JP4026682B2 - 撥水性繊維用油剤および撥水性繊維 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、繊維に付着させることによりホットメルト系の接着剤との接着強力に優れ、かつ高撥水性を示す繊維用油剤、該繊維用油剤を付着させた撥水性繊維、該繊維を用いた不織布、および該不織布を用いた吸水性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、広く使用されている紙おむつや生理用ナプキンなどの衛生材料には、表面材として非常に多くの不織布が用いられている。これら不織布には、たとえば紙おむつや生理用ナプキンに使用する場合、股部、ウエストギャザーおよびサイドギャザーからの尿や血液の漏れを防ぐために強い撥水性が求められている。このため、従来、撥水不織布に用いられる繊維には、例えば特開平7−216737号公報において、ステアリルホスフェートK塩、ベヘニルホスフェートK塩およびパラフィンワックスからなる表面改質剤を付着させた撥水性繊維について、また、特開平10−46470号公報では、炭素数14〜24のアルキルホスフェート金属塩とパーフルオロアルキル基含有化合物とを併用した撥水性繊維について開示されているように、アルキルホスフェートやパラフィン系油剤とフッ素系、あるいはシリコン系油剤とを併用した撥水性油剤を繊維に付着させて使用する例が多い。この股部あるいはウエストギャザー部では、表地及び裏地となる不織布と不織布、あるいは不織布とPEフィルムを接着する際に、ホットメルト系の接着剤を使用する必要がある。しかし、前記の撥水性油剤を使用した不織布では、油剤を構成している成分がこの種の接着剤との接着を阻害するため、接着強力が弱く、シール部分が剥離しやすくなることから、多量の接着剤を使用することを余儀なくされている。しかしながら、最近の紙おむつや生理用ナプキンでは、安全性、軽量コンパクト化、低コスト化などの要請が強く、ホットメルト系の接着剤を減量し、かつ高い接着力を有する高撥水不織布が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繊維に付着させることによりホットメルト系の接着剤との接着強力に優れ、かつ優れた撥水性を示す繊維用油剤、該繊維用油剤を付着させた撥水性繊維、該繊維を用いた不織布、および該不織布を用いた吸水性物品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す本発明に到達した。
本発明の第1は、下記成分(A)50〜95重量%、成分(B)2〜20重量%、成分(C)0〜30重量%、及び成分(D)0〜40重量%[各重量%は成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基く]:
(A) グリセリンおよび縮合度7以下のポリグリセリンからなる群から選ばれる1種以上のグリセリン化合物
(B) 炭素数8〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩
(C)(C1)炭素数8〜22の脂肪酸と炭素数8〜24の1価のアルコールとのエステル 及び
(C2)炭素数2〜10の二塩基酸と炭素数1〜18の1価のアルコールとのエステル
から選択される1種以上の化合物
(D) 炭素数8〜22の脂肪酸と多価アルコールとのエステル
からなる繊維用油剤であり、該油剤及びそれを構成する各化合物がそれぞれ下記式(1)および(2)
32≦T≦45 (1)
M≦130 (2)
〔ここで、Tは油剤濃度5重量%の水溶液の温度25℃での表面張力(mN/m)であり、Mは油剤を構成する各化合物の融点(℃)である〕
を満足する撥水性繊維用油剤である。
本発明の第2は、熱可塑性樹脂からなる繊維に上記撥水性繊維用油剤を繊維重量の0.05〜2.0重量%付着させた撥水性繊維である。
本発明の第3は、上記撥水性繊維を用いた不織布である。
本発明の第4は、上記不織布を用いた吸水性物品である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における繊維用油剤は、前記式(1)に示したように、該油剤濃度が5重量%である水溶液の温度25℃での表面張力が32〜45mN/mの範囲である。
32mN/m未満では、樹脂の表面を油剤が覆いやすく、熱可塑性樹脂本来の疎水性を示しにくく、即ち、撥水性が不足する。また、45mN/mを超えると表面張力が高くなりすぎるため、繊維に油剤を付着させる給油ロール表面において油剤水溶液が弾かれ、繊維に付着する油剤の量をコントロールできないなどの問題が発生する。
【0006】
本発明における繊維用油剤は、構成する各化合物の融点(後述する実施例の方法による)が130℃以下である必要があり、110℃以下であることが好ましい。構成する各化合物の融点が、130℃より高いと、ホットメルト系の接着剤との接着性が阻害されるためである。
【0007】
本発明における繊維用油剤を構成する成分(A)は、グリセリンおよび縮合度7以下のポリグリセリンからなる群から選ばれる1種または2種以上のグリセリン化合物からなる。ポリグリセリンの縮合度は、2〜7であり、好ましくは3以下である。縮合度が8より高くなると粘度が非常に高くなるため、繊維あるいは不織布表面の油剤が不織布加工工程において機械に付着しやすくなる。このため、不織布加工機の汚染、繊維および不織布の加工機への巻き付きなどの問題が発生しやすくなり、不織布の加工性が低下する。
【0008】
本発明における繊維用油剤を構成する成分(B)は、アルキルの炭素数が8〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩からなる。アルキルとしては、ラウリル、ミリスチル、セチル、ステアリルなどがあげられ、また、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウムなどがあげられる。例えば、ラウリルスルホン酸ナトリウム塩、ミリスチルスルホン酸ナトリウム塩、セチルスルホン酸ナトリウム塩、ステアリルスルホン酸ナトリウム塩などをあげることができる。これらアルキルスルホン酸アルカリ金属塩は、それぞれ単一の化合物であってもよく、また選ばれた複数の化合物からなる混合物であってもよい。
さらに、成分(A)、成分(B)は、本発明における繊維油剤中にそれぞれ50〜95重量%、2〜20重量%含み、好ましくはそれぞれ55〜90重量%、3〜15重量%含む。成分(A)が50重量%未満、もしくは成分(B)が20重量%を超えると、油剤濃度5重量%水溶液の25℃の表面張力が32mN/mを下回りやすく、十分な撥水性を得られ難くなる。また、成分(A)が95重量%を超える、もしくは成分(B)が2重量%未満となると、帯電防止性が低下し、カード通過性、不織布加工性が低下し、何れも好ましくない。
成分(A)及び(B)のみからなる場合は、成分(A)が80〜95重量%、成分(B)が5〜20重量%であることが好ましい。
【0009】
本発明における繊維用油剤を構成する成分(C)は、下記成分(C1)及び(C2)からなる化合物群で構成され、それらのうちの少なくとも1種の化合物からなる。
成分(C1)は、炭素数8〜22の脂肪酸と炭素数8〜24の1価のアルコールとのエステルからなる。例えば、直鎖若しくは分岐の飽和脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等)又は直鎖若しくは分岐の不飽和脂肪酸(オレイン酸等)等の脂肪酸と、直鎖若しくは分岐の飽和脂肪族アルコール(オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソステアリルアルコール等)、直鎖若しくは分岐の不飽和脂肪族アルコール(オレイルアルコール等)、脂環式アルコール(4−エチルシクロヘキシルアルコール等)又は芳香族アルコール(p−メチルベンジルアルコール等)等のアルコールとの、エステルであり、オクチルラウレート、2−エチルヘキシルステアレート若しくはオレイルオレート等を例示することができる。これら脂肪酸とアルコールとのエステルは、それぞれ単一の化合物であってもよく、また選ばれた複数の化合物からなる混合物であってもよい。ここで、アルコールとしては脂肪族アルコールが好ましく、脂肪酸およびアルコールにおける炭化水素鎖は、炭素数が8〜12では分岐もしくは直鎖の飽和型、12〜22では、分岐の飽和型か、不飽和型であることが好ましい。
【0010】
本発明における繊維用油剤を構成する成分(C2)は、炭素数2〜10の二塩基酸(好ましくはジカルボン酸)と炭素数1〜18の1価のアルコールとのエステルからなる。例えば、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、コハク酸、マレイン酸から選ばれた少なくとも1種の二塩基酸とブチルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコールとのエステルであり、特に、エステルとしてはジエステルが好ましく、例えば、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどを例示することができる。これら二塩基酸とアルコールのエステルは、2種のアルコールからなる混合エステルでもよく、それぞれ単一の化合物であってもよく、また選ばれた複数の化合物からなる混合物であってもよい。
【0011】
成分(C)は、ホットメルト接着性を向上させるために、有効な成分であり、本発明における繊維油剤中にその合計量が30重量%以下含まれることが好ましく、5〜25重量%含まれることがさらに好ましい。
本発明における繊維用油剤を構成する成分(D)は、炭素数が8〜22の脂肪酸と多価アルコールとのエステルからなる。炭素数8〜22の脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などがあげられ、多価アルコールとしては、2〜8価で数平均分子量が350以下のアルカンポリオール及びその分子内若しくは分子間脱水物、並びに糖類及びその誘導体が好ましく、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ソルビトール、ソルビタンおよびショ糖があげられる。(D)としては、特に、撥水性を阻害しない炭素数16〜22の脂肪酸と多価アルコールとのモノエステル、ジエステル、トリエステルが好ましい。ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、これらのエチレンオキシド(以下EOと略記する)付加物、ポリエチレングリコール(数平均分子量 200)ジステアレートなどをあげることができる。これら脂肪酸と多価アルコールとのエステルは、それぞれ単一の化合物であってもよく、また選ばれた複数の化合物からなる混合物であってもよい。
【0012】
成分(D)は、本発明における繊維用油剤において、乳化安定性を向上させるために有効な成分であり、本発明における繊維用油剤中に40重量%以下含まれることが好ましく、1〜20重量%含まれることがさらに好ましい。
上述した繊維用油剤以外でも本発明の効果を損なわない程度において、前記式(2)を満足する他の汎用油剤を更に添加してもよい。他の汎用油剤としては、炭素数16〜22の脂肪酸のEO12〜40モル付加物、ヒマシ油若しくは硬化ヒマシ油のEO10〜40モル付加物又は炭素数16〜22の不飽和アルコールのEO4〜15モル付加物のホスフェートナトリウム塩、又はトリエタノールアミン塩等が挙げられる。本発明の油剤中の他の汎用油剤の含有量は、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
本発明の繊維用油剤は繊維に、通常水系エマルションとして給油される。水系エマルションは、本油剤に、20〜40℃の水または湯を投入して希釈するか、20〜40℃の水または湯の中に本油剤を加えて乳化し、作成するのが好ましい。
水系エマルションには、必要により、水以外の水溶性溶剤を併用してもよい。水溶性溶剤の使用量は、好ましくは水に対して20重量%以下、更に好ましくは、1〜10重量%である。上記水溶性溶剤は、20℃で水と任意の割合で相溶する溶剤であり、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。好ましくは、エチレングリコールである。
エマルションの溶剤を除く非揮発分の濃度は、任意の濃度の選択が可能であるが、好ましくは0.1〜30重量%、更に好ましくは0.5〜20重量%である。
本発明においては、前記組成物からなる油剤を繊維重量に対して純分(水及び水溶性溶剤を除く非揮発分)で0.05〜2.0重量%付着させる。付着量が0.05重量%未満では帯電防止性が不十分となり、2.0重量%を超えると繊維あるいは不織布表面の油剤が不織布加工工程において機械に付着しやすくなり、不織布加工機の汚染、繊維および不織布の加工機への捲き付きなどの問題が発生しやすくなるため好ましくない。また、不織布の撥水性が損なわれる恐れがある。
【0013】
繊維に油剤を付着させる方法には特別な制限はなく、紡糸・延伸などの任意の工程でオイリングロール法、浸漬法、噴霧法などの公知の方法を利用することができる。
【0014】
本発明における撥水性繊維とは、温度25℃、湿度65%で吸水率が1重量%以下である繊維を意味し、その素材に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂を例示できる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂およびポリエステル系樹脂は疎水性が大きいので、撥水性繊維の素材として好ましく用いられる。撥水性繊維の表面の少なくとも一部にポリオレフィン樹脂を用いてもよい。
【0015】
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体などが例示できる。また、ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートおよびポリエーテルポリエステルなどを例示できる。
【0016】
また、本発明における撥水性繊維は、上記熱可塑性樹脂の中から1種あるいは2種以上を選定し、溶融紡糸法により得ることができ、本発明の効果を損なわない範囲で、顔料、帯電防止剤などの添加材を配合してもよい。
本発明の撥水性不織布は、上記の撥水性繊維をカーディング法あるいはエアレイド法を用いて所望の目付のウェブとしニードルパンチ法、熱風接着法あるいは熱ロール接着法などの公知の方法で加工して得ることができる。この不織布を紙おむつや生理用ナプキンなどの吸水性物品の表面材に使用する場合には、繊維の単糸繊度は0.5〜10.0dtex、不織布の目付は8〜50g/m2のものが好ましい。上記範囲の単糸繊度の繊維であれば、カード機で均質なウェブを得ることができる。また、上記範囲の単糸繊度、目付の不織布であれば、十分な不織布強力を有し、さらにこの不織布を表面材として使用すれば、良好な肌触りの吸水性物品が得られる。上記の不織布には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて本発明の撥水性繊維に他の繊維を混合して用いることができる。本発明の撥水性不織布は、紙おむつや生理用ナプキンなどの吸水性物品の表面材などに用いられる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および、比較例における各種の物性値は、以下の方法で測定されたものである。
【0018】
融点:直径0.3〜1.0mmの小片にした油剤成分を一辺18mmのカバーグラス2枚の間に挟み、微量融点測定器(柳本製作所製)の発熱板上にセットし、毎分5℃の速度で昇温し溶融し始める温度を測定した。30℃で液状の成分は30℃以下、200℃でも溶融しない成分は200℃以上とした。
表面張力:油剤濃度5重量%水溶液を内径60mm、深さ15mmのガラス製シャーレに25g採取し、25±1℃に調温して自動表面張力計(協和界面科学社製)により測定した。(Wilhelmy法)
撥水性:不織布サンプルから15cm角の試験片を切り取り、JIS L 1092−A法(低水圧法)に準じて、昇降速度10cm/minで耐水圧値(Pa)を測定した。耐水圧値が高いほど撥水性が良いことを示し、390Pa以上であれば実用に問題ないと判断できる。
ホットメルト接着強力:上記不織布引張り強力の測定に用いる不織布から切り出した長さ15cm、幅2.5cmの試料片のエンボス面側の端部にホットメルト接着剤を1mmの幅で塗布した。塗布20秒後に、エンボス面同士が向き合うようにもう1枚の試験片を載せ、10秒間荷重(プレス圧力、19.6kPa)をかけた後、20℃、湿度40%の恒温槽に24時間放置し、引張り試験機を用いて、つかみ間隔10cm、引張り速度10cm/minでホットメルト接着部分の破断強力を測定した。破断強力値が高いほどホットメルト接着性が優れていることを示し、その値が5.88N以上であればホットメルト接着性に優れると判断できる。
ホットメルト接着性試験機:JTトーシ(株)製 ASM−15型
塗布アプリケーター:ノードソン3100型
ホットメルト接着剤:ニッタイト HT−945(新田ゼラチン(株)製)
【0019】
実施例1〜7、比較例1〜4
表1に記載の部数の各成分を櫂型撹拌機を有する配合槽に仕込み、40〜50℃にて混合し、本発明及び比較の繊維用油剤100部を得た。各油剤の油剤濃度5重量%水溶液の表面張力の測定結果を表1に示した。
ポリプロピレンを芯成分としポリエチレンを鞘成分とする複合体積比50/50の鞘芯型複合繊維を紡糸し、この紡糸工程で表1の実施例1〜7、比較例1〜4に示した繊維油剤の濃度5重量%の水系エマルションをオイリングロールを用いて繊維に対し純分で0.5重量%それぞれ付着させた。それを90℃の熱ロールにて4.0倍に延伸し、さらにそれぞれの繊維にスタッフィングボックスで機械捲縮を付与し、乾燥後切断処理して2.2dtex/f、38mmの試料短繊維を得た。得られた試料短繊維をローラーカード機を用いて10m/minの速度でカーディングし、目付20g/m2のウェブを作製した。続いて、接着面積率24%のエンボスロールを用いて加熱温度126℃、線圧19600N/m、速度6m/minの条件で不織布に加工した。
各試料短繊維について、上記不織布を用いて耐水圧(撥水性)、ホットメルト接着強力を測定した結果を表1に示した。
さらに実施例1で得られた不織布を大人用紙おむつの表面材として使用したところ、吸水性物品として非常に良好であった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】
本発明の撥水性油剤を付着させた繊維を使用した不織布は、ホットメルト系の接着剤との接着強力に優れ、かつ高撥水性を示すことは明らかであり、紙おむつ、生理用ナプキンといった衛生材料の表面材として好適である。
Claims (7)
- 下記の成分(A)〜(D):
(A) グリセリンおよび縮合度7以下のポリグリセリンからなる群から選ばれる1種以上のグリセリン化合物
(B) 炭素数8〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩
(C) (C1)炭素数8〜22の脂肪酸と炭素数8〜24の1価のアルコールとのエステル 及び
(C2)炭素数2〜10の二塩基酸と炭素数1〜18の1価のアルコールとのエステル
から選択される1種以上の化合物
(D) 炭素数8〜22の脂肪酸と多価アルコールとのエステル
からなり、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に基いて、成分(A)を50〜95重量%、成分(B)を2〜20重量%、成分(C)を30重量%以下、及び成分(D)を40重量%以下含有する繊維用油剤であり、該油剤及びそれを構成する各化合物がそれぞれ下記式(1)および(2):
32≦T≦45 (1)
M≦130 (2)
〔ここで、Tは油剤濃度5重量%の水溶液の温度25℃での表面張力(mN/m)であり、Mは油剤を構成する各化合物の融点(℃)である〕
を満足する撥水性繊維用油剤。 - 下記成分(A)〜(C):
(A) グリセリンおよび縮合度7以下のポリグリセリンからなる群から選ばれる1種以上のグリセリン化合物
(B) 炭素数8〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩
(C) (C1)炭素数8〜22の脂肪酸と炭素数8〜24の1価のアルコールとのエステル 及び
(C2)炭素数2〜10の二塩基酸と炭素数1〜18の1価のアルコールとのエステル
から選択される1種以上の化合物
からなり、成分(A)、(B)及び(C)の合計重量に基いて、成分(A)を50〜95重量%、成分(B)を2〜20重量%、及び成分(C)を30重量%以下含有する繊維用油剤であり、該油剤及びそれを構成する各化合物がそれぞれ下記式(1)および(2):
32≦T≦45 (1)
M≦130 (2)
〔ここで、Tは油剤濃度5重量%の水溶液の温度25℃での表面張力(mN/m)であり、Mは油剤を構成する各化合物の融点(℃)である〕
を満足する撥水性繊維用油剤。 - 下記成分(A)、(B)及び(D):
(A) グリセリンおよび縮合度7以下のポリグリセリンからなる群から選ばれる1種以上のグリセリン化合物
(B) 炭素数8〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩
(D) 炭素数8〜22の脂肪酸と多価アルコールとのエステル
からなり、成分(A)、(B)及び(D)の合計重量に基いて、成分(A)を50〜95重量%、成分(B)を2〜20重量%、及び成分(D)を40重量%以下含有する繊維用油剤であり、該油剤及びそれを構成する各化合物がそれぞれ下記式(1)および(2):
32≦T≦45 (1)
M≦130 (2)
〔ここで、Tは油剤濃度5重量%の水溶液の温度25℃での表面張力(mN/m)であり、Mは油剤を構成する各化合物の融点(℃)である〕
を満足する撥水性繊維用油剤。 - 下記成分(A)及び(B):
(A) グリセリンおよび縮合度7以下のポリグリセリンからなる群から選ばれる1種以上のグリセリン化合物
(B) 炭素数8〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩
からなり、成分(A)及び(B)の合計重量に基いて、成分(A)を80〜95重量%、成分(B)を5〜20重量%含有する繊維用油剤であり、該油剤及びそれを構成する各化合物がそれぞれ下記式(1)および(2):
32≦T≦45 (1)
M≦130 (2)
〔ここで、Tは油剤濃度5重量%の水溶液の温度25℃での表面張力(mN/m)であり、Mは油剤を構成する各化合物の融点(℃)である〕
を満足する撥水性繊維用油剤。 - 熱可塑性樹脂からなる繊維に請求項1〜4のいずれかに記載の撥水性繊維用油剤を該繊維に対し、繊維重量の0.05〜2.0重量%付着させた撥水性繊維。
- 請求項5に記載の撥水性繊維を用いた不織布。
- 請求項6に記載の不織布を用いた吸水性物品。
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