JP4028671B2 - 熱電池 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からの熱によって活性化する熱電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池内部に発電部を加熱するための手段を有する従来の熱電池は、加熱手段を一度使用して電池を活性化すると、再び使用することができないという問題があったことから、従来の外部加熱方式の熱電池が提案されている(例えば、特開平10−172582号公報)。
図1に、従来の外部加熱方式の熱電池の概略縦断面図を示す。
図1に示すように、従来の外部加熱方式の熱電池においては、金属ケース10が径の異なる2つの同心状の円筒11および12、ならびにこの2つの円筒の間に形成される空間部の上下を封じる上面部13および底面部14を溶接することによって作製される。
この金属ケース10は、中央に上下に貫通する空洞部15を有しており、上面部13には絶縁体(例えば、ガラス)17を介して負極端子16aと正極端子16bとが取り付けられている。そして、この金属ケース10内に素電池1の積層体が収納されており、素電池1の積層体と金属ケース10との間には、アルミナを主成分とするファイバからなる絶縁材9が挿入されて絶縁層を構成している。
素電池1は直列に接続されており、積層体の正極端子はリード片8bによって金属ケース10の正極端子16bに接続され、積層体の負極端子はリード片8aによって金属ケース10の負極端子16aに接続されている。
【0003】
以上のような外部加熱方式の熱電池においては、特に、金属ケース10と素電池1の積層体とを絶縁するための絶縁材9について種々の検討がなされてきた。
従来の内部加熱方式の熱電池にあっては、マイカからなる絶縁材やガラス繊維からなる絶縁材も用いられていたが、外部加熱方式の熱電池にマイカからなる絶縁材やガラス繊維からなる絶縁材を用いると、発電部の温度上昇率が低く、熱電池の出力が可能な電圧に到達するまでの所要時間(以下「起動時間」という。)が長くなるので、活物質の利用効率も劣るという問題があった。
そこで、上述した従来の外部加熱方式の熱電池においては、素電池1の積層体と金属ケース10を絶縁するための絶縁材として、アルミナを主成分とするファイバから構成された絶縁材が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アルミナを主成分とするファイバから構成された絶縁材を用いても、起動時間の短縮化は不充分であり、また活物質の利用率も不充分であるという問題があった。
したがって、本発明は、上記絶縁材を構成する材料を選択することにより、起動時間が短くかつ活物質の利用率に優れる外部加熱方式の熱電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、正極端子および負極端子を設けるとともに軸方向に貫通する少なくとも1つの空洞部を有する筒状の密封された金属ケース、前記金属ケース内にその軸方向に積層されて収納され、かつ前記空洞部に対応した空洞部を有する素電池積層体、前記金属ケースと素電池積層体とを絶縁する絶縁層、および素電池積層体の正極端子および負極端子を金属ケースの正極端子および負極端子に接続するリードを具備する熱電池であって、前記絶縁層が、少なくとも表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材からなることを特徴とする熱電池を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る外部加熱方式の熱電池の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
本発明の熱電池は、図1に示す従来の外部加熱方式の熱電池と同じ構造を有していてよい。すなわち、図1に示すように、金属ケース10は、径の異なる2つの同心状の円筒11および12、ならびにこの2つの円筒の間に形成される空間部の上下を封じる上面部13および底面部14を溶接することによって作製される。そして、金属ケース10は、中央に上下に貫通する空洞部15を有しており、上面部13には絶縁層を構成する絶縁体17を介して負極端子16aと正極端子16bとが取り付けられる。
素電池1は直列に接続されており、積層体の正極端子はリード片8bによって金属ケース10の正極端子16bに接続され、積層体の負極端子はリード片8aによって金属ケース10の負極端子16aに接続されている。
【0007】
そして、金属ケース10内に素電池1の積層体が収納されており、素電池1の積層体と金属ケース10との間には、絶縁材9が配される。
本発明の最大の特徴はこの絶縁材9にあり、この絶縁材9として、表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材を用いる。
図2に素電池1の積層体の概略斜視図を示す。図2に示すように、素電池1の積層体は、中心部分に空洞部aを有する中空円柱(円筒)の形状を有している。そのため、素電池1の積層体と金属ケース10の間を絶縁する絶縁材9を設ける際には、例えば絶縁材9を、図3に示すように、互いに高さの等しい径の細い円筒状の絶縁材9aおよび径の太い円筒状の絶縁材9b、ならびに上面および下面を覆う2つのリング状の絶縁材9cの4つの部材で構成することができる。
径の細い円筒状の絶縁材9aを素電池1の積層体の中心にある空洞部15に挿入し、その内側面を覆い、径の太い円筒状の絶縁材9bで積層体の外側面を覆う。ついで、上面と下面には、上記2つの円筒状絶縁材の径の差に対応する幅をもつリング状の絶縁材9cを配設する。
【0008】
ここで、本発明の絶縁材9は、表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材からなる点に特徴がある。本発明者らは、外部加熱方式の熱電池において、絶縁材に用いる材料について鋭意検討した結果、表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材を用いると、上述したように、起動時間を短縮化でき、さらに活物質の利用率を向上させることを見出したのである。これは、出力が可能な電圧に到達するまでの間においても、活物質が高温雰囲気(500℃以下)にあり、この起動時間内における活物質の熱分解作用を低減させることができるためである。
このような表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材は、アルミニウム金属製の円筒状またはリング状基材を、陽極酸化し、その表面にベーマイト(γ−Al2O3・H2O)からなる酸化被膜を形成することによって得られる。
【0009】
つぎに、素電池1について説明する。
図4は、素電池1の構造を示している。負極は、鉄製カップ2にリチウムシート3を挿入した後、鉄粉4を入れ、成形してカップの端部を内側にかしめ、ついで550℃の熱板に挟んでリチウムを溶融し、鉄粉成形体に含浸させて作製する。
電解質層5は、電解質と吸着材の混合物を成形することによって得ることができる。電解質としては、例えば塩化カリウムと塩化リチウムの共融塩などを用いることができ、また、無機吸着材としては、例えば酸化マグネシウム粉末などを用いることができる。
電解質と吸着材の混合比は例えば70:30〜40:60(重量比)とすればよい。
【0010】
また、正極6は、活物質と前記電解質および吸着材との混合物を成形することによって得ることができる。
活物質としては、例えば二硫化鉄などがあげられる。
正極6における活物質と電解質との混合比は100:50〜100:15(重量比)であればよい。
そして、正極6の下部にはモリブデン板からなる集電体7が配される。
また、素電池1を作製するには、まず上述のような負極を治具に挿入して中央に所定の大きさの穴あけ加工をし、これを穴形状が同一の成形治具に挿入し、電解質と吸着材との混合物を入れて一次成形する。ついで、正極および穴あけ加工を施した集電体7を入れて二次成形する。こうして、中央部に空洞部aを有する素電池1が作製される。
【0011】
図5は、素電池1の積層体を組み合わせるための治具を示す。治具18は、円盤19およびその中央から突設した円柱20からなる。
素電池1の積層体を構成するためには、例えば、まず円盤19上にリング状の絶縁材9cを敷き、その上に素電池1を空洞部aの中央に円柱20が位置するように積み上げる。そして、素電池1の空洞部a内に径の細い円筒状の絶縁材9aを配設し、さらに素電池1の積層体の外側面に径の太い円筒状の絶縁材9bを配設した後、上部にリング状の絶縁材9cを被せる。
一方、金属ケース10としては、上面部13を溶接する前の上部が開口した状態のものを用意する。そして、治具18から抜き取った素電池1の積層体を絶縁材9とともに金属ケース10内に挿入し、端子16aおよび16bとリード片8aおよび8bとを溶接した後、金属ケース10の開口部に上面部13を溶接して密閉する。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
《実施例1および比較例1》
図4に示す絶縁材9として、少なくとも表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材を用い、図1に示す構造を有する本発明の熱電池を作製した。
一方、絶縁材9としてマイカ板およびガラス繊維板を複数枚重ね合わせたものを用い、図1に示す構造を有する比較用熱電池を作製した。
これら2種の熱電池を、雰囲気温度が570℃の電気炉内に配置し、各々の熱電池の発電部の中央部にあらかじめ設置した熱電対型温度計により、電池内発電部の温度上昇を測定した。また、発電部の温度が、熱電池の出力可能な温度である500℃に到達するまでの時間を計測した。
その結果、比較熱電池について500℃に到達するまでの時間を100とした場合、本発明の熱電池については、65であった。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁材を構成する材料を選択することにより、起動時間が短くかつ活物質の利用率に優れる外部加熱方式の熱電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電池の一実施の形態の概略縦断面図である。
【図2】本発明における素電池の積層体の概略斜視図である。
【図3】本発明における絶縁材の分解斜視図である。
【図4】本発明における素電池の部分縦断面図である。
【図5】本発明における素電池の積層体を組み立てるための治具の斜視図である。
【符号の説明】
1 素電池
2 鉄製カップ
3 リチウムシート
4 鉄粉
5 電解質層
6 正極
7 集電体
8a リード片
8b リード片
9 絶縁材
10 ケース
11 円筒
12 円筒
13 上面部
14 底面部
15 空洞部
16a 端子
16b 端子
17 絶縁体
18 治具
19 円盤
20 円柱
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からの熱によって活性化する熱電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池内部に発電部を加熱するための手段を有する従来の熱電池は、加熱手段を一度使用して電池を活性化すると、再び使用することができないという問題があったことから、従来の外部加熱方式の熱電池が提案されている(例えば、特開平10−172582号公報)。
図1に、従来の外部加熱方式の熱電池の概略縦断面図を示す。
図1に示すように、従来の外部加熱方式の熱電池においては、金属ケース10が径の異なる2つの同心状の円筒11および12、ならびにこの2つの円筒の間に形成される空間部の上下を封じる上面部13および底面部14を溶接することによって作製される。
この金属ケース10は、中央に上下に貫通する空洞部15を有しており、上面部13には絶縁体(例えば、ガラス)17を介して負極端子16aと正極端子16bとが取り付けられている。そして、この金属ケース10内に素電池1の積層体が収納されており、素電池1の積層体と金属ケース10との間には、アルミナを主成分とするファイバからなる絶縁材9が挿入されて絶縁層を構成している。
素電池1は直列に接続されており、積層体の正極端子はリード片8bによって金属ケース10の正極端子16bに接続され、積層体の負極端子はリード片8aによって金属ケース10の負極端子16aに接続されている。
【0003】
以上のような外部加熱方式の熱電池においては、特に、金属ケース10と素電池1の積層体とを絶縁するための絶縁材9について種々の検討がなされてきた。
従来の内部加熱方式の熱電池にあっては、マイカからなる絶縁材やガラス繊維からなる絶縁材も用いられていたが、外部加熱方式の熱電池にマイカからなる絶縁材やガラス繊維からなる絶縁材を用いると、発電部の温度上昇率が低く、熱電池の出力が可能な電圧に到達するまでの所要時間(以下「起動時間」という。)が長くなるので、活物質の利用効率も劣るという問題があった。
そこで、上述した従来の外部加熱方式の熱電池においては、素電池1の積層体と金属ケース10を絶縁するための絶縁材として、アルミナを主成分とするファイバから構成された絶縁材が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アルミナを主成分とするファイバから構成された絶縁材を用いても、起動時間の短縮化は不充分であり、また活物質の利用率も不充分であるという問題があった。
したがって、本発明は、上記絶縁材を構成する材料を選択することにより、起動時間が短くかつ活物質の利用率に優れる外部加熱方式の熱電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、正極端子および負極端子を設けるとともに軸方向に貫通する少なくとも1つの空洞部を有する筒状の密封された金属ケース、前記金属ケース内にその軸方向に積層されて収納され、かつ前記空洞部に対応した空洞部を有する素電池積層体、前記金属ケースと素電池積層体とを絶縁する絶縁層、および素電池積層体の正極端子および負極端子を金属ケースの正極端子および負極端子に接続するリードを具備する熱電池であって、前記絶縁層が、少なくとも表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材からなることを特徴とする熱電池を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る外部加熱方式の熱電池の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
本発明の熱電池は、図1に示す従来の外部加熱方式の熱電池と同じ構造を有していてよい。すなわち、図1に示すように、金属ケース10は、径の異なる2つの同心状の円筒11および12、ならびにこの2つの円筒の間に形成される空間部の上下を封じる上面部13および底面部14を溶接することによって作製される。そして、金属ケース10は、中央に上下に貫通する空洞部15を有しており、上面部13には絶縁層を構成する絶縁体17を介して負極端子16aと正極端子16bとが取り付けられる。
素電池1は直列に接続されており、積層体の正極端子はリード片8bによって金属ケース10の正極端子16bに接続され、積層体の負極端子はリード片8aによって金属ケース10の負極端子16aに接続されている。
【0007】
そして、金属ケース10内に素電池1の積層体が収納されており、素電池1の積層体と金属ケース10との間には、絶縁材9が配される。
本発明の最大の特徴はこの絶縁材9にあり、この絶縁材9として、表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材を用いる。
図2に素電池1の積層体の概略斜視図を示す。図2に示すように、素電池1の積層体は、中心部分に空洞部aを有する中空円柱(円筒)の形状を有している。そのため、素電池1の積層体と金属ケース10の間を絶縁する絶縁材9を設ける際には、例えば絶縁材9を、図3に示すように、互いに高さの等しい径の細い円筒状の絶縁材9aおよび径の太い円筒状の絶縁材9b、ならびに上面および下面を覆う2つのリング状の絶縁材9cの4つの部材で構成することができる。
径の細い円筒状の絶縁材9aを素電池1の積層体の中心にある空洞部15に挿入し、その内側面を覆い、径の太い円筒状の絶縁材9bで積層体の外側面を覆う。ついで、上面と下面には、上記2つの円筒状絶縁材の径の差に対応する幅をもつリング状の絶縁材9cを配設する。
【0008】
ここで、本発明の絶縁材9は、表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材からなる点に特徴がある。本発明者らは、外部加熱方式の熱電池において、絶縁材に用いる材料について鋭意検討した結果、表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材を用いると、上述したように、起動時間を短縮化でき、さらに活物質の利用率を向上させることを見出したのである。これは、出力が可能な電圧に到達するまでの間においても、活物質が高温雰囲気(500℃以下)にあり、この起動時間内における活物質の熱分解作用を低減させることができるためである。
このような表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材は、アルミニウム金属製の円筒状またはリング状基材を、陽極酸化し、その表面にベーマイト(γ−Al2O3・H2O)からなる酸化被膜を形成することによって得られる。
【0009】
つぎに、素電池1について説明する。
図4は、素電池1の構造を示している。負極は、鉄製カップ2にリチウムシート3を挿入した後、鉄粉4を入れ、成形してカップの端部を内側にかしめ、ついで550℃の熱板に挟んでリチウムを溶融し、鉄粉成形体に含浸させて作製する。
電解質層5は、電解質と吸着材の混合物を成形することによって得ることができる。電解質としては、例えば塩化カリウムと塩化リチウムの共融塩などを用いることができ、また、無機吸着材としては、例えば酸化マグネシウム粉末などを用いることができる。
電解質と吸着材の混合比は例えば70:30〜40:60(重量比)とすればよい。
【0010】
また、正極6は、活物質と前記電解質および吸着材との混合物を成形することによって得ることができる。
活物質としては、例えば二硫化鉄などがあげられる。
正極6における活物質と電解質との混合比は100:50〜100:15(重量比)であればよい。
そして、正極6の下部にはモリブデン板からなる集電体7が配される。
また、素電池1を作製するには、まず上述のような負極を治具に挿入して中央に所定の大きさの穴あけ加工をし、これを穴形状が同一の成形治具に挿入し、電解質と吸着材との混合物を入れて一次成形する。ついで、正極および穴あけ加工を施した集電体7を入れて二次成形する。こうして、中央部に空洞部aを有する素電池1が作製される。
【0011】
図5は、素電池1の積層体を組み合わせるための治具を示す。治具18は、円盤19およびその中央から突設した円柱20からなる。
素電池1の積層体を構成するためには、例えば、まず円盤19上にリング状の絶縁材9cを敷き、その上に素電池1を空洞部aの中央に円柱20が位置するように積み上げる。そして、素電池1の空洞部a内に径の細い円筒状の絶縁材9aを配設し、さらに素電池1の積層体の外側面に径の太い円筒状の絶縁材9bを配設した後、上部にリング状の絶縁材9cを被せる。
一方、金属ケース10としては、上面部13を溶接する前の上部が開口した状態のものを用意する。そして、治具18から抜き取った素電池1の積層体を絶縁材9とともに金属ケース10内に挿入し、端子16aおよび16bとリード片8aおよび8bとを溶接した後、金属ケース10の開口部に上面部13を溶接して密閉する。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
《実施例1および比較例1》
図4に示す絶縁材9として、少なくとも表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材を用い、図1に示す構造を有する本発明の熱電池を作製した。
一方、絶縁材9としてマイカ板およびガラス繊維板を複数枚重ね合わせたものを用い、図1に示す構造を有する比較用熱電池を作製した。
これら2種の熱電池を、雰囲気温度が570℃の電気炉内に配置し、各々の熱電池の発電部の中央部にあらかじめ設置した熱電対型温度計により、電池内発電部の温度上昇を測定した。また、発電部の温度が、熱電池の出力可能な温度である500℃に到達するまでの時間を計測した。
その結果、比較熱電池について500℃に到達するまでの時間を100とした場合、本発明の熱電池については、65であった。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁材を構成する材料を選択することにより、起動時間が短くかつ活物質の利用率に優れる外部加熱方式の熱電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電池の一実施の形態の概略縦断面図である。
【図2】本発明における素電池の積層体の概略斜視図である。
【図3】本発明における絶縁材の分解斜視図である。
【図4】本発明における素電池の部分縦断面図である。
【図5】本発明における素電池の積層体を組み立てるための治具の斜視図である。
【符号の説明】
1 素電池
2 鉄製カップ
3 リチウムシート
4 鉄粉
5 電解質層
6 正極
7 集電体
8a リード片
8b リード片
9 絶縁材
10 ケース
11 円筒
12 円筒
13 上面部
14 底面部
15 空洞部
16a 端子
16b 端子
17 絶縁体
18 治具
19 円盤
20 円柱
Claims (1)
- 正極端子および負極端子を設けるとともに軸方向に貫通する少なくとも1つの空洞部を有する筒状の密封された金属ケース、前記金属ケース内にその軸方向に積層されて収納され、かつ前記空洞部に対応した空洞部を有する素電池積層体、前記金属ケースと素電池積層体とを絶縁する絶縁層、および素電池積層体の正極端子および負極端子を金属ケースの正極端子および負極端子に接続するリードを具備する熱電池であって、
前記絶縁層が、少なくとも表面にベーマイト層を有するアルミニウム基材からなることを特徴とする熱電池。
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