JP4031718B2 - 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱装置、定着装置、及び複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は、省電力化を図る上で、画像形成後待機時の消費エネルギ−を削減する必要がある。このため、画像形成装置の定着装置における定着ロ−ラの待機時温度を低い値に押さえる必要があり、画像形成時に定着ロ−ラの温度が待機時温度から定着開始温度へ復帰する際の待ち時間を低減するために定着ロ−ラの熱容量を下げる必要がある。
【0003】
しかし、熱容量を下げた定着ロ−ラは、画像形成時に記録材上のトナーを加熱して記録材に定着させる際に記録材及びトナーに熱量を奪われると、熱容量の大きい定着ロ−ラと比較して表面温度が速く降下して、定着性を満足する下限温度以下となり、定着不良が発生しやすい。
【0004】
そこで、定着装置は、このような不具合を解決するために、充電可能な補助電源を画像形成装置内に設けて画像形成時に補助電源から定着ヒ−タに電力供給を行って定着ヒ−タにより定着ロ−ラを加熱することにより、画像形成時における定着ロ−ラの表面温度の降下を防止し、かつ、補助電源の容量には上限があることから節約のために補助電源から定着ヒ−タへの電力供給は定着性を満足する下限温度以下となる場合のみとするものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記定着装置では、画像形成装置近傍の雰囲気温度(例えば定着ローラまたは定着装置の近傍の雰囲気温度など)が低温の場合には、上記雰囲気温度が常温の場合と比較して上記下限温度が上昇する。このため、上記雰囲気温度が低温の場合には定着ローラの表面温度が下限温度以下となり、定着不良が発生して良好な画像が得られない。
【0006】
また、定着ロ−ラの周速が変更可能な定着装置においては、定着ロ−ラの周速が速い場合には、定着性を満足する下限温度は、定着ロ−ラの周速が遅い場合と比較して上昇するために定着ローラの表面温度が下限温度以下となり、定着不良が発生して良好な画像が得られない。
【0007】
また、補助電源に二次電池である一般的なニッケル-カドミウム電池を用いた場合には、ニッケル-カドミウム電池の急速充電を行っても数時間の時間を要し、ニッケル-カドミウム電池の充電に時間がかかりすぎる。さらに、ニッケル-カドミウム電池は、充放電の繰り返し回数が500から1000回であるため、加熱時用補助電源としては寿命が短い。
【0008】
本発明の目的は、雰囲気温度が低下しても被加熱体の温度が下限温度以下とならなず、補助電源の充電時間が短くて補助電源の寿命が長い加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、雰囲気温度が低下しても定着不良が発生しない定着装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、雰囲気温度が低下しても良好な画像が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する第1の検知手段と、前記被加熱体近傍の雰囲気温度を検知する第2の検知手段と、前記加熱手段の温度が所定の画像形成開始温度まで達した後に、前記第2の検知手段の検知信号により前記第1の検知手段の検知した前記加熱部の温度が定着性を満足する所定の下限温度まで達すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させる制御手段とを有し、画像形成装置の定着装置に用いられる加熱装置において、前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知信号に基づき前記第2の検知手段の検知した前記雰囲気温度によって前記下限温度を変えるものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知温度及び前記第2の検知手段の検知温度に基づき前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を制御するものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知温度が低いほど前記補助電源から前記加熱手段への電力供給量を大きくするものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、移動速度の変更可能な被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する検知手段とを有する加熱装置において、前記被加熱体の移動速度に基づき前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を制御する制御手段を備えたものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記検知手段の検知温度及び前記被加熱体の移動速度に基づき前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を制御するものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項4または5記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記被加熱体の移動速度が速いほど前記補助電源から前記加熱手段への電力供給量を大きくするものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記補助電源として接続を変更可能な複数のキャパシタを備えたものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の加熱装置を有し、この加熱装置により定着部材を加熱するものである。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8記載の定着装置を有し、この定着装置により記録材上のトナーを記録材に定着させるものである。
請求項10に係る発明は、被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する第1の検知手段と、前記被加熱体近傍の雰囲気温度を検知する第2の検知手段とを有し、画像形成装置の定着装置に用いられる加熱装置であって、前記第2の検知手段の検知信号により前記第2の検知手段の検知した前記雰囲気温度が常温である場合には、前記加熱手段の温度が所定の画像形成開始温度まで達した後に、常温での定着性を満足する第1の下限温度まで達すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させ、前記第2の検知手段の検知した雰囲気が前記常温より高い第2の温度になった場合には、前記加熱手段の温度が前記画像形成開始温度まで達した後に、前記第2の検知手段の検知信号により前記第2の検知手段の検知した前記加熱部の温度が前記第2の温度での定着性を満足する第2の下限温度まで達すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させる制御手段を備えたものである。
請求項11に係る発明は、周速変更手段による周速の変更可能な被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する第1の検知手段と、前記被加熱体近傍の雰囲気温度を検知する第2の検知手段とを有し、画像形成装置の定着装置に用いられる加熱装置において、前記周速変更手段からの周速情報より前記加熱手段の周速が所定の周速であることを検知すると、定着可能な下限温度を前記所定の周速での定着性を満足する所定の下限温度とし、前記第1の検知手段からの検知信号より前記第1の検知手段の検知した前記加熱手段の表面温度が前記下限温度以下になったことを検知すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させ、前記第1の検知手段からの検知信号により前記第1の検知手段の検知した前記加熱手段の表面温度が前記下限温度より高い所定の温度に達すると、前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を停止させる制御手段を備えたものである。
請求項12に係る発明は、請求項10または11に記載の加熱装置を有し、この加熱装置により定着部材を加熱することを特徴とする定着装置である。
請求項13に係る発明は、請求項12記載の定着装置を有し、この定着装置により記録材上のトナーを記録材に定着させることを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1における加熱装置の回路構成を示し、図2は該実施形態1を示す。この実施形態1は、加熱装置を有する定着装置の一形態であり、画像形成装置に用いられる。
図2に示すように、定着部材としての定着ロ−ラ1には加圧部材としての加圧ロ−ラ2と定着分離爪3が一定圧で当接され、定着ロ−ラ1及び加圧ロ−ラ2は画像形成時には図示しない駆動部により回転駆動される。加熱手段としての定着ヒ−タは、例えば2本のヒ−タ4、5で構成され、定着ロ−ラ1の内部に設置される。ヒ−タ4は主電源から電力が供給され、ヒ−タ5は補助電源から電力が供給される。
【0019】
定着ロ−ラ1の表面温度は温度検知手段6により検知され、画像形成装置近傍の雰囲気温度(例えば定着ロ−ラ1の近傍の雰囲気温度もしくは本実施形態1の定着装置の近傍の雰囲気温度など)を検知する雰囲気温度検知手段が画像形成装置内に設けられ、後述のように温度検知手段6及び上記雰囲気温度検知手段の検知温度に基づいてヒ−タ4、5の点灯が制御されて定着ロ−ラ1の表面温度が所定の温度に制御される。
【0020】
本実施形態1の定着装置は画像形成装置本体内にセットされ、この画像形成装置本体は記録紙等の記録材7上にトナー像8を形成する。この記録材7は本実施形態1の定着装置へ搬送され、記録材7が定着ロ−ラ1及び加圧ロ−ラ2のニップ部を通過する際に記録材7上の未定着画像であるトナー像8が加熱溶融されて記録材7に定着される。
【0021】
本実施形態1の定着装置における加熱装置は、図1に示すように、被加熱体である定着ロ−ラ1を加熱手段13としてのヒ−タ4、5により加熱する装置であり、主電源9は画像形成装置の設置場所に備えられているコンセント等につながれている商用電源からの交流電力をヒ−タ4や充電器14に供給する。補助電源10は充電可能な装置であり、制御部11及び充放電切替手段12は該加熱装置を制御する制御手段を構成する。制御部11は主電源9からヒータ4への電力供給量を定着ロ−ラ1の表面温度が定着可能な設定温度になるように制御し、充放電切替手段12は補助電源10を充電器14とヒータ5に切替接続する。
【0022】
充放電切替手段12により補助電源10が充電器14に接続された時には充電器14は商用電源からの交流電力を直流電力に変換して補助電源10に供給することにより補助電源10を充電し、充放電切替手段12により補助電源10がヒータ5に接続された時には補助電源10からヒータ5へ電力が供給される。これにより、所定時間の間だけでも主電源9及び補助電源10の両方からの電力を加熱手段13に供給することで主電源9による最大供給電力を上回る電力を加熱手段13に供給することが可能となる。
また、充放電切替手段12は上記雰囲気温度検知手段からの検知信号により雰囲気温度検知手段の検知温度に基づいて後述のように補助電源10からヒータ5への電力供給を制御する。
【0023】
図3は本実施形態1の定着装置の定着温度−時間の関係を示す。
本実施形態1の定着装置は、電源が投入された直後の立上がり時には、制御部11が主電源9からの電力をヒータ4へ供給してヒ−タ4を点灯させると同時に、充放電切替手段12が補助電源10をヒータ5に接続することにより補助電源10からヒータ5へ電力が供給されてヒ−タ5が点灯する。したがって、ヒ−タ4、5が定着ロ−ラ1を加熱し、定着ロ−ラ1の表面温度が上昇する。
【0024】
定着ロ−ラ1の表面温度が画像形成開始温度まで達すると、画像形成装置本体が画像形成を開始する。充放電切替手段12は、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知温度が画像形成開始温度まで達すると、補助電源10を充電器14に接続する。よって、画像形成開始直後はヒ−タ4のみが点灯し、制御部11は主電源9からヒータ4への電力供給量を定着ロ−ラ1の表面温度が定着可能な設定温度になるように制御する。
【0025】
定着ロ−ラ1の表面は画像形成装置本体で記録材7上に形成されたトナー像8を記録材7に定着させる際に記録材7及びトナ−8により熱を奪われ、定着ロ−ラ1の表面温度が降下する。
一方、充放電切替手段12は、上記雰囲気温度検知手段からの検知信号により上記雰囲気温度検知手段の検知した雰囲気温度が常温(t1)であれば、定着可能な下限温度を常温(t1)での定着性を満足する所定の下限温度TAとし、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTA以下になると、補助電源10をヒータ5に切替接続して補助電源10からヒータ5へ電力を供給させることでヒ−タ5を点灯させ、ヒ−タ4、5で定着ローラ1を加熱させる。従って、定着ローラ1の表面温度は図3の点線のように上昇する。
【0026】
また、充放電切替手段12は、上記雰囲気温度検知手段からの検知信号により上記雰囲気温度検知手段の検知した雰囲気温度が低温t2(t1>t2)になると、定着可能な下限温度を低温t2での定着性を満足する所定の下限温度TB(TA<TB)に上昇させ、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTB以下になると、補助電源10をヒータ5に切替接続して補助電源10からヒータ5へ電力を供給させることでヒ−タ5を点灯させ、ヒ−タ4、5で定着ローラ1を加熱させる。従って、定着ローラ1の表面温度は図3の実線のように上昇する。この場合、上記雰囲気温度検知手段の検知温度が低いほど補助電源10からヒ−タ5への電力供給量を大きくするように補助電源10からヒ−タ5への電力供給量を制御する制御部を設けてもよい。
【0027】
本実施形態1の加熱装置によれば、制御手段としての充放電切替手段12は、雰囲気温度検知手段の検知温度に基づき補助電源10から加熱手段としてのヒ−タ5への電力供給を制御するので、雰囲気温度が低下しても被加熱体である定着ローラ1の温度が下限温度以下とならない。
【0028】
また、本実施形態1の加熱装置によれば、制御手段としての充放電切替手段12は、温度検知手段6の検知温度及び雰囲気温度検知手段の検知温度に基づき補助電源10から加熱手段としてのヒ−タ5への電力供給を制御するので、雰囲気温度が低下しても被加熱体である定着ローラ1の温度が下限温度以下とならない。
【0029】
また、本実施形態1の加熱装置によれば、制御手段としての充放電切替手段12は、雰囲気温度検知手段の検知温度が低いほど補助電源10から加熱手段としてのヒ−タ5への電力供給量を大きくすることにより、雰囲気温度が低下しても被加熱体である定着ローラ1の温度が下限温度以下とならない。
また、本実施形態1の定着装置によれば、上述のような加熱装置により定着部材としての定着ローラ1を加熱するので、雰囲気温度が低下しても定着不良が発生しなくなる。
【0030】
本発明の実施形態2では、上記実施形態1において、定着ロ−ラ1の周速を周速変更手段により変更することが可能であり、充放電切替手段12は上記周速変更手段から定着ロ−ラ1の周速を示す周速情報が入力される。充放電切替手段12は、上記周速変更手段からの周速情報に基づいて、定着ロ−ラ1の周速が所定の周速V1である場合には、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度が周速V1での定着性を満足する所定の下限温度TA以下になると、補助電源10をヒータ5に切替接続して補助電源10からヒータ5へ電力を供給させることでヒ−タ5を点灯させ、ヒ−タ4、5で定着ローラ1を加熱させる。従って、定着ローラ1の表面温度は図3の点線のように上昇する。
【0031】
また、充放電切替手段12は、上記周速変更手段からの周速情報に基づいて、定着ロ−ラ1の周速がV2(V1<V2)になった場合には、定着可能な下限温度を周速V2での定着性を満足する所定の下限温度TB(TA<TB)に上昇させ、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTB以下になると、補助電源10をヒータ5に切替接続して補助電源10からヒータ5へ電力を供給させることでヒ−タ5を点灯させ、ヒ−タ4、5で定着ローラ1を加熱させる。従って、定着ローラ1の表面温度は図3の実線のように上昇する。この場合、定着ロ−ラ1の回転速度が速いほど補助電源10からヒ−タ5への電力供給量を大きくするように補助電源10からヒ−タ5への電力供給量を制御する制御部を設けてもよい。
【0032】
なお、充放電切替手段12は、上記雰囲気温度検知手段の検知した雰囲気温度が常温(t1)であっても定着ロ−ラ1の周速がV2になった場合には定着可能な下限温度を所定の下限温度TBに上昇させ、定着ロ−ラ1の周速が所定の周速V1であっても雰囲気温度検知手段の検知した雰囲気温度が低温t2になった場合には定着可能な下限温度を所定の下限温度TBに上昇させる。
【0033】
本実施形態2の加熱装置によれば、制御手段としての充放電切替手段12は、被加熱体である定着ロ−ラ1の移動速度(回転速度)に基づき補助電源10から加熱手段としてのヒ−タ5への電力供給を制御するので、雰囲気温度が低下しても被加熱体である定着ローラの温度が下限温度以下とならない。
【0034】
また、本実施形態2の加熱装置によれば、制御手段としての充放電切替手段12は、温度検知手段6の検知温度及び被加熱体である定着ロ−ラ1の移動速度に基づき補助電源10から加熱手段としてのヒ−タ5への電力供給を制御するので、雰囲気温度が低下しても被加熱体である定着ローラの温度が下限温度以下とならない。
【0035】
また、本実施形態2の加熱装置によれば、制御手段としての充放電切替手段12は、被加熱体である定着ロ−ラ1の移動速度が速いほど補助電源10から加熱手段としてのヒ−タ5への電力供給量を大きくすることにより、雰囲気温度が低下しても被加熱体である定着ローラの温度が下限温度以下とならない。
また、本実施形態2の定着装置によれば、上述のような加熱装置により定着部材としての定着ローラ1を加熱するので、雰囲気温度が低下しても定着不良が発生しなくなる。
【0036】
図4は本発明の実施形態3における加熱装置を示す。この実施形態3では、上記実施形態2において、補助電源10として接続を変更可能な複数のキャパシタ(コンデンサ)10a,10b,10cを用いている。上記充放電切替手段12は、補助電源10を充電器14とヒータ5とに切替接続する充放電切替手段12aと、補助電源10からヒータ5への電力供給を制御する制御部12bとで構成される。
【0037】
キャパシタ10a,10b,10cは補助電源10からヒータ5への電力供給時には充放電切替手段12とヒータ5との間に直列に接続されるが、このキャパシタ10a,10b,10cの接続をオン/オフさせる切替スィッチ15a、15bと、各キャパシタ10a,10b,10cと充電器14との接続を切替える切替スィッチ16、17が設けられて各キャパシタ10a,10b,10cが別々に充電される。すなわち、充放電切替手段12aが補助電源10を充電器14に接続してキャパシタ10a,10b,10cを充電する時には、まず、切替スィッチ15a、15bがオフにされて切替スィッチ16、17がキャパシタ10aを充電器14に接続するように切替えられることによりキャパシタ10aが充電器14により充電される。
【0038】
キャパシタ10aが完全に充電されると、切替スィッチ16、17がキャパシタ10bを充電器14に接続するように切替えられることによりキャパシタ10bが充電器14により充電される。キャパシタ10bが完全に充電されると、切替スィッチ16、17がキャパシタ10cを充電器14に接続するように切替えられることによりキャパシタ10cが充電器14により充電される。
【0039】
このように切替スィッチ16、17が順次に切替えられて全てのキャパシタ10a,10b,10cが完全に充電されると、切替スィッチ15a、15bがオンにされてキャパシタ10a,10b,10cが直列に接続される。キャパシタ10a,10b,10cからヒータ5への電力供給時には充放電切替手段12がキャパシタ10a,10b,10cをヒータ5に接続し、キャパシタ10a,10b,10cからヒータ5へ電力が供給される。ここに、キャパシタは、数分程度の急速な充電が可能であり、寿命がほぼ無制限であって繰り返しの充放電による劣化も少ない。
【0040】
制御部12bは、スィッチ18とCPU19とを有し、キャパシタ10a,10b,10cからヒータ5への電力供給量を上記実施形態2と同様に制御する。すなわち、本実施形態3の定着装置の立上がり時には、充放電切替手段12aが補助電源10をヒータ5側に切替えるとともに、CPU19がスィッチ18をオンさせることによりキャパシタ10a,10b,10cからヒータ5へ電力が供給されてヒ−タ5が点灯する。
【0041】
充放電切替手段12aは、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知温度が画像形成開始温度まで達すると、補助電源10を充電器14側に接続してキャパシタ10a,10b,10cを上述のように順次に充電させ、所定時間の経過後に全てのキャパシタ10a,10b,10cが完全に充電されると、補助電源10をヒータ5側に切替える。
【0042】
CPU19は、上記雰囲気温度検知手段からの検知信号により上記雰囲気温度検知手段の検知した雰囲気温度が常温(t1)であることを検知し、上記周速変更手段からの周速情報より定着ロ−ラ1の周速が所定の周速V1であることを検知した場合、定着可能な下限温度を常温(t1)及び周速V1での定着性を満足する所定の下限温度TAとし、温度検知手段6からの検知信号より温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTA以下であることを検知すると、スィッチ18をオンさせることによりキャパシタ10a,10b,10cからヒータ5へ電力を供給させてヒ−タ5を点灯させる。さらに、CPU19は、温度検知手段6からの検知信号より温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTAより高い所定の温度に達したことを検知すると、スィッチ18をオフさせてヒ−タ5を消灯させる。
【0043】
また、CPU19は、上記雰囲気温度検知手段からの検知信号より雰囲気温度検知手段の検知した雰囲気温度が低温t2になったことを検知するか、または、上記周速変更手段からの周速情報より定着ロ−ラ1の周速が所定の周速V2であることを検知すると、定着可能な下限温度を低温t2または周速V2での定着性を満足する所定の下限温度TBに上昇させ、温度検知手段6からの検知信号より温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTB以下になったことを検知すると、スィッチ18をオンさせることによりキャパシタ10a,10b,10cからヒータ5へ電力を供給させてヒ−タ5を点灯させる。さらに、CPU19は、温度検知手段6からの検知信号により温度検知手段6の検知した定着ロ−ラ1の表面温度がTBより高い所定の温度に達すると、スィッチ18をオフさせてヒ−タ5を消灯させる。
【0044】
この実施形態3の加熱装置によれば、補助電源10としてキャパシタを備えたので、補助電源の充電時間が短くて補助電源の寿命が長くなる。しかも、キャパシタ10a,10b,10cを順次に充電器14に接続するので、低電圧の充電器14を使用してキャパシタ10a,10b,10cを充電することができ、コストダウンを図ることができるとともに、加熱装置を小型化することができる。
また、この実施形態3の定着装置によれば、上述のような加熱装置により定着部材としての定着ローラ1を加熱するので、補助電源10としてキャパシタを備えたので、補助電源の充電時間が短くて補助電源の寿命が長くなる。
【0045】
上記実施形態3ではキャパシタ10a,10b,10cを直列に接続して各キャパシタ10a,10b,10cを個々に充電したが、図5(b)に示すようにヒ−タ5に電力を供給する時には直列に接続したキャパシタ10a,10b,10c,10dからヒ−タ5に電力を供給し、各キャパシタ10a,10b,10c,10dを充電する時には直列に接続したキャパシタ10a,10bと、直列に接続したキャパシタ10c,10dを並列に接続して充電器14によりキャパシタ10a,10b,10c,10dを充電するようにしてもよい。
【0046】
このように複数のキャパシタ10a,10b,10c,10dを同時に充電することにより、各キャパシタ10a,10b,10c,10dの充電量のばらつきを低減することができる。また、各キャパシタ10a,10b,10c,10dが完全に充電される前にヒ−タ5に電力を供給する必要が生じた時に、各キャパシタ10a,10b,10c,10dの充電量のばらつきをとることができ、ヒ−タ5に安定して電力を供給することができる。なお、キャパシタ10a,10b,10c,10dの接続を切替える切替手段はヒ−タ5に電力を供給する時とキャパシタ10a,10b,10c,10dを充電する時とでキャパシタ10a,10b,10c,10dの接続を上述のように切替えるスィッチが用いられる。
【0047】
また、図6(a)に示すように、2つの充電器14a,14bを設け、ヒ−タ5に充電する時には直列に接続したキャパシタ10a,10bと、直列に接続したキャパシタ10c,10dとを充電器14a,14bにより個別に充電し、キャパシタ10a,10b,10c,10dからヒ−タ5に電力を供給する時には図6(b)に示すように直列に接続したキャパシタ10a,10bと、直列に接続したキャパシタ10c,10dとを直列に接続してキャパシタ10a,10b,10c,10dからヒ−タ5に電力を供給するようにしてもよい。このようにしても、キャパシタ10a,10b,10c,10dを充電する充電器を低電圧化することができる。この場合、キャパシタ10a,10b,10c,10dの接続を切替える切替手段はヒ−タ5に電力を供給する時とキャパシタ10a,10b,10c,10dを充電する時とでキャパシタ10a,10b,10c,10dの接続を上述のように切替えるスィッチが用いられる。
【0048】
図7は本発明の実施形態4を示す。この実施形態4は電子写真方式の画像形成装置の一形態である。この画像形成装置20は、像担持体としてのドラム状感光体21と、この感光体21を一様に帯電させる帯電装置22と、感光体21の回転方向について帯電装置22より下流側に配置され、露光手段としての書込装置の一部を構成してレーザ光23を感光体21の表面に入射するミラー24と、感光体21の回転方向についてミラー24より下流側に配置され、現像ローラ25aを有する現像装置25と、感光体21の回転方向について現像装置25より下流側に配置された転写装置26と、感光体21の回転方向について転写装置26より下流側に配置され、クリーニングブレード27aを有するクリーニング装置27と、給紙装置28及び定着装置29とを有する。
【0049】
給紙装置28は、給紙トレイ30と給紙コロ31とを有し、給紙トレイ30に収納されている記録材としての記録紙を給紙コロ31により給紙する。給紙装置28と転写装置26との間には記録紙搬送路32及びレジストローラ33が設置されている。定着装置29は、上記実施形態1〜3のいずれか1つが用いられる。
【0050】
この実施形態4の画像形成装置にて画像形成を行う時には、感光体21は、図示しない駆動部により回転駆動され、帯電装置22により一様に帯電された後に書込装置から画像情報に応じて出射されるレーザ光23がミラー24を介して照射されることにより静電潜像が形成される。この感光体21上の静電潜像は現像装置25により現像されてトナー像となる。
【0051】
一方、給紙トレイ30に収納されている記録紙は、給紙コロ31により給紙されて記録紙搬送路32を通り、レジストローラ33で一旦停止する。レジストローラ33は感光体21上のトナー像に合わせて記録紙を送り出し、この記録紙は感光体21上のトナー像が転写装置26により転写される。トナー像が転写された記録紙は、定着装置29によりトナー像が定着され、外部へ画像形成物として排出される。また、感光体21はトナー像転写後にクリーニング装置27により残留トナーが除去されて次の画像形成に備える。
【0052】
この実施形態4によれば、定着装置29として上記実施形態1〜3のいずれか1つを有するので、雰囲気温度が低下しても定着不良が発生しなくなり、従って雰囲気温度が低下しても良好な画像が得られる。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば定着装置の加熱装置以外の加熱装置に適用することができる。また、本発明は、定着ベルトなどの定着部材を有する定着装置に適用することができ、複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置に適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、雰囲気温度が低下しても被加熱体の温度が下限温度以下とならなず、補助電源の充電時間が短くて補助電源の寿命が長い加熱装置を提供することができる。
また、本発明によれば、雰囲気温度が低下しても定着不良が発生しない定着装置を提供することができる。
さらに、本発明によれば、雰囲気温度が低下しても良好な画像が得られる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における加熱装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態1を示す側面図である。
【図3】同実施形態1の定着温度−時間の関係の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態3における加熱装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態における加熱装置の一部を示すブロック図である。
【図6】本発明の別の実施形態における加熱装置の一部を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態4を示す断面図である。
【符号の説明】
1 定着ロ−ラ
2 加圧ロ−ラ
3 定着ヒ−タ
4、5 ヒ−タ
6 温度検知手段
9 主電源
10 補助電源
11、12b 制御部
12、12a 充放電切替手段
14、14a、14b 充電器
10a,10b,10c,10d キャパシタ
15a、15b、16、17 切替スィッチ
Claims (13)
- 被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する第1の検知手段と、前記被加熱体近傍の雰囲気温度を検知する第2の検知手段と、前記加熱手段の温度が所定の画像形成開始温度まで達した後に、前記第2の検知手段の検知信号により前記第1の検知手段の検知した前記加熱部の温度が定着性を満足する所定の下限温度まで達すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させる制御手段とを有し、画像形成装置の定着装置に用いられる加熱装置において、前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知信号に基づき前記第2の検知手段の検知した前記雰囲気温度によって前記下限温度を変えることを特徴とする加熱装置。
- 請求項1記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知温度及び前記第2の検知手段の検知温度に基づき前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を制御することを特徴とする加熱装置。
- 請求項1または2記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知温度が低いほど前記補助電源から前記加熱手段への電力供給量を大きくすることを特徴とする加熱装置。
- 移動速度の変更可能な被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する検知手段とを有する加熱装置において、前記被加熱体の移動速度に基づき前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を制御する制御手段を備えたことを特徴とする加熱装置。
- 請求項4記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記検知手段の検知温度及び前記被加熱体の移動速度に基づき前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を制御することを特徴とする加熱装置。
- 請求項4または5記載の加熱装置において、前記制御手段は、前記被加熱体の移動速度が速いほど前記補助電源から前記加熱手段への電力供給量を大きくすることを特徴とする加熱装置。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載の加熱装置において、前記補助電源として接続を変更可能な複数のキャパシタを備えたことを特徴とする加熱装置。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の加熱装置を有し、この加熱装置により定着部材を加熱することを特徴とする定着装置。
- 請求項8記載の定着装置を有し、この定着装置により記録材上のトナーを記録材に定着させることを特徴とする画像形成装置。
- 被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する第1の検知手段と、前記被加熱体近傍の雰囲気温度を検知する第2の検知手段とを有し、画像形成装置の定着装置に用いられる加熱装置であって、前記第2の検知手段の検知信号により前記第2の検知手段の検知した前記雰囲気温度が常温である場合には、前記加熱手段の温度が所定の画像形成開始温度まで達した後に、常温での定着性を満足する第1の下限温度まで達すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させ、前記第2の検知手段の検知し た雰囲気が前記常温より高い第2の温度になった場合には、前記加熱手段の温度が前記画像形成開始温度まで達した後に、前記第2の検知手段の検知信号により前記第2の検知手段の検知した前記加熱部の温度が前記第2の温度での定着性を満足する第2の下限温度まで達すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させる制御手段を備えたことを特徴とする加熱装置。
- 周速変更手段による周速の変更可能な被加熱体を加熱する加熱手段と、商用電源を用いて電力を前記加熱手段に供給する主電源と、商用電源より充電可能な補助電源と、前記被加熱体の温度を検知する第1の検知手段と、前記被加熱体近傍の雰囲気温度を検知する第2の検知手段とを有し、画像形成装置の定着装置に用いられる加熱装置において、前記周速変更手段からの周速情報より前記加熱手段の周速が所定の周速であることを検知すると、定着可能な下限温度を前記所定の周速での定着性を満足する所定の下限温度とし、前記第1の検知手段からの検知信号より前記第1の検知手段の検知した前記加熱手段の表面温度が前記下限温度以下になったことを検知すると、前記補助電源から前記加熱手段へ電力を供給させ、前記第1の検知手段からの検知信号により前記第1の検知手段の検知した前記加熱手段の表面温度が前記下限温度より高い所定の温度に達すると、前記補助電源から前記加熱手段への電力供給を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする加熱装置。
- 請求項10または11に記載の加熱装置を有し、この加熱装置により定着部材を加熱することを特徴とする定着装置。
- 請求項12記載の定着装置を有し、この定着装置により記録材上のトナーを記録材に定着させることを特徴とする画像形成装置。
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