JP4032128B2 - 微小流路構造体、構成されるデスクサイズ型化学プラント及びそれらを用いた微粒子製造装置 - Google Patents

微小流路構造体、構成されるデスクサイズ型化学プラント及びそれらを用いた微粒子製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小流路で化学処理を行うあるいは微粒子を生成する微小流路構造体とそれから構成される小型の化学プラント、及びそれらを用いた微粒子製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、数cm角のガラス基板上に長さが数cm程度で、幅と深さが数μmから数百μmの微小流路をを有する微小流路構造体を用い、微小流路に流体を送液することにより化学処理を行い化学合成物質を生成する研究(例えば非特許文献1参照)、あるいは微粒子を生成する研究(例えば非特許文献2参照)が注目されている。
【0003】
一般に微小流路の幅と深さは、数十μmから数百μm程度である。このため1つの微小流路における生成物の生成量は毎分数十μL程度であるが、微小流路で化学合成物質あるいは微粒子を工業的に大量生産する場合には、微小流路基板に形成する微小流路の集積度を高める、あるいは集積した微小流路を有する微小流路基板を立体的に積層することで実現可能であると一般的に言われており、このような態様を微小流路のナンバリングアップと称することもある。
【0004】
しかしながら、この微小流路の集積化技術は、従来までに1本の微小流路を有する微小流路基板を数枚程度、モデル的に積層した例が報告されているだけであり(例えば非特許文献3参照)、実用的に数十本から数百本の微小流路を平面的に配置させ、すべての微小流路へ均一に流体を送液すること、さらに、前記数十本から数百本集積した微小流路を有する微小流路基盤をさらに数枚から数十枚立体的に配置させ、すべての微小流路へ均一に流体を送液することは未だ検討されておらず、微小流路による工業的な大量生産は非常に困難であり、すなわち、前記微小流路から構成された小型の化学プラントを実現することは、従来非常に困難であった。
以上のような背景から、微小流路の平面的集積度の向上及び立体的集積度の向上に伴う、各微小流路への均一送液の機構と、その機構を基本構成要素とする小型の化学プラントの実現が切望されていた。
【0005】
【非特許文献1】
H.Hisamoto et.al.(H.ひさもと ら著)「Fast and high conversion phase−transfer synthesis exploiting the liquid−liquidinterface formed in a microchannel chip」, Chem.Commun., 2001年発行, 2662−2663頁
【非特許文献2】
西迫貴志ら、「マイクロチャネルにおける液中微小液滴生成」、第4回化学とマイクロシステム研究会講演予稿集、59頁、2001年発行
【非特許文献3】
菊谷ら、「パイルアップマイクロリアクターによる高収量マイクロチャンネル内合成」、第3回化学とマイクロシステム研究会公演予稿集、9頁、2001年発行
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はかかる従来の実状に鑑みて提案されたものであり、微小流路構造体を使って化学処理を行うあるいは微粒子を生成するにあたり、平面的及び立体的に微小流路の集積度を向上させて、すべての微小流路に均一に流体を送液し、生成物を大量に生産することが可能な微小流路構造体を提供することと、その微小流路構造体を基本構成要素として、従来の大規模な化学プラントに匹敵する生産量を実現できる小型の化学プラントを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するものとして、1以上の流体を導入し、導入した流体に対して化学処理を行うあるいは導入した流体より微粒子を生成するための微小流路を有した微小流路構造体において、導入された流体を一時的に蓄える円形状あるいは多角形状のくぼみ等の形状とした貯蔵空間とその貯蔵空間から放射状に直線的及び/又は曲線的に供給流路が形成され、かつこの供給流路が微小流路を有した微小流路基板の各微小流路に連通した1以上の流体供給用構造体から構成される微小流路構造体を用い、この微小流路構造体を基本構成要素として複数有し、前記複数の微小流路構造体に1以上の流体を供給するための手段と、前記複数の微小流路構造体で前記流体に対して化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と、を備えた机サイズの小型の化学プラントを構成することにより、上記の従来技術による微小流路構造体の課題を解決することができ、遂に本発明を完成することができた。なお、本発明における流体供給用構造体の流体貯蔵空間を、以下ではリザーバータンクと称することもある。また、本発明による微小流路構造体を基本構成要素として複数有する机サイズの小型の化学プラントを、以下ではデスクサイズ型化学プラントと称する。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
<微小流路構造体>
本発明の微小流路構造体は、1以上の流体を導入する1以上の流体導入口と、導入した流体の化学処理を行うあるいは導入した流体により微粒子を生成するための1以上の微小流路を有し、前記化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体であって、その微小流路構造体は、流体を微小流路に供給する1以上の流体供給用構造体と微小流路を有する1以上の微小流路基板から構成されており、流体供給用構造体は、流体を導入するための流体導入口としての1以上の貫通穴を有し、流体導入口と連通し導入した流体を一時的に蓄える貯蔵空間を有し、かつ貯蔵空間から、微小流路基板に形成された1以上の微小流路の各々の流体導入口に連通して微小流路に流体を供給するための1以上の放射状に直線的及び/又は曲線的に形成された供給流路を有し、さらに流体供給用構造体の少なくとも1つには微小流路基板に形成された1以上の微小流路の各々の流体排出口と連通し流体を排出するための流体排出口としての1以上の貫通穴を有することを特徴とする微小流路構造体である。
【0009】
ここで、導入する流体は気体あるいは液体のどちらでも良い。また化学処理とは混合、化学反応、抽出、分離を意味する。また微粒子を生成するとは、界面張力が異なる2種類以上の流体を微小流路の合流部で合流させ、その合流部において、一つの流体を他の流体でせん断し微粒子を生成することを意味する。なお、ここでいう微粒子は、液体状の微粒子、すなわち微小液滴であってもよい。
【0010】
流体供給方法は、送液ポンプからキャピラリーチューブ等を通して微小流路構造体に導入しても良いし、微小流路構造体の内部に送液ポンプとしてマイクロポンプ等を設置してもよい。
送液ポンプから送液された流体が一時的に貯蔵される貯蔵空間は、ポンプの脈動の影響を最小限にする働きをし、且つこの貯蔵空間から放射状に直線的及び/又は曲線的に形成された供給流路が、化学処理あるいは微粒子を生成する微小流路を有する微小流路構基板に連通し、微小流路基板に形成された微小流路に均一に流体を供給する。
【0011】
化学処理を行うあるいは微粒子を生成するために2種類以上の流体を微小流路基板に供給する場合は、本発明の微小流路構造体の上下に前述した流体供給用構造体を配置することが好ましい。特に2種類の流体の場合は微小流路基板の上下に異なる流体のリザーバータンクをを有する流体供給用構造体を配置し接続することにより、非常にコンパクトな構造で多数の微小流路基板有する微小流路構造体を構成することが可能となる。
【0012】
ここで、リザーバータンク及び微小流路基板は任意の厚みを持った基板上に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングあるいはドライエッチング、切削技術、成形技術等を用いて作製され、使用する微小流路基板の材質や微小流路の大きさに応じて加工方法を選択すればよい。また、リザーバータンクおよび微小流路基板の材質は特に限定されず、例えば石英ガラス、青板ガラス、パイレックス(登録商標)等のガラス基板や、ポリカーボネート、ポリイミド、POM、ナイロン、ナイロン66、ポリエーテルイミド等の樹脂基板や、その他にも金属やセラミックスなどがあり、使用する流体や化学処理条件に対する耐薬品性や耐熱性により材料を選択すればよい。
【0013】
リザーバータンク及び微小流路構造体は熱融着、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂により直接接合してもよく、あるいは圧着等により接合してもよい。また、リザーバータンクや微小流路基板の間にOリングやシーリング材等により接続されていても良い。
【0014】
また、本発明の微小流路構造体の微小流路には、混合、化学合成、抽出、分離といった化学処理を行ったり、微粒子を生成させるために2種類以上の流体を導入するための流体導入口が設けられる。
【0015】
また、本発明の微小流路構造体は、流体供給用構造体の貯蔵空間から前記微小流路を有する微小流路基板の流体導入口へ、導入した1以上の流体を個別に導入できることを特徴とする微小流路構造体であり、また、2以上の流体供給用構造体の供給流路が、それぞれの流体供給用構造体の供給流路と重ならずに配置されていることを特徴とする微小流路構造体である。
【0016】
すなわち、微小流路の形状がY字型の場合などは、Y字型に2本に分かれた導入流路にそれぞれ異なる流体を導入するため、上下2つのリザーバータンクからの供給流路とそれに対応する導入流路が各々単独で接続されていることが好ましい。またY字型に分かれた導入流路は、リザーバータンクと連通した供給流路とそれぞれ単独に接続するため、流体供給用構造体に存在するリザーバータンクから放射状に形成された供給流路は、対向する別の流体供給用構造体のリザーバータンクから放射状に形成された供給流路に重ならないように配置することが望ましい。
【0017】
また、本発明の微小流路構造体は、流体の化学処理を行う、または流体により微粒子を生成するための微小流路を有する微小流路基板が2以上重ね合わされて構成されており、かつ前記微小流路の各流体導入口が、前記流体供給用構造体の供給流路のいずれかに連通していることを特徴とする微小流路構造体である。このようにすることで、微小流路構造体をさらにコンパクトにすることが可能である。
また、本発明の微小流路構造体は、各微小流路と連通する貯蔵空間の形状が円形状あるいは多角形状のくぼみであることが好ましい。このようにすることで、微小流路基板上の各微小流路に、さらに均一に流体を送液することが可能となる。また、リザーバータンクの形状を多角形とすることで、送液するときの圧力損失を極力抑えることが可能となる上、取り扱う流体が液体の場合、リザーバータンクに混入した均一送液の障害となる気泡を速やかに排除することが可能になる。
以下では、本発明の微小流路構造体を図を用いてより具体的に説明する。
【0018】
図1に本発明における微小流路構造体の基本構成要素を示す。図1(a)は流体貯蔵空間(1)を有する流体を供給する流体供給用構造体(3)であり、図1(b)は流体に対して化学処理を行うあるいは流体より微小液滴を生成させるためのY字型の微小流路(4)を有する微小流路基板(2)であり、図1(c)は流体貯蔵空間(1)を有する流体を供給する流体供給用構造体(3)である。
【0019】
また図2には、2つ流体供給用構造体及び1つの微小流路基板に貫通穴を加工した部分を示す。図2(a)は、第1の流体貯蔵空間(1)を有する第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)の流体貯蔵空間に貫通穴(8)を形成した例である。図2(b)は流体を化学処理するあるいは流体より微小液滴を生成させるためのY字型の微小流路(4)を有する微小流路基板(2)であり、微小流路の2つの流体導入口(6)と微小流路の1つの流体排出口(7)に貫通穴(8)を形成した例である。図2(c)は第2の流体貯蔵空間(1)を有する第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)の流体貯蔵空間に貫通穴(8)を形成し、なおかつ、微小流路基板に形成された微小流路の流体排出口の位置に相当する位置に貫通穴(8)を形成した例である。
【0020】
図3は、図2に示した貫通穴を有した微小流路基板(2)を、貫通穴を有した第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)と貫通穴を有した第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)により上下から挟んだときの概念図である。
【0021】
また図4は、図3に示した貫通穴を有した微小流路基板(2)を2枚の貫通穴を有した第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)と貫通穴を有した第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)により上下から挟んだときのそれぞれの貫通穴の位置関係を示した図である。
【0022】
積層する手法としては、図2の第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)と第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)、及び微小流路基板(2)にそれぞれ蓋をしたものをOリング等のシーリング部材で各々貼り合せても良い。
【0023】
貼り合せ後の微小流路構造体の立体図及び断面図を図5に示した。図5(a)は貼り合せ後の微小流路構造体を示す。図5(b)、(c)、(d)は、それぞれ図5(a)の微小流路構造体のA−A’断面、B−B’断面、C−C’断面を示す。
【0024】
図5(b)のA−A’断面図に示すように、上側の第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)において放射状に伸びた供給流路(5)は、微小流路基板(2)に形成されたY字型の微小流路(4)の一方の流体導入口(6)と連通している。また、下側の第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)において放射状に伸びた供給流路(5)は、微小流路基板(2)に形成されたY字型の微小流路(4)のもう一方の流体導入口(6)とそれに連通した微小流路基板(2)の貫通穴(8)を介して連通している。このような構造にすることで、第1の流体供給用構造体と第2の流体供給用構造体から供給流路を介してY字型の微小流路に2つの流体を供給することができる。
【0025】
また、図5(c)のB−B’断面図に示すように、微小流路基板(2)に形成されたY字型の微小流路(4)からの流体排出口(7)は、流体排出口と連通した微小流路基板(2)の貫通穴(8)と第1の流体を供給する流体供給用構造体(24)の流体排出口(7)に連通した貫通穴(8)と連通し、微小流路で生成した生成物を排出可能とする。
【0026】
また図5(d)C−C’断面図に示すように、上側の第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)と下側の第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)にそれぞれ設けられた、第1の流体を貯蔵するリザーバータンク(9)と第2の流体を貯蔵するリザーバータンク(26)にそれぞれ連通する第1の流体導入口(10)と第2の流体導入口(12)を貫通穴として形成することで、本発明の微小流路構造体の外部から2種類の流体を供給することが可能となる。
【0027】
ここで、上記記載の微小流路構造体は本発明を解りやすく説明するために示したものであり、リザーバータンクの形状や数、微小流路の形状や数および微小流路の導入流路の本数と排出流路の本数はこれに限定されるものではない。
【0028】
Y字型の微小流路の集積度を向上させ100本の微小流路を1枚の微小流路基板上に配置したものを図6(a)に示した。また、図6(a)の内の丸で囲った部分の拡大図を図6(b)に示した。
【0029】
2種類の流体の流体供給用構造体は、実際には図7(a),(b)に示すような態様とした。第1の流体導入口(10)及び第2の流体導入口(12)とそれぞれ連通する第1の流体を貯蔵するリザーバータンク(9)及び第2の流体を貯蔵するリザーバータンク(26)から放射状に伸びた供給流路(5)は円筒空間の耐圧性向上及び気泡抜け向上のため、放射状に外周に向って徐々に流路幅が狭くなるような構造とした。
【0030】
図8は、100本の微小流路を有する微小流路基板を第1の流体供給用構造体と第2の流体供給用構造体で上下で挟んだときの微小流離構造体(11)を上から観察したときの重ね合わせ図を示した。図6〜図8に示した微小流路、リザーバータンク、供給流路は5インチのパイレックス(登録商標)(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングを用いて製作した。また、1枚の微小流路基板と2枚の流体供給用構造体は、一般的に知られている熱融着法により接合したが、その他の接合手法として、微小流路基板と流体供給用構造体をOリング等を介して接続してもよい。
【0031】
また図7に示すように、リザーバータンク内の耐圧特性を高めるため流体導入口近傍に涙型強度補強柱(14)を複数本追加した。
【0032】
図9には本発明における微小流路構造体を送液システムに組み込ん場合の概略図であり、第1の流体の送液ポンプ(18)及び第2の流体の送液ポンプ(19)から、キャピラリーチューブ(15)、フレアフィットアダプター(21)を介して接続した。微小流路構造体は、基板ホルダーA(16)、基板ホルダーB(17)に挟まれた状態で、固定ホルダーA(22)、固定ホルダーB(23)により固定する。微小流路構造体の流体排出口からは生成物を取り出すために、排出用フレアフィットアダプター(20)により、外部に取り出せる構造とした。フレアフィットアダプター(21)は、シリンジ材にて流体が漏れなく導入、排出できるような構造とし、好ましくはOリングを介在させることで、流体の漏れを最小限にすることが可能である。また、フレアフィットアダプター(21)、固定ホルダー(22)、(23)、基板ホルダー(16)、(17)は、樹脂、ガラスあるいは金属で加工されることが好ましく、特に内部の状態を観測するには、透明ガラスあるいは透明樹脂製であることが望ましい。
【0033】
このことにより、複数の反応用微小流路あるいは微小液滴生成用微小流路に均一送液速度で送液することが可能となり、均一な生成物を短時間で大量に生成する微小流路構造体を提供することが可能となる。
<デスクサイズ型化学プラント>
本発明のデスクサイズ型化学プラントは、前記微小流路構造体を複数有し、前記複数の微小流路構造体に1以上の流体を供給するための手段と、前記複数の微小流路構造体で前記流体に対して化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と、を備えたことを特徴とするデスクサイズ型化学プラントであり、図11のブロック図に示すように、本発明のデスクサイズ型化学プラントは、原料タンクユニット部(28)と化学プラントユニット部(29)と回収タンクユニット部(30)から構成されている。
【0034】
化学プラントユニット部には前記微小流路構造体(11)を複数有し、微小流路構造体に、化学処理を行って生成した生成物の原料、あるいは微粒子を生成するための原料としての1以上の流体を供給する手段と、前記複数の微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を回収する手段とを備えたことを特徴とする。さらに、本発明のデスクサイズ型化学プラントは、図11に示すように複数の微小流路構造体へ流体を供給する事を容易にするための分配器(33)を備え、前記各微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を回収を容易にするための集約器(34)を備えたことを特徴とする。このようにすることで、微小流路構造体への原料の供給から、微小流路構造体で流体に対する化学処理、あるいは微粒子を生成生成するときの配管の構造を簡素化することができる。
【0035】
たとえば、2つの原料となる流体を10μL/分で送液してY次形状の微小流路内で化学処理を実施しした場合、化学処理されて排出される流体は20μL/分で取り出される。この1本の微小流路では、1年間休みなく連続的に流体を流し続けたとしても10L/年程度しか化学処理された流体を得ることはできない。しかしながら、例えばこの微小流路を1枚の微小流路基板に100本形成し、この微小流路基板を10枚積層して前述した1ブロックの微小流路構造体を構成し、この微小流路構造体を10ブロック並列に並べて、同様な送液速度で2つの原料となる流体を送液し、同様に1年間休みなく連続的に流体を流し続ければ、10万L/年程度の化学処理された流体を得ることができる。仮にこの流体を比重を1とし、すべてを生成物として利用可能であるとすると、100トン/年の生成物を得られることとなり、従来の建屋サイズの小〜中規模の化学プラントに匹敵する生産能力を有するプラントを、デスクサイズの規模で実現することが可能となる。ここで、建屋サイズとは、具体的には数十m四方で高さ数mの建屋サイズを意味し、デスクサイズとは、具体的には幅1〜2m程度、奥行き1m程度、高さ1〜2m程度のデスクサイズを意味する。ただし、これを実現可能とするには、前述した本発明の微小流路構造体を構成する1本1本の微小流路に、全く同じ条件で均一に流体を送液できる本発明の微小流路構造体が必要となることはいうまでもない。
【0036】
また、本発明のデスクサイズ型化学プラントに適用する原料となる流体を送液する手段としては、ダイアフラムポンプやプランジャーポンプなどの機械式ポンプや、圧力送液方式(圧送方式ともいう)のポンプなどがあり、特に限定はされないが、できる限り脈動や流量変動の少ないポンプを採用することが好ましい。例えば図11に示す原料タンクユニット部は、原料タンク(35)と洗浄液タンク1(48)及び(49)が備えられており、N2ガス供給部(27)からのガスの供給による圧送方式のポンプで流体の送液を行っている。このような圧送方式のポンプであれば、前記複数の微小流路構造体へ、脈動の比較的少ない安定した流体の供給が可能となり、前記複数の微小流路構造体を構成する複数の微小流路に安定した送液速度で原料となる流体を供給することができ、流体に対する安定した化学処理、あるいは微粒子の安定した生成が可能となる。
【0037】
また、本発明のデスクサイズ型化学プラントの原料タンクユニット部には、原料を供給する際に図11に示す脱気装置(32)を備えることを特徴とする。このようにすることで、例えば圧送方式のポンプの採用で問題とされる原料となる流体への気体の混入を回避することが可能となり、前記複数の微小流路構造体のリザーバータンクへの気泡の混入を極力避けることができ、リザーバータンク内の気泡による各微小流路への均一な送液の障害を取り除くことができ、流体に対する化学処理、あるいは微粒子の生成において、安定性がさらに向上する。
【0038】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、前記微小流路構造体を構成する微小流路を洗浄する手段を備え、その洗浄手段としては、図11に示す原料タンクユニット部に洗浄液タンク1(48)及び(49)を備え、原料である流体が送液される方向に対して順方向あるいは、生成物を回収する集約器側から原料である流体が送液される方向に対して逆方向に液体を送液して洗浄できる機構を有している。順方向に液体を送液し洗浄する場合の配管経路を図12(a)に、逆方向に洗浄液を送液し洗浄する場合の配管経路を図12(b)に示した。このようにすることで、正逆方向に液体の送液を繰り返すことが可能となり洗浄効果を高めることできる。なお、ここでいう「液体」とは、一般に「洗浄液」を意味する。これにより、微小流路構造体を構成する複数の微小流路の十分な洗浄が可能となり、個々の微小流路の詰まりを防ぐことが可能となる。また、本発明のデスクサイズプラントは、各微小流路に均一に送液を可能とするため、背圧を調整する手段を備えていることがより好ましい。
【0039】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、図11に示すように微小流路構造体に気体を供給する手段である気体供給用配管(40)を備えている。微小流路構造体に気体を送液する場合の配管経路を図12(c)に示した。この機構を備えることで、洗浄後に微小流路構造体を構成する複数の微小流路に気体を供給し、複数の微小流路内部を乾燥させることが可能となるので、複数の微小流路を清浄な状態に保つことが可能となる。
【0040】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、図11に示すように原料タンクユニット部(28)には、微小流路構造体に供給する原料としての流体を貯蔵するための原料貯蔵タンク(35)と、回収タンクユニット部(30)には、微小流路構造体で流体に対して化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を回収するための回収タンク(37)を備えており、原料としての流体を原料貯蔵タンクへの自動的に供給する手段と、微小流路構造体で流体に対して化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を回収タンクから自動的に移送する手段を備えている。このようにすることで、原料タンクへの原料の自動供給及び回収タンクからの生成物の自動移送が可能となり、原料タンク及び回収タンクの貯蔵量に依存せずに長期間にわたる連続製造が可能となる。
【0041】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、図11に示すように化学処理を行う、あるいは微粒子を生成するための原料のうち、1以上の原料を再利用するため、微小流路構造体から排出された生成物以外の原料を一時的に貯蔵する一時回収タンク(31)と、そのタンクから再利用する原料を、その原料を貯蔵する所定の原料タンク(47)に回収する手段である回収用配管(41)と、を備えており、さらにその再利用する原料が、他の原料かつ/または化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を混入している場合は、再利用する原料のみを分離精製する手段である再利用原料分離精製部(42)を備えたことを特徴とするデスクサイズ型化学プラントである。このような手段を備えることで、例えば、化学処理の一つである不均一系での触媒反応に用いられる、非常に高価な触媒(例えば、不斉合成における光学選択性を高める効果のあるキラル相間移動触媒など)を再利用することが可能となり、コストの削減や環境負荷を低減することが可能となる。
【0042】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、図11に示すように原料タンク(35)、回収タンク(37)及び微小流路構造体の温度制御が可能な手段温度制御装置(43)を備えているので、本発明のデスクサイズ型化学プラントの設置場所に依存せずに、原料である流体の安定した供給と、微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を安定した状態で生成、保持することができる。
【0043】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、図11に示すように各微小流路構造体へ原料である流体を供給する際に、流体の供給量を調整するための複数の供給バルブ(44)を、微小流路構造体の1ブロックごとに、かつ供給する流体ごとに備え、この複数のバルブを調整することで、原料の供給流量を微小流路構造体の1ブロックごとに、かつ供給する流体ごとに調整することが可能となり、微小流路構造体を構成する複数の微小流路で行う化学処理の条件や、微粒子の生成条件を比較的自由に変えて調製することが可能となり、きめ細かな流量制御が可能となる。
【0044】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、微小流路構造体への原料としての流体の供給、微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物あるいは生成された微粒子の回収、及び微小流路構造体の洗浄、乾燥の一連の動作におけるいずれか1以上の処理において自動制御可能な手段を備えているおり、このようにすることで、例えばバルブの調整操作などの煩雑な操作が一切不要となる。
<微粒子製造装置>
本発明の微粒子製造装置は、前述したデスクサイズ型化学プラントを構成する前述した微小流路構造体に1以上の微粒子製造用の流体を供給するための手段と、前記微小流路構造体で生成された微粒子を回収するための手段と、を備えたことを特徴とする微粒子製造装置であり、さらに微粒子製造用の流体が、ゲル製造用原料を含む液体及びゲル製造用分散剤を含む液体であることを特徴とする微粒子製造装置である。このようにすることで、本発明のデスクサイズ型化学プラントを微粒子製造装置に特化することができる。
【0045】
また本発明の微粒子製造装置は、前述した微小流路構造体を構成する微小流路がY字型であり、分散相と連続相を微小流路構造体の別の導入口から導入させて微小流路で合流させて微粒子を生成させることを特徴とした微粒子製造装置であり、Y時型の微小流路において、分散相を導入するための導入流路と連続相を導入するための導入流路の交わる角度を変化させて生成する微粒子の粒径を制御することを特徴とする微粒子の微粒子製造装置である。このようにすることで、本発明の微粒子製造装置を用いて、微粒子をより大量にかつ安定に製造することが可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明における実施例の概念図を図9に示した。図9に示す本発明の微小流路構造体(11)の構成は、図6(a)に示した微小流路基板(2)の上面に図7(b)の第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)を接合し、下面には図7(a)の第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)を接合し、上面から見て図8に示すような微小流路構造体(11)とした。微小流路基板とその上下に接合した流体供給用構造体の材質は、直径5インチ、厚さ1.2mmのパイレックス(登録商標)(登録商標)基板を用いた。また、微小流路基板に形成した微小流路および流体供給用構造体に形成したリザーバータンクと供給流路は、一般的なフォトリソグラフィーとウェットエッチングにより形成し、微小流路基板と流体供給用構造体の接合は、一般的な熱融着により接合した。なお、微小流路基板の微小流路の流体導入口の貫通穴、第1の流体供給用構造体のリザーバータンクの貫通穴、及び第2の流体供給用構造体のリザーバータンクの貫通穴と流体排出口用の貫通穴は機械加工により直径1mmの貫通穴を形成した。
【0047】
図6(a)に示すように、微小流路基板(2)には100本のY字型の微小流路(4)を形成し、各々の微小流路に連通した2つの流体を導入する流体導入口は、微小流路基板の上下に接続した2つの流体供給用構造体に備えられた流体貯蔵空間(1)から放射状に直線的に配置された供給流路(5)を介して各々の流体を導入するため、異なる流体供給用構造体の流体導入口に接続した。ここでY字型の微小流路に導入する導入流路に連通する流体導入口(6)の位置に関しては、2種類の流体を導入するための流体導入口の穴径を十分に確保するスペースを得るために、第1の流体を導入する流体導入口(10)は半径35mmの同心円上の位置に、第2の流体を導入する流体導入口(12)は半径40mmの同心円上の位置に、それぞれ半径位置をずらして配置した。微小流路からの流体排出口(7)は半径55mmの同心円上の位置に配置した。なお、流体導入口と流体排出口はその穴数を少なくする目的で、図8に示すように、流体導入口に関しては、1つの流体導入口から2本の導入流路に分岐する形状とし、流体排出口に関しては、2本の排出流路から1つの流体排出口に合一する形状とした。
【0048】
微小流路基板に形成した微小流路の流路幅は110μm、流路深さは50μmであり、微小流路基板の半径40mmから55mmの間のスペースにY字型に形成した。導入流路としてのY字の角度は44度、Y字の合流部から流体排出口までの微小流路の長さは12mmとした。
【0049】
流体供給用構造体に形成したリザーバータンクは直径50mm、深さ300μmとし、リザーバータンクの形状は、図7に示すように多角形状とした。また多角形状のリザーバータンクの各頂点の位置から外周に向けて放射状に直線的に供給流路を形成した。第1の流体供給用構造体のリザーバータンクからの供給流路の長さは15mm、流路幅1mm、流路深さ300μmであり、第2の流体供給用構造体のリザーバータンクからの供給流路の長さは20mm、流路幅1mm、流路深さ300μmである。それぞれの流体供給用構造体のリザーバータンクからの供給流路は50本づつ形成した。また図7に示すように、それぞれの流体供給用構造体のリザーバータンク内の耐圧特性を高めるために、流体導入口近傍である半径約8mm付近に、長さ約5mm、最大幅約1mm、高さはリザーバータンクの深さに等しい300μmの涙型強度補強柱(14)を各リザーバータンクに3本、同心円上に120度の間隔で形成した。
【0050】
上記、本発明の微小流路構造体(11)を図9に示すように基板ホルダーA(16)と基板ホルダーB(17)で挟み固定した。基板ホルダーAには、第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)の第1の流体を貯蔵するリザーバータンク(9)と連通した貫通穴に連通する第1の流体を導入する流体導入口(10)に第1の流体の導入用フレアフィットアダプター(13)を接続し、キャピラリーチューブ(15)を介して第1の流体送液用ポンプ(18)に接続した。基板ホルダーBには、第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)の第2の流体を貯蔵するリザーバータンク(26)と連通した貫通穴に連通する第2の流体導入口(10)に第2の流体用フレアフィットアダプター(21)を接続し、キャピラリーチューブ(15)を介して第2の流体送液用ポンプ(19)に接続した。また、基板ホルダーBには、第1の流体供給用構造体の外周側に形成した貫通穴と微小流路基板に形成された各微小流路の流体排出口とを連通した貫通穴と連通する流体の排出用フレアフィットアダプター(20)を50個の流体排出口のそれぞれに直接接続した。この流体排出口用フレアフィットアダプターから、キャピラリーチューブを介して微小流路で生成した微小液滴を排出し回収した。
【0051】
本実施例では、第1の流体送液用ポンプにより3%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に約1.0mL/分の送液速度で送液し、第2の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの混合溶液を微小流路構造体に約0.5mL/分で送液し、各々の流体の導入用フレアフィットアダプターを介して接続されたリザーバータンクに設けられた各流体導入口に導入した。導入した2種の流体は、各リザーバータンクに一時的に貯えられた後、リザーバータンクから放射状に伸びた供給流路を通って、微小流路基板に形成したY字型の微小流路のそれぞれの導入流路に導入され、Y字型の微小流路の合流部において連続相であるポリビニルアルコール水溶液が分散相であるジビニルベンゼンと酢酸ブチルの混合溶液をせん断することで微小液滴が生成された。
【0052】
本発明の微小流路構造体の効果を確認する手段として、微小流路の流体排出口と連通した50個の排出用フレアフィットアダプターから排出された流体に含有された流体を流体排出口別に回収し、回収した流体に含有されている微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、50個の流体排出口すべてにおいて、平均粒径が約100μmでその分散度が5.6%〜7.3%の範囲であった。この結果から、本発明の微小流路構造体を用いることにより、各微小流路に非常に均一に同じ条件で流体が供給されていることが示された。なお、粒径の分散度とは、サンプリングした微小液滴の粒径の標準偏差を平均粒径で除算して得られる値で、粒径分布の広がりを示す目安となる数値である。
【0053】
また、50個の流体排出口から排出された流体をすべて同じサンプル瓶に回収して微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、図10に示すように平均粒径が約100μmでその分散度が6.3%であり、本発明の微小流路構造体全体としても、非常に均一な微小液滴を得ることができた。また得られた微小液滴の生成量は、スラリーとして1.5mL/分の生成速度で得ることができた。ここで、本実施例で用いたY字型の微小流路と同じ形状の1本のY字型の微小流路に、連続相である3%のポリビニルアルコール水溶液と分散相であるジビニルベンゼンと酢酸ブチルの混合溶液を導入して、Y字型の微小流路の合流部において連続相により分散相をせん断することで微小液滴を生成した場合、上記実施例と同程度である平均粒径が約100μm、粒径分度が約5%〜8%の範囲で微小液滴が生成される条件は、連続相の送液速度が約10μL/分、分散相の送液速度が約5μL/分であり、送液して得られる微小液滴を含有するスラリーの生成速度15μL/分である。従って、本実施例の微小流路を100本集積化した微小流路構造体は、微小流路1本で生成されるスラリーのちょうど約100倍となっている。以上のことから、本発明の微小流路構造体を用いることで、微小流路を集積化することにより、1本の微小流路で生成した生成物と同じ物性の生成物を、集積した流路の本数に応じてして大量に生成することができることが示された。
(実施例2)
本発明の第2の実施例における微粒子製造装置の構成を図16に示す。図16に示すようN2ガス供給部(27)、原料を貯蔵する原料タンクユニット部(28)、5つの微小流路構造体(11)で構成された微粒子生成ユニット部(45)、生成された微粒子(58)を回収又は洗浄時の廃液を貯蔵する回収タンクユニット部(30)及びそれら接続する配管、バルブ類から構成される。N2ガス供給部は配管を介して原料タンク1(46)及び原料タンク2(47)、又は洗浄液タンク1(48)及び洗浄液タンク2(49)へN2ガスを供給し、これにより原料及び洗浄液の供給が可能となる。
【0054】
本実施例において、原料タンク1は分散相としてモノマー(スチレン)、酢酸ブチル、過酸化ベンゾイルの混合液を、原料タンク2は連続相としてポリビニールアルコール3%水溶液を、洗浄液タンク1には洗浄液としてエタノールを、更に洗浄タンク2には洗浄液として純水を用いた。更に必要に応じて温度制御装置(43)により原料タンク1及び原料タンク2の温度制御も可能である。また、実施例2においては、微粒子生成ユニット部を5つの微小流路構造体で構成したが、微小流路構造体の数はこれに限定するものではない。
【0055】
微粒子生成ユニット部は、微粒子を生成する5つの微小流路構造体に分散相及び連続相を供給するためのそれぞれの分配器(33)と、5つの微小流路構造体で生成された微粒子を収集する集約器(34)及びそれらと接続する配管、バルブ類で構成した。更に、各原料タンクと各分配器に間に脱気装置(32)を設置した。微粒子生成ユニット部で生成された微粒子又は洗浄時の廃液は、微粒子生成ユニット部(45)内の集約器で1つにまとめられ、回収タンク(37)又は廃液タンク(38)と配管、バルブ類を介して接続、貯蔵した。
【0056】
次に微粒子生成ユニット部を構成する微小流路構造体は、5インチのパイレックス(登録商標)(登録商標)ガラスを用いて製作した。図6に示すようにパイレックス(登録商標)ガラスの基板に100本のY字型の微小流路(4)を一般的なフォトリソグラフィーとウェットエッチングにより形成し、更に所定の位置に機械加工により加工した貫通穴である流体導入口(6)と流体排出口(7)を形成し微小流路基板(2)を製作した。ここで、形成したY字型の微小流路の基本的な形状を図13に示した。分散相であるモノマー(スチレン)、酢酸ブチル、過酸化ベンゾイルの混合液は分散相導入流路(54)を通って導入され、連続相であるポリビニールアルコール3%水溶液は連続相導入流路(53)を通って導入され、図15に示すように微小流路(4)の合流部(55)で、連続相が分散相をせん断することで、微小液滴(58)が連続的に生成し、図13の排出流路(56)を通って排出される。なお本実施例では、連続相により分散相を、より安定してせん断しやすいように、図14に示すように微小流路(4)の合流部(55)の分散相の導入流路側に突起(57)を形成した微小流路を用いた。形成した微小流路は、図6に示すように実施例1と同じく、微小流路の流路幅は110μm、流路深さは50μmであり、突起は流路の内側に向かって最大25μmの凸部を有して流路長方向に200μの長さで形成した。また、微小流路基板の半径40mmから55mmの間のスペースにY字型の微小流路を円盤状の微小流路基板の周方向に同心円上に形成した。また導入流路としてのY字の角度は44度、Y字の合流部から流体排出口までの微小流路の長さは12mmとした。
【0057】
さらに本実施例における微小流路構造体の1ブロックの断面図を図17に示した。図17に示すように、微小流路基板(2)の微小流路が形成された面を覆うように所定の位置に貫通穴を形成した、微小流路基板(2)と同じ形状のカバー基板(50)を一般的なガラス接合手法である熱融着により接合した。
【0058】
また図7に示すように、分散相である第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)、及び連続相である第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)は、分散相である第1の流体を貯蔵するリザーバータンク(9)と、連続相である第2の流体を貯蔵するリザーバータンク(26)、及びY字型の微小流路へ原料を供給するための放射状に配置された供給流路(5)を一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングによりそれぞれ形成した。さらに各々の流体供給用構造体のリザーバタンク及び供給流路が形成された面を覆うように、所定の位置に機械加工により加工した貫通穴(8)を形成した流体供給用構造体と同じ形状のカバー基板(50)を一般的なガラス接合手法である熱融着により接合した(図17参照)。
【0059】
原料の導入は、第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)と第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)の中央に形成した貫通穴(8)より導入する。
【0060】
上記接合した微小流路基板構造体を3枚を重ね、その上下に第1の流体を供給する流体供給用構造体(25)と第2の流体を供給する流体供給用構造体(24)を積層した。積層した3枚の微小流路構造体及その上下に配置した2つ流体供給用構造体の間には、各基板間をシールするための所定の位置に貫通穴を予め形成したパッキン(52)を介して積層した。さらに各微小流路構造体及びパッキンを、金属製の固定ホルダーA(22)及び固定ホルダーB(23)により固定して図17に示す微粒子生成用微小流路構造体(51)を構成した。
【0061】
この微小流路構造体を5ブロックで構成した微粒子製造装置の概観を図21に示した。装置の幅は約1.5m、奥行きは約0.8m、高さは約1.4mである。
【0062】
上記微粒子製造装置に連続相を1L/時間、分散相を0.5L/時間の送液速度で圧送方式ポンプを用いて、各原料タンクから10時間送液した(本微粒子製造装置に集積された微小流路は1500本であることから、各微小流路に連続相が10μL/分、分散相が約5μL/分の送液速度で送液されている。)ところ、約15Lの微粒子を含むスラリー状の流体を得ることができた。これは、1日10時間の運転で年間を通じて運転することで約5000Lの微粒子を含むスラリー状の流体を生産できることに相当し、小〜中規模の建屋サイズの微粒子製造プラントに匹敵する生産能力を、デスクサイズのプラントで実現した。
【0063】
また、表1に、実施例2おける微粒子製造装置を用いて生成した微粒子の平均粒径及び分散度を、5つの微小流路構造体ごとに測定した結果と、5つのすべての微小流路構造体から回収した微粒子の平均粒径と分散度を測定した結果を示した。ここで、平均粒径とは生成された微粒子のうち100個の微粒子の直径を測定して平均した値であり、分散度とは前期平均値から得られた標準偏差で平均値を割った値である。微粒子の分散度は実施例1と同様に、100個の微粒子をサンプリングして測定した。表1に示す生成した微粒子の平均粒径と分散度から分かるように、5つのすべての微小流路構造体から回収した微粒子の平均粒径は85.5μm、分散度は9.7%となり非常に分散度の良好な微粒子を得ることができ、分級工程を必要としない微粒子製造装置を実現した。
【0064】
【表1】
Figure 0004032128
以上の実施例から、年間数千Lの微粒子を含むスラリー状の流体を生産できる小〜中規模の高さ数mで、数十m四方の建屋サイズの微粒子製造プラントに匹敵する生産能力を有し、なおかつ分級工程を必要としない非常に分散度の良好な微粒子を得ることが可能な微粒子製造装置を、幅約1.5m、奥行き約0.8m、高さ約1.4mのサイズのデスクサイズ型化学プラントとして世界で初めて実現した。
【0065】
本実施例においては、化学プラントユニット部を、Y時型の微小流路を形成した微小流路基板を用いて、5つの微小流路構造体を構成した微粒子生成ユニット部として構成し微粒子製造装置とした。しかしながら、微粒子を生成する微小流路を形成した微小流路基板を、化学反応に適した微小流路を形成した微小流路基板に変更して微小流路構造体を構成することにより、その微小流路で化学反応により生成した生成物を製造するデスクサイズ型化学プラントになることは言うまでもない。
【0066】
例えば図18には、2つ流体導入口(6)と2つの流体排出口(7)を有する長さ20cm、流路幅100μm、流路深さ20μmの微小流路(4)を12本形成した微小流路基板(2)の例を示した。微小流路内で2つの流体を接触させる時間をできるだけ長く確保し化学反応を進行させることが必要なことから、微小流路の長さをできるだけ長くするために微小流路を11回折り返す形状とし、円盤状の微小流路基板の周方向に微小流路を集積した。この微小流路を用いれば2つの反応基質を含有する2つ流体を流体導入口から導入し、微小流路で化学反応を行い、生成した生成物を一方の流体に抽出し、生成物を抽出した流体ともう一方の流体を微小流路の出口で2相層流分離し、生成物を含有した流体を回収することができる。生成物を含まないもう一方の流体は、廃棄してもよいが、図11に示したように、回収用配管(41)を通して、原料として再利用可能なように処理を行う再利用原料分離精製部(42)で処理をした後、原料タンクに戻せば、原料を再利用することが可能となり、コストの削減や環境負荷の軽減を実現できる。
【0067】
また図19には、3つ流体導入口(6)と3つの流体排出口(7)を有する微小流路(4)を有する第1の微小流路基板の様態を示した。微小流路の長さは20cm、流路幅は150μm、流路深さは20μmであり、微小流路基板(2)にこの微小流路(4)を24本形成した。微小流路内で3つの流体を接触させる時間をできるだけ長く確保し化学反応を進行させることが必要なことから、微小流路の長さをできるだけ長くするために微小流路を19回折り返す形状とし、円盤状の微小流路基板の周方向に微小流路を集積した。この微小流路を用いれば3つの反応基質を含有する3つ流体を流体導入口から導入し、微小流路で化学反応を行い、生成した生成物をどれか一つの流体に抽出し、生成物を抽出した流体と他の二つの流体を微小流路の出口で3相層流分離し、生成物を含有した流体を回収することができる。
【0068】
また図20には、3つ流体導入口(6)と3つの流体排出口(7)を有する微小流路(4)を有する第2の微小流路基板の様態を示した。微小流路の長さは20cm、流路幅は150μm、流路深さは20μmであり、微小流路基板(2)にこの微小流路(4)を24本形成した。微小流路内で3つの流体を接触させる時間をできるだけ長く確保し化学反応を進行させることが必要なことから、微小流路の長さをできるだけ長くするために、円盤状の微小流路基板(2)の円周方向に微小流路の長さ方向を形成し、外周から内周に向かって微小流路を24本形成した。この図20に示した微小流路の特徴としては、図18や図19に示した微小流路に比べて折り返し部分がないことから、折り返し部分での圧力損失の増大を抑えることができ、微小流路により安定して流体を送液することが可能となる。この微小流路を用いれば図19と同様に3つの反応基質を含有する3つ流体を流体導入口から導入し、微小流路で化学反応を行い、生成した生成物をどれか一つの流体に抽出し、生成物を抽出した流体と他の二つの流体を微小流路の出口で3相層流分離し、生成物を含有した流体を回収することができる。
【0069】
上記図19、図20の微小流路においても、生成物を含まない流体は廃棄してもよいが、図11に示した回収用配管(41)及び原料として再利用可能なように処理を行う再利用原料分離精製部(42)を2つの流体用にそれぞれ用意すれば、再利用原料分離精製部で原料として再利用可能な処理をした後、原料タンクに戻し原料を再利用することが可能となり、コストの削減や環境負荷の軽減を実現できる。
【0070】
また、上記の例では、流体導入口が2つ及び3つ、流体排出口2つ及び3つの場合を例として示したが、流体導入口と流体排出口の数は上記の例に限定されるものではなく、また流体導入口の数と流体排出口の数が同じでなくてもよいことは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】
<本発明の微小流路構造体の効果>
本発明の微小流路構造体は、1以上の流体を導入する1以上の流体導入口と、導入した流体の化学処理を行うあるいは導入した流体により微粒子を生成するための1以上の微小流路を有し、化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体であって、その微小流路構造体は、流体を微小流路に供給する1以上の流体供給用構造体と微小流路を有する1以上の微小流路基板から構成されており、流体供給用構造体は、流体を導入するための流体導入口としての1以上の貫通穴を有し、流体導入口と連通しており導入した流体を一時的に蓄える貯蔵空間を有し、かつ貯蔵空間から微小流路基板に形成された1以上の微小流路の各々の流体導入口に連通して微小流路に流体を供給するための1以上の放射状に直線的及び/又は曲線的に形成された供給流路を有し、さらに流体供給用構造体の少なくとも1つには微小流路基板に形成された1以上の微小流路の各々の流体排出口と連通し流体を排出するための流体排出口としての1以上の貫通穴を有することを特徴とする微小流路構造体であって、このような構造とすることで、送液ポンプから送液された流体が一時的に貯蔵される貯蔵空間において、ポンプの脈動の影響を最小限に抑えることができ、かつこの貯蔵空間から放射状に直線的及び/又は曲線的に形成された供給流路が、微小流路基板に形成された1以上のすべての微小流路に流体を均一に供給することが可能となる。
【0072】
また本発明の微小流路構造体は、2以上に積層した微小流路基板の上面と下面に2以上の流体供給用構造体を配置することにより、化学処理を行うあるいは微粒子を生成するために必要な2種類以上の流体を微小流路基板に供給入することが可能となる。
【0073】
また本発明の微小流路構造体は、流体の化学処理を行う、または流体により微粒子を生成するための微小流路を有する微小流路基板が2以上重ね合わされて構成されており、かつ前記微小流路の各流体導入口が、前記流体供給用構造体の供給流路のいずれかに連通していることを特徴とする微小流路構造体であり、このような構造にすることで、複数の微小流路を有する多数の微小流路基板から構成される微小流路構造体を非常にコンパクトな構造で実現することが可能となる。
【0074】
また本発明の微小流路構造体は、流体供給用構造体の貯蔵空間から前記微小流路を有する微小流路基板の流体導入口へ、導入した1以上の流体を個別に導入できることを特徴とする微小流路構造体であり、また、2以上の流体供給用構造体の供給流路が、それぞれの流体供給用構造体の供給流路と重ならずに配置されていることを特徴とする微小流路構造体である。このような構造とすることで、微小流路基板に形成された微小流路の2以上の導入流路にそれぞれ異なる流体を導入することが可能となる。
また本発明の微小流路構造体は、各微小流路と連通する貯蔵空間の形状が円形状あるいは多角形状のくぼみであることが望ましく、貯蔵空間の形状をこのようにすることで、微小流路基板に形成した1以上のすべての微小流路に、より均一に流体を送液することが可能となり、さらに、貯蔵空間の形状を多角形状のくぼみとした場合は、円形状のくぼみに比べて、流体を送液するときの圧力損失を低減する効果及び、取り扱う流体が液体の場合は、貯蔵空間に残留する気泡を速やかに排出する効果がある。
<本発明のデスクサイズ型化学プラントの効果>
本発明のデスクサイズ型化学プラントは、微小流路構造体を複数有し、複数の微小流路構造体に1以上の流体を供給するための手段と、複数の微小流路構造体で流体に対して化学処理を行って生成した生成物、あるいは流体により生成した微粒子を回収するための手段とを備えており、このような構成とすることで、従来の建屋サイズの小〜中規模の化学プラントに匹敵する生産能力を有するプラントをデスクサイズの規模で実現することができる。
【0075】
また、本発明のデスクサイズ型化学プラントに適用する原料となる流体を送液する手段としては、圧送方式のポンプなどの脈動や流量変動の少ないポンプを用いることにより、複数の微小流路構造体を構成する複数の微小流路に安定した送液速度で原料となる流体を供給することができ、流体に対する安定した化学処理、あるいは微粒子の安定した生成が可能となる。
【0076】
また、本発明のデスクサイズ型化学プラントは、原料を供給する際に脱気装置を備えることで、複数の微小流路構造体のリザーバータンクへの気泡の混入を極力避けることができ、リザーバータンク内の気泡による各微小流路への均一な送液の障害を取り除くことができ、流体に対する化学処理、あるいは微粒子の生成において、安定性がさらに向上する。
【0077】
さらに、本発明のデスクサイズ型化学プラントは、複数の微小流路構造体へ流体を供給するための分配器を備え、前記各微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を回収するための集約器を備えることで、微小流路構造体への原料の供給から、微小流路構造体で流体に対する化学処理、あるいは微粒子を生成するときの配管の構造を簡素化することができる。また、本発明のデスクサイズプラントは、背圧を調整する手段を備えていることで、各微小流路に均一に送液を可能とすることが可能となる。
【0078】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、微小流路構造体を構成する微小流路を洗浄する手段を備え、その洗浄手段としては、原料である流体が送液される方向に対して順方向あるいは逆方向に洗浄液を送液して洗浄できる機構を有することで、正逆方向に洗浄液の送液を繰り返すことが可能となり洗浄効果を高めることできる。
【0079】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、微小流路構造体に気体を供給する手段を備えており、微小流路内部を乾燥させて清浄な状態に保つことが可能となる。
【0080】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、微小流路構造体に供給する原料としての流体を貯蔵するための原料タンクと、微小流路構造体で流体に対して化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を回収するための回収タンクを備えており、原料としての流体を原料タンクへの自動的に供給する手段と、微小流路構造体で流体に対して化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を回収タンクから自動的に移送する手段を備えることで、原料タンク及び回収タンクの貯蔵量に依存せずに長期間にわたる連続製造が可能となる。
【0081】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、化学処理を行う、あるいは微粒子を生成するための原料のうち、1以上の原料を再利用するため、微小流路構造体から排出された生成物以外の原料を一時的に貯蔵するタンクと、そのタンクから再利用する原料を、その原料を貯蔵する所定のタンクに回収する手段と、を備えており、さらにその再利用する原料が、他の原料かつ/または化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を混入している場合は、再利用する原料のみを分離する手段を備えることで、例えば、化学処理の一つである不均一系での触媒反応に用いられる非常に高価な触媒などを再利用することが可能となり、コストの削減や環境負荷を低減することが可能となる。
【0082】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、原料タンク、回収タンク及び微小流路構造体の温度制御が可能な手段を備えているので、本発明のデスクサイズ型化学プラントの設置場所に依存せずに、原料である流体の安定した供給と、微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を安定した状態で生成、保持することができる。
【0083】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、各微小流路構造体へ原料である流体を供給する際に、流体の供給量を調整するための複数のバルブを、微小流路構造体の1ブロックごとに、かつ供給する流体ごとに備え、この複数のバルブを調整することで、原料の供給流量を微小流路構造体の1ブロックごとに、かつ供給する流体ごとに調整することが可能となり、微小流路構造体を構成する複数の微小流路で行う化学処理の条件や、微粒子の生成条件を比較的自由に変えて調製でき、きめ細かな流量制御が可能となる。
【0084】
また本発明のデスクサイズ型化学プラントは、微小流路構造体への原料としての流体の供給、微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物あるいは生成された微粒子の回収、及び微小流路構造体の洗浄、乾燥の一連の動作におけるいずれか1以上の処理において自動制御可能な手段を備えているおり、煩雑な操作が一切不要となる。
<微粒子製造装置の効果>
本発明の微粒子製造装置は、前述したデスクサイズ型化学プラントを構成する微小流路構造体に1以上の微粒子製造用の流体を供給するための手段と、前記微小流路構造体で生成された微粒子を回収するための手段と、を備えた微粒子製造装置であり、さらに微粒子製造用の流体が、ゲル製造用原料を含む液体及びゲル製造用分散剤を含む液体である微粒子製造装置であり、このような構成にすることで本発明のデスクサイズ型化学プラントをゲル製造用の微粒子製造装置として使用することが可能となる。
【0085】
また前述した微小流路構造体を構成する微小流路がY字型であり、分散相と連続相を微小流路構造体の別の導入口から導入させて微小流路で合流させて微粒子を生成する微粒子製造装置であり、Y時型の微小流路において、分散相を導入するための導入流路と連続相を導入するための導入流路の交わる角度を変化させて生成する微粒子の粒径を制御することにより、粒径の分散度が10%以下の非常に均一な粒径の微粒子を大量にかつ安定に製造することが可能なる。
【0086】
従って、本発明の微粒子製造装置を用いることで、生成した微粒子を生成後にその粒径の大きく異なる粒子を分離する分級作業が不要となり、かつ現在の建屋サイズの小〜中規模のゲル製造プラントの生産量に匹敵する大量生産が可能な、デスクサイズの分級不要ゲル製造装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における微小流路構造体の基本構成要素を示した図である。
【図2】2つ流体供給用構造体及び1つの微小流路基板に貫通穴を加工した部分を示した図である。
【図3】貫通穴を有した微小流路基板を、貫通穴を有した第1の流体供給用構造体と貫通穴を有した第2の流体供給用構造体により上下から挟んだときの概念図である。
【図4】貫通穴を有した微小流路基板を2枚の貫通穴を有した第1の流体供給用構造体と貫通穴を有した第2の流体供給用構造体により上下から挟んだときのそれぞれの貫通穴の位置関係を示した図である。
【図5】貼り合せ後の微小流路構造体を示した図であり、(a)は全体の立体透視図であり、(b)〜(d)は断面図である。
【図6】(a)は100本の微小流路を1枚の微小流路基板上に配置した微小流路基板であり、(b)は(a)の内の丸で囲った部分の拡大図示した図である。
【図7】(a)及び(b)は2種類の流体の流体供給用構造体を示す概念図である。
【図8】100本の微小流路を有する微小流路基板を第1の流体供給用構造体と第2の流体供給用構造体で上下で挟んだときの微小流離構造体を上から観察したときの重ね合わせ図である。
【図9】(a)は、本発明における微小流路構造体を、流体の送液システムに組み込んだ場合の概略図である。(b)は、微小流路構造体の部分の拡大図である。
【図10】100組のY字型の微小流路で生成した微小液滴の粒径分布の測定結果である。
【図11】本発明のデスクサイズ型化学プラントを構成するブロック図である。
【図12】本発明のデスクサイズ型化学プラントの洗浄液と気体を供給する配管経路を示したブロック図である。(a)は洗浄液を順方向に送液する場合の配管経路、(b)は洗浄液を逆方向に送液する場合の配管経路、(c)は気体を送液する場合の配管経路である。
【図13】本発明におけるY字型の微小流路の基本的な形状を示す概念図である。
【図14】実施例2に使用したY字型の微小流路の合流部の分散相の導入流路側に突起を形成した微小流路を示す概念図である。
【図15】Y字型の微小流路の合流部で、連続相が分散相をせん断して微小液滴を形成する様子を示した図である。
【図16】本発明の第2の実施例における微粒子製造装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本実施例における微小流路構造体の1ブロックの断面図である。
【図18】2つ流体導入口と2つの流体排出口を有する折り返し形状の微小流路を形成し、円盤状の微小流路基板の周方向に微小流路を集積した化学反応用の微小流路基板の例である。
【図19】3つ流体導入口と3つの流体排出口を有する折り返し形状の微小流路を形成し、円盤状の微小流路基板の周方向に微小流路を集積した化学反応用の微小流路基板の例である。
【図20】3つ流体導入口と3つの流体排出口を有し、円盤状の微小流路基板の円周方向に微小流路の長さ方向を形成し、円盤状の微小流路基板の径方向に微小流路を集積した化学反応用の微小流路基板の例である。
【図21】実施例2における微小流路構造体を5ブロックで構成した微粒子製造装置の概観である。
【符号の説明】
1:流体貯蔵空間
2:微小流路基板
3:流体供給用構造体
4:微小流路
5:供給流路
6:流体導入口
7:流体排出口
8:貫通穴
9:第1の流体を貯蔵するリザーバータンク
10:第1の流体を導入する流体導入口
11:微小流路構造体
12:第2の流体を導入する流体導入口
13:第1の流体を導入する導入用フレアフィットアダプター
14:涙型強度補強柱
15:キャピラリーチューブ
16:基板ホルダーA
17:基板ホルダーB
18:第1の流体の送液ポンプ
19:第2の流体の送液ポンプ
20:排出用フレアフィットアダプター
21:第2の流体を導入する導入用フレアフィットアダプター
22:固定ホルダーA
23:固定ホルダーB
24:第2の流体を供給する流体供給用構造体
25:第1の流体を供給する流体供給用構造体
26:第2の流体を貯蔵するリザーバータンク
27:N2ガス供給部
28:原料タンクユニット部
29:化学プラントユニット部
30:回収タンクユニット部
31:一時回収タンク
32:脱気装置
33:分配器
34:集約器
35:原料タンク
36:洗浄液タンク
37:回収タンク
38:廃液タンク
39:バキュームポンプ
40:気体供給用配管
41:回収用配管
42:再利用原料分離精製部
43:温度制御装置
44:供給バルブ
45:微粒子生成ユニット部
46:原料タンク1
47:原料タンク2
48:洗浄液タンク1
49:洗浄液タンク2
50:カバー基板
51:微粒子生成用微小流路構造体
52:パッキン
53:連続相導入流路
54:分散相導入流路
55:合流部
56:排出流路
57:突起
58:生成した微小液滴

Claims (21)

  1. 1以上の流体を導入する1以上の流体導入口と、前記流体の化学処理を行うあるいは前記流体により微粒子を生成するための1以上の微小流路を有し、前記化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体であって、前記微小流路構造体は、前記流体を前記微小流路に供給する1以上の流体供給用構造体と前記微小流路を有する1以上の微小流路基板から構成されており、前記流体供給用構造体は、前記流体を導入するための流体導入口としての1以上の貫通穴を有し、前記流体導入口と連通し前記導入した流体を一時的に蓄える貯蔵空間を有し、かつ前記貯蔵空間から、前記微小流路基板に形成された1以上の微小流路の各々の流体導入口に連通して前記微小流路に流体を供給するための1以上の放射状に直線的及び/又は曲線的に形成された供給流路を有し、さらに前記流体供給用構造体の少なくとも1つには前記微小流路基板に形成された1以上の微小流路の各々の流体排出口と連通し前記流体を排出するための流体排出口としての1以上の貫通穴を有することを特徴とする微小流路構造体。
  2. 前記流体供給用構造体の貯蔵空間から前記微小流路を有する微小流路基板の流体導入口へ、前記導入した1以上の流体を個別に導入できることを特徴とする請求項1に記載の微小流路構造体。
  3. 2以上の流体供給用構造体が微小流路基板の上面及び/または下面に重ねて配置されているときに、2以上の流体供給用構造体の各々の供給流路が上下方向で重ならずに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の微小流路構造体。
  4. 前記化学処理を行うあるいは前記流体により微粒子を生成するための微小流路を有する微小流路基板が2以上重ね合わされて構成されており、かつ前記微小流路の各流体導入口が、前記流体供給用構造体の供給流路のいずれかに連通していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微小流路構造体。
  5. 貯蔵空間の形状が円形状のくぼみであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微小流路構造体
  6. 貯蔵空間の形状が多角形状のくぼみであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微小流路構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の微小流路構造体を複数有し、前記複数の微小流路構造体に1以上の流体を供給するための手段と、前記複数微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と、を備えたことを特徴とするデスクサイズ型化学プラント。
  8. 前記流体を供給するための手段が圧送方式によるものであり、かつ前記微小流路構造体に供給する液体の脱気する手段を備えたことを特徴とする請求7に記載のデスクサイズ型化学プラント。
  9. 微小流路構造体へ流体を供給するための分配器と、微小流路構造体で生成された微粒子を回収するための集約器と、を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載のデスクサイズ型化学プラント。
  10. 前記微小流路構造体に流体を供給する際に、前記微小流路構造体内に生じる背圧を調整するための手段を備えたことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  11. 前記微小流路構造体を洗浄するための手段を備え、その洗浄手段として、流体が送液される方向に対して順方向又は逆方向に流体を流して洗浄できる機構を有していることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  12. 前記微小流路構造体を構成する微小流路を乾燥させるための気体を供給する手段を備えることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  13. 化学処理を行うあるいは微粒子を生成するための原料を貯蔵するタンクへの自動供給手段と、化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を回収するためのタンクからの自動移送手段とを備えていることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  14. 前記化学処理を行うあるいは微粒子を生成するための原料のうち、1以上の原料を再利用するため、前記微小流路から排出された生成物以外の原料を一時的に貯蔵するタンクと前記タンクから再利用する原料を、所定の前記原料を貯蔵するタンクに回収する手段と、を備えたことを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  15. 再利用する原料が、他の原料及び/又は前記化学処理を行って生成した生成物あるいは生成された微粒子を混入するときに、再利用する原料のみを分離する手段を備えたことを特徴とする請求項14に記載のデスクサイズ型化学プラント。
  16. 前記微小流路構造体に供給する流体を貯蔵するためのタンクと、前記微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物あるいは生成された微粒子を回収するためのタンクと、これらタンク及び微小流路構造体を温度制御する手段と、を備えたことを特徴とする請求項7〜15のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  17. 前記微小流路構造体へ流体を供給する際に、前記流体の供給量を調整するための複数のバルブを備え、前記複数のバルブを調整することで所定の供給流量に調整するための機能を備えたことを特徴とする請求項7〜16のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  18. 前記微小流路構造体への流体の供給、前記微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子の回収、前記微小流路構造体の洗浄、乾燥のいずれか1以上の処理において、自動制御可能な手段を備えたことを特徴とする請求項7〜17のいずれかに記載のデスクサイズ型化学プラント。
  19. 請求項1〜6のいずれかに記載の微小流路構造体に1以上の微粒子製造用の流体を供給するための手段と、前記微小流路構造体で生成された微粒子を回収するための手段と、を備えたことを特徴とする微粒子製造装置。
  20. 微粒子製造用の流体が、ゲル製造用原料を含む液体及びゲル製造用分散剤を含む液体であることを特徴とする請求項19記載の微粒子製造装置。
  21. 前記微小流路構造体を構成する前記微小流路がY字型であり、合流した流体中で分散相となる流体と合流した流体中で連続相になる流体とを前記Y字型流路のそれぞれ別の導入口から導入させて前記微小流路で合流させて微粒子を生成させることを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の微粒子製造装置。
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