JP4025629B2 - 有機性廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性廃棄物の処理方法に関し、詳細には、木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得る有機性廃棄物の処理方法に関し、特には、剪定枝や廃木材等の木質系廃棄物、および、ゴミ(紙類、生ゴミ等)、厨芥、畜産糞尿、下水汚泥、浄化槽汚泥、産業廃水を生物処理した汚泥等の有機系廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得る有機性廃棄物の処理方法に関する技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水・し尿汚泥や産業排水を生物処理した汚泥等の有機性汚泥の処理方法には、汚泥の安定化とメタンガスの回収を目的として嫌気性消化法が多く用いられている。この嫌気性消化法は例えば図1に示すような方法である。
【0003】
さらに、嫌気性消化による有機物分解率やガス発生量を増加させるために、図2に示すようなフローの方法が考案されている。即ち、対象の有機系廃棄物を消化タンクに導入する前に、熱処理(150 〜300 ℃)を行い、汚泥の可溶化処理を施す。その結果、汚泥または有機系廃棄物の易分解化がおこり、メタン菌による発酵速度が加速され、処理時間の短縮、発生ガス量の増加が図られる(特開昭55−88896号公報)。
【0004】
一方、剪定枝等の木質系廃棄物はセルロース繊維をリグニンが膠着(こうちゃく)させた組織からなっており、微生物による分解・消化を受け難い構造を持っている。そのため、メタン発酵槽に投入してもほとんど分解されずメタンガスもあまり発生しない。
【0005】
従来からの木質のメタン発酵技術としては、乾式発酵槽に葉や枝(樹皮成分が多い)を投入してメタン発酵させ、メタンガスを回収する技術があった〔特開平4−231395号公報(有機系物質を利用するための処理方法および装置)〕。この方法では、機械構造上、ピストンポンプで対象物を発酵槽に押し込んでいく。従って、木質のような大きな固形分が発酵槽に投入されても機械的な問題は起こらない。しかしながら、この方法においても、幹の部分は強固な木材組織構造ゆえに発酵することはできない。
【0006】
また、湿式発酵では、溶液状の処理対象物をポンプで発酵槽に注入し、発酵槽内の汚泥を攪拌混合しながらメタン発酵を行う。従って、木質系廃棄物のような固形分を発酵槽内に投入することは構造上の問題から受容することができない。即ち、攪拌ができなくなるというトラブルや、ポンプが閉塞するというトラブル等が発生する。そのため、従来の湿式メタン発酵では、木質系廃棄物は発酵不適物として系外に排出されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭55−88896号公報
【特許文献2】
特開平4−231395号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得る有機性廃棄物の処理方法であって、木質系廃棄物も嫌気メタン発酵させることができ、ひいては木質系廃棄物からもメタンガスを得ることができる有機性廃棄物の処理方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、請求項1〜記載の有機性廃棄物の処理方法(第1発明〜第発明に係る有機性廃棄物の処理方法)としており、それは次のような構成としたものである。
【0010】
即ち、請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法は、木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得る有機性廃棄物の処理方法であって、前記嫌気メタン発酵をさせる前に、前記木質系廃棄物を繊維状に破砕した後、80〜170℃で加熱する熱処理をする工程を有する方法により前記木質系廃棄物を易分解化させる前処理を施すことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法である〔第1発明〕。
【0011】
【0012】
請求項記載の有機性廃棄物の処理方法は、前記破砕後の木質系廃棄物の比表面積(重さあたりの面積)が1.0m2 /g以上である請求項記載の有機性廃棄物の処理方法である〔第発明〕。
【0013】
請求項記載の有機性廃棄物の処理方法は、前記破砕後の木質系廃棄物の50質量%以上の破砕物の繊維径が0.05mmΦ以下である請求項1〜2のいずれかに記載の有機性廃棄物の処理方法である〔第発明〕。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
図3に、本発明の実施の形態例を示す。有機性廃棄物(生ゴミ等)は熱処理等の前処理を施さず、そのまま嫌気発酵槽へ導入する。一方、難分解性である木質系廃棄物については、これを繊維状に破砕する処理として植繊機処理をし、次いで熱処理を施した後に、嫌気発酵槽(メタン発酵槽)へ導入する。このとき、破砕後の木質系廃棄物(繊維状の木質系廃棄物)の太さ(直径)は、例えば0.05mmΦ以下となるようにし、熱処理の際の熱処理温度は、80〜170℃とする。
【0016】
このような形態で本発明が実施される。以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0017】
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、前述のように、木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得る有機性廃棄物の処理方法であって、前記嫌気メタン発酵をさせる前に前記木質系廃棄物を易分解化させる前処理を施すこととしている。
【0018】
上記前処理によって、木質系廃棄物は易分解化され、分解され易くなる。このため、木質系廃棄物も嫌気メタン発酵させることができ、ひいては木質系廃棄物からもメタンガスを得ることができる。
【0019】
従って、本発明に係る有機性廃棄物の処理方法によれば、木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得るに際し、木質系廃棄物も嫌気メタン発酵させることができ、ひいては木質系廃棄物からもメタンガスを得ることができる。
【0020】
前記前処理については、前記木質系廃棄物を繊維状に破砕した後、熱処理する工程を有する方法により行うこの方法によれば、木質系廃棄物を易分解化させることができる。
【0021】
このとき、破砕後の木質系廃棄物(繊維状の木質系廃棄物すなわち繊維状破砕物)の50質量%(重量%)以上のものが直径0.05mmΦ以下となるようにすることが望ましい〔第発明〕。このようにすると、木質系廃棄物の比表面積が大きくなることにより、木質系廃棄物がより分解され易くなり、このため、さらに木質系廃棄物の嫌気メタン発酵をさせ易くすることができる。なお、このような繊維状破砕物(直径:0.05mmΦ以下の繊維状破砕物の存在比が50質量%以上の繊維状破砕物)の場合、この繊維状破砕物の比表面積〔重さあたりの面積(表面積)〕は、1.0m2 /g以上となる。それ故、繊維状破砕物の比表面積は1.0m2 /g以上となるようにすることが望ましいことになる〔第発明〕。
【0022】
前記熱処理の際の熱処理温度に関し、これを80℃未満とした場合には、木質系廃棄物を易分解化し分解し易くすることが難しくなる傾向があるが、80℃以上とした場合には、確実に、木質系廃棄物を易分解化し分解し易くすることができ、このため、木質系廃棄物を嫌気メタン発酵させることができる。
【0023】
しかし、熱処理温度が高くなるに伴って、熱処理に要するエネルギーが多くなる。また、熱処理温度170℃超の場合、難分解性物質であるメラノイジンが発生し、易分解性物質の含有率が低下し、ひいては木質系廃棄物からのメタンガスの発生量が減少し、また、メタン発酵後の脱水ろ液(脱水分離液)の水質が低下する傾向がある。この傾向は熱処理温度170℃超200℃以下の場合には、緩やかであり、その程度は極めて小さいが、熱処理温度200℃超の場合には、その程度が大きくなる傾向がある。
【0024】
このような点から、前記熱処理の際の熱処理温度は80〜170℃とする
【0025】
前記木質系廃棄物を繊維状に破砕する方法については、特には限定されず、木質系廃棄物を繊維状に破砕し得る方法、即ち、木質を繊維状に解砕することのできる方法であれば、どのような方法でもよく、適用可能である。例えば、砕木パルプ製造法、植繊機処理などが繊維状破砕物の製造法(木質材の破砕方法)の代表的なものであり、これらの方法を用いることができる。これら二つの方法について、以下説明する。
【0026】
先ず、砕木パルプの製造法にしたがって、繊維状破砕物の製造法(木質材の破砕方法)の基本原理を説明する。木材が砕木機で摩砕される機構は、繊維の剥離作用と摩砕作用の二段に分けられる。第一段階での繊維分離作用では、木質を回転する摩砕石(グラインダー)に押しつけることによって、グラインダー表面の砥石粒子によって引き裂かれて、木質繊維が結束状の状態で剥離してくる。この過程では、木材と砥石の摩擦熱が発生し、木材繊維同士を膠着(こうちゃく)させているリグニンの軟化が起こる。この熱によるリグニン軟化効果が、木材繊維の剥離に大きな役割を果たしている。第二段階は摩砕作用であるが、一段目の効果で破砕された結束状の木質繊維がさらに小さな繊維に破砕される。
【0027】
これらの破砕効果は、砥石粒子が大きいほど、圧着力が高いほど発生する熱量が多くなり、剥離し易くなる。
【0028】
次に、植繊機処理について説明する。植繊機処理は、木質系廃棄物を加圧しつつ、破砕、摩砕する方法である。本方法の一段目の破砕は、後段の摩砕処理の負荷を軽減する効果がある。本法も、基本的には砕木パルプの製造方法と同じで、水を加えて木材繊維を膨潤させながら加圧、混練することによりリグニンを軟化させ、繊維状に木質を破砕する。
【0029】
なお、上記二法とも、連続処理でも、バッチ式処理でもよい。粉砕程度は重さ当たりの比表面積で数値化される。
【0030】
なお、木材樹皮等の木質系廃棄物のガス化や湿式酸化の前処理技術として、微粉砕した木粉(0.5 〜2mm)に対して、酸化剤(過酸化水素、オゾン、酸素ガス、空気)を加えた状態で、熱処理(100 〜250 ℃)を加え、0〜1時間保持する方法がある(特開2000−84520号公報)。
【0031】
また、木質の破砕加熱処理技術として蒸気加圧爆砕処理方法がある。この方法は、試料(木質)を高温高圧の水蒸気で短時間蒸煮後、瞬時に減圧し凝縮水の気化に伴う爆発的な体積膨張によって試料を軟化・粉砕する方法である。このとき、条件は1〜3MPa、1〜30分間である〔第39回下水道研究発表会講演集(平成14年度)、p.836−838〕。
【0032】
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、このような木質系廃棄物のガス化や湿式酸化の前処理技術や木質の爆砕処理技術(従来技術)を単に適用したものではない。これらの従来技術を単に適用するのでは、本発明の目的を達成することはできず、本発明のような作用効果を奏することはできず、種々の問題点が生じる。
【0033】
前記したような従来技術では、高圧にする必要があるだけでなく、200 ℃以上という高温とする必要があるため、多くのエネルギーを投入する必要がある。また、このような200 ℃以上という高温とすることにより、メイラード反応によって難分解性物質であるメラノイジンが発生し、易分解性物質の含有率が低下する。従って、木質系廃棄物の破砕技術として前記従来の木質の爆砕処理技術を単に適用するのでは、木質系廃棄物からのメタンガスの発生量が減少すると共に、メタン発酵後の脱水ろ液(脱水分離液)の水質が低下するという問題点がある。
【0034】
本発明においては、熱処理による木質系廃棄物の可溶化・易分解化を行うが、その熱処理の前に木質系廃棄物を繊維状に破砕し、特に植繊機などによりセルロース繊維が剥きだしになる形態に木質を破砕する。このように木質系廃棄物を破砕することにより、後段にて必要な熱処理の温度を極力抑制することができる。即ち、必要な熱処理の温度を極力低くすることができると共に、熱処理時間を短縮することができる。この熱処理の所要温度としては170 ℃以下とすることができ、所要圧力としては例えば0.7Mpa以下とすることができ、好ましくは150 ℃、0.5Mpaである。このため、熱処理温度を低くすると共に熱処理時間を短縮することによって熱処理に必要なエネルギーの低減を図ることができる。
【0035】
本発明は、このようなエネルギーの低減を図りながら、最終的なメタン発酵による発生メタンガス量(即ち、木質系廃棄物からのメタンガスの発生量)を増大させることができる。また、前記のように熱処理温度を低くすることができるので、このような低い熱処理温度とすることによって、難分解性物質であるメラノイジンの発生を抑制し、これにより、易分解性物質の含有率の低下を抑制して木質系廃棄物からのメタンガスの発生量の減少を防止することができ、また、メタン発酵後の脱水ろ液(脱水分離液)の水質低下を防止することができる。
【0036】
これらの点において、本発明は、前記したような従来の木質系廃棄物のガス化や湿式酸化の前処理技術や木質の爆砕処理技術、これらの技術を単に適用したもの、あるいは、これらの技術を単に組み合わせたものとは、構成および作用効果が相違する。
【0037】
本発明において、嫌気メタン発酵とは、嫌気性消化法によりメタン発酵をすることである。メタン発酵とは、発酵によりメタンを生じることである。このような嫌気メタン発酵は、通常、嫌気発酵槽やメタン発酵槽、あるいは消化槽といわれる槽を用いて行われる。
【0038】
このような槽に、前処理(本発明に係る前処理)がされた木質系廃棄物を投入する。嫌気メタン発酵に供する廃棄物は、前処理された木質系廃棄物単独でもよいし、厨芥、汚泥などの有機性廃棄物が含まれていてもよい。有機性廃棄物は、前処理せずに投入してもよいし、木質系廃棄物と一緒に前処理してもよい。好ましくは、木質系有機廃棄物を前処理し、有機性廃棄物は前処理せずに、別々に槽に投入するか、または、混合してから槽へ投入する。
【0039】
木質系廃棄物としては、その種類は特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、剪定枝や廃木材等の1種以上を用いることができる。なお、これらはいずれも本発明に係る前処理をした後、槽へ投入し、嫌気メタン発酵をさせる。
【0040】
有機性廃棄物としては、その種類は特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、ゴミ(紙類、生ゴミ等)、厨芥、畜産糞尿、下水汚泥、浄化槽汚泥、産業廃水を生物処理した汚泥等の1種以上を用いることができる。
【0041】
木質系廃棄物を易分解化させる前処理とは、木質系廃棄物を分解し易い状態のものにするための前処理のことである。
【0042】
図3に、本発明の実施の形態例を示す。有機性廃棄物(生ゴミ等)は熱処理等の前処理を施さず、そのまま嫌気発酵槽へ導入する。一方、難分解性である木質系廃棄物については、これを繊維状に破砕する処理として植繊機処理をし、次いで熱処理を施した後に、嫌気発酵槽(メタン発酵槽)へ導入する。
【0043】
【実施例】
本発明の実施例および比較例を、以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0044】
<1> 〔木質系廃棄物の破砕〕
特開2000−84520号公報記載の微粉砕した木粉の場合と同様、単に微粉砕する方法により微粉砕した木粉(以下、微粉砕木粉ともいう)、および、植繊機による解繊処理(植繊機処理)により繊維状に破砕された木粉(以下、植繊機破砕木粉または植繊機解繊木粉あるいは繊維状破砕木粉ともいう)について、顕微鏡を用いて観察を行った。なお、これらの木粉はいずれも木質系廃棄物から得られたものであり、木質の樹種はいずれの場合もスギである。
【0045】
上記観察の結果、植繊機破砕木粉は微粉砕木粉に比べ細かく破砕されていることが確認された。微粉砕木粉は0.2 〜0.5mm 程度に破砕されているのみである。その微粉砕木粉の一例を図7(図面代用写真)に示す。これに対して、植繊機破砕木粉(植繊機解繊木粉)は繊維状になり、セルロース繊維が剥きだしの状態となっており、その太さ(直径)は0.05mmΦ以下であった。その植繊機破砕木粉の一例を図8(図面代用写真)に示す。0.05mmΦ以下の繊維状破砕物の存在比は約50%である。そのときの比表面積は1.9m2 /gであった。
【0046】
上記のように、植繊機破砕木粉は、セルロース繊維が剥きだしの状態となっており、非常に細い繊維状となっているため、微粉砕木粉と比べ、その後の熱処理やメタン菌による分解を受けやすい構造となっている。
【0047】
<2> 〔熱処理による有機物の溶出効果〕
微粉砕木粉、植繊機解繊木粉(植繊機破砕木粉)のそれぞれについて、その量が100g/L(リットル)になるように蒸留水に溶解させた後、所定の温度で30分間の熱処理を行い、その溶液部分に溶出してきた有機物をCODCr (下水道試験法による化学的酸素要求量)を測定することによって定量化した。なお、これらの木粉は、前記<1>項の場合と同様、いずれも木質系廃棄物から得られたものであり、木質の樹種はいずれの場合もスギである。
【0048】
この結果を図4に示す。植繊機解繊木粉の場合も、微粉砕木粉の場合も、熱処理温度が高くなるに伴って、CODCr が高くなる(即ち、有機物の溶出量が多くなる)。熱処理温度170 ℃以下のいずれの熱処理温度においても、植繊機解繊木粉からの有機物の溶出量は、微粉砕木粉のそれに比較し、多いことがわかる。
【0049】
植繊機処理木粉の120 ℃処理による溶出COD 〔熱処理温度120 ℃の場合の植繊機解繊木粉からの有機物の溶出量(COD )〕、および、微粉砕木粉の150 ℃処理による溶出COD 〔熱処理温度150 ℃の場合の微粉砕木粉からの有機物の溶出量(COD )〕は、ほぼ同一であって約7000mg/Lであり、このことから、同じ量の有機物を抽出する場合に、木質系廃棄物を破砕するに際し植繊機処理により破砕すれば、設定温度(熱処理温度)を30℃落とせることがわかる。
【0050】
また、植繊機処理木粉の150 ℃処理による溶出COD と微粉砕木粉の170 ℃処理による溶出COD を比較すると、前者の植繊機処理木粉の150 ℃処理による溶出COD の方が多い。即ち、植繊機処理木粉を150 ℃処理した場合の方が、微粉砕木粉を170 ℃処理した場合よりも、多くの有機物が抽出されて、有機物の溶出量が多くなっている。従って、木質系廃棄物を破砕するに際し植繊機処理により破砕した場合は、単に微粉砕した場合に比較し、低い温度の熱処理で同等以上の有機物溶出効果(易分解化効果にほぼ等しい)があることがわかる。
【0051】
<3> 〔各種破砕および熱処理を施した木質系廃棄物のメタン発酵特性〕
容量5L(リットル)のジャーファーメンターを用いた回分式メタン発酵実験により、木質系廃棄物を破砕処理した後、熱処理をしたものについてのメタン発酵特性を評価した。この詳細を、以下説明する。
【0052】
微粉砕木粉、植繊機解繊木粉(植繊機破砕木粉)のそれぞれについて、その量が10%(wt./vol.)になるように蒸留水に懸濁させた後、25℃、100 ℃、150 ℃、170 ℃で30分間熱処理を行なった。
【0053】
次に、上記熱処理後の木質系廃棄物を5Lのメタン発酵汚泥に100g(木質系有機物10g乾重量相当)投入し、発生してくるメタンガス量を測定した。なお、木質の樹種はスギである。木質系有機物10g乾重量相当とは、この木質系有機物を乾燥状態にしたとしたときの量で10gに相当するという意味である。
【0054】
この結果を図5〜6に示す。なお、図5は木粉が微粉砕木粉の場合の結果であり、図6は木粉が植繊機解繊木粉(植繊機破砕木粉)の場合の結果である。いずれの図においても、横軸は前記メタン発酵汚泥への投入時点(処理開始時点)からの処理日数(メタン発酵処理の経過時間)であり、縦軸は発生したメタンガス(バイオガス)の処理開始時点からの積算量である。
【0055】
微粉砕処理を施した木紛(微粉砕木粉)の場合には、25℃処理のもの(熱処理温度25℃で熱処理したもの)も、100 ℃処理のもの(熱処理温度100 ℃で熱処理したもの)も、メタンガス発生量が低く、25℃処理のものでは16日の処理日数で積算150 mL(ミリリットル)、100 ℃処理のものでは16日の処理日数で積算(以下、16日間積算ともいう)220 mLであった。150 ℃処理のものでは易分解化が若干進み、16日間積算1400mLのメタンガス発生量であった。170 ℃処理のものでは、150 ℃処理の場合よりも、易分解化が進み、16日間積算2800mLのメタンガスが発生した。
【0056】
一方、植繊機処理を施した木紛(植繊機破砕木粉)の場合には、100 ℃処理のもの(熱処理温度100 ℃で熱処理したもの)から明らかなメタンガス発生量が確認でき、熱処理温度の上昇とともにメタンガス発生量は増加する。25℃処理のものでは16日の処理日数で積算(16日間積算)600 mL、100 ℃処理のものでは16日間積算1600mL、150 ℃処理のもので16日間積算3600mL、170 ℃処理のもので16日間積算3200mLのガス発生量であった。このように、150 ℃処理の場合は、メタンガス発生量が最も高い。170 ℃処理の場合は可溶化効果は高いが(図4)、一部有機物の難分解化が進み、最終的な目的物質であるメタンガスの発生量は低下するものと考えられる。
【0057】
微粉砕木粉を150 ℃処理した場合と植繊機破砕木粉を同一温度の150 ℃処理した場合とを比較すると、前者の場合はメタンガス発生量が16日間積算1400mLであるのに対し、後者の場合(植繊機破砕木粉を150 ℃処理した場合)はメタンガス発生量が16日間積算3600mLである。従って、同等の熱エネルギーを加えた場合においては、微粉砕処理をした場合よりも植繊機処理をした場合の方がメタンガス発生量が多いことになる。
【0058】
また、微粉砕木粉を170 ℃処理した場合と植繊機破砕木粉を150 ℃処理した場合とを比較すると、前者の場合はメタンガス発生量が16日間積算2800mL、後者の場合(植繊機破砕木粉を150 ℃処理した場合)はメタンガス発生量が16日間積算3600mLである。このことは、植繊機処理では少ない熱処理エネルギーの投入によって、多くのメタンガス発生量を得ることができることを意味する。
【0059】
<4> 〔粉砕程度と可溶性COD 抽出効果およびメタン発酵によるメタンガス発生量の比較〕
木質系廃棄物の粉砕程度と、熱処理による可溶性CODの溶出効果およびメタンガス発生量の関係を調べた。この詳細を以下説明する。
【0060】
従来木粉すなわち通常の破砕機で破砕して得られた木粉(1〜5mm)、微粉砕木粉すなわち微粉砕して得られた木粉(0.5 〜1mm)、植繊機処理木粉すなわち植繊機で破砕して得られた繊維状破砕物〔直径(繊維幅)0.05mmΦ、繊維長2〜5mm〕、グラインダー処理木粉すなわちグラインダーで破砕して得られた繊維状破砕物〔直径(繊維幅)0.01mmΦ、繊維長2〜5mm〕のそれぞれについて、それらの破砕物を100g/Lになるように蒸留水に懸濁したものを120℃で熱処理した時に溶出してきたCOD濃度、その熱処理物100 gを5Lの汚泥容量の発酵槽にてメタン発酵した場合のメタンガス発生量を求めた。なお、メタン発酵条件は、前記<3>項の場合と同じである。使用木質の樹種はスギである。
【0061】
この結果を表1に示す。従来木粉(1〜5mm)の場合に比べ、微粉砕木粉(0.5 〜1mm)の場合は、溶出してきたCOD濃度(溶出COD濃度)は高いが、メタンガス発生量は同等である。
【0062】
これらに対し、植繊機処理木粉〔直径(繊維幅)0.05Φ、繊維長2〜5mm〕の場合は、溶出COD濃度が極めて高く、また、メタンガス発生量が極めて多い。グラインダー処理木粉〔直径(繊維幅)0.01mmΦ、繊維長2〜5mm〕の場合は、溶出COD濃度がさらに高く、また、メタンガス発生量がさらに多い。
【0063】
【表1】
Figure 0004025629
【0064】
【発明の効果】
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法によれば、木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得るに際し、木質系廃棄物も嫌気メタン発酵させることができ、ひいては木質系廃棄物からもメタンガスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の有機性汚泥の処理方法(嫌気性消化法)を示す模式図である。
【図2】 従来の有機性汚泥の処理方法(嫌気性消化法)であって有機性汚泥の前処理として熱処理を有するものを示す模式図である。
【図3】 本発明に係る木質系廃棄物を含む有機性廃棄物の処理方法の一例を示す模式図である。
【図4】 本発明の実施例および比較例に係る植繊機破砕木粉および微粉砕木粉の熱処理温度と溶出CODCr 量との関係を示す図である。
【図5】 熱処理後の微粉砕木粉のメタン発酵処理の際の処理日数と積算バイオガス発生量との関係を示す図である。
【図6】 熱処理後の植繊機破砕木粉のメタン発酵処理の際の処理日数と積算バイオガス発生量との関係を示す図である。
【図7】 微粉砕木粉の粒子構造を示す図面代用写真である。
【図8】 植繊機破砕木粉の粒子構造(繊維の形状)を示す図面代用写真である。

Claims (3)

  1. 木質系廃棄物を含む有機性廃棄物から嫌気メタン発酵によってメタンガスを得る有機性廃棄物の処理方法であって、前記嫌気メタン発酵をさせる前に、前記木質系廃棄物を繊維状に破砕した後、80〜170℃で加熱する熱処理をする工程を有する方法により前記木質系廃棄物を易分解化させる前処理を施すことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  2. 前記破砕後の木質系廃棄物の比表面積(重さあたりの面積)が1.0m 2 /g以上である請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
  3. 前記破砕後の木質系廃棄物の50質量%以上の破砕物の繊維径が0.05mmΦ以下である請求項1〜2のいずれかに記載の有機性廃棄物の処理方法。
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