JP4031557B2 - 電子管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微弱な光を定量的に計測する高感度な電子管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、特公平7−95434号公報があり、この公報に記載された電子管は、パッケージ内に裏面照射型半導体素子(CCD)を有している。また、撮像装置の一例として特開平6−29506号公報がある。この撮像装置に設けられた半導体素子は、これと熱膨張係数が等しい基板上に固定されている。この場合、半導体素子には複数の金属バンプが形成され、各金属バンプは、基板(シリコンウエハ)上に設けられた金属配線に接続されている。そして、半導体素子と基板との間にシリコンのエッチャントが入り込まないように、非導電性の樹脂が充填されている。このような樹脂は、半導体素子を薄型化する前に充填されるものであるから、アルカリ金属を含まないこと、硬化時に適当な収縮応力が働きバンプボンディング部のコンタクトを良好に保つこと、ダイボンドやワイヤボンド時に150℃程度の熱に耐えることを必要とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電子管は、上述したように構成されているため、次のような課題が存在していた。
【0004】
すなわち、特公平7−95434号公報に記載された電子管は、バンプを介して、ステムに半導体素子を固定しているので、半導体素子の電子入射部とステムとの間に空気溜まりが発生し易く、この空気は、電子管の組立工程中の真空時に膨張し、薄板状の電子入射部に損傷を与える虞れがあった。また、特開平6−29506号公報の撮像装置において、半導体素子と基板との間の樹脂は、半導体素子の薄型化達成のため、この隙間にエッチャントが入り込まないように充填され、隙間を完全に塞ぐことを目的としている。このような電子管は、樹脂の充填によって、半導体素子と基板との間に空気が閉じ込めらることを考慮したものではない。なお、電子管の製造プロセスにおいて、半導体素子の電子入射部と基板との間に空気が閉じ込められていると、真空排気工程中に空気が膨張し、この空気が裏面照射型半導体素子の薄板化した電子入射部に損傷を与える。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、特に、電子管の組立て時に起こるバンプの接続不良を回避しつつ、電子管の組立て時に起こる半導体素子の損傷を無くすようにした電子管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の電子管は、側管の一側に設けられて、入射された光に対応して電子を放出する光電面をもった入力面板と、側管の他側に設けられて、入力面板と共に真空領域を規定するステムと、ステムの真空側に固着して、光電面から放出された電子を入射させる電子入射部を有する半導体素子とを備え、
半導体素子は、表面をステム側に位置させ、裏面を入力面板側に位置させ、電子入射部の外周に配置された周囲部に対して電子入射部を薄板状にしてなる裏面照射型半導体素子として構成した電子管において、
半導体素子の周囲部における表面に突設させたバンプは、ステムの表面に設けられたバンプ接続部に固定され、バンプにより、半導体素子の表面とステムの表面との間に隙間が形成され、半導体素子の周囲部における隙間に絶縁性樹脂を充填させ、絶縁性樹脂で隙間を部分的に塞いで、真空引き下で半導体素子とステムとの間の空気の排気を可能にしたことを特徴とする。
【0007】
この電子管において、半導体素子に形成されたバンプとステムの表面に設けられたバンプ接続部とを接続した状態で、半導体素子の周囲部とステムとの間に形成した隙間に絶縁性樹脂が充填されている。従って、電子管が高温下で組立てられた場合でも、この樹脂が補強部材として機能し、バンプがバンプ接続部から外れることがない。更に、この隙間は、樹脂によって部分的に塞がれているに過ぎないので、半導体素子とステムとの間の通気性は確保される。仮に、半導体素子の周囲部をその全周にわたって完全に塞いだ場合、電子入射部とステムの表面との間に空気溜まりが作られる結果となる。この空気は、電子管組立て工程において真空下で膨張するので、裏面照射型半導体素子の薄板化した電子入射部に損傷を与えることがある。そこで、半導体素子とステムとの間の通気を可能にし、トランスファ装置内で電子管を組み立てる場合、真空引き状態下での空気の排気性を確保している。
【0008】
この場合、ステムの表面には、周囲部から電子入射部に渡って延在する溝部が形成されると好ましい。このような構成を採用した場合、半導体素子の周囲部とステムとの隙間に絶縁性樹脂を充填する際、周囲部の外側から樹脂が充填され、余剰な樹脂を溝部に流し込むことができ、半導体素子の電子入射部に樹脂が付着することがない。また、隙間が極めて狭い場合には、毛細管現象を利用して樹脂を流し込むことができ、樹脂の流し込みを効率よく行うことができる。更に、溝部の幅を、周囲部と電子入射部とを架け渡す程度の大きさにすると、樹脂を充填させる領域に対応させて、溝部を個別的に形成することができる。
【0009】
また、ステムの表面には、周囲部にのみ対向する溝部が形成されると好ましい。このような構成を採用した場合、半導体素子の周囲部とステムとの隙間に絶縁性樹脂を充填する際、周囲部の外側から樹脂が充填され、余剰な樹脂を溝部に流し込むことができ、半導体素子の電子入射部に樹脂が付着することがない。また、隙間が極めて狭い場合には、毛細管現象を利用して樹脂を流し込むことができ、樹脂の流し込みを効率よく行うことができる。更に、溝部を、周囲部にのみ対応させるだけで初期の目的を達成することができる。
【0010】
また、ステムの表面には、周囲部の一側とこれに対向する周囲部の他側とを架け渡す幅をもった溝部が形成されると好ましい。このような構成を採用した場合、半導体素子の周囲部とステムとの隙間に絶縁性樹脂を充填する際、周囲部の外側から樹脂が充填され、余剰な樹脂を溝部に流し込むことができ、半導体素子の電子入射部に樹脂が付着することがない。また、隙間が極めて狭い場合には、毛細管現象を利用して樹脂を流し込むことができ、樹脂の流し込みを効率よく行うことができる。更に、溝部の幅を、周囲部の一側とこれに対向する周囲部の他側とを架け渡す大きさにすると、半導体素子の電子入射部の大きさや形状に対応した溝部を形成することができる。
【0011】
更に、ステムに設けられた支持基板は、半導体素子の母材と同じシリコン材で形成され、支持基板にバンプ接続部を配置すると好ましい。このような構成を採用した場合、バンプ接続部をもった支持基板とバンプをもった半導体素子との熱膨張係数を略同じにすることができるので、電子管製造中のベーキング(加熱)時でも、バンプがバンプ接続部から外れ難く、良好な接続状態が維持される。
【0012】
更に、周囲部において、バンプにより形成された隙間は、絶縁性樹脂の充填時において、絶縁性樹脂が毛細管現象を引き起こす僅かな高さを有し、溝部は、毛細管現象により流動する絶縁性樹脂を塞き止める深さを有すると好ましい。このような構成を採用した場合、毛細管現象によって流し込まれた樹脂が溝部の端に達すると、樹脂は、溝部に入ることなく、表面張力をもって溝部の端で留まることになる。従って、隙間に樹脂が流れ込み易く、半導体素子の電子入射部に樹脂を付着させることがない。
【0013】
更に、バンプは、金を主成分とする材料で形成すると好ましい。電子管製造中のベーキング(加熱)時にバンプが溶融することがない。また、金を主成分とするバンプの場合、ベーキング時に断線することがあり、半導体素子の周囲部とステムとの間の隙間に、補強材としての絶縁性樹脂を充填させると有効である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による電子管の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る電子管の第1の実施形態を示す断面図であり、この電子管は、光電面と半導体素子とを近接させた近接型電子管である。同図に示す電子管1は、外直径43mm程度の大きさをもった円筒状の側管2を有し、この側管2は、電気絶縁材料(例えばセラミック)からなるリング状のバルブ3と、第1の開口2a側に設けられてインジウム4を溜める構造をもったカソード電極5と、第2の開口2b側に設けられた溶接電極6と、バルブ3を2分割することで形成された第1バルブ3Aと第2バルブ3Bとで挟まれたコバール金属製のフランジ部7とを備え、バルブ3に対して各電極5,6はロウ付けで一体化が図られている。
【0016】
側管2の第1の開口2a側は、コバールガラス製の入力面板8が配置され、この入力面板8は、中央に膨出部8aを有し、インジウム4を介してカソード電極5にシール固定されている。入力面板8の内面には、光の入射に応じて真空中に電子を放出する光電面9が形成されている。更に、光電面9の周囲には、光電面9とインジウム4とを電気的に接続するように、クロムの薄膜からなる光電面電極10が入力面板8に蒸着形成されている。
【0017】
側管2の第2の開口2b側には、入力面板8との協働で真空領域を規定するステム11が固定され、ステム11は、セラミックからなる4層のベース板12と、各ベース板12にロウ付けを介して固定された金属フランジ13とを有している。また、最上層のベース板12aの表面には、シリコン基板を母材とする裏面照射型半導体素子15が固定され、この半導体素子15は、最下層のベース板12dに固定された複数本のステムピン14に対して電気的に接続されている。この場合、ベース板12aの表面に設けられたバンプ接続部19(図2参照)と各ステムピン14とを適切に接続させるため、2層目及び3層目に位置する中間層のベース板12b,12cの配線(図示せず)は、互いに所定のピッチずれをもって結線されている。そして、金属フランジ13と溶接電極6とをアーク溶接することで、側管2とステム11との一体化を図っている。なお、側管2の内壁には、電子管内の残存ガスを吸着させるゲッターGが固定され、このゲッターGは、溶接電極6とフランジ部7との間に接続されている。
【0018】
図1及び図2に示すように、半導体素子15は、光電面9から放出された電子を入射させる電子入射部15aを中央に有し、光電面9に対して1mm程度まで近接させている。この半導体素子15は、裏面照射型半導体素子として構成され、この半導体素子15の表面Aはステム11のベース板12側に位置し、半導体素子15の裏面Bは入力面板8側に位置する。そして、半導体素子15の電子入射部15aは、その外周に配置された周囲部15bより薄く形成され、半導体素子15の裏面照射型を達成している。この電子入射部15aは、化学エッチングにより周囲部15bを残して20μm程度の薄板に形成されている。
【0019】
この半導体素子15の表面A側には、電荷転送素子(図示せず)が形成され、その裏面B側は、周囲部15bを残してシリコン基板を化学的にエッチングし、薄板化を図っている。図3に示すように、半導体素子15の周囲部15bにおいて、その表面AにはAu(金)を主成分とする複数のバンプ16が突設され、各バンプ16は、表面Aに設けられたアルミ製のパッド17上に位置する。このような金製のバンプ16は、電子管製造中のベーキング(加熱)時に300℃程度の熱が加わっても溶融することがない。更に、バンプ16を包囲するように、ペースト状の導電性樹脂(例えば高分子系接着剤)18が塗布されている。この導電性樹脂18は、半導体素子15とステム11との材質の違いによる熱膨張係数差に起因した応力変形を緩和し、ベーキング時におけるバンプ16の断線を防止している。そして、ステム11のベース板12aの表面Cには、配線の一部をなすAu(金)製のバンプ接続部19が形成され、バンプ16は、導電性樹脂18を介してバンプ接続部19に電気的及び機械的に接続されている。
【0020】
バンプ16をバンプ接続部19に固着させると、半導体素子15の表面Aとステム11におけるベース板12の表面Cとの間には、バンプ16の高さ分に略相当する隙間Sが形成される。そして、半導体素子15の周囲部15bにおける隙間Sには、ペースト状の絶縁性樹脂(例えば高分子系接着剤)20を充填させる。この絶縁性樹脂20は、マイクロエレクトロニクス用接着剤であり、接着許容温度400℃以下のものを適用する。このような絶縁性樹脂20を隙間Sに充填した後、絶縁性樹脂20が硬化すると、電子管1が高温下(300℃程度)で組立てられる場合でも、この樹脂20が補強部材として機能し、ステム11に対して半導体素子15が確実に固定され、バンプ16がバンプ接続部19から外れることがない。
【0021】
更に、図3及び図4に示すように、裏面照射型半導体素子15には矩形の周囲部15bが設けられ、周囲部15bの表面Aには金を主成分とする複数のバンプ16が突設され、各バンプ16は、対向する2列の状態で並べられている。そして、各列のバンプ16に対応するように、絶縁性樹脂20が充填される。すなわち、周囲部15bの隙間Sにおいて、各バンプ16を包囲する位置に絶縁性樹脂20を充填し、バンプ16の無い部分に絶縁性樹脂20を充填しない。その結果、周囲部15bの隙間Sは、その全周に亙って絶縁性樹脂20で塞がれることがなく、絶縁性樹脂20で部分的に塞がれることになる。
【0022】
このように、隙間Sを絶縁性樹脂20で部分的に塞ぐと、隙間Sにおいて、絶縁性樹脂20の充填されない領域が出現し、半導体素子15とステム11との間で通気が確保される。仮に、半導体素子15の周囲部15bを樹脂20で完全に塞いだ場合、半導体素子15の中央に配置した電子入射部15aとステム11におけるベース板12の表面Cとの間に空気溜まりが作られる結果となり、組立て工程でステム11を真空中に配置させると、この空気が膨張するので、裏面照射型半導体素子15の薄板化した電子入射部15aに損傷を与えることがある。そこで、半導体素子15とステム11との間の通気を可能にし、トランスファ装置内で電子管1を組み立てる場合、真空引き下での排気を確保している。
【0023】
ここで、図1,図2及び図4に示すように、ステム11におけるベース板12aの表面Cには、半導体素子15の電子入射部15aに対峙して矩形の溝部21が形成されている。この溝部21は、バンプ16を一列に配列させた側の周囲部15bの一側と、これに対向するバンプ16を一列に配列させた側の周囲部15bの他側とを架け渡す幅Wをもつと共に、バンプ16を配列させない側の周囲部15bからはみ出す長さLをもっている。半導体素子15の周囲部15bとステム11のベース板12との隙間Sに絶縁性樹脂20を充填する際、周囲部15bの外側から樹脂20が充填されるので、余剰な樹脂20を溝部21に流し込むことができ、半導体素子15の電子入射部15aに樹脂20が付着することを適切に回避させることができる。
【0024】
また、隙間Sの高さを50μm程度にし、隙間Sを極めて狭くした場合には、毛細管現象を利用して樹脂20を流し込むことができ、樹脂20の流し込みを効率よく行うことができる。更に、溝部21の深さを0.5mm程度にし、毛細管現象により流動する樹脂20を塞き止める深さに形成する。このような構成を採用した場合、毛細管現象によって隙間Sを流動する樹脂20が溝部21の端に達すると、樹脂20は、溝部21に入ることなく、表面張力をもって溝部21の端で留まることになる。従って、半導体素子15の電子入射部15aに樹脂20が付着することを適切に回避させることができる。
【0025】
更に、溝部21は、バンプ16を配列させない周囲部15bからはみ出す長さLを有しているので、溝部21に開口部21aが設けられることになる。その結果、トランスファ装置内で電子管1を組み立てる場合、溝部21内の空気を、狭い隙間Sを介さずとも、開口部21aを介して抜き出すことができ、空気の流動性を極めて良好にしている。また、半導体素子15の電子入射部15aに対応させて、これを包囲するような大きさに溝部21を形成すると、電子入射部15aへの樹脂20の付着を確実に防止することができる。
【0026】
次に、電子管1の組立て手順について簡単に説明する。
【0027】
先ず、ステム11のベース板12上で半導体素子15を位置決めし、バンプ16とバンプ接続部19とを導電性樹脂18を介して圧着させ、約150℃に加熱する。その結果、導電性樹脂18の溶剤が揮発してバンプ16とバンプ接続部19とを接続させる。その後、ペースト状の絶縁性樹脂20を半導体素子15とステム11との間の隙間Sに充填する。このとき、周囲部15bの外側からバンプ16に向けて樹脂20を充填し、毛細管現象を利用して樹脂20が隙間Sを流動するが、溝部21により塞き止められることで、電子入射部15aに樹脂20が付着しない。もし、電子入射部15aとベース板12との間に樹脂20が充填されると、樹脂20の硬化時に応力が発生し、電子入射部15aを変形させ、半導体素子15による良好な画像が得られない。このようにして、ステム11に半導体素子15を固定した後、ステム11の金属フランジ13と側管2の溶接電極6とをアーク溶接することで、側管2とステム11とを一体化させる。
【0028】
その後、ステム11を固定させた側管2と、クロムの薄膜からなる光電面電極10を蒸着形成させた入力面板8とを、トランスファ装置内に導入し、この装置内を真空にした状態で、電子管1の組立てを行う。この場合、半導体素子15とステム11との間の隙間Sは、絶縁性樹脂20で部分的にしか塞がれておらず、半導体素子15とステム11との間の通気性は確保されている。そこで、トランスファ装置で真空引きを行う際、電子入射部15aとベース板12の表面Cとの間に空気溜まりが作られることがなく、溝部21内の空気が適切に排出される。
【0029】
また、トランスファ装置内を300℃程度に加熱(ベーキング)し、装置内で、K,Cs,Naを主成分とする光電面9を入力面板8に形成し、インジウム4を介して入力面板8をカソード電極5にシール固定する。その後、溶接電極6とフランジ部7とを通電させることでゲッターGが活性化し、ゲッターGで電子管1内の残存ガスを吸着する。そして、トランスファ装置から電子管1を取り出すことで、内部が真空な電子管1の組立て工程が完了する。
【0030】
次に、このような電子管1の動作を簡単に説明する。
【0031】
光電面9に−8kVを印加し、電子入射部15aで半導体素子15の裏面B側に位置する電子入射面15A(図2参照)をGND電位にする。この状態で、光電面9に外部から光を入射させると、光電面9から電子が放出され、電子は電子管1内部の電界によって加速され、半導体素子15の電子入射面15Aに打ち込まれる。このとき、加速された電子は、半導体素子15のシリコン基板内でエネルギーを失う際、多数の電子−正孔対を生成し、−8kVで約2000倍のゲインが得られる。このような増倍電子を、半導体素子15からステムピン14を介して外部に電気的に出力させることで、モニタ上で良好な画像が得られる。
【0032】
図5は、本発明に係る電子管の第2の実施形態を示す断面図であり、この電子管は、光電面と半導体素子とを近接させた近接型電子管である。なお、第1の実施形態の電子管1と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0033】
図5及び図6に示すように、電子管30が、第1実施形態の電子管1と異なる点を以下述べる。ベース板12aの表面には、半導体素子15の母材(シリコン基板)と同じ材質のシリコン材からなる支持基板31が、接着剤32を介して固定され、この支持基板31は、ステム33の一部として構成される。ステム33における支持基板31の表面Cには、バンプ接続部34が配置され、半導体素子15の表面Aには、対向する2列の状態で並べられる複数のバンプ16が形成され、各バンプ16と各バンプ接続部34とがそれぞれ接続される。支持基板31が半導体素子15と同じシリコン材から形成され、熱膨張係数を揃えることで、製造中におけるベーキング時の熱による応力変形を発生させることなく、バンプ16の断線を防止している。なお、バンプ16に導電性樹脂を塗布しなくても、支持基板31が半導体素子15の母材と同じシリコン材で形成されているので、バンプ16とバンプ接続部34との接続は良好に保たれる。
【0034】
このような構成にしても、金製のバンプ16の接着強度は、温度の上昇とともに低下するので、絶縁性樹脂20による補強が必要になる。そこで、図6及び図7に示すように、支持基板31の表面Cには、バンプ16の各列に対応して溝部35,35が設けられている。各溝部35は、周囲部15bから電子入射部15aに渡って延在する所定長さの幅W1と、バンプ16の一列に対応する長さL1とを有し、KOH溶液の化学エッチングにより形成される。そして、ステム33における支持基板31の表面Cに、溝部35を形成することで、余剰な樹脂20を溝部35に流し込むことができ、半導体素子15の電子入射部15aに樹脂20を付着させることがない。
【0035】
また、隙間Sの高さを50μm程度にし、隙間Sを極めて狭くした場合には、毛細管現象を利用して樹脂20を流動させることができ、樹脂20の流し込みを効率良く行うことができる。更に、溝部35の深さを0.1mm程度にし、毛細管現象により流動する樹脂20を塞き止める深さに形成する。このような構成を採用した場合、毛細管現象によって隙間Sを流動する樹脂20が溝部35の端に達すると、樹脂20は、溝部35に入ることなく、表面張力をもって溝部35の端で留まることになる。従って、半導体素子15の電子入射部15aに樹脂20が付着することを適切に回避させることができる。この場合の樹脂20は、周囲部15bの隙間Sにおいて、各バンプ16を包囲する位置に充填される。
【0036】
図7に示すように、支持基板31には、各バンプ接続部34から側方に延びるAl製の基板配線36が設けられ、各基板配線36に対応して、ベース板12a上には、各ステムピン14に電気的に接続させたステム端子37が配列され、各基板配線36の端部とステム端子37とをAl製のワイヤ38でボンディングしている。また、図5に示すように、ワイヤ38を覆う位置に遮蔽電極40が設けられ、この遮蔽電極40の基端は金属フランジ13に抵抗溶接され、光電面9と半導体素子15との間の耐圧性を高めている。すなわち、この遮蔽電極40でワイヤ38をカバーすることで、光電面9と半導体素子15とを近接させることができ、加速電圧のアップを可能にして、半導体素子15によって得られる画像の解像度を向上させ、半導体素子15のゲインを一層向上させる。
【0037】
図8は、本発明に係る電子管の第3の実施形態を示す断面図である。なお、第2の実施形態の電子管30と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
図8に示すように、電子管50が、第2実施形態の電子管30と異なる点を以下述べる。ステム33の一部をなす支持基板31の表面Cには、バンプ16の各列に対応して溝部51が設けられている。各溝部51は、周囲部15bにのみ対向する位置に形成され、バンプ16の一列に対応する長さを有し、周囲部15bの幅より小さな幅W2を有している。このような直線状の溝部51を形成することで、余剰な樹脂20を溝部51に流し込むことができ、半導体素子15の電子入射部15aに樹脂20を付着させることがない。また、隙間Sの高さを50μm程度にし、隙間Sを極めて狭くした場合には、毛細管現象を利用して樹脂20を流動させることができ、樹脂20の流し込みを効率良く行うことができる。更に、溝部35の深さを0.1mm程度にし、毛細管現象により流動する樹脂20を塞き止める深さに形成する。
【0039】
本発明に係る電子管は前述した実施形態に限定されるものではなく、周囲部15bの四隅に対応する位置で、この隙間Sに絶縁性樹脂20を充填してもよく、また、バンプ16を包囲しない位置で、この隙間Sに絶縁性樹脂20を充填してもよい。また、近接型電子管に限定されるものではなく、静電収束型の電子管であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明による電子管は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。
【0041】
すなわち、半導体素子の周囲部における表面に突設させたバンプは、ステムの表面に設けられたバンプ接続部に固定され、バンプにより、半導体素子の表面とステムの表面との間に隙間が形成され、半導体素子の周囲部における隙間に絶縁性樹脂を充填させ、絶縁性樹脂で隙間を部分的に塞いで、真空引き下で半導体素子とステムとの間の空気の排気を可能にしたことにより、電子管の組立て時に起こるバンプの接続不良を回避しつつ、電子管の組立て時に起こる半導体素子の損傷を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子管の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した電子管の要部拡大断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】図1の電子管に適用した溝部を示す平面図である。
【図5】本発明に係る電子管の第2の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5に示した電子管の要部拡大断面図である。
【図7】図5の電子管に適用した溝部を示す平面図である。
【図8】本発明に係る電子管の第3の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1,30,50…電子管、2…側管、2a…第1の開口、2b…第2の開口、8…入力面板、9…光電面、11,33…ステム、15…半導体素子、15a…電子入射部、15b…周囲部、16…バンプ、19,34…バンプ接続部、20…絶縁性樹脂、21,35,51…溝部、31…支持基板、A…半導体素子の表面、B…半導体素子の裏面、C…ステムの表面、S…隙間、W,W1,W2…溝部の幅。

Claims (7)

  1. 側管の一側に設けられて、入射された光に対応して電子を放出する光電面をもった入力面板と、
    前記側管の他側に設けられて、前記入力面板と共に真空領域を規定するステムと、
    前記ステムの真空側に固着して、前記光電面から放出された電子を入射させる電子入射部を有する半導体素子とを備え、
    前記半導体素子は、表面を前記ステム側に位置させ、裏面を前記入力面板側に位置させ、前記電子入射部の外周に配置された周囲部に対して前記電子入射部を薄板状にしてなる裏面照射型半導体素子として構成した電子管において、
    前記半導体素子の前記周囲部における前記表面に突設させたバンプは、前記ステムの表面に設けられたバンプ接続部に固定され、前記バンプにより、前記半導体素子の前記表面と前記ステムの前記表面との間に隙間が形成され、前記半導体素子の前記周囲部における前記隙間に絶縁性樹脂を充填させ、前記絶縁性樹脂で前記隙間を部分的に塞いで、真空引き下で前記半導体素子と前記ステムとの間の空気の排気を可能にしたことを特徴とする電子管。
  2. 前記ステムの前記表面には、前記周囲部から前記電子入射部に渡って延在する溝部が形成されたことを特徴とする請求項1記載の電子管。
  3. 前記ステムの前記表面には、前記周囲部にのみ対向する溝部が形成されたことを特徴とする請求項1記載の電子管。
  4. 前記ステムの前記表面には、前記周囲部の一側とこれに対向する前記周囲部の他側とを架け渡す幅をもった溝部が形成されたことを特徴とする請求項1記載の電子管。
  5. 前記ステムに設けられた支持基板は、前記半導体素子の母材と同じシリコン材で形成され、前記支持基板に前記バンプ接続部を配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の電子管。
  6. 前記周囲部において、前記バンプにより形成された前記隙間は、前記絶縁性樹脂の充填時において、前記絶縁性樹脂が毛細管現象を引き起こす僅かな高さを有し、前記溝部は、毛細管現象により流動する前記絶縁性樹脂を塞き止める深さを有することを特徴とする請求項〜5のいずれか一項記載の電子管。
  7. 前記バンプは、金を主成分とする材料で形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の電子管。
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