JP4030842B2 - 基板の塗布処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の塗布処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,ウェハ表面にレジスト液を塗布し,レジスト膜を形成するレジスト塗布処理,ウェハにパターンを露光する露光処理,露光後のウェハに対して現像を行う現像処理等が順次行われ,ウェハに所定の回路パターンを形成する。
【0003】
上述のレジスト塗布処理は,通常レジスト塗布装置で行われ,レジスト塗布装置は,ウェハ上を往復移動しながら線状のレジスト液を吐出するノズルや,ウェハを保持し,ノズルの往復移動方向と直角方向にウェハを移動できるチャック等を備えている。このレジスト塗布装置では,レジスト液を吐出した状態のノズルがウェハ上において往復移動し,当該ノズルがウェハの端部に到達する度に,チャックによってウェハが前記直角方向に少しずつ移動していく。こうすることによって,最終的にはウェハ全面に満遍なくレジスト液を塗布することができる。
【0004】
このようにレジスト液を吐出したノズルがウェハに対して往復移動する,いわゆるスキャン方式のレジスト塗布装置には,図12に示すようにウェハWの端部上を覆い,ノズル200から吐出されるレジスト液を受け止めるマスク部材201が設けられている。マスク部材201は,ウェハW上に塗布されるレジスト液の塗布端部を規定し,レジスト液がウェハWの外方に落下するのを防止している(例えば,特許文献1,特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000―77326号公報
【特許文献2】
特開2000―148338号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,前記スキャン方式のレジスト塗布装置におけるノズル200は,移動しながらレジスト液を吐出するので,図12に示したようにウェハWの内側から外側に向けてノズル200が移動した際には,吐出されたレジスト液は,慣性により外側方向の速度成分を有する。この結果,レジスト液は,ノズル200から吐出された後斜めに落下し,マスク部材201の内側,つまりマスク部材201の先端部よりもウェハWの外側にまで塗布される。一方,塗布位置をずらすためにウェハWが前記直角方向に移動した後,ノズル200が折り返してウェハの内側に向けて移動した際には,図13に示すように吐出されたレジスト液は,内側方向の速度成分を有する。したがって,レジスト液は,マスク部材201の先端部直下よりウェハの内側から滴下され始める。
【0007】
この結果,ノズル200の移動方向によって,レジスト液の塗布端部の位置が異なり,平面から見るとウェハWの端部には,図14に示すようにレジスト液の凹凸状の塗布端部Dが形成される。そもそも,ウェハWの端部に塗布されるレジスト液は,後にパーティクル等の原因になるため,後処理において取り除く必要があるが,上述した凹凸状の塗布端部Dは,最も内側の塗布端部Dの位置を基準に,それより外側にあるレジスト液を取り除くことになる。このため,ウェハWの端部におけるレジスト液の取り除き幅,いわゆるエッジカット幅が広くなる。これは,レジスト液の塗布範囲を狭め,一枚のウェハから生産される有効チップ数を減少させることになるので,半導体デバイスの生産効率の低下に繋がる。
【0008】
前記塗布端部の凸凹を最小限に抑えるために,マスク部材をウェハにより近づけて配置することも提案できるが,これは,マスク部材とウェハとの接触,塗布されたレジスト液とマスク部材との接触,レジスト液筋のマスク部材との繋がり等が懸念され,実現性に乏しい。
【0009】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,ウェハを含む基板の端部における,レジスト液を初めとする塗布液の塗布端部が凹凸形状にならないようにする基板の塗布処理装置を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,円形の基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって,基板に対して塗布液を吐出しながら,少なくとも基板の一端部上から他端部上までの間を往復移動するノズルと,基板を前記ノズルに対して前記往復移動の方向の直角方向に水平移動させる基板駆動部と,前記ノズルの下方でかつ基板の端部上において,ノズルから吐出される塗布液を受け止めるマスク部材と,前記マスク部材を移動させて基板の端部上の基準位置に位置させるマスク部材駆動機構と,前記マスク部材を前記基板の端部上の基準位置から前記ノズルの往復移動の方向に移動させる駆動部と,を備え,塗布液を吐出しているノズルが基板の内側から基板の端部上の前記マスク部材上に移動するときには,当該マスク部材を,基板の端部上の基準位置から基板の内側方向に所定距離移動させ,塗布液を吐出しているノズルが基板の端部上のマスク部材上から基板の内側に向かって移動するときには,当該マスク部材を,基板の端部上の基準位置から基板の外側方向に所定距離移動させるように,前記駆動部は制御されていることを特徴とする基板の塗布処理装置が提供される。なお,「ノズルが基板の内側から基板の端部上のマスク部材上に移動するとき」,「ノズルが基板の端部上のマスク部材上から基板の内側に向かって移動するとき」には,ノズルの移動開始前及び移動中も含まれる。
【0011】
この発明によれば,駆動部によってノズルの移動方向と逆の方向にマスク部材を移動させておくことができる。ノズルが基板の外側に向かって移動する場合に,塗布液がマスク部材に受け止められず基板に最後に滴下する位置を,基板の内側に修正することができる。ノズルがマスク部材上から基板の内側に向かって移動する場合に,塗布液が基板に最初に滴下する位置を,基板の外側に修正することができる。したがって,吐出された塗布液がノズルの進行方向の速度成分を有していても,ノズルが基板の外側に移動する場合の塗布液の塗布端部と,ノズルが基板の内側に移動する場合の塗布液の塗布端部とを揃えることができる。つまり,基板の端部において,塗布液の塗布端部が平面から見て凹凸状になることが防止できる。これにより,塗布液を基板のより外側からエッジカットできるので,塗布液のエッジカット幅を狭くすることができる。
【0012】
前記マスク部材は,前記基板の両端部上に配置され,前記駆動部は,当該各マスク部材毎に備えられていてもよい。また,前記各マスク部材は,当該各マスク部材を保持するそれぞれの保持部材に保持され,前記駆動部は,当該駆動部本体が伸縮自在なものであり,かつ前記マスク部材と前記保持部材との間に介在されていてもよい。かかる場合,駆動部自体の伸縮によってマスク部材の駆動が行われ,マスク部材の駆動を比較的簡単な機構で実現できる。
【0013】
前記マスク部材は,前記基板の両端部上に配置され,前記マスク部材は,同一の支持体に支持されており,前記駆動部は,前記支持体全体を移動させて,前記マスク部材の移動を行うようにしてもよい。
【0016】
前記基板の塗布処理装置において,前記駆動部を制御する制御装置を備え,前記制御装置には,前記ノズルの往復移動の移動速度と,前記塗布液の吐出速度と,前記ノズルから吐出された塗布液の水平方向の飛距離との相関データが記憶され,前記制御装置は,前記相関データに基づいて,前記マスク部材が移動する前記所定距離を定め,前記駆動部を制御して前記マスク部材を前記所定距離移動させてもよい。
前記駆動部は,圧電素子であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる基板の塗布処理装置が搭載された塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0018】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0019】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0020】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0021】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。該塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は塗布現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって任意に変更可能である。
【0022】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すように,ウェハWにレジスト液を塗布してウェハW上にレジスト膜を形成するレジスト塗布装置17と,露光後にウェハWを現像処理する現像処理装置18とが下から順に2段に配置されている。処理装置群G2の場合も同様に,本実施の形態にかかる塗布処理装置としてのレジスト塗布装置19と,現像処理装置20とが下から順に2段に積み重ねられている。
【0023】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,レジスト液中の溶剤を蒸発させるためのプリベーキング装置33,34及び現像処理後の加熱処理を行うポストベーキング装置35が下から順に例えば6段に重ねられている。
【0024】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45,現像処理後の加熱処理を行うポストベーキング装置46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。
【0025】
インターフェイス部4の中央部には,図1に示すように例えばウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できるように構成されている。
【0026】
次に上述したレジスト塗布装置19の構成について説明する。図4は,レジスト塗布装置19の構成の概略を示す横断面の説明図であり,図5は,レジスト塗布装置19の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【0027】
レジスト塗布装置19は,図4及び図5に示すように例えば上面が開口した略箱型形状のケーシング19aを有する。図4に示すようにケーシング19aのX方向正方向(図4の左方向)側の側壁であって,Y方向負方向(図4の下方向)側には,ケーシング19a内にウェハWを搬入出するための搬送口19bが設けられている。ケーシング19aには,ケーシング19aの上面の全面を覆う天板60が設けられている。天板60の中央部付近には,図4に示すようにX方向に長いスリット61が開口している。このスリット61上には,ウェハWに塗布液としてのレジスト液を吐出するノズル62が吐出口を下に向けた状態で配置されている。
【0028】
ノズル62は,例えば図5に示すようにX方向に沿って設けられた駆動ベルト63に取り付けられている。駆動ベルト63は,例えばケーシング19aのX方向の両側壁にそれぞれ設けられた駆動プーリ64と従動プーリ65間に掛けられている。駆動プーリ64は,駆動源66によって正転・反転される。かかる構成から,駆動プーリ64が回転され,駆動ベルト63が移動し,ノズル62がスリット61に沿って往復移動する。また,ノズル62は,レジスト液の供給源(図示せず)に連通しており,この供給源の薬液ポンプ(図示せず)によって所定の速度でレジスト液を吐出することができる。したがって,ノズル62は,後述するX−Yステージ71によってスリット61の下方を通過するウェハWに対し,往復移動しながらレジスト液を吐出することができる。なお,ノズル62の往復移動の移動速度,薬液ポンプにおける吐出速度は,プロセスレシピに従って後述する制御装置92に設定される。
【0029】
天板60の下方には,図5に示すようにウェハWを保持するチャック70が設けられている。チャック70の上面は,水平に形成されており,当該上面には,例えばウェハWを吸着するための図示しない吸引口が設けられている。これにより,チャック70は,ウェハWを水平に吸着保持することができる。なお,ウェハW上に塗布されたレジスト液中の溶剤が急激に揮発しないように,チャック70に保持されたウェハWと天板60との隙間が狭くなるように,チャックの70の高さが設定されている。チャック70には,ウェハWを上下動するための昇降機構(図示しない)や,ウェハWの位置合わせを行うための回転機構(図示しない)が設けられている。
【0030】
チャック70は,X―Yステージ71上に取り付けられており,X,Y方向に移動可能である。例えばX―Yステージ71のX方向の第1レール72は,図5に示すように搬送口19bに対応する位置に敷設けられており,チャック70が第1レール72上を搬送口19bまで移動することによって,主搬送装置13とチャック70との間でウェハWの受け渡しを行うことができる。X―Yステージ71のY方向の第2レール73は,例えばケーシング19aの中心付近を通るように敷設されている。第2レール73は,ケーシング19aのY方向の両側壁付近にまで敷設されている。これにより,チャック70は,ケーシング19a内における第1レール72のあるY方向負方向側から,天板60のスリット61の下方を通過し,Y方向正方向側まで移動することができる。なお,X−Yステージ71は,ステージ駆動部74により駆動する。
【0031】
図4に示すように,例えば天板60上であって,平面から見てスリット61上のノズル62の両側には,ノズル62から吐出されたレジスト液を受け止めることのできる一対のマスク部材80,81が配置されている。マスク部材80は,スリット61のX方向正方向側に,マスク部材81は,スリット61のX方向負方向側に配置されている。マスク部材80,81は,図5に示すようにチャック70上のウェハWとノズル62との間の高さに配置されている。マスク部材80,81は,例えば図4及び図6に示すようにX方向に長い平板形状を有している。マスク部材80,81には,表面で受け止めたレジスト液を排出するための図示しないドレイン管が接続されている。
【0032】
例えばマスク部材80,81は,それぞれ保持部材としてのマスク保持アーム82,83に保持されている。マスク保持アーム82,83は,例えば天板60上に設けられた支持体としてのマスク駆動機構84に取り付けられている。このマスク駆動機構84は,各マスク保持アーム82,83を同軸上でX方向に移動させ,マスク部材80,81間の距離の調節を図るものである。マスク駆動機構84は,例えば図4に示すように各マスク保持アーム82,83がそれぞれ取り付けられたボールねじ85,86と,このボールねじ85,86を回転駆動できる回転駆動部87を有している。回転駆動部87は,例えば歯車機構によってボールねじ85,86を逆方向に等速度で回転できる。したがって,回転駆動部87によって,ボールねじ85,86を回転させると,マスク保持アーム82,83が互いに逆方向に移動し,マスク部材80,81間の距離が変動する。かかる構成から,スリット61の下を通過するウェハWの外形に合わせて,マスク部材80,81間の距離を調節し,マスク部材80,81をウェハWの端部上の基準位置に位置させることができる。ウェハWの端部上に位置させたマスク部材80,81によって,ノズル62から吐出されたレジスト液が遮断され,ウェハW上のレジスト液の塗布端部が規定される。
【0033】
ところで,各マスク部材80,81には,前記マスク駆動機構84とは別に,このマスク部材80,81をX方向に進退させる駆動部,例えば圧電素子90,91が設けられている。圧電素子90,91は,印可される電圧の変動によって伸縮する。圧電素子90,91は,例えば図6に示すように各マスク部材80,81とマスク保持アーム82,83との間に介在されている。圧電素子90,91の動作は,例えば圧電素子90,91に印可する電圧を変えることのできる制御装置92(図5に示す)によって制御されている。つまり,制御装置92は,ウェハWの端部上に配置された各マスク部材80,81を所定のタイミングでX方向に進退させて,マスク部材80,81を基準位置からウェハWの内側又は外側に移動させることができる。なお,制御装置92は,例えばノズル62の駆動源66,X−Yステージ71のステージ駆動部74,マスク駆動機構84の回転駆動部87の動作の制御も行っている。
【0034】
次に,以上のように構成されているレジスト塗布装置19の作用について詳しく説明する。アドヒージョン装置31においてHMDSが塗布され,クーリング装置30において冷却されたウェハWは,主搬送装置13によってレジスト塗布装置19内に搬送される。搬送口19bからケーシング19a内に搬入されたウェハWは,チャック70に保持され,図4に示すように第1レール72上を,ケーシング19aの中心部まで移動される。
【0035】
続いて,チャック70がY方向正方向に移動し,ウェハWのY方向正方向側の端部がノズル62の下方に位置される。このとき,各マスク部材80,81は,ウェハWの端部から例えば1.5mm部分の外周を非塗布領域としてカバーするようにウェハWの両端部上に配置される。そして,ノズル62からレジスト液が吐出され始め,それと同時にノズル62のX方向への往復移動が開始される。この往復移動の往路及び復路の移動距離は,例えばウェハWの直径より長く設定されている。
【0036】
ノズル62が図7に示すようにウェハW上を移動し,やがてウェハW外方の折り返し位置まで到達すると,ノズル62は一旦停止し,その間にウェハWがY方向正方向側に僅かにずらされる。そして,ノズル62は折り返し,先程と逆の方向に移動する。ノズル62は,ウェハW上を通過し,逆側の折り返し位置に到達すると,ノズル62は停止し,ウェハWがまたY方向正方向側に僅かにずらされる。これを繰り返すことによって,ウェハWにレジスト液が走査線状に塗られていき,最終的にはウェハWの全面にレジスト液が塗布される。また,マスク部材80とマスク部材81との間の距離は,ウェハWがY方向正方向にずらされる度に調整され,図7に示したように各マスク部材80,81が常にウェハWの端部上にあるように制御される。つまり,ウェハWがY方向正方向側に移動し,スリット61直下のウェハWのX方向の長さが長くなるにつれて,マスク部材80,81の間隔が広げられ,その後スリット61直下のウェハWのX方向の長さが短くなるにつれて,マスク部材80,81の間隔が狭められる。このマスク部材80,81により,ノズル62がウェハWの一端の外方から他端の外方までの間を往復移動しても,ウェハWの外部にレジスト液が落下することを防止できる。
【0037】
ここで,マスク部材80,81のウェハWの端部上におけるより細かい進退動作について説明する。図8に示すように,ノズル62が,例えばX方向正方向側に移動している際には,X方向正方向側のマスク部材80が,圧電素子90によって,基準位置SよりもX方向負方向側に所定距離E移動される。ここで,基準位置Sは,例えば上述したマスク駆動機構84によってマスク部材80,81間の距離が調整されたときのマスク部材80,81の位置であり,例えばマスク部材80,81の先端部がレジスト液の塗布端部上になる位置である。所定距離Eは,マスク部材80の先端部付近を通過するX方向正方向の速度成分を有するレジスト液が最終的に基準位置Sに落下するように定められている。具体的には,例えば制御装置92に,ノズル62の往復移動の移動速度,薬液ポンプ(図示せず)の吐出速度及びレジスト液の飛距離の相関データを予め記憶させておき,この相関データと,プロセスレシピに従って設定したノズル62の移動速度,薬液ポンプの吐出速度に基づいて,所定距離Eが定められる。この結果,レジスト液がウェハWの基準位置Sまで塗られ,それより外側は,マスク部材80によって遮断されるので,レジスト液の塗布端部が基準位置Sに合わせられる。
【0038】
その後,ノズル62がX方向正方向側の折り返し位置で停止し,ウェハWがY方向正方向側にずらされたときに,圧電素子90が短縮し,図9に示すようにマスク部材80が基準位置SよりもX方向正方向側に所定距離E移動される。このとき,X方向負方向側のマスク部材81は,圧電素子91によって基準位置SよりもX方向正方向側に所定距離Eに移動される。このとき制御は,例えば制御装置92がノズル62の停止信号を受けて,制御装置92がその停止信号をトリガとしてウェハWのY方向への移動信号とマスク部材80,81のX方向への移動信号を発することによって行われる。
【0039】
そして,マスク部材80上のノズル62がレジスト液を吐出しながら,先ほどのX方向正方向側へ移動と同じ所定速度でX方向負方向側に移動すると,レジスト液がマスク部材80の途切れた位置から進行方向に斜めに落下し,基準位置Sに滴下される。こうしてウェハW上のレジスト液の塗布は,基準位置Sから開始される。
【0040】
その後,ノズル62がウェハWのX方向負方向側に到達すると,予めX方向正方向側に移動していたマスク部材81によってレジスト液が基準位置Sまで塗布される。ノズル62がX方向負方向側の折り返し位置で停止し,ウェハWがY方向正方向側ずらされた時に,図8に示すようにマスク部材81は,圧電素子91によって基準位置SよりもX方向負方向側に所定距離E移動される。このときマスク部材80も上述したように基準位置SよりもX方向負方向側に所定距離Eずらされる。
【0041】
このように,ノズル62がレジスト液を吐出しながらウェハWの内側から外側に向けて移動し,ウェハWの端部上を通過する際には,その端部上のマスク部材80,81がウェハWの内側に所定距離E移動される。ノズル62がウェハWの外側から内側に向けて移動し,ウェハWの端部上を通過する際には,その端部上のマスク部材80,81は,ウェハWの外側に所定距離E移動される。こうすることによって,移動中のノズル62から吐出され,水平方向に速度成分を有したレジスト液であっても,所望の位置に滴下され,レジスト液の塗布端部が揃えられる。つまり,ウェハWの端部に,従来のようにレジスト液の凹凸状の塗布端部が形成されることがなくなる。
【0042】
また,マスク部材80,81の移動を,ウェハWのY方向への移動と同時期に行うことによって,例えばノズル62の折り返し位置の停止をトリガにして,マスク部材80,81とウェハWの両方の移動を行うことができる。したがって,制御装置92は,その移動の制御信号を同じトリガによって発することができ,レジスト塗布処理の制御が簡略化できる。
【0043】
以上の実施の形態では,マスク部材80,81を進退させる駆動部に,圧電素子90,91を用いたが,圧電素子に代えてサーボモータや空圧式駆動部などの他の駆動部を用いてもよい。また,圧電素子90,91等の駆動部の取付位置は,任意に選択できる。例えば図10に示すようにマスク保持アーム100の外側であってもよい。この場合,例えばマスク部材101がマスク保持アーム100上に載置されてもよい。こうすることによって,マスク部材101の先端部が自重によって撓むことが抑制できる。なお,前記実施の形態における所定距離Eは,上述したようにウェハWの端部上通過するノズル62の速度,レジスト液の吐出速度,ウェハWとノズル62との距離に左右されるので,ウェハWの外側にノズル62が移動している際のマスク部材の移動距離と,ウェハWの内側にノズル62が移動している際のマスク部材の移動距離が異なっていてもよい。
【0044】
上記実施の形態では,マスク部材80,81を進退させるための駆動部が,各マスク部材毎に取り付けられていたが,図11に示すようにマスク部材80,81の両方が支持されているマスク駆動機構84に取り付けてもよい。かかる場合,例えばマスク駆動機構84には,X方向に沿った直動ガイド110と,マスク駆動機構84全体をX方向に進退させる例えば圧電素子111が取り付けられる。そして,例えばノズル62がX方向正方向側の折り返し位置で停止し,ウェハWがY方向にずらされたときに,マスク移動機構84全体がX方向正方向側に所定距離E移動される。ノズル62がX方向負方向側の折り返し位置で停止し,ウェハWがY方向にずらされたときに,マスク移動機構84全体がX方向負方向側に所定距離E移動される。こうすることにより,上記実施の形態と同様に,レジスト液の塗布端部を,ノズル62がウェハWの外側から内側に移動する場合と,内側から外側に移動する場合で揃えることができる。
【0045】
上記実施の形態では,マスク部材80,81側がウェハWに対してX方向に進退していたが,例えばチャック70などの駆動部によってウェハW側がマスク部材80,81に対してX方向に進退してもよい。
【0046】
以上の実施の形態は,本発明をウェハWにレジスト液を塗布する塗布処理装置について適用したものであったが,本発明は,他の塗布液,例えばSOD,SOG膜等を形成する処理液や現像液を塗布する塗布処理装置にも適用できる。また,以上で説明した実施の形態は,半導体デバイスの製造プロセスのフォトリソグラフィー工程における塗布処理装置について適用したものであったが,本発明は半導体ウェハ以外の基板例えばLCD基板,フォトマスク用のマスクレチクル基板の塗布処理装置においても適用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば,塗布液の塗布端部の位置が揃えられるので,エッジカット幅を狭くし,例えば半導体デバイスの生産効率を向上できる。また,シンナーなどの塗布液の溶剤により基板周縁を所定幅でカットする,いわゆるサイドリンス処理が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかるレジスト塗布装置を搭載した塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】レジスト塗布装置の構成の概略を示す平面図である。
【図5】レジスト塗布装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図6】マスク部材の構成を示すための斜視図である。
【図7】ノズルを吐出している状態を示す斜視図である。
【図8】ノズルがX方向正方向側に移動している様子を示す説明図である。
【図9】ノズルがX方向負方向側に移動している様子を示す説明図である。
【図10】マスク部材の他の構成を示すための斜視図である。
【図11】マスク駆動機構の他の構成例を示す斜視図である。
【図12】従来のレジスト塗布装置のレジスト液の塗布時の様子を示す説明図である。
【図13】従来のレジスト塗布装置のレジスト液の塗布時の様子を示す説明図である。
【図14】従来のレジスト塗布装置で塗布されたレジスト液のウェハ上の塗布端部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
19 レジスト塗布装置
62 ノズル
80,81 マスク部材
82,83 マスク保持アーム
90,91 圧電素子
W ウェハ
Claims (6)
- 円形の基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって,
基板に対して塗布液を吐出しながら,少なくとも基板の一端部上から他端部上までの間を往復移動するノズルと,
基板を前記ノズルに対して前記往復移動の方向の直角方向に水平移動させる基板駆動部と,
前記ノズルの下方でかつ基板の端部上において,ノズルから吐出される塗布液を受け止めるマスク部材と,
前記マスク部材を移動させて基板の端部上の基準位置に位置させるマスク部材駆動機構と,
前記マスク部材を前記基板の端部上の基準位置から前記ノズルの往復移動の方向に移動させる駆動部と,を備え,
塗布液を吐出しているノズルが基板の内側から基板の端部上の前記マスク部材上に移動するときには,当該マスク部材を,基板の端部上の基準位置から基板の内側方向に所定距離移動させ,塗布液を吐出しているノズルが基板の端部上のマスク部材上から基板の内側に向かって移動するときには,当該マスク部材を,基板の端部上の基準位置から基板の外側方向に所定距離移動させるように,前記駆動部は制御されていることを特徴とする,基板の塗布処理装置。 - 前記マスク部材は,前記基板の両端部上に配置され,
前記駆動部は,当該各マスク部材毎に備えられていることを特徴とする,請求項1に記載の基板の塗布処理装置。 - 前記各マスク部材は,当該各マスク部材を保持するそれぞれの保持部材に保持され,
前記駆動部は,当該駆動部本体が伸縮自在なものであり,かつ前記マスク部材と前記保持部材との間に介在されていることを特徴とする,請求項2に記載の基板の塗布処理装置。 - 前記マスク部材は,前記基板の両端部上に配置され,
前記マスク部材は,同一の支持体に支持されており,
前記駆動部は,前記支持体全体を移動させて,前記マスク部材の移動を行うことができることを特徴とする,請求項1に記載の基板の塗布処理装置。 - 前記駆動部を制御する制御装置を備え,
前記制御装置には,前記ノズルの往復移動の移動速度と,前記塗布液の吐出速度と,前記ノズルから吐出された塗布液の水平方向の飛距離との相関データが記憶され,
前記制御装置は,前記相関データに基づいて,前記マスク部材が移動する前記所定距離を定め,前記駆動部を制御して前記マスク部材を前記所定距離移動させることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の基板の塗布処理装置。 - 前記駆動部は,圧電素子であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の基板の塗布処理装置。
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