抗体10と接続する端部51となる。また、主部52の略中央には固定用のねじ(図示せず)を挿通する丸形の挿通孔54が設けられている。一方、端部51と連結部53との間には主部52に近づく向きに後退する段差55が設けてある。そして、図6に示すように第2の固定端子板50の端部51と抵抗体10の端縁部11bがろう付けによって接合される。
【0027】
而して、本基本形態においては抵抗体10の第1の固定端子板20の端部21が接合される面と反対側の面に第2の固定端子板50の端部51を接合し、端部51と連結部53の間に設けた段差55によって抵抗体10との間隔を確保する構造としているので、基本形態1のように抵抗体10の端縁部11aに接合した端部31近傍において連結部33を略U字形に折曲する構造に比較して、抵抗体10と第2の固定端子板50(連結部53)との間隔を狭くすることができる。このため、基本形態1に比べてシャント抵抗のインダクタンス成分をさらに低減して被測定電流の検出誤差をより小さくすることができる。また、基本形態1のように第2の固定端子板30を略U字形に折曲する必要がないから、製造工程が簡素化できるととともに、抵抗体10の長手方向に直交する方向に沿った第2の固定端子板50の連結部53の高さ寸法を小さくして小型化が図れるという利点がある。
【0028】
(基本形態3)
本基本形態は、第1の固定端子板20の端部21に抵抗体10を位置決めする構造が異なる点を除いて、その他の基本構成は基本形態2と共通であるので、共通する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
本基本形態では、第1の固定端子板20の端部21に段差24を設ける代わりに、図7に示すように端部21の抵抗体10が接合される側の面に位置決め用の突起26を設けている。而して、図7に示すように端部21に設けた突起26に抵抗体10の端縁部11aを当接することで抵抗体10を第1の固定端子板20の端部21に位置決めし、抵抗体10の端部21に対する接合位置を安定させることができる。
【0030】
なお、図8に示すように抵抗体10の端縁部11aに突起26と嵌合する嵌合凹所13を形成し、嵌合凹所13に突起26を嵌合して位置決めする構造とすれば、より確実に位置決めを行うことができる。
【0031】
(実施形態)
ところで、基本形態1〜3においては抵抗体10に2つの端子片12,12を設けてリード線40,40を各端子片12,12に個別に接続しているが、抵抗体10を形成する金属材料の熱容量が比較的小さいことから、リード線40を接続する際のレーザ溶接や抵抗溶接等の熱で端子片12,12が溶けてしまう虞がある。そこで、図9に示すように各リード線40,40を接続する端子片12’を一体に形成することで端子片12’の寸法を大きくすれば、リード線40を接続するためのレーザ溶接や抵抗溶接等によって端子片12’が溶ける虞が無くなる。しかも、端子片12’の寸法が大きくなることでリード線40,40の接続位置を変えることができ、その結果、リード線40,40からみた抵抗体10の抵抗値を接続位置によって調整することができる。
【0032】
また、リード線40を抵抗体10の端子片12と固定する際にろう材を用いた場合、ろう材で固めたリード線40の先端部41において、ろう材の浸透部分と未浸透部分の境界部位が振動によって折れてしまう虞がある。そこで、図10に示すようにいわゆる被覆抑え付圧着タブ端子14に先端部41の被覆を取り除いたリード線40を挿入してかしめ、上記タブ端子14と端子片12をスポット溶接等で固定すれば、リード線40と抵抗体10の接続部分の強度が増し、振動などによってリード線40が折れることを防止できる。さらにリード線40の先端部41をタブ端子14と半田で固定する構造とすれば、接続部分の強度がさらに増し、固定状態が安定することにより接続部分の信頼性を向上できる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1の発明は、所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体と、この抵抗体の一端縁に一方の端部が接続される第1の固定端子板と、抵抗体の他端縁に一方の端部が接続されるとともに当該端部近傍を略U字形に曲成して抵抗体並びに第1の固定端子板の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板とを備え、抵抗体の電圧降下を電圧信号として取り出すための複数の端子片を抵抗体の側端縁より突設したので、抵抗体の側端縁より端子片を突設しているため、例えば端子片にリード線を接続した場合においてもリード線を抵抗体の側面方向と異なる方向へ引き出すことができ、構造上の制約を無くして設計の自由度を向上することができるという効果がある。また、複数の端子片を一体に形成したので、端子片の寸法を大きくすることができ、例えばリード線を接続するためのレーザ溶接や抵抗溶接等によって接続部が溶けることが無く、しかも、リード線の接続位置を変えることでリード線からみた抵抗体の抵抗値を調整することができるという効果がある。
【0034】
請求項2の発明は、所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体と、この抵抗体の一端縁に一方の端部が接続される第1の固定端子板と、抵抗体の他端縁に一方の端部が接続されるとともに抵抗体並びに第1の固定端子板の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板とを備え、抵抗体の電圧降下を電圧信号として取り出すための複数の端子片を抵抗体の側端縁より突設したので、抵抗体の側端縁より端子片を突設しているため、例えば端子片にリード線を接続した場合においてもリード線を抵抗体の側面方向と異なる方向へ引き出すことができ、構造上の制約を無くして設計の自由度を向上することができるという効果がある。しかも、抵抗体と第2の固定端子板との間隔を狭くすることができるから、インダクタンス成分を低減して被測定電流の検出誤差を小さくすることができるという効果がある。また、複数の端子片を一体に形成したので、端子片の寸法を大きくすることができ、例えばリード線を接続するためのレーザ溶接や抵抗溶接等によって接続部が溶けることが無く、しかも、リード線の接続位置を変えることでリード線からみた抵抗体の抵抗値を調整することができるという効果がある。
【0035】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位に位置決め用の突起を設けたので、抵抗体と固定端子板との接続位置が安定し、抵抗値のばらつきを抑えることができるという効果がある。
【0036】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位に位置決め用の段差を設けたので、抵抗体と固定端子板との接続位置が安定し、抵抗値のばらつきを抑えることができるという効果がある。さらに、段差を設けることで抵抗体と抵抗体に対向する固定端子板との間隔を狭くすることができ、インダクタンス成分を低減して被測定電流の検出誤差を小さくすることができるという効果がある。
【0037】
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、抵抗体における第1の固定端子板及び第2の固定端子板との接続部位よりも内側にある側端縁から端子片を突設したので、第1の固定端子板及び第2の固定端子板との接続部位に端子片を突設する場合に比べて抵抗体の抵抗値が安定するという効果がある。
【0038】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位近傍に放熱板を設けたので、被測定電流が流れる抵抗体で発生した熱を効率よく放熱することができて温度上昇を抑えることができるという効果がある。
【0040】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、被覆抑えを有する接合用端子によりリード線先端部をかしめ固定し、該接合用端子を抵抗体の端子片に取り付けたので、リード線と抵抗体の接続部分の強度が増し、接続部分の信頼性が向上できるという効果がある。
【0041】
請求項8の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、端子片の先端部にリード線をかしめ固定するための切れ込みを形成したので、リード線を端子片に簡単に接続することができるという効果がある。
【0042】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかに記載のシャント抵抗の抵抗値を調整する調整方法であって、抵抗体の端子片を設けていない部位を削って抵抗値を調整するので、抵抗体の抵抗値を簡単に調整することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基本形態1を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)のA−A線断面矢視図、(c)は同図(b)のB−B線断面矢視図、(d)は側面図である。
【図2】 同上における抵抗体の平面図である。
【図3】 同上の他の構成を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)のA−A線断面矢視図、(c)は同図(b)のB−B線断面矢視図、(d)は側面図である。
【図4】 同上における抵抗体の他の構成を示す平面図である。
【図5】 基本形態2を示し、(a)は平面図、(b)は同図(a)のA−A線断面矢視図である。
【図6】 同上の要部側断面図である。
【図7】 基本形態3を示す要部側断面図である。
【図8】 同上の他の構成を示す要部側断面図である。
【図9】 実施形態における抵抗体の構成を示す平面図である。
【図10】 実施形態における抵抗体とリード線の固定構造の一例を示す斜視図である。
【図11】 従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 抵抗体
11a,11b 端縁部
12 端子片
20 第1の固定端子板
21 端部
30 第2の固定端子板
31 端部
40 リード線
Claims (9)
- 所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体と、この抵抗体の一端縁に一方の端部が接続される第1の固定端子板と、抵抗体の他端縁に一方の端部が接続されるとともに当該端部近傍を略U字形に曲成して抵抗体並びに第1の固定端子板の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板とを備え、抵抗体の電圧降下を電圧信号として取り出すための複数の端子片を抵抗体の側端縁より突設し、複数の端子片を一体に形成したことを特徴とするシャント抵抗。
- 所定の抵抗値を有する略平板状の抵抗体と、この抵抗体の一端縁に一方の端部が接続される第1の固定端子板と、抵抗体の他端縁に一方の端部が接続されるとともに抵抗体並びに第1の固定端子板の少なくとも一部と対向させた第2の固定端子板とを備え、抵抗体の電圧降下を電圧信号として取り出すための複数の端子片を抵抗体の側端縁より突設し、複数の端子片を一体に形成したことを特徴とするシャント抵抗。
- 少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位に位置決め用の突起を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のシャント抵抗。
- 少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位に位置決め用の段差を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のシャント抵抗。
- 抵抗体における第1の固定端子板及び第2の固定端子板との接続部位よりも内側にある側端縁から端子片を突設したことを特徴とする請求項1又は2記載のシャント抵抗。
- 少なくとも何れか一方の固定端子板の抵抗体との接続部位近傍に放熱板を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のシャント抵抗。
- 被覆抑えを有する接合用端子によりリード線先端部をかしめ固定し、該接合用端子を抵抗体の端子片に取り付けたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のシャント抵抗。
- 端子片の先端部にリード線をかしめ固定するための切れ込みを形成したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のシャント抵抗。
- 請求項1〜8の何れかに記載のシャント抵抗の抵抗値を調整する調整方法であって、抵抗体の端子片を設けていない部位を削って抵抗値を調整することを特徴とするシャント抵抗の抵抗値の調整方法。
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