JP4028252B2 - コンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PC外槽式LNGタンク等のコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PC外槽式LNGタンクは、図3に示すように、コンクリート外槽30内には液密性保持のため金属製のライナ板が全面に施工されている。すなわち、コンクリート外槽30の底部には、底部ライナ板31が、内周壁には側ライナ板32が施工され、その側ライナ板32上に外槽屋根33が取り付けられて外槽34が構築され、さらに外槽34の底部ライナ板31上に断熱コンクリート層35が施工され、その断熱コンクリート層35上に、LNG等の低温貯液を収容する内槽36が構築されてPC外槽式LNGタンクが構成される。
【0003】
このPC外槽式LNGタンクの施工において、図3に丸Dで囲った底版コーナ部は、図4に示すように、断面1/4円形に加工したコーナーライナ板37を円周方向に突き合わせ溶接すると共に底部と側部に設けたアンカー38,39に溶接施工していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コーナーライナ板37の製作時に、2軸方向曲げ加工を行う必要があるため、コストがかかる問題がある。また、コーナーライナ板の繋ぎ合わせは、突き合わせ溶接であり、部材の製作精度、据付精度の要求グレードが高く、それぞれに工数がかなりかかる問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、製作・加工・据付の面においてコストダウンを可能とするコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、コンクリート外槽の底部ライナ板と側ライナ板との隅角部をコーナーライナ板で溶接するためのコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造において、平板の2箇所を略45度直線曲げ加工にて底板部と傾斜部と側板部とからなる上下のコーナーライナ板を形成し、他方底部ライナ板と側ライナ板との隅角部に位置するコンクリート外槽の底版と側版に、底部ライナアンカと側部ライナアンカを設け、上記隅角部の円周方向に沿って、下部コーナーライナ板を、間隔を置いて配置すると共にその間に上部コーナーライナ板を、隣り合った下部コーナーライナ板の中心にくるように重ね合わせ、その重ね合わせた上部コーナーライナ板と下部コーナーライナ板を隅肉溶接し、上部コーナーライナ板及び下部コーナーライナ板の底板部の内周端と底版上に設けた底部ライナ板の外周端とを、上記底部ライナアンカ上で突き合うように位置させて、これらを溶接し、上部コーナーライナ板及び下部コーナーライナ板の側板部の上端と側版に設けた側ライナ板の下端を、側部ライナアンカ上で突き合うように位置させて、これらを溶接したことを特徴とするコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造である。
【0008】
請求項2の発明は、重ね合わせる上部コーナーライナの四隅を面取りを施し、その面取り部に沿って、下部コーナーライナ板と隅肉溶接する請求項1記載のコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】
先ず、コンクリート外槽タンクの全体構成は、図3で説明した通りである。
【0011】
図1は、コンクリート外槽10の底版11と側版12の隅角部13の詳細断面図を示したもので、底版11上には底部ライナ板14が施工され、側版12には、側ライナ板15が施工される。
【0012】
この底部ライナ板14と側ライナ板15とを上下のコーナーライナ板16で、円周方向に重ね隅肉溶接する。
【0013】
先ず、コーナーライナ板16は、図2に示すように、平板17の2箇所を略45度直線曲げ加工して底板部18と傾斜部20と側板部22とで形成される。すなわち、底板部18から第1折曲線19を介して傾斜部20が形成され、傾斜部20から第2折曲部21を介して側板部22が形成される。この際、平板17は、底板部18の長さL18に対して側板部22の長さL22が長くなるように予め形成される。
【0014】
この上下のコーナーライナ板16は、図2に示すように略コーナーライナ板16の長さに見合った間隔をおいて設置する下部コーナーライナ板16aと、両側で隣り合った下部コーナーライナ板16a,16aの中心にくるよう重ね合わされる上部コーナーライナ16bとからなり、その上部コーナーライナ板16bの底板部18bの両側と側板部22bの両側の隅部に面取り部23,24が形成される。
【0015】
このコーナーライナ板16の施工は、下部コーナーライナ板16aを、上部コーナーライナ板16bの重ね代Rが残る間隔で配置した後、底板部18の内周端を底版11に設けた底部ライナアンカ26上に位置するように、また底部ライナ板14の外周端を底部ライナアンカ26上で底板部18の内周端と突き合うように位置させて、突き合わせ溶接29し、また側板部22の上端を側部ライナアンカ27上に位置するように、また側ライナ板15の下端を側部ライナアンカ27上で側板部22の上端と突き合うように位置させて、突き合わせ溶接28する。
【0016】
その後、下部コーナーライナ板16a,16a間に、上部コーナーライナ板16bを重ね合わせ、その上部コーナーライナ板16bの両側と面取り部23,24を、対応する下部コーナーライナ板16a,16aと隅肉溶接し、また底板部18bの内周端を、底部ライナアンカ26上で、底部ライナ板14の外周端と突き合うようにして、突き合わせ溶接し、さらに、適宜下部コーナーライナ板16とコンクリート外槽10間にコンクリート30を充填してコーナーライナ構造とする。
【0017】
このように、コーナーライナ板16を従来のような2軸方向の曲げ加工を取りやめ、2箇所の直線曲げ加工でコーナーライナ板16を形成すると共にこれを全周多角形上に重ねて隅肉溶接することで、従来工数のかかっていた2軸方向曲げ加工よりも加工コストを下げ、コーナーライナ板の制作費を削減することが可能となるとともに、製作精度及び据え付け精度を緩めることが可能になり、それぞれの費用を削減することが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、コーナーライナ板を2箇所の曲げ加工により形成し、これを重ね隅肉溶接することで、製作・加工・据付の面においてコストダウンを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1の要部の斜視図である。
【図3】コンクリート外槽タンクの全体構成を示す図である。
【図4】従来例を示す図である。
【符号の説明】
10 コンクリート外槽
13 隅角部
14 底部ライナ板
15 側ライナ板
16 コーナーライナ板
16a 下部コーナーライナ板
16b 上部コーナライナー板
17 平板
Claims (2)
- コンクリート外槽の底部ライナ板と側ライナ板との隅角部をコーナーライナ板で溶接するためのコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造において、平板の2箇所を略45度直線曲げ加工にて底板部と傾斜部と側板部とからなる上下のコーナーライナ板を形成し、他方底部ライナ板と側ライナ板との隅角部に位置するコンクリート外槽の底版と側版に、底部ライナアンカと側部ライナアンカを設け、上記隅角部の円周方向に沿って、下部コーナーライナ板を、間隔を置いて配置すると共にその間に上部コーナーライナ板を、隣り合った下部コーナーライナ板の中心にくるように重ね合わせ、その重ね合わせた上部コーナーライナ板と下部コーナーライナ板を隅肉溶接し、上部コーナーライナ板及び下部コーナーライナ板の底板部の内周端と底版上に設けた底部ライナ板の外周端とを、上記底部ライナアンカ上で突き合うように位置させて、これらを溶接し、上部コーナーライナ板及び下部コーナーライナ板の側板部の上端と側版に設けた側ライナ板の下端を、側部ライナアンカ上で突き合うように位置させて、これらを溶接したことを特徴とするコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造。
- 重ね合わせる上部コーナーライナの四隅を面取りを施し、その面取り部に沿って、下部コーナーライナ板と隅肉溶接する請求項1記載のコンクリート外槽タンクのコーナーライナ構造。
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