JP4031228B2 - 手動昇降ケージ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手動により昇降させることができる手動昇降ケージに関するものである。
本明細書中、「ケージ」とは、「cage:エレベータの箱(室)、立坑で鉱物、機材、人員等を昇降させるためロープで吊った昇降台」のことをいう。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の手動昇降装置は、ストッパー機能を備えた手動巻揚げ機によりケージ本体(昇降台)を吊下させたワイヤーを巻揚げ、繰り出し、ケージ本体を昇降させるものが主流であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の手動昇降装置は、ケージ本体の上昇、下降時にいずれも手動巻げ機によりワイヤーを巻揚げ、繰り出す構造であるため、操作性が良くなく、ワイヤーに負荷がかかり、損傷し易く、メンテナンスを頻繁に行う必要があった。
【0004】
また、手動巻揚げ機の操作中に操作を中断する際には、ストッパー機能が必要不可欠であり、このため構造が複雑となるばかりか、コストが高騰する要因となっていた。
【0005】
本発明は、このような欠点に鑑み、簡易構造で、極めて容易、かつ安全に昇降させることができる手動昇降ケージを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、垂直方向に設置した一対のガイドレールに、ケージ本体を、昇降自在とし、ケージ本体の荷重を相殺し得るようにカウンターウエイトを配設させてなる昇降ケージにおいて、一対のガイドレール間にレール材を水平に所定間隔を隔てて多数配し、ケージ本体に垂直方向に回転する駆動スプロケットを配し、この駆動スプロケットにギヤ比が大きいクランク軸スプロケットを噛合させ、このクランク軸スプロケットの一側に偏心させて作動アームを、この作動アームとクランク軸スプロケットの軸心に対して180度対称位置のクランク軸スプロケットの他側に偏心させて別の作動アームを、それぞれ軸支させ、各作動アームの先端を、一対のガイドレールに、それぞれ嵌挿させると共に、各作動アームの先端に、レール材に係止するフックを、それぞれレール材側に付勢させて配設させてなり、駆動スプロケットを回転させることにより、一対の作動アームのフックを、隣接するレール材に交互に係止、解除させ、ケージ本体を上昇させることを特徴とするもの、
またはケージ本体下降時に、各フックをレール材から離隔し、一対のガイドレール内に配したブレーキ機構を介して、下降速度を調整し、ケージ本体を下降させることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る手動昇降ケージは、図1〜図8に示すように以下の構成からなるものである。
【0008】
本発明において、昇降ケージの基本構造は、一般に知られている昇降ケージと同様、垂直方向に設置した一対のガイドレール12に、ケージ本体14を、昇降自在に配し、ケージ本体14の荷重を相殺し得るように一対のカウンターウエイト16を配設させてなるものである。
【0009】
本例において、一対のガイドレール12は、立坑等の垂直壁面18に、固定具20を介してそれぞれ固定されている。
【0010】
また、ケージ本体14は、枠材を複数組付け、底面に床板を装着した立方体構造としてあり、ケージ本体14の重量は約230Kgである。
【0011】
このため、一対のカンターウエイト16の総重量は、ケージ本体14とほぼ同一重量としてある。
【0012】
一対のガイドレール12間にレール材22を水平に所定間隔を隔てて多数配してある。
【0013】
本例において、レール材22は、一対のガイドレール12間に配した梯子24の各横材である。
【0014】
また、この梯子24は立坑等の垂直壁面18に非常用として常設されるものであり、このため本発明においては既設の梯子24を利用することができる。
【0015】
ケージ本体14に垂直方向に回転する駆動軸26を配し、この駆動軸26に駆動スプロケット28を軸着させてある。
【0016】
この駆動スプロケット28に被動スプロケット30を噛合させ、被動スプロケット30にギア比が大きいクランク軸スプロケット32を噛合させてある。
【0017】
この駆動スプロケット28とクランク軸スプロケット32との間に被動スプロケット30を噛合させるのは、駆動軸26とクランク軸スプロケット32との回転方向を同一方向とするためである。
【0018】
本例において、駆動スプロケット28、被動スプロケット30に対するクランク軸スプロケット32のギヤ比は8である。
【0019】
クランク軸スプロケット32の一側に偏心させて作動アーム34を、この作動アーム34とクランク軸スプロケット32の軸心に対して180度対称位置のクランク軸スプロケット32の他側に偏心させて別の作動アーム36を、それぞれ軸支させてある。
【0020】
一対の作動アーム34,36の先端を、一対のガイドレール12に、それぞれ嵌挿させると共に、一対の作動アーム34,36の先端に、レール材22に係止するフック38を、それぞれレール材22側に付勢させて配設させてある。
【0021】
本例において、一対の作動アーム34,36のガイドレール12への嵌挿手段は、ガイドローラ40によるものである。
【0022】
また、フック38は、その上端部分を上方に突出させ、この突出側面をレール材22への案内部とし、フック38のスムーズな上昇移動およびフック38のレール材22への係止動作を確実に行わせる配慮がなされている。
【0023】
また、フック38のレール材22側への付勢手段は、図示しないスプリング等の弾性体によるものである。
【0024】
また、ケージ本体14下降時に、各フック38をレール材22から離隔するスライダー42、離隔したフック38をケージ本体14側に固定する固定金具44が、配備されている。
【0025】
また、ケージ本体14の下降時に、ケージ本体14の下降速度を調整するため、一対のガイドレール12内にブレーキ機構46が配設されている。
【0026】
本例において、ブレーキ機構46は、一対のガイドレール12内にブレーキシューを押当てることにより、ケージ本体14の下降速度を調整するものであり、ケージ本体14の下部に配設され、このブレーキ機構46に対応するケージ本体14側には操作ペダル48が装備されている。
【0027】
本発明に係る手動昇降ケージは上記構成からなるため、駆動スプロケット28を回転(駆動)させることにより、被動スプロケット30を経てクランク軸スプロケット32が回転し、一対の作動アーム34,36が交互に一対のガイドレール12内を、それぞれ上昇し、この上昇に伴い各フック38がレール材22側に付勢された状態で上昇することとなり、各フック38が交互に隣接するレール材22に係止、解除動作を行い、ケージ本体14が上昇する。
【0028】
なお、図中50は駆動軸26に装着されたハンドル、52はケージ本体14を所定位置で固定する際に使用する固定ブレーキ機構、54は固定ブレーキ機構52の操作ハンドル、56はカウンターウエイト16を吊下するワイヤー、58はワイヤー56を案内するシーブ、60は緊急停止装置、62はケージ本体14の扉、64はケージ本体14の非常用扉、66はケージ本体14を最下位置にて停止させる減速停止装置、Mは作業者を示す。
【0029】
本発明に係る手動昇降ケージの上昇動作を図9〜図20に基づいて、以下に詳述する。
【0030】
ここで、一方のフック38がレール材22に係止されている状態、つまり一方の作動アーム34のクランク軸スプロット32の軸支位置がレール材22から一番離隔した位置に、他方の作動アーム36のクランク軸スプロット32の軸支位置がレール材22に一番近接した位置に、それぞれ位置した状態を、基本位置とする(図9、図20参照)。
【0031】
この際、一方の(実線で示された)作動アーム34のフック38は、下段のレール材22に係止された、つまりケージ本体14を支持した状態のまま、他方の(二点鎖線で示された)作動アーム36のフック38が上段のレール材22に係止直前の状態となっている。
【0032】
まず、駆動軸26のハンドル50を作業者Mが手で把持して、手動により矢印Y方向に、回転(駆動)させると、駆動軸26の駆動スプロケット28が回転し、被動スプロケット30、クランク軸スプロケット32を経て、その駆動力が各作動アーム34,36に伝導され、他方の作動アーム36のフック38が上段のレール材22に係止され、一方の作動アーム34のフック38が下段のレール材22との係止が解除され、上方に移動する(図10、図11参照)。
【0033】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、一方の作動アーム34のフック38が上昇し、他方の作動アーム36が係止されている上段のレール材22に到達する。
【0034】
この際、一方の作動アーム34のフック38がレール材22に係止されようとするが、駆動スプロケット28の回転により作動アーム34の先端がさらにガイドレール12に沿って上昇するため、フック38はレール材22に係止されることなく、そのまま上昇する(図12〜図14参照)。
【0035】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、一方の作動アーム34のクランク軸スプロット32の軸支位置がレール材22に一番接近した位置に到達し、上段のレール材22に係止直前の状態となる(図15参照)。
【0036】
この間、他方の作動アーム36のフック38は、レール材22に係止された状態のままであり、このレール材22へのフック38の係止力により、一方の作動アーム34の上昇中、確実にケージ本体14が支持される。
【0037】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、一方の作動アーム34のフック38がレール材22に係止し、他方の作動アーム36のフック38が係止されていたレール材22から解除され、上昇する(図16参照)。
【0038】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、他方の作動アーム36のフック38が上昇し、図10〜15に示す一方の作動アーム34のフック38の場合と同様に上昇する(図17〜図20参照)。
【0039】
次いで、他方の作動アーム36のフック38が上段のレール材22に係止され、一連の動作が終了し、元の基本位置に戻る。
【0040】
以上の動作は、駆動スプロケット28とクランク軸スプロケット32とのギヤ比が8であるため、駆動スプロケット28を8回転させることにより、行われる。
【0041】
このように、駆動スプロケット28を回転させることにより、前記動作が繰返され、各フック38が交互に隣接するレール材22への係止、解除動作を行い、ケージ本体14が上昇する。
【0042】
このため、クランク軸スプロケット32に軸支させた一対の作動アーム34,36および各作動アーム34,36にそれぞれ配設させたフック38が、交互に隣接するレール材22を係止、解除動作を行う簡易な構造により、ケージ本体14を確実に、しかも安全に上昇させること可能となる。
【0043】
次に、本発明に係る手動昇降ケージの下降動作を、図1、図3および図5に基づいて、説明する。
【0044】
まず、固定ブレーキ機構52およびブレーキ機構46を作動させ、ケージ本体14を一対のガイドレール12に支持、固定する。
【0045】
次いで、スライダー42、固定金具44を介して、各フック38をレール材22から離隔してケージ本体14側に固定させる。
【0046】
次いで、固定ブレーキ機構52を解除する。
【0047】
次いで、ブレーキ機構46を解除させ、ケージ本体14を、ケージ本体14に乗る作業者M、機材、鉱物等の重量により自然落下させる。
【0048】
この際、作業者Mは操作ペダル48によりブレーキ機構46を作動させ、下降速度を調整する。
【0049】
このため、ケージ本体14下降時において、ブレーキ機構46を介して下降速度を調整しながら、下降させることにより、容易、かつ安全にケージ本体14を下降させることが可能となる。
【0050】
なお、本例において、ガイドレール12は2個一対のものであるが、2個を一体型に形成させることは自明である。
【0051】
また、駆動スプロケット28は駆動軸26に装着したハンドル50を作業者が手で把持し、回転させるものであるが、自転車、手動ミシンのように足踏方式としてもよく、またその他の駆動方式を採用することは自由である。
【0052】
また、クランク軸スプロケット32と駆動スプロケット28との間に被動スプロケット30を噛合させてあるが、この被動スプロケット30を複数噛合させてもよく、またこの被動スプロケット30を省略し、クランク軸スプロケット32と駆動スプロケット28とを直接噛合させることは自明である。
【0053】
また、駆動スプロケット28とクランク軸スプロケット32とのギヤ比が8であるが、この比率に限定されることはなく、作業者が駆動スプロケット28を容易に回転させることができる比率に設定変更すること、または変速機を介在させることは自明である。
【0054】
また、ケージ本体14およびカウンターウエイト16の重量は本例に限定されるものではない。
【0055】
また、駆動スプロケット28、クランク軸スプロケット32の大きさ、作動アーム34,36の長さ、フック38の長さ(大きさ)は、隣接する各レール材22の配置間隔により決定されるものであり、これらの長さ(大きさ)を適宜変更使用することは自由である。
【0056】
また、本例は立坑等の垂直壁面を利用するものであるが、ビル等の高層建築物の非常用昇降手段としても利用できる。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る手動昇降ケージによれば、駆動スプロケットを回転(駆動)させることにより、クランク軸スプロケットが回転し、一対の作動アームが交互に一対のガイドレール内を、それぞれ上昇し、この上昇に伴い各フックがレール材側に付勢された状態で上昇することとなり、各フックが交互に隣接するレール材に係止、解除動作を行い、ケージ本体を上昇させるため、構造が極めて簡易であり、確実、かつ安全に上昇させることができ、簡易エレベータより安価に製作することができ、さらにメンテナンス性にも優れている。
【0058】
また、ケージ本体下降時に、フックをレール材から離隔し、一対のガイドレール内に配したブレーキ機構を介して、下降速度を調整し、ケージ本体を下降させることにより、容易、かつ安全にケージ本体を下降させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手動昇降ケージの要部側面図。
【図2】同、全体を示す正面図。
【図3】同、要部拡大側面図。
【図4】同、要部拡大断面図。
【図5】同、要部拡大正面図。
【図6】図5A−A線拡大断面図。
【図7】同、要部拡大背面図。
【図8】図7B−B線拡大断面図。
【図9】フックの第1動作を示す要部拡大側面図。
【図10】フックの第2動作を示す要部拡大側面図。
【図11】フックの第3動作を示す要部拡大側面図。
【図12】フックの第4動作を示す要部拡大側面図。
【図13】フックの第5動作を示す要部拡大側面図。
【図14】フックの第6動作を示す要部拡大側面図。
【図15】フックの第7動作を示す要部拡大側面図。
【図16】フックの第8動作を示す要部拡大側面図。
【図17】フックの第9動作を示す要部拡大側面図。
【図18】フックの第10動作を示す要部拡大側面図。
【図19】フックの第11動作を示す要部拡大側面図。
【図20】フックの第12動作を示す要部拡大側面図。
【符号の説明】
12 ガイドレール
14 ケージ本体
16 カウンターウエイト
22 レール材
28 駆動スプロケット
32 クランク軸スプロケット
34,36 作動アーム
38 フック
46 ブレーキ機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、手動により昇降させることができる手動昇降ケージに関するものである。
本明細書中、「ケージ」とは、「cage:エレベータの箱(室)、立坑で鉱物、機材、人員等を昇降させるためロープで吊った昇降台」のことをいう。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の手動昇降装置は、ストッパー機能を備えた手動巻揚げ機によりケージ本体(昇降台)を吊下させたワイヤーを巻揚げ、繰り出し、ケージ本体を昇降させるものが主流であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の手動昇降装置は、ケージ本体の上昇、下降時にいずれも手動巻げ機によりワイヤーを巻揚げ、繰り出す構造であるため、操作性が良くなく、ワイヤーに負荷がかかり、損傷し易く、メンテナンスを頻繁に行う必要があった。
【0004】
また、手動巻揚げ機の操作中に操作を中断する際には、ストッパー機能が必要不可欠であり、このため構造が複雑となるばかりか、コストが高騰する要因となっていた。
【0005】
本発明は、このような欠点に鑑み、簡易構造で、極めて容易、かつ安全に昇降させることができる手動昇降ケージを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、垂直方向に設置した一対のガイドレールに、ケージ本体を、昇降自在とし、ケージ本体の荷重を相殺し得るようにカウンターウエイトを配設させてなる昇降ケージにおいて、一対のガイドレール間にレール材を水平に所定間隔を隔てて多数配し、ケージ本体に垂直方向に回転する駆動スプロケットを配し、この駆動スプロケットにギヤ比が大きいクランク軸スプロケットを噛合させ、このクランク軸スプロケットの一側に偏心させて作動アームを、この作動アームとクランク軸スプロケットの軸心に対して180度対称位置のクランク軸スプロケットの他側に偏心させて別の作動アームを、それぞれ軸支させ、各作動アームの先端を、一対のガイドレールに、それぞれ嵌挿させると共に、各作動アームの先端に、レール材に係止するフックを、それぞれレール材側に付勢させて配設させてなり、駆動スプロケットを回転させることにより、一対の作動アームのフックを、隣接するレール材に交互に係止、解除させ、ケージ本体を上昇させることを特徴とするもの、
またはケージ本体下降時に、各フックをレール材から離隔し、一対のガイドレール内に配したブレーキ機構を介して、下降速度を調整し、ケージ本体を下降させることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る手動昇降ケージは、図1〜図8に示すように以下の構成からなるものである。
【0008】
本発明において、昇降ケージの基本構造は、一般に知られている昇降ケージと同様、垂直方向に設置した一対のガイドレール12に、ケージ本体14を、昇降自在に配し、ケージ本体14の荷重を相殺し得るように一対のカウンターウエイト16を配設させてなるものである。
【0009】
本例において、一対のガイドレール12は、立坑等の垂直壁面18に、固定具20を介してそれぞれ固定されている。
【0010】
また、ケージ本体14は、枠材を複数組付け、底面に床板を装着した立方体構造としてあり、ケージ本体14の重量は約230Kgである。
【0011】
このため、一対のカンターウエイト16の総重量は、ケージ本体14とほぼ同一重量としてある。
【0012】
一対のガイドレール12間にレール材22を水平に所定間隔を隔てて多数配してある。
【0013】
本例において、レール材22は、一対のガイドレール12間に配した梯子24の各横材である。
【0014】
また、この梯子24は立坑等の垂直壁面18に非常用として常設されるものであり、このため本発明においては既設の梯子24を利用することができる。
【0015】
ケージ本体14に垂直方向に回転する駆動軸26を配し、この駆動軸26に駆動スプロケット28を軸着させてある。
【0016】
この駆動スプロケット28に被動スプロケット30を噛合させ、被動スプロケット30にギア比が大きいクランク軸スプロケット32を噛合させてある。
【0017】
この駆動スプロケット28とクランク軸スプロケット32との間に被動スプロケット30を噛合させるのは、駆動軸26とクランク軸スプロケット32との回転方向を同一方向とするためである。
【0018】
本例において、駆動スプロケット28、被動スプロケット30に対するクランク軸スプロケット32のギヤ比は8である。
【0019】
クランク軸スプロケット32の一側に偏心させて作動アーム34を、この作動アーム34とクランク軸スプロケット32の軸心に対して180度対称位置のクランク軸スプロケット32の他側に偏心させて別の作動アーム36を、それぞれ軸支させてある。
【0020】
一対の作動アーム34,36の先端を、一対のガイドレール12に、それぞれ嵌挿させると共に、一対の作動アーム34,36の先端に、レール材22に係止するフック38を、それぞれレール材22側に付勢させて配設させてある。
【0021】
本例において、一対の作動アーム34,36のガイドレール12への嵌挿手段は、ガイドローラ40によるものである。
【0022】
また、フック38は、その上端部分を上方に突出させ、この突出側面をレール材22への案内部とし、フック38のスムーズな上昇移動およびフック38のレール材22への係止動作を確実に行わせる配慮がなされている。
【0023】
また、フック38のレール材22側への付勢手段は、図示しないスプリング等の弾性体によるものである。
【0024】
また、ケージ本体14下降時に、各フック38をレール材22から離隔するスライダー42、離隔したフック38をケージ本体14側に固定する固定金具44が、配備されている。
【0025】
また、ケージ本体14の下降時に、ケージ本体14の下降速度を調整するため、一対のガイドレール12内にブレーキ機構46が配設されている。
【0026】
本例において、ブレーキ機構46は、一対のガイドレール12内にブレーキシューを押当てることにより、ケージ本体14の下降速度を調整するものであり、ケージ本体14の下部に配設され、このブレーキ機構46に対応するケージ本体14側には操作ペダル48が装備されている。
【0027】
本発明に係る手動昇降ケージは上記構成からなるため、駆動スプロケット28を回転(駆動)させることにより、被動スプロケット30を経てクランク軸スプロケット32が回転し、一対の作動アーム34,36が交互に一対のガイドレール12内を、それぞれ上昇し、この上昇に伴い各フック38がレール材22側に付勢された状態で上昇することとなり、各フック38が交互に隣接するレール材22に係止、解除動作を行い、ケージ本体14が上昇する。
【0028】
なお、図中50は駆動軸26に装着されたハンドル、52はケージ本体14を所定位置で固定する際に使用する固定ブレーキ機構、54は固定ブレーキ機構52の操作ハンドル、56はカウンターウエイト16を吊下するワイヤー、58はワイヤー56を案内するシーブ、60は緊急停止装置、62はケージ本体14の扉、64はケージ本体14の非常用扉、66はケージ本体14を最下位置にて停止させる減速停止装置、Mは作業者を示す。
【0029】
本発明に係る手動昇降ケージの上昇動作を図9〜図20に基づいて、以下に詳述する。
【0030】
ここで、一方のフック38がレール材22に係止されている状態、つまり一方の作動アーム34のクランク軸スプロット32の軸支位置がレール材22から一番離隔した位置に、他方の作動アーム36のクランク軸スプロット32の軸支位置がレール材22に一番近接した位置に、それぞれ位置した状態を、基本位置とする(図9、図20参照)。
【0031】
この際、一方の(実線で示された)作動アーム34のフック38は、下段のレール材22に係止された、つまりケージ本体14を支持した状態のまま、他方の(二点鎖線で示された)作動アーム36のフック38が上段のレール材22に係止直前の状態となっている。
【0032】
まず、駆動軸26のハンドル50を作業者Mが手で把持して、手動により矢印Y方向に、回転(駆動)させると、駆動軸26の駆動スプロケット28が回転し、被動スプロケット30、クランク軸スプロケット32を経て、その駆動力が各作動アーム34,36に伝導され、他方の作動アーム36のフック38が上段のレール材22に係止され、一方の作動アーム34のフック38が下段のレール材22との係止が解除され、上方に移動する(図10、図11参照)。
【0033】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、一方の作動アーム34のフック38が上昇し、他方の作動アーム36が係止されている上段のレール材22に到達する。
【0034】
この際、一方の作動アーム34のフック38がレール材22に係止されようとするが、駆動スプロケット28の回転により作動アーム34の先端がさらにガイドレール12に沿って上昇するため、フック38はレール材22に係止されることなく、そのまま上昇する(図12〜図14参照)。
【0035】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、一方の作動アーム34のクランク軸スプロット32の軸支位置がレール材22に一番接近した位置に到達し、上段のレール材22に係止直前の状態となる(図15参照)。
【0036】
この間、他方の作動アーム36のフック38は、レール材22に係止された状態のままであり、このレール材22へのフック38の係止力により、一方の作動アーム34の上昇中、確実にケージ本体14が支持される。
【0037】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、一方の作動アーム34のフック38がレール材22に係止し、他方の作動アーム36のフック38が係止されていたレール材22から解除され、上昇する(図16参照)。
【0038】
次いで、さらに駆動スプロケット28を回転させると、他方の作動アーム36のフック38が上昇し、図10〜15に示す一方の作動アーム34のフック38の場合と同様に上昇する(図17〜図20参照)。
【0039】
次いで、他方の作動アーム36のフック38が上段のレール材22に係止され、一連の動作が終了し、元の基本位置に戻る。
【0040】
以上の動作は、駆動スプロケット28とクランク軸スプロケット32とのギヤ比が8であるため、駆動スプロケット28を8回転させることにより、行われる。
【0041】
このように、駆動スプロケット28を回転させることにより、前記動作が繰返され、各フック38が交互に隣接するレール材22への係止、解除動作を行い、ケージ本体14が上昇する。
【0042】
このため、クランク軸スプロケット32に軸支させた一対の作動アーム34,36および各作動アーム34,36にそれぞれ配設させたフック38が、交互に隣接するレール材22を係止、解除動作を行う簡易な構造により、ケージ本体14を確実に、しかも安全に上昇させること可能となる。
【0043】
次に、本発明に係る手動昇降ケージの下降動作を、図1、図3および図5に基づいて、説明する。
【0044】
まず、固定ブレーキ機構52およびブレーキ機構46を作動させ、ケージ本体14を一対のガイドレール12に支持、固定する。
【0045】
次いで、スライダー42、固定金具44を介して、各フック38をレール材22から離隔してケージ本体14側に固定させる。
【0046】
次いで、固定ブレーキ機構52を解除する。
【0047】
次いで、ブレーキ機構46を解除させ、ケージ本体14を、ケージ本体14に乗る作業者M、機材、鉱物等の重量により自然落下させる。
【0048】
この際、作業者Mは操作ペダル48によりブレーキ機構46を作動させ、下降速度を調整する。
【0049】
このため、ケージ本体14下降時において、ブレーキ機構46を介して下降速度を調整しながら、下降させることにより、容易、かつ安全にケージ本体14を下降させることが可能となる。
【0050】
なお、本例において、ガイドレール12は2個一対のものであるが、2個を一体型に形成させることは自明である。
【0051】
また、駆動スプロケット28は駆動軸26に装着したハンドル50を作業者が手で把持し、回転させるものであるが、自転車、手動ミシンのように足踏方式としてもよく、またその他の駆動方式を採用することは自由である。
【0052】
また、クランク軸スプロケット32と駆動スプロケット28との間に被動スプロケット30を噛合させてあるが、この被動スプロケット30を複数噛合させてもよく、またこの被動スプロケット30を省略し、クランク軸スプロケット32と駆動スプロケット28とを直接噛合させることは自明である。
【0053】
また、駆動スプロケット28とクランク軸スプロケット32とのギヤ比が8であるが、この比率に限定されることはなく、作業者が駆動スプロケット28を容易に回転させることができる比率に設定変更すること、または変速機を介在させることは自明である。
【0054】
また、ケージ本体14およびカウンターウエイト16の重量は本例に限定されるものではない。
【0055】
また、駆動スプロケット28、クランク軸スプロケット32の大きさ、作動アーム34,36の長さ、フック38の長さ(大きさ)は、隣接する各レール材22の配置間隔により決定されるものであり、これらの長さ(大きさ)を適宜変更使用することは自由である。
【0056】
また、本例は立坑等の垂直壁面を利用するものであるが、ビル等の高層建築物の非常用昇降手段としても利用できる。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る手動昇降ケージによれば、駆動スプロケットを回転(駆動)させることにより、クランク軸スプロケットが回転し、一対の作動アームが交互に一対のガイドレール内を、それぞれ上昇し、この上昇に伴い各フックがレール材側に付勢された状態で上昇することとなり、各フックが交互に隣接するレール材に係止、解除動作を行い、ケージ本体を上昇させるため、構造が極めて簡易であり、確実、かつ安全に上昇させることができ、簡易エレベータより安価に製作することができ、さらにメンテナンス性にも優れている。
【0058】
また、ケージ本体下降時に、フックをレール材から離隔し、一対のガイドレール内に配したブレーキ機構を介して、下降速度を調整し、ケージ本体を下降させることにより、容易、かつ安全にケージ本体を下降させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手動昇降ケージの要部側面図。
【図2】同、全体を示す正面図。
【図3】同、要部拡大側面図。
【図4】同、要部拡大断面図。
【図5】同、要部拡大正面図。
【図6】図5A−A線拡大断面図。
【図7】同、要部拡大背面図。
【図8】図7B−B線拡大断面図。
【図9】フックの第1動作を示す要部拡大側面図。
【図10】フックの第2動作を示す要部拡大側面図。
【図11】フックの第3動作を示す要部拡大側面図。
【図12】フックの第4動作を示す要部拡大側面図。
【図13】フックの第5動作を示す要部拡大側面図。
【図14】フックの第6動作を示す要部拡大側面図。
【図15】フックの第7動作を示す要部拡大側面図。
【図16】フックの第8動作を示す要部拡大側面図。
【図17】フックの第9動作を示す要部拡大側面図。
【図18】フックの第10動作を示す要部拡大側面図。
【図19】フックの第11動作を示す要部拡大側面図。
【図20】フックの第12動作を示す要部拡大側面図。
【符号の説明】
12 ガイドレール
14 ケージ本体
16 カウンターウエイト
22 レール材
28 駆動スプロケット
32 クランク軸スプロケット
34,36 作動アーム
38 フック
46 ブレーキ機構
Claims (2)
- 垂直方向に設置した一対のガイドレール(12)に、ケージ本体(14)を、昇降自在とし、ケージ本体(14)の荷重を相殺し得るようにカウンターウエイト(16)を配設させてなる昇降ケージにおいて、
一対のガイドレール(12)間にレール材(22)を水平に所定間隔を隔てて多数配し、ケージ本体(14)に垂直方向に回転する駆動スプロケット(28)を配し、
この駆動スプロケット(28)にギヤ比が大きいクランク軸スプロケット(32)を噛合させ、
このクランク軸スプロケット(32)の一側に偏心させて作動アーム(34)を、この作動アーム(34)とクランク軸スプロケット(32)の軸心に対して180度対称位置のクランク軸スプロケット(32)の他側に偏心させて別の作動アーム(36)を、それぞれ軸支させ、
各作動アーム(34),(36)の先端を、一対のガイドレール(12)に、それぞれ嵌挿させると共に、各作動アーム(34),(36)の先端に、レール材(22)に係止するフック(38)を、それぞれレール材(22)側に付勢させて配設させてなり、
駆動スプロケット(28)を回転させることにより、一対の作動アーム(34),(36)のフック(38)を、隣接するレール材(22)に交互に係止、解除させ、ケージ本体(14)を上昇させることを特徴とする手動昇降ケージ。 - ケージ本体(14)下降時に、各フック(38)をレール材(22)から離隔し、一対のガイドレール(12)内に配したブレーキ機構(46)を介して、下降速度を調整し、ケージ本体(14)を下降させることを特徴とする請求項1記載の手動昇降ケージ。
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