JP4028180B2 - 冷陰極装置及び冷陰極の作製方法 - Google Patents

冷陰極装置及び冷陰極の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷陰極装置及びその作製方法に関し、特に、先端が尖鋭なコーン形状となる電界放出冷陰極(冷陰極)を有する冷陰極装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷陰極装置は、先端が尖鋭なコーン形状をもつ陰極とそれを取り囲むゲート電極との間に電圧を印加して、電界で陰極先端から電子を放出させるスピント型と称される構造が一般的であった。このスピント型の冷陰極装置における電子の放出効率は、冷陰極の電子放出領域に生成される電界集中と冷陰極材料の仕事関数φ等の諸特性に大きく左右されるものであった。
【0003】
特に、スピント型の冷陰極装置での電界集中は、冷陰極の尖鋭度や冷陰極とゲート電極との距離で決まるので、電子放出効率の大幅な向上のためには、リソグラフィーを中心とする微細加工技術の精度の向上やさらなる微細加工技術の進展が必要であった。
【0004】
また、スピント型の冷陰極装置では、冷陰極材料には主としてMo(モリブデン)やNi(ニッケル)等の高融点金属の蒸着や、シリコン等の選択エッチングと熱酸化とにより作製されていた。これらの冷陰極材料の仕事関数φは、φ=4〜5eV(エレクトロンボルト)程度であり、さらなる電子放出効率の向上には低仕事関数の材料が求められていた。
【0005】
一方、微細加工を必要としない冷陰極装置として、MIM型(Metal/Insulator/Metal)、及びMIS型(Metal/Insulator/Semiconductor)等の面放出型の冷陰極装置があった。
【0006】
この面放出型の冷陰極装置では、ミクロな電界集中の精度は不明であるが、ダイヤモンドやダイヤモンド状炭素(DLC:Diamonnd−Like Carbon)、あるいは窒化アルミニウム(AIN)や窒化ボロン(BN)等を冷陰極材料としたものがあった。これらの材料は、負性電子親和力(NEA:Negative Electron Affinity)特性を有するといわれており、その高硬度性能や化学的安定性等からも面放出型の冷陰極装置のみならず、スピント型の冷陰極装置の冷陰極材料としても有望であると考えられている。
【0007】
さらには、カーボンナノチューブ(CNT:Carbon Nano−Tube)やカーボンファイバー等が良好な電子放出特性を示すことが明らかとなり、蛍光表示管やディスプレイが試作されるに至っている。
【0008】
しかしながら、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、窒化アルミニウム、窒化ボロン、カーボンナノチューブ及びカーボンファイバー等を材料とした冷陰極については、明瞭なNEA特性は見出されておらず、実用化が阻まれている。
【0009】
一方、シリコンを材料とした冷陰極では、シリコンを多孔質化してナノサイズの結晶層を形成し、この結晶層中に電子を弾道的に走行させることによって、低電圧で電子を放出できることが確認されており、このようなシリコンで冷陰極を構成した冷陰極装置を用いたディスプレイが試作されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0011】
シリコンを冷陰極に用いた従来の冷陰極装置では、その電子放出特性は、冷陰極とゲート電極との距離及び冷陰極先端の尖鋭度によって決まるので微細加工技術の高精細化によってのみ性能向上が可能であるといわれていた。すなわち、半導体の仕事関数φは、中性条件(n=p)より不純物無添加の場合には下記の式(1)で表される。
【0012】
【数1】
φ=Ev+(1/2)Eg+(3/4)KBT×ln(mh/me)・・・(1)
一方、不純物添加の場合の仕事関数φは下記の式(2)によって表される。
【0013】
【数2】
φ=(1/2)(Ev+Eg+ED)+(1/2)KBT×ln
((1/4)ND−(2πh2/meBT)3/2) ・・・(2)
ただし、EVは価電子帯端エネルギー、Egはバンドギャップエネルギー、ECは伝導帯端エネルギー(=Ev+Eg)、EDはドナー準位、NDはドナー濃度、meは電子有効質量、mhは正孔有効質量、KBはボルツマン定数、Tは温度、hはプランク定数を示す。
【0014】
式(1)の(mh/me)は第1項及び第2項に比べて小さいので、式(1)は仕事関数φがバンドギャップのほぼ中央にあることを示している。一方、式(2)はKBT≪(Ev+Eg−ED)の場合には仕事関数φがドナー準位と伝導帯端との中央に位置することを示しており、高温の場合には無添加の場合と同様に、仕事関数φがバンドギャップの中央にあることを示している。
【0015】
しかしながら、実際のシリコンの電界放出では、電子が存在するエネルギーレベルすなわち伝導帯からだけではなく、価電子帯からも電子が放出される。この場合の電子の放出は、真空準位から見たそれぞれの電子のエネルギー深さを仕事関数として放出される。従って、不純物が添加される通常のn型シリコンでは、その仕事関数φは伝導帯端に相当する仕事関数よりも小さくすることは困難であると考えられ、その向上についての試みはほとんど行われていなかった。
【0016】
また、前述するナノサイズの結晶層中で電子を弾道的に走行させてホット電子として放出させる冷陰極装置では、基板とゲート電極用薄膜金属とによって、ナノサイズの結晶層を挟んだMIM型あるいはMIS型構造をとっている。従って、この冷陰極装置では、仕事関数φは小さくすることができるものの、ナノサイズの結晶層を弾道的に走行する電子の大半はゲート電極に流れ込むこととなり、真空中への電子放出の効率は低いという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、冷陰極からの電子放出効率を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、冷陰極から放出される電子の放出開始電圧を低減することが可能な技術を提供することにある。
【0019】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0021】
(1)基板に形成された陰極母線及び該陰極母線に電気的に接続されるシリコンからなる電界放出冷陰極を有すると共に、前記電界放出冷陰極から離間して配設されるゲート電極を有する冷陰極装置の作製方法において、前記電界放出冷陰極の電子放出領域に濃度5×10 20 /cm 3 以上のn型の不純物を添加する工程を備える。
【0022】
(2)シリコン材料からなる電界放出冷陰極と、該電界放出冷陰極に電気的に接続される陰極母線と、前記電界放出冷陰極から離間して配設されるゲート電極とを有する冷陰極装置において、前記電界放出冷陰極の電子放出領域に、n型不純物が5×1020/cm3以上添加される層が形成されている。
【0023】
前述した(1)もしくは(2)の手段によれば、前記電界放出冷陰極の電子放出領域にn型の不純物を添加する工程によって、下記の原理の項に示すように、仕事関数φを低減できることとなり、その結果として、シリコンで形成した冷陰極からの電子放出効率を向上させることができる。従って、冷陰極から放出される電子の放出開始電圧を低減することができる。
【0024】
特に、n型不純物の濃度が5×1020/cm3以上とすることによって、n型不純物を添加した領域では、シリコンの通常のΓ−Xラインの伝導帯端より0.2eV上方のX−Uラインにフェルミ準位を入れることができるので、仕事関数φを低減できることとなり、シリコンで冷陰極を構成した場合でも冷陰極からの電子放出効率を向上させることができることとなる。
【0025】
(原理)
図1はn型不純物の高濃度領域を形成する方法を説明するための図であり、以下、図1に基づいて、その手順を説明する。
【0026】
ChelikowskiとCohenとの計算によると、シリコンにおける重い有効質量の谷は、通常のΓ−Xラインの伝導帯端より0.2eV上方のX−Uラインに存在する。フェルミ準位がこの新しい谷に入るためのn型不純物濃度は、5×1020/cm3以上とされている。従って、シリコンにn型不純物をこの濃度以上に添加することによって、仕事関数φを低減できることとなり、その結果として、シリコンで形成した冷陰極からの電子放出効率を向上させることができることとなる。
【0027】
まず、図1の(a)に示すように、イオンビーム102によりシリコン結晶基板101の表面層に、図示しないn型不純物であるリン(P)あるいはヒ素(As)原子を高濃度に注入することによって、n型不純物の注入層(基板表面層)103を形成する。このときのn型不純物の注入層103における不純物濃度分布は、図1の(a)の不純物濃度分布曲線104に示すように、n型不純物の注入面側からのガウス分布型となる。ただし、n型不純物濃度のピーク値すなわちピーク原子濃度は、後述するように、2×1021/cm3以上とすることが望ましい。
【0028】
このn型不純物の注入すなわち高濃度イオン注入によって、n型不純物の注入層103では結晶が大きく破壊されることとなる。従って、図1の(b)に示すように、n型不純物の注入層103に対して、パルスレーザー光105を照射することによって、n型不純物の注入層103を融解させる。このときのパルスレーザー光105の照射条件は、n型不純物の注入層103の融解が瞬時になされ、溶融された層(以下、「溶融層」と記す)106が出現するように設定される必要があることはいうまでもない。なお、このパルスレーザー光105の照射条件については後述する。
【0029】
次に、パルスレーザー光105の照射条件を変化させることによって、図1の(c)に示すように、シリコン結晶基板101の深部すなわちn型不純物の注入層103が溶融された溶融層106の深部を結晶種とした当該n型不純物の注入層103の高速固化を行う。このとき、例えば1〜10m/sの固化速度で高速固化を行うことにより、溶融層106はその深部から高速固化していき、この固化した領域である固化領域107が矢印108で示す方向すなわちシリコン結晶基板101の表面側へと拡がっていく。
【0030】
このとき、図1の(d)に示すように、不純物原子は熱平衡固溶限を越えて半導体結晶表面層であるn型不純物の固溶層109に固溶されることとなる。結晶に固溶される不純物濃度Cmaxは、下記の式(3)で近似できることが知られている。
【0031】
【数3】
Cmax=kCeu ・・・(3)
ただし、kは注入した不純物の固液界面での偏析係数、Ceuは共晶点融液における不純物濃度を示す。
【0032】
ここで、シリコン結晶基板101にリンを注入した場合の偏析係数k(P)及び不純物濃度Ceu(P)は、それぞれk(P)=0.35,Ceu(P)=1.7×1022/cm3となり、ヒ素を注した場合の偏析係数k(As)及び不純物濃度Ceu(As)は、それぞれk(As)=0.3,Ceu(As)=2×1022/cm3となる。従って、結晶に固溶される不純物濃度Cmaxは、リンを注入した場合でCmax(P)=6×1021/cm3となり、ヒ素を注入した場合でCmax(As)=6×1021/cm3となり、リン及びヒ素の何れの不純物原子とも固溶濃度C>5×1020/cm3を得ることは可能である。
【0033】
ただし、n型不純物を注入した注入層103を融解して融液状態にした場合には、不純物の拡散速度は固定の場合に比較して大きく増大し、図1の(d)の不純物濃度分布曲線110に示すように、ガウス分布の上部が平坦となるように不純物の拡散が起こることとなる。従って、図1の(a)の不純物濃度分布曲線104から明らかなように、イオン注入時の不純物濃度のピーク値すなわちピーク原子濃度は、少なくとも1×1021/cm3程度以上が必要であり、理想的には前述する2×1021/cm3以上が望ましい。
【0034】
また、1〜10m/sの高速固化を実現するためのパルスレーザの照射条件は、例えばレーザー波長が488.0nm(ナノメータ)〜514.5nmであり、パルス幅が数十nsec(ナノ秒)であり、照射エネルギーが1J/cm2(ジュール/cm2)である。なお、n型不純物の注入層103を融解させる方法は、パルスレーザー光105の照射に限定されるものではなく、電子ビームもしくはX線ビームあるいはイオンビーム等のその他のエネルギービームを用いて、1〜10m/sの高速固化を実現してもよいことはいうまでもない。
【0035】
以上説明したように、本願発明では、イオン注入を行うイオンビーム102あるいはパルスレーザー光105の照射位置を走査し、シリコン結晶基板101の表面上の選択された領域のみにn型不純物の固溶領域(固溶層109)を形成することによって、電子放出領域を空間的に任意に選択できる冷陰極装置を形成することが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0038】
(実施の形態1)
図2は本発明の実施の形態1のゲート電極付き冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。以下、図2に基づいて、実施の形態1のゲート電極付き冷陰極装置の作製方法を説明する。なお、陰極孔207を形成するまでの工程は、従来のゲート電極付き冷陰極装置と同様の手順となるので、以下の説明では、本願発明である多結晶シリコン層203にn型不純物高濃度固溶層211を形成する手順について、詳細に説明する。
【0039】
図2において、201はガラス基板、202は陰極母線、203は多結晶シリコン層、204は堆積原料、205はゲート絶縁膜、206はゲート電極母線、207は陰極孔、208はイオンビーム、209はn型不純物高濃度注入層、210はパルスレーザー光、211はn型不純物高濃度固溶層を示す。
【0040】
まず、図2の(a)に示すように、原料基板となるガラス基板201に陰極母線202となる感光性ペーストを堆積した後に、周知のリソグラフィー法などにより列方向のラインに加工する。特に実施の形態1では、陰極母線202は、図2の(a)に示すように、ガラス基板201の上面に形成され、3本の陰極母線202がそれぞれ独立されている。なお、陰極母線202は、3本に限定されるものではなく、1本以上ならばよいことはいうまでもない。
【0041】
次に、周知の化学的気相堆積法(CVD:Chemical Vapor Deposition)によって、堆積原料204を堆積する。この堆積原料204の堆積によって形成された多結晶シリコン層203は、後述するように、n型不純物の注入がなされることとなる。
【0042】
次に、図2の(c)に示すように、酸化シリコン等を堆積し、この酸化シリコンを絶縁層(ゲート絶縁膜)205とする。この後に、陰極母線202となる感光性ペーストと同様にして、ゲート絶縁膜205の上面に感光性ペーストを堆積した後に、列ラインと直交する行方向のラインであるゲート電極母線206を作製する。従って、各陰極母線202と各ゲート電極母線206とは、多結晶シリコン層203とゲート絶縁膜205とにより離間された構造となる。また、多結晶シリコン層203と各ゲート電極母線206とは、ゲート絶縁膜205により離間された構造となる。なお、陰極母線202とゲート電極母線206とが交差するときの角度は、直角に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0043】
次に、図2の(d)に示すように、前述までの工程によって作製した基板に対して、リソグラフィー法などにより、冷陰極の形成領域としての陰極孔207を多結晶シリコン層203が露出する深さまで形成する。このときの陰極孔207は、例えば、多結晶シリコン層203とゲート絶縁膜205とを介して陰極母線202とゲート電極母線206とが交差する領域に形成される構造となっている。
【0044】
次に、図2の(e)に示すように、前述までの工程で作製された基板に対して、前述した原理の項に示すn型不純物の注入層103を形成するために、原理の項に示す条件すなわちイオン注入時での不純物濃度のピーク値すなわちピーク原子濃度が少なくとも1×1021/cm3程度以上、理想的には2×1021/cm3以上となるように、リンあるいはヒ素を高濃度にイオン注入する。ただし、この工程では、n型不純物となるリンあるいはヒ素のイオンを加速したイオンビーム208を、前述までの工程で作製された基板の前面側から照射することによってリンあるいはヒ素をイオン打ち込みする。このイオン打ち込みによって、陰極孔207の形成によって露出された多結晶シリコン層203にn型不純物の注入層103(イオン打ち込み層となるn型不純物高濃度注入層209を形成する。なお、このイオン打ち込み時には、ゲート電極母線206の前面すなわちイオンビーム208が照射される側に、例えば周知のフォトレジスト等をマスク材料としたレジストマスクを形成しておくことによって、イオン打ち込みによるゲート電極母線206への影響を防止することはいうまでもない。
【0045】
次に、図2の(f)に示すように、前述までの工程で作製されたn型不純物高濃度注入層209における欠陥の除去及びキャリアの回復並びにキャリアの再分布を行うために、パルスレーザー光210を照射する。この後に、このパルスレーザー光210の照射条件を変化させることによって、多結晶シリコン層203の深部すなわちn型不純物高濃度注入層209が溶融された図示しない溶融層の深部を結晶種とした高速固化を行い、n型不純物高濃度固溶層211を形成する。ただし、この工程では、前述した原理の項に示すように、基板の前面側すなわち陰極孔207の開口側から照射されるパルスレーザー光210の照射条件は、n型不純物高濃度注入層209の融解が瞬時になされ、図示しない溶融層106が出現するように設定される。図示しない溶融層106が出現した後のパルスレーザー光210の照射条件の変化は、例えば1〜10m/sの固化速度で溶融層106の高速固化を行わせるために、レーザー波長が488.0nm(ナノメータ)〜514.5nm、パルス幅が数十nsec(ナノ秒)、照射エネルギーが1J/cm2(ジュール/cm2)とする。
【0046】
その結果、n型不純物高濃度固溶層211での不純物濃度Cmaxは、リンを注入した場合ではCmax(P)=6×1021/cm3となり、また、ヒ素を注入した場合ではCmax(As)=6×1021/cm3となり、リン及びヒ素の何れの不純物原子が注入されている場合であっても、固溶濃度C>5×1020/cm3となる。
【0047】
従って、陰極孔207に露出することとなるシリコン表面層の仕事関数φが向上することとなるので、冷陰極の電子放出効率が向上する。また、冷陰極から放出される電子の放出開始電圧を低減することができる。
【0048】
なお、実施の形態1の冷陰極装置では、冷陰極となるn型不純物高濃度固溶層211の前面形状は平坦としたが、これに限定されることはなく、イオン照射等によってn型不純物高濃度固溶層211の前面に凹凸を形成することによって、電界集中ファクターを大きくすることが可能となる。その結果、さらに冷陰極の電子放出効率を向上させることができると共に、冷陰極すなわちn型不純物高濃度固溶層211の前面から放出される電子の放出開始電圧をさらに低減することができる。
【0049】
一方、実施の形態1の冷陰極装置を真空気密容器内に配置すると共に、この真空気密容器内で冷陰極装置と対向する位置にアノードとなる電極を配置し、このアノード電極の冷陰極装置側に周知の蛍光体を配置することによって、文字やグラフィックス等を表示する蛍光発光型の表示装置を形成する。この場合、陰極母線202及びゲート電極母線206並びにアノード電極間に所定電圧の駆動信号を供給することによって、冷陰極装置の冷陰極から放出された電子により蛍光体が発光し、各電極の形成パターンや駆動信号に応じた文字やグラフィックス等の発光表示あるいは発光素子としての発光表示を行うことができる。
【0050】
このとき、実施の形態1の冷陰極装置を用いた蛍光発光型の表示装置では、陰極孔207に露出することとなるシリコン表面層の仕事関数φが向上し、冷陰極からの電子放出効率が大幅に向上しているので、低電圧駆動で高輝度の発光表示を得ることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2のスピント型冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。以下、図3に基づいて、実施の形態2のシリコンスピント型冷陰極装置の作製方法を説明する。なお、図3の(a)に示す先端が尖鋭なコーン形状のシリコン冷陰極を形成するまでの工程は、従来のシリコンスピント型冷陰極装置と同様の工程となるので、以下の説明では、本願発明であるシリコンの冷陰極にn型不純物の固溶層109を形成する手順について、詳細に説明する。
【0052】
において、301はシリコン基板、302はゲート絶縁膜、303はゲート電極、304はイオンビーム、305はイオン注入層、306はパルスレーザー光、307は再結晶化層を示す。
【0053】
まず、原料基板としてシリコン基板301の前面にゲート絶縁膜302とゲート電極303とを形成した後に、この基板の前面すなわちゲート電極303が形成される上面からコーン形状の先端が突出したシリコン冷陰極を形成することによって、図3の(a)に示すスピント型冷陰極装置を形成する。
【0054】
次に、図3の(b)に示すように、リンやヒ素等のn型不純物のイオンビーム304を基板の前面側に照射することによって、尖鋭なコーン形状のシリコン冷陰極の先端部分、すなわち少なくともゲート絶縁膜302及びゲート電極303とから突出している部分に、リンあるいはヒ素を高濃度にイオン注入する。このイオン注入では、原理の項に示す条件すなわちイオン注入時での不純物濃度のピーク値すなわちピーク原子濃度が少なくとも1×1021/cm3程度以上、理想的には2×1021/cm3以上となるように、リンあるいはヒ素をイオン注入することによって、前述した原理の項に示すn型不純物の注入層103に相当するイオン注入層305を形成する。
【0055】
次に、図3の(c)に示すように、イオン注入層305における欠陥の除去及びキャリアの回復並びにキャリアの再分布を行うために、パルスレーザー光306を照射する。この後に、このパルスレーザー光306の照射条件を変化させることによって、イオン注入層305の深部すなわちイオン注入層305が溶融された図示しない溶融層の深部を結晶種とした高速固化を行い、再結晶化層307を形成する。ただし、この工程における基板の前面側から照射されるパルスレーザー光306の照射条件は、前述した原理の項に示すように、イオン注入層305の融解が瞬時になされ、図示しない溶融層106が出現するように設定される。この溶融層106が出現した後のパルスレーザー光306の照射条件の変化は、例えば1〜10m/sの固化速度で溶融層106の高速固化を行わせるために、レーザー波長が488.0nm(ナノメータ)〜514.5nm、パルス幅が数十nsec(ナノ秒)、照射エネルギーが1J/cm2(ジュール/cm2)とする。
【0056】
その結果、再結晶化層307での不純物濃度Cmaxは、リンを注入した場合ではCmax(P)=6×1021/cm3となり、また、ヒ素を注入した場合ではCmax(As)=6×1021/cm3となり、リン及びヒ素の何れかの不純物原子が注入されている場合であっても、固溶濃度C>5×1020/cm3となる。
【0057】
なお、実施の形態2のスピント型冷陰極装置では、尖鋭なコーン形状のシリコン冷陰極の先端部分、すなわち少なくともゲート絶縁膜302及びゲート電極303とから突出している部分の全ての領域に、リン及びヒ素の何れかの不純物原子を注入する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば尖鋭なコーン形状のシリコン冷陰極の先端部分の表面にのみリン及びヒ素の何れかの不純物原子を注入する構成としてもよいことはいうまでもない。
【0058】
以上説明したように、実施の形態2のスピント型冷陰極装置では、スピント型のシリコン冷陰極の表面層すなわち少なくともゲート電極303に取り囲まれ電子放出領域となる部分に、n型不純物を注入した層である再結晶化層307を形成する構成となっているので、シリコン冷陰極の仕事関数φが向上し、このシリコン冷陰極からの電子放出効率を大幅に向上できる。その結果、実施の形態1と同様に、実施の形態2のスピント型冷陰極装置を用いて蛍光発光型の表示装置を形成した場合、電子放出源となるシリコン冷陰極からの電子放出効率を大幅に向上できるので、低電圧駆動で高輝度の発光表示を得ることができる。
【0059】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3の選択的な電子放出領域を有する冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。以下、図4に基づいて、実施の形態3の選択的な電子放出領域を有する冷陰極装置の作製方法を説明する。
【0060】
図4において、401はシリコン基板、402はイオンビーム、403はn型不純物の高濃度イオン注入層、404はパルスレーザー光、405はn型不純物の高濃度固溶層、406は電界放出電子を示す。
【0061】
まず、図4の(a)に示すように、原料基板としてシリコン基板301の前面から、リンやヒ素等のn型不純物のイオンビーム402を照射することによって、
シリコン基板401の表面層にn型不純物であるリンあるいはヒ素原子が高濃度に注入されたn型不純物の高濃度イオン注入層403を形成する。このイオン注入では、原理の項に示す条件すなわちイオン注入時での不純物濃度のピーク値すなわちピーク原子濃度が少なくとも1×1021/cm3程度以上、理想的には2×1021/cm3以上となるように、リンあるいはヒ素をイオン注入することによって、前述した原理の項に示すn型不純物の注入層103に相当するn型不純物の高濃度イオン注入層403を形成する。
【0062】
次に、図4の(b)に示すように、n型不純物の高濃度イオン注入層403における欠陥の除去及びキャリアの回復並びにキャリアの再分布を行うために、パルスレーザー光404を照射する。このとき、実施の形態3では、ビーム径を絞ったパルスレーザー光404を使用すると共に、パルスレーザー光404の照射位置を基板表面上で走査することによって、n型不純物の高濃度固溶層405を任意の位置に形成する。ただし、基板の前面側から照射されるパルスレーザー光404の照射条件は、前述した原理の項に示すように、n型不純物の高濃度イオン注入層403の融解が瞬時になされ、図示しない溶融層106が出現するように設定される。この溶融層106が出現した後のパルスレーザー光404の照射条件の変化は、例えば1〜10m/sの固化速度で溶融層106の高速固化を行わせるために、レーザー波長が488.0nm(ナノメータ)〜514.5nm、パルス幅が数十nsec(ナノ秒)、照射エネルギーが1J/cm2(ジュール/cm2)とする。
【0063】
すなわち、実施の形態3の製造装置では、所望のn型不純物の高濃度固溶層405よりもレーザービーム径が絞られると共に、出射されるパルスレーザー光404の照射位置を任意に制御する走査機構を有する図示しない周知のレーザー装置を備えるものである。従って、実施の形態3では、n型不純物の高濃度イオン注入層403に照射するパルスレーザー光404の位置すなわちパルスレーザー光404の走査位置を制御することによって、シリコン基板401の前面領域に形成されるn型不純物の高濃度イオン注入層403の内で予め設定された領域のn型不純物の高濃度イオン注入層403を融解させる。このときのパルスレーザー光105の照射条件は、照射領域内のn型不純物の高濃度イオン注入層403の融解が瞬時になされ、図示しない溶融層106が出現するように設定されると共に、予め設定された領域の全てにパルスレーザー光404が照射されるようにする。
【0064】
次に、パルスレーザー光404の照射条件を変化させることによって、n型不純物の高濃度イオン注入層403の深部すなわちn型不純物の高濃度イオン注入層403が溶融された図示しない溶融層の深部を結晶種とした高速固化を行い、n型不純物の高濃度固溶層405を形成する。ただし、パルスレーザー光404の照射によるn型不純物の高濃度固溶層405の形成は、1回のパルスレーザー光404の照射により全てのn型不純物の高濃度固溶層405を一度に形成する方式に限定されることはなく、例えば予め設定された複数領域を順番にあるいは所定数領域ずつ順番に形成してもよいことはいうまでもない。さらには、イオンビーム402のビーム径を絞ることによって、所定領域の少なくとも一の領域にn型不純物の高濃度イオン注入層403を形成し、この形成されたn型不純物の高濃度イオン注入層403にパルスレーザー光404を照射してn型不純物の高濃度固溶層405を形成する過程を繰り返すことによって、所望の全てのn型不純物の高濃度固溶層405を形成してもよいことはいうまでもない。
【0065】
以上に説明した手順によって、シリコン基板401にn型不純物の高濃度固溶層405を形成することによって、n型不純物の高濃度固溶層405での不純物濃度Cmaxは、リンを注入した場合ではCmax(P)=6×1021/cm3となる。また、ヒ素を注入した場合ではCmax(As)=6×1021/cm3となり、リン及びヒ素の何れの不純物原子が注入されている場合であっても、固溶濃度C>5×1020/cm3となる。
【0066】
従って、n型不純物の高濃度固溶層405ではn型不純物の高濃度イオン注入層403よりもシリコン仕事関数φが向上し冷陰極としての電子放出効率が向上することとなるので、実施の形態3の冷陰極装置を使用した場合、図4の(c)に示すように、n型不純物の高濃度固溶層405からのみ電界放出電子が放出されることとなる。
【0067】
このとき、実施の形態1と同様に、実施の形態3の冷陰極装置を用いて蛍光発光型の表示装置を形成した場合、電界放出電子406の放出源となる冷陰極からの電子放出効率を大幅に向上できるので、低電圧駆動で高輝度の発光表示を得ることができる。
【0068】
また、実施の形態3の冷陰極装置では、冷陰極となるn型不純物の高濃度固溶層405の前面形状は平坦としたが、これに限定されることはなく、イオン照射等によってn型不純物の高濃度固溶層405の前面に凹凸を形成することによって電界集中ファクターを大きくすることが可能となる。その結果、さらに冷陰極の電子放出効率を向上させることができると共に、冷陰極すなわちn型不純物の高濃度固溶層405の前面から放出される電界放出電子406の放出開始電圧をさらに低減することができる。
【0069】
なお、実施の形態1〜3では、冷陰極装置を蛍光発光型の表示装置に使用した場合についてのみ説明したが、本発明の冷陰極装置の適用範囲は表示装置に限定されることはなく、例えば光導電膜と組み合わせた撮像素子や高周波素子、磁気センサー等に適用できることはいうまでもない。この場合にも、冷陰極からの電子放出効率を向上させることができるので、撮像素子に適用した場合には撮像感度を向上でき、高周波素子に適用した場合には周波数特性が改善でき、磁気センサーに適用した場合には検出感度及び精度を向上させることができる。
【0070】
また、実施の形態1〜3では、シリコン基板へのn型不純物の注入をイオン注入法によって行う構成としたが、これに限定されることはなく、例えば蒸着法等によってシリコン基板の表面にn型不純物を堆積しておき、この堆積層にパルスレーザー光や電子ビーム、X線ビーム、イオンビーム等を照射する構成としてもよいことはいうまでもない。
【0071】
さらには、シリコン基板を保持する図示しない周知の基板ホルダに周知の加熱機構や冷却機構を設け、パルスレーザー光による加熱と共に補助的に基板を加熱あるいは冷却する構成としてもよい。ただし、シリコン基板の一部もしくは全体を加熱あるいは冷却する場合と、1枚のシリコン基板を所定の領域に分け領域毎に加熱と冷却とを変えてもよい。
【0072】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0073】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0074】
(1)冷陰極の仕事関数φを向上させることができるので、冷陰極からの電子放出効率を向上させることができる。
【0075】
(2)冷陰極の仕事関数φを向上させることができるので、冷陰極から放出される電子の放出開始電圧を低減することができる。
【0076】
(3)冷陰極の仕事関数φが向上し、冷陰極からの電子放出効率が大幅に向上しているので、蛍光発光型の表示装置に用いた場合には、低電圧駆動で高輝度の発光表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のn型不純物の高濃度領域を形成する方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1のゲート電極付き冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態2のスピント型冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態3の選択的な電子放出領域を有する冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。
【符号の説明】
101…シリコン結晶基板
102,208,304,402…イオンビーム
103…n型不純物の注入層
104,110…不純物濃度分布曲線
105,210,306,404…パルスレーザー光
106…溶融層 107…固化領域
109…固溶層 201…ガラス基板
202…陰極母線 203…多結晶シリコン層
204…堆積原料 205…ゲート絶縁膜
206…ゲート電極母線 207…陰極孔
209…n型不純物高濃度注入層 211…n型不純物高濃度固溶層
301,401…シリコン基板 302…ゲート絶縁膜
303…ゲート電極 305…イオン注入層
307…再結晶化層
403…n型不純物の高濃度イオン注入層
405…n型不純物の高濃度固溶層
406…電界放出電子

Claims (16)

  1. 基板に形成された陰極母線及び該陰極母線に電気的に接続されるシリコンからなる電界放出冷陰極を有すると共に、前記電界放出冷陰極から離間して配設されるゲート電極を有する冷陰極装置の作製方法において、
    前記電界放出冷陰極の電子放出領域に濃度5×10 20 /cm 3 以上のn型の不純物を添加する工程を備えることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  2. 請求項1に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記n型不純物として、リンもしくはヒ素を添加することを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  3. 請求項1又は2に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記電界放出冷陰極の電子放出領域にn型の不純物を添加する工程は、前記電界放出冷陰極の電子放出領域にイオン化したn型不純物をイオン打ち込みする工程と、該イオン打ち込みにより形成された層の結晶性を回復させる工程とを備えることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  4. 請求項に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記イオン打ち込みにより形成された層の結晶性の回復は、パルスレーザー光、電子ビーム、X線ビームあるいはイオンビームの照射によってなされることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  5. 請求項3又は4に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記イオン打ち込みにより形成された層の結晶性を回復させる工程は、前記イオン打ち込みにより形成された層を融解する工程と、該融解した層を1m/s以上で固化する工程とを備えることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  6. 請求項4又は5に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記イオン打ち込みにより形成された層の結晶性の回復は、パルスレーザー光、電子ビーム、X線ビームあるいはイオンビームの照射と共に、前記基板の加熱又は/及び冷却によってなされることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  7. 請求項1又は2に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記電界放出冷陰極の電子放出領域にn型の不純物を添加する工程は、n型不純物を前記電界放出冷陰極の電子放出領域に堆積する工程と、該堆積されたn型不純物をパルスレーザー光、電子ビーム、X線ビームあるいはイオンビームの照射によって前記電界放出冷陰極の電子放出領域に拡散させる工程とを備えることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  8. 請求項乃至の内の何れか1項に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    予め選択された領域に対して、前記イオン化したn型不純物を打ち込むあるいは前記n型不純物を堆積し、前記基板表面に一様に前記パルスレーザー光、電子ビーム、X線ビームあるいはイオンビームを照射することを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  9. 請求項乃至の内の何れか1項に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記基板表面に一様に前記イオン化したn型不純物を打ち込むあるいは前記n型不純物を堆積し、予め選択された領域に対して前記パルスレーザー光、電子ビーム、X線ビームあるいはイオンビームを照射することを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  10. 請求項乃至の内の何れか1項に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    予め選択された領域に対して、前記イオン化したn型不純物を打ち込むあるいは前記n型不純物を堆積し、前記n型不純物が打ち込まれたあるいは堆積された領域に対して前記パルスレーザー光、電子ビーム、X線ビームあるいはイオンビームを照射することを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  11. 請求項1乃至の内の何れか1項に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記電界放出冷陰極は先端が尖鋭なコーン形状に形成され、前記電界放出冷陰極の先端の電子放出領域に対してのみ前記n型不純物を添加することを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  12. 請求項乃至11の内の何れか1項に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記イオン打ち込みのビーム又は/及び前記イオン打ち込みにより形成された層の結晶性を回復させるためのビーム並びに前記堆積されたn型不純物に対するビームの照射位置を走査することにより、前記ビームの照射領域を任意形状に変形させることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  13. 請求項12に記載の冷陰極装置の作製方法において、
    前記イオン打ち込みのビーム又は/及び前記イオン打ち込みにより形成された層の結晶性を回復させるためのビーム並びに前記堆積されたn型不純物に対するビームは、電子線あるいはX線ビームであることを特徴とする冷陰極装置の作製方法。
  14. シリコン材料からなる電界放出冷陰極と、該電界放出冷陰極に電気的に接続される陰極母線と、前記電界放出冷陰極から離間して配設されるゲート電極とを有する冷陰極装置において、
    前記電界放出冷陰極の電子放出領域に、n型不純物が5×1020/cm3以上添加される層が形成されていることを特徴とする冷陰極装置。
  15. 請求項14に記載の冷陰極装置において、
    前記n型不純物層は、リンもしくはヒ素が添加された層によって形成されていることを特徴とする冷陰極装置。
  16. 請求項14又は15に記載の冷陰極装置において、
    前記電界放出冷陰極は先端が尖鋭なコーン形状に形成されたスピント型電界放出冷陰極であり、前記電界放出冷陰極の先端の電子放出領域に対してのみ前記n型不純物が添加されていることを特徴とする冷陰極装置。
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