JP2000237896A - 中空鋼管溶接用の裏当金 - Google Patents

中空鋼管溶接用の裏当金

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JP2000237896A
JP2000237896A JP11042032A JP4203299A JP2000237896A JP 2000237896 A JP2000237896 A JP 2000237896A JP 11042032 A JP11042032 A JP 11042032A JP 4203299 A JP4203299 A JP 4203299A JP 2000237896 A JP2000237896 A JP 2000237896A
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backing metal
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Masao Ebara
雅夫 江原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくとも内面にアールが付けられた角部を
備える断面角形の中空鋼管同士を突き合わせて溶接する
場合に溶接不良の発生を防止する中空鋼管溶接用の裏当
金を提供すること。 【構成】 少なくとも内面にアールが付けられた角部1
1aを備える断面角形の2つの中空鋼管11、12を長
手方向に突き合わせて溶接する際、中空鋼管の突合せ部
の内面側にほぼ緊密に配置される裏当金10において、
全体として中空鋼管11、12の断面内部形状に整合す
る形状の帯状の裏当金10が、少なくとも中空鋼管1
1、12における角部11aの内面に位置する対応コー
ナー部13で分割され、複数の分割裏当金10a〜10
hで構成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空鋼管溶接用の裏当金
に関し、更に詳細には例えば既施工中空鋼管コラムに更
に新規な中空鋼管を溶接で接続する際の裏当金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨造建物等においては、既施工
中空鋼管コラム(柱)に新規の中空鋼管を溶接で接続し
てその高さを延ばす方法が取られている。この場合、通
常では、既施工中空鋼管コラムの端部に新規な中空鋼管
の端部を突き合わせ(実際的には僅かな隙間即ちルート
ギャップを設け)てその突合せ部を全周に亘って溶接す
ることにより接続される。
【0003】一般的に、中空鋼管同士を突き合わせ、そ
の突合せ部を外面側から溶接する際には、裏当金を内側
に配置することは既によく知られている。その場合、裏
当金は母材である中空鋼管の内面に密着して配置される
ことが良好な溶接部を得るために必要であることから、
中空鋼管の断面内部形状に整合する外形形状で形成され
たリング状を呈していた。ただ、このような裏当金を中
空鋼管端部の内面に取り付ける際の容易性の問題から、
2分割若しくはそれ以上に分割されたものを使用するこ
とがある。
【0004】ところで、通常、鉄骨造建物におけるコラ
ムとして使用する断面角形の中空鋼管は、少なくともそ
の角部の内面にアールが付けられており、従って裏当金
もまたこの中空鋼管の角部内面に位置決めされるコーナ
ー部はこのアールに一致するアールが付けられている。
そして、従来の裏当金では、一般に、コーナー部とコー
ナー部との間の直線部分で分割されて形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶接に
より接続される母材が中空鋼管の場合、その断面形状が
円形である場合には特に問題は生じないが、鉄骨造建物
におけるコラムとして使用することが多い、アールが付
いた角部を有する断面角形の中空鋼管の場合には、裏当
金を原因として溶接不良などの問題が発生することが最
近になって判明した。
【0006】鉄骨造建物のコラムにおいて溶接継手部に
このような溶接不良があれば、当該溶接継手部の強度が
低下し、地震などにより建物が揺れた際にコラムの溶接
継手部が容易に破壊し易いという問題があった。
【0007】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、少なくとも内面にアール
が付けられた角部を備える断面角形の中空鋼管同士を突
き合わせて溶接する場合に溶接不良の発生を防止する中
空鋼管溶接用の裏当金を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は中空鋼管溶接用
の裏当金であり、前述の技術的課題を解決するため以下
のように構成されている。すなわち、本発明は、少なく
とも内面にアールが付けられた角部を備える断面角形の
2つの中空鋼管を長手方向に突き合わせて溶接する際、
前記中空鋼管の突合せ部の内面側にほぼ緊密に配置され
る裏当金において、全体として前記中空鋼管の断面内部
形状に整合する形状の帯状の前記裏当金が、少なくとも
前記中空鋼管における前記角部の内面に位置する対応コ
ーナー部で分割されて複数の分割裏当金で構成されてい
ることを特徴とする。
【0009】<本発明における具体的構成>本発明にお
ける中空鋼管溶接用の裏当金は、前述した必須の構成要
素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場
合であっても成立する。その具体的構成要素とは、前記
中空鋼管が、鉄骨造建物におけるコラムであり、既施工
中空鋼管コラムに新規な中空鋼管を溶接により接続し、
連続したコラムとすることを特徴とする。
【0010】このように構成された本発明における中空
鋼管溶接用の裏当金によると、全体として中空鋼管の断
面内部形状に整合する形状の帯状の裏当金は、中空鋼管
における角部のアール内面に位置する対応コーナー部で
少なくとも分割されている。従って、ある分割裏当金で
は、中空鋼管の角部におけるアール内面に整合する対応
コーナー部の半分である折曲部を備えていることにな
る。
【0011】この分割裏当金が中空鋼管の内面に配置さ
れる時、端部に形成されている折曲部を中空鋼管の角部
におけるアール内面に当接するように位置決めされて配
置される。次いで、先に配置した分割裏当金の折曲部に
連接して1つの対応コーナー部を構成する他の折曲部を
端部に備える別の分割裏当金を同様にその折曲部を中空
鋼管の角部内面に当接するように配置する。
【0012】これにより、各分割裏当金を一体物として
見た時、たとえその対応コーナー部が中空鋼管における
角部のアール内面に完全に密着し得るような精度の高い
成形状態になく、角部のアール内面になじみ難い場合で
あっても、2つに分割された分割裏当金の夫々の折曲部
が個々に中空鋼管における角部のアール内面に当接配置
されるため、密着度が非常に高くなり、その結果良好な
溶接を得ることができる。その場合、2つの分割裏当金
の隣接する折曲部同士を完全に当接させる必要はなく、
僅かに隙間をあけた状態であっても中空鋼管同士の溶接
に特に問題は起こらない。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明における中空鋼管溶接
用の裏当金を図に示された実施形態について更に詳細に
説明する。図1及び図2には本発明の一実施形態に係る
中空鋼管溶接用の裏当金10が示されている。この実施
形態に係る中空鋼管溶接用の裏当金10は、各角部にお
ける内面にアールを付けて形成された断面四角形の既施
工中空鋼管コラム(柱)11に断面形状が同じ新規な中
空鋼管12を突き合わせて溶接により接続する場合に使
用するものを例としている。
【0014】この裏当金10の全体形状としては、図2
に示されるように溶接される中空鋼管コラム11及びこ
れに接続される新規な中空鋼管12の横断面内部形状に
整合する形状を呈して四角形状に形成されている。ここ
で、便宜的に、この裏当金10において、既施工中空鋼
管コラム11における角部11aのアール内面に位置す
る対応部を「対応コーナー部」と称し、参照符号13で
示すことにする。
【0015】そして、この裏当金10は、分割されて8
つの分割裏当金10a〜10hに形成されている。この
時の分割箇所は、各対応コーナー部13と、各対応コー
ナー部13間の中間部とである。これにより、各分割裏
当金10a〜10hは、一端に折曲部13aを備えるこ
とになり、例えば2つの分割裏当金10b、10cにお
けるそれぞれの折曲部13a、13bは、これらを突き
合わせるようにして中空鋼管コラム11の内部に配置す
ることにより、その角部におけるアール内面に整合する
対応コーナー部13となる。
【0016】次に、このような分割裏当金10a〜10
hを組み合わせて1つの裏当金10を構成し、これを既
施工中空鋼管コラム11と新規な中空鋼管12との溶接
予定箇所に配置する場合について説明する。
【0017】図1を参照し、既施工中空鋼管コラム11
の端部における一対の対向する外側面部のそれぞれには
長手方向に伸長するエレクションピース14が平行に設
けられている。このエレクションピース14は予め中空
鋼管11に工場で溶接されている。次いで、この既施工
中空鋼管コラム11の上端部における各内側面には、分
割裏当金10a〜10hの大部分が当該コラム11の上
端部から長手方向に突出するように配置され、その下端
縁をコラム11の内壁に溶接して固定される。
【0018】その際、各分割裏当金10a〜10hは、
各々の端部に形成されている折曲部13a、13bを既
施工中空鋼管コラム11の角部11aにおけるアール内
面に当接するように位置決めされて配置される。すなわ
ち、例えば1つの分割裏当金10aを配置する時、その
端部に形成されている折曲部13aを既施工中空鋼管コ
ラム11の角部11aにおけるアール内面に当接するよ
うに位置決めされて溶接される。
【0019】次いで、先に配置した分割裏当金10aの
折曲部13aに連接して1つの対応コーナー部13を構
成する他の折曲部13bを端部に備える別の分割裏当金
10bを、同様にその折曲部13bが既施工中空鋼管コ
ラム11の角部におけるアール内面に当接するように配
置する。このようにしてすべての分割裏当金10c〜1
0hを中空鋼管コラム11の内面に配置し、溶接により
固定する。
【0020】これにより、各分割裏当金10a〜10h
を一体物として見た時、たとえその対応コーナー部13
が既施工中空鋼管コラム11における角部11aのアー
ル内面に完全に密着し得るような精度の高い成形状態に
なく、角部11aのアール内面になじみ難い場合であっ
ても、対応コーナー部13の中間部で少なくとも2つに
分割された折曲部13a、13bが個々に既施工中空鋼
管コラム11における角部11aのアール内面に当接配
置されるため、密着度が非常に高くなり、その結果良好
な溶接を得ることができる。
【0021】その場合、各分割裏当金10a〜10hに
おける相互に隣接する折曲部13a、13b同士は、隙
間がないような完全密着状態に当接する必要はなく、僅
かに隙間をあけた状態であっても中空鋼管同士の溶接に
特に問題は起こらない。言い換えれば各分割裏当金10
a〜10hを中空鋼管コラム11の内面に配置する時、
むしろ折曲部13a、13bが角部11aのアール内面
になじむように当てがうことが優先される。
【0022】このようにして中空鋼管コラム11の端部
に固着された裏当金10は、既施工中空鋼管コラム11
の上端から突出することから、後述する新規中空鋼管1
2を継ぎ足す際の位置決め部材としても機能する。この
既施工中空鋼管コラム11に接続される新規な中空鋼管
12もその端部には既施工中空鋼管11とまったく同様
にその対向する一対の側面部にエレクションピース15
が予め溶接で取り付けられている。
【0023】新規な中空鋼管12は、その下端部の開口
から内部へ前述した裏当金10が嵌合するように既施工
中空鋼管11の直上に配置されると共に、両中空鋼管の
端面同士が所定の間隔即ちルートギャップ(開先)16
を確保するように位置決めされる。すなわち、エレクシ
ョンピース14、15は、それぞれ中空鋼管の端面が存
する平面位置から長手方向外側に僅かに突出しており、
これらエレクションピース14、15の突出長さはこれ
らが当接した時に好適な開先16が形成されるように予
め設計されている。
【0024】そして、長手方向一線上に並んだエレクシ
ョンピース14、15に橋渡しするように且つ両面から
これら各ピース14、15を挟むようにエレクションプ
レート(図示せず)が配置され、ハイテンションボルト
等を使用して締結されて仮組みされる。そして、所定の
開先16をあけて対向した既施工中空鋼管コラム11と
新規な中空鋼管12と両端面が全周に亘り且つ常法に従
って複数層に溶接され、堅固な接続がなされる。
【0025】このような実施形態によると、結果的に、
中空鋼管角部11aにおけるアール内面に裏当金10の
対応コーナー部13がよくなじんで密着配置されること
から溶接が非常に良好になされ、欠陥の発生を少なくす
ることができる。なお、図1に示されるように、滑り止
めピース17を既施工中空鋼管コラム11の端部外側面
に片側すみ肉溶接により固定しておき、新規な中空鋼管
12を設置して溶接する直前に撤去するようにすること
も好ましい。
【0026】このように、既施工中空鋼管コラム11に
新規な中空鋼管12を溶接で接続する際に、少なくとも
対応コーナー部のほぼ中間部で分割された分割裏当金を
使用するだけで、品質の良好な溶接部を得ることができ
る。
【0027】なお、前述した本発明の一実施形態では、
図1に示されるように裏当金10の大部分が既施工中空
鋼管コラム11の端部から長手方向外側に突出するよう
に配置したものであったが、図3に示されるように裏当
金10のほぼ半分の高さ寸法を既施工中空鋼管コラム1
1の端部から長手方向外側に突出するように配置して突
き合わせ溶接を行っても同様の効果を得ることができ
る。
【0028】前述した各実施形態では、いずれも断面形
状が四角形の既施工中空鋼管コラムに同じ断面形状の新
規な中空鋼管を溶接で接続するものであったが、角部の
内面にアールが付けられた断面角形の中空鋼管同士を溶
接により接続する場合に広く適用することができること
はいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における中
空鋼管溶接用の裏当金によれば、裏側に当金を配置して
断面角形の中空鋼管を突合せ溶接する際に、少なくとも
対応コーナー部にて分割したものを配置して裏当金とす
ることにより、溶接欠陥の発生が非常に少なくなり、品
質の良好な溶接を得ることができ、その結果溶接作業の
歩留まりが高く、作業性を格段に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る中空鋼管溶接用の裏
当金を使用して既施工中空鋼管コラムに新規な中空鋼管
を突合せ溶接する一例を示す断面図である。
【図2】図1における2―2線に沿って切断して本発明
における中空鋼管溶接用の裏当金を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る中空鋼管溶接用の裏
当金を使用して既施工中空鋼管コラムに新規な中空鋼管
を突合せ溶接する別な例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 裏当金 10a〜10h 分割裏当金 11 既施工中空鋼管コラム 11a 角部 12 新規な中空鋼管 13 対応コーナー部 13a 折曲部 13b 折曲部 14 エレクションピース 15 エレクションピース 16 開先 17 滑り止めピース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内面にアールが付けられた角
    部を備える断面角形の2つの中空鋼管を長手方向に突き
    合わせて溶接する際、前記中空鋼管の突合せ部の内面側
    にほぼ緊密に配置される裏当金において、 全体として前記中空鋼管の断面内部形状に整合する形状
    の帯状の前記裏当金が、少なくとも前記中空鋼管におけ
    る前記角部の内面に位置する対応コーナー部で分割され
    て複数の分割裏当金で構成されていることを特徴とする
    中空鋼管溶接用の裏当金。
  2. 【請求項2】 前記中空鋼管が、鉄骨造建物におけるコ
    ラムであり、既施工中空鋼管コラムに新規な中空鋼管を
    溶接で接続して連続するコラムとすることを特徴とする
    請求項1に記載の中空鋼管溶接用の裏当金。
JP11042032A 1999-02-19 1999-02-19 中空鋼管溶接用の裏当金 Pending JP2000237896A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007044756A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Showa Denko Kk 裏当て治具および中空状被接合材の摩擦攪拌接合方法
JP2014231673A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 新日鐵住金株式会社 杭頭構造及び杭頭構造の構築方法

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