JP4026085B2 - 面発光型半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は光通信あるいは光情報処理分野で用いられる半導体レーザ装置及びその製造方法に関し、特に半導体基板に対して垂直方向にレーザ光が出射される面発光型レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光スイッチング素子あるいは光コンピュータ装置の光源として、2次元集積化の容易な面発光型レーザ装置が注目されている。その一例としてエレクトロニクス・レターズ,第25巻,1989年,1123ページ乃至1125ページに紹介されている垂直共振器型面発光レーザ装置がある。このレーザ装置では、図16に示すように、n型GaAs基板101上に、n型のGaAs層とAlAs層とを交互に約20周期積層してなる半導体多層反射膜102と、In0.2Ga0.8As層からなる量子井戸活性層104と、p型のGaAs層とAlAs層とを交互に約20周期積層してなる半導体多層反射膜106とを順次積層し、つづいて金AuおよびニッケルNiを蒸着した後、フォトリソグラフィ技術によってNiを円形にパターニングして残し、さらにこのNiをマスクとしてドライエッチングによりAu層113、p型半導体多層反射膜106、量子井戸活性層104、n型半導体多層反射膜102を選択的に除去し、最後にn型GaAs基板101の裏面にn側電極114を形成する。このレーザ装置では、円形にパターニングされた素子の直径を1−5μmとマイクロサイズに加工することで、発振しきい値電流約1mAを達成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようなマイクロサイズの面発光型レーザ装置で期待されるしきい値電流は、理論的には数十μAであるはずであり、1mAという値をとるということは非発光再結合によると思われる相当量の電流損失を生じていると考えられる。これは、量子井戸活性層の側面が大気中に露出した形となっていること、ドライエッチングにより損傷を受けた層がそのままの形でむき出しになっていることから、表面での非発光再結合および損傷を受けた層での非発光再結合が引き起こされているのである。
【0004】
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、表面での非発光再結合および損傷を受けた領域での非発光再結合による電流損失を低減し、しきい値電流の低い面発光型半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の面発光型半導体レーザ装置では、量子井戸活性層はエッチングすることなくそのまま残し、少なくとも第2のクラッド層上の第2の半導体多層反射膜および第2のコンタクト層とをパターニングするようにしている。
【0006】
すなわち、本発明では、半導体基板上に、第1の半導体多層反射膜と、第1のクラッド層と、少なくともひとつの量子井戸構造をもつ量子井戸活性層と、第2のクラッド層と、第2の半導体多層反射膜と、コンタクト層とが順次積層されてなる面発光型の半導体レーザ装置において、前記第2のクラッド層が少なくとも1層のGaInPを含むAlGaInP系材料で構成されると共に、前記第2の半導体多層反射膜がAlGaAs系材料で構成され、前記量子井戸活性層はそのまま残留させ、前記第2のクラッド層上の前記第2の半導体多層反射膜および前記コンタクト層を前記GaInP層をエッチングストッパとして選択的に除去し、前記第2の半導体多層反射膜の周期数を前記第1の半導体多層反射膜の周期数よりも多くし、前記半導体基板の裏面から光を取り出すことを特徴とする。
【0007】
また、本発明では、半導体基板上に、第1の半導体多層反射膜と、第1のクラッド層と、少なくともひとつの量子井戸構造をもつ量子井戸活性層と、第2のクラッド層と、第2の半導体多層反射膜と、コンタクト層とが順次積層されてなる面発光型の半導体レーザ装置において、前記第2のクラッド層がGaInPとAlGaInPの組み合わせからなる超格子で構成されると共に、前記第2の半導体多層反射膜がAlGaAs系材料で構成され、前記量子井戸活性層はそのまま残留させ、前記第2のクラッド層上の前記第2の半導体多層反射膜および前記コンタクト層を該第2のクラッド層のGaInPをエッチングストッパとして選択的に除去し、前記第2の半導体多層反射膜の周期数を前記第1の半導体多層反射膜の周期数よりも多くして、前記半導体基板の裏面から光を取り出すことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の面発光型半導体レーザ装置の製造方法では、半導体基板上に、第1の半導体多層反射膜と、第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層と少なくともひとつの量子井戸構造をもつ量子井戸活性層と、第2のクラッド層と、第2の半導体多層反射膜と、コンタクト層とを順次積層する工程と、前記第2のクラッド層に対してエッチング選択性をもつ条件で該第2のクラッド層をエッチングストッパとして第2の半導体多層反射膜および前記コンタクト層をパターニングするエッチング工程とを含み、前記第2の半導体多層反射膜は、AlGaAs系材料で構成され、前記第2のクラッド層は、少なくとも1層のGaInPを含むAlGaInP系材料、およびGaInPとAlGaInPの組み合わせからなる超格子のうちのいずれかで構成され、前記第2の半導体多層反射膜の周期数を前記第1の半導体多層反射膜の周期数よりも多くして、前記半導体基板の裏面から光を取り出すようにしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明によれば、量子井戸活性層はパターニングされることなく、上部半導体多層反射膜のみがパターニングされるため、量子井戸活性層側面が露出することのない構造を容易に得ることが可能である。したがって表面非発光再結合およびドライエッチングによる損傷による非発光再結合を生じないから、これに起因する無効電流の発生が抑制されて、電流損失が低減され、発振しきい値電流の低い面発光型半導体レーザ装置を得ることができる。
【0012】
また、第2のクラッド層を少なくとも1層のGaInPを含むAlGaInP系材料で構成すると共に、第2の半導体多層反射膜をAlGaAs系材料若しくはInGaAsP系材料で構成し、または、第2のクラッド層をAlGaInP系材料若しくはまたはZnSSe系材料で構成すると共に、第2の半導体多層反射膜をInGaAsP系材料で構成し、または、第2のクラッド層をAlGaInP系材料若しくはZnSSe系材料で構成すると共に、第2の半導体多層反射膜をInGaAsP系材料で構成することにより、上方に位置する第2の半導体多層反射膜をパターニングする際、クラッド層に対して半導体多層反射膜のエッチング選択性の高い条件を容易に選択することができるから、エッチング深さの制御が容易でかつ精度が高く、簡便で再現性が良く、歩留まりの高い製造工程を実現できる。
【0013】
さらに、AlGaInP系材料若しくはZnSSe系材料は、量子井戸活性層を構成するAlGaAs系材料あるいはInGaAs系材料に比べエネルギーバンドギャップが格段に大きいため、量子井戸活性層へのキャリアの閉じ込めが強く、高効率・高特性温度のレーザ発振を得ることができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1(a)および(b)は本発明の第1の実施例の面発光型半導体レーザ装置の上面図およびそのA−A’断面図である。
【0016】
この面発光型半導体レーザ装置は、n型ガリウムヒ素(GaAs)基板1上に形成されたn型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜2と、前記n型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜2上に形成されたn型GaInP下部クラッド層3と、このn型GaInP下部クラッド層3上に形成された、InGaAs量子井戸層とGaAs光閉じ込め層とからなる量子井戸活性層4と、p型GaInP上部クラッド層5と、p型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6と、p型GaAsコンタクト層7が順次積層せしめられ、p型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6とp型GaAsコンタクト層7のみが発光領域の上方を除いてエッチング除去されている。このエッチング除去された領域は酸化シリコン膜からなる表面保護膜12によって被覆保護されている。そして表面にはCr/Auからなるp側電極13が形成されるとともに、基板裏面にはAu−Ge/Auからなるn側電極14が形成されている。
【0017】
ここでn型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜2は、n型GaAs層とn型AlAs層とをそれぞれ膜厚λ/(4nr)(λ:発振波長,nr:屈折率)で約20周期積層することによって形成されている。また、p型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6についても、まったく同様に約25周期積層して形成される。周期については光の取り出し方向を基板表面側、裏面側のいずれかに取るかで決定され、周期が増えるにつれて反射率は高くなるから、例えば基板裏面から光を取り出すならp型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6の周期数をn型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜2のそれよりも多くするようにすれば良い。
【0018】
次に、この面発光型半導体レーザ装置の製造工程について説明する。
【0019】
まず、図2に示すように、有機金属気相成長(MOCVD)法により、n型ガリウムヒ素(GaAs)基板1上に、膜厚約3μm(GaAs:67nm,AlAs:80.2nm;20周期)のn型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜2と、膜厚30〜500nmのn型GaInP下部クラッド層3と、InGaAs量子井戸層とGaAs光閉じ込め層からなる量子井戸活性層4と、膜厚30〜500nmのp型GaInP上部クラッド層5と、膜厚約3.7μmのp型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6と、膜厚3〜100nmのp型GaAsコンタクト層7を順次積層する。この上層に酸化シリコン膜からなる絶縁膜8を形成し、フォトリソグラフィにより直径数μmから数十μmの円形あるいは多角形のレジストマスク9を形成する。
【0020】
この後、図3に示すように、このレジストマスク9をマスクとしてエッチングを行い、絶縁膜8からなるマスクを形成する。
【0021】
そしてさらに、図4に示すように、このレジストマスク9および絶縁膜8をマスクとして、硫酸過酸化水素溶液を用いて、露呈するp型GaAsコンタクト層7およびp型上部半導体多層反射膜6をエッチングして、半導体柱10を形成する。このとき、下地のp型GaInPクラッド層5の表面でエッチングがストップするので、エッチング深さのばらつきはない。
【0022】
つづいてレジストマスク9を除去し、図5に示すように基板表面全体に酸化シリコン膜12を形成する。ここで図6に示すように凹部を埋めるようにレジスト11を塗布し、CF4 プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、半導体柱10頂部の酸化シリコン膜12および絶縁膜8のみを選択的に除去し、図7に示すようにp型GaAsコンタクト層7を露呈せしめる。
【0023】
最後に、図8に示すように基板表面にCr/Auからなるp側電極13を形成するとともに、基板裏面にAu−Ge/Auからなるn側電極14を形成した後、フォトリソグラフィにより、基板裏面にレーザ光取り出しのための窓を開けて、図1に示す面発光型半導体レーザ装置が完成する。
【0024】
このようにして形成された半導体レーザによれば、電流狭窄のためにエッチング除去されているのは、上部クラッド層より上に積層された層のみであるから、量子井戸活性層が大気中に露出されることなく、良好に維持される。また上部クラッド層を構成する材料として用いられているGaInPは酸化されにくい材料であり、エッチング後大気中に露出されても劣化することはない。また、このGaInPのエネルギーバンドギャップは量子井戸活性層を構成するInGaAsに比べてはるかに大きく、量子井戸活性層へのキャリアの閉じ込めは極めて良好である(Eg/Ga0.5In0.5P=1.87eV, Eg/In0.2Ga0.8As=1.27eV)。
【0025】
なお、前記実施例では各半導体層は有機金属気相成長法で形成したが、これに限定されることなく分子線エピタキシー(MBE)法などによっても良い。
【0026】
また、前記実施例では表面保護膜12として酸化シリコン膜を用いたが、窒化シリコン膜など他の絶縁膜でも良い。また、半導体柱10形成のためのマスクとして用いる絶縁膜についても、酸化シリコン膜に限定されることなく窒化シリコン膜など他の材料を用いても良い。
【0027】
さらにまた、前記実施例では半導体柱形成のためのエッチングに硫酸過酸化水素溶液を用いたがAlGaAs系材料とAlGaInP系材料との間でエッチング選択比が大きくとれるものであればよく、水酸化アンモニウム過酸化水素溶液を用いてもよい。さらにドライエッチングを用いても同様な効果を得ることができる。
【0028】
ウエットエッチングの場合、上層と下層でエッチング液にさらされる時間が異なることから、半導体柱の底部に向かうにつれて面積が広がるいわゆるテーパ形状が形成され、直径の小さな半導体柱が作りにくいという問題がある。これに対し、ドライエッチングの場合、反応性イオンビームエッチング(RIBE)法や反応性イオンエッチング(RIE)法を用いれば、半導体柱の側壁が、垂直あるいはアンダーカット形状をとるようにすることもでき、直径の小さな半導体柱も容易に形成することができる。このときのエッチングガスとしては 、Cl2、BCl3、SiCl4あるいはArとCl2の混合ガス等が用いられる。
【0029】
このようにして作製された面発光型半導体レーザ装置の動作は、以下に示すごとくである。
ここで、p型GaAsコンタクト層7およびp型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6は発光領域の上方を除いてエッチング除去されているため、p側電極から注入されたキャリアの通路はこの半導体柱10内部に限定されている。一方、p型GaInP上部クラッド層5はエッチングされずに残っているが、この層を構成している材料であるGaInPは膜厚が非常に薄いからキャリアの広がりは極めて小さく、キャリアはそのままInGaAs量子井戸層とGaAs光閉じ込め層からなる量子井戸活性層4に注入される。量子井戸層に注入されたキャリアは電子−正孔再結合により光を放出し、この光は上部と下部の半導体多層反射膜によって反射され、利得が損失を上回ったところでレーザ発振を生ずる。レーザ光は基板裏面に設けられた電極の窓部から出射される。
【0030】
次に本発明の第2の実施例の面発光型半導体レーザ装置およびその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
【0031】
前記第1の実施例では、p型GaAsコンタクト層7およびp型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6のエッチング後、p型GaInP上部クラッド層5をそのまま表面保護膜12で被覆したのに対し、この実施例では、図9乃至図15に示すように、表面保護膜12の形成前にp型GaInP上部クラッド層5の上からイオン注入15を行い、量子井戸活性層4の発光領域を除く領域を高抵抗領域16にしたことを特徴とする。これによりp型GaInP上部クラッド層5と量子井戸活性層4におけるキャリアの広がりを抑え、さらに低しきい値電流、高効率のレーザ発振を得ようとするものである。
【0032】
前記第1の実施例の方法における図2乃至図4に示したp型GaAsコンタクト層7およびp型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜6をエッチングして半導体柱10を形成する工程までは、前記第1の実施例とまったく同様にして形成し、この後レジストマスク9をそのままにして、図9に示すようにイオンを量子井戸活性層4を貫通する深さまで注入し、図10に示すようにイオン注入領域16を得る。
【0033】
続いてレジストマスク9を除去し、図11に示すように基板表面全体に酸化シリコン膜12を形成する。この後、前記第1の実施例と同様に、図12に示すように凹部にレジスト11を塗布し、 CF4プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより前記半導体柱10頂部の酸化シリコン膜12および絶縁膜8を選択的に除去し、図13に示すようにp型GaAsコンタクト層7を露呈せしめる。
【0034】
つづいて図14に示すようにレジスト11を除去し、この基板をヒ素あるいはヒ素とリンの混合雰囲気中で400゜C、15分間の熱処理を行うことにより、イオン注入による量子井戸活性層4側面の損傷が緩和され、量子井戸活性層4を含む高抵抗領域16が形成される。
【0035】
最後に図15に示すように基板表面にCr/Auからなるp側電極13を形成するとともに、基板裏面にAu−Ge/Auからなるn側電極14を形成した後、フォトリソグラフィにより、基板裏面にレーザ光取り出しのための窓を開けて本発明の面発光型半導体レーザ装置が完成する。
【0036】
このようにして作製された面発光型半導体レーザ装置によれば、前記第1の実施例に比べてさらに低しきい値電流とすることが可能である。
【0037】
前記実施例では、注入するイオンは例えばプロトンを用いるが、プロトンに限らず窒素イオンや酸素イオン等、半導体層を高抵抗化することのできるイオン種であれば良い。
【0038】
さらに前記実施例では、半導体柱を形成する際のエッチングマスクとして酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜を用いているが、イオン注入後の熱処理に対して安定な材料であればよく、窒化タングステン等を用いること可能である。
【0039】
さらにまた、前記2つの実施例では量子井戸活性層がInGaAs系の場合を説明したが、これに限らずAlGaAs系やInGaAsP系など、様々な材料を用いることもできる。
【0040】
さらにまた、前記2つの実施例では上部クラッド層がAlGaInP系である場合を説明したが、これに限らずZnSSe系やZnMgSSe系など、様々な材料を用いることもできる。
【0041】
さらにまた、前記2つの実施例では上部クラッド層がGaInP単層である場合を説明したが、これに限らず、GaInPとAlGaInP若しくは、ZnSeとZnSSeの組みあわせからなる超格子層により構成しても同様な効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、量子井戸活性層を大気中に露出させることがないから、非発光再結合による無効電流の発生が抑制され、発振しきい値電流を低減することができる。また、電流狭窄のため上部半導体多層反射膜を除去する際、上部クラッド層との間で選択性のあるエッチングを行うため、エッチング深さの制御が容易でかつ精度が高く、簡便で再現性の良い、歩留まりの高い面発光型半導体レーザ装置の製造工程を実現できる。
【0043】
さらに、上部クラッド層を構成するAlGaInP系材料若しくはZnSSe系材料のエネルギーバンドギャップは、量子井戸活性層を構成するInGaAs系材料あるいはAlGaAs系材料に比べてはるかに大きいから、量子井戸活性層へのキャリアの閉じ込めは良好で、高効率・高特性温度のレーザ発振が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の面発光型半導体レーザ装置を示す図
【図2】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図3】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図4】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図5】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図6】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図7】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図8】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図9】本発明の第2の実施例の面発光型半導体レーザ装置の製造工程図
【図10】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図11】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図12】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図13】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図14】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図15】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図16】従来例の半導体レーザ装置を示す図
【符号の説明】
1 n型ガリウムひ素(GaAs)基板
2 n型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜
3 n型GaInP下部クラッド層
4 量子井戸活性層
5 p型GaInP上部クラッド層
6 p型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜
7 p型GaAsコンタクト層
8 絶縁膜(マスク)
9 フォトレジスト(マスク)
10 半導体柱
11 フォトレジスト(マスク)
12 表面保護膜
13 p側電極
14 n側電極
15 イオン注入のためのイオンビーム
16 高抵抗領域
101 n型GaAs基板
102 n型GaAs/AlAs下部半導体多層反射膜
104 量子井戸活性層
106 p型GaAs/AlAs上部半導体多層反射膜
113 p側電極
114 n側電極
Claims (3)
- 半導体基板上に、第1の半導体多層反射膜と、第1のクラッド層と、少なくともひとつの量子井戸構造をもつ量子井戸活性層と、第2のクラッド層と、第2の半導体多層反射膜と、コンタクト層とが順次積層されてなる面発光型の半導体レーザ装置において、
前記第2のクラッド層が少なくとも1層のGaInPを含むAlGaInP系材料で構成されると共に、前記第2の半導体多層反射膜がAlGaAs系材料で構成され、
前記量子井戸活性層はそのまま残留させ、前記第2のクラッド層上の前記第2の半導体多層反射膜および前記コンタクト層を前記GaInP層をエッチングストッパとして選択的に除去し、
前記第2の半導体多層反射膜の周期数を前記第1の半導体多層反射膜の周期数よりも多くし、
前記半導体基板の裏面から光を取り出す
ことを特徴とする面発光型半導体レーザ装置。 - 半導体基板上に、第1の半導体多層反射膜と、第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層と少なくともひとつの量子井戸構造をもつ量子井戸活性層と、第2のクラッド層と、第2の半導体多層反射膜と、コンタクト層とを順次積層する工程と、
前記第2のクラッド層に対してエッチング選択性をもつ条件で該第2のクラッド層をエッチングストッパとして第2の半導体多層反射膜および前記コンタクト層をパターニングするエッチング工程とを含み、
前記第2の半導体多層反射膜は、AlGaAs系材料で構成され、
前記第2のクラッド層は、少なくとも1層のGaInPを含むAlGaInP系材料、およびGaInPとAlGaInPの組み合わせからなる超格子のうちのいずれかで構成され、
前記第2の半導体多層反射膜の周期数を前記第1の半導体多層反射膜の周期数よりも多くして、前記半導体基板の裏面から光を取り出すようにした
ことを特徴とする面発光型半導体レーザ装置の製造方法。 - 半導体基板上に、第1の半導体多層反射膜と、第1のクラッド層と、少なくともひとつの量子井戸構造をもつ量子井戸活性層と、第2のクラッド層と、第2の半導体多層反射膜と、コンタクト層とが順次積層されてなる面発光型の半導体レーザ装置において、
前記第2のクラッド層がGaInPとAlGaInPの組み合わせからなる超格子で構成されると共に、前記第2の半導体多層反射膜がAlGaAs系材料で構成され、
前記量子井戸活性層はそのまま残留させ、前記第2のクラッド層上の前記第2の半導体多層反射膜および前記コンタクト層を該第2のクラッド層のGaInPをエッチングストッパとして選択的に除去し、
前記第2の半導体多層反射膜の周期数を前記第1の半導体多層反射膜の周期数よりも多くして、前記半導体基板の裏面から光を取り出す
ことを特徴とする面発光型半導体レーザ装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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