JP4026062B2 - 調理器用トッププレート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理器用トッププレート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭用や業務用の調理器として、従来のガスコンロだけでなく、ラジエントヒーターやハロゲンヒーターを用いた赤外線加熱調理器、電磁加熱(IH)調理器が用いられるようになってきた。
【0003】
これらの調理器に使用されるトッププレートには、有色で、可視光をほとんど通さない有色低膨張結晶化ガラス(例えば、日本電気硝子社製のGC−190やショット製のセラン)や、無色で、可視光をよく通す低膨張結晶化ガラス(日本電気硝子社製のN−0)からなる基板が使用される。
【0004】
近年、赤外線加熱調理器や電磁加熱調理器は、温度や火力が一目でわかるように、液晶や発光ダイオードからなるインジケータをトッププレートの裏面に設け、トッププレートの表面から、それらのインジケータが見えるように、無色で、可視光をよく通す低膨張結晶化ガラスからなる基板を使用することが増えている。この場合には、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽できるように、基板に遮光層を設ける必要がある。
【0005】
このような遮光層として、貴金属と卑金属からなり、光沢を有するラスター膜等を採用した調理器用トッププレートが開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。このラスター膜は、膜厚が薄くても、遮光性に優れ、膜厚が1μm以下と薄いため、基板とラスター膜の熱膨張係数に大きな差が生じても、ラスター膜が剥がれることなく、耐熱衝撃強度や機械的強度が低下しない。
【0006】
また、これらの調理器用トッププレートには、通常、使用の際の注意文や警告文、温度や火力を表示するインジケータの説明文等の文字や、図形を構成する印刷層が、トッププレートの表面(使用面)に形成されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−17409号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光沢を有する遮光層を裏面に形成した透光性低膨張結晶化ガラスからなる調理器用トッププレートの表面(使用面)に、文字及び/又は図形を形成すると、使用面から見た際に、文字及び/又は図形が、それらの遮光層での反射像により二重写りして見にくくなるという問題がある。また、陶器のような硬い材料の調理器具を使用すると、これがトッププレートの表面に形成された印刷層と接触して、印刷層が削れ、文字が読めなくなったり、図形が判別できなくなったりするという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、上記問題に鑑みなされたものであり、文字及び/又は図形が、二重写りすることがなく、陶器のような硬い材料の調理器具を使用しても、印刷層が削れることがない調理器用トッププレート及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の調理器用トッププレートは、低膨張ガラス板の非使用面に、遮光性能を有する蒸着膜が形成されてなり、蒸着膜が文字及び/又は図形の部分を抜いて形成されてなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の調理器用トッププレートの製造方法は、低膨張ガラス板の非使用面に、リフトオフ法を用いて、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜を形成することを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明の調理器用トッププレートは、低膨張ガラス板の非使用面に、遮光性能を有する蒸着膜が形成されてなり、蒸着膜が文字及び/又は図形の部分を抜いて形成されてなるため、文字及び/又は図形が二重写りすることがなく、しかも陶器のような硬い材料の調理器具を使用しても、文字及び/又は図形が削れることがない。すなわち、文字及び/又は図形がその部分を抜くことによって蒸着膜に形成されてなるため、蒸着膜での文字及び/又は図形の反射像が生成されず、また、文字及び/又は図形がトッププレートの裏面に形成されてなるため、陶器のような硬い材料の調理器具と文字及び/又は図形が直接接触することがないからである。特に、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜が、リフトオフ法によって形成されてなると、小さい文字や細線(線幅0.5mm以下)でも、文字及び/又は図形の一部が欠けたりつぶれたりすることがなく、文字及び/又は図形が鮮明になる。また、文字及び/又は図形を、蒸着膜と同時に形成でき、生産性が高くなるため好ましい。
【0013】
また、蒸着膜が抜けた文字及び/又は図形の部分に、蒸着層と色もしくは光沢の異なる異種膜が形成されてなると、文字及び/又は図形が見やすくなるため好ましい。
【0014】
また、本発明の調理器用トッププレートは、低膨張ガラスの非使用面に、低膨張ガラス板側から順に、文字及び/又は図形の部分が抜けた蒸着膜と、蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜が形成されてなると、蒸着膜が抜けた文字及び/又は図形の部分に、蒸着層と色もしくは光沢の異なる異種膜を形成しやすいため好ましい。
【0015】
また、蒸着層と色もしくは光沢の異なる異種膜は、蒸着法や印刷法のいずれの方法を用いて形成された膜であっても構わないが、スクリーン印刷法を用いて形成された印刷膜であると、インクを変えるだけで、多色の文字及び/又は図形を容易に形成できるため好ましい。また、蒸着法を用いて形成された異種蒸着膜であると、光沢を有する文字及び/又は図形を形成できるため好ましい。
【0016】
また、蒸着膜が、ラジエントヒーターやハロゲンヒーターと対向するトッププレート基板表面に、部分的に開孔を有するパターン(例えばメッシュパターン)または全体的に開孔を有するパターンで形成されてなると、調理器用トッププレートの波長1〜2.5μmにおける平均透過率が10%以上になりやすく、これらのヒーターの熱効率が高くなるため好ましい。特に、蒸着膜がラジエントヒーターやハロゲンヒーターと対向するトッププレート基板表面に、全体的に開孔を有するパターンで形成されていた場合、ラジエントヒーターやハロゲンヒーターと対向するトッププレート基板表面には、耐熱性塗料が形成されてなると、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽することができるため好ましい。また、耐熱性塗料が部分的に開孔を有するパターンで形成されてなると、熱効率が高くなるため好ましい。
【0017】
また、トッププレートの液晶表示部は、蒸着膜が抜けていると、液晶表示が見やすくなるため好ましい。また液晶表示部に相当する低膨張ガラス基板の少なくとも片面、好ましくは両面に反射防止膜が形成されてなると、照明等からの光が反射しにくく、さらに液晶表示が見やすくなるため好ましい。
【0018】
また、本発明の調理器用トッププレートは、波長0.4〜0.8μmにおける平均透過率が10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下であると、遮光の能力に優れ、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽することができる。
【0019】
また、本発明の調理器用トッププレートは、波長0.45〜0.75μmにわたって、透過率が0.25%以上、好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1%以上であると、印刷される電力量等を表示するインジケータをトッププレートの非使用面側に設けても、青色、緑色、黄色、赤色等の全ての色のインジケータの光を透過できるため好ましい。
【0020】
また、本発明の調理器用トッププレートは、波長0.4〜0.8μmにおける平均透過率が0.5%以上、好ましくは1%以上、さらに好ましくは2%以上であると、波長0.45〜0.75μmにわたって、透過率が0.25%以上、好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1%以上となりやすいため好ましい。
【0021】
本発明の調理器用トッププレートは、蒸着膜及び/又は異種蒸着膜が、スパッタ膜からなると、平滑で、より緻密な構造を有し、また、ガラス表面に強固に形成され、膜が剥がれ難くなるため好ましい。
【0022】
また、スパッタ膜が、Si、Ti、Al、Nb、W、Mo、Sn、Cr、Pt及びAuからなる群より選ばれた1種の金属、ステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた1種の合金、ステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた1種の合金の窒化物、又はTi、Nb、W、及びMoからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の金属の窒化物を含むと、遮光能力に優れるため、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽することができ、正反射率が高く、金属光沢を有する外観となるため調理器周囲にあるステンレス等の金属製の調理台や壁と良く調和する。さらに、印加された電力量等を表示するインジケータをトッププレートの非使用面側に設けても、青色、緑色、黄色、赤色等の全ての色のインジケータの色を透過できるため好ましい。
【0023】
また、蒸着膜が着色膜と酸化防止膜を含み、着色膜の上に、あるいは低膨張ガラスと着色膜との間に、酸化防止膜が形成されてなると、着色膜が酸化されにくく、熱による着色膜の変質を抑制できる。すなわち、酸化防止膜が着色膜の上(空気側)に形成されている場合は、空気中の酸素によって着色膜が酸化されるのを阻止し、また、酸化防止膜が低膨張ガラスと着色膜との間に形成されている場合は、酸化防止膜は、低膨張ガラス中の酸素によって着色膜が酸化されるのを阻止する働きを有するからである。特に、トッププレートの非使用面に酸化防止膜を形成し、その上に着色膜を形成してなると、膜材質や膜厚を調整することによって、光の干渉を利用した種々の色調を得ることができる。
【0024】
酸化防止膜が、Si、Ti、Al、Nb、W、Mo、Ta及びSnからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の金属の窒化物又は、Si、AlもしくはTiの酸化物を含むと、着色膜の酸化防止能力が高いため好ましい。
【0025】
また、着色膜や酸化防止膜が、結晶化ガラス中に含まれる成分、具体的には、Ti、SiあるいはAlの金属、それらの窒化物、もしくは酸化物からなると、ガラス材料を原料として再溶融する際、ガラスを着色させたり、ブツ等のガラス欠陥を発生させたりすることがないため好ましい。
【0026】
本発明の調理器用トッププレートにおける蒸着膜の膜構成の第1の実施形態は、低膨張ガラスの表面から順に、10〜1000nm、好ましくは15〜700nmの幾何学的厚みを有する着色膜からなる第1の層と、10〜1000nm、好ましくは15〜700nmの幾何学的厚みを有する酸化防止膜からなる第2の層を備えてなる。
【0027】
また、本発明の調理器用トッププレートにおける蒸着膜の膜構成の第2の実施形態は、低膨張ガラスの表面から順に、10〜1000nm、好ましくは20〜700nmの幾何学的厚みを有する酸化防止膜からなる第1の層と、10〜1000nm、好ましくは15〜700nmの幾何学的厚みを有する着色膜からなる第2の層と、10〜1000nm、好ましくは20〜700nmの幾何学的厚みを有する酸化防止膜からなる第3の層を備えてなる。
【0028】
上記した第1及び第2の実施形態において、特に、着色膜が、TiN、Si、Ti、AlTiN、WあるいはWNを含むと、耐熱性に優れるため好ましい。また、酸化防止膜が、SiN、AlN、SiO2、Al23、もしくはTiO2を含むと、着色膜の酸化防止効果に優れるため好ましい。
【0029】
異種蒸着膜は、蒸着膜と色もしくは光沢が異なる膜であれば、特に制限は無い。
【0030】
低膨張ガラスとしては、600℃からの急冷に耐える、いわゆる耐熱衝撃性の高い材料が使用でき、具体的には50×10-7/℃以下の熱膨張係数を有する材料が好適であり、低膨張の硼珪酸ガラス、石英ガラスあるいはβ−石英固溶体を主結晶とする低膨張結晶化ガラスが使用可能である。特に、30〜500℃における平均熱膨張係数が、−10〜+30×10-7/℃、さらに好ましくは−10〜+20×10-7/℃のガラスは、耐熱衝撃性がさらに高く、燃焼時に、低膨張ガラス板内での温度分布が大きくなってもストレスが発生しにくく割れにくいため好ましい。また、低膨張ガラスは、インジケータ、文字または図が見難くなければ、着色していても構わない。
【0031】
次に、本発明の調理器用トッププレートの製造方法について詳細に述べる。
【0032】
本発明の調理器用トッププレートの製造方法は、低膨張ガラス板の非使用面にリフトオフ法を用いて、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜を形成するため、文字及び/又は図形の一部が欠けたりつぶれたりすることがなく、文字及び/又は図形が鮮明になる。また、文字及び/又は図形を、蒸着膜と同時に形成でき、生産性が高くなる。
【0033】
リフトオフ法は、次の5つの工程から構成される。
【0034】
第1工程は、プレヒートした低膨張ガラス板の非使用面に、ラミネータを用いてドライフィルムを熱圧着する工程からなる。尚、ドライフィルムは、アクリル樹脂、アクリルエステル及び架橋剤を含むレジスト層をポリエステル樹脂系フィルムでサンドイッチした構造を有し、この工程では、低膨張ガラス板表面にレジスト層が接着するように片方のポリエステル樹脂系フィルムを剥がしてドライフィルムを熱圧着する。
【0035】
第二工程は、文字及び/又は図形に相当する部分以外をマスクしたマスキングフィルムをドライフィルム上に設置し、紫外線で露光する工程からなる。
【0036】
第三工程は、ドライフィルムからもう一方のポリエステル樹脂系フィルムを剥がし、Na2CO3水溶液等の弱アルカリ性水溶液からなる現像液を用いて、未露光のレジスト層を取り除くための現像工程からなる。
【0037】
第四工程は、低膨張ガラス板の非使用面に、蒸着法を用いて蒸着膜を形成する工程からなる。蒸着法としては、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法が使用可能であるが、特にスパッタ法を用いると、平滑で、より緻密な構造を有する膜を形成でき、膜がガラス表面と強固に接着し、膜が剥がれにくくなるため好ましい。
【0038】
第五工程は、文字及び/又は図形の部分に残ったレジスト層をNaOH水溶液、KOH水溶液などの強アルカリ性水溶液からなる剥離液を用いて、剥離除去(リフトオフ)して、蒸着層の文字及び/又は図形の部分を抜く工程からなる。
【0039】
上記したリフトオフ法を用いると、蒸着膜の製造効率が高くなるため好ましい。すなわち、第三工程において、未露光のレジスト層を除去するよりも、蒸着膜の形成後に第五工程において、残ったレジスト層を剥離除去(リフトオフ)する方がはるかに時間がかかり、かつ残渣が残りやすいため、蒸着層の文字及び/又は図形の部分を抜くようにすると、リフトオフ時間を短縮でき、低膨張ガラス板の表面を劣化(白く曇る)させることなく、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜の形成が可能になるからである。
【0040】
また、低膨張ガラス板の非使用面に形成された蒸着膜の上に、蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜を形成する場合、蒸着法及び印刷法のいずれの方法を用いてもよいが、スクリーン印刷法を用いると容易にインクの色を変更でき、文字及び/又は図形の色を容易に替えることができるため好ましい。また蒸着法を用いると、金属や窒化物からなる膜を得やすく、文字及び/又は図形に光沢を付与することが容易であるため好ましい。
【0041】
【実施例】
本発明の調理器用トッププレートを、実施例に基づいて詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施例の調理器用トッププレートの説明図である。図2は、リフトオフ法の説明図であり、(a)は、ドライフィルムの熱圧着工程を含む第一工程の説明図である。(b)は、露光工程を含む第二工程の説明図である。(c)は、現像工程を含む第三工程の説明図である。(d)は、蒸着膜の形成工程を含む第四工程の説明図である。(e)は、剥離除去(リフトオフ)工程を含む第五工程の説明図である。図3は、本発明で使用するドライフィルムの説明図である。図4は、比較例の調理器用トッププレートの説明図である。
【0043】
図1に示すように、実施例の調理器用トッププレート10は、透明結晶化ガラス(日本電気硝子社製のN−0、30〜500℃における平均線熱膨張係数が−5×10-7/℃)からなる基板11の裏面11b(非使用面)に、下記に示すリフトオフ法によって、文字および図形の部分12を抜いた蒸着膜13を形成し、その上に、150nmのTiNからなる異種蒸着層14を形成することによって作製した。尚、蒸着膜13は、基板11の裏面11bから順に、100nmのTiからなる着色膜13aと、100nmのSiNからなる酸化防止膜13bから構成されている。
【0044】
図2に示すように、リフトオフ法は、次に示す工程から構成されている。
【0045】
第一工程:洗浄され、80℃にプレヒートされた透明結晶化ガラスからなる基板11の非使用面11bに、ラミネータ20を用いてドライフィルム21を熱圧着する(図2(a))。尚、ドライフィルム21(日本合成化学株式会社製 NIT 625、厚み25μm)は、図3に示すように、アクリル樹脂、アクリルエステル及び架橋剤を含むレジスト層21aをポリエステル樹脂系フィルム21b、21bでサンドイッチした構造を有し、この工程では、基板11の非使用面11bにレジスト層21aが接着するように片方のポリエステル樹脂系フィルム21bを剥がし、ドライフィルム21を熱圧着する。
【0046】
第二工程:文字及び/又は図形に相当する部分22a以外をマスクしたマスキングフィルム22をドライフィルム21上に設置し、露光機((株)大日本科研製)を用いて、露光量300mJで紫外線を露光する(図2(b))。
【0047】
第三工程:ドライフィルム21からもう一方のポリエステル樹脂系フィルム21bを剥がし、1質量%のNa2CO3水溶液からなる現像液を用いて、未露光のレジスト層を取り除き現像すると、露光硬化レジスト層21aaが形成される(図2(c))。
【0048】
第四工程:透明結晶化ガラスからなる基板11の非使用面11bに、スパッタ法を用いて、着色膜13aと酸化防止膜13bからなる蒸着膜13を形成する(図2(d))。
【0049】
第五工程:文字及び/又は図形の部分に残った露光硬化レジスト層21aaを、2質量%KOH水溶液からなる剥離液を用いて、剥離除去(リフトオフ)して、蒸着膜13の文字及び/又は図形の部分23を抜く(図2(e))。
【0050】
上記したリフトオフ法によって作製された図2(e)に示す基板の裏面11bに、150nmのTiNからなる異種蒸着層14を形成することによって図1の調理器用トッププレートが作製される。
【0051】
図4に示すように、比較例の調理器用トッププレート30は、透明結晶化ガラスからなる基板31の表面31a(使用面)に、文字および図形を構成するガラスフリットと顔料とからなる印刷層32(膜厚:5μm)をスクリーン印刷し、その後、基板31の裏面31bに、着色膜33a及び酸化防止膜33bからなり、実施例と同じ膜構成の蒸着膜33を形成することによって作製した。
【0052】
図1に示すように、実施例は、文字及び/又は図形が基板11の裏面11bに形成されてなるため、調理器用トッププレート10の使用面11a側から見ても、文字及び/又は図形の蒸着膜13での反射像が生成されず、二重写りすることがなく、文字及び/又は図形が見やすい。また、陶器のような硬い材料の調理器具を使用しても、文字及び/又は図形が削られることがない。
【0053】
一方、図4に示すように、比較例は、印刷層32が基板31の表面31aに形成されてなるため、調理器用トッププレート30の使用面31a側からみると、文字及び/又は図形の蒸着膜13での反射像が生成され、二重写りして、文字及び/又は図形が見にくい。また、陶器のような硬い材料の調理器具を使用すると、印刷層32が削れる。
【0054】
【効果】
以上説明したように、本発明の調理器用トッププレートは、透光性低膨張ガラス板の裏面に蒸着膜が形成されてなるため、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽することができる。また低膨張ガラス板の非使用面に文字及び/又は図形が形成されてなるため、トッププレートの使用面から見ても、使用の際の注意文や警告文、温度や火力を表示するインジケータの説明文、図形などの印刷層が二重写りすることがなく、しかも陶器のような硬い材料の調理器具を使用しても、文字及び/又は図形が削られることがない。よって、ラジエントヒーターやハロゲンヒーターを用いた赤外線加熱調理器、電磁加熱(IH)調理器、ガス調理器のトッププレートとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例の調理器用トッププレートの説明図である。
【図2】リフトオフ法の説明図であり、(a)は、ドライフィルムの熱圧着工程を含む第一工程の説明図である。(b)は、露光工程を含む第二工程の説明図である。(c)は、現像工程を含む第三工程の説明図である。(d)は、蒸着膜の形成工程を含む第四工程の説明図である。(e)は、剥離除去(リフトオフ)工程含む第五工程の説明図である。
【図3】ドライフィルムの説明図である。
【図4】比較例の調理器用トッププレートの説明図である。
【符号の説明】
10、30 調理器用トッププレート
11、31 基板
11a、31a 表面(使用面)
11b、31b 裏面(非使用面)
12 文字及び図形の部分
13、33 蒸着膜
13a、33a 着色膜
13b、33b 酸化防止膜
14 異種蒸着膜
20 ラミネータ
21 ドライフィルム
21a レジスト層
21aa 露光硬化レジスト層
21b ポリエチレン樹脂系フィルム
22 マスキングフィルム
22a 文字及び/又は図形に相当する部分
23 蒸着膜の抜けた文字及び/又は図形の部分
32 印刷層

Claims (11)

  1. 低膨張ガラス板の非使用面に、遮光性能を有する蒸着膜が形成されてなり、蒸着膜が文字及び/又は図形の部分を抜いて形成されてなる調理器用トッププレート。
  2. 文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜が、リフトオフ法を用いて形成されてなる請求項1に記載の調理器用トッププレート
  3. 蒸着膜の抜けた文字及び/又は図形の部分に、蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜が形成されてなる請求項1又は2に記載の調理器用トッププレート。
  4. 低膨張ガラス板の非使用面に、低膨張ガラス板側から順に、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜と、蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜が形成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  5. 蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜が、蒸着法によって形成された異種蒸着膜からなる請求項3又は4に記載の調理器用トッププレート。
  6. 蒸着膜及び/又は異種蒸着膜がスパッタ膜である請求項1〜5のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  7. 低膨張ガラス板の非使用面に、リフトオフ法を用いて、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜を形成する調理器用トッププレートの製造方法。
  8. リフトオフ法が、レジスト層を低膨張ガラス板の非使用面に形成する第一工程と、文字及び/又は図形に相当する部分以外をマスクしたマスキングフィルムを使用して露光する第二工程と、露光したレジスト層を現像して文字及び/又は図形の部分にレジスト層を残す第三工程と、蒸着膜を形成する第四工程と、残ったレジスト層を剥離除去する第五工程と、を含む請求項7に記載の調理器用トッププレートの製造方法。
  9. 低膨張ガラス板の非使用面に、低膨張ガラス板から順に、文字及び/又は図形の部分を抜いた蒸着膜と、蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜を形成する請求項7又は8に記載の調理器用トッププレートの製造方法。
  10. 蒸着膜と色もしくは光沢の異なる異種膜が、蒸着法によって形成した異種蒸着膜からなる請求項9に記載の調理器用トッププレートの製造方法。
  11. 蒸着膜及び異種蒸着膜がスパッタ膜である請求項7〜10のいずれかに記載の調理器用トッププレートの製造方法。
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