JP4029999B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誤差拡散処理によってM階調の画像データをN(M>N)値化する画像形成装置に関し、プリンタ、デジタル複写機、ファクシミリなどに好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタの高画質化とPCの高速化が著しい。プリンタの出力解像度は、1200×1200dpiへと高解像度になり、また1200dpiにおいて出力するドットサイズを、小中大ドットに切替を可能とした機種もある。インクジェットプリンタの高解像度化は、インクを射出するヘッドを高密度化し、紙搬送の精度を向上させ、あるいは粘性の高いインク等を用いることで射出した用紙上でのインクの広がりを抑え、さらに射出するインク量を制御して小中大ドットとドット径を変化させることにより行っている。また、電子写真においては、感光体に露光する書込み径を高密度化し、紙に転写するトナー粒径を小さくするなどで高解像度化を行い、さらに、書込みの露光をパルス幅分割して、1ドットの形成する露光量を制御し、あるいは露光で用いるレーザー光の強度に強弱を加えてドット径を変調させ、高解像度化を図っている。
【0003】
インクジェットプリンタでは、濃度が異なったインクを用いてN値化画像を再現している。濃度を淡インクと濃インクに分け(通常、淡インクの濃度は濃インクの1/3〜1/6に希釈)、ハイライト部においては淡インクを使用し、中〜高濃度部においては濃インクを使用して画像を再現している。
【0004】
インクジェット方式の濃淡インクによる多値階調表現や電子写真方式のドット径変調による多値階調表現は、M階調の画像をN値(2<N<M)へ量子化して再現する出力機には特に有用な技術であり、高画質化への寄与が大きい。
【0005】
画像を再現する際に、粒状性を向上させることが重要であり、印字に必要なドットを高密度化し、ドット径変調や濃淡インクを使用することにより、ハイライト部の粒状性が向上する。通常、粒状性を良くするために、人間の目には気づきにくい小さいドットを一様に分布させる対策が採られている。
【0006】
ドット径変調ができないプリンタでは、ドットを出力した個数の占める面積で階調表現する面積階調の手法を採るが、このようなプリンタでは、中濃度部の再現を一様なドットで出力することができ、ドット径も見えにくくかつ一様に出力されているため粒状性は良い。これは、高解像度のプリンタでも同様である。しかし、低解像度のプリンタでは、ハイライト部で大きいドットを出力し、その間隔が広くなることから孤立ドットが目立ち、粒状性が悪い。高解像度のプリンタでは、ドット径が小さくなり、より多くのドットが出力され、粒状性は改善される。さらに、ドット径変調では、小ドットを多く出現させて濃度を表現するため粒状性が改善され、淡インクを使用すれば濃度が低く視覚されにくいため、より一層粒状性が向上する。
【0007】
ところで、一般的に、M階調の画像データを、N(M>N)値出力可能なプリンタ装置に出力する場合などでは、各画素の階調数を減らす量子化処理が行われるが、このような量子化処理の手法として、階調性と鮮鋭性に優れた誤差拡散法や平均誤差最小法がある。
【0008】
誤差拡散法とは、ある画素の量子化時に生じた量子化誤差を、周辺のまだ量子化していない画素へ重み付けをして拡散分配する擬似中間調処理であり、また、平均誤差最小法とは、周辺の量子化済みの画素に生じた量子化誤差の重み付き平均値により、注目画素の画像データ値を補正する擬似中間調処理である。これらの手法では、量子化誤差が全画像で保存するため階調性に優れた画像が得られる。なお、誤差拡散法と平均誤差最小法は、誤差の拡散処理を行う時点が異なるだけであるので、以下、誤差拡散法と平均誤差最小法をまとめて誤差拡散法として説明する。
【0009】
図1は、従来の誤差拡散処理の構成を示す。誤差拡散処理は、入力(多階調画像データ)1と、誤差拡散マトリクス7で予め算出された誤差とを加算器2で加算して量子化部3に入力する。量子化部3への入力値と量子化閾値とを比較して出力値4を決定する。そして、その出力値4と量子化部3に入力された値との差を減算器5で算出し、注目画素の誤差として誤差メモリ6に保存する。次画素の処理において、誤差拡散マトリクス7では、例えば注目画素(*)近傍の4画素分の誤差を用いて注目画素の誤差を求め、入力値1に加算する。以上の処理を各画素毎に繰り返すことにより、画像の濃度が保存された誤差拡散処理が行われる。
【0010】
多値誤差拡散処理の一例として4値誤差拡散処理における出力ドットの割合を図2に示す。4値量子化出力値をそれぞれ0(ドットオフ),85(小ドット),170(中ドット),255(大ドット)とすると、入力データレベルが85までは濃度が増すにつれて小ドットの割合が増加し、入力データレベル85で小ドットの割合が100%となる。入力データレベルが85〜170までは、小ドットの割合が減少して中ドットの割合が増加し、入力データレベル170で中ドットの割合が100%となる。入力データレベルが170〜255までは中ドットの割合が減少して大ドットの割合が増加し、入力データレベル255で大ドットの割合が100%となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
誤差拡散法は、階調性に優れているが、量子化出力値の切り替り部に視覚的な段差が生じてしまう。以下、256階調(各画素を8ビットで表現)から4値の誤差拡散、すなわちM=256、N=4として説明する。誤差拡散後の4値量子化出力値をO1(ドットオフまたは空孔)、O2(小ドット)、O3(中ドット)、O4(大ドット)とし、各4値量子化出力値の階調を0、85、170、255とし、閾値を各出力値の中間、43、128、213とする。ここでは、O1(ドットオフ)を白、O4(255)を黒とするが、その逆であってもよい。
【0012】
階調値が0から128へ変化するグラデーション画像に対して誤差拡散処理を行った場合、入力値の階調が85未満であればO1(ドットオフ)とO2(小ドット)で階調が表現される。入力値の階調が85の場合、O2(小ドット)が埋め尽くされることにより表現される。入力値の階調が86以上であればO2(小ドット)とO3(中ドット)で表現される。
【0013】
図3は、階調値が0から128へ変化するグラデーション画像に対して単純4値誤差拡散処理を行った結果を示す。グラデーションの変化の割合と処理方向によっては図3に示すように、入力値の階調が86において、O3(中ドット)の出力が遅れ、出力値O2(小ドット)で埋め尽くされる領域が広がってしまう。同様に、このような現象は階調値が128から0へ変化するグラデーション画像に対して誤差拡散処理を行った場合も、入力値の階調が84において、O1(ドットオフ)の出力が遅れ、出力値O2(小ドット)で埋め尽くされる領域が広がってしまう。
【0014】
N値誤差拡散の量子化出力値と入力値が同じである場合、つまり、上記した例では入力の階調値が0、85、170、255である場合、それぞれO1(ドットオフ)、O2(小ドット)、O3(中ドット)、O4(大ドット)を埋め尽くすことにより表現され、この領域では他の出力値と混じることがないため画像の周波数特性が均一になり粒状性がよい。これに対して、他の領域では、N値量子化出力値の組合せによって階調が表現され、これらの領域では2つの出力値が混在するため画像の周波数特性が乱れた状態になる。つまり、入力値が0から128へ変化するグラデーション画像においては、入力の階調値が85である箇所のみが、他の階調よりも粒状性が良好となるために違和感が生じる。
【0015】
入力の階調値が0や255である場合も同様に粒状性が良好となるが、入力の階調値が85や170の場合と異なる。入力の階調値が0から128へ変化する場合、階調値85近傍の粒状性の変化は、
乱れた画像 → 均一な画像 → 乱れた画像
と変化し、均一な画像が乱れた画像に挟まれることにより視覚しやすい。このように、量子化出力値の切り替り部(階調値85、階調値170)に階調段差、いわゆる擬似輪郭が生じる。
【0016】
これに対して、階調値0の近傍では粒状性の変化は、
均一な画像 → 乱れた画像
となり視覚しにくい。つまり、白地(階調値0)またはべた部(階調値255)の近傍領域では、人間の視覚的先入観により違和感は生じにくい。階調値0近傍(階調値1)では、粒状性の違和感が問題ではなく、階調値1のドット出現の遅れによって、白地領域が増えてしまうという、誤差拡散処理におけるドット生成の遅れが問題となる。
【0017】
前述したように、図3の階調値85、86では、出力値O2(小ドット)で埋め尽くされている。本来ならば、階調値86では多くのO2(小ドット)といくらかのO3(中ドット)が出力されることにより、階調値86の濃度が再現されるが、図3の画像ではO3(中ドット)が出力されていない。このように、4値量子化出力値の切り替り部でのドット生成の遅れによっても、階調値85の切り替り部に階調段差(擬似輪郭)が生じ、画質を低下させている。階調値170においても同様に切り替り部に段差が生じる。
【0018】
一般に、N値誤差拡散法では、粒状性が特異的に良好になり、違和感が生じる箇所は、白地、べた部を除いてN−2箇所となる。この箇所(N値量子化出力値の切り替り部)に生じる段差が画像品質を低下させている。
【0019】
上記したようなドット生成の遅れに対処した従来技術として、例えば濃度に応じて閾値を変化させ、2値誤差拡散におけるハイライト部でのドット生成遅れや、べた部での空孔生成の遅れをなくした画像処理装置がある(特開平7−111591号公報を参照)。また、多値誤差拡散におけるドット生成遅れをなくし、鮮鋭性を向上させたものとして、例えば特開平10−257302号公報に記載された技術もある。
【0020】
上記した従来の技術では、何れもドット生成の遅れによる画像のひずみ問題を解決しているが、多値誤差拡散処理において、N値量子化出力値の切り替り部でのドット生成の遅れによる、画像品質の低下問題について、特に考察していない。
【0021】
そこで、このような量子化出力値の切り替り部に対して、ノイズを加算し、中ドットとドットオフを出現させることにより段差(擬似輪郭)を目立たなくする試みがなされている。図4は、4値誤差拡散処理時に±32の振幅をもつ乱数を、階調値85へ加算した結果を示す。
【0022】
しかし、このような方法では、階調値85には、階調値86、87よりも多く中ドットが出現することから階調が逆転してしまい、また乱数を加算しているため、ドットオフ、中ドットの出現位置が乱れて粒状性が悪く、さらに乱数を用いるため高速処理に適していないという問題がある。
【0023】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、誤差拡散処理において、量子化出力値の切り替り部に生じる階調段差(いわゆる擬似輪郭)を目立たなくし、またハイライト部近傍、べた部近傍でのドット生成の遅れをなくして、再生画像の画質向上を図った画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、誤差拡散処理において、M階調の入力を、階調段差が生じる箇所によって複数の区間に分割し、分割された各区間で、入力の階調値に応じて閾値を変化させることにより、量子化出力値の切り替り部近傍でのドット生成の遅れをなくして、再生画像の画質向上を図った画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、誤差拡散処理において、入力の階調値に応じて閾値を変化させたときの鮮鋭性の低下を防止し、鮮鋭な画像を再生する画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明では、4値誤差拡散処理において、量子化出力値の切り替り部で発生する擬似輪郭を解消するために、量子化出力値85の近傍階調84、86の画像の空間周波数より低周波となるデータを量子化出力値85に重畳する。
【0027】
M階調から2値へ量子化する誤差拡散処理において、量子化出力値の近傍において、画像空間上で低周波となるドットまたは白ドットを発生させるようにデータを加減算する。
【0028】
M階調から2値へ量子化する誤差拡散処理において、量子化出力値の近傍において、画像空間上で低周波となるデータを入力値または閾値に加減算する。
【0029】
M階調からN値(M>N>2)へ量子化する誤差拡散処理において、量子化出力値またはその近傍において、画像空間上で低周波となるドットを発生させるようにデータを加減算する。
【0030】
M階調からN値(M>N>2)へ量子化する誤差拡散処理において、量子化出力値またはその近傍において、画像空間上で低周波となるデータを入力値または閾値に加減算する。
【0031】
M階調からN値(M>N)へ量子化する誤差拡散法において、量子化出力値O1、O2、O3、…Oa、…、Onの内、ある量子化出力値Oaに対して近傍階調Oa−1、近傍階調Oa+1の画像の空間周波数より低周波となるノイズを量子化出力値Oaに重畳することにより擬似輪郭発生を解消する。
【0032】
量子化出力値Oaに重畳する画像空間上で低周波となるデータは、量子化出力値Oa近傍の階調値Oa−1より低周波で発生するデータと階調値Oa+1より低周波で発生するデータの重ね合わせたものである。これにより、ノイズを加算した結果Oaの濃度がOa−1の濃度より低くなり、階調の逆転現象が起きず、Oaの濃度がOa+1の濃度より高くなり、階調の逆転現象が起きない。
【0033】
量子化出力値近傍に重畳する画像空間上で低周波となるデータは、量子化出力値近傍の階調値O1+1、O2−1、O2+1、O3−1、O3+1、…、Oa−1、Oa+1、…、On−1の内、ある階調値Oa−1に対して近傍の階調値Oa−2より低周波で発生するデータ、または階調値Oa+1に対して近傍の階調値Oa+2より低周波で発生するデータである。これにより、ノイズを加算した結果Oa−1の濃度がOa−2の濃度より低くなり、階調の逆転現象が起きず、Oa+1の濃度がOa+2の濃度より高くなり、階調の逆転現象が起きない。
【0034】
量子化出力値Oaに重畳する画像空間上で低周波となるデータは、量子化出力値Oaに対してM画素あたりにN−1個以下の量子化出力値Oa−1と、M画素あたりにN−1個以下の量子化出力値Oa+1を出現させるデータである。これにより、量子化出力値Oaに重畳する低周波ノイズの上限が設定される。
【0035】
量子化出力値Oaに対して減算することにより量子化出力値Oaに対してM画素あたりにN−1個以下の量子化出力値Oa−1を出現させ、量子化出力値Oaに対して加算することにより量子化出力値Oaに対してM画素あたりにN−1個以下の量子化出力値Oa+1を出現させる。これにより、量子化出力値Oaに量子化出力値Oa−1を出現させるためのノイズが設定され、量子化出力値Oaに量子化出力値Oa+1を出現させるためのノイズが設定される。
【0036】
量子化出力値近傍に重畳する画像空間上で低周波となるデータは、量子化出力値Oaの近傍の階調値をOa−b+1、Oa−b、Oa−b−1、…、Oa−2、Oa−1、Oa、Oa+1、Oa+2、…、Oa+b−1、Oa+b、Oa+b+1とするとき、ある量子化値Oaからb階調離れたOa−bに対してM画素あたりにb(N−1)個以下の量子化出力値Oa−1、またはあるOa+bに対してM画素あたりにb(N−1)個以下の量子化出力値Oa+1を出現させる。これにより、量子化出力値Oa±1に重畳する低周波ノイズの上限が設定される。
【0037】
近傍階調値O1+2より低周波で発生するデータにより量子化出力値O1+1に出現するO1の個数と、近傍階調値O2−2より低周波で発生するデータにより量子化出力値O2―1に出現するO2の個数を等しくする。
【0038】
低周波のデータはOa−1、Oa+1を出現させる位置を規定した行列で配置する。また、行列を複数用意し、乱数により選択することにより出現位置を発生させる。行列を回転させてから出現位置を発生させ、行列を対称変換させてから出現位置を発生させる。行列を複数用意し、出力する色で選択することにより、出現位置を発生させる。これにより、マスクで規定したドット出現位置を変動させることができる。
【0039】
本発明では、2値誤差拡散処理において、量子化出力値0、255の近傍、すなわちハイライト部近傍に良好にドットを出現させ、または、べた部近傍に良好にドットオフ(空孔)を出現させるためのノイズを重畳し、ハイライト部近傍、べた部近傍のドット生成の遅れを解消する。
【0040】
本発明では、M階調をN値(M>N)へ量子化する誤差拡散法において、M階調をN−1個の区間に分割し、ある区間nでの閾値Tnを、区間nに入力された入力値に応じて変化させることにより、各区間の始点や終点近傍において発生するドット生成の遅れを解消する。
【0041】
M階調からN値(M>N)へ量子化する誤差拡散法において、M階調をN−1個の区間に分割し、少なくとも1つの区間において区間内の閾値間隔をほぼ同一にする。これにより、特定の区間のみ濃度に応じて閾値を変動させ、その区間の始点や終点近傍において発生するN値量子化出力値の切り替り部の遅れを解消し、画像品質を良好にする。他の区間では固定の閾値を設定することにより、処理を高速化する。
【0042】
上記した少なくとも1つの区間において、指定した1つの閾値式を基に同一区間内の別閾値を作成する。これにより、区間n1の量子化出力値Oa、Obの出力を判別する閾値Thrn1OaObを濃度に応じて変動させ、その変動させる導出式を、区間n1の量子化出力値Ob、Ocの出力を判別する閾値Thrn1ObOcの条件に当てはめた導出式が作成される。
【0043】
上記した少なくとも1つの区間において、指定した1つの閾値式を同一区間内の別閾値へ同一レベルで作成する。これにより、ある区間のある閾値を濃度に応じて変動させ、その変動させる導出式に必要な条件を、他の閾値の条件に当てはめた導出式が作成される。
【0044】
上記した少なくとも1つの区間において、指定した1つの閾値式を同一区間内の他の閾値にシフトする。これにより、ある区間のある閾値を濃度に応じて変動させ、その変動させる導出式に定数を加算し、他の閾値の条件に当てはめた導出式が作成される。
【0045】
上記した少なくとも1つの区間において、指定した1つの閾値式を基に、他の区間の閾値を作成する。これにより、区間n1の量子化出力値Oa、Obの出力を判別する閾値Thrn1OaObを濃度に応じて変動させ、その変動させる導出式を、他の区間n2の量子化値Oa、Obの出力を判別する閾値Thrn2OaObに適用して作成することができる。
【0046】
上記した少なくとも1つの区間においては、階調値とともに増加する閾値または階調値の増加に対して同一の閾値である。ある区間のある閾値を濃度に応じて変動させ、その変動させる導出式は濃度の増加と共に増加する。または、濃度の変動に対して閾値は固定である。
【0047】
本発明では、M階調をN−1個の区間に分割し、ある区間nでの閾値Tnを、区間nに入力された入力値に応じて変化させた場合に生じる鮮鋭性の劣化を、画像のエッジ度合いに応じて閾値を制御することにより解消する。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明する。まず、本発明が適用される、例えばインクジェット記録装置、レーザプリンタについてその概略を説明する。
【0049】
図5は、インクジェット記録装置の機構部を示す。インクジェット記録装置は、フレーム21に横架したガイドレール22,23に移動可能に載設されたキャリッジ24にインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)25を搭載し、図示しないモータ等の駆動源によってキャリッジ24を矢示方向に移動して走査(主走査)可能とするとともに、ガイド板26にセットされる用紙27を、図示しない駆動源によってドライブギヤ28及びスプロケットギヤ29を介して回動される送りノブ30aを備えたプラテン30に取込み、プラテン30周面とこれに圧接するプレッシャローラ31とによって搬送し、記録ヘッド25によって用紙27に印字記録する。
【0050】
記録ヘッド25は、図6に示すように、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各インクをそれぞれ吐出するための4個のインクジェットヘッドK、Y、M、Cや、図7に示すように、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)及びライトシアン(LC)の各インクをそれぞれ吐出するための7個のインクジェットヘッドK、Y、M、C、LY、LM、LCを主走査方向の同一線上に配置して構成している。その構成によってはインクの数を増減させてもよい。具体的には、ハイライト部でイエローのドットは目視しにくいのでライトイエローを省いて(コストダウン)も良いし、ライトブラックや、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の濃度を3段、4段に分けた構成にして、高画質を実現した記録ヘッドでもよい。各インクジェットヘッドは、例えば圧電素子、気泡発生用ヒータ等のエネルギー発生手段であるアクチュエータを選択的に駆動して、液室内のインクに圧力を与えることによって、この液室に連通するノズルからインク滴を吐出飛翔させて、前記用紙27に付着させることで画像を記録する。ここでアクチュエータの駆動信号を多数用意することにより、1ノズルから吐出されるインク量を制御することが可能となり、用紙上で大小ドット、大中小ドットなど多階調表現が可能となる。
【0051】
図8は、インクジェット記録装置の制御部を示す。インクジェット記録装置の制御部は、印字制御手段を兼ねた印字制御部31、記録ヘッド25の各ヘッドK,Y,M,Cの各アクチュエータを駆動するヘッド駆動部32、キャリッジ24を駆動制御するキャリッジ駆動制御部33、プラテン30を回転駆動するラインフィード駆動制御部34等からなる。印字制御部31は受信した画像データに基づいてヘッド駆動部32を介して各ヘッドK,Y,M,Cから所定の色のインクを吐出(噴射)させて画像データに応じた画像を記録させるが、キャリッジ24の往動(往路)及び復動(復路)で予め定めた色のインクのみが噴射制御される。
【0052】
図9は、電子写真方式の画像形成部であるレーザプリンタを示す。レーザプリンタ40は、感光体ドラム41を用いて画像の再生を行う。感光体ドラム41の周囲には、一連の静電写真プロセスを行うユニット、即ち、帯電手段としての帯電チャージャ45、光書き込みユニット43、現像ユニット44、転写ドラム42、クリーニングユニット46などが配置されている。光書き込みユニット43には図示しない半導体レーザ(レーザダイオードLD)が備えられ、このLDが発するレーザ光は偏向走査手段としての回転多面鏡43bにより主走査方向に偏向走査されてレンズ43c、ミラー43d及びレンズ43eを経て感光体ドラム41の表面に結像される。回転多面鏡43bはポリゴンモータ43aにより高速で定速回転駆動される。
【0053】
図示しない画像制御部は、多階調の画像信号により駆動されるLDの発光タイミングが回転多面鏡43bのレーザ光偏向走査と同期するようにLDの駆動信号を制御し、つまり、感光体ドラム41上を所定の光書き込み開始位置からレーザ光で主走査方向に走査するようにLDの発光を制御する。感光体ドラム41は、予め帯電手段としての帯電チャージャ45によるコロナ放電で一様に高電位に帯電された後に、光書き込み手段としての光書き込みユニット43からのレーザ光により露光されて静電潜像が形成される。この感光体ドラム41上の静電潜像は現像手段としての現像ユニット44により可視像化される。
【0054】
現像ユニット44は、例えば感光体ドラム41上の静電潜像を各々マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)各色の画像に顕像化する4組の現像器M,C,Y,Bkを備えている。現像器M,C,Y,Bkはいずれか一つが選択的に付勢されて現像動作を行い、感光体ドラム41上の静電潜像はM、C、Y、Bk各色のいずれか一色のトナー像に顕像化される。
【0055】
一方、給紙装置としての給紙カセット51に収納された転写紙は、給紙コロ52で繰り出され、レジストローラ53によりタイミングを取って転写ドラム42の表面に送り込まれ、転写ドラム42の表面に吸着されて転写ドラム42の回転に伴って移動する。感光体ドラム41上のトナー像は転写手段としての転写チャージャ47により転写ドラム42上の転写紙に転写される。
【0056】
単色コピーモードの場合には、単色の作像プロセスが行われ、光書き込みユニット43のLDがその単色の画像信号で変調されて感光体ドラム41上にその単色のトナー像が形成され、このトナー像が転写紙に転写された後に転写紙が転写ドラム42から分離される。この転写紙は、定着器49でトナー像が定着され、排紙トレイ50に排紙される。また、フルカラーモードの場合には、Bk、M、C、Y各色の画像を感光体ドラム41上に順次に形成する各色の作像プロセスが順次に行われ、感光体ドラム41上に順次に形成されたBk、M、C、Y各色の画像が一枚の転写紙上に重ねて転写される。
【0057】
この場合は、まず、光書き込みユニット43のLDがBk画像信号で変調されて感光体ドラム41上にBkトナー像が形成され、このBkトナー像が転写ドラム42上の転写紙に転写された後に、転写紙が転写ドラム42から分離されることなく、光書き込みユニット43のLDがM画像信号で変調されて感光体ドラム41上にMトナー像が形成され、このMトナー像が転写ドラム42上の転写紙にBkトナー像と重ねて転写される。
【0058】
更に、光書き込みユニット43のLDがC画像信号で変調されて感光体ドラム41上にCトナー像が形成され、このCトナー像が転写ドラム42上の転写紙にBkトナー像、Mトナー像と重ねて転写された後に、光書き込みユニット43のLDがY画像信号で変調されて感光体ドラム41上にYトナー像が形成され、このYトナー像が転写ドラム42上の転写紙にBkトナー像、Mトナー像、Cトナー像と重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成される。Bk、M、C、Y各色のトナー像の転写が全て終了すると、転写ドラム42上の転写紙は分離チャージャ48により転写ドラム42から分離されて定着器49でトナー像が定着された後に排紙トレイ50に排出される。
【0059】
以上、作像動作を説明したが、本発明に係るカラー画像形成装置は上記した構成に限定されず、転写ドラム42に代えて中間転写ベルト等の中間転写体を用い、Bk、M、C及びYの4色のトナー像を色毎に感光体ドラムに形成して、順次に中間転写体に重ね合わせて転写した後、トナー像を中間転写体から転写紙に一括して転写する方式などでもよい。また、単色のみ、Bkトナーのみを搭載した構成でもよい。
【0060】
次に、LD多値変調について説明する。1ドット多値出力を行うLD多値変調方式としては、パルス幅変調(PWM)方式と光強度変調(PM)方式がある。図10(a)、(b)は、光強度変調方式とパルス幅変調方式における光波形とドットパターンを示す。以下、これらの変調方式について説明する。
【0061】
光強度変調方式は、中間露光領域を利用して中間調記録(中間調画像形成)を実現するために、画像形成プロセスの安定化が重要な要件であり、画像形成プロセスに対する要求が厳しくなる。しかしながら、光強度変調方式はLD制御変調が簡易となる。即ち、光強度変調方式は、図10(a)に示すように、光出力レベル自身を変化させて光書き込みを行う方式であり、各ドットパターンが図10(a)の上側に示すようなパターンで出力される。この方式は、LDの制御変調部を簡便かつ小型に構成することができるが、中間露光領域を利用して中間調画像を再現しようとするため、現像バイアスの安定化など画像形成プロセスの安定化への要求が厳しくなる。
【0062】
パルス幅変調方式は、図10(b)に示すように、光出力レベルとしては2値であるが、その発光時間、つまりパルス幅を変化させて光書き込みを行う方式であり、各ドットパターンが図10(b)の上側に示すようなパターンで出力される。この方式は、基本的には2値光書き込みであるので、光強度変調方式に比べて中間露光領域の利用度が少なく、また更に隣接ドットを結合させることにより中間露光領域を一層低減させることが可能になり、画像形成プロセスに対する要求を低減することができる。上記したいずれのLD多値変調方式であっても、電子写真プロセスにおいて多値出力が可能となる。
【0063】
次に、本発明の原理となる(1)マスク加算法、(2)閾値傾斜法、(3)エッジ閾値変動法について詳述する。
【0064】
(1)マスク加算法
前述したように、4値誤差拡散処理(量子化出力値:0、85、170、255)では、量子化出力値の切り替り部(85、170)に階調段差、いわゆる擬似輪郭が発生するという、画質上の問題点がある。
【0065】
そこで、本発明では、後述するように、量子化出力値の切り替り部に発生する擬似輪郭を目立たなくするために、切り替り部にマスクノイズを重畳する。
【0066】
以下、ノイズを加算する手法について詳述する。本発明の4値誤差拡散において、前述したと同様に、量子化出力値を0、85、170、255として、それぞれをドットオフ(空孔)、小ドット、中ドット、大ドットとし、閾値を43、128、213とする。階調段差が問題となる箇所は、出力値と同じ階調値が入力される階調値85、170の2箇所(量子化出力値の切り替り部)である。階調値85における問題は、階調値170においても同様であるため、以下、階調値85について説明する。
【0067】
階調値84、85、86の階調表現において、256画素当たりに出現するドットは、確率的に図11に示すようになる。すなわち、階調値84ではドットオフと253個の小ドットにより階調表現され、階調値86では253個の小ドットと3個の中ドットにより階調表現される。
【0068】
前述したように、階調値85に対してノイズ(乱数)を加算し、中ドットとドットオフを出現させることで段差を目立たなくする場合には、階調値86、87よりも多く中ドットが出現し、階調が逆転してしまう。
【0069】
そこで、本発明では、階調値85のドット発生個数が階調値84におけるドットオフの数と階調値86における中ドットの数を超えないように出現頻度を規定したものであればドットによる画像の空間周波数の連続性から好ましい。図12は、ドットの出現位置とその個数を規定する16×16サイズのマスクの例を示す。
【0070】
すなわち、図12は、階調値85に出現させるドットオフの個数と中ドットの個数とその位置を規定したマスクノイズである。図において、階調値85では、0は小ドットを、1は中ドットを、−1はドットオフを示し、階調値84に出現するドットオフ3個より少ない2個のドットオフ(−1)を階調値85に出現させ、階調値86に出現する中ドット3個より少ない2個の中ドット(1)を階調値85に出現させている。
【0071】
また、図12のようなマスク形状にしたノイズであれば出現位置も規定することができる。これにより、階調値85が連続で入力された場合に最適なドット配置を設計することができる。例えば、図12では階調値85に中ドットとドットオフをそれぞれ2個出現させるので、階調値85が連続で入力された場合には、図13のように各ドットを45°に配置することができ、粒状性の良い画像になる。
【0072】
上記したように出現個数を規定することにより階調の反転を防ぐことができる。しかしながら、乱数を重畳する場合のように他の階調と比較して粒状性が大きく劣化するようなノイズであっては効果がなくなる。一般に、人間が見た画像の粒状性の代用特性として、画像の空間周波数特性に、人間の視覚特性(VTF)を乗算した結果で表すことができる。そこで、本発明のマスク処理による効果を画像の空間周波数で説明する。
【0073】
図14は、4値誤差拡散処理後の階調値84、85、86の画像の空間周波数である。図15は、4値誤差拡散処理後の階調値84、85、86の画像の空間周波数に人間の視覚特性(VTF)を乗算した結果である。階調値84と86はほぼ同じ曲線(周波数特性が乱れた曲線)となるが、階調値85はそれらより低い周波数特性(均一な特性)をもっている。
【0074】
図16は、4値誤差拡散処理後の階調値84、85の画像の空間周波数と、4値誤差拡散時に階調値85にマスクノイズの加算処理を行った画像の空間周波数である。マスクノイズ加算処理を行った画像は、階調値85の持つ空間周波数のグラフにないピークや低周波成分を多く含んでいる。このピークは重畳したマスクノイズのドット配置に起因するものである。図17は、図16に示す画像の空間周波数に人間の視覚特性(VTF)を乗算した結果である。人間は低周波成分を認識しやすく、マスクノイズを重畳したことにより、階調値85には存在しなかった低周波成分が多く含まれるようになる。一部ピークを持つために隣接階調84より超えた値を持つが、概ね階調値84より低い値をとることになり、階調値84より粒状性がよい画像である。このように、量子化出力値の切り替り部に重畳するノイズは、ノイズを重畳した結果の階調値85の画像の空間周波数が、階調値85の前後の階調値84、86の持つ画像の空間周波数より低くなるようにしなければならない。
【0075】
上記したマスクノイズは、量子化出力値の切り替り部だけではなく、その近傍にも重畳させることが可能であり、これにより階調段差の抑制が可能となる。すなわち、例えば階調値84(階調値85の近傍)には、階調値83の画像が持つ空間周波数より低周波となるノイズを加算し、階調値86(階調値85の近傍)には、階調値87の画像が持つ空間周波数より低周波となるノイズを加算する。図18は、4値誤差拡散処理において、階調値84へ加算するマスクを示し、図19は、階調値86へ加算するマスクを示す。階調値84へは、減算のみのノイズ(−O2はドットオフ、0は小ドット)、階調値86へは、加算のみのノイズ(O2は中ドット、0は小ドット)となる。さらに、階調の反転現象が生じない理想的な出現個数を持つマスクを設計し、85±2(83ではドットオフを6個出現、87では中ドットを6個出現させる)...へも適用できる。
【0076】
なお、上記した例では、マスクサイズが16×16であったが、これに限定されず、2のべき乗であればよい。また、ノイズの出現位置も上記したものに限定されず、任意の位置でよい。
【0077】
また、上記した行列マスクでは、階調値85に出現するノイズ位置が規定されている。階調値84では誤差拡散処理によりドットオフと小ドットの出現位置が揺らいでいるが、階調値85ではドットオフ、小ドット、中ドットが行列マスクで規定した位置に整列してしまう。画像によっては階調値85が広く連続で入力される場合もあり、この領域のみ、ドットが整列した状態になり違和感が生じる。これは、マスク内でドット出現位置が限定されているからであり、そこで、ドット出現位置が異なるマスクを複数用意し、これを選択することによりドット出現位置を変動させることが可能となる。具体的には、複数のマスクを乱数で選択したり、1つのマスクを回転や対称変換させてから出現位置を発生させても同様の効果がある。また、カラー画像ではCMYK版に色分解して出力するので(誤差拡散処理も各色成分について行う)、マスクを複数用意し、版に応じてマスクを選択することにより、版毎にドット出現位置を変動させることが可能となる。
【0078】
また、上記した例では、階調値85にドットオフと中ドットがそれぞれ均等に2個出現するようなマスクを示したが、プリンタの特性(ドットの見え方、いわゆるドットゲイン)によっては、ドットオフと中ドットを均等に出現させない方がよい場合があるので、図20に示すようなドットオフ(−O2)1個、中ドット(O2)2個を出現させるようなマスクノイズを階調値85に重畳させてもよい。
【0079】
誤差拡散処理において、上記したノイズを重畳する場合に、入力値に重畳する場合と閾値に重畳する場合が考えられる。
【0080】
入力値に重畳する場合には、
階調値85;
入力値+(マスク処理の結果×85)
=85+(1×85)=170
85+(0×85)=85
85+(−1×85)=0
階調値170;
入力値+(マスク処理の結果×85)
=170+(1×85)=255
170+(0×85)=170
170+(−1×85)=85
となる。
【0081】
このように、マスク処理の結果で入力値を補正することにより、階調値85に中ドット、ドットオフを出現させ、入力値170に小ドット、大ドットを出現させるような大きなノイズが加算される。このノイズ加算値は確実にドットを発生させる大きさであり、かつ誤差値への影響が出ないような値に設定する必要がある。
【0082】
閾値にノイズを重畳する場合も同様に、多値量子化に必要な各閾値(43、128,213)に85を加減算すればよい。170(中ドット)を出現させたい場合は各閾値から85を減算し、閾値を低くすることで170(中ドット)を出現させ、0(ドットオフ)を出現させたい場合は各閾値へ85加算し、閾値を高くすることで0(ドットオフ)を出現させればよい。閾値を大きく変動させて中ドット、ドットオフ、大小ドットを出現させた場合、出力結果の位置に大きな誤差を残し、周辺画素に影響を与えることになる。
【0083】
図21は、入力値を補正した場合を示す。図21に示すように、入力値を補正した場合には、マスクで規定した位置に適切にドットが出現する。従って、インクジェットプリンタのように、大中小ドットや濃淡インクなど所望の多値量子が安定して出力可能な場合には特に有効である。
【0084】
図22は、閾値を補正した場合を示す。閾値を補正した場合は、所定の位置に他の階調値が出現するが、大きな誤差を注目画素位置に残すことになり、残った誤差により別の階調値が出現する。従って、電子写真のように、中ドットにドットオフを隣接させたほうがエッジ効果で中ドットが安定して出力する(画像が安定する)ような場合に適している。
【0085】
なお、上記した(マスク処理の結果×85)の演算を簡単化するために、図23に示す入力値を補正するマスクを用いればよい。つまり、図21に示すような画像を得るためには、図23に示すマスクを入力値に加算するだけでよく、高速処理が可能となる。図23のようなマスクで規定したノイズを加算することから、本発明の手法をマスク加算法と呼ぶ。
【0086】
図3は、階調値0から128へ変化するグラデーション画像に対して4値誤差拡散を行った画像の階調値85近傍の拡大図である。図24は、図3の画像にマスク加算処理を行った結果(階調値85近傍の画像)を示す。マスクで規定したノイズを重畳することで、量子化出力値の切り替り部に発生する擬似輪郭を抑制することができる。
【0087】
マスク加算法は、ハイライト部近傍、べた部近傍のドット生成の遅れをなくすることができる。すなわち、マスクノイズは、2値誤差拡散処理において、階調値1のドット生成の遅れや、階調値254での空孔(ドットオフ)の生成の遅れに対しても有効なノイズとなる。
【0088】
階調値1に対しては階調値2の画像が持つ空間周波数より低周波となるノイズを加算することにより、ドット生成の遅れをなくする。図19は、入力値に加算するマスクノイズを示し、O2の位置に大ドットを出現させる。0の位置はドットオフの出現位置である。
【0089】
また、階調値254に対しては階調値253の画像が持つ空間周波数より低周波となるノイズを加算することにより、ドットオフ生成の遅れをなくする。図18は、入力値に加算するマスクノイズを示し、−O2の位置にドットオフを出現させる。0の位置は大ドットの出現位置である。
【0090】
図25、26は、階調値1と2に対して、2値誤差拡散処理を行った結果である。何れの画像も画面左上にドット生成の遅れが生じている。これに対して、図27は、階調値1に対して2値誤差拡散処理とマスク加算処理を行った結果である。図27では、図25、図26に比べてドット生成の遅れが少なくなっている。なお、図26のドット生成の遅れが画像設計上、好ましくない場合には、階調値2に対してもマスク処理を行うことによりドット生成の遅れがなくなる。
【0091】
図28は、階調値1の画像、階調値2の画像、階調値1にマスク処理を行った画像の空間周波数に、視覚特性(VTF)を乗算した結果を示す。階調値1の画像の持つ空間周波数特性よりも階調値2の方が低周波成分を多く含んでいる。階調値1にマスク処理を行った画像の持つ空間周波数特性は、階調値1よりは低周波成分を多く含むことになるが、階調値2の空間周波数特性よりは低くなっている。なお、階調値1や階調値254に加算するノイズにより出現するドットオフ(空孔)、ドットの個数は、それぞれ等しくすることが画像設計の観点から望ましい。
【0092】
図24において、階調値85では適切なノイズを重畳することにより、ドットオフと中ドットが混在して切り替わり部の段差を目立たなくしているが、階調値86では、小ドットで埋め尽くされており、この領域が擬似輪郭となっている。
【0093】
本発明では、マスク加算法と後述する閾値傾斜法とを併用することにより、切り替り部の段差をより一層目立たなくする。以下、本発明に係る閾値傾斜法について詳述する。
【0094】
(2)閾値傾斜法
図24は、階調値0から128へ変化するグラデーョン画像であるが、階調値86において中ドットの出現が遅れ、階調値86に擬似輪郭が生じている。階調値128から0へ変化するグラデーション画像である場合には、階調値85にはマスク加算法により適切にドットオフと中ドットが出現するが、階調値84においてドットオフの出現が遅れ、階調値84に擬似輪郭が発生してしまう。同様に、階調値170の近傍階調値169、171においてもドット生成の遅れによる擬似輪郭が生じてしまう。さらに、階調値1における小ドット生成の遅れや階調値254における中ドット生成の遅れも同様の遅れ問題である。そこで、量子化出力値周辺で、ドット生成が遅れないような処理について、以下説明する。
【0095】
誤差拡散処理における遅れ量を制御するパラメータを求めることで、量子化出力値の遅れ量を制御することを考える。図29は、階調値1/255画像を4種類の誤差拡散マトリクスを用いて4値誤差拡散処理した結果を示す。量子化出力値は0、85、170、255、閾値を43、128、213とした。誤差拡散マトリクスによって誤差の伝播方向が異なるだけで、いずれの誤差拡散マトリクスにおいても約42ピクセル程度、遅れて小ドットが出現していることが分かる。
【0096】
図30は、図29の処理において閾値を10、128、213とした場合の処理結果である。図30の場合、いずれの誤差拡散マトリクスにおいても約9ピクセル程度遅れて小ドットが出現していることが分かる。入力画像が階調値2/255画像であれば誤差が2倍速く溜まりドットが出やすくなるので遅れ量が少なくなる。このように誤差拡散処理において閾値を操作することによって遅れ量を制御することができる。
【0097】
一般的に、閾値を各量子化出力値0、85、170、255の中間に設定するが、誤差拡散処理においては閾値をどのように設定してもドット出現の遅れ量が変わるだけであり、誤差が伝播しているので濃度は保存される。そして、遅れ量は、閾値÷入力値の値で近似されることが分かった。
【0098】
図31は、実際に、グラデーション画像における階調値86の中ドットの遅れ量を求めたものである。4値化に必要な閾値をThrl、Thr2、Thr3とし、補正入力値をsumとし、階調値86、171での遅れ量は、階調値1での遅れ量と同じであるから
階調値1:Thrl÷sum
となる。階調値84でのドットオフ、階調値169での小ドットや階調値254での中ドットの遅れ量も同様に閾値と入力値によって設定することが可能となる。そこで、図32のように階調値86や84で遅れ量をaピクセルとしたい場合に、図33のように入力値を複数の区間に分け、区間の始点近傍を所定の閾値から下げ、区間の終点近傍を上げ、その2点間を直線で結ぶことにより、閾値が得られる。ここでは、4値出力であるので、図33のように3区間に分割している。N値誤差拡散処理では、遅れが発生する箇所が量子化出力値の切り替わり部であるからN−2箇所となる。従って、入力値を(N−1)個に分割して、区間の始点では閾値を低くしてドットを出現しやすくし、区間の終点では閾値を高くしてドットを出現しにくくする。
【0099】
遅れ量aを0とした場合は階調値86になると同時に中ドットが出現しやすくなるが、この場合、画像によってはマスク加算処理によって出現するドットオフや中ドットに隣接する可能性があり、好ましくない。また、階調値85ではマスク加算処理によって主走査方向に16ピクセル間隔で中ドットが出現しているので、階調値86になってから17ピクセル以上遅れて中ドットが出現することは好ましくない。そこで遅れ量aは6〜12ピクセル程度が好ましい。
【0100】
ところで、図33に示すような入力値に応じて増加するような閾値を用いて誤差拡散処理を行った場合、鮮鋭性が劣化することがある。例えば、遅れ量aを6ピクセルと小さくすると、区間内で閾値の傾きが急になり、鮮鋭性が劣化する傾向がある。後述するエッジ閾値変動法のような鮮鋭性を制御する機構(機能)を持つ誤差拡散処理の場合には、遅れ量aを任意設定することができるが、鮮鋭性制御機構を搭載しない誤差拡散処理の場合には遅れ量と鮮鋭性劣化を考慮する必要がある。
【0101】
図33に示すように、階調値85、170はマスク加算処理により規定の位置に所望のドットが出現しやすいように固定閾値と同じ値に設定し、区間の始点近傍では固定閾値より低く設定し、区間の終点近傍では固定閾値より高く設定し、入力値に応じた傾斜閾値に設定した。図34は、マスク加算法と図33の閾値とを用いて処理した結果を示し、量子化出力値の切り替り部の段差が抑制されている。本発明では、図33のような傾斜した閾値を用いることから、ここでは閾値傾斜法と呼ぶ。
【0102】
以下、ドット出現の遅れがない、幾つかの閾値特性の例について説明する。
【0103】
前述したと同様に、256階調から4値の誤差拡散後の4値量子化出力値をO1、O2、O3、O4とし、各4値量子化出力値の階調を0、85、170、255とし、閾値を各出力値の中間を、43、128、213とする。一般的な4値誤差拡散処理の閾値と入力値の関係は、図35に示すように固定閾値になるが、入力値の区間をN−1=4−1=3個に、0〜85、86〜170、171〜255の3区間に分割し、各区間を区間1、区間2、区間3とする。
【0104】
区間1において出現する量子化出力値はO1、O2のみであり、O1、O2の出現を判別する閾値をThr1O1O2とする。同様に、区間2において量子化出力値O2、O3の出現を判別する閾値をThr2O2O3、区間3における量子化出力値O3、O4の出現を判別する閾値をThr3O3O4とする。
【0105】
前述したように、ドット出現の遅れは、区間の始点近傍、終点近傍で生じる。区間1の始点近傍における量子化出力値O2の遅れ対策として、閾値Thr1O1O2を量子化出力値O1、O2の中間に設定していた値より低くすることでドットが出力しやすくなる。同様に、区間1の終点近傍における量子化出力値O1の遅れ対策として、閾値Thr1O1O2を量子化出力値O1、O2の中間に設定していた値より高くすることでO2が出現しにくくなる、すなわちO1が出現しやすくなる。このようにThr2O2O3やThr3O3O4を設定した閾値を図36に示す。
【0106】
区間1の始点における閾値Thr1O1O2の下げ量をm1start(以下、m1s)、終点における閾値Thr1O1O2の上げ量をm1end(以下、m1e)とすれば、m1s≦M/2N、m1e≦M/2Nの範囲であれば、概ね良好な画像となる。m1s>M/2Nとすると、始点において直ちにO2を出力するが、負の誤差を多量に保持することになる。十分に広い面積のパッチのようなものであれば問題はないが、グラデーションのように濃度の変化がある場合において不具合が生じる。グラデーションの各濃度のステップ量にもよるが、m1s>M/2Nであった場合、階調値1が入力された時に遅れなくO2を出現するが、多量の負の誤差を保持するために階調値2が入力されてもO2を出現できない状態になり、階調値3になってO2が出現するような状態があり、階調が反転してしまうことがある。そのため各区間nにおける閾値の切片mnstart(以下、mns)、mnend(以下、mne)は、M/2Nより小さくすることが望ましい。
【0107】
上記したmns、mneは、画像出力機毎にその量子化出力値が異なるため、出力環境に応じて設定される。従って、mns、mneを個別に設定してよいし、また、ある区間nにおいてmns=mneとしてもよいし、各区間で調整し、少なくとも1つ以上の区間で
mn1s=mn1e
mn2s=mn2e
mn1s=mn2s
mn1e=mn2e
と設定してもよい。
【0108】
さらに、各区間毎に調整し、少なくとも1つ以上の区間で
mn1s=mn1e
mn2s=mn2e
mn1s≠mn2s
mn1e≠mn2e
と設定してもよい。
【0109】
区間の切片mns、mneを結ぶ線を閾値とすることで、その区間の始点・終点近傍で生じる遅れ問題はなくなる。ここで、区間の切片mns、mnを直線や曲線で結んでもよい。直線であれば、2点を結ぶ計算式は簡単に求められ、実装したときに逐次実行で求めることが容易である。画像出力機によっては区間の内部で濃度に応じて閾値が急激に変化するのに対応できない場合には、出力機のrawγに合わせて、図37のように曲線やtanθ関数のようにしてもよい。実装する際に、各濃度に応じた閾値の値を計算式で逐次求めてもよいし、曲線のように計算が複雑であれば、閾値をLUTに保持し、逐次呼び出すようにしてもよい。
【0110】
また、画像によっては階調が0から255と変化する場合や、255から0へと変化する場合があるので、区間の切片mns、mneを結ぶ閾値線は、区間内の中心点で回転対象であることが好ましい。
【0111】
各区間の閾値の組合せで、区間1と2の閾値をThr1O1O2、Thr2O1O2、Thr2O2O3とした場合、区間1と2の隣接点近傍においては
Thr2O1O2 ≦ Thr1O1O2 ≦ Thr2O2O3
となるように、各区間のmns、mneを設定することが望ましい。区間1の終点近傍では、量子化出力値O1、O2の中間に設定していた閾値より高く設定され、区間2の始点近傍では、量子化出力値O1、O2の中間に設定していた閾値より低く設定されるので、Thr2O1O2≦Thr1O1O2となる。また、Thr1O1O2 ≦ Thr2O2O3であるので、区間1と区間2の間で階調飛びが発生しない。逆に、Thr2O2O3≦Thr1O1O2である場合、区間1の終点近傍において、過剰にO1が出力され、区間2の始点近傍において、過剰にO3が出力され、階調の連続性が損なわれることになる。
【0112】
入力の階調値に応じて区間毎に処理を分割した場合には、各区間の量子化出力値は2つしか存在しないので閾値を複数もつ必要がなく、図38のように閾値の設定が簡単化される。
【0113】
また、図36のように、区間内の閾値全てをその区間で出現する量子化出力値に必要な閾値の形状にしてもよい。つまり、この例では、区間1において出力される量子化値はO1、O2だけであるので、区間1における量子化出力値O2、O3の出現を判別する閾値Thr1O2O3、区間1における量子化出力値O3、O4の出現を判別する閾値Thr1O3O4を、Thr1O1O2を元に作成してもよい。具体的には、濃度に応じて閾値を変動させない固定閾値の場合におけるThr1O1O2とThr1O2O3との差を、Thr1O1O2に加算することにより設定してもよい。これは、元となる閾値Thr1O1O2が複雑な曲線である場合に容易に求められるので有効な手法である。さらに、閾値Thr1O1O2が直線である場合は、Thr1O2O3やThr1O3O4を求めるとき、mns、mneを、量子化出力値O2、O3や量子化出力値O3、O4の中間に設定された閾値に適用して求めてもよい。
【0114】
区間n1、n2の始点終点を結ぶ閾値の切片mn1s、mn1e、mn2s、mn2eが次の関係のとき、
mn1s=mn2s
mn1e=mn2e
かつ、分割した区間n1の幅とn2の幅が等しいとき、この例では量子化出力値O1、O2、O3、O4が0、85、170、255であるので、区間1の幅が85であり、区間2の幅も85で等しい場合、区間n1において求めた閾値Thrn1O1O2,Thrn1O2O3,…Thrn1ON−1ONを規定する直線や曲線をそのまま区間n2における閾値Thrn2O1O2,Thrn2O2O3,…Thrn2ON−1ONとしてもよい。この場合は、実装時に逐次計算の演算量が減り、またLUTに閾値を格納した場合には同じ値を読み出せばよく、LUTのメモリ容量を小さくすることができる。
【0115】
また、前述したように、白地、べた部を除いて、入力値が量子化出力値と同じ濃度の場合、N値量子化出力値の切り替り部O2(85)、O3(170)で、粒状性が特異的に良好になる違和感が生じるが、その箇所における違和感を抑制するための処理(前述したマスク加算処理や、後述する閾値を変動させる処理)を行うために、図37、図39に示すように、違和感が生じる箇所(階調値85、170)のみ閾値を別に設定(固定閾値43、128、213)してもよい。
【0116】
M階調をN−1の区間に分割し、各区間で閾値を濃度に応じて設定することにより、各区間の始点、終点近傍のドット出現の遅れ問題を解決したが、特定区間のみ、量子化出力値O1、O2などの中間に設定された閾値としてもよい。例えば、インクジェット記録装置などの出力機では、ドット変調や濃淡インクを用いて多階調表現しているが、rawγを測定し、べた部においてγが急激に変化する場合には固定閾値で処理しても画質がさほど劣化しないので、固定閾値が設定された区間では、濃度を参照して閾値を決定する処理が無いため処理が高速になり、トータルのスループットが向上する。また、濃淡インクを用いたインクジェット記録装置などにおいては、淡インクと濃インクの小ドット出力の階調区間のみを濃度に応じた閾値とし、濃インクの中ドット、大ドット出力の階調は固定閾値としてもよい。この場合の閾値を図40に示す。
【0117】
図39に示す閾値を用いて4値誤差拡散処理を行った処理結果を、図41に示す。図41では、階調値86においてO3が遅れることなく出現している。このような閾値を持った誤差拡散処理に対して、図42のように階調の反転現象が生じないノイズ(O2、−O2)を階調値85に加算した処理結果を図34に示す。図34では、多値誤差拡散特有の量子化出力値の切り替り部に生じる擬似輪郭が目立たなくなる。
【0118】
(3)エッジ閾値変動法
濃度に応じて変動する閾値を用いた誤差拡散処理では、画像の鮮鋭性が低下するという不具合が生じ、主観評価の低下を招くことが判った。図43は、図35の閾値(固定閾値)を用いた場合の4値誤差拡散処理の結果を示し、図44は、図39の閾値(変動閾値)を用いた場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。変動閾値を用いた処理の結果は、固定閾値を用いた処理の結果と比べると、
(a)線部にドットが集まっていない。つまり、固定閾値では線部がO3のみで構成されているが、変動閾値では線部がO2、O3により構成されている。
(b)固定閾値では、線部周辺にドットが出現していないが、変動閾値では線部近傍にドットが出現しているために線画像が地肌のドットに埋もれてしまい、際立たなくなる。
このように、変動閾値は固定閾値よりも鮮鋭性が低下する。
【0119】
そこで、濃度に応じて変動する閾値を用いた誤差拡散処理で生じる画像の鮮鋭性の劣化を防止するために、強調処理を行う。すなわち、注目画素を中心として、3×3画素のラプラシアンフィルタによりエッジ量を抽出し、適当な量で除算した値の符合を反転させて閾値に加算し、すなわち適当な量で除算した値で閾値から減算を行い、鮮鋭性の劣化を防止する。
【0120】
図45に示すような下地濃度10(図中のA・C)、濃度128(図中のB)の1画素の細線の画像において、ラプラシアンフィルタで処理した場合を図46に示す。図46に示すABCは、図45のABCの位置におけるラプラシアンフィルタから出力される値である。ラプラシアンの出力値は、細線のエッジ部前後の画素において負の値を、エッジ部においては正の値を出力する。
【0121】
エッジ部を際立たせるため、
(a)エッジ部でドットを出現しやすくし、
(b)エッジ部の周辺ではドットを出現しにくくする
ことにより、細線のようなエッジの立った鮮鋭な画像とする。
【0122】
そこで、ラプラシアンフィルタで抽出した画像のエッジ部の符合と大きさを利用して閾値を操作することにより、ドットの出現率を変える。図46ではエッジ量は負→正→負となっており、符合を反転させることで正→負→正となる。これを適当な数で除算し、所定の閾値に加算する。これにより
エッジ部周辺:所定の閾値+エッジ量に応じた値
⇒ドットが出現しにくくなる
エッジ部:所定の閾値−エッジ量に応じた値
⇒ドットが出現しやすくなる
となり、鮮鋭性の劣化が防止される。この手法は、階調値255の下地に階調値0の細線、すなわち濃度が反転していても成り立つ。このように、本手法は、閾値を操作するだけであり、エッジ強調処理のようにオーバーフローが生じることはない。
【0123】
図47は、3×3画素のラプラシアンフィルタの例を示す。ラプラシアンフィルタによりエッジ量を抽出し、エッジ量に応じた値を適当な数(2以上の値)で除算を行い、注目画素の濃度に応じて求められる閾値から減算を行う。これにより、濃度が立ち上がりのエッジ部において、エッジ部の前後1画素では閾値が高くなるためドットが出現しにくく、エッジ部では閾値が低くなるためドットが出現しやすくなる。濃度が立下りのエッジ部においては、エッジ部の前後1画素では閾値が低くなるためドットが出現しにくく、エッジ部では閾値が高くなるためドットが出現しやすくなる。
【0124】
図48は、図39の閾値に対して、3×3のラプラシアンL8(x,y)で閾値を制御した場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。図44は、図39の閾値を用いて4値誤差拡散処理した処理結果を示す。図48では、図44より線部にO3が集中し、線部後半にはドットが出現せず、線部が際立っている。
【0125】
このように、エッジ量を抽出して閾値を制御することにより、閾値傾斜法によって得られる画像と比較して、エッジ部にドットが集中し、かつエッジ部周辺でドットが出現しないので、エッジ部が際立っている。エッジ量を抽出して閾値を変動させていることから、本手法をエッジ閾値変動法と呼ぶ。
【0126】
ラプラシアンの形状として5×5を用いると、細線のエッジ部から前後2画素におけるドットのオン(出現)/オフを制御することができ、よりエッジ部を際立たせることが可能である。ただし、ラインメモリは5行分必要となる。3×3のラプラシアンでもラインメモリが3行分必要となるから、コストダウンを図りたい場合は、画質が3×3に比べて若干劣るもののラプラシアンを図49の形状にすることにより、鮮鋭性を回復できる。
【0127】
図49に示す非等方性のラプラシアンフィルタでも特定方向のエッジを検出することができる。特定方向のエッジ検出を行う場合、3×3のラプラシアンフィルタと比較して検出能力は低下する。256階調における階調値0と128のような際立ったエッジにおいては、3×3ラプラシアンフィルタと非等方性のラプラシアンフィルタの結果は目視で差は感じないが、階調値0と10のようなかすかなエッジにおいては誤差拡散の重み付け誤差積和マトリクスの形状による誤差の伝播方向性と、非等方性のラプラシアンフィルタのエッジを検出する方向性が干渉した方向にのみドットが出現しやすくなる欠点がある。とはいえ、非等方性のラプラシアンフィルタでは、エッジ検出に必要なラインメモリを3行から約1行にできる。これは、1行前の画素で参照しなくなった箇所に随時注目画素の画像情報の書込みを行うことで1行のラインメモリと1画素のメモリで処理することができるので、エッジ抽出能力をさほど必要とせずに鮮鋭性の回復量を抑え、ラインメモリを少なく低コストにし、3×3より計算量が少なく高速処理を行いたい場合に特に有効である。
【0128】
図50は、図39の閾値に対して、非等方性ラプラシアンL4(x,y)で閾値を制御した場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。図48に比べて鮮鋭性は回復していないが、図44に比べてより線部にO2が集中し、線部後半にはドットが出現せず、線部が際立っている。
【0129】
上記したエッジ閾値変動法は、N値誤差拡散処理に限定されず、2値誤差拡散処理にも同様に適用できる。また、図36、37に示すように、濃度に応じた閾値処理によって鮮鋭性が低下した場合でも、鮮鋭性を強調することができる。さらに、出力機に搭載された閾値が特殊な曲線である場合でも、同様にして鮮鋭性を強調することができる。
(実施例1)
図51は、本発明の実施例1に係る多値誤差拡散処理の構成を示す。図において、入力(多値)1、加算器2、量子化部(4値)3、出力(4値)4、減算器5、誤差メモリ6、誤差拡散マトリクス7は、従来(図1)のものと同様である。本発明では、さらに、特定濃度判定部8、マスク加算部9、閾値量決定部10を追加して構成している。
【0130】
図52は、本発明の実施例1の処理フローチャートである。以下、図51、52を参照して実施例1を説明する。画像を取り込み(ステップ101)、閾値量決定部10では、入力画素(注目画素)毎に、入力値に応じた閾値Th1、Th2、Th3を決定する(ステップ102)。この閾値量は、図33、図39などで説明した閾値傾斜法によって決定される。例えば、閾値量決定部10が図53のようにLUTで構成されていた場合には、入力値(IN)と閾値Th1、Th2、Th3とが例えば以下のように対応していて、入力値(IN)をアドレスとしてテーブルから対応する閾値Th1、Th2、Th3が読み出される。
【0131】
IN Th1 Th2 Th3
0 10 96 180
1 11 97 214
2 12 98 215
3 13 99 216
.. ... ... ...
85 43 128 213
86 10 96 180
...
...
次いで、特定濃度判定部8では、注目画素の入力値(階調値)が85または170であるか否かを判定する(ステップ103)。入力値(In)が85または170であるとき(ステップ103でyes)、マスク加算部9では、前述したマスク加算法によってマスクノイズを入力値に加算する(ステップ104)。すなわち、マスク加算部9では、注目画素の画素位置(X、Y)から、X1=Xmod16,Y1=Xmod16を計算し、X1、Y1をアドレスとして例えば図12の内容を格納した16×16のメモリ(ROM)を参照する。メモリからは0、1、−1の何れかが出力され、その出力値を85倍した値0、85、−85(マスクノイズ)に入力値を加えて(In=In+Mask(X1,Y1))、加算器2に出力する。従って、入力値が85のとき、マスク加算部9からは、170、85、0の何れかが出力され、入力値が170のとき、マスク加算部9からは、255、170、85の何れかが出力される。
【0132】
なお、上記した16×16のメモリ(ROM)に図23の内容を格納してマスク加算しても同様である。
【0133】
特定濃度判定部8で、入力値が特定濃度(85、170)でないと判定されたときは(ステップ103でno)、入力値が加算器2に入力される。
【0134】
加算器2では、注目画素の周辺の予め計算された誤差と、入力値とを加算して補正値を作成する(ステップ105)。入力値が特定濃度のときは、加算器2では、誤差拡散マトリクス7からの誤差とマスク加算器9からの出力値とを加算し、入力値が特定濃度以外のときは、加算器2では、誤差拡散マトリクス7からの誤差と入力値とを加算する。
【0135】
補正値が量子化部3に入力され、閾値量決定部10で決定された閾値Th1、Th2、Th3と比較され、補正値がTh1以下のとき(ステップ106でyes)、出力値0(OUT0;ドットオフ)が出力され、量子化前の値と量子化後の値との差を減算器5で求め、これを誤差として注目画素位置の誤差メモリ6に格納する(ステップ112)。補正値がTh1を越え(ステップ107でno)、補正値がTh2以下のとき(ステップ107でyes)、出力値85(OUT1;小ドット)が出力されるとともに、誤差が計算される(ステップ111)。以下同様にして、出力値170(OUT2;中ドット)、255(OUT3;大ドット)が出力され(ステップ110、109)、画像の全ての画素について上記した処理が実行される(ステップ113)。
【0136】
マスクノイズを加算することにより、ハイライト部近傍、べた部近傍のドット生成の遅れがない2値誤差拡散処理も同様である。すなわち、図52の処理フローチャートにおいて、2値誤差拡散処理では、閾値としてTh1(閾値128)を決定し(ステップ102)、入力値が1か254かを判定する(ステップ104)。入力値が1のとき、図19の行列を参照し、入力値が254のとき、図18の行列を参照し、入力画素位置に対応した行列位置の値(O2または−O2)を読み出し(ステップ104)、入力値に加算し(ステップ105)、補正値と閾値Th1とを比較し、出力値0または255を出力し、誤差を計算する。
【0137】
(実施例2)
上記した実施例1では、入力値にマスクノイズを加算する位置が予め決められていたが(加算位置に規則性がある)、本実施例では加算位置をランダムとした実施例である。
【0138】
図54は、本発明の実施例2の構成を示し、実施例1の構成にさらに乱数回路11を加えたものである。図55は、本発明の実施例2の処理フローチャートである。ステップ203までの処理は実施例1と同様である。入力値が85または170のとき(ステップ203でyes)、乱数回路11は乱数を計算して出力する(ステップ204)。
【0139】
乱数回路11は、−64〜64の値を出力する回路であり、図56に示すような出現確率分布をとる乱数を出力する。階調値85に256画素あたり2個の中ドット、2個のドットオフを出現させたい場合は、階調値85における中ドット、ドットオフの出現確率はそれぞれ2/256である。従って、図56のような出現分布をとる乱数回路11において、(斜線部分の面積)/(分布の全面積)=2/256、つまり図56では、+60〜64を出力する確率と−60〜−64を出力する確率がそれぞれ2/256であるならば、誤差拡散処理でランダムな位置に中ドットとドットオフが出力される。
【0140】
乱数回路11の出力値が+60以上であれば(ステップ205でyes)、マスク加算部9aでは入力値に85を加算して、中ドットが出現するように入力値を補正する(ステップ207)。入力値が85であれば中ドット(170)を出力し、入力値が170であれば大ドット(255)を出力する。乱数回路11の出力値が+60以上でなく(ステップ205でno)、乱数回路11の出力値が−60以下であれば(ステップ206でyes)、入力値から85を減算して、ドットオフが出現するように入力値を補正する。ステップ209以下の処理は実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0141】
(実施例3)
図57は、本発明の実施例3の構成を示し、実施例1の閾値量決定部10を、ラプラシアン演算処理部12、ラインメモリ13、閾値補正量決定部14に置き換えて構成したものである。
【0142】
図58は、本発明の実施例3の処理フローチャートである。ステップ302では、実施例1で説明したと同様にして注目画素の閾値Thを決定する。ラプラシアン演算処理部12では、注目画素を中心として3ライン分の画像データが格納されているラインメモリ13を参照して、図47のラプラシアンフィルタと畳み込み演算を行い、ラプラシアン処理の値(エッジ量に応じた値)を求め、上記決定した閾値からラプラシアン処理の値を減算し、閾値補正量を決定する(ステップ303)。
【0143】
図46で説明したように、エッジ部Bではラプラシアン処理の値が正であるので、注目画素がエッジ部である場合には、ラプラシアン演算による閾値補正量=(閾値Th−ラプラシアン処理の値)となり、ステップ302で決定された閾値Thよりも小さな値になり、この値が閾値補正量決定部14に設定されるので、エッジ部ではドットが出現しやすくなる。
【0144】
これに対して、エッジ部周辺A、C(図46)ではラプラシアン処理の値が負であるので、注目画素がエッジ部周辺である場合には、ラプラシアン演算による閾値補正量=(閾値Th−ラプラシアン処理の値)となり、ステップ302で決定された閾値Thよりも大きな値になり、この値が閾値補正量決定部14に設定されるので、エッジ部周辺ではドットが出現しにくくなる。ステップ304以下の処理は実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0145】
上記したように、4値誤差拡散処理を例に本発明を説明したが、本発明はN値誤差拡散処理に容易に拡張できることは言うまでもない。
【0146】
また、上記したように、本発明はハードウェアによって実施してもよいことは当然であるが、汎用のコンピュータシステムを利用し、ソフトウェアで実施してもよい。ソフトウェアで実施する場合には、本発明の画像形成機能や処理手順(図52、55、58など)を実現するプログラムが記録媒体などに記録されていて、該記録媒体などからプログラムがコンピュータシステムに読み込まれてCPUによって実行されることにより、本発明の画像形成機能が実施される。画像データは、例えばスキャナなどから読み込んだ画像データや予めハードディスクなどに用意された画像データであり、あるいはネットワークを介して取り込んだ画像データである。また、処理結果は、プリンタやハードディスクなどに出力され、あるいはネットワークを介して外部装置(プリンタなど)に出力される。
【0147】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)量子化出力値の切り替り部に、近傍階調の画像の空間周波数より低周波となるノイズを重畳しているので、切り替り部に生じるいわゆる擬似輪郭が目立たなくなる。
(2)ハイライト部近傍、べた部近傍に低周波ノイズを重畳しているので、ハイライト部近傍ではドットが良好に出現し、べた部近傍ではドットオフが良好に出現し、ドット生成の遅れがなくなる。
(3)入力の階調数を、階調段差が生じる箇所によって複数の区間に分割し、分割された各区間で、入力値に応じて閾値を変化させているので、量子化出力値の切り替り部近傍でのドット生成の遅れがなくなり、再生画像の画質が向上する。
(4)エッジ部を抽出し、エッジ量に応じて閾値を変動させているので、細線の鮮鋭性の低下が防止され、鮮鋭な画像を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の誤差拡散処理の構成を示す。
【図2】 4値誤差拡散処理における出力ドットの割合を示す。
【図3】 階調値が0から128へ変化するグラデーション画像に対して単純4値誤差拡散処理を行った結果を示す。
【図4】 4値誤差拡散処理時に±32の振幅をもつ乱数を、階調値85へ加算した結果を示す。
【図5】 インクジェット記録装置の機構部を示す。
【図6】 4色の記録ヘッドを示す。
【図7】 7色の記録ヘッドを示す。
【図8】 インクジェット記録装置の制御部を示す。
【図9】 電子写真方式の画像形成部であるレーザプリンタを示す。
【図10】 (a)、(b)は、光強度変調方式とパルス幅変調方式における光波形とドットパターンを示す。
【図11】 階調値84、85、86の階調表現において、256画素当たりに出現するドット(ドットオフ、大中小ドット)の確率を示す。
【図12】 ドットの出現位置とその個数を規定する16×16サイズのマスクの例を示す。
【図13】 階調値85が連続で入力された場合の各ドットの配置を示す。
【図14】 4値誤差拡散処理後の階調値84、85、86の画像の空間周波数を示す。
【図15】 4値誤差拡散処理後の階調値84、85、86の画像の空間周波数に人間の視覚特性(VTF)を乗算した結果を示す。
【図16】 4値誤差拡散処理後の階調値84、85の画像の空間周波数と、4値誤差拡散時に階調値85にマスクノイズの加算処理を行った画像の空間周波数を示す。
【図17】 図16に示す画像の空間周波数に人間の視覚特性(VTF)を乗算した結果を示す。
【図18】 4値誤差拡散処理において、階調値84へ加算するマスクを示す。
【図19】 4値誤差拡散処理において、階調値86へ加算するマスクを示す。
【図20】 ドットオフ1個、中ドット2個を出現させるようなマスクを示す。
【図21】 図12のマスクノイズを入力値に重畳して処理した結果を示す。
【図22】 図12のマスクノイズを閾値に重畳して処理した結果を示す。
【図23】 入力値を補正するマスクの他の例を示す。
【図24】 図3の画像にマスク加算処理を行った結果(階調値85近傍の画像)を示す。
【図25】 階調値1に対して2値誤差拡散処理を行った結果を示す。
【図26】 階調値2に対して2値誤差拡散処理を行った結果を示す。
【図27】 階調値1に対して2値誤差拡散処理とマスク加算処理を行った結果を示す。
【図28】 階調値1の画像、階調値2の画像、階調値1にマスク処理を行った画像の空間周波数に、視覚特性(VTF)を乗算した結果を示す。
【図29】 階調値1/255画像を4種類の誤差拡散マトリクスを用いて4値誤差拡散処理した結果を示す。
【図30】 図29の処理において閾値を10、128、213とした場合の処理結果を示す。
【図31】 グラデーション画像における階調値86の中ドットの遅れ量を求めたものを示す。
【図32】 階調値86、84で遅れ量をaピクセルとした場合の画像を示す。
【図33】 遅れ量をaピクセルとした場合の、入力値に応じて増加する閾値を示す。
【図34】 マスク加算法と図33の閾値とを用いて処理した結果を示す。
【図35】 一般的な4値誤差拡散処理における閾値と入力値との関係を示す。
【図36】 入力値を4区間に分割し、各区間の始点近傍を固定閾値より低くし、終点近傍を固定閾値より高く設定して直線で結んだ閾値を示す。
【図37】 入力値を4区間に分割し、各区間の始点近傍を固定閾値より低くし、終点近傍を固定閾値より高く設定して曲線で結んだ閾値を示す。
【図38】 各区間で量子化判定に必要な閾値のみを設定した例を示す。
【図39】 各区間の始点近傍を固定閾値より低くし、終点近傍を固定閾値より高く設定し、階調段差が生じる箇所のみ固定閾値とした例を示す。
【図40】 特定区間の閾値のみを傾斜させた例を示す。
【図41】 図39に示す閾値を用いて4値誤差拡散処理を行った処理結果を示す。
【図42】 階調値85に重畳されるノイズを示す。
【図43】 図35の固定閾値を用いた場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。
【図44】 図39の閾値(変動閾値)を用いた場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。
【図45】 細線の画像例を示す。
【図46】 図45の画像をラプラシアンフィルタで処理した結果を示す。
【図47】 3×3画素のラプラシアンフィルタの例を示す。
【図48】 図39の閾値に対して、3×3のラプラシアンL8(x,y)で閾値を制御した場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。
【図49】 非等方性のラプラシアンフィルタの例を示す。
【図50】 図39の閾値に対して、非等方性ラプラシアンL4(x,y)で閾値を制御した場合の4値誤差拡散処理の結果を示す。
【図51】 本発明の実施例1に係る多値誤差拡散処理の構成を示す。
【図52】 本発明の実施例1の処理フローチャートである。
【図53】 LUTで構成された閾値量決定部を示す。
【図54】 本発明の実施例2の構成を示す。
【図55】 本発明の実施例2の処理フローチャートである。
【図56】 −64〜64の値を返す乱数の出現確率分布を示す。
【図57】 本発明の実施例3の構成を示す。
【図58】 本発明の実施例3の処理フローチャートである。
【符号の説明】
1 入力
2 加算器
3 量子化部
4 出力
5 減算器
6 誤差メモリ
7 誤差拡散マトリクス
8 特定濃度判定部
9 マスク加算部
10 閾値量決定部
11 乱数回路
12 ラプラシアン演算処理部
13 ラインメモリ
14 閾値補正量決定部
Claims (2)
- M階調の入力画像データを誤差拡散法によりN階調(M>N)の画像データに量子化する画像形成装置であって、M階調をN−1個の区間に分割した区間毎に設定された閾値から、前記入力画像データの階調値に応じた閾値を選択する閾値量決定手段と、前記入力画像データのエッジ量を抽出するエッジ量抽出手段と、前記エッジ量抽出手段で抽出したエッジ量が大きいほど値が小さくなるように、前記閾値量決定手段で選択した閾値を補正する閾値補正手段と、前記閾値補正手段で補正した閾値を用いて前記入力画像データの量子化を行う量子化手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- M階調の入力画像データを誤差拡散法によりN階調(M>N)の画像データに量子化する画像形成方法であって、M階調をN−1個の区間に分割した区間毎に設定された閾値から、前記入力画像データの階調値に応じた閾値を選択する閾値量決定工程と、前記入力画像データのエッジ量を抽出するエッジ量抽出工程と、前記エッジ量抽出工程で抽出したエッジ量が大きいほど値が小さくなるように、前記閾値量決定工程で選択した閾値を補正する閾値補正工程と、前記閾値補正工程で補正した閾値を用いて前記入力画像データの量子化を行う量子化工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
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