JP2018154948A - 透水剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙おむつや生理用品等の吸収性を必要とする熱可塑性合成繊維、特にポリオレフィン系不織布について優れた初期透水性、耐久透水性及び濡れ戻り防止性を付与することの可能な繊維用透水剤の提供。【解決手段】式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルである成分(A)、及び式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル又はその塩である成分(B)を必須成分として含有する、熱可塑性合成繊維用の透水剤。成分[A]と成分[B]との重量比(A)/(B)が90/10〜40/60である透水剤。R1COO[A1O)x(A2O)y]H・・・・(1)[R2O(A3O)z]aP(=O)−(OM)3−a・・(2)【選択図】なし

Description

本発明は、初期透水性、耐久透水性及び濡れ戻り防止性に優れた透水剤に関するものであり、詳しくは、紙おむつ、生理用ナプキン、ウェットシート、ワイパー、フィルター、ペット用トイレシート等の透水性の必要な熱可塑性合成繊維用の透水剤に関する。
ポリオレフィン系やポリエステル系等の熱可塑性合成繊維は疎水性であるため、従来から透水性を付与する方法が開示されている。特に、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の着用時には発汗、尿、体液等による不快感を回避するために、これら製品の表面材が濡れやすく、しかもその濡れやすさが短時間で発揮されることが重要である。更には一度吸収体に吸収された液体が再び表面材上に戻らないこと、すなわち吸収体からの濡れ戻りがないことが重要であると考えられている。そのため、通常、これらの製品の表面材を構成している繊維、例えばポリオレフィン系繊維には、短時間で液を吸収することが要求される。また、紙おむつ等は、自分で排泄物を処理出来ない乳幼児、高齢者、病人等が着用するものであり、吸収容量の増大、濡れ防止性の向上により1回の着用で必ずしも1回の排泄物が処理されるとは限らず、これら衛生材料等の表面材には耐久透水性が強く要求されている。
従来、上記の表面材等の繊維に透水性を付与する方法としては下記(1)〜(3)に示すような方法が知られている。
(1)疎水性樹脂に透水剤を練り込み、紡糸した繊維により透水性の繊維重合体を得る方法。この方法としては、例えば、ポリマーにポリエチレングリコールを混合し、溶融混練後、繊維を製造する方法(特許文献1)や、アルキルスルホン酸ナトリウム塩を混合し繊維化する方法(特許文献2)等がある。
(2)透水性低分子化合物を付着させる方法。この方法としては、ポリオレフィン系繊維にポリオキシアルキレン変性シリコーンを付着させる方法(特許文献3)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを付着させる方法(特許文献4)、アルキル燐酸エステル塩に2種類の両性界面活性剤を併用する方法(特許文献5)等がある。
(3)プラズマ処理、コロナ放電処理等の物理的処理を施す方法。この方法としては、減圧下で酸素を高周波エネルギーで励起して処理し、表面をカルボニル化する方法(特許文献6)等がある。
特開昭49−529号公報 特開平5−272006号公報 特開平1−148879号公報 特開平2−216265号公報 特開2000−170076号報 特開昭50−73976号公報
しかしながら、上記(1)の方法は、十分な透水性能を発揮するまで透水剤を疎水性樹脂に添加すると、樹脂との相溶性の問題で紡糸時に糸切れが発生する等で生産性が著しく低下する。透水剤が比較的早期に繊維表面にブリードアウトした場合でも、透水性が長期に持続せず耐久性の面で不十分といった問題がある。また、上記(2)の方法は簡便で初期透水性が優れていても、一旦液体が通過すると乾燥された後は透水性が大幅に低下してドライタッチになるのに非常に時間がかかり、濡れ戻り防止性や耐久透水性が不十分となる問題等がある。上記(3)の方法では、改質により生じた極性基の経時変化により、経時的に透水性が劣化しやすく、しかも改質には特殊な装置を使用し多量の熱や電気を要するため経済的ではない。
本発明の課題は、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の表面材に用いた場合に従来の問題点を解決して、初期透水性、耐久透水性、濡れ戻り防止性のいずれについても優れた性能を併せ持つ透水剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究した結果、疎水性繊維に親和性があり、耐久透水性と濡れ戻り防止性に優れた成分(A)と、初期透水性が非常に優れた成分(B)との組み合わせによりその相乗効果が発揮され、その結果、初期透水性、耐久透水性、濡れ戻り防止性のいずれの性能を併せ持った最適な透水剤を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示される成分(A)、及び下記一般式(2)で示される成分(B)を必須成分として含有することを特徴とする透水剤である。
Figure 2018154948
(式中、Rは炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基、AOは炭素数2のオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を表し、xは1〜20の整数、yは10〜60の整数である。AO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加、又はランダム付加のいずれであってもよい。)
Figure 2018154948
(式中、Rは炭素数6〜10のアルキル基、AOは炭素数2のオキシエチレン基、zは1〜10の整数、aは1又は2、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。)
前記透水剤の成分(A)と成分(B)との重量比<(A)/(B)>は、90/10〜40/60であることが好ましい。
前記透水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合は、70〜100重量%であることが好ましい。
本発明の透水剤を繊維に適用することにより、繊維に初期透水性、耐久透水性、濡れ戻り防止性のいずれについても優れた性能を付与することが出来る。従って本発明の透水剤は、紙おむつや生理用品等に用いられるポリオレフィン系不織布等の透水剤として好適に使用が可能である。
本発明の透水剤は、ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルである成分(A)、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル又はその塩である成分(B)を必須成分として含有することを特徴とする透水剤である。また、前記成分(A)と成分(B)との重量比<(A)/(B)>が90/10〜40/60であって、前記透水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合が70〜100重量%である。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
前記一般式(1)で示される成分(A)は、繊維に耐久透水性と濡れ戻り防止性を付与する点で重要な成分である。Rは炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、デセニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、トリデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、へプタデセニル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、ノナデセニル基、イコシル基、ヘンイコシル基等が挙げられる。
アルキル基又はアルケニル基の炭素数が7未満の場合、繊維との親和性がなくなり耐久透水性と濡れ戻り防止性が低下する。一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が21を超える場合、透水性自体が不十分となり耐久性も得られない。
Oは炭素数2のオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を表す。xは1〜20の整数、好ましくは2〜18で、付加モル数が20を超えると透水性は上がるが耐久透水性と濡れ戻り防止性が低下する。付加モル数が1未満であると透水性自体が十分に得られなくなる。yは10〜60の整数、好ましくは15〜50で、付加モル数が10未満であると耐久透水性が得られず、60を超えると疎水性が強くなり過ぎて透水性が十分に得られなくなる。AO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加、又はランダム付加のいずれであってもよい。また、成分(A)は1種又は2種以上から構成されていてもよい。
前記一般式(1)で示される成分(A)の具体例としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノベヘニン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノオレインエステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル等が好ましい。
前記一般式(2)で示される成分(B)は、繊維に初期透水性を付与する点で重要な成分である。Rは炭素数6〜10のアルキル基であり、分布があってもよく、直鎖又は分岐のどちらでもよいが分岐を有した方が初期透水性を向上させる。アルキル基の炭素数はRとしては、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数が6未満の場合、安定した初期透水性が発揮出来なくなる。一方、アルキル基の炭素数が10を超える場合、疎水性が強くなってしまい初期透水性が著しく低下する。
Oは炭素数2のオキシエチレン基であり、zは1〜10の整数である。zは1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。オキシエチレン基が1未満の場合、初期透水性が不十分となる。一方、オキシエチレン基が10を超える場合、成分(A)の耐久透水性の低下を引き起こす。aは1又は2、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。また、成分(B)は1種又は2種以上から構成されていてもよい。
前記一般式(2)で示される成分(B)の具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンオクチルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンノニルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンデシルエーテル燐酸エステル又はその塩等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンオクチルエーテル燐酸エステル又はその塩と、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル燐酸エステル又はその塩等が好ましい。
本発明の透水剤は、効果を十分に発揮させる為に、耐久透水性と濡れ戻り防止性に優れた成分(A)と初期透水性に優れた成分(B)との重量比<(A)/(B)>を90/10〜40/60とすることが好ましく、更に85/15〜50/50とすることが好ましい。成分(A)の重量割合が90を超え、成分(B)の重量割合が10未満になる場合、初期透水性が不十分となる。また、成分(A)の重量割合が40未満となり、成分(B)の重量割合が60を超える場合、初期透水性は若干向上するが耐久透水性と濡れ戻り防止性は著しく低下する。
また、初期透水性、耐久透水性及び濡れ戻り防止性について優れた性能を発揮させる為には、透水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合は、70〜100重量%であることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。本発明の透水剤には必要に応じて、浸透剤、乳化剤、帯電防止剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤等の他の成分を含有させてもよいが、透水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合が70重量%未満となると、初期透水性、耐久透水性及び濡れ戻り防止性のいずれか又は全ての性能を十分に発揮出来なくなる場合がある。
本発明の透水剤の製造方法は特に限定されず、公知の方法を採用出来る。
成分(A)のポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルは、例えば脂肪酸に通常の条件でアルキレンオキサイドを付加することによって製造することができる。その場合、ポリオキシアルキレンジ脂肪酸エステル(成分(C))が副生するが、その含有量は少ない方が好ましい。具体的には、成分(A)と成分(C)との重量比<(A)/(C)>は、50/50〜100/0であることが好ましく、60/40〜100/0であればより好ましい。
成分(B)のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルについても通常の条件で脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加させた後、通常の条件でリン酸化することによって製造出来る。その後、中和剤で中和を行えば燐酸エステル塩を得ることが出来る。
成分(A)と成分(B)の混合については、容器に両成分を仕込んだ後、40〜60℃の温度で均一に混合する。透水剤については透水剤自体の外観安定性や水等への希釈時の溶解性の向上を目的に水及び/又は溶剤を含有していても良い。
本発明の透水剤は、熱可塑性合成繊維としてポリオレフィン繊維、フィブリル化ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、塩ビ繊維等に使用出来る。その中でもポリオレフィン繊維に用いることが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などから任意に1あるいは2種以上選択して使用することが出来る。
また、本発明の透水剤は、不織布、織編物などの布帛に使用することが出来る。不織布の形態としては、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等の主としてステープル繊維からなる不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の長繊維からなる不織布、湿式抄造法による湿式不織布、エアレイ不織布等の短繊維からなる不織布、あるいはこれらの積層体を用途に応じて決定することが出来る。
本発明の透水剤を付与された不織布は、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の吸収体を必要とする表面材、お尻拭き、ウェットティッシュ、化粧綿、ワイパー、フィルター、ペット用トイレシート等に用いることが出来る。
上記繊維に透水剤を付着させる方法としては、水等の溶媒で溶液にして塗布する方法か予めマスターバッチ等を作製し繊維製造時に樹脂に混練する方法等でもよい。
本発明の透水剤を塗布する場合は、水等の溶媒で希釈した溶液、あるいは希釈せず原液を繊維に付着させることができ、上記不織布を製造する際における紡糸工程、延伸工程、捲縮工程等のいずれで行ってもよい。透水剤を付着させる方法は、通常水等の溶媒で希釈した溶液を用いて、浸漬法、噴霧法、キスコーターやグラビヤコーターによるコーティング法等の既知の方法がある。水溶液の場合には水で0.1〜50重量%に希釈するが、必要に応じて乳化剤や可溶化剤を併用しても良い。希釈せず原液での塗布の場合は低粘度の炭化水素化合物に0.1〜50重量%に希釈して付着させても良い。また、透水剤の乾燥方法は、熱風や赤外線による乾燥、あるいは熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてもよい。
塗布する場合の透水剤の不揮発分の付着量は、ポリオレフィン系不織布に対して、0.05〜5.0重量%であり、好ましくは0.1〜2.0重量%である。付着量が0.05重量%未満であると、十分な透水性が得られず、付着量が5.0重量%を超えると、繊維をカード処理する時に巻付きが多くなり生産性が大幅に低下したり、得られる不織布にベトツキが生じて肌触りが悪くなり、吸収性物品の表面材として適当でなくなる。
本発明の透水剤を樹脂に混練する場合は、公知の混合装置を用いればよく、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどで混合し、公知の短軸または2軸押出機等で溶融混合して、予めマスターバッチにしておくと良い。このときポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線防止剤などの安定剤や酸化チタン、金属石けん、カーボンブラック、顔料、抗菌剤、滑剤等の添加剤を混合させても良い。
混練する場合の透水剤の添加量は、樹脂に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%混練する。混練する量が0.1重量%未満では十分な透水性が得られず、30重量%を超えると繊維強度が低下し生産性が大幅に低下するので好ましくない。
そして、透水剤が混練されたポリオレフィン系樹脂は、公知の溶融紡糸機を用い、溶融紡糸される。紡糸温度は、透水剤が実質的に変質しない温度で実施され、紡糸温度200〜300℃で樹脂を押し出し、所定の繊度の紡糸フィラメントを作製する。紡糸フィラメントは、必要に応じて延伸される。延伸は、延伸温度90〜130℃、延伸倍率2倍以上で処理すると、繊維強度が向上するので好ましい。得られたフィラメントには、繊維処理剤を付着させてもよい。
ポリオレフィン系繊維から不織布を製造するには、溶融紡糸・延伸・捲縮・熱処理・カットの各工程を経て、短繊維(ステープルファイバー)を得て、次いでローラーカード方式で不織布を得る方法、あるいは溶融紡糸で直接的に不織布を作製するスパンボンド法やメルトブロー法、糸条形成過程を経た糸を短くカットし、分散・ウェブ化・交絡工程を経て得る湿式成型法等を採用することが出来る。引張破断強力の高い不織布を得るにはスパンボンド法、目付けの小さい不織布を得るにはメルトブロー法、均質度の極めて高い不織布を得るには湿式成型法が特に好ましい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
成分(A):ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルの合成
・成分(A1)の合成
5Lオートクレーブにステアリン酸284g(1モル)と水酸化カリウム6.7gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換する。200rpmの撹拌速度で150℃まで昇温し、エチレンオキサイド440g(10モル)を同温度で徐々に圧入し付加させる。同温度で1時間熟成し120℃まで冷却後、同温度でプロピレンオキサイド2610g(45モル)を圧入し付加させる。同温度で3時間熟成し60℃まで冷却後、氷酢酸7.2gを仕込み中和した。
・成分(A2)〜(A8)
成分(A1)と同様の合成方法にて成分(A2)〜(A8)を合成した。
成分(B):ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル又はその塩
・成分(B1)の合成
1Lオートクレーブに2−エチルヘキサノール390g(3モル)と水酸化カリウム0.7gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換する。200rpmの撹拌速度で150℃まで昇温し、エチレンオキサイド264g(6モル)を同温度で徐々に圧入し付加させる。同温度で1時間熟成し60℃まで冷却後、89%燐酸0.2gで中和し反応物を得る。次に反応物654g(3モル)を1Lフラスコに仕込み、撹拌しながら徐々に無水燐酸を142g(1モル)投入し、60℃を保持したまま3時間反応させる。その後、イオン交換水3gを仕込み60℃で30分間撹拌する。次に水酸化カリウム160gを発熱に注意しながら仕込み、燐酸エステル塩を得た。
・成分(B2)〜(B6)
成分(B1)と同様の合成方法にて成分(B2)〜(B6)を合成した。
成分(A1)〜(A8)と成分(B1)〜(B6)については、表1及び表2に記載の比率(重量%)にて50℃で均一になるまで混合後、各々の透水剤とした。
表1及び表2に示す各透水剤について、40℃の温水で不揮発分重量割合が10重量%濃度になるように水溶液を作製する。次に各透水化剤の水溶液にポリプロピレン不織布(目付:15gsm)を1分間浸漬後、不織布に対して透水剤の不揮発分の付着量が0.7重量%となるようマングル試験機を使用して絞る。続いて、各透水剤の付着した不織布を80℃で30分間乾燥後、恒温恒湿室(20℃、40%RH)で24時間保管し試験布を得た。
試験布に対する透水剤の付着量(W2)は、透水剤が付着した不織布サンプル(W1)についてメタノールを用いてソックスレー抽出を行い求めた。そして下記計算式により透水剤付着率X(%)を求めた。
X(%)=100×W2/W1
液流れ試験、初期透水試験、耐久透水試験及び液戻り試験に用いる人工尿については、尿素:NaCl:MgSO:CaCl:水=1.9:0.78:0.078:0.029:97.2%の処方で作製した。
[試験方法]
(1)液流れ試験
45°の傾斜をつけたアクリルボードに濾紙(ADVANTEC社製No.2、15×30cm)を3枚重ねで取り付ける。次に濾紙上に試験布(15×30cm)を取り付ける。続いて人工尿の滴下位置に線を引き、試験布の1cm上よりピペットを用いて人工尿1ccを滴下する。滴下後、人工尿の流れた縦方向の距離(mm)を測定する。測定値は5回測定の平均値とする。流れた距離が短い程、瞬間透水性が良好である。
(2)初期透水試験、耐久透水試験
LENZING TECHNIK社製通液度測定器「LISTER AC」を使用し、EDANA RECOMMENDED TEST METHODのNONWOVENS COVERSTOCK LIQUID STRIKE−THROUGH TIMEに準じた透水試験を行った。濾紙(インテック(株)販売のGRADE:989 10cm角×3枚重ね)上に試験布(10cm角)を置き、その上に通液度測定器付属の通液検知電極を備えた通液検知プレートを置く。次に試験布表面から25mmの高さから5mLの人工尿を25mL/3.5秒の速さで滴下する。滴下から人工尿が試験布表面を通過するまでの時間を通液度測定器で測定し透水時間とした。また、これを3回繰り返し耐久透水試験とした。透水時間が短い程、透水性が良好である。更に2回目、3回目の透水時間が1回目の透水時間と差が無く短い程、耐久透水性が良好である。
(3)液戻り試験
濾紙(ADVANTEC社製No.5A、10cm角)を5枚重ね、濾紙上に試験布(10cm角)を置く。次に試験布上に内径12mmの円筒を固定後、円筒上部から人工尿10mLを注入し、試験布を通して濾紙に吸収させる。濾紙に人工尿が吸収されたら円筒を取り除き、予め秤量した濾紙(ADVANTEC社製No.5A、10cm角)を2枚重ねで試験布上に置く。続いて濾紙の上から3.5kgの荷重を5分間かける。5分経過後に濾紙の重さを計り重量増加分を計算して液戻り量(g) とする。測定値は5回測定の平均値とする。液戻り量が少ない程、濡れ戻り防止性が良好である。
Figure 2018154948
成分(A1):ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(45モル)モノステアリン酸エステル
成分(A2):ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレン(24モル)モノオレイン酸エステル
成分(A3):ポリオキシプロピレン(36モル)ポリオキシエチレン(4モル)モノステアリン酸エステル
成分(A4):ポリオキシエチレン(8モル)ポリオキシプロピレン(40モル)モノベヘニン酸エステル
成分(A5):ポリオキシプロピレン(42モル)ポリオキシエチレン(6モル)モノイソステアリン酸エステル
成分(A6):ポリオキシプロピレン(50モル)ポリオキシエチレン(5モル)モノラウリン酸エステル
成分(B1):ポリオキシエチレン(2モル)2−エチルヘキシルエーテル燐酸エステルカリウム塩
成分(B2):ポリオキシエチレン(3モル)オクチルエーテル燐酸エステル
成分(B3):ポリオキシエチレン(1モル)2−エチルヘキシルエーテル燐酸エステルナトリウム塩
成分(B4):ポリオキシエチレン(5モル)デシルエーテル燐酸エステルカリウム塩
Figure 2018154948
成分(A7):ポリオキシエチレン(10モル)モノステアリン酸エステル
成分(A8):ポリオキシエチレン(15モル)ポリオキシプロピレン(8モル)モノステアリン酸エステル
成分(A9)ポリオキシエチレン(30モル)ヒマシ油
成分(A10)ポリオキシエチレン(40モル)ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル
成分(A11)ポリオキシエチレン(10モル)ヘキサデシルアルコール
成分(B5):ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル燐酸エステルナトリウム塩
成分(B6):ステアリルアルコール燐酸エステルカリウム塩
成分(B7):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
Figure 2018154948
本発明の透水剤を繊維に適用することにより、繊維の初期透水性、耐久透水性、濡れ戻り防止性のいずれについても優れた性能を発揮することが出来る。従って本発明の透水剤は、紙おむつや生理用品等に用いられるポリオレフィン系不織布等の透水剤として好適に使用が可能である。




Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される成分(A)、及び下記一般式(2)で示される成分(B)を必須成分として含有することを特徴とする透水剤。
    Figure 2018154948
    (式中、Rは炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基、AOは炭素数2のオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基を表し、xは1〜20の整数、yは10〜60の整数である。AO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加、又はランダム付加のいずれであってもよい。)

    Figure 2018154948
    (式中、Rは炭素数6〜10のアルキル基、AOは炭素数2のオキシエチレン基、zは1〜10の整数、aは1又は2、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。)
  2. 前記成分(A)と成分(B)との重量比<(A)/(B)>が90/10〜40/60である、請求項1に記載の透水剤。
  3. 前記透水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合が70〜100重量%である、請求項1又は2に記載の透水剤。
  4. 熱可塑性合成繊維に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の透水剤。
  5. 不織布に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の透水剤。
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