JP2010214347A - 微小流路構造体を用いたマイクロ化学装置、その洗浄方法及び微粒子製造方法 - Google Patents

微小流路構造体を用いたマイクロ化学装置、その洗浄方法及び微粒子製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微小空間を用いた精密なマイクロ化学装置での均一な大きさの微小粒子生成や、反応溶液の均一な送液を、長期間に渡り、連続、繰り返し可能とするための微小流路構造体を用いたマイクロ化学装置および微粒子製造方法を提供する。
【解決手段】2以上の流体を導入する流体導入口と、2以上の流体が交わり、流体の化学処理あるいは微粒子や気泡を生成する微小流路を有し、化学処理を行った流体あるいは生成した微粒子を含有する流体を排出する流体排出口を有する微小流路構造体を用い、微小流路構造体に2以上の流体を供給するための手段と、微小流路構造体で流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは流体により生成した微粒子を回収するための手段と、微小流路構造体の少なくとも排出側に圧力計測手段1Cを備えたマイクロ化学装置、その洗浄方法及び微粒子製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小流路で化学処理を行うあるいは微粒子を生成する微小流路構造体とそれから構成されるマイクロ化学装置、その洗浄方法及びそれらを用いた微粒子製造方法に関する。
近年、数cm角のガラス基板上に長さが数cm程度で、幅と深さがサブμmから数百μmの微小流路を有する微小流路構造体を用い、流体を微小流路へ導入することにより化学反応あるいは微小粒子の生成を行う研究が注目されている。このような微小流路は、微小空間の短い分子間距離および大きな比界面積の効果により、効率の良い化学反応を行なうことができることが示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、界面張力の異なる2種類の液体を、交差部分が存在する流路に導入することにより極めて粒径が均一な微小粒子を生成することができる(例えば、非特許文献2、特許文献1、及び特許文献2参照)。なおここでいう微小粒子とは、固体状の微小粒子の他にも微小液滴や微小液滴の表面だけが硬化した微小粒子(以下、「半硬化」という。)や、非常に粘性が高い半固体状の微小粒子も含む。
また、前述した微小空間の短い分子間距離および大きな比界面積の効果により、効率の良い化学反応を行なうことができることや、界面張力の異なる2種類の液体を、交差部分が存在する流路に導入することにより極めて粒子系が均一な微小粒子を生成することができるような微小空間の特性を生かしたまま、微小流路での化学反応、微小粒子を工業生産に適用しようとする試みも行われている。この場合、微小空間の小ささ故に、単一の微小流路では、単位時間当りの生成量が少なくならざるを得ないが、多数の微小流路を並列に配置することができれば、前記微小流路の特性を生かしたまま単位時間当たりの生成量を増加させることができる(例えば、非特許文献3あるいは非特許文献4参照)。非特許文献3に示されるように、1本の微小流路を有する微小流路基板を、反応溶液の入り口や反応生成物の出口などの共通部分を貫通した縦穴でつないで積層することなどが試みられている。このように、微小空間の特徴を生かしたまま、大量に化学合成や微小粒子の生成を行なう場合には、最小単位である微小流路の集積度を平面的に高める、あるいは立体的に積層することで可能であると言われており、たとえば、微小流路構造体を使って化学処理を行うあるいは微粒子を生成する化学プラントに係るマイクロ化学装置としては、多数の流路を集積した微小流路構造体に原料の供給と生成物回収をシステム化している。(例えば特許文献3参照)
しかし、このような微小空間を用いた精密な反応・混合、微粒子生成システム、特に2以上の微小流路を有する微小流路基板や複雑な集積流路を用いたり、反応溶液の入り口や反応生成物の出口などの共通部分を貫通した縦穴でつないで積層した微小流路を集積したようなシステムでは、1つの送液ポンプから微量流路構造体内の複数の反応用微小流路あるいは微小液滴生成用微小流路に均一送液速度で供給することから、一旦、定常状態に供給するまでの、過渡的な状態ではそれぞれの流路に均一に供給されなかったり、また、定常状態から停止する場合においても同様に過渡的な流体の不均一供給状態が起こり、複数の流路を十分に洗浄することが困難である。このため、装置の立ち上げ、生産、洗浄といった流体の供給シーケンスによって、原料や生成物が微小流路内の壁面に吸着、堆積して微小流路の表面変質、汚染や閉塞しやすく、これにより、目的とする化学処理や、物理操作の均一性の達成や維持、また繰り返しの使用ができなくなり、微小空間の効果が損なわれるという課題があった。たとえば微小流路を化学反応単位操作に用いた流路の洗浄方法として層流渦の発生による洗浄方法や、流速の急激な変化による流路内壁の汚損の除去が提案されている(例えば特許文献4参照)、さらには、このような問題が発生した後、マイクロ化学装置の洗浄作業を行う場合は、装置を分解し、微小流路ごと洗浄液に投入して物理的洗浄、化学的洗浄、さらには可燃性の汚染の場合には酸素含有雰囲気下で焼き処理する処理などを手動で行うなど手間がかかり、改善が求められていた。
特許第2975943号公報 特許第3746766号公報 特許第4032128号公報 特開2006−272268公報
H.Hisamoto et.al.(H.ひさもと ら著)「Fast and high conversion phase−transfer synthesis exploiting the liquid−liquid interface formed in a microchannel chip」, Chem.Commun., 2662−2663頁, 2001年発行 西迫貴志ら、「マイクロチャネルにおける液中微小液滴生成」、第4回化学とマイクロシステム研究会講演予稿集、59頁、2001年発行 菊谷ら、「パイルアップマイクロリアクターによる高収量マイクロチャンネル内合成」、第3回化学とマイクロシステム研究会公演予稿集、9頁、2001年発行 A.Kawai et.al.「MASS−PRODUCTION SYSTEM OF NEARLY MONODISPERSE DIAMETER GEL PARTICLES USING DROPLETS FORMATION IN A MICROCHANNEL」,μ−TAS 2002 vol.1 368−370頁、 2002年発行
本発明の目的は、従来の実情に鑑みて提案されたものであり、微小空間を用いた精密なマイクロ化学装置での均一な大きさの微小粒子生成や、反応溶液の均一な送液を、長期間に渡り、連続、繰り返し可能とするための微小流路構造体を用いたマイクロ化学装置および微粒子製造方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するものとして、2以上の流体を導入する流体導入口と、前記2以上の流体が交わり、記流体の化学処理を行うあるいは前記流体により微粒子や気泡を生成するための1以上の微小流路を有し、前記化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体を用い、前記微小流路構造体に2以上の流体を供給するための手段と、前微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と圧力計測手段を備えた、マイクロ化学装置であり、また、送液する流体の種類や量によりその圧力計測値が変化することを利用した流体操作方法により、装置をスムーズに立ち上げ、生産、洗浄、停止することにより上記の従来技術の課題を解決することができることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。以下、本発明を詳細に説明する。
ここで、「微小流路」とは、流路の幅がサブミクロン〜1mm程度、流路の深さがサブミクロン〜1mm程度、流路の長さは特に制限はないが、数mm〜数cm程度を意味する。また、本発明における「流路」とは、微小流路以上の流路幅、流路深さ、流路長を有する流路を意味するが、微小流路を含めて「流路」と称することもある。
<マイクロ化学装置>
本発明のマイクロ化学装置は、2以上の流体を導入する流体導入口と、前記2以上の流体が交わり、記流体の化学処理を行うあるいは前記流体により微粒子や気泡を生成するための1以上の微小流路を有し、前記化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体を用い、前記微小流路構造体に2以上の流体を供給するための手段と、前微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と、前記微小流路構造体のすくなくとも排出側に圧力計測手段を備える。
ここで、導入する2以上の流体は気体あるいは液体のどちらでも良い。また化学処理とは混合、化学反応、抽出、分離を意味する。また微粒子を生成するとは、界面張力が異なる2種類以上の流体を微小流路の合流部で合流させ、その合流部において、一つの流体を他の流体でせん断し微粒子を生成することを意味する。なお、ここでいう微粒子は、液体状の微粒子、すなわち微小液滴であってもよい。
流体供給方法は、送液ポンプからキャピラリーチューブ等を通して微小流路構造体に導入するが、圧送方式による送液より、プランジャーポンプやダイヤフラムポンプ等の定量式送液ポンプであって出来るだけ脈流のないが良い。また、送液ポンプから送液された流体の脈動の影響を最小限にするために、送液ポンプから微量流路構造体の間に流量変動を低減させるダンパーや微小流路構造体中にリザーバー等を有する構造とすることが望ましい。また、出来るだけ送液する流体の滞留部がないように、配管、微小流路構造体は簡便とすることが望ましい。たとえば、溶液の切り替えバルブ等に3方弁等を用いた場合、閉止した側の配管を洗浄することが出来る機構のあることが望ましい。
また、生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収する部分には、微小流路構造体で流体に対して化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を回収するための回収タンクや、回収タンクから自動的に移送する手段を備えることで、原料タンクへの原料の自動供給及び回収タンクからの生成物の自動移送が可能となる。また、回収タンクには、微小粒子が破壊しないような導入経路を形成してあることが望ましい。また回収したエマルションが滞留しないように攪拌翼を備えていることが望ましい。撹拌翼の形状としては、剪断力の小さくても所用動力の大きな値のえることが出来る大型翼が好ましい。
また、マイクロ化学装置には前記微小流路構造体を複数有し、その複数の微小流路構造体へ流体を供給することを容易にするための分配器や前記各微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物、あるいは生成された微粒子を回収を容易にするための集約器を備えてもよい。このようにすることで、微小流路構造体への原料の供給から、微小流路構造体で流体に対する化学処理、あるいは微粒子を生成するときの配管の構造を簡素化することができる。このように集積した微小流路構造体を用いることにより、従来の小〜中規模の化学プラントに匹敵する生産能力を実現することが可能となる。また、このマイクロ化学装置には脱気装置や、安全弁、フィルタ、流量計、液滴観察機構、温度計測、調節機能、ガス検知機能、防爆構造設備、等を設置することで安定性、安全性がさらに向上させることが出来る。
また本発明のマイクロ化学装置は、前記微小流路構造体の供給側に圧力計測手段を備えた、マイクロ化学装置である。このように微小流路構造体の供給側に圧力計測手段機構を備え計測圧力により原料が微小流路に供給されたことが分かるようになり、運転状態を把握することが出来るようになる。微小な流路を用いた構造体では、集積化や配管による供給・排出流路容積や構造体中の分配流路等の容積が微小流路に対して比率が高く、装置の立ち上げ、運転、洗浄操作で、生成物の観察・計測・分析後のバルブ操作や、冗長な運転時間では、原料の浪費、生成物の廃棄量が必要以上に大きくなるが、供給部側の圧力計測や、供給と排出側の圧力差の変化を計測することにより、微小流路での流路導入、反応開始や、微粒子生成の現象が把握可能となり、生産を制御可能となると共に余分な原料等の削減が可能である。またこのマイクロ化学装置は、前記化学処理や微粒子の生産、あるいは生産前の立ち上げ操作、生産後の装置の洗浄のいずれか1以上の操作において、計測した圧力の変化を用いて流体を自動制御することを可能とする手段を備え、あらかじめ設定した運転条件によって自動運転するシステムであってもよい。
また、本発明のマイクロ化学装置は、微小流路構造体に微小流路構造体の温度制御する手段を備えた、マイクロ化学装置である。温度制御装置を備えているので、マイクロ化学装置の設置場所に依存せずに、原料である流体の安定した供給と、微小流路構造体で化学処理を行って生成した生成物や、生成された微粒子を安定した状態で生成、保持することができる。図6に微小流路構造体用の温度制御装置の概略を示す。微小流路構造体は、温調モジュールから温度制御された空気をファンによって循環する装置内に設置され、一定の温度に制御されているが、構造体を温度制御可能であれば、特に限定されない。
<微小流路構造体および微小流路>
ここで本発明に用いる微小流路構造体の基板(以下、微小流路基板ということがある。)とは、基板上に流路や微小流路及び、第一流体導入口や第二流体導入口、排出口に相当する貫通孔を有した基板を示す。また、本発明で用いる微小流路構造体とは、流路及び微小流路の蓋として機能するカバー体を、微小流路基板と一体化させたものや、2以上の微小流路基板を重ね合わせて一体化させ、最上部の微小流路基板の流路及び微小流路が形成されている面にカバー体を取り付けたものや、それをさらに積層化した構造体を示す。なお、カバー体にも分散相導入口や連続相導入口、排出口に相当する貫通孔があってもよい。ここで、微小流路が形成された基板及びカバー体の材質としては、微小流路や貫通孔の形成加工が可能であって、耐薬品性に優れ、適度な剛性を備えたものが望ましい。例えば、ガラス、石英、セラミック、シリコン、あるいは金属や樹脂等であっても良い。微小流路基板やカバー体の大きさや形状については特に限定はないが、厚みは数mm以下程度とすることが望ましい。
微小流路基板に形成する流路及び微小流路の加工は、微小流路基板の材質によって適切な加工方法を選べばよい。例えばガラスや石英、セラミックス、シリコン、あるいは金属や樹脂等の基板材料を、機械加工やレーザー加工、エッチングなどにより直接加工することによって製作できる。また、基板材料がセラミックスや樹脂の場合は、流路形状を有する金属等の鋳型を用いて成形することで製作することもできる。
カバー体に配置された小穴は、微小流路と微小流路構造体外部とを連通し、流体の導入口または排出口として用いる場合には、その径が例えば数mm程度であることが望ましい。カバー体の小穴の加工には、化学的に、機械的に、あるいはレーザー照射やイオンエッチングなどの各種の手段によって可能とされる。
また本発明の微小流路構造体において、微小流路基板と微小流路基板、または、微小流路基板とカバー体は、熱処理接合あるいは光硬化樹脂や熱硬化樹脂などの接着剤を用いた接着等の手段により積層一体化することができる。
また、カバー体により、微小流路構造体外部から微小流路へ流体を導入し、再び微小流路構造体外部へ流体を排出することができ、流体が微小量であったとしても、流体を安定して微小流路内を通過させることが可能となる。
<マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法>
本発明のマイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法は、前述のマイクロ化学装置を用いて、化学処理または、微小粒子を製造する方法であって、供給する流体の種類による供給側の圧力変化に応じて送液条件を調整する、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。ここで、送液条件とは、供給する流体の種類や混合比、添加物や界面活性剤の濃度や粘度、送液量、送液時間、流体の温度などの設定値を指す。
また、供給する流体の種類や量を、圧力の変化を測定して微小流路構造体の温度を制御する、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。
また、2以上の流体を導入する流体導入口と、前記2以上の流体が交わり、前記流体により微粒子や気泡を生成するための1以上の微小流路を有し、生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体を用いて、前記微小流路構造体に連続相となる流体と分散相となる流体を供給するための手段と、前微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した生成物、あるいは微粒子や気泡を回収するための手段を備えたマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないことを特徴とする微粒子製造方法である。また、微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないための方法が、排出側の配管を長くする、微粒子製造方法である。これは、排出側の配管を長くすることにより、排出液の送液の配管抵抗が大きくなり、圧力の低下を抑制することが出来るためである。また、排出配管径を狭隘化しても圧力の低下は抑制されるが、配管内の流速や微小粒子径によって、微小流路構造体で生成した微粒子を分裂しないような値に設定することが必要である。また、微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないための方法が、回収タンクを加圧する方法であることを特徴とする微粒子製造方法である。また、微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないための方法が、微小流路構造体より高い位置に回収タンクを設置することを特徴とする微粒子製造方法である。微小流路構造体より高い位置に回収タンクを設置することにより、水頭圧の減少による負圧現象を抑制することが可能となる。
また、前述のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生成する方法であって、重合性モノマーを含む分散相を送液して微粒子を生産した後、微小流路構造体を洗浄する時に重合性モノマーを含まない分散相となる液体を送液して、分散度20%以下となる液滴を形成する過程を有する、微粒子製造装置の洗浄方法である。分散度が20%以下の場合は、各流路から液滴が均一に生成していると考えられるが、分散度が20%を超えるような場合には、微小流路構造体中の一部では壁面を伝って層流となって流出している流路が存在する可能性があり、その流路の分散相の流量が大きくなる分、多の流路では連続相の流量が過小となり、一部の流路で分散相が不十分な洗浄状態となる場合が有る。連続相に重合性モノマー等の固化する成分を含む原料の場合には流路の閉塞につながる可能性があり好ましくない。また、重合性モノマーを含む分散相を送液して微粒子を生産した後、微小流路構造体を洗浄する時に重合性モノマーを含まない分散相となる液体を送液する洗浄過程において、送液原料種類や流量により供給側または排出側の圧力が変化することを利用し、洗浄時間を設定する、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。図7に実施例8での圧力計計測値の時間変化を示す。この図に示すように、流体の送液量を変化させずに送液する液を変化させた場合には、一定時間後に供給側、排出側の圧力の変化が起こり、その後安定する挙動を示す。この圧力変化する開始遅延時間や圧力一定となるまでの時間はマイクロ化学装置の配管長や、微小流路構造体、また、送液条件等によって変化することから、圧力の変動を利用することで装置内の溶媒の置換を効果的に行うことが出来る。たとえば、微小流路に送液する溶媒を変化させた場合、圧力が急峻に変化する場合と徐々に変化する場合がある。これは、微小流路構造体内の溶媒置換が急峻に置換する場合と、徐々に置換する場合に対応している。徐々に変化する場合には、急峻に置換する場合に比較して長時間の置換時間が必要であり、装置の運転状態を制御することが必要である。たとえば、図5の様な微小流路に分散相として酢酸ブチルとジビニルベンゼンの混合溶液からヘキサンに送液する溶媒を変化させるときとの圧力計測値の低下開始から低下して一定となるまでの時間と、同様に酢酸ブチルに溶媒を変化させたときの時間を比較すると酢酸ブチルに変化させた場合の方が約1.5長時間かかって変化した。
また、生産前の立ち上げ操作において分散相となる液体を送液開始した後、分散相のみ送液を停止させ、徐々に設定流量まで上昇させる操作を行うことを特徴とする化学処理方法または微粒子製造方法である。
また、生産前の立ち上げ操作において、連続相となる溶液と相溶性のある溶液を分散相流路および連続相流路の両方に送液することを特徴とする化学処理方法または微粒子製造方法である。分散相となる流体を送液する第一流体流路と連続相となる流体を送液する第二流体の流路の両方に、連続相となる溶液と相溶性のある流体を送液することや、分散相のみ停止することにより、たとえば図3の様な流路の流体交差部では相溶性の有る流体に流路壁面が濡れ、清浄とすることが出来ることから、分散相の付着を防止し、均一な流体交差状態を達成することが出来るようになる。均一な流体交差状態とは、たとえば均一な微小粒子形成や、規則的な分散相と連続相の交互送液流、均等な混合比での送液などを指す。また、分散相流路および連続相流路の両方に送液する流体が純水であることを特徴とする化学処理方法または微粒子製造方法である。連続相が水溶液相で有る場合、水は、極めて安定であり、粘度も比較的小さいため、界面活性力は小さいが微小流路表面を清浄に保つためには好適である。
また、生産前の立ち上げ操作において、過酸化水素を分散相流路および連続相流路の両方に送液する、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。連続相が水と相溶性が有る場合、流路壁面に付着した分散相流体などの連続相に溶けにくい物質が過酸化水素と反応して壁面を清浄とすることが出来る。また、微小流路構造体の流体分配供給部や共通流路内面も清浄にすることが出来る。また、過酸化水素を送液、放置することも効果的である。この際、微小流路構造体の排出側に連通するキャピラリーチューブ側を閉止せず、過酸化水素が分解して発生した気体と未反応の過酸化水素が、ゆっくり微小流路及び微小流路構造体中を送液され効果的に洗浄ができる。
また、生産前の立ち上げ操作において、連続相となる溶液と親和性のある溶液を分散相流路および連続相流路の両方に送液後、連続相となる溶液と相溶性のある溶液を分散相流路送液しながら、連続相流路側に界面活性剤を含む連続相を送液することを特徴とする化学処理方法または微粒子製造方法である。また、連続相流路側に界面活性剤を含む連続相を送液する液体がポリビニルアルコール水溶液である、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。
また、生産前の立ち上げ操作において分散相と連続相となる液体をそれぞれ送液した後、分散相のみ送液を減少させて連続相に対して分散相の送液比を小さくし、その後、徐々に生産時の設定流量まで上昇させる操作を行う、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。連続相に対して分散相の送液比を変化させて送液することは、例えば、図5のような、多数の第二流体流路(22)に1本の第一流体の流路が交差するような構造の微小流路では導入側に近い流路と排出側に近い流路との送液量が変化して洗浄効果がある。また、図5のような形態の流路の場合、第一の流体である分散相の送液を停止すると第二の流体の導入に近い流路から連続相が逆流したのち、また下流側にの枝流路から排出することになり、好適な形態ではない。図8に分散相流量を下げすぎたために、分散相枝流路から連続相が逆流した図を示す。図5のような微小流路の場合の流量比は、枝流路の長さ、深さや幅といった微小流路の構造と、送液する流体の粘度や流速からシミュレーションによって最適な値が計算出来る。また、流路の送液状況を観察し、逆流しない範囲において分散相の流量を減少させても良い。
また、生産前の立ち上げ操作において微小流路構造体中で分散相となる微粒子中に重合性モノマーを含む分散相を送液する前に、重合性モノマーを含まない分散相となる液体を送液することを特徴とする化学処理方法または微粒子製造方法である。通常、微小流路構造体および配管等の装置内は、送液した流体の性状が例えば、高粘度な流体や、晶析するような物質や重合性のモノマーを含むような流体を送液する場合などには、使用後後に低粘度な溶媒への置換や可溶性溶媒での送液洗浄や分解洗浄することが望ましい。また、分散相と連続相というような実質的に交じり合わない媒体どうしの化学処理や微粒子生成などの物理操作では、微小流路内で界面が生成しており、その界面の洗浄には、アルコールやケトン類などのどちらとも相容性のある溶媒を送液洗浄する。また、微小流路および微小流路構造体の保管には内容物、微小流路や界面の洗浄後に、洗浄残渣の可能性のある重合性、晶析性、反応性物質を希釈する溶媒や、阻害剤(インヒビター)の添加、溶解するような溶媒を封入する。生産前の立ち上げには、固体の生成物、もしくは粘性の高い生成物を含まず、もしくは生成しない流体を送液することが望ましい。
また、分散相となる液体の微小流路導入側圧力の計測値が、生産する分散相を同じ速度で送液したときに計測される分散相圧力の計測値より小さくなる分散相を、生産前の立ち上げ操作において送液する、マイクロ化学装置の洗浄方法または微粒子製造方法である。
微小流路構造体に送液する溶媒を変化させた場合に圧力が変化することは前述したが、特に分散相となる第一の供給側の圧力計測値が前送液溶媒の送液時より高くなるような溶媒を送液した場合には、溶液置換した分散相が流れる第一、第二流体交差部までの圧力が高くなるので、その他の流路に溶媒が置換しやすくなる現象が起こる。すなわち置換が均一に起こりやすい特徴が有る。逆の場合は、低圧になった流路に多量に分散相が送液されることになり、不均一な送液状態となる。極端な場合には、特定の流路から分散相が流れなくなったり、特定の流路から多量の分散相が壁面を伝って二層流状態で流出するなどの均一な状態での送液が出来なくなるという現象が発生しやすくなる。すなわち、生産前にあらかじめ分散相圧力の小さくなる分散相を、送液しておくことにより、生産溶媒の浪費を抑制出来るばかりでなく、均一な送液状態を達成可能とすることが出来る。
本発明において用いられる分散相とは、第一の流体供給配管から供給され、流路構造体によって生成される微小粒子を構成するための液状物やガスであり、例えば、スチレンなどの重合用のモノマー、ジビニルベンゼンなどの架橋剤、重合開始剤等のゲル製造用の原料を適当な溶媒に溶解した液体や、一酸化炭素や水素や塩素やまたそれらの混合物などの気体を指す。ここで分散相としては、微小粒子や気泡を効率的に生成させるためであれば微小流路構造体中の流路を送液できるものであれば特に制限されず、さらに微小粒子を形成させることができればその成分も特に制限されない。また、分散相中に例えば微小な粉末の様な固体状物が混在したスラリー状のものであっても差し支えないし、分散相が複数の流体から形成される層流であっても良いし、複数の流体から形成される混合流体であっても懸濁液(エマルション)であっても良い。
また、本発明において用いられる連続相とは、第二の流体供給配管から供給され、微小流路構造体によって分散相より微小粒子を生成させるために用いられる液状物であり、例えば、ポリビニルアルコールのゲル製造用の分散剤を適当な溶媒に溶解した媒体を指す。ここで連続相としては分散相と同様に、微小流路構造体中の流路を送液できるものであれば特に制限されず、さらに微小粒子を形成させることができればその成分は特に制限されない。また、連続相中に例えば微小な粉末の様な固体状物が混在したスラリー状のものであっても差し支えないし、分散相が複数の流体から形成される層流であっても良いし、複数の流体から形成される混合流体であっても懸濁液(エマルション)であっても良い。生成する微小粒子組成の観点から見た場合は、微小粒子の最外層が有機相であれば連続相の最外層は水相となり、微小粒子の最外層が水相であれば連続相の最外層は有機相となる。
さらに、分散相と連続相とは微小粒子を生成させるために、実質的に交じり合わないあるいは相溶性がないことが好ましく、例えば、分散相として水相を用いた場合には連続相としては水に実質的に溶解しない酢酸ブチルといった有機相が用いられることとなる。また、連続相として水相を用いた場合にはその逆となる。
また本発明の微小粒子の用途の例としては、高速液体クロマトグラフィー用カラムの充填剤、シールロック剤などの接着剤、金属粒子の絶縁粒子、圧力測定フィルム、ノーカーボン(感圧複写)紙、トナー、熱膨張剤、熱媒体、調光ガラス、ギャップ剤(スペーサ)、サーモクロミック(感温液晶、感温染料)、磁気泳動カプセル、農薬、人工飼料、人工種子、芳香剤、マッサージクリーム、口紅、ビタミン類カプセル、活性炭、含酵素カプセル、DDS(ドラッグデリバリーシステム)などのマイクロカプセルやゲルが挙げられる。
また、微小流路を化学反応や微粒子生産以外の物理操作場としての用途としては、混合、抽出、溶解、吸収、吸着など2以上の流体の界面を利用した物理操作や、液液界面、気液界面を形成する急激な発熱反応や、界面積の増大に応じて反応速度が向上するような反応に好適である。
実施例1に用いたマイクロ化学装置を示す概略図である。 実施例1に用いた微小流路構造体を示す概略図である。 実施例1に用いた微小流路基板を示す概略図である。 実施例1に用いたステンレス製圧力センサ治具と圧力センサの外観写真である。 実施例6に用いた微小流路基板を示す概略図である。 微小流路構造体用の温度制御装置の概略図である。 実施例8での圧力計計測値の時間変化を示す図である。 実施例6の流路に、第二の流体送液用ポンプより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液し、同時に、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液を微小流路構造体に0.9mL/分で送液した時に分散相枝流路(22)から連続相が第一流体微小流路(16)へ逆流した図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。
実施例1
本発明で用いた微小流路基板を図3に示す。また、本発明で用いた微小流路構造体の構成を図2に示す。また、本発明で用いたマイクロ化学装置のブロック図を図1に示す。図3のように微小流路基板は、第一の流体を導入する50の流体導入口(15)と、第二の流体を導入する25の流体導入口(17)とを有し、前記2種類の流体が交わり、微粒子を生成するための100の微小流路交差部(19)を有し、生成した微粒子を排出する50の流体排出口(21)を有する直径5インチ、厚さ1.2mmのパイレックス(登録商標)基板を用いた微粒子生成用ガラス製微小流路基板であり、一般的なフォトリソグラフィーとウェットエッチングにより形成した。また、流体供給排出口用に機械加工により直径1.5mmの貫通穴を形成した。
微小流路基板に形成した微小流路の流路幅は210μm、流路深さは100μmであり、微小流路基板の半径35mmから55mmの間のスペースにY字型に形成した。導入流路としてのY字の角度は44度、Y字の合流部(19)から流体排出口(21)までの微小流路の長さは5mmとした。流体導入口に関しては、1つの流体導入口から2本の導入流路に分岐する形状とし、流体排出口に関しては、2本の排出流路(20)から1つの流体排出口に合一する形状とした。第1の流体を導入する流体導入口(15)は半径55mmの同心円上の位置に、第2の流体を導入する流体導入口は半径35mmの同心円上の位置にそれぞれ半径位置をずらし、また、周方向の角度を7.2°ずらして配置した。微小流路からの流体排出口(21)は半径30mmの同心円上の位置に配置した。また、図2のように微小流路構造体は、下部に2種類の流体を導入するための流体分配供給部(13)(14)を配し流体分配供給部から連通した共通流路(24)からそれぞれの基板の50の導入口(15)、(18)へ各微小流路基板を経由して排出される50の流体排出口(21)から50の共通排出流路(24)を通って微小流路構造体の上部で放射状に合流し排出される構造を有している。この微小流路構造体に、微小流路基板を基板ホルダーA(2)、B(3)間にそれぞれパッキンを挟んで3枚積層した。このようにすることで、微小流路構造体から微小流路微小流路基板の流体導入口へ導入、また微小流路から微小流路体への排出が、それぞれの流体供給、排出部と重ならずに配置され簡便に集積されている。
また、図1のようにこの前記微小流路構造体に第一、第二の流体を供給するための3台のポンプとしてプランジャーポンプと、前微小流路構造体で前記流体により生成した微粒子を回収するためのタンクを有し、前記微小流路構造体の供給側および排出側にHI−NET社製 PXV型圧力センサ(0〜1MPa)(22)を備えている。この圧力計に滞留部のないように図4のようなステンレス製治具を製作し、スウェッジロック社製配管用継ぎ手(23)で接続した。このように圧力計を接続したキャピラリーチューブ(8)(9)と流体の導入用フレアフィットアダプターを介して微小流路構造体を接続した。また、排出口用フレアフィットアダプターを介してキャピラリーチューブ(4)に導入用と同様に圧力計(22)を接続し、さらに1.5m下方の回収タンクにキャピラリーチューブで接続した。回収タンクには、排出側に接続した圧力計測値が0kPa以上になるように加圧した。
本実施例では、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液を微小流路構造体に5.0mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより3%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に6.0mL/分の送液速度で送液した。
このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ9kPa、15kPa、2kPaであった。このとき生成・回収したポリビニルアルコール水溶液中のジビニルベンゼンと酢酸ブチル混合溶液エマルションの微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、平均粒径が241μmでその分散度が4%であった。また、なお、粒径の分散度とは、サンプリングした微小液滴の粒径の標準偏差を平均粒径で除算して得られる値で、粒径分布の広がりを示す目安となる数値である。
比較例1
実施例1と同様な装置を用いてタンクを加圧せずに送液した。このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ0kPa、2kPa、−13kPaであった。また捕集したエマルションの微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、平均粒径が238μmでその分散度が18%と大きかった。
実施例2
実施例1と同様な図3のような流路パターンで、流路幅110μm、流路深さは50μmの微小流路を形成した基板を、図2と同様にして15枚積層した微小流路構造体を用いた。
また、図3のようにこの前記微小流路構造体に第一、第二の流体を供給するための3台のプランジャーポンプと、前記微小流路構造体の供給側および排出側圧力計を備えた装置を用いて、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルと開始剤を1:1:0.005の割合の混合溶液を微小流路構造体に4.0mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより4%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に8.0mL/分の送液速度で送液した。
このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ35kPa、50kPa、3kPaであった。このとき生成・回収したポリビニルアルコール水溶液中のジビニルベンゼンと酢酸ブチル混合溶液エマルションの微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、平均粒径が約128μmでその分散度が5%であった。この液滴を生成した後、装置を洗浄するために第一の流体送液用ポンプより混合溶液に変えて重合性のない酢酸ブチルに変え、4.0mL/分の送液量のまま送液しながら、第二の流体送液用ポンプは4%のポリビニルアルコール水溶液を8.0mL/分で15分送液した。また、4%のポリビニルアルコール水溶液の粘度は約40mPa・sである。このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ30kPa、47kPa、3kPaであり、捕集した微小液滴の平均粒径が138μmでその分散度が4%と均一であった。その後、ポリビニルアルコール水溶液に変えて純水を16.0mL/分の送液速度で15分送液したとき、このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ30kPa、4kPa、1kPaであり、供給側圧力計の圧力がほぼ低下しきったことを確認してから両ポンプの微小流路構造体への送液を停止した。14日後、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液を微小流路構造体に3.5mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより4%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に8.0mL/分の送液速度で送液した。このとき捕集した微小液滴の平均粒径が約121μmでその分散度が5%と均一であった。また、微小液滴の捕集は、排出側の圧力が負圧にならないようにチューブを短くカットして捕集している。
比較例2
実施例2と同様に開始剤入りの液滴を生成した後、装置を洗浄するために第一の流体送液用ポンプより混合溶液に変えて重合性のない酢酸ブチルに変え、4.0mL/分の送液量のまま送液しながら、同時に第二の流体送液用ポンプからの送液をポリビニルアルコール水溶液に変えて純水を16.0mL/分の送液速度で30分送液したとき、このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ29kPa、4kPa、1kPaであり、供給側圧力計の圧力がほぼ低下しきったことを確認してから両ポンプの微小流路構造体への送液を停止した。14日後、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液を微小流路構造体に3.5mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプより4%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に8.0mL/分の送液速度で送液した。このとき捕集した微小液滴の平均粒径は約130μmでその分散度が21%と不均一であった。分解して微小流路および微小流路構造体を観察したところ、流路一部および、放射状の集合流路で白い重合物が確認された。
実施例3
実施例2と同様な図3のような流路パターンで、流路幅66μm、流路深さは28μmの微小流路を形成した基板、15枚積層した微小流路構造体、装置を用いて、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルを1:1の割合の混合溶液を微小流路構造体に1.5mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより4%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に2.5mL/分の送液速度で送液した。
このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ35kPa、44kPa、1kPaであった。このとき生成・回収したポリビニルアルコール水溶液中のジビニルベンゼンと酢酸ブチル混合溶液エマルションの微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、平均粒径が約74μmでその分散度が4.7%であった。この液滴を生成した後、装置を洗浄するために第一の流体送液用ポンプより混合溶液に変えて重合性のない酢酸ブチルに変え1.5mL/分の送液量のまま送液しながら、第二の流体送液用ポンプは4%のポリビニルアルコール水溶液2.5mL/分で15分送液した。1.5mL/分の送液量のまま送液しながら、第二の流体送液用ポンプは4%のポリビニルアルコール水溶液を2.5mL/分で20分送液した。その後、ポリビニルアルコール水溶液に変えて純水を5.0mL/分の送液速度で15分送液洗浄して供給側圧力計の圧力がほぼ低下しきったことを確認してから両ポンプの微小流路構造体への送液を停止した。3日後、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液を微小流路構造体に3.0mL/分、第二の流体送液用ポンプにより4%のポリビニルアルコール水溶液を3.0mL/分で10分送液した後、第一のポンプの送液を止め、第二のポンプのみ2.5ml/分で5分送液した後、5分かけて1.5ml/分まで徐々に送液速度を上げた。10分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約76μmでその分散度が7%と均一であった。
比較例3
実施例3と同様に洗浄・停止した3日後、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液を微小流路構造体に1.5mL/分、第二の流体送液用ポンプにより4%のポリビニルアルコール水溶液を2.5mL/分で送液開始した10分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約66μmでその分散度が19%と不均一であった。
実施例4
実施例3と同様に洗浄・停止した3日後、第一、第二の流体送液用ポンプによりそれぞれ純水を3.0ml/分、5ml/分で10分送液した後、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液を微小流路構造体に1.5mL/分、第二の流体送液用ポンプにより4%のポリビニルアルコール水溶液を2.5mL/分で送液開始した20分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約77μmでその分散度が9%と均一であった。
実施例5
実施例3と同様に洗浄・停止した3日後、第一、第二の流体送液用ポンプによりそれぞれ純水を3.0ml/分、5ml/分で10分送液した後、第一の流体送液用ポンプに純水を1.5ml/粉の流速で流し、第二の流体送液用ポンプは純水に換えて4%のポリビニルアルコール水溶液を2.5mL/分で送液開始した。その10分後、第一の流体送液用ポンプを純水からジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1混合溶液に換えて1.5mL/分で送液開始した。20分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約77μmでその分散度が7%と均一であった。
実施例6
本発明で用いた微小流路基板を図5に示す。図5のように微小流路基板は、第一の流体を導入する25の流体導入口(15)と、第二の流体を導入する50の流体導入口(17)とを有し、前記2種類の流体が交わり、微粒子を生成するための微小流路交差部(19)を有し、生成した微粒子を排出する25の流体排出口(21)を有する直径5インチ、厚さ1.2mmのパイレックス(登録商標)基板を用いた微粒子生成用ガラス製微小流路基板であり、一般的なフォトリソグラフィーとウェットエッチングにより形成した。また、流体供給排出口用に機械加工により直径1.5mmの貫通穴を形成した。第一流体微小流路の枝流路(22)は流路幅19μm、流路深さ7μmであり、100μmの間隔で平行な40本の枝流路が第一の導入流路と排出流路(20)にそれぞれ連通している。第二流体微小流路(17)の流路幅153μm、深さ45μmであり、排出流路の流路幅は203μm、深さ45μmである。また、この基板を用いて、図2と同様な形態で5枚積層し、微小流路構造体とした。
この微小流路構造体を用いて、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。同時に、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液を微小流路構造体に1.50mL/分で送液開始し、4.5ml/分まで20分かけて徐々に送液速度を上げた。送液速度が一定になってから10分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約31μmでその分散度が7%と均一であった。
比較例4
実施例6と同様の基板、同様の微小流路構造体を用いて、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルを1:1の割合の混合溶液を微小流路構造体に4.50mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。20分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約34μmでその分散度が10%と均一であったが、300μm以上の大きな液滴が混在していた。
実施例7
実施例6と同様の基板、同様の微小流路構造体を用いて、第一の流体送液用ポンプにより酢酸ブチルを微小流路構造体に4.50mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ104kPa、152kPa、44Paであった。このとき生成・回収したポリビニルアルコール水溶液中の酢酸ブチルエマルションの微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、平均粒径が約38μmでその分散度が7.5%と均一であった。その後、第一の流体送液用ポンプからの送液をジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液に切り替えて送液し、20分後、圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ130kPa、190kPa、46Paと変化しほぼ一定となった後、捕集した微小液滴の平均粒径は約32μmでその分散度が8%と均一であった。
実施例8
実施例6と同様の基板、同様の微小流路構造体を用いて、第一の流体送液用ポンプによりヘキサンを混合溶液を微小流路構造体に4.50mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ94kPa、150kPa、43Paであった。このとき生成・回収したポリビニルアルコール水溶液中のヘキサンエマルションの微小液滴の粒径の分散度を100個の微小液滴をサンプリングして測定した結果、平均粒径が約43μmでその分散度が9%と均一であった。その後、第一の流体送液用ポンプからの送液をジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液に切り替えて送液した。20分後、圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ130kPa、190kPa、46Paと変化しほぼ一定となった後、捕集した微小液滴の平均粒径は約32μmでその分散度が8%と均一であった。このときの圧力計計測値の時間変化を図7に示す。
比較例5
実施例6と同様の基板、同様の微小流路構造体を用いて、第一の流体送液用ポンプによりジクロロメタンを微小流路構造体に4.50mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ134kPa、200kPa、47Paであった。その後、第一の流体送液用ポンプからの送液をジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液に切り替えて送液し、20分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約31μmでその分散度が24%と不均一であった。また、このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ124kPa、178kPa、45Paであった。
比較例6
実施例6と同様の基板、同様の微小流路構造体を用いて、第一の流体送液用ポンプによりドデカンを混合溶液を微小流路構造体に4.50mL/分で送液し、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ156kPa、205kPa、45Paであった。その後、第一の流体送液用ポンプからの送液をジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液に切り替えて送液し、20分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約33μmでその分散度が20%と不均一であった。また、このときの圧力計(1a)(1b)(1c)の計測値はそれぞれ125kPa、180kPa、45Paであった。
実施例9
実施例6と同様の基板、同様の微小流路構造体、同様な送液方法を用いて、均一な液滴を生成した後、装置を洗浄するために第一の流体送液用ポンプより混合溶液に変えて重合性のない酢酸ブチルに変え4.5mL/分の送液量のまま送液しながら、第二の流体送液用ポンプは2%のポリビニルアルコール水溶液9.0mL/分で15分送液した。その後、ポリビニルアルコール水溶液に変えて純水を9.0mL/分の送液速度で15分送液洗浄して供給側圧力計の圧力がほぼ低下しきったことを確認してから両ポンプの微小流路構造体への送液を停止した。2日後、第一、第二の流体送液用ポンプによりそれぞれ純水を4.5ml/分、9.0ml/分で10分送液した後、過酸化水素30%溶液を同様に第一、第二の流体送液用ポンプによりそれぞれ4.5ml/分、9.0ml/分で20分送液した後、排出側キャピラリーチューブ配管を閉止せずに1日放置した。その後、第一、第二の流体送液用ポンプによりそれぞれ純水を4.5ml/分、9.0ml/分で10分送液した後、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。同時に、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液を微小流路構造体に1.50mL/分で送液開始し、4.5ml/分まで20分かけて徐々に送液速度を上げた。送液速度が一定になってから10分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約32μmでその分散度が8%と均一であった。
比較例7
実施例9と同様の基板、同様の微小流路構造体を用い、同様に送液したが、2日後の水洗浄と過酸化水素洗浄を省略し、3日後、第一、第二の流体送液用ポンプによりそれぞれ純水を4.5ml/分、9.0ml/分で10分送液した後、第二の流体送液用ポンプにより2%のポリビニルアルコール水溶液を微小流路構造体に9.0mL/分の送液速度で送液した。同時に、第一の流体送液用ポンプによりジビニルベンゼンと酢酸ブチルの1:1の割合の混合溶液を微小流路構造体に1.50mL/分で送液開始し、4.5ml/分まで20分かけて徐々に送液速度を上げた。送液速度が一定になってから10分後、捕集した微小液滴の平均粒径は約35μmでその分散度が21%と不均一であった。
1a: 導入側圧力計測機構
1b: 導入側圧力計測機構
1c: 排出側圧力計測機構
2 : 基板ホルダーA
3 : 基板ホルダーB
4 : 排出側キャピラリーチューブ
5 : 排出側集合部
6 : 微小流路基板
7 : パッキン
8 : 第一の流体供給側キャピラリーチューブ
9 : 第二の流体供給側キャピラリーチューブ
10 : 第一の流体分配流路
11 : 第二の流体分配流路
12 : 排出側集合部面(5部の平面図)
13 : 第二の流体分配供給部(10部の平面図)
14 : 第二の流体分配供給部(11部の平面図)
15 : 第一流体導入口
16 : 第一流体微小流路
17 : 第二流体導入口
18 : 第二流体微小流路
19 : 第一、第二流体交差部
20 : 排出流路
21 : 排出口
22 : 圧力センサ
23 : スウェッジロック社製配管継ぎ手
24 : 共通流路
25 : 微小流路構造体
26 : 防滴板
27 : 温調モジュール
28 : ファン
29 : 空気の流れ

Claims (24)

  1. 2以上の流体を導入する流体導入口と、前記2以上の流体が交わり、前記流体の化学処理を行うあるいは前記流体により微粒子や気泡を生成するための1以上の微小流路を有し、前記化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体を用い、前記微小流路構造体に2以上の流体を供給するための手段と、前微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と、前記微小流路構造体のすくなくとも排出側に圧力計測手段を備えたことを特徴とするマイクロ化学装置。
  2. 2以上の流体を導入する流体導入口と、前記2以上の流体が交わり、前記流体の化学処理を行うあるいは前記流体により微粒子や気泡を生成するための1以上の微小流路を有し、前記化学処理を行った1以上の流体あるいは生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体を用い、前記微小流路構造体に2以上の流体を供給するための手段と、前微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した微粒子を回収するための手段と、前記微小流路構造体の供給側に圧力計測手段を備えたことを特徴とするマイクロ化学装置。
  3. 前記化学処理や微粒子の生産、あるいは生産前の立ち上げ操作、生産後の装置の洗浄のいずれか1以上の操作において、排出側で計測した圧力の変化と供給側で計測した圧力の差を用いて流体を自動制御することを可能とする手段を流体の供給側に備えたことを特徴とする請求項2記載のマイクロ化学装置。
  4. 微小流路構造体に微小流路構造体の温度制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ化学装置。
  5. 請求項1記載の化学処理装置または微粒子製造装置を用いて化学処理または、微小粒子を製造する方法であって、供給する流体の種類による供給側の圧力変化に応じて送液条件を調整することを特徴とする微粒子製造方法。
  6. 請求項2記載の化学処理装置または微粒子製造装置を用いて化学処理または、微小粒子を製造する方法であって、供給する流体の種類や量を、圧力の変化を測定して微小流路構造体の温度を制御することを特徴とする微粒子製造方法。
  7. 2以上の流体を導入する流体導入口と、前記2以上の流体が交わり、前記流体により微粒子や気泡を生成するための1以上の微小流路を有し、生成した微粒子を含有する1以上の流体を排出する1以上の流体排出口を有する微小流路構造体を用いて、前記微小流路構造体に連続相となる流体と分散相となる流体を供給するための手段と、前微小流路構造体で前記流体に対し化学処理を行って生成した生成物、あるいは前記流体により生成した生成物、あるいは微粒子や気泡を回収するための手段を備えたマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないことを特徴とする微粒子製造方法。
  8. 微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないための方法が、排出側の配管を長くすることを特徴とする請求項7記載の微粒子製造方法。
  9. 微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないための方法が、回収タンクを加圧する方法であることを特徴とする請求項7記載の微粒子製造方法。
  10. 微小流路排出側の圧力計測手段による圧力計測値が負圧にならないための方法が、微小流路構造体より高い位置に回収タンクを設置することを特徴とする請求項7記載の微粒子製造方法。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生成する方法であって、重合性モノマーを含む分散相を送液して微粒子を生産した後、微小流路構造体を洗浄する時に重合性モノマーを含まない分散相となる液体を送液して、分散度20%以下となる微小粒子を形成する過程を有することを特徴とするマイクロ化学装置の洗浄方法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、重合性モノマーを含む分散相を送液して微粒子を生産した後、微小流路構造体を洗浄する時に重合性モノマーを含まない分散相となる液体を送液する洗浄過程において、送液原料種類や流量により供給側または排出側の圧力が変化することを利用し、洗浄時間を設定することを特徴としたマイクロ化学装置の洗浄方法。
  13. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、生産前の立ち上げ操作において分散相となる液体を送液開始した後、分散相のみ送液を停止させ、徐々に設定流量まで上昇させる操作を行うことを特徴とするマイクロ化学装置の洗浄方法。
  14. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、生産前の立ち上げ操作において分散相と連続相となる液体をそれぞれ送液した後、分散相のみ送液を停止させ、徐々に生産時の設定流量まで上昇させる操作を行うことを特徴とするマイクロ化学装置の洗浄方法。
  15. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、生産前の立ち上げ操作において、連続相となる溶液と親和性のある溶液を分散相流路および連続相流路の両方に送液することを特徴とするマイクロ化学装置の洗浄方法。
  16. 生産前の立ち上げ操作において、分散相流路および連続相流路の両方に送液する流体が純水であることを特徴とする請求項15記載のマイクロ化学装置の洗浄方法。
  17. 生産前の立ち上げ操作において、連続相となる溶液と相溶性のある溶液を分散相流路および連続相流路の両方に送液後、連続相となる溶液と相溶性のある溶液を分散相流路送液しながら、連続相流路側に界面活性剤を含む連続相を送液することを特徴とする請求項15または請求項16記載のマイクロ化学装置の洗浄方法。
  18. 連続相流路側に界面活性剤を含む連続相を送液する液体がポリビニルアルコール水溶液であることを特徴とする請求項17のマイクロ化学装置の洗浄方法。
  19. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、生産前の立ち上げ操作において分散相と連続相となる液体をそれぞれ送液した後、分散相のみ送液を減少させて連続相に対して分散相の送液比を小さくし、その後、徐々に生産時の設定流量まで上昇させる操作を行うことを特徴とする微粒子製造方法。
  20. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、生産前の立ち上げ操作において微小流路構造体中で分散相となる微粒子中に重合性モノマーを含む分散相を送液する前に、重合性モノマーを含まない分散相となる液体を送液することを特徴とする微粒子製造方法。
  21. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、分散相となる液体の微小流路導入側圧力の計測値が、生産する分散相を同じ速度で送液したときに計測される分散相圧力の計測値より小さくなる分散相を、生産前の立ち上げ操作において送液することを特徴とする微粒子製造方法。
  22. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、分散相となる液体の微小流路導入側の圧力計測値が、生産する分散相を同じ速度で送液したときに計測される分散相圧力の計測値より小さくなる分散相を、生産前の立ち上げ操作において送液することを特徴とする請求項20記載の微粒子製造方法。
  23. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、生産前の立ち上げ操作において、過酸化水素を分散相流路および連続相流路の両方に送液することを特徴とする微粒子製造方法。
  24. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ化学装置を用いて、微粒子を生産する方法であって、生産前の立ち上げ操作において、過酸化水素を分散相流路および連続相流路の両方に送液したのち、排出側配管を閉止せずに放置することを特徴とする微粒子製造方法。
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