JP4026697B2 - パルスレーザ用電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電用直流高圧電源に並列接続されたコンデンサに蓄積されたエネルギーを磁気パルス圧縮回路を介してレーザ放電部に転送供給するパルスレーザ用電源装置に関し、特に最終的にレーザ放電部に転送されるパルスエネルギーを時間的に伸長し、さらにはエネルギー転送効率を高めることができるパルスレーザ用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、パルスレーザ用電源装置には、高速、大電流、高繰り返しパルス電源を実現するため、磁気パルス圧縮回路を付加するものがある。この磁気パルス圧縮回路は、鉄心等の強磁性体の磁化の飽和を利用するものである。
【0003】
例えば、図10は磁気パルス圧縮回路を用いた従来のパルスレーザ用電源装置の構成を示す図である。図10において、充電用直流電源21は、例えば数十kVの直流電源であり、これに並列接続されたコンデンサC0を充電する。スイッチ素子SWのゲートG1にパルスを印加してスイッチ素子SWをオンにすると、可飽和リアクトルSL1の両端にコンデンサC0による放電電圧がかかり、可飽和リアクトルSL1に設定された電圧時間積に到達すると可飽和リアクトルSL1は飽和状態となり、可飽和リアクトルSL1のインダクタンスが急激に減少して導通状態となる。この導通状態によってコンデンサC0に蓄積されていた電荷はスイッチ素子SWを介し、電流I1として流れ、コンデンサC1に転送される。この電流I1がほぼ流れ切った段階で次段の可飽和リアクトルSL2がオンとなり、コンデンサC1に転送された電荷はコンデンサC2に転送される。このコンデンサC2への電荷転送の完了時点で可飽和リアクトルSL3が飽和してオンになると、コンデンサC2に蓄積された電荷によりレーザ放電部LDが放電破壊した後、電流ILD10として流れて、レーザ媒質を放電励起して、パルスレーザ発振が行われる。
【0004】
可飽和リアクトルSL1〜SL3が飽和する多段磁気圧縮回路の磁気スイッチの飽和時のインダクタンスは、下流の磁気スイッチの飽和時のインダクタンスの方が小さいのでパルス圧縮が行われる。すなわち、図11(a)に示すように、可飽和リアクトルSL1がオンしてコンデンサC0の端子電圧VC0が低下し、この電荷の転送に伴ってコンデンサC1の端子電圧VC1が低下し、コンデンサC1への電荷転送が完了した時点で可飽和リアクトルSL2がオンする。可飽和リアクトルSL2がオンすると、コンデンサC1に転送した電荷がコンデンサC2に転送される。同様にして、コンデンサC2に電荷が転送完了したときに可飽和リアクトルSL3がオンし、コンデンサC2からピーキングコンデンサCPに電荷が転送される。
【0005】
この場合、可飽和リアクトルSL1のオンから可飽和リアクトルSL2のオンまでの間、可飽和リアクトルSL2のオンから可飽和リアクトルSL3のオンまでの間、可飽和リアクトルSL3のオンからピーキングコンデンサCPに電荷転送が完了するまでの間は、順次短くなるように設定されるので、各電荷の転送間の電流は図11(b)に示すように順次大きな電流値となり、パルス圧縮が実現される。
【0006】
ここで、ピーキングコンデンサCPに転送された電荷によりレーザ放電部LDが放電破壊した後、電流ILD10が流れるが、パルス伸長用のコイルL1によって転送される電荷エネルギーは時間的に伸長されてレーザ放電部LDに流れる。
【0007】
その後、ピーキングコンデンサCPとレーザ放電部LDとを含む閉回路では、共振状態となって数回放電が繰り返される。この電流ILDaは、パルス伸長用のコイルL1を付加しないときの電流値ILD10に比較してそのピーク値PP10がピーク値PP2に低下し、時間的に伸長した波形となる。従って、レーザ放電部LDで放電破壊されると、図示しないレーザチャンバ内に充填されるレーザ媒質は放電励起され、このパルス伸長した電流値PP2の波形に近似したパルス波形のレーザ光が発振される。
【0008】
この結果、時間的に伸長されたパルスレーザ光は、パルスエネルギー値全体を維持したまま、そのピーク値が低減されるため、光学素子等に与えるダメージを低減できることから、光学素子等の寿命を延ばし、該光学素子等を交換することなく、長期に渡るレーザ発振と安定したレーザ発振とを達成することができる。一方、パルスレーザ光のピーク値の低減に伴ってパルスレーザ装置に用いる光学素子等の選択幅が増大することから、パルスレーザ用電源装置を用いたパルスレーザ装置の小型軽量化の促進や大量生産を可能にする。
【0009】
また、パルスレーザ光は時間的に伸長されることから、光共振器間の往復回数が増大したパルスレーザ光が含まれ、パルスレーザ用電源装置がグレーティング等の波長選択素子が含んで狭帯域化されたパルスレーザ光を出力する狭帯域化パルスレーザ装置に適用する場合には、出力されるパルスレーザ光の狭帯域化を一層促進することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパルスレーザ用電源装置では、最終磁気パルス圧縮閉回路上を流れる電流I3によってピーキングコンデンサCPにエネルギー転送を行う際、パルス伸長用のコイルL1を経由してエネルギー転送を行うため、このエネルギー転送時におけるコイルL1での転送電流のロス及び転送時のdV/dt(電圧の時間変化率)の減少による放電開始電圧の低下が発生し、レーザ放電部LDに転送すべきエネルギー量が低減し、効率の悪いエネルギー転送を余儀なくされるという問題点があった。
【0011】
また、ピーキングコンデンサCPからレーザ放電部LDにパルスエネルギーを転送する最終エネルギー転送閉回路上に設けられるインダクタンスは、複数設定しても、その合成されたインダクタンスに過ぎず、このインダクタンスを変化させることによってパルス伸長を行うことになるが、そのパルス伸長の設定範囲には限界があるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、かかる問題点を除去し、レーザ放電部に対して供給されるパルスエネルギーを時間的に伸長してパルスレーザ光を伸長する場合にも、エネルギー効率を高く維持することができるとともに、パルス伸長の設定範囲を広くできる柔軟なパルス伸長設定を可能とするパルスレーザ用電源装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および効果】
請求項1に係る発明は、充電用直流電源からの電荷エネルギーを充電用コンデンサに蓄積し、この充電用コンデンサに蓄積された電荷エネルギーをスイッチ素子のオンを契機として、可飽和リアクトルおよびコンデンサからなる磁気パルス圧縮回路を介して順次磁気パルス圧縮しつつ転送し、最終段のコンデンサに並列接続されたレーザ放電部に供給するパルスレーザ用電源装置において、前記最終段のコンデンサに磁気パルス圧縮してエネルギー転送を行う最終磁気パルス圧縮閉回路であって前記最終段のコンデンサからのパルスエネルギーを前記レーザ放電部に流す最終エネルギー転送閉回路である共有転送回路上に直接接続され、該パルスエネルギーを時間的に伸長するパルス伸長手段と、前記パルス伸長手段に並列接続され、前記エネルギー転送閉回路によるエネルギー転送方向を順方向とする一方向性素子とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項1に係る発明では、パルス伸長手段を用いてパルス伸長を行う場合にも、最終磁気パルス圧縮閉回路から最終段のコンデンサに流入するエネルギーはパルス伸長手段を経由せず、ダイオード等の一方向性素子を導通し、パルス伸長手段を経由した場合に生ずる電力ロス及び放電開始電圧値の低下をなくすことができ、この結果、最終段のコンデンサに全てのエネルギーが転送されてエネルギー転送効率の低下を防止し、最終エネルギー転送閉回路を用いたレーザ放電部に対するパルスエネルギーを高く維持することができる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記一方向性素子が並列接続されたパルス伸長手段と前記最終段のコンデンサとからなる回路を複数並列接続し、前記最終エネルギー転送閉回路を複数設け、複数並列接続された各パルス伸長手段が異なるパルス伸長を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、一方向性素子が並列接続されたパルス伸長手段と最終段のコンデンサとからなる回路を複数並列接続して、最終エネルギー転送閉回路を分割するようにしているので、各複数の回路における各パルス伸長手段によるパルス伸長を個々に設定することができ、個々に設定されたパルス伸長の合成パルスエネルギーがレーザ放電部に印加され、これによってレーザ放電部に供給されるパルスエネルギーを柔軟に伸長することができる。
【0017】
しかも、最終エネルギー転送閉回路からの各複数の回路における各最終段のコンデンサに対するエネルギー転送も遅延せず、該各最終段のコンデンサから各パルス伸長手段を経由してパルス伸長された各パルスエネルギーをレーザ放電部に供給するようにしているので、各パルスエネルギーを合成して形成される合成パルスエネルギー波形を出力するための各パルスエネルギーの設定を容易に行うことができる。
【0022】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記一方向性素子は、インダクタンスであり、前記パルス伸長手段を経由する最終エネルギー転送閉回路に対するインピーダンスを前記インダクタンスを経由する前記最終磁気パルス圧縮閉回路に対するインピーダンスに比して小さくすることを特徴とする。
【0023】
請求項3に係る発明では、請求項2に係る発明において、一方向性素子をインダクタンスとしても、最終段のコンデンサあるいは各最終段のコンデンサからレーザ放電部へのパルスエネルギーの転送を簡易な構成によって効率よく行うことができる。
【0024】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明において、前記パルス伸長手段は、インダクタンス、または並列接続された抵抗とキャパシタンスとからなる所定の時定数を有した回路であることを特徴とする。
【0025】
請求項4に係る発明では、請求項1〜3に係る発明において、パルス伸長手段をインダクタンスとすることによって具体的にロスの少ない構成を実現することができ、また、並列接続された抵抗とキャパシタンスとからな所定の時定数を有した回路によっても、簡易な構成によってパルス伸長手段を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の構成を示す図であり、図2は、図1に示すパルスレーザ用電源装置の電荷エネルギー転送動作を示すタイミングチャートである。
【0027】
図1において、パルスレーザ用電源装置1は、図10に示すパルスレーザ用電源装置20と同様に、充電用直流電源21と同一の充電用直流電源2を有し、スイッチ素子SWと、直列接続された充電用コンデンサC0と可飽和リアクトルSL1と転送用のコンデンサC1とがこの充電用直流電源2に並列接続される。また、直列接続された可飽和リアクトルSL2およびコンデンサC2はコンデンサC1に並列接続される。さらに、直列接続された可飽和リアクトルSL3とピーキングコンデンサCPとコイルLLとがコンデンサC2に並列接続される。さらに、コイルLLには、ダイオードDが並列接続され、その順方向をピーキングコンデンサCP側としている。
【0028】
また、ピーキングコンデンサCPには、レーザ放電部LDと充電用のコイルLとが並列接続される。ここで、充電用直流電源2の負極側、スイッチSWの順方向側、コンデンサC1,C2、ダイオードDのアノード側、コイルLLの一端、レーザ放電部LDのアノード12側、およびコイルLの一端は、点P1で共通接続され、接地される。
【0029】
この図1に示すパルスレーザ用電源装置1は、図10に示すパルスレーザ用電源装置20にダイオードDを付加した構成であり、ピーキングコンデンサCPに磁気パルス圧縮された電荷エネルギーをピーキングコンデンサCPに転送する際、この電荷エネルギーをダイオードDを介してピーキングコンデンサCPに蓄積させ、その後、ピーキングコンデンサCPに蓄積された電荷エネルギーをレーザ放電部LDに供給する際、コイルLLを介してパルス伸長されたパルスエネルギーとしてレーザ放電部LDに供給しようとするものである。
【0030】
従って、ピーキングコンデンサCPに蓄積される電荷エネルギーは、コイルLLのインダクタンスでの転送電流ロスが少なく、また転送時のdV/dtの減少もないため、ピーキングコンデンサCPには、コンデンサC2に蓄積されていた電荷エネルギーが全て転送され、レーザ放電部LDへの電圧印加も放電破壊に十分な電圧を供給でき、レーザ放電部LDの放電も安定して行われることになる。
【0031】
次に、図2を参照して、このダイオードDをコイルLLに付加した場合のパルスレーザ用電源装置1の動作について説明する。図2において、充電用直流電源2によって印加される直流高電圧によってコンデンサC0がゆっくりと充電され、コンデンサVC0の電圧が+Eボルトまで充電される。この場合、コイルLを介した閉回路が直流的に構成されることになる。スイッチ素子SWのゲートG1にパルスを印加してスイッチ素子SWをオンにすると、可飽和リアクトルSL1の両端にコンデンサC0による放電電圧がかかり、可飽和リアクトルSL1に設定された電圧時間積に到達すると可飽和リアクトルSL1は飽和状態となり、可飽和リアクトルSL1のインダクタンスが急激に減少して導通状態となる。この導通状態によってコンデンサC0に蓄積されていた電荷はスイッチ素子SWを介し、電流I1として流れ、コンデンサC1に転送される。この電流I1がほぼ流れ切った段階で次段の可飽和リアクトルSL2がオンとなり、コンデンサC1に転送された電荷はコンデンサC2に転送される。このコンデンサC2への電荷転送の完了時点で可飽和リアクトルSL3が飽和してオンになると、コンデンサC2に蓄積された電荷は最終段のピーキングコンデンサCPに転送される。
【0032】
この際、コンデンサC2から転送される電荷は、ダイオードDを通ってピーキングコンデンサCPに転送される。このため、図2(a)に示すように、ピーキングコンデンサの端子電圧VLDは、電圧VLDaのように低下しない。
【0033】
なお、コンデンサC2からピーキングコンデンサCPへの電荷転送がコイルLLを介する場合には、このコイルLLのインダクタンスによって転送電流ロスが生じ、dV/dtが低下するが、ダイオードDを介してピーキングコンデンサCPに転送される場合には、そのようなことはない。
【0034】
その後、印加電圧VLDが所定電圧になった時点でレーザ放電部LDは確実に放電破壊し、パルス伸長された電流ILDが急激に流れ、図示しないパルスレーザ装置のチャンバ内のレーザ媒質を放電励起して、パルス伸長されたパルスレーザ発振が行われる。
【0035】
次に、図3および図4を参照して、第2の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置について説明する。図3では、第2の実施の形態として特徴的な構成部分である後段部11を示しているが、その他の構成部分については図1に示す第1の実施の形態と同様な構成である。
【0036】
図3において、第2の実施の形態では、図1に示したピーキングコンデンサCPと、ダイオードDおよびコイルLLの並列回路とが直列接続された回路を複数並列接続した構成となっている。図1の後段部10に対応する図3に示す後段部11では、3つの回路が並列接続されている。
【0037】
すなわち、並列接続されたダイオードD1とコイルL1とがピーキングコンデンサCP1に直列接続された第1の回路と、並列接続されたダイオードD2とコイルL2とがピーキングコンデンサCP2に直列接続された第2の回路と、並列接続されたダイオードD3とコイルL3とがピーキングコンデンサCP3に直列接続された第3の回路とが、それぞれコンデンサC2と可飽和リアクトルSL3との直列回路に並列接続された構成となっている。
【0038】
このピーキングコンデンサCP1〜CP3は、図1に示すピーキングコンデンサCPを3つに分割した構成となっている。なぜなら、ピーキングコンデンサCP1〜CP3の容量を同一のコンデンサとすると、各ピーキングコンデンサCP1〜CP3に転送される電荷量は同一となるため、ピーキングコンデンサCPの容量が3分割されたことになる。もちろん、各ピーキングコンデンサCP1〜CP3の容量を異ならせる構成としてもよい。
【0039】
図4をも参照して図3に示す後段部11のエネルギー転送動作について説明すると、まず、コンデンサC2に電荷が転送されるまでは、図1に示すパルスレーザ用電源装置1と同じ動作を行う。
【0040】
その後、可飽和リアクトルSL3のオンを契機として、コンデンサC2に蓄積された電荷は、ダイオードD1を通ってピーキングコンデンサCP1に電流I31として転送され、ダイオードD2を通ってピーキングコンデンサCP2に電流I32として転送され、ダイオードD3を通ってピーキングコンデンサCP3に電流I33として転送される。
【0041】
各ピーキングコンデンサCP1〜CP3にかかる電圧VCP1〜VCP3は、電流I31〜I33のそれぞれがダイオードD1〜D3を介してピーキングコンデンサCP1〜CP3に流通するため、コイルL1〜L3での電力ロスが発生せず、コンデンサC2が蓄積していた電荷エネルギーの合計と同じエネルギー値を有し、ロスがない効率的なエネルギー転送が行われる。
【0042】
ここで、各コイルL1〜L3のインダクタンスを、L1<L2<L3とすると、各コイルL1〜L3によるパルス伸長度が異なることになる。すなわち、図4(b)に示すように、ピーキングコンデンサCP1からコイルL1を介してレーザ放電部LDに加えられる電流ICP1の波形よりも、ピーキングコンデンサCP2からコイルL2を介してレーザ放電部LDに加えられる電流ICP2の波形の方がパルス伸長され、そのピーク値も低くなり、さらにピーキングコンデンサCP2からコイルL2を介してレーザ放電部LDに加えられる電流ICP2の波形は、ピーキングコンデンサCP3からコイルL3を介してレーザ放電部LDに加えられる電流ICP3の波形の方がパルス伸長され、そのピーク値も低くなる。従って、レーザ放電部LDに加えられる電流ICP1〜ICP3の合成電流値ILDの波形は、単一のピーキングコンデンサCPを設けたときよりもそのピーク値PP2が低くなり、パルス伸長の度合いも大きくなる。
【0043】
このようなパルス伸長の度合いは、各コイルL1〜L3のインダクタンスの値を適切に組み合わせることにより、所望のパルス伸長波形を柔軟に得ることができる。しかも、この場合、コイルL1〜L3のインダクタンスの値をそれぞれ変えても、ピーキングコンデンサCP1〜CP3に電荷エネルギーを蓄積させるときに、コイルL1〜L3を通過しないので、蓄積される電荷エネルギーロスがなく、コンデンサC2から各ピーキングコンデンサCP1〜CP3に転送されるタイミングが変化することがないので、所望のパルス伸長波形を容易に得ることができる。
【0044】
次に、図5を参照して、第3の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置について説明する。第3の実施の形態では、図1に示すパルスレーザ用電源装置1におけるコイルLLの接地側の接続点P1とダイオードDの接地側(アノード側)の接続点P4とを切り離した構成としている。
【0045】
このような構成とすることにより、コンデンサC2からピーキングコンデンサCPへの電荷エネルギーの転送と、ピーキングコンデンサCPからレーザ放電部LDへの電荷エネルギーの転送とを確実に分離することができ、ピーキングコンデンサCPの電圧降下を一層防止することができる。
【0046】
次に、図6を参照して、第4の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置について説明する。第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に複数のピーキングコンデンサ、ここでは3つのピーキングコンデンサCP1〜CP3を設け、各ピーキングコンデンサCP1とコイルL1〜L3とをそれぞれ直列接続した回路のそれぞれのピーキングコンデンサCP1〜CP3側を可飽和リアクトルSL3に接続するとともに、コイルL1〜L3側をレーザ放電部LDのアノード3側に接続している。また、各ピーキングコンデンサCP1〜CP3とコイルL1〜L3との間に各ダイオードD1〜D3のカソード側を接続し、各ダイオードD1〜D3のアノード側をコンデンサC2の接地側に接続している。
【0047】
このような構成とすることにより、コンデンサC2から各ピーキングコンデンサCP1〜CP3に転送される電流I41〜I43と、ピーキングコンデンサCP1〜CP3からレーザ放電部LDに転送される各電流ICP1〜ICP3とが確実に分離され、エネルギー転送効率を一層向上させることができる。
【0048】
なお、複数のピーキングコンデンサCP1〜CP3を設けてパルス伸長を可変にできることは、第2の実施の形態と同様である。
【0049】
次に、図7を参照して、第5の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置について説明する。第5の実施の形態では、第4の実施の形態におけるコイルL1〜L3の構成に代えて、パルス伸長回路RC1〜RC3を設けた構成としている。このパルス伸長回路RC1〜RC3は、抵抗とコンデンサとを並列接続して、所定の時定数を持たせたものであり、このパルス伸長回路RC1〜RC3によっても、パルス伸長を行うことができ、コイルL1〜L3のインダクタンスに違いを持たせたと同様に、各パルス伸長回路RC1〜RC3の時定数を代えた構成とすることにより、パルス伸長の度合いを変化させることができる。
【0050】
次に、図8を参照して、第6の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置について説明する。第6の実施の形態では、第4の実施の形態におけるダイオードD1〜D3の構成に代えて、コイルL11〜L13を設けている。このコイルL11〜L13のインダクタンスとコイルL1〜L3のインダクタンスとの関係を適切な値に設定することにより、ダイオードD1〜D3を設けた場合とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0051】
例えば、コイルL1〜L3のインダクタンスLI1〜LI3とし、コイルL11〜L13のインダクタンスをLI11〜LI13とすると、
LI1<LI11+LI12
LI1<LI11+LI13
とする関係を満たすことにより、ピーキングコンデンサCP1に蓄積されたエネルギーをレーザ放電部LDに転送する際に、コイルL11を介してコンデンサC2に逆流することを防止できる。
【0052】
一般に全てのコイルL1〜L3,L11〜L13のインダクタンスが全て同じであっても、コイルL1〜L3に対するインピーダンスは、コイルL11〜L13を介したインピーダンスの半分の値となる。
【0053】
このコイルL1〜L3,L11〜L13の関係を一般化すると、コイルL1〜L3に対応する複数のコイルのインダクタンスをLmとし(m=1〜n)、コイルL11〜L13に対応する複数のコイルのインダクタンスをL’mとし、i≠mとすると、
Lm<L’m+L’i
として示すことができる。
【0054】
次に、図9を参照して、第7の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置について説明する。第7の実施の形態では、第4の実施の形態と同様の作用効果を奏するが、第4の実施の形態がダイオードD1〜D3とコイルL1〜L3を接地側に設けたのに対し、第7の実施の形態では、ピーキングコンデンサCP1〜CP3をはさんで、接地側と反対側に、ダイオードD21〜D23とコイルL21〜L23を設けた点が異なる。
【0055】
すなわち、第7の実施の形態では、ピーキングコンデンサCP1〜CP3とレーザ放電部LDのカソード4との間にそれぞれパルス伸長用のコイルL21〜L23を独立して接続し、一方、ダイオードD21〜D23のアノード側を、このコイルL21〜L23とピーキングコンデンサCP1〜CP3との間に接続し、ダイオードD21〜D23のカソード側を可飽和リアクトルSL3に接続した構成とし、ピーキングコンデンサCP1〜CP3の接地側は共通接続されている。
【0056】
このような構成によっても、ダイオードD21〜D23を介した各ピーキングコンデンサCP1〜CP3へのエネルギー転送と、各ピーキングコンデンサCP1〜CP3からレーザ放電部LDへのエネルギー転送とを確実に分離することができ、ピーキングコンデンサCP1〜CP3の電圧が降下することもない。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、複数のピーキングコンデンサCP1〜CP3、ダイオードD1〜D3、コイルL1〜L3等の並列回路を3つ設けた例をもとに説明したが、これに限らず、複数設けることができるのは言うまでもない。
【0058】
また、上述した実施の形態におけるスイッチ素子SWは、高速動作が可能で大電力用のスイッチ素子であればよく、例えばサイリスタ、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、バイポーラトランジスタ、MOSFET等の半導体電力デバイスが適用できる。
【0059】
また、スイッチ素子SWは、複数のスイッチ素子を直列接続した構成として各スイッチ素子にかかる耐圧を軽減するようにしてもよい。
【0060】
さらに、上述した実施の形態では、まず充電用コンデンサC0に充電するようにしているが、この充電用コンデンサC0を取り除き、充電用直流電源1が可飽和リアクトルSL1,SL2を介してコンデンサC1,C2を直接充電するようにしてもよい。この場合、コイルLは取り除かれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すパルスレーザ用電源装置1の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の構成を示す図である。
【図4】図3に示すパルスレーザ用電源装置2の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の主要構成部分を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の主要構成部分を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の主要構成部分を示す図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の主要構成部分を示す図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態であるパルスレーザ用電源装置の主要構成部分を示す図である。
【図10】従来のパルスレーザ用電源装置の構成を示す図である。
【図11】図10に示す従来のパルスレーザ用電源装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…パルスレーザ用電源装置 2…充電用直流電源 10〜16…後段部
SW…スイッチ素子 G1…ゲート SL1〜SL3…可飽和リアクトル
L,LL,L1〜L3,L11〜L13,L21〜L23…コイル
D,D1〜D3,D11〜D13…ダイオード C0…充電用コンデンサ
C,C1,C2…コンデンサ R…抵抗
CP,CP1〜CP3…ピーキングコンデンサ LD…レーザ放電部
3…アノード 4…カソード

Claims (4)

  1. 充電用直流電源からの電荷エネルギーを充電用コンデンサに蓄積し、この充電用コンデンサに蓄積された電荷エネルギーをスイッチ素子のオンを契機として、可飽和リアクトルおよびコンデンサからなる磁気パルス圧縮回路を介して順次磁気パルス圧縮しつつ転送し、最終段のコンデンサに並列接続されたレーザ放電部に供給するパルスレーザ用電源装置において、
    前記最終段のコンデンサに磁気パルス圧縮してエネルギー転送を行う最終磁気パルス圧縮閉回路であって前記最終段のコンデンサからのパルスエネルギーを前記レーザ放電部に流す最終エネルギー転送閉回路である共有転送回路上に直接接続され、該パルスエネルギーを時間的に伸長するパルス伸長手段と、
    前記パルス伸長手段に並列接続され、前記エネルギー転送閉回路によるエネルギー転送方向を順方向とする一方向性素子と
    を具備したことを特徴とするパルスレーザ用電源装置。
  2. 前記一方向性素子が並列接続されたパルス伸長手段と前記最終段のコンデンサとからなる回路を複数並列接続し、前記最終エネルギー転送閉回路を複数設け、
    複数並列接続された各パルス伸長手段が異なるパルス伸長を行うことを特徴とする請求項1に記載のパルスレーザ用電源装置。
  3. 前記一方向性素子は、インダクタンスであり、
    前記パルス伸長手段を経由する最終エネルギー転送閉回路に対するインピーダンスを前記インダクタンスを経由する前記最終磁気パルス圧縮閉回路に対するインピーダンスに比して小さくする
    ことを特徴とする請求項2に記載のパルスレーザ用電源装置。
  4. 前記パルス伸長手段は、
    インダクタンス、または並列接続された抵抗とキャパシタンスとからなる所定の時定数を有した回路であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のパルスレーザ用電源装置。
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