JP7274355B2 - 開先構造、及び溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、開先構造に関する。
従来、上側部材と下側部材とを相互に溶接することにより、矩形柱形状の柱を形成する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。この従来の技術においては、上側部材と下側部材とが相互に隣接した場合に柱の全周にわたる溶接溝が形成されるように、例えば上側部材の下端部に開先構造を構成し、当該開先構造により形成される前述の溶接溝に対して溶着金属を溶着することにより、上側部材と下側部材とを相互に溶接していた。
ところで、従来の技術においては、柱の四隅における溶接溝の溶着金属が相互に重なり合うために、溶接の作業が煩雑となったり、溶着金属の融合不良が発生してしまったりする可能性があった。
そこで、柱の四隅での溶着金属の重なり合いを防止するために、溶接溝における柱の四隅に対応する位置を、鋼製やセミラック製の当て材を用いて仕切った上で、当該仕切られた溶接溝に溶着金属を溶着することにより、溶接を行う技術が提案されていた。
特開平9-174237号公報
しかしながら、仕切り用の当て材を用いて溶接する従来の技術においては、例えば、仕切り用の当て材が鋼製である場合、溶接後に当該当て材をガウジング等で除去する必要があり、手間となる可能性があった。また、例えば、仕切り用の当て材がセミラック製である場合、ガウジング等で除去する必要はないものの、当該当て材を用いて溶接した柱の端部に凹凸が形成されることがあり、この場合、当該凹凸をグラインダー等で平らに削り取る必要があり、手間となる可能性があった。
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、効率的且つ確実に溶接を行うことができる開先構造を提供する事を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の開先構造は、対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接するために、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造であって、前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されており、前記対象部材は、角部を有しており、前記溶接溝は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記対象部材の全周にわたっており、前記漏れ止め部は、前記対象部材の第1外面の前記溶接溝と、前記角部を介して前記第1外面に隣接する前記対象部材の第2外面の前記溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止し、前記第1部材は前記第2部材よりも前記対象部材における一方側に設けられており、前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状にて形成されており、前記開先構造は、前記第1部材における前記第2部材側の他の一部の形状にて形成されている当接部、を備え、前記当接部は、前記第2部材に向かって突出しており、前記第2部材に当接している。
求項2に記載の開先構造は、請求項1に記載の開先構造において、前記漏れ止め部は、前記第1外面の前記溶接溝の長手方向における両端に設けられている。
請求項3に記載の開先構造は、請求項1又は2に記載の開先構造において、前記対象部材は矩形柱形状であり、前記漏れ止め部は、前記対象部材における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、前記対象部材における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成される。
請求項4に記載の開先構造は、請求項1から3の何れか一項に記載の開先構造において、前記漏れ止め部と、前記第1部材又は前記第2部材のうちの前記漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されている。
請求項5に記載の開先構造は、対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接するために、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造であって、前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されている、前記対象部材は、平板部材であり、前記溶接溝は、直線状であり、前記漏れ止め部は、直線状の前記溶接溝における一方の端部及び他方の端部の間の所定位置に設けられている
請求項6に記載の溶接方法は、対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接する溶接方法であって、前記対象部材は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造、を備え、前記開先構造は、前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されており、前記漏れ止め部と、前記第1部材又は前記第2部材のうちの前記漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されており、前記溶接溝における一部の区間と前記溶接溝における他の一部の区間とは、前記隙間を介して相互に通じており、前記溶接方法は、前記隙間に溶着金属を盛って塞ぐ第1ステップと、前記第1ステップの後に、前記溶接溝に溶着金属を盛って前記第1部材及び前記第2部材を相互に溶接する第2ステップと、を含む。
請求項7に記載の溶接方法は、請求項6に記載の溶接方法において、前記対象部材は、角部を有しており、前記溶接溝は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記対象部材の全周にわたっており、前記漏れ止め部は、前記対象部材の第1外面の前記溶接溝と、前記角部を介して前記第1外面に隣接する前記対象部材の第2外面の前記溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止し、前記漏れ止め部は、前記第1外面の前記溶接溝の長手方向における両端に設けられている、前記第2外面の前記溶接溝の長手方向における両端は開放されており、前記の溶接方法は、前記第2外面の前記溶接溝の長手方向における両端に漏れ防止部材を設ける設置ステップ、を更に含み、前記設置ステップは、前記第1ステップの前に行われ、前記溶接方法の前記第2ステップは、前記第2外面の前記溶接溝に溶着金属を盛って溶接する第1溶接ステップと、前記漏れ防止部材を除去する除去ステップと、前記第1外面の前記溶接溝に溶着金属を盛って溶接する第2溶接ステップと、を含み、前記漏れ防止部材は、前記第2外面の前記溶接溝に盛られた溶着金属が、前記第2外面の前記溶接溝の長手方向において前記第2外面の前記溶接溝から漏れることを防止するための部材である。
請求項1に記載の開先構造によれば、溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部を備え、漏れ止め部は、第1部材における第2部材側の一部の形状、又は第2部材における第1側の一部の形状にて形成されていることにより、例えば、仕切り用の当て材を用いることなく、溶着金属が漏れることを防止することができるので、当該当て材の除去が不要となり、また、溶着金属が相互に重なり合うことを防止することができるために、効率的且つ確実に溶接を行うことが可能となる。
また、漏れ止め部が、対象部材の第1外面の溶接溝と、角部を介して第1外面に隣接する対象部材の第2外面の溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止することにより、例えば、仕切り用の当て材を用いることなく、溶着金属が角部を介して漏れることを防止することができるので、当該当て材の除去が不要となり、また、溶着金属が相互に重なり合うことを防止することができるために、効率的且つ確実に溶接を行うことが可能となる。特に、例えば、溶着金属が対象部材の角部で相互に重なり合うことを防止することができるので、溶接作業を単純化することができ、溶接ロボット等を用いて確実に溶接することが可能となる。
また、漏れ止め部は、第1部材における第2側の一部の形状にて形成されていることにより、例えば、第1部材の加工のみで漏れ止め部を形成することが可能となる。
請求項2に記載の開先構造によれば、漏れ止め部が第1外面の溶接溝の長手方向における両端に設けられていることにより、例えば、溶着金属が漏れることを確実に防止することが可能となる。
請求項3に記載の開先構造によれば、漏れ止め部は、対象部材における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、対象部材における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成されるので、例えば、漏れ止め部を容易に形成することが可能となる。
請求項4に記載の開先構造によれば、漏れ止め部と、第1部材又は第2部材のうちの漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されていることにより、例えば、漏れ止め部と、第1部材又は第2部材のうちの漏れ止め部が形成されていない一方の部材とが相互に当接することを防止して、第1部材及び第2部材の相互間の位置決めを確実に行うことが可能となる。
請求項5に記載の開先構造によれば、溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部を備え、漏れ止め部は、第1部材における第2部材側の一部の形状、又は第2部材における第1側の一部の形状にて形成されていることにより、例えば、仕切り用の当て材を用いることなく、溶着金属が漏れることを防止することができるので、当該当て材の除去が不要となり、また、溶着金属が相互に重なり合うことを防止することができるために、効率的且つ確実に溶接を行うことが可能となる。
本実施の形態に係る柱部材の斜視図である。 溶接前の柱部材の斜視図である。 溶接前の柱部材の正面図である。 溶接前の柱部材の側面図である。 溶接前の柱部材の一部の斜視図である。 図3の一部の拡大図である。 図4の一部の拡大図である。 分解した状態の柱部材の正面図である。 分解した状態の柱部材の側面図である。 第1部材の底面図である。 タブ材が設けられた状態の溶接前の柱部材の斜視図である。 一部が溶接された状態の柱部材の斜視図である。 一部が溶接された状態の柱部材の斜視図である。 溶接前の平板部材の斜視図である。 図14の一部の拡大図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る開先構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、開先構造に関する。
ここで、「開先構造」とは、溶接を行うための構造であり、具体的には、対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接するために、第1部材と第2部材とが相互に隣接された場合に第1部材及び第2部材の相互間に溶接溝を形成する構造であり、例えば、第1部材又は第2部材の少なくとも一方によって形成される構造であり、一例としては、漏れ止め部を備える。
また、「対象部材」とは、開先構造を備える部材であり、具体的には、第1部材及び第2部材にて形成される部材等を含む概念である。この「対象部材」は任意であり、例えば、角部を有する部材等を含む概念であり、また、角部を有さない部材等を含む概念であり、一例としては、建築物を構成する部材、あるいは、建築物以外のその他の物を構成する部材等を含む概念である。また、「対象部材」とは、例えば、平部板、曲面部板、管状部材等を含む概念であり、一例としては、垂直方向、水平方向、又は斜め方向に沿って設けられる部材等を含む概念である。「対象部材」は、例えば、当該対象部材の外形が多角柱形状(つまり、角部を有する形状であり三角柱形状、矩形柱形状、五角柱形状等を含む)となっているもの、あるいは、角部を有さな円柱形状となっているもの等を含む概念であり、一例としては、柱(鉄骨BOX柱を含む)、角型又は他の形状の鋼管、斜め柱、ボックス梁、構真柱、及び壁等を含む概念である。
また、「角部」とは、例えば、対象部材における相互に隣接する面が接続されている部分等を含む概念であり、一例としては、鈍角又は鋭角を形成している部分等を含む概念である。
また、「第1部材」及び「第2部材」とは、対象部材の一部を形成する部材であり、例えば、相互に隣接する部材であって、相互に溶接される部材等を含む概念であり、また、相互に同様な外形を有する部材等を含む概念である。
また、「溶接溝」とは、第1部材及び第2部材を相互に溶接するために溶着金属が盛られる(つまり、設けられる)溝であり、第1部材と第2部材とが相互に隣接された場合に第1部材及び第2部材の相互間に形成される溝であり、例えば、第1部材と第2部材とが相互に隣接された場合に対象部材の全周にわたって第1部材及び第2部材の間に形成される部分等を含む概念である。なお、「溶接溝が対象部材の全周にわたる」とは、例えば、連続しているか非連続となっているかに関わらず対象部材の外面の全てに設けられていること等を含む概念であり、また、少なくとも漏れ止め部を介して設けられていること等を含む概念である。
また、「漏れ止め部」とは、溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する部分であり、第1部材における第2部材側の一部の形状、又は第2部材における第1部材側の一部の形状にて形成されている部分等を含む概念であり、例えば、第1部材における第2部材側の一部の形状のみで形成されている部分、第2部材における第1部材側の一部の形状にて形成されている部分、及び第1部材における第2部材側の一部の形状及び第2部材における第1部材側の一部の形状の両方の形状にて形成されている部分等を含む概念である。また、「漏れ止め部」とは、例えば、対象部材の第1外面の溶接溝と、角部を介して第1外面に隣接する対象部材の第2外面の溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止する部分等を含む概念である。
また、「漏れ止め部」とは、例えば、第1外面の溶接溝の長手方向における両端に設けられている部分等を含む概念であり、また、対象部材における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、対象部材における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成される部分等を含む概念である。
また、「溶接溝における一部の区間」及び「溶接溝における他の一部の区間」とは、例えば、溶接溝の全区間における相互に隣接する区間等を含む概念であり、漏れ止め部を介して相互に隣接している区間等を含む概念である。また、「溶接溝における一部の区間」及び「溶接溝における他の一部の区間」の解釈は任意であるが、例えば、「第1外面の溶接溝」を「溶接溝における一部の区間」又は「溶接溝における他の一部の区間」の内の一方の区間と解釈し、且つ、「第2外面の溶接溝」を「溶接溝における一部の区間」又は「溶接溝における他の一部の区間」の内の他方の区間と解釈してもよい。
また、「第1外面」及び「第2外面」とは、例えば、角部を介して相互に隣接する外面等を含む概念である。「対象部材における相互に対向する面」とは、例えば、矩形柱形状における4個の側面における、相互に隣接していない対となる側面等を含む概念である。
また、第1部材における第2部材側の一部の形状にて漏れ止め部が形成されている場合、あるいは、第2部材における第1部材側の一部の形状にて漏れ止め部が形成されている場合、開先構造は、任意で、漏れ止め部と第1部材又は第2部材のうちの漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間を備える。「隙間」とは、漏れ止め部と、第1部材又は第2部材のうちの漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に形成される隙間である。
そして、以下に示す実施の形態では、「対象部材」が矩形柱形状の鉄骨BOX柱であり、「第1部材」が「第2部材」よりも上側に設けられている部材を示し、また、「漏れ止め部」が第1部材における第2部材側の一部の形状にて形成されており、また、前述の任意の「隙間」が設けられる場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る柱部材の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る柱部材の斜視図であり、また、図2は、溶接前の柱部材の斜視図であり、また、図3は、溶接前の柱部材の正面図であり、また、図4は、溶接前の柱部材の側面図あり、また、図5は、溶接前の柱部材の一部の斜視図である。なお、図1~図4においては、柱部材100の一部が図示されている。
なお、以下の説明では、各図に適宜示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が垂直方向であり、X方向及びY方向が垂直方向に対して直交する水平方向であるものとして、例えば、+Z方向を上側と称し、-Z方向を下側と称して説明する(他の図でも同様とする)。
柱部材100は、対象部材であり、具体的には、鉄骨BOX柱である。この柱部材100の具体的な種類や構成は任意であるが、垂直方向(Z方向)において立設しており、また、矩形柱形状のものであり、また、金属製のものである。
また、柱部材100は、例えば、図1の柱部材100のX方向における中心を通るYZ平面を基準として面対称な形状となっており、且つ、柱部材100のY方向における中心を通るXZ平面を基準として面対称な形状となっている。また、柱部材100は、例えば、図1の第1部材1、第2部材2、図5の隙間3、図1の溶接金属5、及び図2の溶接溝90を備える。
なお、矩形柱形状となっている柱部材100における4個の外側面のうちの、図2の-Y方向の外面及び+Y方向の不図示の外面(つまり、前述の面対称の基準となるXZ平面を基準に-Y方向の外面に対する反対側の外面)が「第1外面」に相当し、また、図2の+X方向の外面及び-X方向の不図示の外面(つまり、前述の面対称の基準となるYZ平面を基準に+X方向の外面に対する反対側の外面)が柱部材100の角部を介して第1外面と隣接する「第2外面」に相当する。以下のこの「第1外面」及び「第2外面」の用語も適宜用いて説明する。
(構成-第1部材)
図6は、図3の一部の拡大図であり、また、図7は、図4の一部の拡大図であり、また、図8は、分解した状態の柱部材の正面図であり、また、図9は、分解した状態の柱部材の側面図であり、また、図10は、第1部材の底面図である。図1の第1部材1は、柱部材100の一部を形成する部材であり、具体的には、第2部材2との間に図2の開先構造9を形成する部材である。この第1部材1の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図8~図10の第1外側面110、第2外側面120、図5及び図10の第1傾斜面11、第2傾斜面12、壁面13、当接部14、及び漏れ止め部15を備える。
(構成-第1部材-第1及び第2外側面)
図8~図10の第1外側面110及び第2外側面120は、第1部材1の外面であって側面であり、具体的には、相互に直交している面である。第1外側面110は、前述の「第1外面」の一部を形成する一対の面であり、また、第2外側面120は、前述の「第2外面」の一部を形成する一対の面である。
(構成-第1部材-第1傾斜面)
図5、図6、図8、及び図10の第1傾斜面11は、前述の「第1外面」側に形成されている面であり、例えば、図2の後述する第1溶接溝91を形成するための面であり、また、図5に示すように、下側(-Z方向)に向かうにつれて柱部材100の内側に向かうように第1外側面110に対して傾斜している面であり、また、図5及び図10に示すように、X方向において両側の壁面13の間で延在している面である。
(構成-第1部材-第2傾斜面)
図5~図13の第2傾斜面12は、前述の「第2外面」側に形成されている面であり、例えば、図2の後述する第2溶接溝92を形成するための面であり、また、図6に示すように、下側(-Z方向)に向かうにつれて柱部材100の内側に向かうように第2外側面120に対して傾斜している面であり、また、図5及び図10に示すように、Y方向において両側の第1外側面110側まで延在している面である。
(構成-第1部材-壁面)
図5、図6、図8、及び図10の壁面13は、前述の「第1外面」側に形成されている面であり、例えば、後述する第1溶接溝91を形成するための面であり、また、図5及び図10に示すように、第1外側面110に対して直交している面であり、また、Y方向において当該第1外側面110より第1部材1における内側寄りの位置に設けられている面であり、また、第2傾斜面12の一部(詳細には、Y方向において、第2傾斜面12の+Y方向の一部及び-Y方向の一部)の裏側に設けられている面である。
(構成-第1部材-当接部)
図5、図8~図10の当接部14は、第1部材1の下端に設けられている部分であり、例えば、下側(-Z方向)に向かって図5の漏れ止め部15よりも下側(-Z方向)まで突出している部分であり、また、第1部材1と第2部材2とが相互に隣接されて溶接される場合に第2部材2に当接する部分である。
(構成-第1部材-漏れ止め部)
図5の漏れ止め部15は、柱部材100の「第1外面」の後述する第1溶接溝91と、柱部材100の「第2外面」の後述する第2溶接溝92との相互間で溶着金属が漏れることを防止する防止手段である。この漏れ止め部15の具体的な種類や構成は任意であるが、漏れ止め部15は、例えば、第1部材1における第2部材2側の一部の形状にて形成されており、また、前述の壁面13、及び第2傾斜面12における当該壁面13の裏側の一部等により構成されている。また、漏れ止め部15は、例えば、第1溶接溝91の長手方向(X方向)における両端に設けられている部分である。また、漏れ止め部15は、例えば、柱部材100における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし(つまり、前述の面対称な形状として説明したように、図2の柱部材100の-Y側の形状及び+Y側の形状を相互に同一の形状とし、且つ、柱部材100の-X側の形状及び+X側の形状を相互に同一の形状とし)、且つ、柱部材100における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とする(つまり、前述の面対称な形状として説明したように、図2の柱部材100の-Y側の形状及び+Y側の形状を、柱部材100の-X側の形状及び+X側の形状と異なる形状とする)ことにより、形成される部分である。
(構成-第2部材)
図1の第2部材2は、柱部材100の一部を形成する部材であり、具体的には、第1部材1との間に図2の開先構造9を形成する部材である。この第2部材2の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図5、図8、及び図9の平面部21を備える。
(構成-第2部材-平面部)
平面部21は、第2部材2における上部(+Z方向)に設けられる平坦な部分であり、例えば、水平方向に沿って広がっている面状の部分であり、また、第1部材1の当接部14が当接する部分である。
(構成-隙間)
図5の隙間3は、漏れ止め部15と漏れ止め部15が形成されていない第2部材2の平面部21との間に形成される隙間である。このように、隙間3が形成されていることにより、漏れ止め部15の多少の寸法の誤差を隙間3の幅の増減により吸収することができ、第1部材1及び第2部材相互間の位置決めを確実に行うことが可能となる。つまり、漏れ止め部15の寸法が製造誤差等に起因して想定よりも多少大きくなったとしても、隙間3の幅が減少するのみであるので、図5の漏れ止め部15の先端151が第2部材2の平面部21に当って第1部材1の当接部14の少なくとも一部が平面部21に対して浮き上がってしまうことを防止することが可能となる。
(構成-溶接金属)
図1の溶接金属5は、第1部材1及び第2部材を相互に溶接するための金属であり、例えば、任意の溶接装置から出力されて図2に溶接溝90に盛られた溶着金属が凝固して硬化した金属である。この溶接金属5又は溶着金属の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の金属材料を用いることができる。
(構成-溶接溝)
図2の溶接溝90は、第1部材1及び第2部材2を相互に溶接するために溶着金属が盛られる溝であり、第1部材1と第2部材2とが相互に隣接された場合に柱部材100の全周にわたって第1部材1及び第2部材2の間に形成される溝である。この溶接溝90の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、第1溶接溝91、及び第2溶接溝92を備える。
(構成-溶接溝-第1溶接溝)
第1溶接溝91は、前述の「第1外面」側(つまり、図2の柱部材100の-Y側及び+Y側)に形成される溝であり、例えば、X方向に沿って延在している溝であり、図5に示すように、第1部材1の第1傾斜面11、壁面13、当接部14、及び第2部材2の平面部21に囲まれている空間である。
(構成-溶接溝-第2溶接溝)
第2溶接溝92は、前述の「第2外面」側(つまり、図2の柱部材100の+X側及び-X側)に形成される溝であり、例えば、Y方向に沿って延在している溝であり、図5に示すように、基本的には、第1部材1の第2傾斜面12、当接部14、及び第2部材2の平面部21に囲まれている空間である。なお、第2溶接溝92における両端側(+Y側及び-Y側)については隙間3が形成されているので、第1部材1の第2傾斜面12及び第2部材2の平面部21のみに囲まれている空間となっている。この第2溶接溝92は、図5の漏れ止め部15を介して第1溶接溝91と隣接することになる。
そして、このような第1溶接溝91、第2溶接溝92、漏れ止め部15、及び隙間3を備える図2の開先構造9が、第1部材1及び第2部材2の相互間に形成されることになる。
(溶接方法)
次に、このように構成される柱部材100の溶接方法について説明する。「溶接方法」とは、第1部材1と第2部材とを相互に溶接する方法である。
まず、図8の第2部材2を任意の手法(例えば、公知の手法等)で垂直方向(Z方向)に沿って立設させる。
次に、図3及び図4に示すように、第2部材2上に第1部材1を配置する。なお、この場合、前述したように図5の隙間3が設けられることになるので、第1部材1の当接部14の全体を第2部材2の平面部21上に当接させて位置決めすることが可能となる。そして、この場合、柱部材100の全周にわたって図2の溶接溝90が形成されることになる。
次に、第1部材1及び第2部材2を溶接する。ここでの具体的な溶接の手順は様々であるが、以下の第1の溶接手順、又は第2の溶接手順にて溶接することとする。また、溶接を行う主体は任意であり、例えば、溶接ロボットが行うこととしてもよいし、あるいは、人が行うこととしてもよい。
(溶接方法-第1の溶接手順)
まず、第1の溶接手順で溶接する場合について説明する。「第1の溶接手順」とは、第1溶接溝91よりも先に第2溶接溝92に対して溶着金属を盛る手順である。図11は、タブ材が設けられた状態の溶接前の柱部材の斜視図であり、図12は、一部が溶接された状態の柱部材の斜視図である。
この第1の溶接手順においては、まず、図11に示すように、タブ材4を取り付ける。「タブ材」4とは、溶着金属が第2溶接溝92から当該第2溶接溝92の外側(詳細には、第1部材1及び第2部材2の構成要素で囲まれていない-Y方向又は+Y方向等)に漏れることを防止するための部材であり、一例としては、セラミック製の裏当て材である。具体的には任意であるが、例えば、2個の第2溶接溝92を-Y方向及び+Y方向から囲むように、図11の柱部材100における「第1外面」の当該第2溶接溝92の両端に対応する位置にタブ材4を合計4個(図11では、タブ材4は3個のみ図示されている)取り付ける。なお、このタブ材4の具体的な取付手法は公知の手法を用いることができるので、説明を省略する。
次に、図5(図5では、前述のタブ材4は不図示となっている)の隙間3を溶接する。具体的には任意であるが、例えば、タブ材4とは別に所定形状の比較的小さいセラミック製の裏当て材を用意して、当該裏当て材を壁面13側に当てた上で隙間3に対して溶着金属を盛って当該隙間3を溶接して塞ぎ、この後に、当該裏当て材を除去する。なお、ここでは、裏当て材を用いて溶接する場合について説明したが、隙間3の幅が比較的小さいことに着目して、当該裏当て材を用いずに当該隙間3を直接溶接して塞いでもよい。
次に、図11の第2溶接溝92に対して溶着金属を盛って溶接し、溶接後に、タブ材4を除去する。なお、この場合、第2溶接溝92に盛られた溶着金属は、タブ材4によってせき止められて、第2溶接溝92から当該第2溶接溝92の外側(詳細には、第1部材1及び第2部材2の構成要素で囲まれていない-Y方向又は+Y方向等)に漏れることが防止され、また、図5の漏れ止め部15によってせき止められて、第2溶接溝92から第1溶接溝91に漏れることが防止される。
次に、図12の第1溶接溝91に対して溶着金属を盛って溶接する。なお、この場合、第1溶接溝91に盛られた溶着金属は、図5の漏れ止め部15によってせき止められて、第1溶接溝91から当該第1溶接溝91の外側(詳細には、+X方向又は-X方向等)に漏れることが防止される。そして、図1に示すように、第1部材1及び第2部材2が相互に溶接されることになる。
(溶接方法-第2の溶接手順)
次に、第2の溶接手順で溶接する場合について説明する。「第2の溶接手順」とは、第2溶接溝92よりも先に第1溶接溝91に対して溶着金属を盛る手順である。図13は、一部が溶接された状態の柱部材の斜視図である。
この第2の溶接手順においては、まず、「第1の溶接手順」で説明した場合と同様にして、図5の隙間3を溶接する。次に、図2の第1溶接溝91に対して溶着金属を盛って溶接する。なお、この場合、第1溶接溝91に盛られた溶着金属は、図5の漏れ止め部15によってせき止められて、第1溶接溝91から当該第1溶接溝91の外側(詳細には、+X方向又は-X方向等)に漏れることが防止され、また、第1溶接溝91から第2溶接溝92に漏れることが防止される。
次に、「第1の溶接手順」で説明した場合と同様にして、タブ材4(図13では不図示)を取り付けて、図13の第2溶接溝92に対して溶着金属を盛って溶接し、溶接後に、タブ材4を除去する。なお、この場合、第2溶接溝92に盛られた溶着金属は、タブ材4(図13では不図示)によってせき止められて、第2溶接溝92から当該第2溶接溝92の外側(詳細には、第1部材1及び第2部材2の構成要素で囲まれていない-Y方向又は+Y方向等)に漏れることが防止される。そして、図1に示すように、第1部材1及び第2部材2が相互に溶接されることになる。これにて、溶接方法の説明を終了する。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、柱部材100の第1外面の第1溶接溝91と第1外面に隣接する柱部材100の第2外面の第2溶接溝92との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部15を備え、漏れ止め部15は、第1部材1における第2部材2側の一部の形状にて形成されていることにより、例えば、仕切り用の当て材を用いることなく、溶着金属が漏れることを防止することができるので、当該当て材の除去が不要となり、また、溶着金属が相互に重なり合うことを防止することができるために、効率的且つ確実に溶接を行うことが可能となる。特に、例えば、溶着金属が柱部材100の角部で相互に重なり合うことを防止することができるので、溶接作業を単純化することができ、溶接ロボット等を用いて確実に溶接することが可能となる。また、第1部材1の加工のみで漏れ止め部15を形成することが可能となる。
また、漏れ止め部15が第1外面の第1溶接溝91の長手方向(X方向)における両端に設けられていることにより、例えば、溶着金属が漏れることを確実に防止することが可能となる。
また、漏れ止め部15は、柱部材100における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、柱部材100における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成されることにより、例えば、漏れ止め部15を容易に形成することが可能となる。
また、漏れ止め部15と、第2部材2との間に隙間3が形成されていることにより、例えば、漏れ止め部15と、第2部材2とが相互に当接することを防止して、第1部材1及び第2部材2の相互間の位置決めを確実に行うことが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(漏れ止め部について)
また、上記実施の形態では、図5の第1部材1を用いて漏れ止め部15を形成する場合について説明したが、これに限らない。例えば、第2部材2の第1部材1側(+Z方向)の形状を任意に変更して、当該第2部材2にて漏れ止め部を形成してもよし、あるいは、第2部材2及び第1部材1の両方の相互に隣接する部分の形状を任意に変更して、漏れ止め部を形成してもよい。
(隙間について)
また、上記実施の形態では、図5の隙間3を設ける場合について説明したが、これに限らない。例えば、漏れ止め部15の寸法を厳密に管理できる場合等の任意の場合に、図5の漏れ止め部15の先端151と当接部14の先端(-Z方向の端部)とが高さ方向(Z方向)において相互に同じ位置に設けられるように加工することにより、隙間3が設けられないように構成してもよい。
(平板部材について)
また、本発明の漏れ止め部を平板部材に適用してもよい。図14は、溶接前の平板部材の斜視図であり、図15は、図14の一部の拡大図である。
(平板部材について-構成)
まず、平板部材の構成について説明する。図14の平板部材600は、対象部材であり、例えば、垂直方向(Z方向)において立設しており、また、所定の厚みを有する平板形状のものであり、また、金属製のものである。平板部材600は、例えば、第1部材6、第2部材7、及び溶接溝80を備える。
第1部材6は、平板部材600の一部を形成する部材であり、具体的には、第2部材7との間に開先構造8を形成する部材であり、例えば、傾斜面61、及び漏れ止め部62を備える。
傾斜面61は、第1溶接溝81、及び第2溶接溝82を形成するための面であり、また、図14に示すように、下側(-Z方向)に向かうにつれて+Y歩行に向かうように傾斜している面である。
漏れ止め部62は、第1溶接溝81及び第2溶接溝82の相互間で溶着金属が漏れることを防止する防止手段である。この漏れ止め部62の具体的な種類や構成は任意であるが、漏れ止め部62は、例えば、第1部材6における第2部材7側(-Z方向)の一部の形状にて形成されており、つまり、第1部材6における他の部分と一体的に形成されており、また、傾斜面61側から突出している部分であり、また、図15に示すように、先端部が先細となっており、当該先細の形状により先端側傾斜面621が形成されている部分である。
図14の第2部材7は、平板部材600の一部を形成する部材であり、具体的には、第1部材6との間に開先構造8を形成する部材である。
図14の溶接溝80は、第1部材6及び第2部材7を相互に溶接するために溶着金属が盛られる溝であり、第1部材6と第2部材7とが相互に隣接された場合に第1部材1及び第2部材2の相互間に形成される溝である。この溶接溝80の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、第1溶接溝81、及び第2溶接溝82を備える。
第1溶接溝81は、溶接溝80における漏れ止め部62で区切られている一部の区間であり、また、第2溶接溝82は、溶接溝80における漏れ止め部62で区切られている他の一部の区間であって、第1溶接溝81と隣接する溝である。
(平板部材について-溶接方法)
次に、このように構成される平板部材600の溶接方法について説明する。「溶接方法」とは、第1部材6と第2部材7とを相互に溶接する方法である。
まず、図14の第2部材7を任意の手法(例えば、公知の手法等)で垂直方向(Z方向)に沿って立設させる。
次に、第2部材7上に第1部材6を配置する。なお、この場合、第1部材6及び第2部材7における+Y側の面に、当該第1部材6及び第2部材7にわたる平板状の裏あて材801を公知の手法で取り付ける。第1部材6及び第2部材7の相互間に溶接溝80が形成されることになる。
次に、第1部材6及び第2部材7を溶接する。具体的には、まず、垂直方向(Z方向)における図14の漏れ止め部62の先端側傾斜面621と第2部材7の上面(+Z方向)との間の空間に溶着金属を盛ることにより、漏れ止め部62を第2部材7に対して溶接する。次に、第1溶接溝81又は第2溶接溝82の一方の溶接溝に溶着金属を盛る。なお、この場合、当該一方の溶接溝と、第1溶接溝81又は第2溶接溝82の他方の溶接溝との間には、漏れ止め部62が形成されているので、一方の溶接溝から他方の溶接溝に対して溶着金属が漏れることが防止される。次に、他方の溶接溝に溶着金属を盛ることにより、第1部材6及び第2部材7が溶接される。これにて、平板部材600が形成される。
(付記)
付記1の開先構造は、対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接するために、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造であって、前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されている。
付記2の開先構造は、付記1に記載の開先構造において、前記対象部材は、角部を有しており、前記溶接溝は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記対象部材の全周にわたっており、前記漏れ止め部は、前記対象部材の第1外面の前記溶接溝と、前記角部を介して前記第1外面に隣接する前記対象部材の第2外面の前記溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止する。
付記3の開先構造は、付記2に記載の開先構造において、前記第1部材は前記第2部材よりも前記対象部材における一方側に設けられており、前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状にて形成されている。
付記4の開先構造は、付記2又は3に記載の開先構造において、前記漏れ止め部は、前記第1外面の前記溶接溝の長手方向における両端に設けられている。
付記5の開先構造は、付記2から4の何れか一項に記載の開先構造において、前記対象部材は矩形柱形状であり、前記漏れ止め部は、前記対象部材における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、前記対象部材における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成される。
付記6の開先構造は、付記2から5の何れか一項に記載の開先構造において、前記漏れ止め部と、前記第1部材又は前記第2部材のうちの前記漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されている。
(付記の効果)
付記1に記載の開先構造によれば、溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部を備え、漏れ止め部は、第1部材における第2部材側の一部の形状、又は第2部材における第1側の一部の形状にて形成されていることにより、例えば、仕切り用の当て材を用いることなく、溶着金属が漏れることを防止することができるので、当該当て材の除去が不要となり、また、溶着金属が相互に重なり合うことを防止することができるために、効率的且つ確実に溶接を行うことが可能となる。
付記2に記載の開先構造によれば、漏れ止め部が、対象部材の第1外面の溶接溝と、角部を介して第1外面に隣接する対象部材の第2外面の溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止することにより、例えば、仕切り用の当て材を用いることなく、溶着金属が角部を介して漏れることを防止することができるので、当該当て材の除去が不要となり、また、溶着金属が相互に重なり合うことを防止することができるために、効率的且つ確実に溶接を行うことが可能となる。特に、例えば、溶着金属が対象部材の角部で相互に重なり合うことを防止することができるので、溶接作業を単純化することができ、溶接ロボット等を用いて確実に溶接することが可能となる。
付記3に記載の開先構造によれば、漏れ止め部は、第1部材における第2側の一部の形状にて形成されていることにより、例えば、第1部材の加工のみで漏れ止め部を形成することが可能となる。
付記4に記載の開先構造によれば、漏れ止め部が第1外面の溶接溝の長手方向における両端に設けられていることにより、例えば、溶着金属が漏れることを確実に防止することが可能となる。
付記5に記載の開先構造によれば、漏れ止め部は、対象部材における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、対象部材における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成されるので、例えば、漏れ止め部を容易に形成することが可能となる。
付記6に記載の開先構造によれば、漏れ止め部と、第1部材又は第2部材のうちの漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されていることにより、例えば、漏れ止め部と、第1部材又は第2部材のうちの漏れ止め部が形成されていない一方の部材とが相互に当接することを防止して、第1部材及び第2部材の相互間の位置決めを確実に行うことが可能となる。
1 第1部材
2 第2部材
3 隙間
4 タブ材
5 溶接金属
6 第1部材
7 第2部材
8 開先構造
9 開先構造
11 第1傾斜面
12 第2傾斜面
13 壁面
14 当接部
15 漏れ止め部
21 平面部
61 傾斜面
62 漏れ止め部
80 溶接溝
81 第1溶接溝
82 第2溶接溝
90 溶接溝
91 第1溶接溝
92 第2溶接溝
100 柱部材
110 第1外側面
120 第2外側面
600 平板部材
621 先端側傾斜面
801 裏あて材

Claims (7)

  1. 対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接するために、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造であって、
    前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、
    前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されており、
    前記対象部材は、角部を有しており、
    前記溶接溝は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記対象部材の全周にわたっており、
    前記漏れ止め部は、前記対象部材の第1外面の前記溶接溝と、前記角部を介して前記第1外面に隣接する前記対象部材の第2外面の前記溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止し、
    前記第1部材は前記第2部材よりも前記対象部材における一方側に設けられており、
    前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状にて形成されており、
    前記開先構造は、前記第1部材における前記第2部材側の他の一部の形状にて形成されている当接部、を備え、
    前記当接部は、前記第2部材に向かって突出しており、前記第2部材に当接している、
    開先構造。
  2. 前記漏れ止め部は、前記第1外面の前記溶接溝の長手方向における両端に設けられている、
    請求項に記載の開先構造。
  3. 前記対象部材は矩形柱形状であり、
    前記漏れ止め部は、前記対象部材における相互に対向する面側の形状各々を相互に同一の形状とし、且つ、前記対象部材における相互に隣接する面側の形状各々を相互に異なる形状とすることにより、形成される、
    請求項1又は2に記載の開先構造。
  4. 前記漏れ止め部と、前記第1部材又は前記第2部材のうちの前記漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されている、
    請求項1から3の何れか一項に記載の開先構造。
  5. 対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接するために、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造であって、
    前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、
    前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されている、
    前記対象部材は、平板部材であり、
    前記溶接溝は、直線状であり、
    前記漏れ止め部は、直線状の前記溶接溝における一方の端部及び他方の端部の間の所定位置に設けられている、
    開先構造。
  6. 対象部材を形成する第1部材及び第2部材を相互に溶接する溶接方法であって、
    前記対象部材は、
    前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記第1部材及び前記第2部材の相互間に溶接溝を形成する開先構造、を備え、
    前記開先構造は、
    前記溶接溝における一部の区間と当該溶接溝における他の一部の区間との相互間で溶着金属が漏れることを防止する漏れ止め部、を備え、
    前記漏れ止め部は、前記第1部材における前記第2部材側の一部の形状、又は前記第2部材における前記第1部材側の一部の形状にて形成されており、
    前記漏れ止め部と、前記第1部材又は前記第2部材のうちの前記漏れ止め部が形成されていない一方の部材との間に隙間が形成されており、
    前記溶接溝における一部の区間と前記溶接溝における他の一部の区間とは、前記隙間を介して相互に通じており、
    前記溶接方法は、
    前記隙間に溶着金属を盛って塞ぐ第1ステップと、
    前記第1ステップの後に、前記溶接溝に溶着金属を盛って前記第1部材及び前記第2部材を相互に溶接する第2ステップと、
    を含む溶接方法。
  7. 前記対象部材は、角部を有しており、
    前記溶接溝は、前記第1部材と前記第2部材とが相互に隣接された場合に前記対象部材の全周にわたっており、
    前記漏れ止め部は、前記対象部材の第1外面の前記溶接溝と、前記角部を介して前記第1外面に隣接する前記対象部材の第2外面の前記溶接溝との相互間で溶着金属が漏れることを防止し、
    前記漏れ止め部は、前記第1外面の前記溶接溝の長手方向における両端に設けられている、
    前記第2外面の前記溶接溝の長手方向における両端は開放されており、
    前記の溶接方法は、
    前記第2外面の前記溶接溝の長手方向における両端に漏れ防止部材を設ける設置ステップ、を更に含み、
    前記設置ステップは、前記第1ステップの前に行われ、
    前記溶接方法の前記第2ステップは、
    前記第2外面の前記溶接溝に溶着金属を盛って溶接する第1溶接ステップと、
    前記漏れ防止部材を除去する除去ステップと、
    前記第1外面の前記溶接溝に溶着金属を盛って溶接する第2溶接ステップと、を含み、
    前記漏れ防止部材は、前記第2外面の前記溶接溝に盛られた溶着金属が、前記第2外面の前記溶接溝の長手方向において前記第2外面の前記溶接溝から漏れることを防止するための部材である、
    請求項6に記載の溶接方法。
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