JP4031096B2 - 弾性表面波フィルタ及び弾性表面波フィルタの構成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話のような移動通信機器等に用いられる弾性表面波フィルタ及びその構成方法に関する。
また本発明は例えば弾性表面波フィルタなどの弾性表面波装置に関し、特にインターディジタル変換器と反射器とを備えた共振子型弾性表面波フィルタに関する。
また本発明はインターディジタル変換器と反射器により構成される共振子型フィルタのインターディジタル変換器の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信分野の発展はめざましく、様々なシステムが開発されている。これらのシステムで用いられている通信機器の小型化に伴い、使用される電子部品も小型化が求められている。
【0003】
弾性表面波フィルタは小型、軽量、高信頼性、優れた帯域外減衰特性等の特徴を有しているため、近年移動通信分野で盛んに使われている。また、フィルタ特性が通信機器の性能を決定するため、優れた周波数特性を有する弾性表面波フィルタは今や移動通信機器のキーデバイスとなっている。
【0004】
しかしながら、弾性表面波フィルタは電気信号を弾性表面波という機械的なエネルギーに一度変換した後に再び電気信号に変換するといった動作原理により、挿入損失が大きいという問題があり、低損失化が求められている移動体通信機器用フィルタに使えるような低損失化を実現するためには様々な方式が検討されている。
例えば一方向性のフィルタや、複数のインターディジタル変換器(ΙnterDigital Transducer:IDT)を組み合わせたIIDT方式、共振特性を利用した共振子型フィルタや1ポート型共振子を梯子状に組み合わせたラダー型弾性表面波フィルタ等がある。
【0005】
これら方式の中でも、共振特性を利用した共振子型弾性表面波フィルタは、低損失で小型化に優れ、移動体通信用弾性表面波フィルタの主流となっている。
【0006】
このような弾性表面波フィルタは、用いられる通信システム、放送システムなどに応じて周波数特性を制御する必要がある。近年では、例えば送信帯域と受信帯域が近接するなど、システムの高度化に伴って複雑な周波数特性の制御を行うことが要求されている。
【0007】
従来、共振子型弾性表面波フィルタはインターディジタル変換器による弾性表面波の反射も積極的に利用するため、IDT(Inter Digital Transducer:インターディジタル変換器)は2本で極性が単位周期をなすソリッド電極(シングル電極)で構成されており、周波数特性等の特性制御はインターディジタル変換器やグレーティング状の反射器(Gr)を構成する電極指の本数や配設ピッチ及び電極指を構成する導体薄膜の膜厚によって制御されていた。
【0008】
しかしながら、例えば共振子型弾性表面波フィルタの基本特性は、このフィルタを構成するインターディジタル変換器の周波数特性と反射器の反射特性に支配されることになるため、従来の構造では複雑な特性制御を行うことができないという問題がある。
【0009】
特に小型化、軽量化が求められている移動体通信用途の弾性表面波フィルタでは、インターディジタル変換器や反射器の本数には自ずと制限があり、従来構造では特性制御できる範囲も限られてしまうという問題がある。
【0010】
また、弾性表面波フィルタは受動部品であるため、外部回路のインピーダンスの制限を受けるため、従来のようにインターディジタル変換器の電極指の対数や反射器の反射特性を制御する方法では弾性表面波フィルタ自体のインピーダンスが変化してしまうため特性制御には限界があった。
【0011】
また、フィルタ特性を変えずに弾性表面波フィルタのインピーダンスを制御するために、従来はインターディジタル変換器の開口長を変えて制御していた。
しかしながら、従来のようにインターディジタル変換器の開口長を変化させることにより、外部回路との整合をとる方法は小型化が求められる移動体通信用弾性表面波フィルタでは、弾性表面波装置の素子サイズの制限を受けたり、開口長の増減に伴う電極指の抵抗分の変化に伴う挿入損失の劣化や、横モード等の不必要なモードによるスプリアスが発生して弾性表面波装置の特性に悪影響を及ぼすことがあり、システム要求に対して十分に対応することができる手法ではなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、弾性表面波フィルタの特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に押さえつつ、所望の周波数特性が得られる弾性表面波フィルタ及びその構成方法を提供することを目的としている。
また本発明の弾性表面波フィルタは、低損失で良好な帯域外減衰特性を有するとともに、複雑なシステム要求に柔軟に対応することができる弾性表面波フィルタを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明の弾性表面波フィルタ及び弾性表面波フィルタの構成方法は以下のような構成を採用したものである。
【0014】
請求項1に係る本願発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、前記圧電性基板上に形成され、ソリッド電極からなる第1の領域と、前記第1の領域に隣接して形成されたスプリット電極からなる第2の領域とを有するインターディジタル変換器を有し、前記ソリッド電極の中心周波数をfo 1 、スプリット電極の中心周波数をfo 2 としたとき、2×(fo 2 ×0.95)≦fo 1 ≦2×(fo 2 ×1.01)の関係であることを特徴とする。
【0015】
請求項2では、インターディジタル変換器を有する共振子型フィルタを複数接続してなる弾性表面波フィルタであって、前記共振子型フィルタのうち少なくとも1つの共振子型フィルタが、ソリッド電極からなる第1の領域と、前記第1の領域に隣接して形成されたスプリット電極からなる第2の領域とを有するインターディジタル変換器を有し、前記ソリッド電極の中心周波数をfo 1 、スプリット電極の中心周波数をfo 2 としたとき、2×(fo 2 ×0.95)≦fo 1 ≦2×(fo 2 ×1.01)の関係であることを特徴とする弾性表面波フィルタが提供される。
【0017】
請求項3では、ソリッド電極からなる第1の領域とスプリット電極からなる第2の領域とを有するインターディジタル変換器における、スプリット電極を構成する電極指の本数の総和がソリッド電極を構成する電極指の本数の総和以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の弾性表面波フィルタが提供される。
【0020】
ここで、インターディジタル変換器(IDT)とは、例えば金属製薄膜の櫛歯状電極を互いに対向噛み合わせ配置したものである。通常、金属製薄膜のグレーティング状の反射器(Gr)がインターディジタル変換器より励振される弾性表面波の伝搬方向に沿ってΙDTを挟むように2ヶ配置される。また、ソリッド電極とは、インターディジタル変換器を構成している電極指の極性が、交流電圧などの信号が印加されたときに互い違いになるように配設されている電極をいう。また、スプリット電極とは、信号が印加されたときに、同極性の電極指2本を1つのぺアーとして、このぺアーの極性が互い違いになるように配設された電極をいう。
この弾性表面波フィルタでは、このようなインターディジタル変換器と反射器との組を複数個圧電性基板上に配設するようにしてもよい。
また、このとき同一の圧電性基板上に配設される複数の組のうち少なくとも1つの組のインターディジタル変換器をソリッド電極からなる第1の領域とスプリット電極からなる第2の領域とを有するように構成するようにしてもよい。
第1の領域と第2の領域とは、互いに隣接するように構成可能であり、また一方が他方を挟むように構成することも可能である。
【0021】
ソリッド電極は電極自体で弾性表面波を反射するため、低損失化に不可欠な電極構造である。一方スプリット電極は、電極内において反射波がキャンセルされる構造であるため弾性表面波フィルタの低損失化には寄与することはない。
特に、設定された中心周波数より若干外れた不必要な周波数に相当する波長の弾性表面波に対しては、ソリッド電極では不必要にもかかわらず低損失化に寄与してしまうことになるが、スプリット電極では全く寄与しないため、本発明では、従来の構造に比べて、通過帯域近傍での減衰特性は急峻なものとなる。
【0022】
また特に、スプリット電極の中心周波数をソリッド電極の中心周波数の1/2近傍に設定することにより、スプリット電極を構成する電極指の幅及び電極指の配設ピッチはスプリット電極を形成する電極指の幅および電極指の配設ピッチと等しくなる。
このことにより、ソリッド電極から励振された弾性表面波にとっては反射器として作用し、弾性表面波フィルタの低損失化に寄与するが、スプリット電極から励振される弾性表面波は先に述べたようにスプリット電極内で打ち消されるために、スプリット電極から励振された波長の弾性表面波の反射波による悪影響を回避することができる。
【0023】
また上記の説明のように、スプリット電極はそれを構成する電極指の配設ピッチに応じた周波数の弾性表面波に対しては反射器として作用する。通常の反射器ではこの反射器を構成する電極はすべて同一極性となるのに対し、スプリット電極の場合には、同一極性の電極指2本をぺアーとし、ぺアー間で極性が異なっている構造上、この極性の異なる電極指ぺアー間に、通常の反射器では持ち得ない容量を有することとなる。
すなわち、ソリッド電極の一部をスプリット電極に置き換えた場合には、弾性表面波フィルタの容量を変えることなく励振源を変えることができるし、またソリッド電極で構成されている弾性表面波フィルタにスプリット電極を付加した場合には、励振源を変えることなく弾性表面波フィルタの容量を変えることができる。
このように本発明の弾性表面波フィルタおよびその構成方法によれば、弾性表面波フィルタの損失や、チップサイズを犠牲にすることなく、システムの要求する複雑な周波数特性に柔軟に対応することができる。
【0024】
また、本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、前記圧電性基板上に配設され、第1の弾性表面波を励振する第1の領域と、前記第1の弾性表面波を反射する第2の領域とを有するインターディジタル変換器とを具備したことを特徴とする。
すなわち本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、前記圧電性基板上に配設され、信号が入力されたとき第1の弾性表面波を励振する第1の領域と、前記信号が入力されたとき前記第1の弾性表面波を反射する第2の領域とを有するインターディジタル変換器とを具備するものである。
1個のインターディジタル変換器内には、複数の第1の領域または複数の第2の領域が存在していてもよい。
【0025】
前記インターディジタル変換器の前記第2の領域は、隣接配置される電極指間で容量が形成される部分を有するようにしてもよい。
【0026】
また、前記インターディジタル変換器の第2の領域は、同一極性の電極指が3本以上並ぶように構成するようにしてもよい。つまり、前記インターディジタル変換器の第2の領域は、前記電気信号が入力されたとき同一極性の電極指が3本以上並ぶような配置で構成するようにしてもよい。
例えば、前記インターディジタル変換器の前記第1の領域は、第1の極性を有するように接続された第1の電極指と、第2の極性を有するように接続された第2の電極指とを交互に配設して構成し、前記第2の領域を少なくとも1本の前記第1の電極指と3本の前記第2の電極指とからなる偶数本を単位として周期的に配設するようにしてもよい。
つまり本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、前記圧電性基板上に配設され、第1の極性を有するように接続された第1の電極指と第2の極性を有するように接続された第2の電極指とが交互に配設された第1の領域と、前記第1の電極指と前記第2の電極指とが少なくとも1本の前記第1の電極指と2本の前記第2の電極指とからなる奇数本の電極指を単位として周期的に配設された第2の領域とを有するインターディジタル変換器とを具備するようにしてもよい。
また、圧電牲基板上に形成した金属製薄膜の櫛歯状電極を互いに交差させてなるインターディジタル変換器を単数もしくは複数個有し、金属製薄膜のグレーティング状の反射器(Gr)が前記インターディジタル変換器により励振される弾性表面波の伝搬方向に沿って前記インターディジタル変換器を挟むように配置してなる共振子型の弾性表面波フィルタであって、前記インターディジタル変換器を構成する電極指はすべて前記インターディジタル変換器により励振される弾性表面波の1/4波長の幅とピッチで配置されている電極(以後ソリッド電極と呼ぶ)で構成されており、かつ、少なくとも1ヶの前記インターディジタル変換器内で、このインターディジタル変換器を構成している前記電極指の極性が2本で単位周期をなす第1の領域と、4本以上で偶数本の前記電極指で単位周期をなす第2の領域とを備えるようにしてもよい。
このとき、4本以上の偶数本の電極指で単位周期をなす第2の領域が、同一極性の電極指2本と、異なる極性の電極指2本の計4本の電極指で単位周期を構成すると、設定した周波数の半分の周波数で励振するスプリット電極となってしまい、励振源の数が減ってしまう。このため、インターディジタル変換器の第2の領域の構成は、例えば4本の電極指で1周期を構成する場合には、一方のバスバーに接続された電極指1本と他方のバスバーに接続された電極指3本とによりソリッドに構成するようにすればよい。
【0027】
また、前記インターディジタル変換器の第2の領域は、前記電気信号が入力されたとき互いに打ち消し合うような2つの弾性表面波を励振するように構成するようにしてもよい。
例えば、前記インターディジタル変換器の前記第1の領域は、第1の極性を有するように接続された第1の電極指と第2の極性を有するように接続された第2の電極指とを交互に配設して構成し、前記第2の領域は少なくとも1本の前記第1の電極指と2本の前記第2の電極指とからなる奇数本を単位として周期的に配設するようにしてもよい。
つまり本発明の弾性表面波フィルタは、圧電性基板と、前記圧電性基板上に配設され、第1の極性を有するように接続された第1の電極指と第2の極性を有するように接続された第2の電極指とが交互に配設された第1の領域と、前記第1の電極指と前記第2の電極指とが少なくとも1本の前記第1の電極指と2本の前記第2の電極指とからなる奇数本の電極指を単位として周期的に配設された第2の領域とを有するインターディジタル変換器とを具備するようにしてもよい。
また、圧電牲基板上に形成した金属製薄膜の櫛歯状電極を互いに交差させてなるインターディジタル変換器を単数もしくは複数個有し、金属製薄膜のグレーティング状の反射器(Gr)が前記インターディジタル変換器により励振される弾性表面波の伝搬方向に沿って前記インターディジタル変換器を挟むように配置してなる共振子型の弾性表面波フィルタであって、前記インターディジタル変換器を構成する電極指はすべて前記インターディジタル変換器により励振される弾性表面波の1/4波長の幅とピッチで配置されている電極(以後ソリッド電極と呼ぶ)で構成されており、かつ、少なくとも1ヶの前記インターディジタル変換器内で、このインターディジタル変換器を構成している前記電極指の極性が2本で単位周期をなす第1の領域と、3本以上で奇数本の前記電極指で単位周期をなす第2の領域とを有するようにしてもよい。
【0028】
また、前記インターディジタル変換器を構成する電極指の幅は前記インターディジタル変換器が励振する弾性表面波の波長の1/4であり、前記電極指の配設ピッチは前記波長の1/4となるように構成するようにしてもよい。
【0029】
また、前記インターディジタル変換器は、前記第1の領域で励振される弾性表面波の位相と、前記第2の領域で励振される弾性表面波の位相とが同相になるように配設するようにしてもよい。
【0030】
また、前記インターディジタル変換器は、前記第1の領域で励振される弾性表面波の位相と、前記第2の領域で励振される弾性表面波の位相とが逆相になるように配設するようにしてもよい。
【0031】
また前記インターディジタル変換器を構成する電極指は、前記第1の領域における配設ピッチをp1 、前記第2の領域における配設ピッチをp2 としたとき、
p1 ×0.90≦p2 ≦p1 ×1.1
の関係を満たすように構成するようにしてもよい。
【0032】
また、前記圧電性基板上に、前記インターディジタル変換器の励振する弾性表面波の伝搬方向に沿って前記インターディジタル変換器を挟むように配設された反射器をさらに具備するようにしてもよく、前記インターディジタル変換器は前記反射器の間に複数個配設するようにしてもよい。
【0033】
すなわち本発明の弾性表面波フィルタは、弾性表面波フィルタを構成しているインターディジタル変換器のうち少なくとも1個のインターディジタル変換器を、その電極指の極性が2本で単位周期をなすソリッド電極からなる第1の領域と、4本以上で偶数本の電極指で極性が単位周期をなすソリッド電極からなる第2の領域とにより構成することにより、弾性表面波フィルタの特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に抑制しつつ、電極指の本数を変えることなく複雑な周波数特性を実現することができるものである。
【0034】
本発明によれば、少なくとも1個のインターディジタル変換器は、極性が2本で単位周期をなすソリッド電極からなる第1の領域と、4本以上の偶数本で極性が単位周期をなすソリッド電極からなる第2の領域とを有している。
ソリッド電極は電極自体で弾性表面波を反射するため、低損失化に不可欠な電極構造である。本発明では、4本以上の偶数本で極性が単位周期となるように電極指が配設された第2の領域を有しているため、信号が印加されたときには、同一極性の電極指が並んだ部分が生じることになる。この部分では弾性表面波は励振されることはないから、異なる極性が並んだ第1の領域で励振された弾性表面波(第1の弾性表面波)に対して反射器としてのみ作用する。
すなわち、上記の説明のように、インターディジタル変換器の第2の領域は、この領域を構成する電極指の配設ピッチに応じた周波数の弾性表面波に対しては反射器として作用することになる。通常の反射器では、すべての電極指は同一極性であるのに対し、本発明では反射器として機能するインターディジタル変換器の第2の領域には、同一極性の電極指以外にも、極性が異なっている電極指を有しているため、この異なる極性の電極指間では通常の反射器では持ち得ない容量と励振源を有することとなる。
また、2本のソリッド電極で単位周期をなす通常のインターディジタル変換器の一部を4本以上の偶数本の電極指で単位周期をなす第2の領域で置き換えることにより、圧電性基板の厚み方向に容量を持つことになるため、弾性表面波フィルタの励振源の個数を変えることなく弾性表面波フィルタの容量を変えることができる。
【0035】
なお、本発明の弾性表面波フィルタのインターディジタル変換器の電極構造の類似例として、4本の電極で単位周期をなす電極部を、同一極性の電極指を2本ずつ交互に配設して構成した場合には、設定した周波数の半分で励振するスプリット電極となってしまう。このため、設定した周波数で2個の逆相の弾性表面波が励振して互いにキャンセルし合い、2本のソリッド電極で単位周期をなす通常のインターディジタル変換器の一部をこの構造に置き換えた場合は励振源の個数が減ってしまうことになり、本発明のような効果を得ることができない。
【0036】
また本発明の弾性表面波フィルタは、弾性表面波フィルタを構成しているインターディジタル変換器のうち少なくとも1個のインターディジタル変換器を、その電極指の極性が2本で単位周期をなすソリッド電極からなる第1の領域と、3本以上で奇数本の電極指で極性が単位周期をなすソリッド電極からなる第2の領域とにより構成することにより、インターディジタル変換器の第1の領域に容量を付加することができる。したがって、開口長を変えることなく弾性表面波フィルタのインピーダンス特性を制御することができる。また弾性表面波フィルタの特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に抑制しつつ、電極指の本数を変えることなく複雑な周波数特性を実現することができる。
【0037】
本発明の弾性表面波フィルタによれば、インターディジタル変換器は極性が2本で単位周期をなすソリッド電極と3本以上の奇数本で極性が単位周期をなすソリッド電極からなる第2の領域を有している。前述のようにソリッド電極は電極自体で弾性表面波を反射するため、低損失化に不可欠な電極構造である。このような第2の領域では、互いに180゜位相が異なる2種の弾性表面波が励振されるが、これらの弾性表面波は打ち消し合い、結局この第2の領域では弾性表面波は励振されることはない。したがってこの第2の領域は、2本の電極指で極性の単位周期が構成される第1の領域で励振された弾性表面波(第1の弾性表面波)に対して反射器としてのみ作用することになる。
さらに、この3本以上奇数本の電極指で単位周期が構成される第2の領域内の異なる極性を有する電極指間には、容量が形成されることになる。すなわち、この第2の領域の一部は従来の反射器では成し得ない容量素子としての機能を兼ね備えている。このような構成を有する本発明の弾性表面波フィルタによれば、インターディジタル変換器内にこの3本以上奇数本の電極指で単位周期をなす第2の領域を備えているため、この領域に付加される容量成分がインターディジタル変換器の第1の領域に並列に接続されることになり、インターディジタル変換器を構成する電極指の対数や開口長を変えることなくインピーダンスを低減することができる。これは、同じインピーダンスを有する弾性表面波装置においてはその開口長を小さくできることを意味し、弾性表面波装置をコンパクトにすることができ、移動体通信機、携帯用情報端末などの携帯用電子機器に特に好適な弾性表面波装置を提供することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
(実施形態1)
図1は本発明の一実施形態に係る弾性表面波フィルタの電極パターンを一部を省略して示す図である。これらの電極は、圧電性基板、例えば45°XカットLBO基板に形成される。この弾性表面波フィルタは、2種類の2IDTフィルタ1、2を接続して構成される。すなわち、第1の2IDTフィルタ1は、所定の間隔をもって配置された2つのIDT3、4と、これらを挟むように配置された2つのGr5、6とを有する。第2の2IDTフィルタ2も同様に、所定の間隔をもって配置された2つのIDT7、8と、これらを挟むように配置された2つのGr9、10とを有する。第1の2IDTフィルタ1のIDT4と第2の2IDTフィルタ2のIDT8とは、接続線11を介して接続されている。
【0040】
図2はIDT3の構造を示す図である。図中の12はソリッド電極、13はスプリット電極であり、ソリッド電極12とスプリット電極13とが相互に隣接して形成されている。ソリッド電極は電極自体で弾性表面波を反射するため、低損失化に不可欠な電極構造である。一方スプリット電極は、弾性表面波の進行波と反射波の位相が180°異なっており、電極内において反射波がキャンセルされる構造であるため弾性表面波フィルタの低損失化には寄与することはない。
【0041】
このような構造を有するIDT3を有する弾性表面波フィルタでは、ソリッド電極12とスプリット電極13とを接続して形成することで、特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に押さえつつ、所望の周波数特性が得られることになる。
【0042】
このような効果を確認するため行ったシュミレーション結果を図3に示す。 図3は、45°ΧカットLBO基板に2ヶのIDTを有し、2ヶのIDTの内1ヶのIDTに関して、ソリッド電極とスプリット電極とを接続するように形成した、600Ω系の共振子フィルタのSmithの等価回路に基づいて行ったシュミレーション結果である。
なお、本発明を実施したΙDTを形成する電極指の本数と、本発明を実施していない従来技術のIDTを形成する電極指の本数はそろえてある。
また、スプリット電極の中心周波数はソリッド電極の中心周波数の1/2になるように設定し、ΙDT構成は図2のようにし、ソリッド電極側に従来構造のΙDTを配置した。
【0043】
図3中、31は比較のため、ソリッド電極を含まない従来構造のIDT、32はスプリット電極を構成する電極指の数がソリッド電極を構成する電極の半分に、33はスプリット電極を構成する電極指の数とソリッド電極を構成する電極指の数が等しいように設置した例である。ソリッド電極の比率が増えるにしたがって、フィルタの急峻性は増すが、本実施例では特に低域側での急峻性が増した。また、ソリッド電極の本数が増加すると、設定したインピーダンスよりも弾性表面波フィルタのインピーダンスはずれてしまい、本発明の効果は半減してしまう。
【0044】
図4は図3中の31と32の共振子フィルタを接続した2段構成の弾性表面波フィルタのシュミレーション結果を、図5はこの弾性表面波フィルタを実際に作成して、コンデンサとコイルで600Ωになるように調整した回路での評価結果をそれぞれ示す図である。
【0045】
また、図6は図3中の32の共振子フィルタを2ヶ縦続に接続したもののシュミレーション結果を、図7は弾性表面波フィルタを実際に作成して、図5の弾性表面波フィルタと同じ回路で評価したものである。
【0046】
いずれの場合も、シュミレーションと実物はよく似ており、本発明の効果が分かる。
【0047】
なお、本発明は上述した実施形態には限定されない。例えば、上述した実施形態では、図2に示したようにソリッド電極12とスプリット電極13とを隣接するように形成したが、図8に示すようにスプリット電極13をソリッド電極12が挟むように形成してもよいし、図9に示すようにソリッド電極12をスプリット電極13が挟むように形成してもよい。
【0048】
以上説明したように、本発明によれば、特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に押さえつつ、所望の周波数特性を得ることができ、設計の自由度を大幅に向上することができる。
【0049】
(実施形態2)
図10、図11、図12は本発明の弾性表面波フィルタが備えるIDT(インターディジタル変換器)の構造を概略的に示す図である。
図10に例示したIDT100は、信号が入力されたときに、極性が2本で単位周期をなすソリッドな電極指からなる第1の領域101aと、4本以上偶数本の電極指で極性が単位周期をなすソリッドな電極指からなる第2の領域101bとを有している。
また、例えば図11、図12に例示するように2本の電極指で極性の単位周期を構成する第1の領域101aと、4本以上の偶数本の電極指で極性の単位周期を構成する第2の領域101bとを1個のIDT100内に複数装備するようにしてもよい。
【0050】
弾性表面波フィルタを構成するIDTが複数ある場合には、少なくとも1個のIDTを第1の領域101aと第2の領域101bとにより構成するようにすればよい。また、それぞれのIDT100に関し、例えば図10、図11、図12に例示したような構成の何れを用いるようにしてもよく、1個の弾性表面波フィルタを構成するすべてのIDTを同じ構成にする必要はない。
図13は本発明の弾性表面波フィルタの構成を概略的に示す図であり、圧電性基板110上に、上述のような第1の領域101aと第2の領域101bとからなるIDT100a、100b、100dおよび従来と同様のソリッドなIDT100cとを、反射器102間に配設したものである。
第1の領域101aと第2の領域101bとの位相関係は同相関係でも逆相関係のどちらでもよく、この位相関係によっても弾性表面波フィルタの特性を変えることができる。
また、1個のIDT内に複数の第2の領域101bがある場合にも、個々の第2の領域101bの第1の領域101aに対する位相関係も同相関係・逆相関係の何れでもよく、さらに同相関係・逆相関係を組み合わせたものでもよい。
【0051】
図14は本発明の弾性表面波フィルタのIDTを構成する第2の領域101bの例を説明するための図である。
このIDTの第2の領域101bは、信号が印加されたときに、同一極性の電極指3本と異なる極性の電極指1本の計4本で単位周期をなすように構成したものである。実際の弾性表面波フィルタの場合はこのIDTの弾性表面波の励振方向の最外部に反射器102を有している。またIDTは反射器間に複数備えるようにしてもよい。
【0052】
(実施形態3)
以下に45°XカットLBO基板(LBO:四硼酸リチウム)上に、2個のIDTと、これらのIDTを挟むように配設された反射器とを配設した800Ω系の共振子型弾性表面波フィルタに本発明を適用した例について説明する。
【0053】
IDTは2本の電極指で単位周期を成すIDT換算で44対、Grは電極指50本とし、開口長は10λ(λ:この弾性表面波フィルタの中心周波数)とした。また、IDT、反射器はAl−Cu−Si系の合金からなる導体薄膜をスパッタ法などにより形成し、その厚さは、励振する弾性表面波の波長の約1%程度に設定している。IDTの構成は図10に例示した構成と同様にし、第2の領域101bには、図14に例示したような同一極性の電極指3本と異なる極性の電極1本の計4本で単位周期を成す構造とし、IDTの内2本で単位周期を成すIDT換算で10対分に、本発明を適応し、励振源の個数は変えぬよう、適応部分の電極指の数は倍にした。
【0054】
図15はこのように構成した本発明の弾性表面波フィルタを50Ω系で見た時のシュミレーション結果である。
図15に示したプロファイルのうち106aは比較例として本発明を適用しなかったもの、プロファイル106b、106cは本発明を適用した例である。
IDT100の第1の領域101aで励振する弾性表面波と、第2の領域101bで励振する弾性表面波の位相関係は、106bでは同相関係に、また106cは逆相関係になるように配置した。
【0055】
このシュミレーション結果からもわかるようにより、本発明により通過域近傍の特性を変えることなく帯域外減衰量を制御できることがわかる。
さらに逆相関係に本発明を適用することにより帯域近傍の減衰特性の急峻性は増すが、帯域より周波数の低い部分での減衰量は小さくなるというトレードオフの関係を有していることも分かる。
【0056】
図16は本発明の別の弾性表面波フィルタを50Ω系で見た時のシュミレーション結果である。
この弾性表面波フィルタは、図15に例示した構造のIDTにおいて、プロファイル106bを得た構成と同様に、第1の領域101aで励振する弾性表面波と、4本の電極指で単位周期を構成する第2の領域101bで励振する弾性表面波との位相関係が同相関係になるようにIDTを構成したものであり、第1の領域101aに対して第2の領域101bの割合を増やしていった時の50Ωで見た時のシュミレーション結果である(全電極指数は同じ)。
【0057】
プロファイル107aは、比較例として本発明を適用しなかった場合を、プロファイル107bはIDΤの内の第1の領域をIDT換算で10対分にした場合を、プロファイル107cはIDTの内の第1の領域101aをIDT換算で20対分にした場合の周波数特性である。
【0058】
本発明を適用する電極指の数を増やすことにより、帯域近傍での帯域外減衰量はより急峻なものとなるが、帯域より周波数の低い部分での減衰量は劣化するトレードオフの関係を有していることがわかる。
【0059】
(実施形態4)
ところで、実際のデバイスではチップサイズが限定されるため、配設可能な電極指の数には限界がある。すなわち、本発明を実際のデバイスに適用する場合には、要求される特性が得られるように、第1の領域101a、第2の領域101bを構成する電極指の数や、相互の位相関係を選択することが必要となる。
【0060】
図17は本発明の別の弾性表面波フィルタの特性を示す図である。
この例では、図15で説明したような、プロファイル106aに対応した構成の共振子型弾性表面波フィルタと、プロファイル106bに対応した構成の共振子型弾性表面波フィルタとを縦続に接続した2段構成の弾性表面波フィルタを800Ω系でシュミレーション結果を示す。
図18はこの弾性表面波フィルタを実際に作成し、コンデンサとコイルで800Ωになるように調整した回路での周波数特性を評価した結果を示す図である。
図17、図18から分かるようにシュミレーションと実際の弾性表面波フィルタの周波数特性は実物はよく似ている。このように本発明によれば、弾性表面波フィルタの特性を柔軟に変化させることができる。また特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に押さえつつ、共振子型弾性表面波フィルタより構成されている弾性表面波フィルタの設計自由度を大幅に向上することができる。
【0061】
なお上述の例では圧電性基板として45°XカットLBO基板を用いて、2個のIDTより成る、800Ω系の共振子フィルタを例に説明したが、他の圧電性基板やRFフィルタのように純50Ωで駆動するフィルターに適用することができることは言うまでもない。
【0062】
(実施形態5)
図19は本発明の弾性表面波フィルタが備えるIDTの構造の別の例を概略的に示す図である。
図19に例示したIDT200は、極性が2本で単位周期をなすソリッドな電極指からなる第1の領域101aと、3本以上奇数本の電極指で極性が単位周期をなす第2の領域101cとにより構成されている。
また、図20、図21に例示するように、2本で単位周期をなす第1の領域101aまたは3本以上奇数本で単位周期をなす第2の領域101cを複数設けてるようにしてもよい。
【0063】
弾性表面波フィルタを構成するIDTが複数ある場合には、少なくとも1個のIDTを第1の領域101aと第2の領域101b、101cとにより構成するようにすればよい。また、それぞれのIDT200に関し、例えば図19、図20、図21に例示したような構成の何れを用いるようにしてもよく、1個の弾性表面波フィルタを構成するすべてのIDTを同じ構成にする必要はない。さらに例えば図10、図11、図12に例示したような構成と組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0064】
図22は本発明の弾性表面波フィルタの構成を概略的に示す図であり、圧電性基板110上に、上述のような第1の領域101aと第2の領域101cとからなるIDT200a、200b、200dおよび従来と同様のソリッドなIDT200cとを、反射器102間に配設したものである。
第1の領域101aと第2の領域101cとの位相関係は同相関係でも逆相関係のどちらでもよく、この位相関係によっても弾性表面波フィルタの特性を変えることができる。
また、1個のIDT内に複数の第2の領域101cがある場合にも、個々の第2の領域101cの第1の領域101aに対する位相関係も同相関係・逆相関係の何れでもよく、さらに同相関係・逆相関係を組み合わせたものでもよい。
【0065】
図23は上述のような本発明の弾性表面波フィルタを構成するIDT200の、3本以上の奇数本で極性が単位周期をなす第2の領域101cの構造とその動作を説明するための図である。
図23(a)のように電極指を配設して第2の領域101cを構成すると、図23(b)に示すように、IDTに信号が供給されたときには電極指の極性の周期は3本の電極指により構成されることになる。これは逆極性になったときでも同様であり、隣接する電極指の極性が異なる部分では容量が形成されることになる。
また、この第2の領域では図23(c)のように、ある信号周期とその次の信号周期では互いに打ち消しあう2種の弾性表面波が励振されるので、結局弾性表面波は励振されず、第1の領域101aで励振された弾性表面波に対して、第2の領域101cは容量Cを有する反射器として振る舞うことになる。
【0066】
図24は45゜XカットLBO基板での、2個のIDTを有する71ΜΗzのGSΜ用IFフィルタに本発明を適用し、Smithの等価回路に基づいて行った50Ω系で見た時のシュミレーション結果を表す。
【0067】
IDTは2本で単位周期を成すIDT換算で44対、Grは50本とし、開口長は10λとした。また、電極は励振する弾性表面波の波長の約1%程度の厚みとしている。
【0068】
またこの例では、3本で単位周期をなす第2の領域101cを20周期分にわたってIDTのGr側に形成し、さらに励振源と反射源とをそろえるため、本発明を適用して構成したIDTのうち第1の領域101aの電極指の本数と、本発明を適用しない従来技術のIDTを形成する電極指の本数、及びIDTの開口長は同じに設定し、本発明の構成の電極指を付加した分たけGrの電極指の本数を減らしている。
【0069】
図24中、プロファイル206aは従来構成によるシュミレーション結果を、プロファイル206bは本発明を適用した構成の弾性表面波フィルタの周波数特性のシュミレーション結果を示したものである。
【0070】
この結果より、本発明の弾性表面波フィルタが有するIDTに付加された容量の効果により、帯域外領域でわずかな特性差は生じているものの、帯域特性はほぼ同一にすることができることがわかる。
【0071】
図25は図24でプロファイル206bが得られた構成の弾性表面波フィルタを2段構成にし、インピーダンスのマッチングを取った時のシュミレーション結果を示す図である。ここではインピーダンスのマッチングは約690Ωで取っている。
図26は図24のプロファイル206aが得られた従来構成の弾性表面波フィルタを2段構成にし、マッチングを取った時のシュミレーション結果を示したものであり、約870Ωでマッチングが取れている。
【0072】
これらのシュミレーションにより、本発明の弾性表面波フィルタによれば、IDTの開口長を変えることなく、弾性表面波フィルタのインピーダンスを制御できることが確認された。このように本発明によれば、IDTの開口長を変えることなくインピーダンス制御することができる。
【0073】
また、この例ではLBO基板を用いたチューニング回路の使用を前提としたIFフィルタについて説明したが、他の圧電基板や、チューニング回路を使用しないRFフィルタに適用できることは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば特性を制御する際のインピーダンス変化を最小限に抑制しながら、システムの要求に対応するための複雑な周波数特性を実現することができ、設計の自由度を大幅に向上することができる。
【0075】
また、本発明によれば、IDTの開口長を変えることなく弾性表面波フィルタのインピーダンスを柔軟に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る弾性表面波フィルタの電極パターンを示す図。
【図2】図1に示したIDT3の構造を示す図。
【図3】本発明の効果を説明するシュミレーション結果を表す図。
【図4】本発明を実施した弾性表面波フィルタのシュミレーション結果を表す図。
【図5】本発明を実施することによって得られた弾性表面波フィルタの周波数特性を表す図。
【図6】本発明を実施した弾性表面波フィルタのシュミレーション結果を表す図。
【図7】本発明を実施する事によって得られた弾性表面波フィルタの周波数特性を表す図。
【図8】本発明に係るIDTの他の構造を示す図。
【図9】本発明に係るIDTの他の構造を示す図。
【図10】本発明の弾性表面波フィルタが備えるIDTの構造を概略的に示す図。
【図11】本発明の弾性表面波フィルタが備えるIDTの構造を概略的に示す図。
【図12】本発明の弾性表面波フィルタが備えるIDTの構造を概略的に示す図。
【図13】本発明の弾性表面波フィルタの構成を概略的に示す図。
【図14】本発明の弾性表面波フィルタのIDTを構成する第2の領域の構成の例を説明するための図。
【図15】本発明の弾性表面波フィルタののシュミレーション結果を示す図。
【図16】第1の領域と第2の領域の割合を変化させたときの弾性表面波フィルタの特性のシュミレーション結果を示す図。
【図17】本発明の別の弾性表面波フィルタの特性を示す図。
【図18】本発明を適用して作成した弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図。
【図19】本発明を説明するIDTの構造を示す図。
【図20】本発明を説明するIDTの構造の変形例を示す図。
【図21】本発明を説明するIDTの構造の変形例を示す図。
【図22】本発明を説明する弾性表面波フィルタの例を示す図。
【図23】本発明の効果を説明するための3本の電極指で単位周期をなす第2の領域の構成の例を示す図。
【図24】本発明の効果を表す弾性表面波フィルタのシュミレーション結果を示す図。
【図25】本発明を実施した弾性表面波フィルタのシュミレーション結果を示す図。
【図26】従来構造の弾性表面波フィルタのシュミレーション結果を示す図。
【符号の説明】
1、2…………………2IDTフィルタ
3、4、7、8………IDT(インターディジタル変換器)
5、6、9、10……Gr(グレーティング状反射器)
11………………接続線
12………………ソリッド電極
13………………スプリット電極
100…………IDT
101a………第1の領域
101b………第2の領域
101c………第2の領域
102…………反射器
110…………圧電性基板
200…………IDT
Claims (14)
- 圧電性基板と、
前記圧電性基板上に形成され、ソリッド電極からなる第1の領域と、前記第1の領域に隣接して形成されたスプリット電極からなる第2の領域とを有するインターディジタル変換器を有し、
前記ソリッド電極の中心周波数をfo 1 、スプリット電極の中心周波数をfo 2 としたとき、
2×(fo 2 ×0.95)≦fo 1 ≦2×(fo 2 ×1.01)
の関係であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - インターディジタル変換器を有する共振子型フィルタを複数接続してなる弾性表面波フィルタであって、
前記共振子型フィルタのうち少なくとも1つの共振子型フィルタが、ソリッド電極からなる第1の領域と、前記第1の領域に隣接して形成されたスプリット電極からなる第2の領域とを有するインターディジタル変換器を有し、
前記ソリッド電極の中心周波数をfo 1 、スプリット電極の中心周波数をfo 2 としたとき、
2×(fo 2 ×0.95)≦fo 1 ≦2×(fo 2 ×1.01)
の関係であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - ソリッド電極からなる第1の領域とスプリット電極からなる第2の領域とを有するインターディジタル変換器における、スプリット電極を構成する電極指の本数の総和がソリッド電極を構成する電極指の本数の総和以下であることを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器の前記第2の領域は、隣接配置される電極指間で容量が形成される部分を有することを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器の第2の領域は、同一極性の電極指が3本以上並ぶことを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器の前記第1の領域は、第1の極性を有するように接続された第1の電極指と、第2の極性を有するように接続された第2の電極指とが交互に配設され、前記第2の領域は少なくとも1本の前記第1の電極指と3本の前記第2の電極指とからなる偶数本を単位として周期的に配設されたことを特徴とする請求項5記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器の第2の領域は、互いに打ち消し合うような2つの弾性表面波を励振することを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器の前記第1の領域は、第1の極性を有するように接続された第1の電極指と第2の極性を有するように接続された第2の電極指とが交互に配設され、前記第2の領域は少なくとも1本の前記第1の電極指と2本の前記第2の電極指とからなる奇数本を単位として周期的に配設されたことを特徴とする請求項7記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器を構成する電極指の幅は前記インターディジタル変換器が励振する弾性表面波の波長の1/4であり、前記電極指の配設ピッチは前記波長の1/4であることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器は、前記第1の領域で励振される弾性表面波の位相と、前記第2の領域で励振される弾性表面波の位相とが同相になるように配設されたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器は、前記第1の領域で励振される弾性表面波の位相と、前記第2の領域で励振される弾性表面波の位相とが逆相になるように配設されたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器を構成する電極指は、前記第1の領域における配設ピッチをp1 、前記第2の領域における配設ピッチをp2 としたとき、p1×0.90≦p2 ≦p1 ×1.1の関係を満たすことを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記圧電性基板上に、前記インターディジタル変換器の励振する弾性表面波の伝搬方向に沿って前記インターディジタル変換器を挟むように配設された反射器をさらに具備したことを特徴とする請求項4乃至12のいずれか1項記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記インターディジタル変換器は前記反射器の間に複数個配設されたことを特徴とする請求項13記載の弾性表面波フィルタ。
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