JP4030051B2 - 作業車両の作業機制御方法及び作業機制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の作業機制御方法及び作業機制御装置に関し、特にはブレードを備えた作業車両の障害物回避を効率的に行う作業車両の作業機制御方法及び作業機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業車両の一例であるモータグレーダ1Aは、図8に示すように、モータグレーダ1Aの前部フレーム6の前端部にドローバ5が揺動自在に取付けられ、ドローバ5に回転自在に取付けられたサークル4により、ブレード3が横方向に滑動自在に支持されて作業機2を構成している。ドローバ5はリフトシリンダ11a、11bの同期した伸縮によって上下に昇降し、リフトシリンダ11a、11bの異なった伸縮によって上下方向に傾動し、またドローバシフトシリンダ14の伸縮によって車体進行方向に対して左右に揺動する。サークル4は油圧モータ13によって駆動され、ブレード3はドローバ5に対し車体上方から見て時計方向/反時計方向に回転する。このようにして、モータグレーダ1Aは車体の中央部に複数の油圧シリンダおよび油圧モータ等の油圧駆動機構によって駆動されるブレード3を備えているので、ブレード3の上下(昇降)、横送り(シフト)、回転、傾きなどの駆動が自在に行え、路面・広場の整地・除雪、法面の切り取り・仕上げなどの精緻な作業に用いられる。
【0003】
これら作業の多くは公路上で行なわれるため、オペレータは走行させつつ、作業状況を監視し、作業機操作手段のレバーを操作してブレード3を作業状況に適した位置に駆動し、また、公路上の歩行者および他車両を回避し、公路上に存在するマンホールのふた、センターラインや路肩から突出したキャッツアイ、路面のジョイントなどの障害物からブレード3を回避させるため細心の注意が必要となる。
【0004】
図9、図10、図11を用いて作業車両であるモータグレーダ1Aが路面の除雪を行なう作業例を説明する。図9、図10、図11はいずれも作業状況を上方から見た図で、モータグレーダ1Aは図の右から左へ走行している。図10、図11には移動中のブレード3の位置を2点鎖線で示している。
【0005】
例えば、道路の除雪作業を行なう場合、オペレータは積雪量に応じてブレード3の昇降を調整し、路面の幅に応じてブレード3の回転角度と横送り量とを調整する。また、路面の傾きに応じてブレード3の左右の昇降量を変更して傾きを調整する。また、路面へ固着した雪を適切に排除するため、所望の押付力でブレード3を路面に押付ける。
【0006】
図9は、モータグレーダ1Aが障害物のない路面の除雪を行なう状態を示し、ブレード3の両端部3a、3bは作業ラインP3a、P3bに示す所望の幅で除雪を行なっている。
【0007】
しかし、道路上には前記したように障害物が各所に存在しており、例えば図10に示すように、所望の幅で除雪中に、障害物P1が進行方向の左側となる路肩に存在する場合、障害物を回避するため、オペレータが不用意にブレード3を進行方向に対して右に横送りすると、進行方向に対して右側となるセンターライン側にブレード右端3bが突出し、人や車、道路施設等に損傷を与える恐れがある
【0008】
つまり、図10に示すように、ブレード3の横送りのみを行なって路肩の障害物P1を回避させると、作業ラインはP7で示すラインを描き、センターライン側にブレード右端3bが突出する不都合がある。
【0009】
また、左側の路肩に存在する障害物に対し、上から見て反時計方向にブレード3を回転させて障害物回避を行なう場合、進行方向に対するブレード3の有効幅が減少し、図11に示すように、ブレード左端3aと同時に、センターライン側となるブレード右端3bに於いても除雪幅が減少する不具合が発生する。
【0010】
つまり、図11に示すように、ブレード3の回転のみで路肩の障害物P1を回避させると、センターライン側となるブレード右端3bの作業ラインはP8に示すラインを描き、進行方向に対するブレード3の有効幅が減少して、ブレード右端3b側に於いても除雪幅が減少する不都合が発生する。また、図11に示すように、ブレード3が回転され、ブレード左端3aがモータグレーダ1Aの車体に接近して車体との干渉が発生する寸前の状態が生じる。
【0011】
従って、障害物回避においては、ブレード3の横送りとブレード3の回転とを同時に駆動して、障害物回避を行ないつつセンターライン側の作業ラインを維持し、さらに所望の押付力を保持してブレード3を路面に押付ける、高度な操作技術が必要となる。
センターライン側に障害物がある場合も同様に、横送りと回転とを同時に駆動して、障害物とは反対の側となる路肩側の作業ラインを維持し、さらに路面への押付力を保持する操作が必要となる。
【0012】
このような路肩の障害物回避の例に於いて、障害物を回避するため反時計方向にブレード3を回転させると、図11に示すように前記ブレード左端3aがモータグレーダ1Aの車体に接近して干渉が発生する恐れがあるため、障害物の回避と、障害物とは反対側のブレード右端3bの作業ライン維持と、路面への押付力の保持に加えて、車体との干渉にも十分な注意を払い、ブレード3の回転に加えて横送り駆動を行なう必要があり、オペレータは高度な操作技術が必要とされるとともに、周囲の交通状況によっては心理的に高度な緊張を強いられることになる。
【0013】
障害物との衝突を回避するため、例えば特開平10−38586号公報には、「DGPS情報で補正された実車のGPS位置から予め記憶した複数障害物の各位置までの距離の演算を行ない、最も近い障害物までの距離が当該障害物について予め定めた警報距離内であるとき、または、警報距離外でも、最も近い障害物までの距離がその時の車速から見て障害物に対する衝突距離であるとき、オペレータが解除ボタンを押すまでは警報を自動的に繰り返す発する作業車両の障害物警報装置」が記載されている。
【0014】
また、本出願人が出願した特願2002−063764号においては、「走行作業中の作業機に衝突するおそれのある障害物の位置を予め消去自在かつ書き込み自在に書き込んだデジタルマップと、別途備えたGPSからの位置情報を基に車体または作業機の現在位置をデジタルマップに書き込むとともに、現在位置を障害物の位置からの第1所定距離と比較し、現在位置が第1所定距離内に入ったとき、作業の障害物との非衝突所定姿勢まで、所定動作順序で作業機を駆動させる第1制御信号を出力し、現在位置が第1所定距離内から出たとき、前記第1制御信号を停止させるか、あるいは、前記所定動作順序とは逆の動作順序で作業機を駆動させる第2制御信号を出力する」構成としている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の例では警報を発するのみであって、障害物を回避する操作については依然としてオペレータの高度な技術に依存している。また暗夜、積雪など障害物の視認が困難な状況では利用することが出来ない。
【0016】
また、後者の例では、非衝突姿勢を明確にしておらず、障害物回避を行なう際に、障害物と反対側へのブレードの突出を避け、かつブレードと車体との干渉を防止するなど、オペレータが高度な操作技術を必要とし、周囲の交通状況によっては心理的に高度な緊張を強いられる状況を解決するには、必ずしも十分とは言えない。
【0017】
本発明は、前記の問題点に着目してなされたものであり、障害物回避を自動的に行い、作業を効率化するとともに、オペレータの心理的な負担を軽減し、また暗夜、積雪など障害物の視認が困難な状況であっても作業を効率化する、作業車両の作業機制御方法及び作業機制御装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
前記の目的を達成するために、第1発明は、作業車両の作業機制御方法において、走行作業中に作業車両の作業機のブレードと衝突するおそれのある障害物の位置・形状をあらかじめ記憶し、障害物回避動作の開始を指令する回避制御設定手段をオペレータが操作することによって障害物の回避動作が開始され、前記障害物の回避動作は、GPSから得た作業車両の現在位置を基に、前記ブレードの前記障害物側のブレード端部においては、当初設定した作業ラインを形成する位置から離脱させて前記障害物との衝突を回避する位置とする回避経路に沿うようにするとともに、前記ブレードの非障害物側となる端部においては、当初設定した非障害物側の作業ラインを引き続き形成する位置に維持するようにブレードを回避制御するものであり、さらに、回避動作中は、路面に対するブレード押付力を、前記回避制御設定手段の操作時に記憶した値に保持することを特徴とする作業車両の作業機制御方法としている。
【0019】
第1発明によると、走行作業中に作業車両の作業機のブレードと衝突するおそれのある障害物の位置・形状をあらかじめ記憶し、GPSから得た作業車両の現在位置を基に、前記ブレードの前記障害物側のブレード端部においては、当初設定した作業ラインを形成する位置から離脱させて前記障害物との衝突を回避する位置とする回避経路に沿うようにするとともに、前記ブレードの非障害物側となる端部においては、当初設定した非障害物側の作業ラインを引き続き形成する位置に維持するようにブレードを回避制御するので、適切な時期に、適切な姿勢で障害物を回避でき、整地や除雪を精度良く効率的に行なえ、また車体との干渉および非障害物側の突出・引込みによる不都合が防止されて、オペレータの心理的負担の大幅な軽減が図れる。さらに、ブレードと路面との押付け力が一定であるため、ブレードと路面との間に不必要なすきまを生じさせたり、ブレードが路面を過大な力で切削してブレードの摩耗や破損を生じさせる恐れがなく、大幅なオペレータの負担軽減が図れ、作業効率も増大する。
【0026】
第2発明は、第1発明の作業車両の作業機制御方法において、前記作業機の回避経路の設定を試みても、ブレードと車体との干渉が避けられない場合には、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする作業車両の作業機制御方法としている。
【0027】
第2発明によると、第1発明の効果に加えて、ブレードと車体との干渉が避けられない場合には、不必要な損傷を防ぐため、直ちに作業機の回避制御を停止して手動操作可能とするため、オペレータに、異なった操作方法で作業機の姿勢を変換させる、方向を修正する、車両を停止させるなどの操作を促すことが出来る。
【0028】
第3発明は、第1発明の作業車両の作業機制御方法において、前記障害物の回避が不可能であると判断した場合に、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする作業車両の作業機制御方法としている。
第4発明は、第3発明に記載の作業車両の作業機制御方法において、前記障害物の回避が不可能であるか否かの判断は、少なくとも、ブレードが回避姿勢へ到達するまでのブレードの駆動所要時間と、作業車両の現在位置および走行速度を用いて算出した障害物までのブレードの到達所要時間とを比較することにより行うものである作業車両の作業機制御方法としている。
【0029】
第3、第4発明によると、第1、第2発明の効果に加えて、障害物の回避が不可能である場合、不必要な損傷を防ぐため、直ちに作業機の制御を停止して手動操作可能とするので、オペレータに、異なった操作方法で作業機の姿勢を変換させる、方向を修正する、車両を停止させるなどの操作を促すことが出来る。
【0032】
第5発明は、作業車両の作業機制御装置において、前記作業車両は車体の中央部にブレードと、前記ブレードを回転および横送りする油圧駆動機構と、前記油圧駆動機構を制御する操作弁とで構成される油圧装置を備え、前記作業機制御装置はコントローラと、作業車両の現在位置を出力するGPSと、ブレードを操作する作業機操作手段と、前記作業機操作手段に備えられ、かつオペレータの操作により障害物回避動作の開始を指令する回避制御設定手段とを備え、前記コントローラは、走行作業中のブレードに衝突するおそれのある障害物の位置・形状をあらかじめ記憶し、前記回避制御設定手段をオペレータが操作したら、前記回避制御設定手段の操作時における前記ブレードの路面への押付け力を記憶すると共に、前記記憶した障害物の位置・形状および前記GPSから得た作業車両の現在位置に基いて、前記ブレードの前記障害物側の端部においては、当初設定した作業ラインを形成する位置から離脱させて前記障害物との衝突を回避する位置とする回避経路に沿うように、かつ前記ブレードの非障害物側となる端部においては、当初設定した非障害物側の作業ラインを引き続き形成する位置に維持するようにブレードの操作信号を操作弁へ出力する回避制御を行い、前記回避制御中は前記記憶したブレードの路面への押付け力を保持させる信号を操作弁へ出力し、前記ブレードの押付け力を制御することを特徴とする作業車両の作業機制御装置としている。
【0033】
第5発明によると、走行作業中のブレードに衝突するおそれのある障害物の位置・形状をあらかじめ記憶し、記憶した障害物の位置・形状および前記GPSから得た作業車両の現在位置に基いて、前記ブレードの前記障害物側の端部においては、当初設定した作業ラインを形成する位置から離脱させて前記障害物との衝突を回避する位置とする回避経路に沿うように、かつ前記ブレードの非障害物側となる端部においては、当初設定した非障害物側の作業ラインを引き続き形成する位置に維持するように回避制御を行なう構成であるから、適切な時期に、適切な姿勢で障害物を回避でき、整地や除雪を精度良く効率的に行なえ、またブレードと車体との干渉および非障害物側の突出・引っ込みによる不都合が防止され、オペレータの心理的負担の大幅な軽減が図れる。また、回避制御中はブレードの路面との押付け力が一定であるため、ブレードと路面との間に不必要なすきまを生じさせたり、ブレードが路面を過大な力で切削してブレードの摩耗や破損を生じさせる恐れがなく、大幅なオペレータの負担軽減が図れ、作業効率も増大する。
【0040】
第6発明は、第5発明の作業車両の作業機制御装置において、前記コントローラは、前記ブレードが車体に干渉しないように設けた作動制限領域にブレードを侵入させない前記回避経路の設定を試みても、侵入が避けられないと判断した場合、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする作業車両の作業機制御装置としている。
【0041】
第6発明によると、第5発明の効果に加えて、前記作動制限領域へのブレードの侵入が避けられない場合に、直ちに作業機の制御を停止して手動操作可能とするので、オペレータに異なった操作方法で作業機の姿勢を変換させる、方向を修正する、車両を停止させるなど、損傷の発生を防止するための操作を促すことが出来る。
【0042】
第7発明は、第5発明の作業車両の作業機制御装置において、前記コントローラは、前記障害物への到達所要時間と、前記ブレードの前記障害物側の端部を障害物との衝突を回避する位置とし、かつ前記ブレードの非障害物側の端部を当初設定した非障害物側の作業ラインを形成する位置に維持する回避姿勢へ駆動するために必要なブレードの駆動所要時間とを演算して比較し、前記障害物の回避が不可能であると判断した場合に、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする作業車両の作業機制御装置としている。
【0043】
第7発明によると、第5発明の効果に加えて、前記障害物の回避が不可能である場合、直ちに作業機の制御を停止して手動操作可能とするから、オペレータに異なった操作方法で作業機の姿勢を変換させる、方向を修正する、車両を停止させるなど、損傷の発生を防止するための操作を促すことが出来る。
【0044】
第8発明は、第5〜第7発明のいずれかの作業車両の作業機制御装置において、前記コントローラは、オペレータが前記作業機操作手段を操作した信号、あるいは前記回避制御設定手段の操作を解除した信号、あるいは車体進行方向が変化した信号を受信すると、割り込み信号と判断し、直ちにオペレータの手動操作を優先させ、作業機制御装置による前記回避制御、および前記回避制御の後にブレードを前記当初設定した作業ラインに復帰させる復帰制御を停止する作業車両の作業機制御装置としている。
【0045】
第8発明によると、第5〜第7発明のいずれかの効果に加えて、オペレータが本発明の制御方法とは異なった操作方法や異なった設定条件によってブレードを駆動しようと意図した場合、あるいは障害物回避時の制御の中止を意図した場合、直ちにオペレータの手動操作を優先させ、回避制御および復帰制御を停止するので、オペレータは意図した方法により、ストレスを感じることなく迅速に操作を行える。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係わる作業車両の作業機制御方法及び作業機制御装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同様な部位には同一の符号を付している。
【0047】
図1は、作業車両の一例であるモータグレーダ1の外観図、図2はその側面図である。図1、図2に於いて、モータグレーダ1の前部フレーム6の前端部にドローバ5が揺動自在に取付けられ、ドローバ5に回転自在に取付けられたサークル4により、ブレード3が横方向に滑動自在に支持されて作業機2を構成している。ドローバ5はリフトシリンダ11a,11bの同期した伸縮によって上下に昇降し、リフトシリンダ11a,11bの異なった伸縮によって上下方向に傾動し、またドローバシフトシリンダ14の伸縮によって車体進行方向に対して左右に揺動する。サークル4は油圧モータ13によって駆動され、それによってブレード3はドローバ5に対し車体上方から見て時計方向/反時計方向に回転する。
【0048】
図3は、ブレード3を、図2とは反対側のモータグレーダ1の後斜め方向から見た図であって、ブレード3はサークル4に支持されたブレードシフトシリンダ12によりサークル4に対して横方向つまり車体進行方向に対して左右に横送り(シフト)される。
【0049】
前記のように、ブレード3はドローバ5、サークル4を介して、車体に対する上下の昇降、上下方向の傾動、左右の揺動、回転、左右方向のシフトを行なうことが出来る。
【0050】
図1、図2に示すように、モータグレーダ1の運転室7の上部にはGPS23のアンテナ23aが取付けられ、運転室7の内部にはコントローラ21、デジタルマップ22、デジタルマップ表示装置22a、音響警報装置33が備えられている。また、運転席前方の作業機操作装置を示す図4に示すように、運転室7の内部には作業機操作手段31、回避制御設定手段32が備えられる。デジタルマップ22、デジタルマップ表示装置22a、音響警報装置33は運転席前方中央のハンドル34の上方に設けられている。また、作業機2には、ブレード3に備えられたブレード3の横送り量検出手段24と、サークル4の回転中心部に備えられたブレード3の回転角度検出手段25と、ドローバ取付け部に備えられたドローバ変位量検出手段26とが備えられる。
【0051】
図5は、作業機制御装置20の実施形態を示す系統図である。図5に於いてコントローラ21には、デジタルマップ22およびマップ表示装置22aと、GPS23とが接続されている。消去および書込自在なデジタルマップ22には、走行作業中にブレード3と衝突するおそれのある障害物の位置・形状が予め書き込まれ、またGPS23から得たモータグレーダ1の現在位置が書き込まれる。マップ表示装置22aは、デジタルマップ22へ書き込まれた障害物の位置・形状、モータグレーダ1の現在位置、コントローラ21の発信する駆動実施信号、干渉警報、および制御停止警報を表示する。デジタルマップ22はコントローラ21の内部に設けても良い。なお、GPS23は現在位置をより正確に把握するために検出位置を補正する補正手段を備えたものでも良い。
【0052】
図5に於いて、油圧装置10は、電磁弁15aおよび制御器15bで構成される操作弁15と、油圧アクチュエータである、リフトシリンダ11a,11b、ブレードシフトシリンダ12、サークル4を回転させる油圧モータ13、ドローバシフトシリンダ14と、油圧発生源である油圧ポンプ16とを備えている。またオペレータの操作する作業機操作手段31と、作業機操作手段31に備えられた回避制御設定手段32とは制御器15bに接続されている。
【0053】
図5に於いて、作業機2に備えられたブレード3の横送り量検出手段24と、ブレード3の回転角度検出手段25と、ドローバ5の変位検出手段26と、リフトシリンダ11a,11bの圧力検出手段28a,28bと、車両の駆動装置に備えられた走行速度検出手段43およびエンジン回転速度検出手段44とはコントローラ21に接続されている。また、オペレータの操作する作業機操作手段31および回避制御設定手段32は前記操作弁15の制御器15bを介して前記コントローラ21に接続されている。また、ハンドル34が操作された場合に、車両の進行方向である車体進行方向が変化した信号として、ハンドル操作信号を発信する図示しないハンドル操作検出手段が前記コントローラ21に接続されている。
【0054】
コントローラ21は、デジタルマップ22へ書き込まれた最も近い障害物の位置・形状およびモータグレーダ1の現在位置と、前記各種検出手段である、横送り量検出手段24と、ブレード回転角度検出手段25と、ドローバ変位検出手段26と、リフトシリンダ圧力検出手段28a,28bと、走行速度検出手段43およびエンジン回転速度検出手段44と、前記作業機操作手段31と、回避制御設定手段32とからの信号に基づき、前記油圧アクチュエータである、リフトシリンダ11a,11b、ブレードシフトシリンダ12、サークル4を回転させる油圧モータ13、ドローバシフトシリンダ14のそれぞれを制御する信号を操作弁15の制御器15bに出力する。
【0055】
オペレータによって前記回避制御設定手段32が操作されると、コントローラ21は、本発明の制御を開始し、前記リフトシリンダ11a,11bの前記圧力検出手段28a,28bの検出値を記憶し、リフトシリンダ11a,11bに記憶した圧力を保持させる信号を操作弁15へ出力し、ブレード3の押付け力を制御する。
【0056】
図6は、モータグレーダ1の作業状況を上方から見た図で、本発明の作業機の制御方法による障害物の回避状況の一例を示している。モータグレーダ1は図の右から左へ走行しており、ブレード3の両端部のブレード左端3a、ブレード右端3bにおいて作業ラインP3a、P3bをそれぞれ形成している。図6に示すように移動中のブレード3の位置を2点鎖線で示している。コントローラ21が回避開始点P4に達したと判断すると本発明の回避制御が開始され、ブレード3がモータグレーダ1の車体に干渉しないように設けた作動制限領域P6への侵入を防止する回避経路P3a’により、ブレード3は回避姿勢P2へ駆動され、ブレード左端3aは障害物P1の幅L2に対し予め定めた余裕L3を保って、障害物P1を回避する。
障害物P1の長さL1を通過し、復帰開始位置P5に達したとコントローラ21が判断すると、本発明の復帰制御が開始され、作動制限領域P6への侵入を防止する回避経路P3a”により、ブレード左端3aは従前の作業ラインP3aに復帰駆動される。
この間コントローラ21はブレード右端3bを設定した作業ラインP3bに保持させている。
【0057】
また、前記回避制御設定手段32が操作されると、コントローラ21は、モータグレーダ1の中心線6Cに対するブレード3の両端部のブレード左端3a、ブレード右端3bの位置をそれぞれの端部に於ける作業ラインP3a,P3bとして設定する。
【0058】
コントローラ21は、デジタルマップ22に書き込まれた障害物の中で、最も近い障害物P1の位置・形状およびGPS23から得たモータグレーダ1の現在位置に基づき、最も近い障害物P1に対する前記回避姿勢P2の設定と、作動制限領域P6への侵入を防止する前記回避経路P3a’の設定とを繰返し行う。
【0059】
コントローラ21は、デジタルマップ22に書き込まれた障害物の中で、最も近い障害物P1の位置・形状およびGPS23から得たモータグレーダ1の現在位置に基づき、ブレード左端3aが回避開始位置P4に到達したと判断すると、最も新しい前記回避経路P3a’により、ブレード3を障害物から回避させる回避信号を操作弁15へ出力してブレード3を最も新しい前記回避姿勢P2へ駆動し、前記回避姿勢P2へ到達したと判断すると回避信号の出力を停止する。
【0060】
コントローラ21は、デジタルマップ22に書き込まれた障害物の中で、最も近い障害物P1の位置・形状およびGPS23から得た現在位置に基づき障害物P1からの復帰開始位置P5に到達したと判断すると、本発明による前記回避経路P3a’とは逆の駆動順序による復帰経路P3a”によって駆動し、前記障害物P1側のブレード3のブレード左端3aを当初設定した作業ラインP3aを形成する位置に復帰させる復帰信号を操作弁15へ出力して、ブレード左端3aが当初の作業ラインP3aの位置に、またブレード右端3bが当初の作業ラインP3bの位置になるように、ブレード3を当初の作業ラインに復帰させる。
【0061】
コントローラ21は、ブレード3のブレード左端3a、ブレード右端3bが当初の作業ラインP3a,P3bにそれぞれ復帰すると、復帰信号を解除して次の障害物の回避を開始する。
また、前記作業機操作手段31の操作信号あるいは前記回避制御設定手段32の制御解除信号が入力されると、前記の障害物回避の制御を停止する。
【0062】
図7のフローチャートに基づき、実施形態における制御方法について、ブレード左端3a側に位置する障害物を回避させる例を用いて説明する。なお、ブレード右端3b側に位置する障害物を回避させる場合についても、以下の説明が左右が逆になるのみで、本発明の作業車両の作業機制御方法及び作業機制御装置の作用及び効果についてはなんら変わるところはない。
【0063】
ステップ50で、オペレータは図9に示したような、障害物のない作業状態において、作業機操作手段31に備えられた回避制御設定手段32を操作して、コントローラ21に回避制御実施信号を発信する。
【0064】
ステップ51で、コントローラ21は、ブレード3に備えられたブレード3の横送り量検出手段24と、サークル4の回転中心部に備えられたブレード3の回転角度検出手段25と、ドローバ取付け部に備えられたドローバ変位量検出手段26とからの検出信号により、ブレード左端3a、ブレード右端3bのそれぞれの位置を演算し、図6に示したように、モータグレーダ1の上面から見て、前部フレーム6の中心線6Cと平行で、ブレード左端3a、ブレード右端3bそれぞれ通る作業ラインを作業ラインP3a,P3bとしてそれぞれ設定する。
【0065】
また、ステップ51では、書込および消去自在なデジタルマップ22に書き込まれた、走行作業中にブレード3と衝突するおそれのある障害物の位置・形状(長さ、幅)および別途備えたGPS23から得たモータグレーダ1の現在位置を基に、前記障害物の位置・形状と、デジタルマップ22へ書き込まれた前記現在位置とをマップ表示装置22aによりオペレータに表示させる。GPS23から得たモータグレーダ1の現在位置は、前記前部フレーム6の中心線上で、サークル4の回転中心に相当する位置に換算しており、誤差を少なくしているが、モータグレーダ1の他の適当な箇所を現在位置としても良い。
【0066】
ステップ52で、コントローラ21は、リフトシリンダ11a,11bの圧力検出手段28a,28bにより検出したリフトシリンダ11a,11bのそれぞれの圧力を記憶し、リフトシリンダ11a,11bの圧力を記憶した圧力に保持する信号を操作弁15へ出力し、ブレード3の押付け力を制御する。
なお、本実施例では圧力検出手段28a,28bを押付け力検出手段として用いているが、リフトシリンダ11a,11bのストローク検出手段や、ブレード3に備えた路面との接触を検出する振動検出手段などにより、押付け力を制御する方法であってもかまわない。
【0067】
ステップ53で、コントローラ21は、モータグレーダ1の現在位置と、デジタルマップ22に書き込まれた最も近い障害物P1の位置と、障害物の幅L2と、予め定めた回避余裕距離L3と、作業ラインP3a,P3bの位置とを用い、前記障害物P1側の前記ブレード3のブレード左端3aを、前記障害物P1との余裕距離L3を保って衝突を回避する位置とし、前記ブレード3の非障害物側のブレード左端3bを、当初設定した非障害物側の作業ラインP3bを引き続き形成する位置に維持するブレード3の両端部のブレード左端3a、ブレード右端3bの位置をそれぞれ算出して、回避姿勢P2として設定し、当初設定した作業ラインを形成する位置から回避姿勢P2へ駆動するのに要する、サークル4の回転角度および、ブレード3の横送り(シフト)量を算出する。
【0068】
ステップ54で、コントローラ21は、ブレード3と車体との干渉を防止するため、当初設定した作業ラインP3a,P3bを形成する位置から回避姿勢P2に至る前記サークル4の回転角度を所望の複数の駆動ステップに分割し、サークル4の1駆動ステップごとの回転角度と対応させて、ブレード3のブレード左端3aは作動制限領域P6に侵入せず、ブレード右端3bは作業ラインP3bを維持する位置とさせるブレード3の横送り量を所定の誤差範囲で算出し、回避経路P3a’を設定する。
【0069】
更に、サークル4の回転中心部にブレード3の水平方向の傾きを検出する検出手段41を設け、サークル4の回転によって変化する路面との相対的な傾き角度を前記駆動ステップごとに補正することもできる。
【0070】
ステップ55で、コントローラ21は、作動制限領域P6に侵入しない回避経路P3a’が設定できたか否かを判断し、侵入しない場合は次のステップ56に進み、侵入が発生する場合はステップ72に進んで、前記回避制御および復帰制御を停止し、手動操作可能とするとともに、前記マップ表示装置22aに干渉警報を出力し、前記音響警報装置33に干渉警報を知らせる音響を発生させる。
【0071】
ステップ56で、コントローラ21は以下の手順により、回避可能か否かを判断する。
(1)エンジン回転速度検出手段44の検出値から演算して求めたポンプ吐出流量(吐出量可変ポンプを備える油圧装置においてはエンジン回転速度の検出値と傾転角から求める流量、あるいは流量制御機構で制御された流量)と、油圧モータ16あるいはブレードシフトシリンダ14の容積と、ステップ54で設定した回避経路P3a’を形成する前記複数の駆動ステップとを用いて、ブレード3が回避姿勢P2へ到達するまでのブレードの駆動所用時間を算出する。
【0072】
(2)デジタルマップ22に書き込まれた最も近い障害物P1の位置およびGPS23から得たモータグレーダ1の現在位置と、走行速度検出手段43により検出したモータグレーダ1の走行速度とを用いて算出した障害物P1までのブレード右端3aの到達所用時間を求める。
【0073】
(3)前記ブレード3の駆動所用時間と前記障害物P1までのブレード右端3aの到達所用時間とを比較し、ブレード3が障害物P1を回避可能か否かを判断して、回避可能の場合はステップ57に進む。また、回避不可能な場合はステップ71に進んで、回避制御および復帰制御を停止し、手動操作可能とするとともに、マップ表示装置22aに制御停止警報を出力し、音響警報装置33に制御停止警報を知らせる音響を発生させる。
【0074】
ステップ57で、コントローラ21は、デジタルマップ22に書き込まれた最も近い障害物P1の位置と、モータグレーダ1の現在位置と、ステップ56で求めた到達所用時間と、ブレードの駆動所用時間とを比較し、到達所用時間と駆動所用時間とが所望の余裕を持って一致すると、回避開始位置P4に達したと判断して、前記マップ表示装置22aおよび音響警報装置33に駆動実施信号を出力し、次のステップ58に進む。回避開始位置に到達していないと判断した場合はステップ51に戻る。
【0075】
ステップ58で、コントローラ21は、回避信号を操作弁15の制御器15bに出力して回避駆動を開始し、ステップ54で設定したサークル4の1駆動ステップ量の回転をさせる。
【0076】
ステップ59で、コントローラ21は、ステップ54で設定したブレード3の1駆動ステップ量の横送りを行なわせる。
【0077】
ステップ60で、コントローラ21は、ブレード3の横送り量検出手段24と、ブレード3の回転角度検出手段25と、ドローバ変位量検出手段26とからの検出信号により、回避姿勢P2に到達したか否かを判断し、到達したと判断した場合は次のステップ61に進み、ブレード3の駆動を停止する。到達していない場合はステップ58に戻る。
【0078】
ステップ62で、コントローラ21は、GPS23から得た現在位置とデジタルマップに書き込まれた障害物P1の長さL1とから、復帰開始位置P5に到達したか否かを判断し、到達したと判断した場合は次のステップ63に進み、到達していない場合はステップ61に戻り、作業機駆動を停止した状態に維持して、回避姿勢P2を維持する。
【0079】
ステップ63で、コントローラ21は、復帰信号を操作弁15の制御器15bに出力して、ステップ54において設定した複数のステップにつき、回避制御とは逆の作動順序による復帰制御を開始し、ステップ64では前記ブレード3の1駆動ステップ量の横送りシフトを、ステップ65では前記サークル4の1駆動ステップ量の回転を行なわせる。
【0080】
ステップ66で、コントローラ21は、ブレード3の横送り量検出手段24と、ブレード3の回転角度検出手段25と、ドローバ変位量検出手段26とからの検出信号により、当初設定した作業ラインP3a,P3bを形成する位置にブレード3のブレード左端3a、ブレード右端3bがそれぞれ復帰したか否かを判定し、復帰動作が完了したと判断した場合は次のステップ67へ進み作業機を停止させる。復帰動作が完了していないと判断した場合はステップ64に戻り、復帰制御を継続する。
【0081】
ステップ68で、コントローラ21は、復帰動作が完了した時点でオペレータが制御停止信号を発信(あるいは、回避制御設定手段32を操作して回避制御実施信号を解除)したか否かを判定し、制御停止信号を受けると制御を停止して、直ちに手動操作に切り替え、前記マップ表示装置22aおよび音響警報装置33への駆動実施信号の出力を解除する。制御停止信号がない場合はステップ69に移行してステップ51に戻り、次の障害物回避を開始する。
【0082】
ステップ70として、コントローラ21はオペレータが作業機操作手段31を操作して、回避制御や復帰制御とは異なった作業機操作方法を選択したか、あるいは前記制御停止信号を発信したか、あるいはオペレータがハンドル34を操作して、図示しないハンドル操作検出手段がハンドル操作信号を、車両の進行方向が変化した信号として発信したかを、割り込み信号として常時監視し、割り込み信号を受けると、直ちにステップ50からステップ69までの制御を停止して、手動操作に切り替え、マップ表示装置22aおよび音響警報装置33への駆動実施信号の出力を解除する。
【0083】
ステップ54からステップ59において、ブレード3の回転と横送りを確実に行なえるシーケンシャルな作動を例示したが、回転と横送りを同時に行なえる複合操作油圧機構を用いた制御としても良い。
【0084】
コントローラ21に用いるコンピュータを並行処理可能なものとして、ステップ51からステップ57までの処理およびステップ70の処理と、ステップ58からステップ69までの処理とを平行して行なわせることも可能である。
【0085】
また、ブレード3が障害物P1を回避不可能な場合は、ステップ71で、図示しない自動ブレーキ装置で作業車両であるモータグレーダ1を自動停止させるように制御しても良い。
【0086】
本発明にかかわる作業車両の障害物回避時の作業機制御方法と制御装置は、前記のような制御方法および構成としたため、以下のような効果が得られる。
【0087】
障害物の回避開始位置を判断して、ブレードの障害物側では障害物を回避し、非障害物側では従前の作業ラインを維持し、かつ車体とブレードとの干渉を排除しつつ回避駆動を行い、適切な回避姿勢として障害物を回避させ、また、障害物からの離脱開始位置と判断するとブレードの復帰駆動を開始して、ブレードの非障害物側では従前の作業ラインを維持し、かつ車体とブレードとの干渉を防止しつつ、ブレードの障害物側を従前の作業ラインへ復帰させるので、整地や除雪を適切かつ効率的に行なえ、またブレードと車体との干渉や、非障害物側の突出・引っ込みによる不都合が防止されて、オペレータの心理的負担の大幅な軽減が図れる。
【0088】
路面へのブレード押付力を一定に制御するため、ブレードと路面との間に不必要なすきまを生じさせたり、ブレードが路面を過大な力で切削してブレードの摩耗や破損を生じさせる恐れがなく、オペレータの負担軽減が図れ、作業効率も増大する。
【0089】
マップ表示装置によりオペレータは暗夜や積雪など障害物を視認できない状況でも、障害物の存在を認識出来る上に、マップ表示装置および音響警報装置により駆動実施信号を発するので、オペレータは回避動作が開始されることを予期でき、オペレータに違和感を与えることなく負担軽減が図れ、作業効率も増大する。
【0090】
作動制限領域へのブレードの侵入が避けられない場合は、直ちに作業機の駆動を停止するとともに干渉警報を発令し、障害物の回避が不可能である場合は、直ちに作業機の駆動を停止するとともに制御停止警報を発令し、またオペレータが作業機操作手段を操作するか、あるいは制御停止信号を発信した場合は直ちに作業機の駆動を停止し、手動操作を優先させて、オペレータに異なった操作方法で作業機の姿勢を変換させる、方向を修正する、車両を停止させるなどの操作を促して、損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御機能を有する作業車両の一例であるモータグレーダの斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】モータグレーダの、ブレード横送り(シフト)機構を斜め後部から見た斜視図である。
【図4】モータグレーダの、作業機操作装置である。
【図5】本発明の作業機制御装置の系統図である。
【図6】モータグレーダが、本発明による障害物回避を行なう状況を示した上面図である。
【図7】本発明の、作業機制御方法を説明するフローチャートである。
【図8】従来のモータグレーダの側面図である。
【図9】モータグレーダが、整地/除雪作業を行なう状況の上面図である。
【図10】モータグレーダが、ブレードを横送りさせて障害物回避を行なう状況の上面図である。
【図11】モータグレーダが、ブレードを回転させて障害物回避を行なう状況の上面図である。
【符号の説明】
1…モータグレーダ、2…作業機、3…ブレード、3a…ブレード左端、3b…ブレード右端、4…サークル、5…ドローバ、6…前部フレーム、7…運転室、9…ブレード横送り(シフト)機構、10…油圧装置、11a,11b…リフトシリンダ、12…ブレードシフトシリンダ、13…油圧モータ、14…ドローバシフトシリンダ、15…操作弁、15a…電磁弁、15b…制御器、16…油圧ポンプ、20…作業機制御装置、21…コントローラ、22…デジタルマップ、22a…マップ表示装置、23…GPS(Global Positioning System)、23a…GPSアンテナ、24…横送り量検出手段、25…回転角度検出手段、26…ドローバ変位量検出手段、28a,28b…リフトシリンダ圧力検出手段、31…作業機操作手段、32…回避制御設定手段、33…音響警報装置、41…水平方向傾き検出手段、42…振動検出手段、43…走行速度検出手段、44…エンジン回転速度検出手段、P1…障害物、P2…回避姿勢、P3a…作業ライン(障害物側所望作業ライン)、P3a’…回避経路、P3a” …復帰経路、P3b…作業ライン(非障害物側所望作業ライン)、P4…回避開始点、P5…復帰開始位置、P6…作動制限領域、P7…横送り作業ライン、P8…回転作業ライン、L1…障害物の長さ、L2…障害物の幅、L3…障害物に対する回避余裕。
Claims (8)
- 作業車両の作業機制御方法において、
走行作業中に作業車両の作業機のブレード(3)と衝突するおそれのある障害物の位置・形状をあらかじめ記憶し、
障害物回避動作の開始を指令する回避制御設定手段(32)をオペレータが操作することによって障害物の回避動作が開始され、
前記障害物の回避動作は、GPS(23)から得た作業車両の現在位置を基に、前記ブレード(3)の前記障害物(P1)側のブレード端部においては、当初設定した作業ライン(P3a)を形成する位置から離脱させて前記障害物(P1)との衝突を回避する位置とする回避経路(P3a’)に沿うようにするとともに、前記ブレード(3)の非障害物側となる端部(3b)においては、当初設定した非障害物側の作業ライン(P3b)を引き続き形成する位置に維持するようにブレード(3)を回避制御するものであり、
さらに、回避動作中は、路面に対するブレード押付力を、前記回避制御設定手段(32)の操作時に記憶した値に保持する
ことを特徴とする作業車両の作業機制御方法。 - 請求項1に記載の作業機制御方法において、
前記作業機の回避経路(P3a’)の設定を試みても、前記ブレード(3)と車体との干渉が避けられない場合には、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする
ことを特徴とする作業車両の作業機制御方法。 - 請求項1に記載の作業機制御方法において、
前記障害物(P1)の回避が不可能であると判断した場合に、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする
ことを特徴とする作業車両の作業機制御方法。 - 請求項3に記載の作業機制御方法において、
前記障害物(P1)の回避が不可能であるか否かの判断は、少なくとも、ブレード(3)が回避姿勢へ到達するまでのブレードの駆動所要時間と、作業車両の現在位置および走行速度を用いて算出した障害物までのブレードの到達所要時間とを比較することにより行うものである
ことを特徴とする作業車両の作業機制御方法。 - 作業車両の作業機制御装置において、
前記作業車両は車体の中央部にブレード(3)と、前記ブレード(3)を回転および横送りする油圧駆動機構と、前記油圧駆動機構を制御する操作弁(15)とで構成される油圧装置(10)を備え、
前記作業機制御装置(20)はコントローラ(21)と、作業車両の現在位置を出力するGPS(23)と、ブレード(3)を操作する作業機操作手段(31)と、前記作業機操作手段(31)に備えられ、かつオペレータの操作により障害物回避動作の開始を指令する回避制御設定手段(32)とを備え、
前記コントローラ(21)は、走行作業中のブレード(3)に衝突するおそれのある障害物の位置・形状をあらかじめ記憶し、前記回避制御設定手段(32)をオペレータが操作したら、前記回避制御設定手段(32)の操作時における前記ブレード(3)の路面への押付け力を記憶すると共に、前記記憶した障害物の位置・形状および前記GPS(23)から得た作業車両の現在位置に基いて、前記ブレード(3)の前記障害物(P1)側の端部においては、当初設定した作業ライン(P3a)を形成する位置から離脱させて前記障害物(P1)との衝突を回避する位置とする回避経路(P3a’)に沿うように、かつ前記ブレード(3)の非障害物側となる端部においては、当初設定した非障害物側の作業ライン(P3b)を引き続き形成する位置に維持するようにブレード(3)の操作信号を操作弁(15)へ出力する回避制御を行い、前記回避制御中は前記記憶したブレード(3)の路面への押付け力を保持させる信号を操作弁(15)へ出力し、前記ブレード(3)の押付け力を制御する
ことを特徴とする作業車両の作業機制御装置。 - 請求項5に記載の作業機制御装置において、
前記コントローラ(21)は、前記ブレード(3)が車体に干渉しないように設けた作動制限領域(P6)に前記ブレード(3)を侵入させない前記回避経路(P3a’)の設定を試みても、侵入が避けられないと判断した場合、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする
ことを特徴とする作業車両の作業機制御装置。 - 請求項5に記載の作業機制御装置において、
前記コントローラ(21)は、前記障害物(P1)への到達所要時間と、前記ブレード(3)の前記障害物(P1)側の端部を障害物(P1)との衝突を回避する位置とし、かつ前記ブレード(3)の非障害物側の端部を当初設定した非障害物側の作業ライン(P3b)を形成する位置に維持する回避姿勢へ駆動するために必要なブレード(3)の駆動所要時間とを演算して比較し、前記障害物(P1)の回避が不可能であると判断した場合に、直ちに作業機制御装置による前記回避制御を停止して、手動操作可能とする
ことを特徴とする作業車両の作業機制御装置。 - 請求項5〜7のいずれか一項に記載の作業機制御装置において、
前記コントローラ(21)は、オペレータが前記作業機操作手段(31)を操作した信号、あるいは前記回避制御設定手段(32)の操作を解除した信号、あるいは車体進行方向が変化した信号を受信すると、割り込み信号と判断し、直ちにオペレータの手動操作を優先させ、作業機制御装置による前記回避制御、および前記回避制御の後にブレード(3)を前記当初設定した作業ライン(P3a,P3b)に復帰させる復帰制御を停止する
ことを特徴とする作業車両の作業機制御装置。
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