JP4030742B2 - 液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴出器として、容器体に液体噴出ポンプを装着してなるものが知られている。これらの一例として、容器体に装着した固定部上端の開口より上方付勢状態で押し下げ可能に噴出ヘッドを突出させ、該ヘッドの上下動により内臓ポンプ機構の作用で、ヘッド側部に開口した噴出口より液を噴出する如く構成したものが挙げられる。
【0003】
従来のこの種の液体噴出器では、販売前の流通、保管時或いは販売陳列時などに発生する不慮の外力や悪戯などによって噴出ヘッドが押し下げられ液が噴出する場合がある。従って、これらを防止すべく、全体或いはヘッド部分の一部をシュリンク包装したり、或いは噴出ヘッド全体を被覆して容器体に装着するオーバーキャップを設けたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シュリンク包装はその設備を必要とし、また、オーバーキャップの場合には簡単に取り外すことができるため、悪戯への対応が行い難い。また、開封後は液が噴出口付近まで上昇した状態で保管されるため、噴出口近傍の液が外気と接触した状態となり、液の種類によっては乾燥固化する不都合を生じる場合がある。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、不慮の外力や悪戯により噴出ヘッドが押し下げられるのを防止でき、商品陳列時には未使用であることが一目瞭然であり、また、開封が容易に行えるとともに、開封後も液の固化防止を行え、しかも、構造が簡単で安価に製造できる利点を備えた優れた液体噴出器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、容器体Bと、該容器体Bに固定した固定部A1上端の開口2より上方付勢状態で押し下げ可能に作動部A2上端を構成する噴出ヘッド3を突出してなるポンプAとを備え、上記作動部の上下動により噴出ヘッド3側方に開口した噴出口4より液を噴出する如く構成してなる液体噴出器に於いて、上記噴出口4を被覆して噴出ヘッド3外周上部に嵌合した環状部16と、該環状部16を縦断する一対の線状破断部19で画成するとともに、その内面を対応する噴出ヘッド外面に凹凸係合させた摘み23付きの切取部17と、該切取部17以外の環状部16下面より垂設するとともに、上記開口2を形成する固定部A1の縁部上面に下端縁を当接係止させた脚部18とからなる合成樹脂製のカバー体Cを嵌着してなり、前記カバー体Cは、切取部 17 を取り除いた後の残りの部分で噴出口カバー C1 を形成する如く構成した。
【0007】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記固定部A1の容器体Bに対する固定が抜け出しを防止した固定であり、上記噴出ヘッド3の外周下部を、上記開口2を形成する固定部A1縁部に抜け出しを防止して押し下げ可能に係合させてなる。
【0008】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記環状部16内面所定位置に、噴出口4に嵌合した栓突起24を突設してなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図面に示す如く、本発明の液体噴出器は押し下げ噴出式のポンプAを容器体Bに装着したものであり、カバー体Cを備えている。ポンプAは、容器体Bに嵌着固定した固定部A1上端の開口2より上方付勢状態で押し下げ可能に噴出ヘッド3を突出した作動部A2を備え、該作動部A2の上下動により噴出ヘッド3側方に開口した噴出口4より液を噴出する如く構成したものが使用される。
【0011】
固定部A1は、容器体Bに固定した固定部分をいい、その形態はこの種のポンプで使用される形態であれば種々採用できる。図示例では、容器体口頸部1に、突条相互の乗り越え係合等により抜け出しを防止して嵌合した装着キャップ6と、該キャップにより容器体内に垂下させて固定したシリンダ7を備えている。
【0012】
一方、作動部A2は固定部A1に対して作動する部分をいい、例えば、シリンダ7内を摺動するピストン(図示せず)を下部に連係させたステム8の上端に上記噴出ヘッド3を嵌着させてコイルスプリング等による上方付勢状態で上下動可能に設けたものが挙げられる。また、固定部にはそのシリンダ7内下部には吸込弁を設け、作動部のステム8内には吐出弁を設け、作動部A2の押込みによりシリンダ7内の液を加圧してステム8を介して噴出口4より噴出させ、また、作動部A2の上昇時に容器体内の液をシリンダ内へ吸い上げる如く構成した公知のポンプ機構を備えている。
【0013】
上記固定部A1の上端開口とは、そのポンプにより種々の異なる形態があるが、図示例の如く装着キャップ6上に立設した案内筒9の上端開口部分や、図示しないが、装着キャップ自体の上端開口部分、或いは装着キャップ上に嵌着固定した補助キャップの上端開口部分などが挙げられる。
【0014】
本発明に於ける噴出ヘッド3は、上記した如く、固定部A1上端開口より押し下げ可能に突出し、カバー体Cを嵌着可能な構造であればその具体的構造は種々採用できる。図示例では、固定部A1より上方付勢状態で上下動可能に突出したステム8の上端に嵌着させた縦筒10を頂壁11裏面より垂設するとともに、頂壁11周縁部より周壁12を垂設し、また、縦筒10の上部に基端を開口したノズル13を、周壁12を貫通して側方へ延設し、その先端に噴出口4を開口している。
【0015】
本実施例では、また、噴出ヘッド3の周壁12外周下部を、上記開口2を形成する固定部A1縁部に抜け出しを防止して係合させている。具体的には、案内筒9の内周上端部に係止突条14を突周設し、また、噴出ヘッド3の周壁12外周下部に係合突条15を突周設して、該係合突条15を係止突条14下面に強制的に乗り越え係合させており、噴出ヘッド3の押し下げは可能であるが上方への抜け出しができないように構成している。尚、この場合の開口を形成する固定部A1の縁部も、本実施例のものに限らず、上記した開口を形成する装着キャップ頂壁や補助キャップ頂壁であっても良い。
【0016】
カバー体Cは、環状部16と、切取部17と、脚部18とを備え、合成樹脂により一体に形成されたもので、液体噴出器の未使用を表現し、液の不都合な漏出、或いは悪戯、の防止等を目的として設けたものである。
【0017】
環状部16は、噴出口4を被覆して噴出ヘッド3外周上部に嵌合した部分を言い、図示例の如く、噴出ヘッド3が側方へノズル13を突設してなる形態のものである場合には、ノズル13の側周面を囲繞して嵌合させる如く構成する。また、環状部16の内面所定位置には噴出口4に嵌合した栓突起24を突設すると良い。
【0018】
切取部17は、環状部16を縦断する一対の線状破断部19で画成するとともに、その内面を対応する噴出ヘッド3外面に凹凸係合させている。線状破断部19は、容易に破断が可能に構成されたものであれば良く、図示例の如くミシン目状に形成しても、或いは薄肉線状に形成しても良い。また、凹凸係合は切取部17内面に突設した突起20を対応する噴出ヘッド3外面に凹設した凹部21に嵌合させた形態が採用でき、或いはその逆も可である。本実施例では、図3に示す如く、噴出ヘッドの周壁12外面上部所定位置に凹部21としての横長の凹溝を形成し、一方、切取部17内面所定位置に突起20を突設して構成している。横長の凹溝には、切取部17以外の環状部16所定位置に突設した係合突起22を嵌合させる如く構成しており、開封後に再び装着する際に便利な如く構成している。
【0019】
また、切取部17には図示例の如き摘み23を設けると良い。摘み23は線状破断部19を容易に切断できるように設けたもので、その形態は種々採用できる。図示例では、切取部17の下面より下方へ縦断面L字状の摘み23を延設している。その他、切取部17外面に直接摘みを突設することも可能である。
【0020】
脚部18は、上記凹凸係合の構成とあわせて噴出ヘッド3の押し下げを防止するもので、切取部17以外の環状部16下面より垂設するとともに、上記開口2を形成する固定部A1縁部上面に下端縁を当接係止させて構成している。図示例では、案内筒9の上面に下面を当接係止した帯状の脚部18を切取部17の両側に一対垂設している。脚部18の数は図示例の如く一対設ける場合に限らず、一箇所であっても良く、或いは三箇所以上設けることも可能である。また、一箇所の場合には、切取部17の両側にそれぞれ端を発した円弧状に形成することも可能である。
【0021】
上記の如く構成した液体噴出器は、流通,保管、陳列時などには図1に示す如くカバー体Cを装着した状態で行う。従って、この時点では噴出ヘッド3の押し下げができず、また、係止突条14と係合突条15との係合と、装着キャップ6の抜け出しを防止した嵌合固定により、噴出ヘッド3をステム8から取り外すこともできない。また、使用時には、摘み23を掴んで線状破断部19を破断し、切取部17を取り除いた後、残りの部分(以下、噴出口カバーC1という)を噴出ヘッド3から外し、噴出ヘッド3を押し下げて液の噴出を行う。使用後は噴出口カバーC1を再び装着しておくと、噴出口4が被覆されて内部の液の乾燥を防止する。
【0022】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の液体噴出器は、既述構成としたことにより、保管,運搬,陳列時などに噴出ヘッドが不慮の外力や悪戯により押し下げられることがなく、また、一見して未使用であることが分かり商品価値を著しく向上させるものである。更に、カバー体Cは切取部17を取り除いた後噴出口カバーC1として噴出ヘッド3に装着しておくことができ、開封後の保管時に環状部16により噴出口4を被覆させておくことができるため、開封後の液の乾燥,固化を極力防止できるものである。また、シュリンク包装の必要がなく上記した効果を発揮でき、しかも、構造も簡単であるため、低コストでの製造が可能である。
【0023】
また、上記固定部A1を容器体Bに対して抜け出しを防止して固定するとともに、上記噴出ヘッド3の外周下部を、上記開口2を形成する固定部A1縁部に抜け出しを防止して押し下げ可能に係合させてなるものにあっては、切取部17を取り除く際に噴出ヘッド3がステム8から外れる等の不都合を防止できるものであり、また、カバー体Cごと噴出ヘッド3を抜き取る悪戯を防止でき、上記した液の漏出や悪戯を完全に防止できるものである。
【0024】
また、上記環状部16内面所定位置に、噴出口4に嵌合した栓突起24を突設してなるものにあっては、開封後の液の乾燥,固化を更に確実に防止できる利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同実施例の縦断面図である。
【図3】同実施例の噴出ヘッドを示す斜視図である。
【図4】同実施例のカバー体を示す斜視図である。
【図5】同実施例の切取部を除去した状態の斜視図である。
【符号の説明】
2…開口,3…噴出ヘッド,4…噴出口,16…環状部,17…切取部,
18…脚部,19…線状破断部,23…摘み,24…栓突起,A…ポンプ,
A1…固定部,A2…作動部,B…容器体、C…カバー体
Claims (3)
- 容器体Bと、該容器体Bに固定した固定部A1上端の開口2より上方付勢状態で押し下げ可能に作動部A2上端を構成する噴出ヘッド3を突出してなるポンプAとを備え、上記作動部の上下動により噴出ヘッド3側方に開口した噴出口4より液を噴出する如く構成してなる液体噴出器に於いて、上記噴出口4を被覆して噴出ヘッド3外周上部に嵌合した環状部16と、該環状部16を縦断する一対の線状破断部19で画成するとともに、その内面を対応する噴出ヘッド外面に凹凸係合させた摘み23付きの切取部17と、該切取部17以外の環状部16下面より垂設するとともに、上記開口2を形成する固定部A1の縁部上面に下端縁を当接係止させた脚部18とからなる合成樹脂製のカバー体Cを嵌着してなり、前記カバー体Cは、切取部 17 を取り除いた後の残りの部分で噴出口カバー C1 を形成する如く構成したことを特徴とする液体噴出器。
- 上記固定部A1の容器体Bに対する固定が抜け出しを防止した固定であり、上記噴出ヘッド3の外周下部を、上記開口2を形成する固定部A1縁部に抜け出しを防止して押し下げ可能に係合させてなる請求項1記載の液体噴出器。
- 上記環状部16内面所定位置に、噴出口4に嵌合した栓突起24を突設してなる請求項1記載の液体噴出器。
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