JP4031041B2 - カスケード―ポリマー錯体とその製造法、ならびに該錯体を含む医薬品 - Google Patents

カスケード―ポリマー錯体とその製造法、ならびに該錯体を含む医薬品 Download PDF

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Description

本発明は、特許請求に記載されている新規のカスケード−ポリマー錯体、該錯体を含む薬品、該錯体の診断および治療への応用、ならびに該化合物と薬品の製造方法に関する。
現在新規画像装置である核スピン断層撮影装置(MRI)とコンピューター断層撮影装置(CT)[Magnevist(R)、Pro Hance(R)、Ultravbist(R)とOmniscan(R))用に臨床応用されている造影剤は体の細胞外部(血管内や間質)に配分される。この様な配分でとらえられる体容積はおよそ体全体の20%である。
臨床的には、細胞外MRI−造影剤はその配分が極めて局所的であるということから、特に脳内および脊髄の疾患の経過診断に効果を発揮する。健常な場合、脳内ならびに脊髄内には血液−脳−関門があるため、細胞外造影剤は血管内に侵入できない。血液−脳−関門の傷害を伴う疾患(例えば悪性腫瘍、炎症、脱ミエリン性疾患等)が脳内部で生じると、部分的に細胞外造影剤(Schmiedlら.,星状細胞性グリオーマに於ける血液−脳−関門透過性のMRI:小分子と大分子造影剤の応用、Magn.Reson.Med.22:288,1991)に対する血管の通過性(透過性)が増大する。この血管透過性の傷害を利用して、正常組織に比べて高い陰影を有する患部組織を知ることができる。
脳や精髄以外の組織については、上記の造影剤に対するこの様な透過性関門の存在は知られていない(Cantyら.,非イオン性造影剤の心筋細胞外空間への迅速侵入。転移時間と血液容積の放射線を用いた計測に対する影響。Circulation84:2071,1991)。従って、問題の組織の血管透過性や細胞外空間を利用した造影剤の組織への集中は不可能である。上記造影剤を利用する上で、血管とその周囲の間質の空間を区別することはできない。
特に血管を描写する場合には、造影剤としては血管空間(血管腔)内だけに配分されるものが望まれる。この様な血液−蓄積−剤を用いると、核スピン断層撮影を利用することで血行の悪い組織と良好な血流組織とを区別することができ、虚血組織の診断が可能になる。血管造影剤を利用すると、梗塞組織についてもその局所の貧血状態から周囲の健常組織もしくは虚血組織と区別することができる。このことは例えば局所性貧血と心臓硬塞とを区別するこ上で特に重要である。
これまで心臓血管病(西側先進国の死因となる第一の病気)が疑われる患者の多くに対して侵襲的診断検査が行われている。現在のところ血管造影検査としてはヨード含有造影剤を用いたレントゲン診断が最も多く行われている。この検査には様々な欠点がある:該検査には放射線被曝のリスク、ならびにNMR−造影剤に比べて極めて高い濃度のヨード含有造影剤を使用しなければならないことによる不都合ならびに不可が伴う。
従って、血管腔を描写できる(血液−プール−剤)NMR−造影剤が求められている。この化合物は応用性に優れ、高い作用効果(MRIにおけるシグナル強度の増加)を有していなければならない。
これまでのところ高分子ならびに生体分子と結合した錯体型化合物を利用して、この問題の一部を解決しようとする初期型造影剤は、極めて限られた効果しか発揮していない。
例えば、ヨーロッパ特許申請番号0 088 695ならびに0 150 844記載の、錯体内に若干数の弱電性中心を入れて完全な像を固定する試みは成功していない。
生体高分子内に錯体単位を複数導入して必要な金属イオンの数を増やす場合、この作業によってこれらの生体分子のもつ親和性や/あるいは特異性に許容できない影響が及ぶ[j.Nucl.Med.24,1158(1983)]。
一般には高分子は血管造影用の造影剤に適している。しかし、アルブミン−GdDTPA(Radiology 1987;162:205)をラットに静脈注射した場合、24時間後に肝臓組織に達する量は投与量のおよそ30%でしかない。また、それ以外の形で24時間以内に排泄される量は投与量の20%に過ぎない。
高分子であるポリリジン−GdDTPA(ヨーロッパ特許申請、公開番号0 233 619)は同時に血液−プール−剤としても好適である。しかし、この化合物は製造の工程で様々な大きさの分子の混合体となる。ラットを用いた排泄試験より、この高分子は腎臓の糸球体での濾過により未変化のまま排泄されることが示された。ポリリジン−GdDTPAを合成することも可能であるが、その場合でも腎臓の毛細血管の糸球体濾過で通過できず、そのまま体内に留まってしまう大きさの高分子を含んでいる。
例えばデキストランの様な炭水化物を基礎にした高分子が報告されている(ヨーロッパ特許出願、公開番号0 326 226)。この化合物の欠点は、通常シグナル増強弱電性カチオンをおよそ5%しか保有していないことである。
ヨーロッパ特許出願番号0 430 863記載のポリマーは、従来のポリマーとは異なりその大きさとモル量は不均一ではない。しかし、このポリマーでさえ排泄、応用性ならびに/あるいは効果に関して完全では無い。
従って、上記の欠点を有しない血管疾患を発見し、位置特定ができる新規の診断薬を開発する必要がある。本発明はこの課題を解決した。
本発明の錯体は、様々なリガンドと錯体を形成する窒素含有のカスケード−ポリマー、と元素番号20−29、39,42、44ないし57−83の元素と場合によっては無機および/あるいは有機体カチオンからなる少なくとも16個のイオン、そしてアミノ酸、あるいはアミン酸アミドから成り、場合によってはアシル化アミノ基を含んでおり、さらに驚くべきことに前記の従来の造影剤の欠点を示さないNMR−ならびにレントゲン−診断薬の製造に極めて適したものである。
本発明による錯体形成カスケード−ポリマーは次の一般式Iにより表すことができ、
A−{X−[Y−(Z−<W−Kw>z)y]x}a (I)
式中:
Aは基本繰り返し数aを持つ窒素含有カスケード核を表わし、
XおよびYは互いに独立した、繰り返し数がxもしくはyの直接結合体もしくはカスケード繰り返し単位を表わし、
ZおよびWは互いに独立した、繰り返し数がzもしくはwのカスケード繰り返し単位を表わし、
Kは錯体形成体のその他の部分を表わし、
aは2から12の間の数字であり、
x、y、zならびにwは相互に独立した1から4の間の数字であり、さらに少なくとも2種類の異なる繰り返し単位から成り、繰り返し数の積が16≦a・x・y・z・w≦64であり、少なくともカスケード繰り返し単位X,Y,Z,Wの一つが1,4,7,10−テトラアザシロオドデカン−か1,4,8,11−テトラアザシロテトラデカン繰り返し単位から成っている。
カスケード核Aとしては以下が好適である:
窒素原子、
Figure 0004031041
Figure 0004031041
Figure 0004031041
式中:
mとnは1から10の数字であり、
pは0から10の数字であり、
1はQ1あるいはEであり、
2はQ2あるいはEであり、
Eは次の基を意味し、
Figure 0004031041
当該式中:
oは1から6の数字であり、
1は水素もしくはQ2であり、そして
2は直接結合である。
MはC1−C10−アルキレン鎖であり、場合によっては1から3の酸素原子により中断され、また/あるいは場合によっては1から2のオキソ基により置換され、
0は分枝した、あるいは分枝していないC1−C10−アルキル残基、ニトロ基、アミノ基、炭酸基もしくは式
Figure 0004031041
で表される構造であり、
当該式中のQ2は基本倍数aに等しい。
カスケード各の最も単純な例は、最初の3個の繰り返し単位XもしくはY(Xが直接結合の場合)又はZ(XとYが直接結合の場合)よりなる”内部層”(ジェネレーション1)中に3個の結合(基本倍数)を有する窒素原子である;別の式では:基本のカスケード開始体アンモニアA(H)a=NH3の3個の水素原子が3個の繰り返し単位XもしくはYあるはZで置換されている。この場合カスケード核A内の数Q2は基本倍数数aである。
繰り返し単位X、Y、ZならびにWはQ1が1個の水素原子もしくはQ2であるかQ2が直接結合である−NQ12−基を含んでいる。いずれの繰り返し単位(例えばX)に含まれる数Q2も各単位の繰り返し倍数に等しい(例えばXの場合はx)。全ての倍数の積a・x・y・z・wはカスケード錯体中に結合した錯体形成体−残基K中の数に等しい。本発明によるポリマーはその分子中に少なくとも16、最大64の残基Kを含み、それぞれのKは最大3個の(2価イオンの場合)、上記整数の元素を、好ましくはイオンの形で結合できる。
最後のジェネレーション、即ち錯体結合体−残基Kに結合した繰り返し単位WはNH−基(Q1が水素原子でありQ2が直接結合である−NQ12)でKと結合しているが、−方その前にある繰り返し単位はNHQ2−基(例えばアシル化反応により)やNQ22−基(例えばアルキルか反応により)を介して相互に結合することができる。
本発明によるカスケード−ポリマー−錯体は、分子中に少なくとも2個の繰り返し単位が異なっているジェネレーションを最大10個持ち(即ちそれぞれの分子中に1個以上の繰り返し単位X、YならびにZが存在している)、好ましくは2から4個のジェネレーションを持る。
好ましいカスケード核Aとしては、前記一般式中:
mが1−3の数値で、さらに好ましくは1であり、
nが1−3の数値で、さらに好ましくは1であり、
pが0−3の数値で、さらに好ましくは1および3であり、
oが1−2の数値で、さらに好ましくは1であり、
Mが−CH2−、−CO−、あるいはCH2CO−基であり、
0が−CH2NU12、CH3−あるいはNO2−基である。
別の好ましいカスケード核Aは、前記8つの一般式の内の第2式と第4式のカスケードであり、特に次の一般式であって、
Figure 0004031041
式中のoを有するE基のU1とU2は数字の1もしくは2である。
さらに好ましいカスケード核A(H)aの例を示す:
(括弧内には直近のジェネレーションの構成を、括弧に続く基で単−あるいは二置換した例の基本倍数aを示している)
トリス(アミノエチル)アミン (a=6〜3);
トリス(アミノプロピル)アミン (a=6〜3);
ジエチレントリアミン (a=5〜3);
トリエチレンテトラアミン (a=6〜4);
テトラエチレンペンタミン (a=7〜5);
1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゾル (a=6〜3);
トリメシン酸トリアミド (a=6〜3);
1,4,7−トリアザシロノナン (a=3);
1,4,7,10−テトラアザシロドデカン (a=4);
1,4,7,10,13−ペンタアザシロペンタデカン(a=5);
1,4,8,11−テトラアザシロテトラデカン (a=4);
1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシロオクタデカン(a=6);
1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカア
ザシロトリアコンタン (a=10);
テトラキス(アミノメチル)メタン (a=8〜4);
1,1,1−トリス(アミノメチル)エタン (a=6〜3);
トリス(アミノプロピル)−ニトロメタン (a=6〜3);
2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン (a=6〜3);
1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸アミド(a=8〜4);
3,3’,5,5’−ジフェニルエーテル−テトラカルボン酸アミ
ド (a=8〜4);
1,2−ビス[フェノキシタン]−3’,3”,5’,5”−テト
ラカルボン酸アミド (a=8〜4);
1,4,7,10,13,16,21,24−オクタアザバイシク
ロ[8.8.8.]ヘキサコサン (a=6)。
カスケード核Aは純粋に形式的に定義されたものであり、従ってカスケード核Aと第1の繰り返し単位は純粋に形式的に区別することができるため、実際に合成にあたっては所望のカスケード−ポリマー−錯体とは独立して選択できるだろう。例えば実施例4で用いているトリス(アミノエチル)−アミン自体は、カスケード核A(Aについて最初に記載されたm=n=p=1、U1=Eでoは数字1であり、U1=U2=Q2である一般式に同じ)であるが、同時に3個ある繰り返し単位の第1ジェネレーション
Figure 0004031041
(Eの定義に同じ)である窒素原子(=カスケード核A)とでもある。
カスケード繰り返し単位X、Y、ZならびにWは相互に独立して次式により定められる。
Figure 0004031041
Figure 0004031041
式中:
1はQ1もしくはEであり、
2はQ2もしくはEであり、かつ
Eは次式で表される基であり、
Figure 0004031041
当該式中:
oは1から6の数字であり、好ましくは1から2の間の数字であり、
1は水素原子もしくはQ2であり、
2は直接結合である。
3は−NHCO−(CH2)o鎖もしくはC1−C20−であり、好ましくはC110アルキレン鎖であり、場合によっては1から10、好ましくは1から2個の酸素及び/又は1から2個の−N(CO)q−R2−で、好ましくは1から2個のフェニレン−及び/又は
1から2個のフェニレンオキシ残基で分断されておりそして/または場合によっては1から2個のオキソ−、チオキソ−、カルボキシ−、C1−C5−アルキルカルボキシ−,C1−C5−アルコキシ−、ヒドロキシ−、C1−C5−アルキル基で置換され、その場合の式中:
qは0もしくは1であり、また
2は水素原子、メチル−あるいはエチル残基であり、場合によっては1−2個のヒドロキシ基もしくは1個のカルボキシ基に置換されることもあり、
Lは水素原子もしくは次式である。
Figure 0004031041
Vはメチン基
Figure 0004031041
であり、この場合にはU4は直接結合であるか基Mであり、またU5はU3である、あるいは
Vは次式の基であり、
Figure 0004031041
この場合にはU4とU5は同一であり、直接結合もしくは基Mであり、そして
5'は基Mであり、また
6は次式の基であるか、
Figure 0004031041
もしくは直接結合であり、
少なくともカスケード繰り返し単位の一つは上記1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−もしくは1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−繰り返し単位である。好ましい繰り返し単位は1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−繰り返し単位である。
好ましいカスケード繰り返し単位X、Y、ZならびWは、上記一般式中の残基U3が−CO−、−COCH2OCH2CO−、−COCH2−、−CH2CH2−、−CONHC64−、−NHCOCH2−、−COCH2CH2CO−、−COCH2−CH2CH2CO−、−COCH2CH2CH2CO−、−CONHCH2CH2NHCOCH2CH2CO−、COCH2CH2NHCOCH2CH2CO−であり、残基U4が直接結合であるか、−CH2CO−であり、残基U5は直接結合、−(CH24-、−CH2CO−、−CH(COOH)−、CH2OCH2CH2、−CH264−,CH2−C64OCH2CH2−であり、残基Eは
Figure 0004031041
基の一つである。
以下、カスケード繰り返し単位X、Y、ZならびにWの例を示す:
−CH2CH2NH−;
−CH2CH2N<;
−COCH(NH−)(CH24NH−;
−COCH(N<)(CH24N<;
−COCH2OCH2CON(CH2CH2NH−)2
−COCH2OCH2CON(CH2CH2N<)2
−COCH2N(CH2CH2NH−)2
−COCH2N(CH2CH2N<)2
−COCH2NH−;
−COCH2N<;
−COCH2CH2CON(CH2CH2NH−)2
−COCH2CH2CON(CH2CH2N<)2
−COCH2OCH2CONH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2NH−)22
−COCH2OCH2CONH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2N<)22
−COCH2CH2CO−NH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2NH−)22
−COCH2CH2CO−NH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2N<)22
−CONH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2NH−)22
−CONH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2N<)22
−COCH(NH−)CH(COOH)NH−;−COCH(N<)CH(COOH)N<;
Figure 0004031041
Figure 0004031041
Figure 0004031041
Figure 0004031041
錯体形成体−残基Kは一般式IA、IBならびにICにより表される:
Figure 0004031041
式中:
1は互いに独立しており、水素もしくは原子番号20−29、39,42−44もしくは57−83の金属イオン当量であり、
2は、水素原子、メチル−もしくはエチル残基であり、場合によっては1−2個のヒドロキシ−もしくはカルボキシ基により置換され、
3
Figure 0004031041
4は水素原子もしくは直鎖、分枝状、飽和型もしくは不飽和型C1−C30−アルキル鎖であり、1−10個の酸素原子、1個のフェニレン−、1個のフェニレンオキシ基により分断される例もあり、かつ/あるいは1−5個のヒドロキシ−、1−3個のカルボキシ−、1個のフェニル基場合により置換されることもあり、
5は水素分子もしくはR4であり、
7は、場合によっては1〜5個のイミノ−、1−3個のフェニレン−、1−3個のフェニレンオキシ−、1−3個のフェニレンイミノ−、1−5個のアミド−、1−2個のヒドラジド−、1−5個のカルボニル−、1−5個のエチレンオキシ−、1個の尿素−、1−チオ尿素−、1−2個のカルボキアルキルイミノ−、1−2個のエステル基、1−10個の酸素−、1−5個の硫黄−および/または1−5個の窒素−原子を含み、そして/または場合によって1−5個のヒドロキシ−、1−2個のメルカプト−、1−5個のオキソ−、1−5個のチオキソ−、1−3個のカルボキシ−、1−5個のカルボキシアルキル−、1−5個のエステル−および/または1−3個のアミノ基により置換された直鎖状、分枝状、飽和型あるいは不飽和型のC1−C20−アルキレン基であり、さらに場合によってはこれが1−2個のカルボキシ−、1−2個のスルフォン−もしくは1−2個のヒドロキシ基によって置換を受けている場合もあり、
Tは−CO−α、−NHCO−α−あるいは−NHCS−α基であり、
αは最後のジェネレーションである繰り返し単位Wの末端の窒素原子の結合部位を示す。
好ましい錯体形成体−残基−Kは一般式IAである。
さらに好ましい錯体形成体−残基Kは上記一般式IAにおけるU7がC1−C20−、好ましくはC1−C12−アルキレン鎖であり、−CH2−、CH2NHCO−、−NHCOCH2O−、−NHCOCH2OC64、−N(CH2CO2H)−、−NHCOCH264−、−NHCSNHC64−、−CH2OC64−、−CH2CH2O−基を含み、そして/または−COOH,−CH2COOH基で置換されたものである。
7例として以下の基を示す。
−CH2−,−CH2CH2−、CH2CH2CH2−、−C64−、−C610−、−CH265−、−CH2NHCOCH2CH(CH2CO2H)−C64−、
−CH2NHCOCH2OCH2−、
−CH2NHCOCH264−、
Figure 0004031041
−CH2NHCSNH−C64−CH(CH2COOH)CH2−、
−CH2OC64−N(CH2COOH)CH2−、
−CH2NHCOCH2O(CH2CH2O)4−C64−、
−CH2O−C64−、
−CH2CH2−O−CH2CH2−,−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2C H2−、
Figure 0004031041
特に好ましくはU7はCH2−基である。
4の例として以下の基を示す:
−CH3,−C65,−CH2−COOH,
−CH2−C65,−CH2−O−(CH2CH2−O−)6CH3、−CH2−OH
好ましくは水素原子とメチル基であり、
Tは好ましくは−CO−α−基である。
本発明の物質をNMR−診断に用い場合には、錯体塩の中心イオンが永久磁性体でなければならない。特に原子番号21−29,42,44ならびに58−70の元素の2価−および3価のイオンである。好適なイオンは例えばクロム(III)−,鉄(II)−、コバルト(II)−、ニッケル(II)−、銅(II)−、プラセオジム(III)−,ネオジム(III)−、サマリウム(III)−ならびにイットリウム(III)−イオンである。強い磁性モーメントを持つことから、ガドリニウム(III)−、テリビウム(III)−、ジスプロシウム(III)−、ホルニウム(III)−、エルビウム(III)−、マンガン(II)−、ならび鉄(III)−イオンは特に好適である。
レントゲン診断に当該発明の物質を応用する場合には、レントゲン線を十分に吸収するために原子番号が大きな元素を中心イオンにする必要がある。その為には生理学的に利用可能な、原子番号21−29,39、42,44,57−83の元素を中心イオンに持つ錯体塩を含む物質が好適であることが判明している;例としてはランタン(III)−イオンと前記に属するランタノイド系のイオンである。
本発明のカスケード−ポリマー−錯体は少なくとも前記元素番号の元素のイオンを少なくとも16個含んでいる。
中心イオンにより置換されずに残った酸性水素原子は、場合によってはその全てもしくは一部を無機性および/もしくは有機性の塩基やアミノ酸、あるいはアミノ酸アミドによって置き換えることができる。
好適な無機性カチオンとしてはリチウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンであり、ナトリウムイオンが特に好適である。好適な有機性塩基のカチオンは、1級、2級、あるいは3級アミン、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルフォリン、グルカミン、N,N−ジメチルグルカミンイオンであり、特にN−メチルグルカミンのイオンが好適である。好適なアミノ酸カチオンとしてはリジン、アルギニン、ならびにオルニチンのカチオン、ならびにアミドと酸性もしくは中性アミノ酸である。
分子量が10,000−80,000D、好ましくは15,000−40,000である当該発明の化合物が上記の所望の特性を示す。これらの化合物には、その応用に必要な数の金属イオンが錯体として安定に結合している。
これら化合物は、例えば腫瘍の様な血管透過性が高い部位に集積するため、例えば組織への灌注に利用して組織血液量を求めたり、弛緩時間を短くしたり、あるいは血液密度を選択に低下させたり、血管の透過性を画像として表現できる可能性がある。この様な生理学的情報はGd−DTPA[Magnevist(R)]の様な細胞外造影剤の注射では得ることができない。この様な観点から、最新の画像診断法である核スピン断層撮影やコンピューター断層撮影といった最新の画像診断への応用も考えられる:悪性腫瘍の鑑別診断や、血流減少による疾患(例えば心筋症)の初期、血管病における血管造影や(無菌性あるいは感染性の)炎症の発見と診断である。
他の細胞外造影剤、例えばGd−DTPA[Magnevist(R)]に比べ優れている点は、核スピン断層撮影の造影剤としての効率が高いことであり(弛緩効果が高い)、診断に必要な量を少なくすることができることである。また、本発明による造影剤は血液と浸透圧が等しい液体に処方されているため、体に対する浸透圧負荷が少なく、従って本物質による毒性は低い(毒性閾値が高い)。投与量が少なく、毒性閾値が高くなることから、前記の画像診断法に於いて造影剤として使った場合、その安全性は有意に高くなる。
例えばデキストランの様な炭水化物をベースにした高分子造影剤(ヨーロッパ特許公開、公開番号0 326 226)と比較した場合、−一般に使用されているもの−該造影剤のシグナル強化常時磁性カチオンの含有率は通常約5%に過ぎないのに対し、本発明のポリマー錯体での含有率は通常は20%である。従って本発明の高分子は、分子当たりのシグナル強度が強く、炭水化物をベースとした高分子造影剤に比べ核スピン断層撮影に必要な量が非常に少なくなる。
本発明のポリマー−錯体を利用して、均一な特定分子量の高分子を作成、製造することができる。そうすることで高分子の大きさを血管の中からはゆっくりとしか出ていくことができないが、しかし径が300−800オングストロームである腎臓の毛細血管を通過するには十分な小い大きさに正確に調整することができる。
その他の当業者の技術レベルにあるポリマー−化合物と比較とした場合、本発明のカスケード−ポリマー−錯体は排泄性、効率、安定性ならびに/あるいは実用性に優れている。
本発明の別の利点は、親水性あるいは親油性リガンド、大環状型あるいは開環型リガンド、小分子もしくは大分子リガンドを持った多数の錯体を扱うことができる点である。
本発明のカスケード−ポリマー錯体は次の一般式I’の化合物、
A−{X−[Y−(Z−<W−βw>z)y]x}a (I)
(式中:
Aは基本倍数aを持つ窒素含有カスケード核を表わし、
XおよびYは互いに独立した、複製倍数がxならびにyの直接結合体もしくはカスケード複製単位を表わし、
ZおよびWは互いに独立した、複製倍数がzならびにwのカスケード複製単位を表わし、
aは2から12の間の数字であり、
x、y、zならびにwは相互に独立した1から4の間の数字であり、そして
βは繰り返し単位Wの最後のジェネレーションの末端のNH−基の結合状態を意味しており、
かつ少なくとも2種類の異なる繰り返し単位から成り、その繰り返し回数の積が
16≦a・x・y・z・w≦64であり、
さらに、少なくともカスケード複製単位X,Y,Z,Wの一つが1,4,7,10−テトラアザシロオドデカン−か1,4,8,11−テトラアザシロテトラデカン繰り返し単位である。)
を、一般式IA’、IB’、あるいはIC’の錯体もしくは錯体形体:
Figure 0004031041
(式中:
R1’は互いに独立しており、水素もしくは原子番号20−29、39,42−44もしくは57−83の金属イオン当量、あるいは酸保護基であり、
2は、水素原子、メチル−もしくはエチル残基であり、場合によっては1−2個のヒドロキシ−もしくはカルボキシ基により置換されており、
3'は
Figure 0004031041
4は水素原子もしくは直鎖、分枝状、飽和型もしくは不飽和型C1−C30−アルキル鎖であり、1−10個の酸素原子、1個のフェニレン−、1個のフェニレンオキシ基により分断される例もあり、かつ/あるいは1−5個のヒドロキシ−、1−3個のカルボキシ−、1個のフェニル基場合により置換されることもあり、
5は水素分子もしくはR4であり、
7は、場合によっては1〜5個のイミノ−、1−3個のフェニレン−、1−3個のフェニレンオキシ−、1−3個のフェニレンイミノ−、1−5個のアミド−、1−2個のヒドラジド−、1−5個のカルボニル−、1−5個のエチレンオキシ−、1個の尿素−、1個のチオ尿素−、1−2個のカルボキシアルキルイミノ−、1−2個のエステル基、1−10個の酸素−、1−5個の硫黄−ならび/もしくは1−5個の窒素−原子を含み、さらに/あるいは場合によって1−5個のヒドロキシ−、1−2個のメルカプト−、1−5個のオキソ−、1−5個のチオキソ−、1−3個のカルボキシ−、1−5個のカルボキシアルキル−、1−5個のエステル−ならびに/もしくは1−3個のアミノ基により置換された直鎖状、分枝状、飽和型あるいは不飽和型のC1−C20−アルキレン基であり、さらに場合によってはこれが1−2個のカルボキシ−、1−2個のスルフォン−もしくは1−2個のヒドロキシ基によって置換を受けており、
T’は−CO−、−COOH−、−N=C=O−あるいは−N=C=S−基であり、
Oは活性化したカルボキシル基であり、
さらにK’が錯体である場合には−置換基R1の少なくとも2つ(2価金属の場合)もしくは3つ(3価金属の場合)は上記元素の金属当量であり、また望ましくは別のカルボキシル基は無機塩基および/あるいは有機塩基、アミノ酸もしくはアミン酸アミドの形で存在する。)
と反応せしめ、場合によってはカスケード−ポリマー−K’が錯体形成体である限りは−に含まれる保護基を公知の方法により原子番号20−29,39,42,44m、もしくは57−83の元素の金属酸素あるいは金属塩の少なくとも1で交換し、またさらに場合によっては引き続きカスケード−ポリマー−錯体内に含まれる酸性水素原子の全て、あるいは一部が無機塩基および/または有機塩基、アミノ酸もしくはアミノ酸アミドのカチオンによって置換されることもあり、またさらに存在する遊離型末端アミノ基も−金属錯体部の前後で−アシル化することにより製造する。
本発明の別の観点は一般式1’Aで示される新規化合物であり、
Figure 0004031041
式中:
1’は互いに独立した水素もしくは原子番号20−29、39,42−44もしくは57−83の金属イオン当量、あるいは酸保護基であり、
2は、水素原子、メチル−もしくはエチル残基であり、場合によっては1−2個のヒドロキシ−もしくはカルボキシ基により置換されており、
3’は
Figure 0004031041
4は水素原子もしくは直鎖、分枝状、飽和型もしくは不飽和型C1−C30−アルキル鎖であり、1−10個の酸素原子、1個のフェニレン−、1個のフェニレンオキシ基により分断される例もあり、そして/または1−5個のヒドロキシ−、1−3個のカルボキシ−、1個のフェニル基場合により置換されることもあり、
5は水素もしくはR4であり、
7は、場合によっては1〜5個のイミノ−、1−3個のフェニレン−、1−3個のフェニレンオキシ−、1−3個のフェニレンイミノ−、1−5個のアミド−、1−2個のヒドラジド−、1−5個のカルボニル−、1−5個のエチレンオキシ−、1個の尿素−、1個のチオ尿素−、1−2個のカルボキシアルキルイミノ−、1−2個のエステル基、1−10個の酸素−、1−5個の硫黄−ならび/もしくは1−5個の窒素−原子を含み、さらに/あるいは場合によって1−5個のヒドロキシ−、1−2個のメルカプト−、1−5個のオキソ−、1−5個のチオキソ−、1−3個のカルボキシ−、1−5個のカルボキシアルキル−、1−5個のエステル−ならびに/もしくは1−3個のアミノ基により置換された直鎖型、分枝型、飽和型あるいは不飽和型のC1−C20−アルキレン基であり、さらに場合によってはこれが1−2個のカルボキシ−、1−2個のスルフォン−もしくは1−2個のヒドロキシ基によって置換を受けており、
T’は−CO−、−COOH−、−N=C=O−あるいは−N=C=S−基であり、
Oは活性化したカルボキシル基である。
該化合物は一般式Iのカスケード−ポリマー−錯体の製造のための重要な中間産物である。
錯体もしくは錯体形成体K’中の活性化カルボニル基COの例としては、無水物、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシサクシニミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステルや塩酸がある。
錯体形成体−単位の導入を目的に前もって付加もしくはアシル化する場合は、所望の置換基K(遊離基に結合する)を持つ基質を用いるか、もしくは化学反応を利用して所望の置換基に直接付加もしくはアシル化する。
付加反応の例としては、イソシアン酸塩やイソチオシン酸塩からの置換があるが、その場合イソシアン酸塩をTHF、ジオキサン、DMF、DMSO、塩化メチレンの様な非プロトン性溶媒中で0から100℃の温度、好ましくは0から50℃の温度で置換することが好ましく、場合によってはトリエチレンアミン、ピリジン、ルチジン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルフォリンの様な有機塩基を付加することがある。イソチオシアン酸塩からの置換は、通常は水あるいはメタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくはこれらの混合物といった低級アルコールやDMF、もしくはDMFと水の混合物の様な水性溶媒中で0から100℃の温度、好ましくは0から50℃の温度で行い、場合によってはトリエチルアミン、ピリジン、ルチジン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルフィンの様な有機性もしくは無規性の塩基、あるいは水酸化リチウム,水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムの様なアルカリ土類水酸化物やアルカリ水酸化物もしくは炭酸マグネシウムの様な炭酸塩を付加して行うこともある。
アシル化反応の例としては、当業者公知の方法[例えば、J.P.Greenstein,M.Winitz,Chemistry of the AminoAcids,John Wiley & Sons,N.Y.(1961)、S.943−945]による遊離型炭酸の置換がある。好都合なことに炭酸基はアシル化反応前に無水物や活性化エステル、あるいは塩酸塩の様な活性な型に変化することが知られている[例えばE.Gross,J.Meienhofer,The Peptides,Academic Press,N.Y.(1979),Vol.1、S.65−314;N.F.Albertson,Org.React.12,157(1962)]。
活性化エステルによる置換の例は当業者公知の文献[例えば、Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie, Georg Thieme Verlag,Stuttgart,Band E5(1985),633]に示されている。当該反応は無水化反応に関する当該文献記載の条件下で実施することができる。しかし、塩化メチレン、クロロフォルムの様な非プロトン性溶媒を用いることもできる。
塩酸置換の例では、塩化メチレン、クロロフォルム、トルオールあるいはTHFの様な非プロトン性溶媒だけが−20℃から50℃の間、好ましくは0から30℃の間で使用できる。詳細は当業者公知の文献[例えば、Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie,Georg Thieme Verlag,Stuttgart(1974),Band 15/2,S.355−364]中に記載されている。
酸保護基がR1’の場合、低級アルキル基、アリル基、ならびにアラルキル基、例えばメチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、フェニル−、ベンジル−、ジフェニルメチル−、トリフェニルメチル−、ビス−(p−ニトロフェニル)−メチル基ならびにトリアルキルシリル基が該当する。
保護基の開裂が望まれる場合には、当業者公知の方法、たとえば水溶性アルコール性溶媒中での加水分解、水素化分解、アルカリを用いたエステルのアルカリ鹸化を0℃から50℃の間の温度で、あるいは3級ブチルエステルの場合はトリフルオロ酢酸を用いて実施できる。
リガンドもしくは錯体が不完全な場合に、必要な場合にはアミドもしくは半アミド中で末端アミノ基をアシル化することができる。例えば、無水酢酸、無水コハク酸あるいは無水ジグリコールによる置換がある。
所望の金属イオンの導入は、例えばドイツ公開番号34 01 052に記載されている方法を用いて実施できるが、その場合原子番号20−29、42、44、57−83の元素の金属酸化物あるいは金属塩(例えば硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物、硫酸鉛)を水および/または低級アルコール(メタノール、エタノール、あるいはイソプロパノール)中に溶解もしくは懸濁し、等量の錯体形成リガンドの溶液あるいは懸濁液を用いて置換し、必要な場合には引き続いて無機および/または有機塩基、アミノ酸、もしくはアミノ酸アミドのカチオンで酸の酸性水素原子を置換する。
所望の金属イオンを導入は錯体形成体1’Aあるいは1’Bの工程、即ちカスケード−ポリマーへの重合前、だけでなく非金属性リガンド1’A、1’Bあるいは1’Cの重合後でも実施できる。
その場合、例えばえばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムあるいはカルシウムの無機塩(例えば、水酸化物、炭酸塩、あるいは炭酸水素塩)および/または例えばエタノールアミン、モルフォリン、グルカミン、N−メチル−ならびにN,N−ジメチルグルカミンの様な有機塩基アミン、そして例えばリジン、アルギニンやオルニチンの様な塩基性アミノ酸、もしくは馬尿酸やグリシンアセトアミドの様な中性もしくは酸性アミノ酸由来のアミド類を用いて中和できる。
中性錯体化合物を製造するためには、例えば酸性錯体塩を所望する塩基の水溶液もしくは懸濁液に中和点に達するまで加える。引き続き得られた溶液を真空下で乾燥させることが好ましい。こうして形成された中性塩は、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、低級ケトン(アセトン等)、極性エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)の様な水と混合できる溶媒を加えることで析出でき、容易に単離、高純度に結晶化できることが多い。特に所望する塩基を反応混合液の錯体形成の工程で加えることができ、それによって操作工程を簡素化できるという利点もある。
酸性錯体化合物には多数の酸性基を含むことから、無機性ならびに有機性のカチオンをジェネレーションとして含む中性の混合塩を製造するうえで好都合なことがしばしばある。
例えば、錯体形成体リガンドを、中心イオンを提供する元素の酸化物あるいは塩との中和に必要な半分の量の有機塩基を用いて水性懸濁液中で置換し、形成された錯体塩を単離するが、必要に応じて精製し、それから必要量の無機塩基を加えて完全に中和する。塩基添加の順番は入れ替えてもよい。
こうして得たカスケード−ポリマー−錯体の精製を行い、必要に応じて酸あるいは塩基を加えてpHを6から8の間、好ましくは7に調整し、特に適当な孔径の膜(例えばAmicon(R)XM30、Amicon(R)YM10,Amicon(R)YM3)による限外濾過もしくは例えば適当なセファデックス(R)ゲルを用いたゲル濾過により行うことができる。
中性錯体化合物の場合には、重合化錯体を陰イオン交換体、例えばIRA67(OH-形)にかけ、場合によってはさらに陽イオン交換体、例えばIRC50(H+−型)にかけて、イオン性成分を分離することが有用であることがしばしばある。
錯体形成体K’(もしくは対応す金属含有錯体についても)の結合に必要な末端アミノ基を有するカスケード−ポリマーは、通常は市販あるいは文献記載の方法により製造できる窒素含有カスケード開始体A(H)aを用いて製造する。ジェネレーションX,Y,ZおよびWの導入は、文献記載の方法[例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry、第3版;John Wiley & Sons,(1985),364−381]を利用して、カスケード核に結合可能な炭酸塩、イソシアン塩、イソチオシアン塩、あるいは活性化炭酸塩(例えば無水塩、活性化エステル、塩酸)もしくはハロゲン(例えば塩素、臭素、ヨード)の様な一般官能基、そしてアジリジン、メシル塩、トシル塩等の当業者公知の遊離基を含む、保護化されたアミンを持つ所望の構造体をアシル化ないしアルキル化反応して行う。
カスケード核Aと繰り返し単位の間の違いは純粋に形式的であることを再度強調しておく。このことは、形式的なカスケード開始体A(H)aを使わずに、決め毎によりカスケード核としたものの窒素原子を、最初のジェネレーションと一緒に導入するという大きな利点がある。例えば、実施例1b記載の化合物を合成する場合には、形式上のカスケード核であるトリメシン酸アミドを例えばベンジルオキシカルボニルアジリジン(6配位)を用いてアルキル化するのではなく、トリメシン酸トリクロライドをビス[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−エチル]−アミン(3配位)で置換する法が有利である。
同様にして、必須の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(”シクレン”)−あるいは1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(”シクラム”)−繰り返し単位の作成では、カスケード−ポリマーが殻のための形式的な殻を作らない利点がある。
その結果、例えば続く反応工程でシクレン殻に続く繰り返し単位を、シクレンの3個の窒素原子に結合させることができる。更に、4番目のシクレン−窒素を官能化することで、両方の繰り返し単位を成長中のカスケードに同時に結合することができる。
アミン保護基としては当業者に使用されているベンジルオキシカルボニル−、3級バトキシカルボニル−、トリフルオラセチル−、フルオレニルメトキシカルボニル−、ベンジル−、ならびにフォルミル基がある[Th.W.Greene,P.G.M Wuts,Protective Groups in Organic Syntheses、第2版、John Wiley and Sns(1991),S.309−385]。これらの保護基を必要に応じて文献公知の方法で開裂することで、開裂箇所直近の所望のジェネレーションを分子中に導入できる。ジェネレーションを2つの反応段階(アルキル化もしくはアシル化と保護基開裂)それぞれから構築する以外に、場合によっては第二反応段階のみに2種類のジェネレーション、例えばX−[Y]x、もしくはそれ以上の種類のジェネレーション、例えばX−[Y−(Z)y]xを同時に導入することができる。この複数のジェネレーション−単位は、前記の2個の繰り返しアミンを持つ未保護アミンを含有する所望の繰り返し単位の構造体(”繰り返しアミン”)を、保護型のアミン基を持つ第二の繰り返しアミンと共にアルキル化もしくはアシル化することで構築される。
カスケード開始体として重要な一般式A(H)aの化合物は購入するか、もしくは文献報告の方法[Houben−Weyl,Methoden der Org.Chemie,Georg−Thieme−Verlag、Stutgart(1957)、Bd.11/1;M.Micheloniら.,Inorg.Chem.(1985),24,3702;T.J.Atkinsら.,Org.Synth.,58巻(1978)、86−98;The Chemistryof Heterocyclic Compounds:J.S.Bradshaw.,Aza−Crown−Macrocycles,John Wiley&SOns,N.Y.(1993)]を用いて作ることができる。以下例を示す:
トリス(アミノエチル)アミン[例えば、Fluka Chemie AG、スイス;Aldrich−Chemie,ドイツ];トリス(アミノプロピル)アミン[例えば、C.Woernerら.,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1993),32,1306];
ジエチレントリアミン[例えば、Fluka;Aldrich];トリエチレンテトラアミン[例えば、Fluka;Aldrich];
テトラエチレンペンタアミン[例えば、Fluka;Aldrich];
1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゾル[例えばT.M.Garrettら.,J.Am.Chem.Soc.(1991),113,2965];
トリメシン酸トリアミド[例えばH.Kurihara;Jpn.Kokai Tokkyo Koho JP 04077481;CA117.162453];
1,4,7−トリアザシロノナン[例えば、Fluka;Aldrich];
1,4,7,10,13−ペンタアザシロペンタデカン[例えばK.W.Aston,Eur.Pat.Appl.0524 161,CA120.44580];
1,4,7,10−テトラアザシロドデカン[例えば、Aldrich];
1,4,8,11−テトラアザシロテトラデカン[例えば、Fluka;Aldrich];
1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシロトリアコンタン[例えばAndresら.,J.Chem.Soc.Dalton Trans.(1993),3507]:
1,1,1−トリス(アミノメチル)エタン[例えばR.J.Geueら.,Aust.J.Chem.(1983),36,927];
トリス(アミノプロピル)−ニトロメタン[例えば、G.R.Newkomeら.,Angew.Chem.103,1205(1991)同様にR.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH 出版、N.Y.(1989),419−420];
1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸アミド[例えばH.Stetterら.,Tetr.Lett.1967,1841];
1,2−ビス[フェノキシエタン]−3’,3”,5’,5”−テトラカルボン酸アミド[例えば実施例1b規定類似例ではJ.P.Collmanら.;J.Am.Chem.Soc.(1988),110,3477−86)];
1,4,7,10,13,16,21,24−オクタアザバイシクロ[8.8.8.]ヘキサコサン[例えばP.H.Smithら.,J.Org.Chem.(1993),58,7939]。
ジェネレーションの作成に必要な上記官能基を含む繰り返しアミンは実験箇所に記載したもしくは文献公知の方法、もしくはそれに類似した方法により作ることができる。
以下に例を示す:
Nα,NE−ジ−ベンジルオキシカルボニル−リジン−p−ニトロフェニルエステル;
HOOC−CH2OCH2CO−N(CH2CH2NH−CO−O−CH2652
HOOC−CH2N(CH2CH2NH−CO−O−CH2652
HOOC−CH2CH2CO−N(CH2CH2NH−COCF32[実施例5a記載の方法により作る、ビス(ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)アミンの代わりにビス(トリフルオロアセチルアミノエチル)アミンより作る];
HOOC−CH2OCH2CONH−C64−CH[CH2CON(CH2CH2NH−CO−O−CH26522
O=C=N−C64−CH[CH2−CON(CH2CH2NH−CO−O−CH26522
Figure 0004031041
N−ベンジルオキシカルボニル−アジリジン〔M.Znicら.,J.Chem.Soc.PerkinTransl,21−26(1993)の方法で製造〕;
N−ベンジルオキシカルボニル−グリシン〔例えばBachem Californiaより購入〕;
Figure 0004031041
〔C.J.Cavallitoら.,J.Amer.Chem.Soc.1943,65,2140の方法で、塩化ベンジルの代わりにN−CO−O−CH265−(2−ブロメチル)アミンを用いて製造する[A.R.Jacobsonら.,J.Med.Chem.(1991),34,2816]。
一般式1’Aおよび1’Bの錯体および錯体形成体は実施例に記載の方法に類似の方法もしくは文献により公知である方法(例えばヨーロッパ特許出願番号0,512,661;0,430,863;0,255,471ならびに0,565,930)により製造する。
一般式1’Aの化合物は、例えば官能基T’の前段階の基T''に酸保護基R1’とは無関係に上記方法により遊離型酸官能基に変えられる保護型酸官能基か、あるいは文献公知の方法により脱保護される保護アミン官能基を用いて、[Th.W.Greene,P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版、John Wiley&Sons(1991),S.309−385]ついでイソシアン塩もしくはイソチオシアン塩に変えることにより製造することができる[Methoden der Org.Chemie(Houben−Weyl)、E4,S.742−749,837−843,Georg Thieme出版、Stuttgart,New York(1983)]。この様な化合物は、実施例記載の方法と類似の方法により、適当なα−ハロゲン−カルボン酸アミド[例えばクロロフォルムのような非プロトン性溶媒中で]を用いてシクレンをモノアルカリ化することでも製造することができる。
一般式1’Bの化合物は、例えば活性化カルボキシル基−CO−の前段階として、酸保護基R1’とは無関係に上記の方法で遊離型酸官能基に変わりまた上記文献記載の方法により活性化することができる保護型酸官能基を利用して製造することができる。この様な化合物は実施例に記載した方法と同等の方法あるいは例えば一般式IIのアミン酸誘導体
Figure 0004031041
式中:
5’はR5であり、当該R5にはヒドロキシ−もしくはカルボキシ基が含まれることもあり、また当該基は保護型で存在することもあり;そして
1は直鎖状もしくは分枝状のC1−C6−アルキル基、ベンジル−、トリメチルシリル−、トリイソプロピルシリル−、2,2,2,−トリフルオレトキシ−もしくは2,2,2,−トリクロレトキシ基であり、さらにV1はR1''とは異なり、下記一般式IIIのアルキル化剤により置換される[M.A.Williams,H.Rapoport,J.Org.Chem.58,1151(1993)参照]。
Figure 0004031041
式中:
1''は保護基であり、そして
Halは塩素、臭素あるいはヨウ素の様なハロゲン原子であり、好ましくは塩素である。
好ましいアミン酸誘導体は天然のα−アミノ酸のエステルである。
化合物(II)と化合物(III)は好ましくは緩衝下にアルカリ化反応させ反応するが、緩衝液としてはリン酸緩衝液が利用できる。当該反応はpH7−9で行うことが好ましく、特にpH8である。緩衝液濃度は0.1−2.5Mの間であり、好ましくは2M−リン酸緩衝液である。アルカリ化の温度は0から50℃の間が利用できる;好ましい温度は室温である。
当該反応は例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンもしくは1,2−ジメトキシエタンの様な極性溶媒中で行われる。アセトニトリルを利用することが好ましい。
本発明の医薬物質は、本発明の錯体化合物を既知の方法で−必要に応じて医学分野で通常使用される添加物が加えられる−水性溶媒中に懸濁するか溶解し、ついで必要に応じて当該懸濁液もしくは溶解液を滅菌して製造する。好適な添加物としては生理学的に危険でない緩衝剤(例えばトロメタミン)、錯体形成体の添加、もしくは低濃度の錯体(例えばジエチレントリアミンペンタ酢酸もしくはそのCa−カスケード−ポリマー錯体)あるいは−必要に応じて−塩化ナトリウムの様な電解質、もしくは−必要に応じて−アスコルビン酸の様な酸化防止剤がある。
本発明の物質を腸内その他の目的に使用するために水もしくは生理食塩水による懸濁液もしくは溶解液にすることが望まれる場合に、これらに1種類以上の医学分野で通常使用される補助物質[例えばメチルセルロース、ラクトース、マンニット]や/あるいは伸展剤[例えばレシチン、Tween(R)、Myrj(R)]ならび/もしくは味覚調整のための芳香物質[例えば揮発性オイル]を混合する。
原理的には本発明の医薬物質は錯体塩を単離せずにも利用することができる。いずれの場合も、キレート形成体が増加し、本発明の塩や塩溶液が錯体を形成していない有毒な金属イオンを部分的に遊離しないよう特に注意して使用する必要がある。
この点については、例えばキシレノールオレンジの様な色指示薬を用いることで製造工程を管理できる。従って、本発明は錯体化合物とその塩の製造方法にも関する。最終的な安全を得るために単離した錯体塩を精製することもできる。
本発明の医薬品は好ましくは1μMol−1Mol/lの濃度の錯体塩を含み、通常は0.0001−5mMol/kgで投与される。当該投与量は腸内および腸外投与についてのものである。本発明の錯体化合物は、
1.原子番号21−29,39,42,44ならびに57−83の元素のイオンの錯体の形でのNMR−およびレントゲン診断、
2.原子番号27,29,31,32,37−39,43,49,62,64,70,75ならびに77の元素の放射性同位元素体の錯体の形での放射線診断および放射線治療、
に応用できる。
本発明の物質は核スピン断層撮影用造影剤として利用する上で前提となる事項の多くを満たしている。従って、当該物質は経口的もしくは非経腸的に投与してシグナル強度を上げることで、核スピン断層撮影を用いて得た画像の解像度を改善するのに適している。さらに当該物質は効率が高いことから、異物としての体への負荷量を限りなく少なくすることができ、また検査が非侵襲的におこなえるという高い実用性も併せ持っている。
本発明の物質の持つ良好な水溶性と低い浸透圧性により高濃度溶液の作成が可能となり、従って適用領域循環器系に於ける容積負荷量を維持し体液による希釈を調整することができ、このNMR−診断薬はNMR−スペクトロスコピー用診断薬に比べ100倍から1000倍の良好な水溶性を持っていると考えられる。さらに、本発明の物質は試験管内だけでなく生体内でも高い安定性を示しており、錯体中にある非共有結合性の−有害な−イオンの遊離もしくは交換は極めてゆっくりとしか起きない。
一般には本発明の物質はNMR−診断には0.0001−5mMol/kgの割合で、好ましくは0.005−0.5mMol/kgの割合で使用される。使用方法の詳細は例えばH.−J.Weimannら.,Am.J.of Roentgenology142,619(1984)で論議されている。
例えば腫瘍の検出や心臓梗塞といった器官特異的NMR−診断には、特に低量使用(1mg/kg体重以下)が可能である。
さらに本発明の錯体化合物は生体内−NMR−スペクトロスコピー用高感度試薬ならびに遷移試薬として有益に利用することができる。
本発明の物質は放射活性特性が高いこと、ならびに含有する錯体化合物が安定性にすぐれていることから、放射性診断薬としても好適である。使用方法ならびに投与方法の詳細は例えば”Radiotracers for Medical Applications”、CRC−出版、Boca Raton,Floridaに記載されている。
放射性同位元素を用いた別の画像解析法には、たとえば43Sc,44Sc、52Fe、55Coならびに68Gaの様なポジトロン放射性同位元素を利用したポジトロン−エミション−断層撮影法がある(Heiss,W.D.;Phelps,M.E.;Positoron Emission Tomography of Brain、Springer出版 Berlin、Heidelberg,New York1983)。
本発明の化合物は血液−脳−関門と関係しない部分の悪性および良性の腫瘍の鑑別診断にも好適である。
それは体から完全に除去され、そして非常に緩和であることが明らかである。
また当該物質は体内から完全に排泄され、従って扱いやすいことも特徴である。本発明の物質は悪性腫瘍に集積することから(健康な組織には拡散しないが、腫瘍血管に対しては高い透過性を有する)、当該物質は悪性腫瘍の放射線治療に補助的に利用することができる。この方法は使用する放射性同位元素の量や種類が変るだけの診断とは異なる。この方法の目的はエネルギー性の短波放射を可能な限り限定した領域に行い腫瘍細胞を破壊することにある。そのために錯体に含まれる金属(例えば鉄もしくはガドリニウム)とイオン化線(例えばレントゲン線)あるいは中性子線との相互作用を利用する。この作用により、金属錯体のある場所(例えば腫瘍)に局所的に有意に照射密度を上げる。悪性組織に対して同量の照射を行う場合でも、これらの金属錯体を使用すると健康組織に対する照射負荷を下げることができ、従って患者への副作用を少なくすることができる。従って、本発明の金属錯体−標識体も悪性腫瘍の放射線治療(例えばモスバウア−効果の応用もしくは中性子照射治療)に於ける放射線感受性物質として利用にも好適である。好適なβ−放射イオンは例えば46Sc,47Sc、48Sc、72Ga、73Gaおよび90Yである。好適な半減期間の短いα−照射イオンとしては211Bi、212Bi、213Biならび214Biがあり、212Biが好適である。好適なフォトン−および電子放射イオンは158Gdであり、これは157Gdに中性子を衝突させて得ることができる。
本発明の物質をR.L.Millsら(Nature 336巻、(1988)、S.787]が提案している放射線治療の変法へ応用する場合には、例えば57Feもしくは151Euの様なモスバウアー放射性同位元素による中心化を誘導する必要がある。
本発明の治療物質を生体内へ応用する場合には、これらの物質は血清もしくは生理学的コッホ塩液の様な適当な担体と一緒に、そしてヒト血清アルブミンの様なその他の蛋白質と共に使用することができる。この場合投与方法は細胞傷害の形や金属イオンの種類、そして画像解析方法によって決める。
本発明の治療物質は非腸管的、このましくは静脈注射により投与される。
放射線治療への応用の詳細は例えばR.W.Kozakら.TIBTEC,Oktober 1986,262,に述べられている。
本発明の物質はレントゲン造影剤として特に適しており、特に生物化学薬理学の研究ではヨード含有造影剤について知られるアナフィラキシ性反応が当該物質では認められないという点は注目に値する。本物質がデジタルサブトラクション法向けの高い真空管電圧域において十分な吸収特性を有することは特に価値有ることである。
一般に本発明の物質をレントゲン造影剤として使用する場合には、例えばメグルミン−ジアトリゾートの例より考えて0.1−5mMMol/kg,好ましくは0.25−1mMol/kgの量が投与される。
レントゲン造影剤としての使用に関する詳細は例えばBarkeのレントゲン祖造影剤、G.Thieme社、Leipzig(1970)やP.Thurn,E.Buchelerの”レントゲン診断への応用”G.Thieme社、Stuttgart、New York(1977)で述べられている。
まとめると、医学診断および治療分野に新しい可能性を有する新規の錯体形成体、金属錯体ならびに金属錯体塩を合成することができた。
以下実施例により本発明もついてより詳細に説明する。
実施例1
a)1,4,7−トリス(N,N’−ジベンジルオキシカルボニル−リシル)−1,4,7,10−テトラアザシロデカン
49.07g(95.9mmol)のジ−Z−リジン−N−ヒドロキシサクシニミドエステルと5g(29mmol)のシクレン(=1,4,7,10−テトラアザシロドデカン)を200mlのトルオール/100mlのジオキサン混合液に溶解する。9.7g(95.9mmol)のトリエチルアミンを加え、12時間70℃に加熱する。蒸発乾燥させてから、残査を600mlのジクロメタンに加えてからおよそ200mlの5%iger炭酸カリウム液を用いて3回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてから真空下に置き完全に乾燥する。残査をシリカゲルのクロマトグラフィ−(展開剤:酢酸メチル/エタノール=15:1)をかける。
収量:無色の固形物29.61g(75%d.Th)
元素分析:
計算値:C65.28 H6.81 N10.29
測定値:C65.41 H6.97 N10.10
b)1−(カルボキシメトキシアセチル)−4,7,10−トリス(N,N’−ジベンジルオキシカルボニル−リシル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例1aより得た前記化合物(200mlのテトラヒドロフランに溶解する)28g(20.56mmol)に3.58g(30,86mmol)の無水ジグリコール酸と6.24g(61.72mmol)のトリエチルアミンを加える。これを6時間50℃に加温する。溶液を真空下で蒸発乾燥させてから、300mlのジクロルメタンを加え、150mlの5%igerの塩酸で2回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してから真空下に蒸発乾燥し、さらに残査をシリカゲルクロマトグラフィ−にかける(展開剤:ジクロルメタン/メタノール=20:1)。
収量:無色の固形物27.65g(91%d.Th.)
計算値:C63.40 H6.55 N9.48
測定値:C63.21 H6.70 N9.27
c)1−[5−(4−ニトロフェノキシ)−3−オキサグルタリル]−4,7,10−tris(N,N’−ジベンジルオキシカルボニル−リシル)−1,4,7,10−テトラアザシロドデカン
実施例1b記載のカルボン酸14.78g(10mmol)を150mlのジクロロメタンに溶解したものをまず1.53g(11mmol)の4−ニトロフェノールに混合し、ついで0℃で2.27g(11mmol)のジクロヘキシルカルボジイミドを加える。一晩室温にて攪拌してから、ジシクロヘキシル尿素を作用させ、濾過してからイソプロパノールと転倒混和する。油性の沈殿物から母液をわけて移し、油分をジクロロメタンで取り去ってから吸引する。泡状の固形物15.4g(96.3%)が得られる。
元素分析:
計算値:C63.11 H6.24 N9.64
測定値:C62.98 H6.31 N9.80
d)ビス[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−エチル]−アミン
51.5g(500mmol)ジエチレントリアミンと139ml(1mol)トリエチルアミンをジクロルメタンに溶かし、ジクロルメタン中で161gのベンジルシアン蟻酸塩(Fluka)と−20℃で混合してから一晩室温で攪拌する。反応終了後、吸引機で蒸発させ、残査をジエチルエーテルに移し、有機層を炭酸ナトリウム液で洗浄してから硫酸ナトリウムで乾燥する。濾過物をヘキサンと混合し、沈殿物を濾過してから乾燥した。
収量:163.4g(88%d.Th)
元素分析:
計算値:C64.67 H6.78 N11.31
測定値:C64.58 H6.83 N11.28
e)N,N、N’、N’、N”、N”−ヘカキシ[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−エチル]−トリメシン酸トリアミド
13.27g(50mmol)のトリメシン酸−トリクロライド(Aldrich)と34.7ml(250mmol)のトリエチルアミンをジメチルフォルアミド(DMF)に溶解し、0℃で65.0g(175mmol)の実施例1d記載のアミンと混和し、ついで一晩室温で攪拌した。溶液を真空下で蒸発させ、残査を酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。
収量:39.4g(62%d.Th)
元素分析:
計算値:C65.24 H5.95 N9.92
測定値:C65.54 H5.95 N9.87
f)N,N、N’、N’、N”、N”−ヘカキシ(2−アミノエチル)−トリメシン酸トリアミド−コアと6個の実施例1b記載のアミン保護されたヘキサアミン−モノカルボン酸から成る完全保護型ベンジルオキシカルボニル−36mer−ポリアミン
1.27g(1mmol)の実施例1e記載のヘキサ−ベンジルオキシカルボニルアミンを氷酢酸中に溶かし、攪拌しながら33%igemの臭化水素の氷酢酸液と混和した。60分後、ジエチルエーテルを用いて始まっている沈殿を完全なものにし、沈殿したヘキサ−アミン−臭化水素塩をエーテルで洗浄してから、真空下に乾燥させ、それ以上の精製は行わず次の反応に使用した。
収量:0.95g(定量)
続いてヘキサ−アミン−臭化水素塩を150mlのDMFに溶解し、実施例1c記載の4−ニトロフェニル活性化エステル15.99g(10mmol)とトリエチルアミン4.05g(40mmol)と混合し、一晩室温で攪拌してから真空下に乾燥させた。残査を酢酸エチレンに移してから水で希釈したナトリウム母液と飽和NaCl液で交互に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてから濾過体を蒸発して乾燥し、さらに残査をシリカゲル(展開液:ジクロロメタン/メタノール18:2)のクロマトグラフィ−にかけた。
収量:無色の固形物6.55g(71%d.Th)
元素分析:
計算値:C63.68 H6.59 N10.48
測定値:C63.83 H6.70 N10.29
MALDI−TOF−マススペクトラム:9246にモルピーク(M+Na+
g)1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−4,7,10−トリス(3級−ブトキシ−カルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
(臭化ナトリウム塩−錯体として)
1,4,7−トリス−(3級−ブトキシ−カルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(DO3A−トリス−3級−ブチルエステル20g(38.87mmol)を(EP0 299 795実施例22aに従い作成し100mlのアセトニトリルに溶解する。その後11.45g(50mmol)の臭化酢酸ベンジルエステルと10.6g(100mmol)の炭酸ナトリウムを加え、12時間60℃で攪拌した。当該塩を濾過し、濾過液を真空下で蒸発させて乾燥し残査をシリカゲルでクロマトグラフィーにかけた(展開液:塩化メチレン/メタノール=20:1)。
収量:無色の無定型の粉末21.72g(73%d.Th)
元素分析:
計算値:C54.90 H7.63 N7.32 Na3.00 Br10.44
測定値:C54.80 H7.72 N7.21 Na2.89 Br10.27
h)1−(カルボキシメチル)−4,7,10−トリス(3級−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(臭化ナトリウム塩−錯体として)
実施例1gの表題化合物20g(26.12mmol)を300mlのイソプロパノールに溶解し、さらに3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)加えた。一晩室温で水和した。触媒を濾過で取り除き、濾過物を蒸発乾燥した。
収量:無色の無定型粉末17.47g(99%d.Th)
元素分析:
計算値:C49.78 H7.76 N8.29 Na4.44 Br11.83
測定値:C49.59 H7.59 N8.17 Na4.40 Br11.70
i)1−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−4,7,10−トリス(3級−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアサシクロドデカン
100mlのジメチルフォルアミド中にある実施例1hの表題化合物10g(14.80mmol)にN−ヒドロキシサクシイミド1.73g(15mmol)を加え0℃に冷却した。それからジシクロヘキシルカルボジイミド4.13g(20mmol)を加え、0℃で1時間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。これを0℃に冷却し、トリエチルアミン5.1g(50mmol)とグリシン2.25g(30mmol)を加えた。これを室温で一晩攪拌した。濾過により沈殿した尿素を取り除き、濾過液を真空下に蒸発して乾燥させた。残査に水を加えてから塩化メチレンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、さらに真空下で蒸発した。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(展開剤:塩化メチレン/メタノール=15:1)にかけた。
収量:無色固形物8.20g(88%d.Th)
元素分析:
計算値: C57.21 H8.80 N11.12
測定値: C57.10 H8.91 N11.03
k)実施例1f記載の36mer−ポリマーを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザペンタノイル)−カスケードポリアミド
[DO3A=1,4,7−トリス(カルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン]
実施例1f記載の36merのベンジルオキシカルボニルアミン1.84(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルにより完全に落とし、得られた36merのアミン−臭化水素をエーテルで洗浄してから真空下に乾燥させ、以下記載の反応に精製しないで使用した。
収量:1.5g(定量)
実施例1i記載のカルボン酸14.7g(20mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール3.0g(20mm0l)と2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロホウ酸塩(TBTU;Peboc Limited,UK)6.4g(20mmol)をDMFに溶解してから15分間冷却した。続いて当該溶液をN−エチルジイソプロピルアミン10.3ml(60mmol)と上記の36mer−アミン−臭化水素1.5g(0.2mmol)と混合し4日間室温にて攪拌した。反応停止後真空下に蒸発し、得られた残査を0℃でトリフルオロ酢酸に溶解してから一晩室温で攪拌、その後真空下で蒸発させてから残査をエーテルと混合攪拌した。固形分を吸い取り、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させてから水に溶かしてから、2Nの重炭酸ソーダ液でpH7に調整し、Amicon(R)−限外濾過膜YM3(カットオフ:3000Da)を用いて精製した。滞留物を濾過し凍結乾燥した。
収量:薄片状粉末3.61g(72%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):8.9%
元素分析(無水物について)
計算値:C44.86 H5.87 N15.34 Na10.92
測定値:C45.09 H5.80 N15.44 Na10.51
l)前記実施例記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例1k記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.5g(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にしてからGd23725mg(2mmol)と混合し、80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R))して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH−型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末1.96g(70%d,Th)
2O含有量(カールフィッシャー):7.4%
Gd−測定(AAS):19.9%
MALDI−TOF−マススペクトラム:25.905Da(ber.:25.911Da)にモルピーク
元素分析(無水物について)
計算値:C39.35 H5.15 Gd21.85 N13.46
測定値:C39.08 H5.29 Gd21.03 N13.68
T1−緩和度(H2O):18.0±0.2(1/mmol・秒)
(血漿):21.5±0.5(1/mmol・秒)
静脈内投与後の全身保留量(0.1mmolガドリニウム/kg体重;14日後;ラット):投与量の1.09±0.17%
ユーロピウム−錯体では以下の値を示した:
イエウサギ:投与量の0.23±0.12%
マウス:投与量の0.46±0.1%
実施例2
a)2−ブロモプロピニルグリシン−ベンジルエステル
グリシンベンジルエステル−p−トルオルスルフォン酸塩100g(296.4mmol)とトリエチレンアミン33g(326.1mmol)を400mlの塩化メチレンに溶かしたものに0℃で2−塩化ブロモプロピオン酸55.9g(326.1mmol)に滴下した。温度が5℃以上にならないようにした。最後の滴下後0℃で1時間冷却し、続いて室温に2時間おいた。500mlの氷酢酸を加え、水層に10%aqu.塩酸を加えてpH2に調整した。有機層を分離してから、300mlの5%aqu.の重炭酸ソーダ液と400mlの水で1回づつ洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてから真空下で蒸発し乾燥させた。残査をジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
収量:無色の結晶化粉末68.51g(75%d.Th.)
元素分析:
計算値:C46.76 H7.19 N4.54 Br25.92
測定値:C46.91 H7.28 N4.45 Br25.81
b)1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシロドデカン
600mlのクロロフォルムに1,4,7,10−テトラアザシロドデカン55.8g(324.4mmol)を溶解し、これに実施例2aの表題化合物50g(162.2mmol)を加え、一晩室温で攪拌した。500mlの水を加え、有機層を分離してから400mlの水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に蒸発乾燥させた。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:クロロフォルム/メタノール/aqu.25%アンモニア=10:5:1)にかけた。
収量:薄黄色の粘りけのある油40.0g(2aの化合物に対して63%d.Th.)
元素分析:
計算値:C61.36 H8.50 N17.89
測定値:C61.54 H8.68 N17.68
c)1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−4,7,10−トリス(3級−ブチルカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシロドデカン(臭化ナトリウム−錯体)
300mlのアセトニトリルに実施例2bの表題化合物20g(51.08mmol)と炭酸ナトリウム17.91(169mmol)を溶解したものに、臭化氷酢酸−3級−ブチルエステル33g(169mmol)を加え、24時間60℃で攪拌した。0℃に冷却してから塩を濾過して除き、濾過液を蒸発して乾燥させた。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/エタノール:15:1)にかけた。産物に含まれる分画を蒸発し、残査をジイソプロピルエーテルから再結晶化した。収量:34.62g(81%d.T.h)無色結晶性粉末。
元素分析:
計算値:C54,54 H7.59 N8.37 Na2.74 Br9.56
測定値:C54.70 H7.65 N8.24 Na2.60 Br9.37
d)1−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−4,7,10−トリス(3級−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシウクロドデカン(臭化ナトリウム−錯体)
実施例2cの表題化合物30g(35.85mmol)を500mlのイソプロパノールに溶解してから3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を加えた。一晩室温で水和した。触媒を濾過により取り除き、濾過液を真空下に蒸発して乾燥させアセトンで再結晶化した。
収量:無色の結晶化粉末22.75g(85%d.Th)
元素分析:
計算値:C49.86 H7.69 N9.38 Na3.07 Br10.71
測定値:C49.75 H7.81 N9.25 Na2.94 Br10.58
e)1−[4−(4−ニトロフェノキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−4,7,10−トリス(3級−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(臭化ナトリウム−錯体)
前記実施例2d記載のカルボン酸37.3g(50mmol)を500mlのジクロロメタンの中で4−ニトロフェノール7.6g(55mml)と混合し、0℃で冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド10.8g(52.5mmol)を加えた後、室温で一晩攪拌してから新たに冷却し、沈殿してきたジシクロヘキシル尿素から上澄みを取り、濾過液を真空下で蒸発して乾燥させた。残査を酢酸エチルで再結晶した。
収量:薄黄色の粉末40.3g(92.9%d.Th)
元素分析:
計算値:C51.21 H6.97 N9.68 Na2.65 Br9.21
測定値:C51.06 H7.07 N9.82 Na2.40 Br8.77
f)実施例1f記載の36mer−ポリマーを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザヘキサノイル)−カスケードポリアミド
実施例1f記載の36merのベンジルオキシカルボニルアミン−1.84g(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルにより完全に落とし、得られた36merのアミン−臭化水素物をエーテルで洗浄してから真空下に乾燥させ、精製しないまま以下の反応に使用した。
収量:1.5g(定量)
上記記載の36merのアミン臭化水素物が1.5g含まれる100mlのDMFを実施例2e記載のp−ニトロフェニル−活性化エステル17.4g(20mmol)と混合した。1時間以内にトリエチルアミン5,05g(50mmol)を含む20mlDMF液を沈殿が形成され始めたら溶液に戻しながらゆっくりと滴下した。一晩45℃で攪拌してから当該液を真空下に置いて乾燥させ、得られた残査は0℃でトリフルオロ酢酸に溶解し、さらに一晩室温で攪拌した。真空下に蒸発乾燥させて得た残査をジエチルエーテルと一緒に攪拌し、沈殿物を取り出し真空下に乾燥させた。酸性粗産物を水に溶解し、希釈した重炭酸ソーダ液でpH7に調整してからAMICON(R) YM−3膜を用いて限外濾過した。滞留物を凍結乾燥した。
収量:4.0g(78%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):9.3%
元素分析(無水物について)
計算値:C45.74 H6.05 N15.01 Na10.68
測定値:C45.84 H5.93 N15.22 Na10.20
g)前記実施例記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例2f記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.5g(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にしてからGd23725mg(2mmol)と混合し、80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R))して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH-型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末2.14g(74%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):8.7%
Gd−測定(AAS):19.4%
MALDI−TOF−マススペクトラム:26.426Da(ber.:26.416Da)にモルピーク
元素分析(無水物について)
計算値:C40.24 H5.32 Gd21.43 N13.20
測定値:C39.97 H5.50 Gd21.19 N13.32
T1−緩和度(H2O):17.5±0.1(1/mmol・秒)
(血漿):18.2±0.2(1/mmol・秒)
静脈内投与後の全身保留量(0.1mmolガドリニウム/kg体重;14日後;ラット):投与量の1.74±0.22%
該当するユーロピウム−錯体では以下の値を示した:
イエウサギ:投与量の0.32±0.16%
マウス :投与量の1.0±0.1%
実施例3
a)1,4,7−トリス(N−ベンジルオキシカルボニルグリシル)−1,4,7,10−テトラアザシロドデカン
Z−グリシン−N−ヒドロキシサクシニミドエステル29.37g(95.9mmol)と5g(29mmol)のシクレン(=1,4,7,10−テトラアザシロドデカン)を100mlのトルオール/50mlのジオキサン混合液に溶解する。9.7g(95.9mmol)のトリエチルアミンを加え、12時間70℃に加熱する。蒸発乾燥させてから、残査を400mlのジクロメタンに加えてからおよそ200mlの5%iger炭酸カリウム液を用いて3回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてから真空下に置き完全に乾燥する。残査をシリカゲルのクロマトグラフィ−(展開剤:酢酸エチル/エタノール=15:1)をかける。
収量:無色の固形物17.52g(81%d.Th.)
元素分析:
計算値:C61.20 H6.35 N13.15
測定値:C61.07 H6.45 N13.01
b)1−(カルボニルメトキシアセチル)−4,7,10−トリス(N,−ベンジルオキシカルボニルグリシル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例3aより得た表題化合物(100mlのテトラヒドロフランに溶解する)17g(22.79mmol)に3.97g(34,19mmol)の無水ジグリコール酸と6.92g(68.38mmol)のトリエチルアミンを加える。これを6時間50℃に加温する。溶液を真空下で蒸発乾燥させてから、250mlのジクロルメタンを加え、100mlの5%igerの塩酸で2回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してから真空下に蒸発乾燥し、さらに残査をシリカゲルクロマトグラフィーにかける(展開剤:ジクロルメタン/メタノール=20:1)。
収量:無色の固形物17.48g(89%d.Th.)
計算値:C58.53 H5.96 N11.38
測定値:C58.37 H5.81 N11.45
c)ビス[2−(Nα、Nε−ジベンジルオキシカルボニル−リシリルアミノ)−エチル]−アミン
ジエチレントリアミン1.03g(10mmol)を100mlのTHFに、トリエチルアミン2.02g(2.77ml,20mmol)とN,N’−ジ−ベンジルオキシカルボニル−リジン−p−ニトロフェニルエステル[O.W.Leverら.,J.Heterocyclic Chem.,23,901−903(1986)]と混合し、3時間室温で攪拌した。得られた濃厚な懸濁液にエーテルを加えて250mlとし、一晩室温で攪拌してからかさばった沈殿物を吸い取ってから100mlのTHF/エーテル(1:1)で洗浄し、さらにもう一度エーテルで洗浄した。真空下、40℃で乾燥させて8.7g(97.1%d.Th)の無色の粉末を得た。
元素分析:
計算値:C64.34 H6.86 N10.94
測定値:C64.20 H6.97 N10.81
d)N,N、N’、N’、N”、N”−ヘクサキス[2−(Nα、Nε−ジベンジルオキシカルボニル−リシリルアミノ)−エチル]−トリメシン酸トリアミド
20mlのDMFに1.43g(1.6mmol)のビス[2−(Nα、Nε−ジベンジルオキシカルボニル−リシリルアミノ)−エチル]−アミンを溶解した液に、0℃で1.39ml(1.01g、10mmol)のトリエチルアミンと0.11g(0.4mmol)のトリメシン酸−トリクロライド(Aldrich)を加え、2時間氷中で攪拌し、さらに一晩室温で攪拌した。次いで真空下で蒸発させてから酢酸エチルに移し、希釈した重炭酸ソーダ液、1Mの塩酸ならびに半飽和のNaCl出来と混合してから硫酸ナトリウムで乾燥した。活性炭を加えてからテフロン製のメンブレンフィルターで濾過し、濾過液を集め(1.5g)新たにおよそ5mlの酢酸エチルに溶かし、酢酸エチル/メタノール(18:2)を用いたシリカゲルクロマトグラフィ−にかけた。
収量:無色の粉末0.9g(79.1%)
元素分析:
計算値:C64.61 H6.48 N10.34
測定値:C64.45 H6.60 N10.28
e)N,N、N’、N’、N”、N”−ヘクサキス[2−(リシルアミノ)−エチル]−トリメシン酸−トリアミド−コアと12個の実施例3b記載のアミン保護されたトリアミン−モノカルボン酸から成る完全保護型ベンジルオキシカルボニル−36mer−ポリアミン
実施例3d記載の12mer−ベンジルオキシカルボニルアミン2,84g(1mmol)を氷酢酸中に溶かし、攪拌しながら33%igemの臭化水素の氷酢酸液と混和した。3時間後、ジエチルエーテルを用いて完全に沈殿させ、得られた12mer−アミン−臭化水素物をエーテルで洗浄してから、真空下に乾燥させ、それ以上の精製は行わず次の反応に使用した。
収量:2.2g(定量)
実施例3b記載のシクレン−カルボン酸17.2g(20mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール3.0g(20mmol)ならびに2−(1H−ベンゾトリアゾール−l−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロホウ酸塩(TBTU;Peboc Limited,UK)6.4g(20mmol)をDMFに溶解し、15分間攪拌した。続いて当該溶液に10.3ml(60mmol)のN−エチルジイソプロピルアミンと2.2g(1mmol)の上記記載の12mer−アミン−臭化水素物を加え、一晩室温で攪拌した。反応終了後、真空下に蒸発させて乾燥し、残査をジクロロメタン/メタノール(17:3)のシリカゲルクロマトグラフィ−にかけた。
収量:無色の固形物9.6g(84.5%d.Th)
元素分析:
計算値:C59.31 H6.20 N12.94
測定値:C59.20 H6.03 N13.19
MALDI−TOF−マススペクトラム:11.384にモルピーク(M+Na+)
f)実施例3e記載の36mer−ポリマーを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザペンタノイル)−カスケードポリアミド
実施例3e記載の36merのベンジルオキシカルボニルアミン2.27(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルを用いて完全に落とし、得られた36merのアミン−臭化水素をエーテルで洗浄してから真空下に乾燥させ、以下記載の反応に精製しないまま使用した。
収量:1.9g(定量)
実施例1i記載のカルボン酸14.7g(20mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール3.0g(20mmol)と2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロホウ酸塩(TBTU;Peboc Limited,UK)6.4g(20mmol)をDMFに溶解してから15分間冷却した。続いて当該溶液をN−エチルジイソプロピルアミン10.3ml(60mmol)と上記の36mer−アミン−臭化水素1.9g(0.2mmol)と混合し、それから4日間室温にて攪拌した。反応停止後真空下に蒸発し、得られた残査を0℃でトリフルオロ酢酸に溶解してから一晩室温で攪拌、その後真空下で蒸発させてから残査をエーテルと混合攪拌した。固形分を吸い取り、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させてから水に溶かしてから、2Nの重炭酸ソーダ液でpH7に調整し、Amicon(R)−限外濾過膜YM3(カットオフ:3000Da)を用いて精製した。滞留物を濾過し凍結乾燥した。
収量:薄片状粉末3.93g(75%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):5.0%
元素分析(無水物について)
計算値:C44.48 H5.75 N16.05 Na9.98
測定値:C44.77 H5.91 N15.96 Na9.50
g)実施例3f記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例3f記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.6g(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にしてから、Gd23725mg(2mmol)と混合し、80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R))して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH-型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末2.22g(72%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):8.9%
Gd−測定(AAS):18.5%
MALDI−TOF−マススペクトラム:28.058Da(ber.:28.049Da)にモルピーク
元素分析(無水物について)
計算値:C39.44 H5.10 Gd20.18 N14.23
測定値:C39.56 H5.26 Gd19.88 N14.09
実施例4
a)実施例3e記載の36mer−ポリマーを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザヘキサノイル)−カスケードポリアミド
実施例3e記載の36merのベンジルオキシカルボニルアミン2.27(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルを用いて完全に落とし、得られた36merのアミン−臭化水素をエーテルで洗浄してから真空下に乾燥させ、以下記載の反応に精製しないまま使用した。
収量:1.9g(定量)
上記記載の36merのアミン−臭化水素物1.9gを含む100mlのDMFを実施例2e記載のp−ニトロフェニル−活性化エステル17.4g(20mmol)と混合する。1時間以内に5.05g(50mmol)のトリエチルアミンを含む20mlのDMF液をゆっくりと滴下し、沈殿を形成し始めたら再度溶解するようにする。一晩45℃で攪拌し、ついで当該溶液を真空下におき、得られた残査を0℃でトリフルオロ氷酢酸に溶解してから一晩室温で攪拌した。これを真空下に蒸発、乾燥させて、残査をジエチルエーテルと混合攪拌し、得られた沈殿を取り除き、真空下に乾燥させた。酸性粗産物を水で溶解してから希釈した重炭酸ソーダ液でpH7に調整し、AMICON(R) YM−3膜で限外濾過した。滞留液を凍結乾燥した。
収量:4.0g(72.9%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):7.5%
元素分析(無水物について)
計算値:C45.30 H5.92 N15.73 Na9.78
測定値:C45.56 H6.10 N15.65 Na9.47
b)実施例4a記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例4a記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.74g(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にしてから、Gd23725mg(2mmol)と混合し、80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R))して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH-型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末2.46g(77.8%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):9.7%
Gd−測定(AAS):18.1%
MALDI−TOF−マススペクトラム:28.563Da(ber.:28.554Da)にモルピーク
元素分析(無水物について)
計算値:C40.26 H5.26 Gd19.83 N13.98
測定値:C40.01 H5.40 Gd19.68 N14.11
実施例5
a)1,7−ビス(ベンゾイルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシサクシニル−1,4,7−トリザヘプタン
500mlのテトラヒドロフランに溶かした50g(134.6mmol)の1,7−ビス(ベンゾイルオキシカルボニル)−1,4,7−トリザヘプタン(実施例1d)に無水コハク酸20.20g(201.9mmol)とトリエチレンアミン40.86g(403.8mmol)を加え、一晩40℃で攪拌した。蒸発乾燥して得られた残査を1000mlのジクロロメタンに移し、500mlの5%塩酸で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに蒸発乾燥した。残査をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(展開液=ジクロロメタン/メタノール:20:1)。
収量:無色固形物56.0g(93%d.Th.)
元素分析:
計算値:C59.05 H6.53 N9.39
測定値:C59.17 H6.69 N9.27
b)1,7−ビス(ベンゾイルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシサクシニル−1,4,7−トリザヘプタンのH−ヒドロキシサクシニミドエステル
300mlジクロロメタンに実施例5aの表題化合物56g(125.14mmol)が含まれるものにN−ヒドロキシスクシンイミド14.4g(125.14mmol)を加える。0℃に冷やし、ジシクロヘキシルカルボジイミド28.4g(137.66mmol)に加えた。その後6時間室温で攪拌した。沈殿した固形物を濾過し、濾過液を真空下で蒸発し乾燥した。残査をエーテル/2−プロパノールで再結晶をした。
収量:結晶化した無色の固形物62.01g(91%d.Th.)
元素分析:
計算値:C57.35 H5.92 N10.29
測定値:C57.24 H5.99 N10.12
c)1,4,7−トリス{7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−エチル]−4−オキソ5−アザヘプタノイル}1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例5b記載の表題化合物52.22g(95.9mmol)と5g(29mmol)のシクレン(=1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を200mlのトルオール/100mlのジオキサン混合液に溶解する。9.7g(95.9mmol)のトリエチルアミンを加え、12時間70℃に加熱する。蒸発乾燥させてから、残査を600mlのジクロロメタンに加えてからおよそ300mlの5%iger炭酸カリウム液を用いて3回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてから真空下に置き完全に乾燥する。残査をシリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:酢酸メチル/エタノール=15:1)をかける。
収量:無色の固形物28.95g(69%d.Th.)
元素分析:
計算値:C61.44 H7.04 N11.62
測定値:C61.57 H6.91 N11.69
d)1,4,7−トリス−{7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−エチル]−4−オキソ5−アザヘプタノイル}−10−ヒドロキシスクシニル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例5c記載の表題化合物28g(19.35mmol)をテトラヒドロフランに溶解し、これに2.90g(29mmol)の無水コハク酸と5.87g(58mmol)のトリエチルアミンを加えた。50℃で6時間加熱する。溶液を蒸発乾燥させてから、200mlのジクロロメタンに加え、さらに100mlの5%iger塩酸を用いて2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてから真空下に置き完全に乾燥する。残査をシリカゲルのクロマトグラフィ−(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=20:1)にかける。
収量:無色の固形物26.94g(90%d.Th.)
元素分析:
計算値:C60.57 H6.84 N10.87
測定値:C60.41 H6.95 N10.75
e)1,4,7,10,13,16−ヘクサキス[N−ベンジルオキシカルボニル−β−アラニル]−1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン
1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン(ヘキサシクレン;Fulka)516mg(2mmol)をトルオールアゼオトロップで脱水した。ヘキサシクレンをトルエン中で冷却したものに室温でテトラヒドロフラン(THF)に溶けたベンジルオキシカルボニル−β−アラニン(シグマ)3.35g(15mmol)ならびに2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ:Fluka)3.71g(15mmol)を加え、さらに一晩攪拌した。反応終了後産物にヘキサンを加え沈殿させ、沈殿物をジクロロメタン/ヘキサン/イソプロパノール(20:10:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。
収量:2.06g(69%d.Th.)
計算値:C62.89 H6.50 N11.28
測定値:C62.74 H6.32 N11.50
f)1,4,7,10,13,16−ヘクサキス(β−アラニル)−1,4,7,10,13,16−ヘキサザシクロオクタデカン−コアと6個の実施例5d記載のアミン保護されたヘキサアミンモノカルボン酸から成る完全保護型ベンジルオキシカルボニル−36mer−ポリアミン
1.49g(1mmol)の前記施例5e記載のヘキサ−ベンジルオキシカルボニルアミンを氷酢酸中に溶かし、攪拌しながら33%の臭化水素の氷酢酸液と混和した。60分後、ジエチルエーテルを用いて始まっている沈殿を完全なものにし、沈殿したヘキサ−アミン−臭化水素塩をエーテルで洗浄してから、真空下に乾燥させ、それ以上の精製は行わず次の反応に使用した。
収量:1.2g(定量)
実施例5d記載のヘキサ−アミン−モノカルボン酸7.0g(7.5mmol)、1.2g(7.5mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾールならびに2.4g(7.5mmol)の2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロホウ酸(TBTU;Peboc Limeted,UK)をDMFに溶解し15分間攪拌する。当該溶液を5.16ml(30mmol)のN−エチルジイソプロピルアミンと1.2g(1mmol)の上記記載のヘキサ−アミン−ヒドロ臭化物と混合し、一晩室温で攪拌した。反応終了後、真空下で蒸発して乾燥させ、残査をジクロロメタン/メタノール(17:3)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。
収量:無色の固形物8.5g(82%d.Th)
元素分析:
計算値:C61.83 H6.59 N12.15
測定値:C61.59 H6.71 N.12.02
MALDI−TOF−マススペクトラム:10.397にモルピーク(M+Na+
g)実施例5e記載のポリマーを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザヘキサノイル)−カスケードポリアミド
実施例5f記載の36merのベンジルオキシカルボニルアミンを2.07g(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルを用いて完全に落とし、得られた36mer−アミン−臭化水素物をエーテルで洗浄してから真空下で乾燥し、以下記載の反応に精製しないまま使用した。
収量:1.7g(定量)
上記記載の36merのアミン−臭化水素物1.7gを含む100mlのDMFを実施例2e記載のp−ニトロフェニル−活性化エステル17.4g(20mmol)と混合する。1時間以内に5.05g(50mmol)のトリエチルアミンを含む20mlのDMF液をゆっくりと滴下し、沈殿を形成し始めたら再度溶解するようにする。一晩45℃で攪拌し、ついで当該溶液を真空下におき、得られた残査を0℃でトリフルオロ氷酢酸に溶解してから一晩室温で攪拌した。これを真空下に蒸発、乾燥させて、残査をジエチルエーテルと混合攪拌し、得られた沈殿を取り除き、真空下に乾燥させた。酸性粗産物を水で溶解してから希釈した重炭酸ソーダ液でpH7に調整し、AMICON(R) YM−3膜で限外濾過した。滞留液を凍結乾燥した。
収量:4.4g(83%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):7.8%
元素分析(無水物について)
計算値:C45.80 H6.08 N15.51 Na10.18
測定値:C45.88 H6.23 N15.66 Na9.70
h)実施例5g記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例5g記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.65(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にしてから、Gd23725mg(2mmol)と混合し、80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R))して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH-型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末2.41g(81%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):7.5%
Gd−測定(AAS):18.7%
MALDI−TOF−マススペクトラム:27.580Da(ber.:27.566Da)にモルピーク
元素分析(無水物について)
計算値:C40.52 H5.37 Gd20.54 N13.72
測定値:C40.30 H5.50 Gd20.11 N13.56
実施例6
実施例5f記載の36mer−ポリアミンを基本とした36merGd−DTPA−モノアミド
前記実施例5f記載の36mer−ポリ−ベンジルオキシカルボニルアミン1.04g(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。3時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルを用いて完全に落とし、得られた36mer−アミン−臭化水素物をエーテルで洗浄してから真空下で乾燥した。残査を水に移して、さらに1Nの重炭酸ソーダ液を用いてpH9.5に統制した。この溶液に重炭酸ソーダを添加してpHを9.5に維持しながら4.35g(10.8mmol)のN3−(2,6−ジオキソモルフォリノエチル)−N6−(エトキシカルボニルメチル)−3,6−ジアザオクタン2酸(例えばEP 0331 616の13a)を個体の形で加えた。添加終了後このDTPA−エチルエステルを5Nの重炭酸ソーダで鹸化するため、pHを>13に調整し、一晩室温で攪拌した。その後濃塩酸を用いてpHを5に調整してからGd23を1.96g(5.4mmol)混合し、80℃で30分間攪拌、冷却後pHを7に調整してからYM3AMICON−限外濾過膜を用いて脱塩した。続いて滞留液をメンブレン濾過してから凍結乾燥した。
収量:2.58g(92.4%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):9.0%
Gd−測定(AAS):20.3%
元素分析(無水物について)
計算値:C35.46 H4.26 Gd22.29 N10.92 Na3.26
測定値:C35.18 H4.44 Gd21.75 N10.83 Na3.59
実施例7
a)5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−[3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−プロピル]−バレリン酸
4−カルボキシ−1,7−ジアミノヘプタン(A.Reissert,Chem.Ber.26.2137(1893);27,979(1894)に従い作成)10g(57.39mmol)含む水150mlに24.48g(143.5mmol)のクロラミン酸ベンジルエステルと5Nの重炭酸ソーダ液を同時に0℃で滴下し、pHを10に維持した。これを一晩室温で攪拌した。150mlの氷酢酸エチルエステルで2回抽出を行った。水層を4Nの塩酸を用いて注意深く酸性に調整し(pH2)てから200mlの氷酢酸エチルエステルを用いて3回抽出を行った。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、さらに真空下で蒸発乾燥した。
収量:ガラス状固形物24.13g(95%d,Th.)
元素分析:
計算値:C59.05 H6.53 N9.39
測定値:C59.19 H6.71 N9.18
b)5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−[3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−プロピル]−バレリン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
100mlのジクロルエタンに実施例7aの表題化合物24g(54.24mmol)を含むものに6.24g(54.24mmol)のN−ヒドロキシスクシンイミドを加えた。0℃に冷却してから12.31g(59.66mmol)のジクロロヘキシルカルボジイミドを加えた。続いて6時間室温にて攪拌した。得られた沈殿固形物を濾過して取り除き、濾過液を真空下にて蒸発して乾燥させた。残査をエーテル/2−プロパノールで再結晶化した。
収量:結晶化した無色の固形物27.51g(94%d,Th.)
元素分析:
計算値:C62.23 H6.16 N7.79
測定値:C62.17 H6.03 N7.85
c)1.4.7−トリス{5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−[3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−プロピル]−バレリru}−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例7bの表題化合物27g(50.04mmol)とシクレン(=1.4.7.10−テトラアザシクロドデカン)2.61g(15.16mmol)を100mlトルエン/50mlジオキサン混合液に溶解した。これに3.07g(30.32mmol)のトリエチルアミンを加え、12時間70°℃に加熱した。これを蒸発乾燥し、残査を300mlのジクロロメタンに移してから150mlの5%igeraqu.の炭酸カリウム液を用いて3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、さらに真空下で乾燥した。残査をシリカゲルクロマトグラフィ−にかけた(展開液:氷酢酸エチルエステル/エタノール=15:1)。
収量:無色の固形物13.81g(63%d,Th.)
元素分析:
計算値:C66.46 H7.26 N9.69
測定値:C66.28 H7.39 N9.51
d)1−[カルボキシ−メトキシアセチル)−4,7,10−トリス{5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−[3−ベンジルオキシカルボニルアミノ)−プロピル]−バレリル}−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例7cの表題化合物13g(9mmol)を含む80mlのテトラヒドロフラン80mlに1.57g(13.5mmol)の無水ジグリコール酸と2.73g(27mmol)のトリエチルアミンを加えた。これを50℃で6時間加温した。当該溶液を真空下に蒸発乾燥させ、150mlのジクロロメタンに移し、100mlの5%iger aqu.塩酸を用いて2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、さらに真空下で乾燥し、残査をシリカゲルクロマトグラフィ−にかけた(展開液:ジクロロメタン/メタノール=20:1)
収量:無色の固形物12.5g(89%d,Th.)
元素分析:
計算値:C64.60 H6.97 N8.97
測定値:C64.41 H6.85 N8.90
e)N,N、N’、N’、N”、N”−ヘクサキス(2−アミノエチル)−トリメシン酸トリアミド−コアと6個の実施例7d記載のアミン保護されたヘキサアミン−モノカルボン酸から成る完全保護型ベンジルオキシカルボニル−36mer−ポリアミン
実施例1e記載のヘキサ−ベンジルオキシカルボニルアミン1,27g(1mmol)を氷酢酸中に溶かし、攪拌しながら33%igemの臭化水素の氷酢酸液と混和した。60分後、ジエチルエーテルを用いて完全に沈殿させ、得られたヘキサアミン−臭化水素物をエーテルで洗浄してから、真空下に乾燥させ、それ以上の精製は行わず次の反応に使用した。
収量:0.95g(定量)
実施例7d記載のシクレン−カルボン酸11.7g(7.5mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.2g(7.5mmol)ならびに2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロホウ酸塩(TBTU;Peboc Limited,UK)2.4g(7.5mmol)をDMFに溶解し、15分間攪拌した。続いて当該溶液に5.16ml(30mmol)のN−エチルジイソプロピルアミンと0.95g(1mmol)の上記記載のヘキサ−アミン−臭化水素物を加え、一晩室温で攪拌した。反応終了後、真空下に蒸発させて乾燥し、残査をジクロロメタン/メタノール(17:3)のシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。
収量:無色の固形物7.40g(76%d.Th)
元素分析:
計算値:C64.82 H6.99 N9.93
統計値:C64.58 H7.11 N10.04
MALDI−TOF−マススペクトラム:9751にモルピーク(M+Na+
f)実施例7e記載のポリアミンを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザペンタノイル)−カスケードポリアミド
実施例7e記載の36mer−ベンジルオキシカルボニルアミン1.95(0.2mmo8l)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%の臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルを用いて完全に落とし、得られた36merのアミン−臭化水素をエーテルで洗浄してから真空下に乾燥させ、以下記載の反応に精製しないまま使用した。
収量:1.6g(定量)
上記記載の36merアミン−集荷水素物1.6gを含む100mlのDMFに実施例2e記載のp−ニトロフェニル−活性化エステル17.4g(20mmol)を加えた。1時間以内に20mlのDMFに5.05g(50mmol)のトリエチルアミンを含む溶液を、沈殿が形成し始めたら溶液に戻すようにしながらゆっくりと滴下した。一晩45℃で攪拌してから、当該溶液を真空下におき、得られた残差を0℃でトリフルオロ表酢酸に溶解し、一晩室温にて攪拌した。
その後真空下で蒸発させてから残査をジエチルエーテルと混合攪拌し、得られた沈殿物を取り出し、真空下で乾燥させた。この酸性産物を水に溶かし、希釈した重炭酸ソーダ液でpH7に調整し、Amicon(R)−YM3メンブレンで濾過した。滞留物を濾過し凍結乾燥した。
収量:3.9g(76%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):8.0%
元素分析(無水物について)
計算値:C46.59 H6.23 N14.69 Na10.46
測定値:C46.82 H6.47 N14.55 Na10.19
g)前記実施例記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例7f記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.58g(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にし、Gd23725mg(2mmol)と混合してから80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R)して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH-型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末2.08g(72%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):7.0%
Gd−測定(AAS):19.3%
MALDI−TOF−マススペクトラム:26.915Da(ber.:26.921Da)にモルピーク
元素分析(無水物について)
計算値:C41.09 H5.49 Gd21.03 N12.96
測定値:C41.20 H5.60 Gd20.66 N13.19
実施例8
a)3,5−ビス[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−1,4−ジアザブチル]−安息香酸
3,5−ジアミノ安息香酸30g(197.17mmol)を含む600mlのジクロロメタンに123.8g(404.2mmol)のN−Z−グリシン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを加えた。0℃で5分以内に60.7g(800mmol)のトリエチルアミンを溶かした100mlのジクロロメタンを滴下し加え一晩室温にて攪拌した。500mlの10%iger酢酸で3回抽出してから有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下で蒸発乾燥させた。残査をアセトンを用いて再結晶化した。
収量:無色の結晶化固形物97.87g(95%d.Th.)
元素分析:
計算値:C59.77 H5.02 N10.72
測定値:C59.65 H5.17 N10.59
b)3,5−ビス[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−1,4−ジアザブチル]−安息香酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
実施例8aの表題化合物60g(114.8mmol)を300mlのジクロロメタンに溶解したものに13.21g(114.8mmol)のN−ヒドロキシスクシンイミドを加えた。0℃に冷却してから26.06g(126.3mmol)のジクロロヘキシルカルボジイミドを加えた。続いて室温で6時間攪拌した。生じた固形物を濾過により除き、濾過液を真空下に蒸発乾燥させた。残査をエーテル/2−プロパノールで再結晶化した。
収量:無色の結晶化固形物65.44g(92%d.Th.)
元素分析:
計算値:C58.16 H4.72 N11.30
測定値:C58.31 H4.90 N11.15
c)1.4.7−トリス{3,5−ビス[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−1,4−ジアザブチル]−ベンゾイル}−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例8bの表題化合物60g(96.84mmol)と5.05g(29.34mmol)のシクレン(=1.4.7.10−テトラアザシクロドデカン)を200mlトルエン/100mlジオキサン混合液に溶解した。これに5.94g(58.68mmol)のトリエチルアミンを加え、12時間70°℃に加熱した。これを蒸発乾燥し、残査を600mlのジクロロメタンに移してから300mlの5%炭酸カリウム水溶液を用いて3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、さらに真空下で乾燥した。残査をシリカゲルクロマトグラフィ−にかけた(展開液:氷酢酸エチルエステル/エタノール=15:1)。
収量:無色の固形物31.65g(64%d,Th.)
元素分析:
計算値:C61.27 H5.50 N13.29
測定値:C61.15 H5.61 N13.10
d)1−[カルボキシメトキシアセチル)−4,7,10−トリス{3,5−ビス−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−1,4−ジアザブチル]−ベンゾイル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
実施例8cの表題化合物30g(17.8mmol)が溶解した150mlのテトラヒドロフランに3.1g(26.7mmol)の無水ジグリコール酸と5.4g(53.4mmol)のトリエチルアミンを加えた。これを50℃で6時間加温した。当該溶液を真空下に蒸発乾燥させ、250mlのジクロロメタンに移し、150mlの5%塩酸水溶液を用いて2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、さらに真空下で乾燥し、残査をシリカゲルクロマトグラフィ−にかけた(展開液:ジクロロメタン/メタノール=20:1)
収量:無色の固形物29.83g(93%d,Th.)
元素分析:
計算値:C59.99 H5.37 N12.44
測定値:C59.81 H5.45 N12.29
e)N,N、N’、N’、N”、N”−ヘクサキス(2−アミノエチル)−トリメシン酸トリアミド−コアと6個の実施例8d記載のアミン保護されたヘキサアミン−モノカルボン酸から成る完全保護型ベンジルオキシカルボニル−36mer−ポリアミン
実施例1e記載のヘキサ−ベンジルオキシカルボニルアミン1,27g(1mmol)を氷酢酸中に溶かし、攪拌しながら33%igemの臭化水素の氷酢酸液と混和した。60分後、ジエチルエーテルを用いて完全に沈殿させ、得られたヘキサアミン−臭化水素物をエーテルで洗浄してから、真空下に乾燥させ、それ以上の精製は行わず次の反応に使用した。
収量:0.95g(定量)
実施例8d記載のシクレン−カルボン酸13.5g(7.5mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.2g(7.5mmol)ならびに2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロホウ酸塩(TBTU;Peboc Limited,UK)2.4g(7.5mmol)をDMFに溶解し、15分間攪拌した。続いて当該溶液に5.16ml(30mmol)のN−エチルジイソプロピルアミンと0.95g(1mmol)の上記記載のヘキサ−アミン−臭化水素物を加え、一晩室温で攪拌した。反応終了後、真空下に蒸発させて乾燥し、残査をジクロロメタン/メタノール(8:1)のシルリカゲルクロマトグラフィ−にかけた。
収量:無色の固形物8.75g(81%d.Th)
元素分析:
計算値:C64.34 H5.62 N13.61
測定値:C64.22 H5.86 N13.51
MALDI−TOF−マススペクトラム:10.832にモルピーク(M+Na+
f)実施例8e記載のポリアミンを基本にした36mer−N−(5−DO3A−イル−4−オキソ−3−アザペンタノイル)−カスケードポリアミド
実施例8e記載の36mer−ベンジルオキシカルボニルアミン2.16g(0.2mmol)を氷酢酸に溶解し、攪拌しながら33%igemの臭化水素氷酢酸液と混和した。5時間後すでに始まっている沈殿をジエチルエーテルを用いて完全に落とし、得られた36mer−アミン−臭化水素体をエーテルで洗浄してから真空下に乾燥させ、以下記載の反応に精製しないまま使用した。
収量:1.8g(定量)
上記記載の36merアミン−臭化水素物1.8gを含む100mlのDMFに実施例2e記載のp−ニトロフェニル−活性化エステル17.4g(20mmol)を加えた。20mlのDMFに5.05g(50mmol)のトリエチルアミンを含む溶液を、沈殿が形成し始めたら溶液に戻すようにしながらゆっくりと1時間以内に滴下した。一晩45℃で攪拌してから、当該溶液を真空下におき、得られた残差を0℃でトリフルオロ氷酢酸に溶解し、さらに一晩室温にて攪拌した。その後真空下で蒸発させてから残査をジエチルエーテルと混合攪拌し、得られた沈殿物を取り出し真空下で乾燥させた。この酸性産物を水に溶かし、希釈した重炭酸ソーダ液でpH7に調整し、Amicon(R)−YM3メンブレンで限外濾過した。滞留物を濾過し凍結乾燥した。
収量:4.6g(84%d.Th)
2O含有量(カールフィッシャー):9.5%
元素分析(無水物について):
計算値:C47.18 H5.66 N16.08 Na10.00
測定値:C47.31 H5.52 N16.30 Na9.57
g)前記実施例記載のリガンドの36mer−Gd−錯体
前記実施例8f記載の錯体形成体塩のナトリウム塩2.74g(0.1mmol)を水中にて5mlの氷酢酸を用いて酸性にし、Gd23725mg(2mmol)と混合してから80℃で2時間錯体形成させた。冷却後、当該溶液を濾過し、濾過液をYM3で限外濾過(AMICON(R))して、滞留物に交互に陽イオン交換体IR120(H+型)と陰イオン交換体IRA410(OH-型)を加えて伝導率を最小になるよう調整した。イオン交換体は濾過により取り除いてから濾過液を凍結乾燥した。
収量:無色の薄片状粉末2.27g(74%d,Th.)
2O含有量(カールフィッシャー):8.6%
Gd−測定(AAS):18.2%
MALDI−TOF−マススペクトラム:27.992Da(ber.:28.001Da)にモルピーク
元素分析(無水物について):
計算値:C41.82 H5.02 Gd20.22 N14.26
測定値:C41.99 H4.96 Gd19.87 N14.40
細胞外造影剤との生体内比較に関する実施例
実施例1l記載の化合物が血液−プール−剤として適合していることを以下の試験で示す。
3匹の体重200−250gの雄のラット(シェーリング−SPF)を実験動物として用いた。各動物に次の造影剤溶液0.2ml(およそ25mmol/L)を静脈内に投与した:以下化合物1と呼ぶ1lの化合物と、以下化合物2と呼ぶ3,6,9−トリアザ−3,6,9−トリス(カルボキシメチル)−ウンデカンジ酸のジスプロジウム−錯体(Dy−DTPA)をそれぞれ1の割合に混合したもの。カテーテルを通じて総頸動脈から血液サンプルを次の時点で採取した:1,3,5,10,15,20,30,45,60,90,120分p.i。採取した血液サンプルそれぞれについてガドリニウム(Gd)とジスプロジウム(Dy)の濃度を原子発光スペクトロメトリー(ICP−AES)を用いて測定した。注射した造影剤化合物1(Gd)と化合物2(Dy,対照物質)の血中残存率は、同じ動物について標識を変えて実施し比較した。血中濃度より専用ソフトウエアー(Topfit−プログラム)を利用してa−およびb−半減時間、分配容積ならびに総クリアランスを計算した。この作業によりデータから化合物の血管腔内の滞留量や器官への分配比そして排泄に関する詳細が分かる。
結果:まず初期には化合物1の血中濃度は細胞外造影剤(化合物2)に比べ有意に高かった(図1参照)。
初期の化合物1の血中濃度が有意に高い(化合物2に比べて)ことは分配容積が顕著に小さいことを示している(Vdssも参照)、即ち化合物1は化合物2と異なり血管腔内(血管)ならび細胞外空間の両方ではなく、大部分は血管腔内にのみ分配されることを意味している。時間の経過と共に血中濃度は速やかに減少し、そして化合物1の排泄時間もしくはβ−半減時間はその他の血液−プール−剤に比べて明瞭に短い。化合物1の総−血液−クリアランスは化合物2に比べ若干低い程度であり、良好な腎臓排泄を示している。この様に、実施例1l記載の化合物は血液−プール−剤に求められる条件:血液よりこり強く排除され(腎臓を通して)るが、細胞外造影剤に比べ分配容積が小さいという条件を満たしている。
Figure 0004031041

Claims (10)

  1. 下記の構成要素を含むカスケード−ポリマー錯体:
    (a)下記の一般式I:
    A-{X-[Y-(Z-<W-Kw>z)y]x}a (I)
    〔式中:
    Aは基本倍数aを持つ窒素含有カスケード核を表わし、
    XおよびYは互いに独立して、直接結合、又は繰り返し倍数がそれぞれx及びyのカスケード繰り返し単位を表わし、
    ZおよびWは互いに独立して、繰り返し倍数がそれぞれz及びwのカスケード繰り返し単位を表わし、
    Kは錯体形成剤部分を表わし、
    aは2〜12の数字であり、
    x、y、z及びwは相互に独立した1〜4の数字であり、
    但し、少なくとも2種類の繰り返し単位は異なっており、繰り返し倍数の積は16≦a・x・y・z・w≦64であり、カスケード繰り返し単位X、Y、Z、Wの少なくとも一つが、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン繰り返し単位であるか又は1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン繰り返し単位である〕
    で表される、錯体を形成するリガンド;及び
    (b)原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の元素のイオン16個以上;並びに
    (c)任意に、無機性および/または有機性塩基、アミノ酸あるいはアミノ酸アミドの陽イオン体;及び
    (d)任意に、アシル化された末端アミノ基;
    前記Aは、窒素原子、
    Figure 0004031041
    Figure 0004031041
    Figure 0004031041
    であり、式中:
    m及びnは、1〜10の数字であり、
    pは0〜10の数字であり、
    1はQ1又はEであり、
    2はQ2又はEであり、Eは次の基を意味し、
    Figure 0004031041
    当該式中:
    oは1〜6の数字であり、
    1は水素又はQ2であり、そして
    2は直接結合であり、
    MはC1−C10−アルキレン鎖であり、この鎖は、場合によっては1〜3の酸素原子により中断され、そして/又は場合によっては1〜2のオキソ基により置換され、
    0は分枝した又は分枝していないC1−C10−アルキル残基、ニトロ基、アミノ基、カルボン酸基又は式:
    Figure 0004031041
    で表される構造であり、
    前記式中のQ2の数は基本倍数aに等しく;
    前記カスケード繰り返し単位X、Y、Z及びWは、互いに独立に次のもの:
    Figure 0004031041
    Figure 0004031041
    上記式中:
    1はQ1又はEであり、
    2はQ2又はEであり、
    Eは次式で表される基であり、
    Figure 0004031041
    当該式中:
    oは1〜6の数字であり、好ましくは1〜2の間の数字であり、
    1は水素原子又はQ2であり、
    2は直接結合であり、
    3は−NHCO−(CH2)o鎖もしくはC1−C20−アルキレン鎖であり、場合によっては1から10個の酸素、そして/又は1〜2個の−N(CO)q−R2−、1〜2個のフェニレン−及び/又は1〜2個のフェニレンオキシ残基で分断されており、そして/又は場合によっては1〜2個のオキソ−、チオキソ−、カルボキシ−、C1−C5−アルキルカルボキシ−,C1−C5−アルコキシ−、ヒドロキシ−、C1−C5−アルキル基で置換され、その場合の式中、
    qは0もしくは1であり、そして
    2は水素原子、メチル基又はエチル残基であり、場合によっては1〜2個のヒドロキシ基又は1個のカルボキシ基に置換されることもあり、
    Lは水素原子又は次式であり、
    Figure 0004031041
    Vはメチン基
    Figure 0004031041
    であり、この場合にはU4は直接結合であるか基Mであり、またU5はU3であり、あるいは
    Vは次式の基であり
    Figure 0004031041
    この場合にはU4とU5は同一であり、直接結合もしくは基Mであり、そしてU6は次式の基であるか、
    Figure 0004031041
    又は直接結合であり、
    少なくともカスケード繰り返し単位の一つが上記1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−又は1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−繰り返し単位であり;そして
    最終ジェネレーションである繰り返し単位Wの末端窒素原子に結合した錯体形成基Kは、次の一般式IA、IB、又はICで表される:
    Figure 0004031041
    上記式中:
    1は互いに独立しており、水素もしくは原子番号20〜29、39、42〜44又は57〜83の金属イオン相当部であり、
    2は、水素原子、メチル基又はエチル残であり、場合によっては1〜2個のヒドロキシ−もしくはカルボキシ基により置換され、
    3
    Figure 0004031041
    4は水素原子又は直鎖、分枝状、飽和型もしくは不飽和型C1−C30−アルキル鎖であり、1〜10個の酸素原子、1個のフェニレン基又は1個のフェニレンオキシ基により分断される場合もあり、そして/又は1〜5個のヒドロキシ基−、1〜3個のカルボキシ基又は1個のフェニル基場合により置換されることもあり、
    5は水素分子又はR4であり、
    7は、場合によっては1〜5個のイミノ基、1〜3個のフェニレン基、1〜3個のフェニレンオキシ基、1〜3個のフェニレンイミノ基、1〜5個のアミド基、1〜2個のヒドラジド基、1〜5個のカルボニル基、1〜5個のエチレンオキシ基、1個の尿素基、1個のチオ尿素基、1〜2個のカルボキシアルキルイミノ基、1〜2個のエステル基、1〜10個の酸素原子、1〜5個の硫黄原子および/または1〜5個の窒素原子を含み、そして/または場合によって1〜5個のヒドロキシ基、1〜2個のメルカプト基、1〜5個のオキソ基、1〜5個のチオキソ基、1〜3個のカルボキシ基、1〜5個のカルボキシアルキル基、1〜5個のエステル基および/または1〜3個のアミノ基により置換された直鎖状、分枝状、飽和型又は不飽和型のC1−C20−アルキレン基であり、さらに場合によってはこれが1〜2個のカルボキシ基、1〜2個のスルホン基又は1〜2個のヒドロキシ基によって置換を受けている場合もあり、或いはU7は−C6H4−であり、
    Tは−CO−α基、−NHCO−α基又は−NHCS−α基であり、
    αは最後のジェネレーションである繰り返し単位Wの末端の窒素原子の結合部位を示す。
  2. 7であるC1−C20−アルキレン鎖が、−CH2−、−CH2NHCO−、−NHCOCH2O−、−NHCOCH2OC6H4−、−N(CH2CO2H)−、−NHCOCH2C6H4−、−NHCSNHC6H4−、−CH2OC6H4−若しくは−CH2CH2O−を含有し、そして/または−COOH、−CH2COOH基で置換されている、請求項1に記載のカスケードポリマー錯体。
  3. 7が以下の基:−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C6H4−、−C6H10−、−CH2C6H5−、−CH2NHCOCH2CH(CH2CO2H)-C6H4−、−CH2NHCOCH2OCH2−、−CH2NHCOCH2C6H4−、である請求項1に記載のカスケード−ポリマー錯体。
  4. カスケード繰り返し単位X、Y、Z及びWに含まれる基U3が、−CO−、−COCH2OCH2CO−、−COCH2−、−CH2CH2−、−CONHC6H4−、−NHCOCH2−、−COCH2CH2CO−、−COCH2−CH2CH2CO−、−COCH2CH2CH2CH2CO−、−CONHCH2CH2NHCOCH2CH2CO−、−COCH2CH2NHCOCH2CH2CO−であり;残基U4が直接結合であるか、−CH2CO−であり;残基U5は直接結合、−(CH2)4−、−CH2CO−、−CH(COOH)−、−CH2OCH2CH2−、−CH2C6H4−,−CH2−C6H4OCH2CH2−であり;そして残基Eは、
    Figure 0004031041
    基である、請求項1に記載のカスケード−ポリマー錯体。
  5. 前記カスケード繰り返し単位X、Y、Z及びWが互いに独立して以下のもの:
    −CH2CH2NH−、−CH2CH2N<;−COCH(NH-)(CH2)4NH−;-COCH(N<)(CH2)4N<;−COCH2OCH2CON(CH2CH2NH-)2;−COCH2OCH2CON(CH2CH2N<)2;−COCH2N(CH2CH2NH-)2;−COCH2N(CH2CH2N<)2;−COCH2NH−;−COCH2N<;−COCH2CH2CON(CH2CH2NH-)2;−COCH2CH2CON(CH2CH2N<)2;−COCH2OCH2CONH−C6H4−CH[CH2CON(CH2CH2NH-)2]2;−COCH2OCH2CONH−C6H4−CH[CH2CON(CH2CH2N<)2]2;-COCH2CH2CO−NH−C6H4−CH[CH2CON(CH2CH2NH−)2]2;−COCH2CH2CO−NH−C6H4−CH[CH2CON(CH2CH2N<)2]2;−CONH-C6H4−CH[CH2CON(CH2CH2NH−)2]2;−CONH−C6H4−CH[CH2CON(CH2CH2N<)2]2;−COCH(NH-)CH(COOH)NH−;−COCH(N<)CH(COOH)N<;
    Figure 0004031041
    Figure 0004031041
    Figure 0004031041
    Figure 0004031041
    である、請求項3に記載のカスケード−ポリマー錯体。
  6. mが1〜3の数字であり、
    nが1〜3の数字であり、
    oが1であり、
    pが0〜3の数字であり、
    Mが−CH2−、−CO−又は−CH2CO−基の一つであり、
    0が−CH2NU1U2、CH3−又はNO2−基の一つである、
    請求項1に記載のカスケード−ポリマー錯体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカスケード−ポリマー錯体の製造方法にあって、一般式I’:
    A-{X-[Y-(Z-<W-βw>z)y]x}a (I′)
    〔式中:
    Aが基本倍数aを持つ窒素含有カスケード核を表わし、
    XおよびYが互いに独立して、直接結合、又は繰り返し倍数がそれぞれx及びyのカスケード繰り返し単位を表わし、
    ZおよびWが互いに独立して、繰り返し倍数がそれぞれz及びwのカスケード繰り返し単位を表わし、
    aが2〜12の数字であり、
    x、y、z及びwが相互に独立した1〜4の数字であり、そして
    βが繰り返し単位Wの最後のジェネレーションの末端のNH−基の結合状態を意味しており、
    そして、少なくとも2種類の異なる繰り返し単位から成り、その繰り返し回数の積が、
    16≦a・x・y・z・w≦64であり、
    さらに、カスケード繰り返し単位X、Y、Z、Wの少なくとも一つが1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−繰り返し単位であるか又は1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン繰り返し単位である〕
    で表される化合物を、次の一般式I′A、I′B、又はI′C:
    Figure 0004031041
    〔上記式中:
    1’は互いに独立して、水素、又は原子番号20〜29、39、42〜44もしくは57〜83の金属イオン相当部、あるいは酸保護基であり、
    2は、水素原子、メチル基又はエチル基であり、場合によっては1〜2個のヒドロキシ基又はカルボキシ基により置換されており、
    3'は
    Figure 0004031041
    4は水素原子、又は直鎖、分枝状、飽和型もしくは不飽和型C1−C30−アルキル鎖であり、1〜10個の酸素原子、1個のフェニレン基もしくは1個のフェニレンオキシ基により分断される例もあり、そして/又は1〜5個のヒドロキシ−、1〜3個のカルボキシ基もしくは1個のフェニル基場合により置換されることもあり、
    5は水素分子又はR4であり、
    7は、場合によっては1〜5個のイミノ基、1〜3個のフェニレン基、1〜3個のフェニレンオキシ基、1〜3個のフェニレンイミノ基、1〜5個のアミド基、1〜2個のヒドラジド基、1〜5個のカルボニル基、1〜5個のエチレンオキシ基、1個の尿素基、1個のチオ尿素基、1〜2個のカルボキアルキルイミノ基、1〜2個のエステル基、1〜10個の酸素原子、1〜5個の硫黄原子及び/又は1〜5個の窒素原子を含み、そして/又は場合によって1〜5個のヒドロキシ基、1〜2個のメルカプト基、1〜5個のオキソ基、1〜5個のチオキソ基、1〜3個のカルボキシ基、1〜5個のカルボキシアルキル基、1〜5個のエステル基及び/又は1〜3個のアミノ基により置換された直鎖状、分枝状、飽和型又は不飽和型のC1−C20−アルキレン基であり、さらに場合によってはこれが1〜2個のカルボキシ基、1〜2個のスルホン基又は1〜2個のヒドロキシ基によって置換を受けており、或いはU7は−C6H4−であり、
    T’は−C*O、−COOH、−N=C=O又は−N=C=S基であり、
    −C*Oは、活性化されたカルボキシル基であり、この活性化されたカルボキシル基は、無水物、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシサクシニミド、ペンタフルオロフェニルエステル及び酸塩化物からなる群から選択される形態で活性化されている
    で表される錯体又は錯体形成剤(この錯体又は錯形成剤をK′で表す)と反応せしめ、保護基が存在する場合には当該保護基を開裂せしめ、そして生ずるカスケード−ポリマー中のK’が錯体形成剤である場合には、原子番号20〜29、39、42、44m、又は57〜83の元素の金属酸化物又は金属塩の少なくとも1つと反応せしめる、ことを特徴とする方法。
  8. 前記カスケード−ポリマー錯体内に酸性水素原子がなお存在する場合に、当該酸性水素原子の全て又は一部を無機塩基および/又は有機塩基、アミノ酸或いはアミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンによって置換する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記カスケードポリマー内に遊離型末端アミノ基が存在する場合には、金属錯体の形成前又は後に、当該アミノ基をアシル化する、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 一般式IA’:
    Figure 0004031041
    〔上記式中、
    1’は互いに独立しており、水素もしくは元素番号20〜29、39、42〜44又は57〜83の金属イオン相当部、あるいは酸保護基であり、
    2は、水素原子、メチル基又はエチル基であり、場合によっては1〜2個のヒドロキシ基又はカルボキシ基により置換されており、
    3'は
    Figure 0004031041
    4は水素原子、又は直鎖、分枝状、飽和型もしくは不飽和型C1−C30−アルキル鎖であり、1〜10個の酸素原子、1個のフェニレン基又は1個のフェニレンオキシ基により分断される場合もあり、そして/又は1〜5個のヒドロキシ基、1〜3個のカルボキシ基、1個のフェニル基により場合により置換されることもあり、
    7は、場合によっては1〜5個のイミノ基、1〜3個のフェニレン基、1〜3個のフェニレンオキシ基、1〜3個のフェニレンイミノ基、1〜5個のアミド基、1〜2個のヒドラジド基−、1〜5個のカルボニル基、1〜5個のエチレンオキシ基、1個の尿素基、1個のチオ尿素基、1〜2個のカルボキシアルキルイミノ基、1〜2個のエステル基、1〜10個の酸素原子、1〜5個の硫黄原子及び/又は1〜5個の窒素−原子を含み、そして/又は場合によって1〜5個のヒドロキシ基、1〜2個のメルカプト基、1〜5個のオキソ基、1〜5個のチオキソ基、1〜3個のカルボキシ基、1〜5個のカルボキシアルキル基、1〜5個のエステル基及び/又は1〜3個のアミノ基により置換された直鎖状、分枝状、飽和型又は不飽和型のC1−C20−アルキレン基であり、さらに場合によってはこれが1〜2個のカルボキシ基、1〜2個のスルホン基又は1〜2個のヒドロキシ基によって置換されており、
    T’は−C * O、−COOH、−N=C=O又は−N=C=S基であり、そして
    −C*Oは、活性化されたカルボキシル基であり、この活性化されたカルボキシル基は、無水物、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシサクシニミド、ペシタフルオロフェニルエステル及び酸塩化物からなる群から選択される形態で活性化されている
    により表される化合物。
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