JP4026311B2 - ピッキング設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品のピッキングを可能としたピッキング設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のピッキング設備では、仕分け先(ユーザーや店舗)毎の集品用のバケット(集品容器)を集品ラインのコンベヤで搬送しながら、このバケットに対して物品の保管棚(ピッキング棚)の各区画収納空間から、この区画収納空間毎に設けられた棚表示器の表示(出荷数量など)に応じて作業員が物品を移載することにより仕分け先毎の物品の集品が行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通信技術を利用した通信販売の発達に伴い、このような通信販売において顧客毎に販売する物品をピッキングする設備では、物品がよく変化し、物品のピッキング量も大きく変動することため、区画収納空間の配置、すなわちレイアウトを簡単に変更することができるピッキング棚が望まれている。
【0004】
そこで、本発明は、レイアウトを簡単に変更することができるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品を収納した複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎に、ピッキングする物品の情報を表示するピッキング表示手段を設けたピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿ったライン上を移動する仕分け先別の集品容器に、前記ピッキング棚の各区画収納空間から前記ピッキング表示手段にしたがってピッキングされた物品の集品を行うピッキング設備であって、前記各ピッキング表示手段に、固有の番号を予め設定し、各ピッキング表示手段を、前記区画収納空間に取り付け自在に構成し、前記各区画収納空間毎に、区画収納空間に設けた前記ピッキング表示手段に固有の番号を設定することにより、前記各ピッキング表示手段へ表示する、前記ピッキングする物品の情報を求め、この表示情報の伝送をコードレスにより行い、前記各区画収納空間と前記ピッキング表示手段の固有の番号との設定を変更することにより、1つの物品が格納される前記区画収納空間の増加あるいは減少に対応する構成としたことを特徴とするものである。
【0006】
上記構成によれば、ピッキング表示手段を区画収納空間に取り付け自在とし、さらに各ピッキング表示手段への表示情報の伝送をコードレスとし、前記各区画収納空間と前記ピッキング表示手段の固有の番号との設定を変更することにより、ピッキング表示手段の取り付け位置の変更を伴う区画収納空間の増加あるいは減少を簡単に行うことができ、ピッキング棚全体の配置(レイアウト)を簡単に変更することができる。
【0007】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、ピッキング棚の区画収納空間はラインに沿って複数の仕分けエリアが変更自在に設定され、前記各仕分けエリア毎に、それぞれの仕分けエリアの各ピッキング表示手段への表示情報を伝送する伝送手段を設け、前記ピッキング棚の前記区画収納空間の配置のデータと前記仕分けエリアの設定のデータを変更し、前記伝送手段に設定されている伝送先のピッキング表示手段の固有の番号を変更することにより、前記仕分けエリアの拡張あるいは縮小に対応する構成としたことを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、ピッキング棚の区画収納空間の配置のデータと仕分けエリアの設定のデータを変更し、各仕分けエリアの伝送手段に設定されている伝送先のピッキング表示手段の固有の番号を変更することにより、ピッキング表示手段の取り付け位置の変更を伴う前記仕分けエリアを拡張あるいは縮小を簡単に行うことができ、ピッキング棚全体の配置(レイアウト)を簡単に変更することができる。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記集品容器にはそれぞれ前記集品容器を識別する識別符号が付され、前記各仕分けエリア毎に、ライン上を移動してくる前記集品容器より前記集品容器の識別符号を読み取る符号読み取り手段が設けられ、前記各仕分け先に対応する、集品容器の識別符号のデータと複数のピッキングする物品のデータおよびピック数からなる出荷情報に基づいて、前記設定された各仕分けエリア毎で前記仕分け先毎に、集品容器の識別符号のデータおよびピッキングする区画収納空間と前記物品のデータとピック数からなるピッキングデータを形成し、各仕分けエリア毎に前記符号読み取り手段により読み取られた集品容器の識別符号と前記ピッキングデータにより、ピッキングする区画収納空間と前記物品のデータとピック数からなる前記各ピッキング表示手段へのピッキングする物品の表示情報を形成し、この表示情報の伝送をコードレスにより行う構成としたことを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、出荷情報に基づいて仕分けエリア毎にピッキングデータが形成され、この仕分けエリア毎のピッキングデータと符号読み取り手段により読み取られたライン上を移動する集品容器の識別符号とに基づいて、仕分けエリアの各ピッキング表示手段へ伝送される表示情報が形成され、コードレスで伝送される。
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、ピッキング表示手段は太陽電池または充電式電池またはこれらの組合せより給電されることを特徴とするものである。 上記構成によれば、ピッキング表示手段への給電は太陽電池が使用され、また太陽電池より充電式電池へ充電しておくことにより、光が弱くなり太陽電池より給電することが難しくなった場合充電式電池よりピッキング表示手段へ給電される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の要部配置図であり、基本的に、集品される物品が保管されるストレージラインAと、物品を注文した、あるいは注文があった仕分け先(店舗や顧客など)毎に、ピッキングされた物品を集品(収納)する集品容器を順送りしていく集品ラインBから構成され、集品ラインBの上流側から、物品のピッキング作業を行うピッキング作業ゾーンが設けられている。
『ストレージラインA』
まず、ストレージラインAについて説明する。ストレージラインAは、ピッキング棚(仕分け棚)1とこのピッキング棚1に取り付けられる、ピッキングする物品の情報を表示するピッキング表示手段であるピッキング表示器2から構成されている。
「ピッキング棚1」
ピッキング棚1は、図2および図3に示すように、流動棚から形成され、前方に傾斜している複数段(図では3段)のラック3を有し、各ラック3にはそれぞれ、物品4を収納した容器5(あるいは物品4のみであってもよい)を格納する複数の区画収納空間6が形成され、各区画収納空間6毎にローラコンベヤ7が設けられ、最下段のローラコンベヤ7の前端には容器5を斜め前方の姿勢で支持する支持具8が設けられ、他のローラコンベヤ7の前端にはストッパ8Aが設けられている。この構成により、支持具8またはストッパ8Aにより係止された容器5から必要な物品4を取り出し、容器5が空になればその容器5を除去することにより、次の容器5が前面にでてくる。またローラコンベヤ7は、図2に示すように、各ラック3毎にローラピッチを変えている。
【0015】
また下段の区画収納空間6では、容器5の開口を立てて容器5の長い辺を前面として配置し、中段の区画収納空間6では、容器5の開口を横向きにし、容器5の長い辺を下にして配置し、上段の区画収納空間6では、容器5の開口を横向きにし、容器5の短い辺を下にして配置しており、下段の1容器と中段の1容器と上段の2容器が上下に整列するように配置している。
【0016】
また、ピッキング棚1には、集品ラインBに沿って、ピッキング作業を行う一人あるいは二人の作業員Hが処理する複数の区画収納空間6からなる仕分けエリアSが設定される。
「ピッキング表示器2」
ピッキング表示器2はマグネットにより区画収納空間6に取り付け自在とされており、図4に示すように、ピッキング表示器2の前面にピックアップの有無を表示する表示ランプ(LED表示器)12と太陽電池13が設けられ、内部に充電式電池とリモコン受信器(図示せず)が設けられ、後述するリモコン送信器から送信される表示情報(表示ランプ12のオン・オフ信号)をリモコン受信器により受信し、表示情報(信号)がオンのとき、表示ランプ12を点灯する構成とされている。また表示ランプ12とリモコン受信器へは太陽電池13より給電されている。また太陽電池13より充電式電池へ充電しており、光が弱くなり太陽電池13より給電することが難しくなった場合、充電式電池より表示ランプ12とリモコン受信器へ給電される。
【0017】
また各区画収納空間6に格納された容器5に収納される物品4には、図1に示すように、それぞれ物品4を特定する、13桁のJANコードのバーコード(識別符号の一例)が印刷されたバーコードラベル14が取り付けられている。
「ハンディターミナル」
また各仕分けエリアSには、図1に示すように、作業員Hが携帯し、作業員Hが手に持って操作できるハンディタイプのターミナル(以下、ハンディターミナルと略す)16が用意されている。このハンディターミナル16には、図5に示すように、上記物品4に取り付けられたバーコードラベル14に印刷されたバーコードおよび後述する集品容器に取り付けられたバーコードラベル23に印刷されたバーコードを読み取るバーコードリーダ(符号読み取り手段の一例)17と、3桁のディジタル表示器からなる数量表示器18が設けられており、アンテナ(図示せず)を介してこれらバーコードリーダ17のバーコード読み取りデータと数量表示器18の表示データの送受信が行われる。なお、これら送受信のデータには、ハンディターミナル16に予め設定された固有のデータ、たとえば配置される仕分けエリアSのデータ(たとえば番号)が付される。
「リモコン送信器」
また各仕分けエリアS毎に、赤外線を使用してコードレスで仕分けエリアS内のピッキング表示器2へ表示情報を送信するリモコン送信器(伝送手段の一例)19(図6)が設けられている。このリモコン送信器19には、送信先のピッキング表示器2毎の固有の番号が予め設定されており、後述するコントローラ31からの表示データにより、ピッキング表示器2を特定して表示情報を送信する。
『集品ラインB』
次に、集品ラインBについて説明する。集品ラインBは、図1,2に示すように、基本的にラインを形成しコンテナからなる集品容器20が移動するピッキングコンベヤ21と、仮置き台22から構成されている。
「ピッキングコンベヤ(集品コンベヤ)21」
ピッキングコンベヤ21は、ピッキング棚1の前面に沿って配置されており、フリーローラコンベヤから形成され、集品容器20を下流の仕分けエリアSへ移動可能な構成とされている。また各集品容器20には、仕分け先(たとえば店舗)を特定する、13桁のJANコードのバーコード(集品容器を識別する識別符号の一例)が印刷されたバーコードラベル23が取り付けられている。
「仮置き台22」
仮置き台22は、ピッキングコンベヤ21とピッキング棚1との間に配置され、ピッキングされた物品4を置く台として使用される。
【0018】
上記構成による制御ブロック図を図6に示す。
[制御ブロック]
31は上位のコンピュータ(図示せず)より出荷情報として、店舗別(仕分け先別)に『店舗に対応する集品容器20のデータと複数の「ピッキングする物品の情報およびピッキングする物品の個数(以下、ピック数と略す)」』からなる作業データが入力されるコントローラ(制御手段の一例;詳細は後述する)であり、このコントローラ31に、各仕分けエリアS毎のリモコン送信器19が接続され、さらにアンテナ(図示せず)を介してハンディターミナル16が接続されている。またコントローラ31に、ピッキング棚1の区画収納空間6の配置のデータ、仕分けエリアS毎の区画収納空間6{作業員(ピッカー)が担当する区画収納空間6}の設定のデータ(仕分けエリアSの設定のデータと略す)、各区画収納空間6に格納された物品4のデータ、各区画収納空間6に取り付けられたピッキング表示器2のデータ、各物品4のバーコードデータ、各集品容器20のバーコードデータが予め格納される。
[コントローラ31]
コントローラ31には、図6に示すように、仕分けエリアS毎に、仕分けエリアSのハンディターミナル16とリモコン送信器19を介してこの仕分けエリアS内の各区画収納空間6のピッキング表示器2とに対応したピック制御部32が設けられ、また上位コンピュータより出荷情報(作業データ)を入力する毎に、各仕分けエリアSにピッキング用のデータを振り分ける機能を有する作業データ振り分け制御部33が設けられている。また各ピック制御部32に、各区画収納空間6に取り付けられたピッキング表示器2のデータ、各物品4のバーコードデータ、各集品容器20のバーコードデータが予め格納され、作業データ振り分け制御部33に、ピッキング棚1の区画収納空間6の配置のデータ、仕分けエリアSの設定のデータ、各区画収納空間6に格納された物品4のデータが予め格納されている。
<作業データ振り分け制御部33>
作業データ振り分け制御部33の機能を詳細に説明する。
【0019】
上記『店舗に対応する集品容器20のデータと複数の「ピッキングする物品の情報およびピッキングする物品のピック数』からなる出荷情報を入力する毎に、この出荷情報の各ピッキングする物品の情報から、「各区画収納空間に格納された物品4のデータ」に基づいて、物品4をピッキングする各区画収納空間6を検索し、これら検索されたピッキングする区画収納空間6を、「仕分けエリアSの設定のデータ」に基づいて、区画収納空間6が配置された仕分けエリアS毎にまとめ、各仕分けエリアS毎のピック制御部32へ、
「集品容器20のデータ」と複数の「ピッキングする区画収納空間6および物品4のデータとピック数」
からなるピッキングデータを出力する。なお、出荷情報の集品容器20に対してピッキングする区画収納空間6が存在しない(ピッキングする物品4が存在しない)仕分けエリアSのピック制御部32へは、
「集品容器20のデータ」と「0」
からなるピッキングデータを出力する。
<ピック制御部32>
ピック制御部32は、作業データ振り分け制御部33より上記ピッキングデータを入力する毎に記憶し、次の動作を実行する。図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0020】
ハンディターミナル16のバーコードリーダ17より集品容器20のバーコード読み取りデータを入力すると(ステップ−1)、記憶したピッキングデータの中から集品容器20のバーコードデータによりピッキング作業を実行するピッキングデータを検索する(ステップ−2)。
【0021】
検索したピッキングデータの「ピッキングする区画収納空間6および物品4のデータとピック数」を確認し(ステップ−3)、「0」のとき、数量表示器18へ「PAS」の表示データを出力し、「PAS」を表示させ(ステップ−4)、終了する。
【0022】
ステップ−3において、検索したピッキングデータの「ピッキングする区画収納空間6および物品4のデータとピック数」が「0」ではないとき、「ピッキングする区画収納空間6および物品4のデータとピック数」の中の最初のデータを取り出し(ステップ−5)、区画収納空間6のデータによって、「各区画収納空間6に取り付けられたピッキング表示器2のデータ」からこの空間6に対応するピッキング表示器2のデータ(番号)を求めて、このピッキング表示器2の表示ランプ12を点灯する表示情報をリモコン送信器19へ出力し(ステップ−6)、数量表示器18へピック数からなる表示データを出力する(ステップ−7)。
【0023】
これによりピッキングを行う区画収納空間6のピッキング表示器2の表示ランプ12が点灯し、ハンディターミナル16の数量表示器18にピッキングする物品4の数量が表示される。
【0024】
次に、ハンディターミナル16のバーコードリーダ17よりピッキングされた物品4のバーコード読み取りデータを入力すると(ステップ−8)、ピッキングする物品4のデータと一致しているかを確認し(ステップ−9)、一致しないとき、数量表示器18へ「Err」の表示データを出力し、「Err」を表示させ(ステップ−10)、ステップ−8へ戻る。一致しているときピッキングする物品4の数量(ピック数)から減算し(ステップ−11)、数量が0(ゼロ)になったかどうかを確認し(ステップ−12)、0となると、リモコン送信器19へ出力しているピッキング表示器2の表示情報を消去し(ステップ−13)、数量表示器18へ出力している表示データ(ピック数)を消去する(ステップ−14)。
【0025】
これによりピッキングを行う区画収納空間6のピッキング表示器2の表示ランプ12が消灯し、ハンディターミナル16の数量表示器18の表示が消去される。
数量が0(ゼロ)ではないとき、ステップ−8へ戻り、次の物品4のバーコードデータの入力を確認する。
【0026】
次に、「ピッキングする区画収納空間6および物品4のデータとピック数」の中に次のデータが存在するかを確認し(ステップ−15)、確認すると次のデータを取り出し(ステップ−16)、ステップ−6へ戻り、次のデータの区画収納空間6のデータによるピッキング表示器2の表示情報をリモコン送信器19へ出力し、数量表示器18へピック数からなる表示データを出力する。
【0027】
次のデータがないとき、すなわちこの仕分けエリアSにおけるこの集品容器20へ投入する物品4がなくなったとき、数量表示器18へ「End」の表示データを出力し、「End」を表示させ(ステップ−17)、終了する。
【0028】
上記構成による各仕分けエリアSのピッキング作業について説明する。なお、上流の仕分けエリアSより、この仕分けエリアSへ集品容器20が移動してきたものとする。
【0029】
まず、作業員Hは、集品容器20のバーコードラベル23のバーコードをハンディターミナル16のバーコードリーダ17により読み込ませる。
コントローラ31(ピック制御部32)は、このバーコードリーダ17より集品容器20のバーコード読み取りデータを入力すると、この集品容器20のピッキングデータを求め、最初にピッキングを行う物品4が収納される区画収納空間6のピッキング表示器2の表示ランプ12を点灯させ、ピック数をハンディターミナル16の数量表示器18へ表示させる。
【0030】
作業員Hは、ピッキング表示器2の表示ランプ12が点灯した区画収納空間6から数量表示器18に表示されたピック数の物品4をピッキングして仮置き台22に並べて、各物品4のバーコードラベル14のバーコードをハンディターミナル16のバーコードリーダ17により順に読み込ませる。
【0031】
コントローラ31は、入力した物品4のバーコードによりピッキングされる物品4のバーコードかを確認し(正しい物品4がピッキングされたかを確認し)、正しい物品4がピッキングされていないとき、数量表示器18に「Err」を表示させる。これにより作業員Hは物品4を元の区画収納空間6へ返却し、正しい物品4を取り出し、再度物品4をピッキングしてバーコードラベル14のバーコードをハンディターミナル16のバーコードリーダ17により読み込ませる。
【0032】
コントローラ31は、入力した物品4のバーコードによりピッキングされる物品4のバーコードかを確認し、ピック数の一致を確認すると、この区画収納空間6をピッキング終了と判断し、この区画収納空間6のピッキング表示器2の表示を消灯し、数量表示器18に表示されたピック数を消去する。
【0033】
作業員Hは、ピッキング表示器2の表示ランプ12が消えたことで、正しく物品4をピッキングしたことを確認し、ピッキングした物品4を集品容器20へ投入する。もしピック数が不足すると、ピッキング表示器2の表示ランプ12が消えないので、物品4を確認して不足の物品4をピッキングしてバーコードラベル14のバーコードをハンディターミナル16のバーコードリーダ17により読み込ませる。
【0034】
続いてコントローラ31は、次にピッキングを行う物品4が収納されるピッキング表示器2の表示ランプ12を点灯させ、ピック数をハンディターミナル16の数量表示器18へ表示させ、同様に作業員Hによるピッキング作業が実行される。
【0035】
コントローラ31はこの仕分けエリアSにおける集品容器20へのピッキング作業が終了すると、数量表示器18に「End」を表示させる。
作業員Hは、数量表示器18に「End」が表示されたことで、この仕分けエリアSにおけるピッキング作業が終了したことを確認し、集品容器20を押して下流への仕分けエリアSへ移動させる。
【0036】
次に、仕分けエリアSを変更するときの作業について説明する。
仕分けエリアS内において、1つの物品4のピッキング量が増加し、格納する区画収納空間6を増加させるとき、たとえば1つの区画収納空間6から2つの区画収納空間6に増加させるときには、1つのピッキング表示器2を取り外し、2つの区画収納空間6の中間位置へ他方のピッキング表示器2を移動させる。また物品4のピッキング量が減少し、格納する区画収納空間6を減少させるとき、たとえば2つの区画収納空間6に格納されていた物品4を一つの区画収納空間6だけに格納するように区画収納空間6を縮小するときは、中間の1つのピッキング表示器2を一方の区画収納空間6へ移動させ、他方の区画収納空間6には新たにピッキング表示器2を取り付ける。このようなピッキング表示器2の取り付け取り外しは、マグネット式としていることにより極めて簡単に行える。
【0037】
このような区画収納空間6とピッキング表示器2と格納される物品4の変更に伴い、コントローラ31に設定される、「ピッキング棚1の区画収納空間6の配置のデータ」、「各区画収納空間6に格納された物品4のデータ」、「各区画収納空間6に取り付けられたピッキング表示器2のデータ」を変更する。またリモコン送信器19に設定されている、送信先のピッキング表示器2の番号を変更し、仕分けエリアS内の配置の変更に基づき表示情報が伝送されるピッキング表示器2を変更する。これらの設定変更はコントローラ31のプログラムを変更することなく簡単に行える。
【0038】
また区画収納空間6を異なる仕分けエリアSに属するように、仕分けエリアSを拡張あるいは縮小するとき、コントローラ31に設定される、「ピッキング棚1の区画収納空間6の配置のデータ」、「仕分けエリアSの設定のデータ」を変更する。またリモコン送信器19に設定されている、送信先のピッキング表示器2の番号を変更し、仕分けエリアSの変更に基づき表示情報が伝送されるピッキング表示器2を変更する。これら設定変更はコントローラ31のプログラムを変更することなく簡単に行える。
【0039】
以上のように本実施の形態によれば、ピッキング表示器2を区画収納空間6に取り付け自在とし、このピッキング表示器2の表示情報の伝送をリモコン送信器19によりコードレスで行うことにより、物品4の変化や物品4のピッキング量の変動に伴ってピッキング表示器2を取り付ける位置を簡単に変更でき、ピッキング棚1全体の配置(レイアウト)を簡単に変更することができる。
【0040】
またピッキング表示器2への給電は太陽電池13が使用され、また太陽電池13より充電式電池へ充電しておくことにより、光が弱くなり太陽電池13より給電することが難しくなった場合でも充電式電池よりピッキング表示器2を駆動することができる。なお、上記給電を、太陽電池13のみ、あるいは充電式電池のみとした場合にでも、上記「ピッキング量の変動に基づいてピッキング表示器2を取り付ける位置を簡単に変更でき、ピッキング棚1全体の配置(レイアウト)を簡単に変更することができる」という優れた効果を期待することができる。
【0041】
また仕分けエリアSにおいて、ハンディターミナル16のバーコードリーダ17によりピッキングされた物品4のバーコードが読み取られて集品容器20へ投入されることによって、投入された物品4が正しくピッキングされたかが確認されることにより、すなわち物品4の検品が行われることにより、検品の精度を大幅に向上させることができ、さらに下流で検品作業を実行する手間を無くすことができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、リモコン送信器19は、赤外線を使用してピッキング表示器2へ表示情報を送信しているが、赤外線に限ることはなく、可視光線などの他の光や電波を使用して表示情報を送信するようにしてもよい。
【0043】
また本実施の形態では、ピッキング表示器2においてピッキング作業の有無を表示し、ハンディターミナル16に設けた数量表示器18によりピッキング数量を表示しているが、ピッキング表示器2にピッキング数量を表示するようにすることもできる。このとき、数量表示器18は不要となり、またリモコン表示給電19より各ピッキング表示器2へピッキング数量のデータが送信される。
【0044】
また本実施の形態では、ピッキング表示器2への給電を、太陽電池13と充電式電池を併用して行っているが、常に充電式電池のみから行うようにしてもよい。また通常の乾電池(単三電池など)を、太陽電池13または充電式電池と併用するようにしてもよい。
【0045】
また本実施の形態では、ピッキング表示器2をマグネットにより区画収納空間6へ取り付け自在としているが、マグネットに限ることなく、接着テープや接着材料などを使用して取り付け自在とすることもできる。
【0046】
また本実施の形態では、ピッキングされた物品4の全てのラベル14のバーコードを読み込ませているが、区画収納空間6よりピッキングした1個(代表)の物品4のラベル14のバーコードを読み取らせるだけで、この区画収納空間6のピッキング終了と見なすこともできる。また検品できたと見なすこともできる。
【0047】
また本実施の形態では、識別符号としてバーコードを使用しているが、バーコードに限ることはなく、物品を特定する識別できる符号であればよく、たとえば数字、アルファベット、あるいはこれらの組合せ、シンボル、マーク、ICチップなども使用することができる。このとき、バーコードリーダに代えて、識別符号の読み取り手段として、たとえばCCDカメラおよびこのカメラにより撮影された画像から識別符号を識別する識別装置などを使用する。
【0048】
また本実施の形態では、各仕分けエリアSにハンディターミナル16を設けているが、仮置き台22に、物品4のバーコードラベル14のバーコードを読み取る固定式バーコードリーダ(識別符号読み取り手段の一例)を設け、ピッキングした物品4を確認する装置としてこの固定式バーコードリーダ32を使用するようにしてもよい。このとき、集品容器20のバーコードラベル23を読み取るバーコードリーダをピッキングコンベヤ21に沿って設け、集品容器20のバーコードを読み取るようにする。またハンディターミナル16をコードレスとしているが、有線とすることもできる。
【0049】
また本実施の形態では、集品容器20を下流へ移動する手段としてフリーローラコンベヤを使用しているが、台車などを含むフリー状態のものを使用してもよい。またフリーローラコンベヤに代えて駆動ローラコンベヤを設置し、さらに各仕分けエリアSの下流端毎に集品容器20のストッパを設置し、ストッパを上げることで集品容器20を仕分けエリアS内に滞留させ、下げることで集品容器20を下流へ搬送させるようにしてもよい。ストッパを下げる信号は、仕分けエリアSにおいて集品容器20へ投入する物品4がなくなり上記「End」を表示させる信号を使用すればよい。
【0050】
また本実施の形態では、集品ラインBに対向してストレージラインAを配置しているが、集品ラインBを挟んで両側にそれぞれストレージラインAを配置して、集品容器20に対して両側のピッキング棚1から物品4をピッキングして投入するようにしてもよい。
【0051】
また本実施の形態では、仮置き台22をピッキングコンベヤ21の前方に配置しているが、この位置に限ることはなく、ピッキング棚1の前方などに配置することも可能である。
【0052】
また本実施の形態では、ピッキング棚1として流動棚を使用しているが、容器5が移動しない一般棚を使用するようにすることもできる。
また本実施の形態では、集品容器20としてコンテナを使用しているが、バケットやケースやダンボール箱など、あるいは蓋付きのもの(封函可能なもの)を使用するようにしてもよい。
【0053】
また本実施の形態において、ピッキングされた物品4に値段ラベルを貼ることができるような構成とすることもできる。このとき、各仕分けエリアS毎に、ラベルプリンタを設け、値段ラベルを発行してそのラベルを作業員が物品4に貼りつけてようにする。またラベルプリンタを、値段ラベルを直接、物品4へ貼りつける自動貼付タイプとすることもできる。またハンディターミナル16に、ラベルプリンタのラベル発行機能を付加し、ハンディターミナル16によりラベルを発行させるようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ピッキング表示手段を区画収納空間に取り付け自在とし、さらに各ピッキング表示手段への表示情報の伝送をコードレスとし、前記各区画収納空間と前記ピッキング表示手段の固有の番号との設定を変更することにより、ピッキング表示手段の取り付け位置の変更を伴う区画収納空間の増加あるいは減少を簡単に行うことができ、ピッキング棚全体の配置(レイアウト)を簡単に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の要部配置図である。
【図2】同ピッキング設備の要部模式図である。
【図3】同ピッキング設備のピッキング棚の正面図である。
【図4】同ピッキング設備のピッキング表示器の正面図である。
【図5】同ピッキング設備のハンディターミナルの正面図である。
【図6】同ピッキング設備のコントローラのブロック図である。
【図7】同ピッキング設備のコントローラのピック制御部の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ピッキング棚
2 ピッキング表示器
4 物品
5 容器
6 区画収納空間
12 表示ランプ
13 太陽電池
14,23 バーコードラベル
16 ハンディターミナル
17 バーコードリーダ
18 数量表示器
19 リモコン送信器
20 集品容器
21 ピッキングコンベヤ
22 仮置き台
31 コントローラ
A ストレージライン
B 集品ライン
H 作業員
Claims (4)
- 物品を収納した複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎に、ピッキングする物品の情報を表示するピッキング表示手段を設けたピッキング棚を備え、
前記ピッキング棚に沿ったライン上を移動する仕分け先別の集品容器に、前記ピッキング棚の各区画収納空間から前記ピッキング表示手段にしたがってピッキングされた物品の集品を行うピッキング設備であって、
前記各ピッキング表示手段に、固有の番号を予め設定し、各ピッキング表示手段を、前記区画収納空間に取り付け自在に構成し、
前記各区画収納空間毎に、区画収納空間に設けた前記ピッキング表示手段に固有の番号を設定することにより、前記各ピッキング表示手段へ表示する、前記ピッキングする物品の情報を求め、この表示情報の伝送をコードレスにより行い、前記各区画収納空間と前記ピッキング表示手段の固有の番号との設定を変更することにより、1つの物品が格納される前記区画収納空間の増加あるいは減少に対応する構成としたこと
を特徴とするピッキング設備。 - ピッキング棚の区画収納空間はラインに沿って複数の仕分けエリアが変更自在に設定され、
前記各仕分けエリア毎に、それぞれの仕分けエリアの各ピッキング表示手段への表示情報を伝送する伝送手段を設け、
前記ピッキング棚の前記区画収納空間の配置のデータと前記仕分けエリアの設定のデータを変更し、前記伝送手段に設定されている伝送先のピッキング表示手段の固有の番号を変更することにより、前記仕分けエリアの拡張あるいは縮小に対応する構成としたこと
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。 - 前記集品容器にはそれぞれ前記集品容器を識別する識別符号が付され、前記各仕分けエリア毎に、ライン上を移動してくる前記集品容器より前記集品容器の識別符号を読み取る符号読み取り手段が設けられ、
前記各仕分け先に対応する、集品容器の識別符号のデータと複数のピッキングする物品のデータおよびピック数からなる出荷情報に基づいて、前記設定された各仕分けエリア毎で前記仕分け先毎に、集品容器の識別符号のデータおよびピッキングする区画収納空間と前記物品のデータとピック数からなるピッキングデータを形成し、各仕分けエリア毎に前記符号読み取り手段により読み取られた集品容器の識別符号と前記ピッキングデータにより、ピッキングする区画収納空間と前記物品のデータとピック数からなる前記各ピッキング表示手段へのピッキングする物品の表示情報を形成し、この表示情報の伝送をコードレスにより行う構成としたこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。 - ピッキング表示手段は太陽電池または充電式電池またはこれらの組合せより給電されること
を特徴とする請求項1〜請求項3に記載のピッキング設備。
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