JP4032533B2 - 楽音信号生成装置、楽音信号生成方法、および楽音信号生成プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
楽音信号生成装置、楽音信号生成方法、および楽音信号生成プログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、弦楽器のような複数の音色を有する自然楽器に対応した楽音を生成する楽音信号生成装置、楽音信号生成方法、および楽音信号生成プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データなどの音楽情報を表すデジタル信号に基づいて、楽音信号を生成する装置として、例えばカラオケに用いられる音源装置などが知られている。
この種の音源装置に入力されるMIDIデータ中には、発音すべき自然楽器の種類を指定するデータ(プログラムチェンジメッセージ)および、発音を指示するデータ(ノートオンメッセージ)が含まれている。
MIDIデータにおいては、音高はノートナンバー(0〜127)によって指定し、ノートオンメッセージには、発音すべき音高を指定するノートナンバーが含まれている。音源装置は、指定されたノートナンバーに対応した音高および、指定された自然楽器に対応した音色の楽音信号を生成する。
より詳しくは、同じ音高が指定された場合でも、指定された自然楽器の種類が異なれば発音すべき音色が異なるため、音源装置は、各種自然楽器に対応した音色の楽音信号を生成するための波形データ(音色データ)を予め記憶しており、この音色データと入力MIDIデータとに基づいて楽音信号を生成する。
【0003】
ところで、MIDIデータによって指定される自然楽器の中には、同一の音高の楽音を複数の音色によって発音可能なものがある。例えば複数の弦を有する弦楽器は、同じ音高を複数の弦のそれぞれにおいて発音することができる。すなわち、各弦毎の音色はそれぞれ異なっており、いずれの弦を用いて発音するかによって、同じ音高であっても発音される音色が異なるようになっている。
従って、入力MIDIデータがこのような種類の自然楽器を指定した場合には、音源装置は、指定された音高の楽音信号をいずれの弦に対応した音色で生成するかについて決定しなければならない。
そのため、発音可能な複数の音色のいずれかが予め割り当てられた各々所定の音域を有する音高域(キーバンク)を連続させた音高域列を予め設定しておき、指定された音高が属するキーバンクに対して割り当てられた音色に対応する音色データを読み出すことによって、指定された音高の楽音信号をいずれかの弦の音色に対応させて生成する。
【0004】
ここで図8は、上述したノートナンバーとキーバンクおよび、使用する音色データの関係を示す図である。また、図9は、図8に示した関係を、ギターの弦にあてはめた場合を示す図である。
図8および図9に示す例では、1〜6各弦の開放弦に対応した音高を最低音とした場合に、他の弦に割り当てられる音高が重複しない音域を有するキーバンクKb1〜Kb6を連続させた音域列に設定し、キーバンクKb1〜Kb6のそれぞれに、ギターの1〜6弦の音色を割り当てている。なお、ギターの1〜6弦の各音色に対応した音色データは音色データWf1〜Wf6である。
具体的には、図8に示すように、6弦に対応するキーバンクKb6にはノートナンバー64〜68を、5弦に対応するキーバンクKb5にはノートナンバー69〜73を、4弦に対応するキーバンクKb4にはノートナンバー74〜78を、3弦に対応するキーバンクKb3にはノートナンバー79〜82を、2弦に対応するキーバンクKb2にはノートナンバー83〜87を、そして、1弦に対応するキーバンクKbにはノートナンバー88以上を、それぞれ割り当てることによって、ノートナンバーに対応する弦の音色(音色データWf1〜6のいずれか)が一義的に特定されるようになっている。
この場合は、図9に示すように、ギターの2〜6弦における発音可能範囲は、開放から4フレットまでを押下した場合の音高となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の音源装置は、図9に示すように発音可能範囲が固定されていたために、以下のような問題があった。
まず、発音可能範囲が開放弦から4フレットを押下した場合に固定されているので、高いフレットを押下して弦を弾くことを想定した演奏を行うことができなかった。このような問題を図10を参照して説明する。
図10は、自然楽器を演奏する場合のタブ譜(押下するフレットと弾く弦とを示した譜面)と、入力MIDIデータの内容および、音源装置において割り当てられる音色データとの関係を示した図である。
図10中▲1▼▲2▼は演奏時刻t1において発音されるべき和音を示し、▲3▼▲4▼は演奏時刻t2において発音されるべき和音を示している。
タブ譜を参照すると、▲1▼では1弦の4フレットを押下し、▲2▼では2弦の4フレットを押下することを示すしている。また、▲3▼では1弦の4フレットを押下し、▲4▼では2弦の5フレットを押下することを示している。このように、自然楽器で和音を発音する場合には、和音を構成する複数の音を複数の相異なる弦によって発音する。
【0006】
図10に示すように、MIDIデータは、図10に示したタブ譜に基づく演奏を指示すべく、▲1▼にはノートナンバー92を、▲2▼にはノートナンバー87を指定している。また、▲3▼にはノートナンバー92を、▲4▼にはノートナンバー88を指定している。
音源装置は、上述の図8および図9に示すように、キーバンクKb1〜Kb6に対して、それぞれ1〜6弦の音色が割り当てられているので、▲1▼の発音を行う際には音色データWf1(ノートナンバー92はキーバンクKb1に属する)が、▲2▼の発音を行う際には音色データWf2(ノートナンバー87はキーバンクKb2に属する)を、それぞれ読み出して楽音信号を生成する。従って、1弦と2弦とに対応した楽音信号がそれぞれ生成され、タブ譜通りの演奏が行われる。
しかし、▲3▼▲4▼の場合は、▲3▼については▲1▼と同じく1弦の音色が割り当てられるが、▲4▼に対して指定されたノートナンバー88はキーバンクKb1の属するので、▲4▼についても1弦の音色が割り当てられる。
従って、▲3▼▲4▼の場合には、和音であるにもかかわらず同一の弦(1弦)を用いて発音しているような楽音信号が生成され、自然楽器ではありえない不自然な音色が発音されてしまうという問題があった。
【0007】
また、このような音源装置を用いたカラオケ装置などでは、使用者が移調を指示することができるものがある。移調は、楽曲全体の各音の音高を同一音程だけ上または下に移すので、上への移調が指示された場合にも、上述したような不自然さが同様に生じる。例えば、図10に示した楽曲を100セント分だけ上に移調する場合は、全体として、発音すべき音高を指定するノートナンバーを1ずつ大きくしなくてはならない。従って、音源装置は、(1)についてはノートナンバーを93((1)’)と、(2)についてはノートナンバーを88((2)’)として発音しなくてはならない。この場合は、図9に示すように、(1)’は1弦の5フレットを押下し、(2)’は1弦を開放して弾いた場合に対応する楽音が生成され、和音であるにもかかわらず、同一の弦を使用して発音したような不自然な楽音になる。このように、同一の音高の楽音を複数の音色によって発音可能な自然楽器に対応した楽音信号を生成する場合は、自然楽器における発音とはかけ離れた不自然な楽音信号が生成されてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、より自然な楽音信号を生成することができる楽音信号生成装置、楽音信号生成方法、および楽音信号生成プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る楽音信号生成装置は、弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定手段と、前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動手段と、1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動手段によって音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当手段と、前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成手段と、前記ノートナンバーが複数の音高の楽音信号を同時に生成することを指示する場合に、前記複数の音高に含まれる最高の音高を、当該音高を発音可能な最小番号の弦に割り当てると共に、当該音高が割り当てられた弦に対応するキーバンクの有する音域の中心に当該音高を割り当てるように前記移動量を設定して前記移動指示データを生成する移動指示データ生成手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明に係る楽音信号生成装置の別の態様は、弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定手段と、前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動手段と、1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動手段によって音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当手段と、前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成手段とを具備し、前記移動指示データは、移調指示データによって指示される音程に対応して移動すべき移動量を指示することを特徴とする。
また、本発明に係る楽音信号生成装置は、上記の態様において、前記移動指示データは、前記ノートナンバーと共に受け取っても良い。
また、本発明に係る楽音信号生成方法は、弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定段階と、前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動段階と、1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動段階において音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当段階と、前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成段階と、前記ノートナンバーが複数の音高の楽音信号を同時に生成することを指示する場合に、前記複数の音高に含まれる最高の音高を、当該音高を発音可能な最小番号の弦に割り当てると共に、当該音高が割り当てられた弦に対応するキーバンクの有する音域の中心に当該音高を割り当てるように前記移動量を設定して前記移動指示データを生成する移動指示データ生成段階とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定手段と、前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動手段と、1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動手段によって音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当手段と、前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成手段と、前記ノートナンバーが複数の音高の楽音信号を同時に生成することを指示する場合に、前記複数の音高に含まれる最高の音高を、当該音高を発音可能な最小番号 の弦に割り当てると共に、当該音高が割り当てられた弦に対応するキーバンクの有する音域の中心に当該音高を割り当てるように前記移動量を設定して前記移動指示データを生成する移動指示データ生成手段として機能させるための楽音信号生成プログラムを記録していることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、前記複数の音色に対応した各音色データを、1の前記自然楽器に対応した複数の音色データとして予め記憶しておき、各々所定の音域を有する音高域を連続させ、前記音高域毎に前記複数の音色のいずれかを各々異なるように対応させた音高域列を設定し、移動指示データに基づいて前記音高域列を予め定めた基準から一定音高分だけ移動し、移動後の各音高域に属する各音高に対して当該移動後の音高域に対応した前記音色を割り当てる。
このとき、前記移動指示データは、前記楽音信号を同時に生成すべき複数の音高を前記入力演奏データによって指定される場合には、1の前記移動後の音高域には前記複数の音高のうちのいずれかひとつが属するように、移動すべき前記一定音高を指示し、前記移動後の各音高域に対応する前記音色はそれぞれ異なる音色であるので、前記指定された音高に対して割り当てられた前記音色に対応する音色データを読み出すことによって同時に生成される複数の楽音信号は、複数の音高についてそれぞれ相異なる音色となり、より自然な発音が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
1.第1実施形態
1−1.第1実施形態の構成
まず、図1は、第1実施形態の概略構成を示す機能ブロック図である。第1本実施形態は、本発明を適用した音源装置100であり、図1に示すように、楽音生成部101、音色データ記憶部102、判定部103、および割当部104を備えて構成されている。
【0013】
楽音生成部101は、入力MIDIデータおよび記憶部102に記憶された音色データに基づいて楽音信号を生成するものである。音色データに基づく楽音信号を生成は、従来からデジタル音源に用いられている周知の技術で実現できる。音色データ記憶部102には、楽音生成部101において楽音信号を生成する際に用いる複数の音色データが予め記憶されている。
判定部103は、入力MIDIデータの内容を判定するものであり、割当部104は、判定部103における判定に基づいて、各音高に対する音色の割り当てを行うものである。
【0014】
本実施形態では、音源装置100は、入力MIDIデータに含まれるコントロールチェンジメッセージCCに基づいて、上記キーバンクを予め定めた基準から一定音高分移動することによって、好適な音色データを用いて楽音信号を生成するように構成されている。
具体的には、コントロールチェンジCCが入力されたことが判定部102によって判定されると、判定部102から割当部104に対して判定の内容を示す制御信号Scが出力され、割当部104が制御信号Scに基づいて各音高に対する音色の割り当てが行われ、割り当て結果を示す制御信号Saを楽音生成部101に出力されると、楽音生成部101がノートナンバーによって指定された音高に割り当てられた音色に対応する音色データを読み出して楽音信号を生成する構成となっている。
コントロールチェンジCCの内容を判定し、音色の割り当てを行う具体的な方法については、次に詳しく説明する。
【0015】
1−2.第1実施形態の動作
次に、第1実施形態の動作について説明する。本実施形態では、予め基本となるキーバンクKb1〜Kb6が図2に示すように設定されている。
すなわち、1〜6各弦の開放弦に対応した音高を最低音とした場合に、他の弦に割り当てられる音高が重複しない音域を有するキーバンクKb1〜Kb6を連続させた音域列が設定され、キーバンクKb1〜Kb6のそれぞれに、ギターの1〜6弦の音色を割り当てている。
より具体的には、6弦に対応するキーバンクKb6にはノートナンバー64〜68が、5弦に対応するキーバンクKb5にはノートナンバー69〜73が、4弦に対応するキーバンクKb4にはノートナンバー74〜78が、3弦に対応するキーバンクKb3にはノートナンバー79〜82が、2弦に対応するキーバンクKb2にはノートナンバー83〜87が、そして、1弦に対応するキーバンクKbにはノートナンバー88以上が属する。
そして、キーバンクKb1〜Kb6に割り当てられた各弦における発音範囲(図9参照)よりも高いフレットを使用する演奏に対応した楽音信号を生成する場合には、音域幅を保ちながらキーバンクKb1〜Kb6を移動させ、キーバンクKbs1〜Kbs6とする。この移動量は、MIDIデータであるコントロールチェンジCCに含まれて入力される。図2には、基本キーバンクをノートナンバー1分高い(+1度)方向に移動させたキーバンクKbs1〜Kbs6を示している。
【0016】
本実施形態では、キーバンクKb1〜Kb6には、それぞれ1〜6弦の音色が予め割り当てられているので、キーバンクKb1〜Kb6を一定音高分移動させたキーバンクKbs1〜Kbs6にも、それぞれ1〜6弦の音色が予め割り当てられる。また、音色データ記憶部102には、1〜6弦の音色の楽音信号を生成するための音色データとして、音色データWf1〜Wf6がそれぞれ記憶されている。
ここで、図3は、キーバンクを+1度移動させた場合の音色の割り当てをギターの弦との対応関係において示した図である。図3に示すように、移動後のキーバンクKbs1〜Kbs6は、各弦の1フレットから5フレットまでの範囲に対応する音高が発音可能になるので、移動を行わない場合(図9参照)と比較すると、発音可能範囲が1フレット分だけ高い方に移動したことがわかる。
【0017】
ここで、図4は、演奏すべき内容を示すタブ譜と、MIDIデータおよび読み出される音色データとの関係を示す図である。
図4に示すCC(+1)は、MIDIデータ中のコントロールチェンジメッセージを示しており、キーバンクKb1〜Kb6を+1度移動させることを指定している。図4に示した例では、演奏時刻t1に先だって、コントロールチェンジCC(+1)が入力されているので、判定部103は、キーバンクを+1度移動させることを指示する制御信号Scを割当部104に出力する。
割当部104は、キーバンクKb1〜Kb6を1度移動したキーバンクKbs1〜Kbs6に基づいて、各音高(ノートナンバー)に対する音色の割り当てを行い、割当結果を示す制御データSaを楽音生成部101に出力する。
楽音生成部101は、制御信号Saが示す割当内容に基づいて、入力MIDIデータ中のノートナンバーに割り当てられた音色データ(Wf1〜Wf6のいずれか)を音色データ記憶部102から読み出して楽音信号を生成する。
【0018】
次に、図4に示す例を用いてさらに具体的に説明する。まず、演奏時刻t1に先だって入力されたコントロールチェンジCC(+1)に基づいて、図3に示すように、各音高に対して音色が割り当てられている。そして、演奏時刻t1において▲1▼▲2▼に示す演奏を指示するMIDIデータ(ノートオンメッセージ)が入力される。
図4に示した例では、▲1▼は指定されたノートナンバーが92であり、図2および図3に示すように、ノートナンバー92は移動後のキーバンクKbs1に属するので、1弦用の音色データWf1が読み出され、1弦の4フレットを押下して弦を弾いた場合に対応する楽音が生成される。また、▲2▼はノートナンバーが87であり、ノートナンバー87は移動後のキーバンクKbs2に属するので、2弦用の音色データWf2が読み出され、2弦の4フレットを押下して弦を弾いた場合に対応する楽音が生成される。従って、図4に示すタブ譜通り、1弦の4フレットと2弦の4フレットを押下してそれぞれの弦を弾いた場合に対応する楽音信号が生成される。
また、▲3▼はノートナンバーが92であり、図2および図3に示すように、ノートナンバー92は移動後のキーバンクKbs1に属するので、1弦用の音色データWf1が読み出され、1弦の4フレットを押下して弦を弾いた場合に対応する楽音が生成される。▲4▼はノートナンバーが88であり、ノートナンバー88は移動後のキーバンクKbs2に属するので、2弦用の音色データWf2が読み出され、2弦の5フレットを押下して弦を弾いた場合に対応する楽音が生成される。従って、図4に示すタブ譜通り、1弦の4フレットと2弦の5フレットを押下してそれぞれの弦を弾いた場合に対応する楽音信号が生成される。
なお、仮に、キーバンクKb1〜Kb6の移動を行わなかった場合には、図9に示すように、▲4▼に対して指定されたノートナンバー88はキーバンクKb1に属するので、1弦用の音色データWf1が読み出され、1弦を開放して弦を弾いた場合に対応する楽音が生成される。
【0019】
1−3.第1実施形態の効果
このように、第1実施形態においては、キーバンクKb1〜Kb6の移動を行うことによって各弦における発音可能範囲を移動させ、発音が指定された音高に対して本来割り当てられるべき弦の音色が割り当てられるので、より自然な楽音信号の生成が可能となる。
【0020】
2.第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態は、入力MIDIデータに予めキーバンクKb1〜Kb6の移動量を指示するコントロールチェンジCCが含まれていない場合について説明する。
【0021】
2−1.第2実施形態の構成
図5は、第2実施形態の概略構成を示す機能ブロック図である。第2実施形態における音源装置200は、図5に示すように、楽音生成部201、音色データ記憶部202、判定部203、割当部204、移調指示部205、移動量認識部206、およびMIDIデータ挿入部207を備えて構成されている。
【0022】
移調指示部205は、MIDIデータによって指定される演奏を移調することを指示するものであり、例えば使用者が移調する音程を指示する操作を行う操作子や、指示した音程を表示する表示部などを備えている。移調指示部205は、移調する音程を示す移調指示信号Stを生成して、楽音生成部201および移動量認識部206に出力する。
移動量認識部206は、後述するように、入力MIDIデータおよび移調指示信号Skに基づいて、キーバンクKb1〜Kb6の移動量を認識し、移動量を示す制御信号SkをMIDIデータ挿入部207に出力する。
MIDIデータ挿入部206は、移動量を示す制御信号Skに基づいて、第1実施形態において説明したコントロールチェンジCCを生成して、入力MIDIデータに挿入する。
このように、第2実施形態においては、予め入力MIDIデータにコントロールチェンジCCが埋め込まれていなくても、音源装置200においてコントロールチェエンジCCを生成することができるように構成されている。
楽音生成部201は、音色データ記憶部202に記憶された音色データおよびMIDIデータに基づいて楽音を生成のものである。本実施形態では、楽音生成部201は、移調指示信号Stに基づいて、入力MIDIデータが示す楽曲の移調を行った演奏に対応する楽音信号を生成できるようになっている。
【0023】
本実施形態では、キーバンクKb1〜Kb6の移動量に応じて、弦毎に使用する音色データを適宜選択できるようになっており、音色データ記憶部202は、図6に示すように、各弦毎に複数の音色データWf11〜14、……Wf61〜Wf64を記憶している。すなわち、弦楽器においては、同一の弦であっても押下する位置によって音色が変化する場合があるので、第2実施形態では、第1実施形態で説明した各弦の音色に対応した音色データWf1〜Wf6をさらに細分化している。音色データWf11〜14、……Wf61〜Wf64は、1〜6弦において発音可能な音高域を分割して各分割音高域に好適な音色に対応した複数の音高域別音色データとして記憶したものである。具体的には、図6に示したように、各弦について、19フレット分の音高範囲=20を各弦の発音可能な音高域(1弦=88〜107、2弦=83〜102、3弦=79〜98、4弦=74〜93、5弦=69〜88、6弦=64〜83)とし、各弦において発音可能な音高域を4分割した各分割音高域に好適な音色に対応した音色データWf11〜14、……Wf61〜Wf64を記憶している。判定部203は、MIDIデータ挿入部206によってコントロールチェンジCCが埋め込まれたMIDIデータを判別して、判別内容を示す制御信号Scを割当部204に出力し、割当部204は、制御信号Scに基づいて各音高に対する音色の割り当てを行い、割当内容を示す制御信号Saを楽音生成部201に出力する。音色の割り当ておよび割り当てられた音色に対応する音色データの読み出しにかかる具体的な方法については、次に詳しく説明する。
【0024】
2−2.第2実施形態の動作
次に、図5〜図7を参照しながら、第2実施形態の動作について説明する。第2実施形態では、第1実施形態において説明したキーバンクKb1〜Kb6を、以下に説明するように移動する。
まず、移動量認識部205は、入力MIDIデータのデータ列のうち、和音を構成するノートオンメッセージ(コードフレーズ)を認識する。そして、和音として同時に発音すべき各音高について割り当てを行う。
このとき、同時に発音すべき各音高のうち最大音高を、当該最大音高を発音可能な最小番号の弦に割り当てられるようにする。なお、本実施形態では、上述のように各弦毎に発音可能音高が設定されている(図6参照)。
そして、最大音高が割り当てられた弦に対応するキーバンク(1弦であればKbs1)の中心となる音高が、当該最大音高となるように、キーバンクKb1〜Kb6を移動する。
【0025】
図6および図7を参照して説明すると、演奏時刻t1に示した例(▲1▼▲2▼)では、和音として同時に発音すべき音高がノートナンバー94(▲1▼)および89(▲2▼)であるので、最大音高はノートナンバー94となる。ノートナンバー94を発音可能な最小番号の弦は1弦であるから、最大音高ノートナンバー94は1弦に割り当てられる。そして、ノートナンバー94がキーバンクKbs1の中心となるように、キーバンクKb1〜Kb6を移動すると、移動後のキーバンクKbs1は、ノートナンバー92〜96の範囲となる。ここで、キーバンクKb1の範囲はノートナンバー88〜92であるので、キーバンクKbs1がノートナンバー92〜96の範囲となるための移動量は、92−88=+4と算出できる。
【0026】
また、移動量認識部205は、移調指示部205から出力される移調指示信号Stに基づいて移調を行う必要がある場合には、移調後の発音に対応した移動を行う。図6および図7を参照して説明すると、演奏時刻t2に示した例((3)(4))では、4半音上げて発音することを指示している。この場合は、入力MIDIデータによって指定されるノートナンバーに+4加算したノートナンバーに変換して発音を行えばよい。従って、入力MIDIデータが和音として指定する各音高が、ノートナンバー94((3))および89((4))であれば、楽音生成部201において生成すべき楽音信号の音高は、ノートナンバー94+4=98((3)’)および、ノートナンバー89+4=93((4)’)となる。
【0027】
移動量認識部205は、移調指示信号Stに基づいて、先に認識したコードフレーズを構成する各音高の移調後のノートナンバーを算出して、上述したように、キーバンクの移動量を算出する。
演奏時刻t2に示した例(▲3▼▲4▼)では、移調後の和音として同時に発音すべき音高が、ノートナンバー98(▲3▼’)およびノートナンバー93(▲4▼’)であるので、最大音高となるノートナンバー98が最小番号の1弦に対応するキーバンクKbs1の中心となるようにキーバンクKb1〜Kb6の移動を行うと、移動後のキーバンクKbs1は、ノートナンバー96〜100の範囲となる。ここで、キーバンクKb1の範囲はノートナンバー88〜92であるので、キーバンクKbs1がノートナンバー96〜100の範囲となるための移動量は、96−88=+8と算出できる。
移動量認識部205は、このようにして認識したキーバンクの移動量を示す制御信号Ssを出力し、MIDIデータ挿入部206は、制御信号Ssによって示される移動量を指示するコントロールチェンジCCを生成して、入力MIDIデータに挿入する。
図6および図7に示した例では、演奏時刻t1におけるノートオンメッセージ(▲1▼▲2▼)の前にコントロールチェンジCC(+4)を挿入し、演奏時刻t2におけるノートオンメッセージ(▲3▼▲4▼)の前にコントロールチェンジCC(+8)を挿入する。
【0028】
このようにして入力MIDIデータに挿入されたコントロールチェンジCCは、判定部203に出力される。判定部203は、コントロールチェンジCCが入力されると、コントロールチェンジCCによって示される移動量(演奏時刻t1においては+4、演奏時刻t2においては+8)を判定し、判定結果を示す制御信号Scを割当部204に出力する。
割当部204は、制御信号Scに基づいて、第1実施形態と同様に、移動後のキーバンクKbs1〜Kbs6を求め、ノートオンメッセージに含まれるノートナンバーが、いずれの弦に割り当てられるかを示す制御信号Saを楽音生成部201に出力する。
【0029】
楽音生成部201は、制御信号Saが示す割当内容に基づいて、入力MIDIデータ中のノートナンバーに割り当てられた弦に対応する複数の音色データWf11〜Wf14、……Wf61〜Wf64の中から、当該ノートナンバーに対応した音色データを音色データ記憶部202から読み出して楽音信号を生成する。より具体的には、楽音生成部201は、入力されたノートオンメッセージ中の和音として同時に発音すべき各音高(移調を行う場合は、移調後の音高)が1弦に割り当てられている場合は、ノートナンバー88〜92であれば音色データWf11を用いて発音し、ノートナンバー93〜97であれば音色データWf12を用いて発音し、ノートナンバー98〜102であれば音色データWf13を用いて発音し、ノートナンバー103〜107であれば音色データWf14を用いて発音するように、音色データの読み出しを行う(図6参照)。
【0030】
図6及び図7中の演奏時刻t1に示した例(▲1▼▲2▼)では、和音として同時に発音すべき音高が、ノートナンバー94(▲1▼)および89(▲2▼)であるので、ノートナンバー94(▲1▼)については、音色データWf13(図6:*1参照)を読み出し、ノートナンバー89(▲2▼)については、音色データWf22(図6:*2参照)を読み出す。
また、演奏時刻t2に示した例(▲3▼▲4▼)では、移調後の和音として同時に発音すべき音高が、ノートナンバー98(▲3▼’)およびノートナンバー93(▲4▼’)であるので、ノートナンバー98(▲3▼’)については、音色データWf14(図6:*3参照)を読み出し、ノートナンバー93(▲4▼’)については、音色データWf23(図6:*4参照)を読み出す。
【0031】
2−3.第2実施形態の効果
このように、第2実施形態においては、MIDIデータの和音を認識し、キーバンクの移動量を決定することができるので、予めMIDIデータ中に移動量を指示するデータを含めておく必要がない。また、移調に対応したキーバンクの移動を行えるようにしたので、移調が指示された場合にも、自然な発音を行うことができるようになる。さらに、各弦において発音可能な音高域を分割して各分割音高域に好適な音色に対応した複数の音高域別音色データとして記憶しているので、各弦に応じて発音する音高に応じた音色の楽音信号を生成できるようになり、より自然な発音を行うことができるようになる。
【0032】
3.変形例
なお、本発明は既述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような各種の変形が可能である。
【0033】
上記実施形態においては、自然楽器の例としてギターを用いて説明したが、自然楽器はギターに限定されるものではなく、音色の異なる同一の音高を発音できる自然楽器であれば、弦楽器に限らずどのような楽器でも構わない。
また、上記実施形態において説明したキーバンクKb1〜Kb6についても、ギターを例とした場合に好適な一例を示したものであり、複数音色のいずれかが予め割り当てられた各々所定の音域を有する音高域を連続させた音高域列は、各自然楽器によって異なるものである。
また、複数の音色に対応した各音色データも、上記実施形態において説明したWf1〜Wf6、あるいは、Wf11〜Wf14……Wf61〜Wf64に限らず、指定可能な自然楽器の種類に応じた音色データがそれぞれ複数記憶されていてもよい。
【0034】
また、上記実施形態においては、キーバンクKb1〜Kb6の移動を行う場合は、各キーバンクKb1〜Kb6の音域を維持したまま移動させるものとしたが、これに限らず、音域も適宜変更できるようにしてもよい。この場合においては、移動量を指示するデータとあわせて音域の変更内容を示すデータが入力されるようにすればよい。
【0035】
上記実施形態では、キーバンクの移動量を指示するMIDIデータを、コントロールチェンジメッセージとして説明したが、これに限らず、例えばエクスクルーシブメッセージのような、自由定義のメッセージでも構わない。
また、音源装置100あるいは200に入力される演奏データは、MIDIデータに限らず、音楽情報をデジタル信号によって扱うことができる規格であればどのようなものでもよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、カラオケのキーコントロール部分などに相当する移調指示部205を設けているが、移調を指示する手段はこれに限らず、例えばMIDIデータに予め含まれていてもよい。あるいは、本発明をカラオケに用いる場合は、使用者が歌唱した音程を判定することによって使用者の音程に適した移調を自動的に行う移調判定手段を設け、当該移調判定手段における判定に基づいて移調指示を行うようにしてもよい。
【0037】
上記実施形態において説明した各機能ブロックは、回路によって構成しても構わないし、プログラムによって構成しても構わない。プログラムによって構成する場合は、音源装置のROMに予め記憶されたログラムに従って、CPUが動作することによって各機能ブロックが構成される。なお、ROMに限らず、例えば、記憶不揮発性メモリカード、CD−ROM、フロッピーディスク、光磁気ディスク、および磁気ディスク等の可搬型の記録媒体に記録されたデータをハードディスク等の記憶装置に転送できるように構成してもよい。このようにすれば、制御情報や制御プログラム等の追加(インストール)や更新(バージョンアップ)の際に便利である。また、プログラムに限らず、音色データを追加あるいは更新できるようにしてもよい。
さらに、可搬型の記録媒体経由ではなく、通信インターフェイス経由で、ハードディスク等の記録装置上の制御情報や制御プログラム等を通信ネットワーク側からダウンロードするようにしてもよい。
また、上記各機能ブロックを、上記制御情報や制御プログラム等をインストールした市販のパーソナルコンピュータ等によって実現してもよい。例えば、パーソナルコンピュータ自体に音源機能を有するボードを実装させてることによって実現可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、同一の音高の楽音を複数の音色によって発音可能な自然楽器の演奏に対応した、より自然な楽音信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 第1実施形態における、ノートナンバーとキーバンク、および使用する音色データの関係を示す図である。
【図3】 第1実施形態における、ノートナンバーとキーバンク、および使用する音色データの関係を、ギターの弦にあてはめた場合の図である。
【図4】 第1実施形態における、演奏すべき内容を示すタブ譜と、MIDIデータと音源装置における発音の関係を示す図である。
【図5】 第2実施形態の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図6】 第2実施形態における、ノートナンバーとキーバンク、および使用する音色データの関係を示す図である。
【図7】 第2実施形態における、演奏すべき内容を示すタブ譜と、MIDIデータと音源装置における発音の関係を示す図である。
【図8】 従来技術における、ノートナンバーとキーバンク、および使用する音色データの関係を示す図である。
【図9】 従来技術における、ノートナンバーとキーバンク、および使用する音色データの関係を、ギターの弦にあてはめた場合の図である。
【図10】 従来技術における、演奏すべき内容を示すタブ譜と、MIDIデータと音源装置における発音の関係を示す図である。
【符号の説明】
100、200……音源装置、
101、201……楽音生成部、
102、202……音色データ記憶部、
103、203……判定部、
104、204……割当部、
205……移調指示部、
206……移動量認識部、
207……MIDIデータ挿入部。
Claims (5)
- 弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定手段と、
前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動手段と、
1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動手段によって音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当手段と、
前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成手段と、
前記ノートナンバーが複数の音高の楽音信号を同時に生成することを指示する場合に、前記複数の音高に含まれる最高の音高を、当該音高を発音可能な最小番号の弦に割り当てると共に、当該音高が割り当てられた弦に対応するキーバンクの有する音域の中心に当該音高を割り当てるように前記移動量を設定して前記移動指示データを生成する移動指示データ生成手段と
を具備することを特徴とする楽音信号生成装置。 - 弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定手段と、
前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動手段と、
1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動手段によって音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当手段と、
前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成手段とを具備し、
前記移動指示データは、移調指示データによって指示される音程に対応して移動すべき移動量を指示することを特徴とする楽音信号生成装置。 - 前記移動指示データは、前記ノートナンバーと共に受け取ることを特徴とする請求項1または2に記載の楽音信号生成装置。
- 弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定段階と、
前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動段階と、
1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動段階において音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当段階と、
前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成段階と、
前記ノートナンバーが複数の音高の楽音信号を同時に生成することを指示する場合に、前記複数の音高に含まれる最高の音高を、当該音高を発音可能な最小番号の弦に割り当てると共に、当該音高が割り当てられた弦に対応するキーバンクの有する音域の中心に当該音高を割り当てるように前記移動量を設定して前記移動指示データを生成する移動指示データ生成段階と
を有することを特徴とする楽音信号生成方法。 - コンピュータを、
弦楽器の各弦の音域の一部となる所定音域内の音高を、前記各弦毎に異なる音色が設定されているキーバンクに割り当てるとともに、前記各キーバンク間の音階が連続するように設定するキーバンク設定手段と、
前記各所定音域の音程の移動量を示す移動指示データに従って前記各キーバンクの音域を同じ音程だけ移動させる音域移動手段と、
1または複数のノートナンバーによって指示された音高を前記音域移動手段によって音域が移動された後の前記各キーバンクに割り当てる割当手段と、
前記ノートナンバーに対応する音高の楽音信号を当該ノートナンバーが割り当てられたキーバンクに対応する音色によって生成する楽音信号生成手段と、
前記ノートナンバーが複数の音高の楽音信号を同時に生成することを指示する場合に、前記複数の音高に含まれる最高の音高を、当該音高を発音可能な最小番号の弦に割り当てると共に、当該音高が割り当てられた弦に対応するキーバンクの有する音域の中心に当該音高を割り当てるように前記移動量を設定して前記移動指示データを生成する移動指示データ生成手段
として機能させるための楽音信号生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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