以下、本発明の実施の形態に係るサーバ装置、シートおよび研修システムを、図面に基づいて説明する。以下の各実施の形態では、二次元コードがQR(Quick Response)コードである場合を例として説明する。なお、QRコードは登録商標である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る研修システムは、二次元コードを有するシートとしてのQRコードを有する複数のシートと、QRコードパターンを読み取る携帯端末としての複数台の携帯電話端末と、サーバ装置と、携帯電話端末とサーバ装置との間のデータ通信に使用されるネットワークとしての通信ネットワークと、を有する。この研修システムは、ある観光地を修学旅行で訪れている所定の学校の生徒に、その観光地に現存する物体としての史跡をグループ単位で学習研究させるためのものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係るQRコードを有するシート1を示す正面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末2,2A、サーバ装置3および通信ネットワーク4を示すシステム構成図である。カメラ付きの携帯電話端末2は、各生徒のグループにより使用される。携帯電話端末2Aは、その学校の引率の先生により使用される。
QRコードを有するシート1は、たとえば塩化ビニル製の白色のマット材11を有する。塩化ビニルは、プラスチックの一種である。マット材11の表面には、二次元コードパターンとしてのQRコードパターン12と、課題の出題対象である学校の生徒が認識可能なマークとしてのマーク13とが並べて印刷される。
塩化ビニル製の白色のマット材11にQRコードパターン12およびマーク13を印刷するためには、たとえば油性インクを吐出するインクジェット印刷機を用いればよい。また、この油性インクを付着した後に、マット材11の表面にポリプロピレンなどの透明な材料によるコーティング剤を塗布するとよい。これにより、マット材11の表面に自動車のタイヤが乗り上げ、印刷面がタイヤにより擦られたとしても、印刷がかすれたりはがれたりし難くなる。屋外において、数年の使用に耐えられるようになる。
このように塩化ビニル製のマット材11の表面にQRコードパターン12およびマーク13を印刷するようにすることで、QRコードパターン12およびマーク13は、一辺がたとえば1〜2mの長さに形成することができる。一辺が1〜2mの大きさでQRコードパターン12を形成することで、数m離れた位置から、カメラ付きの携帯電話端末2によって読み取ることが可能となる。また、QRコードパターン12は、そのような条件での読み取りにおいてもデコード可能な精度に形成することができる。
QRコードパターン12は、データをQRコードによりコード化することで得られるパターンである。QRコードは、ISO(International Organization For Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)として規格化されている。このQRコードパターン12には、サーバ装置3のURL(Uniform Resource Locator)を含む所定のアクセス情報と、所定の課題の表示データとがコード化されている。
QRコードパターン12と並べて印刷されるマーク13は、修学旅行で街を訪れている所定の学校の校章である。学校の校章をQRコードパターン12と並べることで、その学校の生徒は、そのQRコードパターン12が自分達に対する課題がコード化されているものであることを容易に認識することができる。マーク13として印刷されている校章の学校の生徒は、QRコードパターン12をデコードする前に、そのQRコードパターン12が自分達に向けた情報がコード化されているものであることを認識することができる。
図3は、図1中のQRコードを有するシート1の設置状態の一例を示す説明図である。QRコードを有するシート1は、たとえば観光地の史跡21に隣接して設けられる史跡21の案内板22に貼着される。案内板22は、その史跡21に関する歴史や言い伝えを解説するものである。
案内板22に貼着されるシート1は、たとえば縦30cm×横60cmの大きさを有する。このようなサイズでQRコードパターン12を形成することで、史跡21の案内板22から1〜1.5m程度離れた位置から、カメラ付きの携帯電話端末2によって読み取ることが可能となる。複数の生徒などが同時に、カメラ付きの携帯電話端末2によって読み取ることが可能となる。
また、シート1は、そのQRコードパターン12がマーク13の左側となる姿勢で設置される。このような姿勢で設置することで、たとえば1つの史跡21に対して複数の学校向けに複数のQRコードパターン12を設置する場合であっても、各学校の生徒は、自分の学校の校章の左側にあるQRコードパターン12が自分達向けのものであることを自然に認識することができる。
図4は、実施の形態1に係るQRコードを有する複数のシート1の設置状態の一例を示す説明図である。QRコードを有する複数のシート1は、観光地に存在する複数の史跡21にそれぞれ設置される。図4では、3つの史跡21それぞれに対応付けて、1つのシート1が割り当てられている。なお、1つの史跡21に対して、同一のマーク13を有する複数のシート1を設置してもよい。また、異なるマーク13を有するシート1を設置してもよい。
ところで、QRコードパターン12にコード化されるアクセス情報および課題の表示データは、原則、シート1毎に異なるものである。但し、課題の表示データは、ある1つの史跡21に設置される複数のシート1において共通するものであってもよい。QRコードパターン12にコード化するアクセス情報を互いに異なるものとすることで、アクセス情報は、それが設置される史跡21と、それが形成されたシート1(すなわち学校)とを特定するための情報として利用することが可能となる。
また、図2において通信ネットワーク4は、インターネット31およびATM(Asynchronous Transfer Mode)通信網32で構成されるネットワークと、このATM通信網32に接続される複数の基地局33と、を有する。基地局33は、そのゾーン内に存在する携帯電話端末2,2Aとの間でデータ通信回線を確立し、そのデータ通信回線を用いて携帯電話端末2,2Aとの間でデータを送受信する。複数の基地局33は、QRコードを有する複数のシート1の設置位置をそれらのゾーンに含む。
図5は、図2中の携帯電話端末2,2Aのハードウェア構成を示すブロック図である。携帯電話端末2,2Aは、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)41と、RAM(Random Access Memory)42と、半導体メモリ43と、入出力ポート44と、これらを接続するシステムバス45と、を有する。入出力ポート44には、通信ネットワーク4の基地局33との間でデータを送受信する無線通信I/F(InterFace)46と、画像を撮像して出力するCCD(Charge Coupled Device)カメラ47と、テンキーなどを有する入力キー48と、表示部に表示データに基づく画像を表示する液晶デバイス49と、が接続される。
半導体メモリ43は、通信制御プログラム50と、デコードプログラム51と、表示制御プログラム52と、端末ID(Identification)番号53と、を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。端末ID番号53は、携帯電話端末2,2A毎に固有の番号である。中央処理装置41は、これらのプログラムを半導体メモリ43からRAM42に読み込んで実行する。中央処理装置41が通信制御プログラム50を実行することで、図6に示すように、通信制御部61が実現される。中央処理装置41がデコードプログラム51を実行することで、図6に示すように、デコーダ62が実現される。中央処理装置41が表示制御プログラム52を実行することで、図6に示すように、表示制御部63が実現される。図6は、図2の通信システムにおいて実現される機能を示す機能ブロック図である。
この実施の形態1において、デコードプログラム51などの半導体メモリ43に記憶されるプログラムは、携帯電話端末2,2Aの出荷時にその半導体メモリ43に記憶されるものである。この他にもたとえば、半導体メモリ43に記憶されるプログラムは、たとえばCD(コンパクト・ディスク)−ROM(リード・オンリー・メモリ)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、通信ネットワーク4などの伝送媒体を介して、携帯電話端末2,2Aの出荷後に、半導体メモリ43に保存されるものであってもよい。
通信制御部61は、表示制御部63によりデータの取得が要求された場合、データの送信要求を無線通信I/F46に送信させる。通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したデータをそのデータの取得を要求した表示制御部63へ供給する。
デコーダ62は、CCDカメラ47が撮像した画像からQRコードパターン12を抽出する。デコーダ62は、抽出したQRコードパターン12によるQRコードをデコードし、QRコードにコード化されていたデータを復号する。
表示制御部63は、表示データを生成し、液晶デバイス49へ出力する。
図7は、図2中のサーバ装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、中央処理装置71と、RAM72と、表示データ記憶手段および履歴記憶手段としての記憶デバイス73と、通信ネットワーク4のインターネット31に接続される通信手段としての通信I/F74と、時刻を計測する時計手段としてのタイマ76と、これらを接続するシステムバス77と、を有する。
記憶デバイス73は、課題に関する情報の表示データとしての複数の正解の表示データ78と、対応テーブル79と、データ送出制御プログラム80と、履歴管理プログラム81と、を記憶する。中央処理装置71がデータ送出制御プログラム80を記憶デバイス73からRAM72に読み込んで実行することで、サーバ装置3には、図6に示すように、送信制御手段としてのデータ送出制御部66が実現される。中央処理装置71が履歴管理プログラム81を記憶デバイス73からRAM72に読み込んで実行することで、サーバ装置3には、図6に示すように、通過順生成手段、未完端末特定手段、迷子端末特定手段および成績生成手段としての履歴管理部67が実現される。
正解の表示データ78は、あるQRコードパターン12にコード化された課題に対応する正解の表示データ78である。正解の表示データ78は、QRコードパターン12にコード化されたある課題の表示データと1対1に対応する。正解の表示データ78は、たとえば課題の表示データにより複数の選択肢が表示される場合には、その中の正解の枝を表示するための表示データである。
対応テーブル79は、QRコードパターン12にコード化される複数のアクセス情報と、そのQRコードパターン12にコード化される課題に対応する正解の表示データ78との対応関係を記憶するテーブルである。
図6におけるデータ送出制御部66は、通信I/F74がインターネット31からデータの送信要求を受信すると、その要求を解釈する。データ送出制御部66は、その解釈に基づいて記憶デバイス73から要求に係るデータを読み込み、読み込んだデータを通信I/F74に送信させる。また、データ送出制御部66は、送信が指示されたデータを、その指示された携帯電話端末2,2Aへ送信する。なお、データ送出制御部66は、たとえばHTTPサーバとされ、送信要求は、HTTPコマンドとされる。また、データは、HTMLファイル、画像データファイルなどとされる。
また、履歴管理部67は、通信I/F74がインターネット31からデータの送信要求を受信すると、その送信要求があったことを記憶デバイス73に記憶させる。履歴管理部67は、複数の送信要求の履歴からなる履歴データ69を記憶デバイス73に生成する。履歴データ69において、複数の送信要求は、その要求単位のレコードとして記憶される。各レコードには、図9に基づいて後述するように、その送信要求をした携帯電話端末2,2Aの端末ID番号53と、タイマ76により計測されたその送信要求の時刻と、その送信要求に含まれる受信データと、が記録される。受信データには、たとえば、アクセス情報、生徒による課題の回答などの情報が含まれる。また、履歴管理部67は、タイマ76により計測される時刻が所定の条件を満たす時刻となると、履歴データ69に含まれる情報を用いて各種の表示データを生成し、データ送出制御部66へ出力する。
次に、主に図6を参照しながら、以上の構成を有する研修システムの動作を説明する。
修学旅行で観光地を訪れている修学旅行生は、グループ単位で渡されたカメラ付きの携帯電話端末2を持って、図4に示す観光地の各地にある史跡21を巡る。そして、生徒は、最初の史跡21に到着し、図3に示すようにその史跡21の横にある案内板22に自分の学校の校章と、その横にあるQRコードパターン12とを見つける。
1つ目の史跡21に到着した生徒は、持参するカメラ付きの携帯電話端末2の入力キー48を操作する。カメラ付きの携帯電話端末2の中央処理装置41は、その入力キー48の操作に基づいて、デコードプログラム51を読み込んで実行する。これにより、カメラ付きの携帯電話端末2には、デコーダ62が実現される。なお、以下の説明において、カメラ付きの携帯電話端末2では、表示制御部63と通信制御部61とが既に実現されているものとする。
デコーダ62は、CCDカメラ47が撮像した画像を、液晶デバイス49に表示させる。デコーダ62は、CCDカメラ47が撮像した画像の中に、QRコードパターン12を認識すると、その画像からQRコードパターン12を抽出する。したがって、カメラ付きの携帯電話端末2の液晶デバイス49に史跡21の案内板22に設置されたQRコードパターン12が写るように、生徒がカメラ付きの携帯電話端末2を構えることで、デコーダ62は、史跡21の案内板22に設置されたQRコードパターン12を抽出する。デコーダ62は、抽出したQRコードパターン12によるQRコードをデコードし、このQRコードにコード化されていたデータを復号する。これにより、デコーダ62は、史跡21の案内板22に設置されたQRコードパターン12にコード化されていた、サーバ装置3のアクセス情報(たとえばURL)を復号する。デコーダ62は、復号したアクセス情報を表示制御部63へ供給する。
QRコードパターン12からデコードされたサーバ装置3へのアクセス情報が供給されると、表示制御部63は、QRコードパターン12にコード化されていた所定の課題の表示データを、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49は、その所定の課題の表示データを表示部に表示する。これにより、カメラ付きの携帯電話端末2の液晶デバイス49には、QRコードパターン12にコード化されていた所定の課題が表示される。
図8は、図6中の液晶デバイス49に表示される課題の表示画面の一例を示す説明図である。図8では、史跡21が建てられた年を、3つの選択肢の中から正解を探す課題が表示されている。
カメラ付きの携帯電話端末2を使用する生徒は、液晶デバイス49に表示される課題を理解し、史跡21そのもの、史跡21の案内板22に記載されている事柄などを学習し、課題の答えを探求する。そして、たとえば、所定の課題の表示データにおいて、回答が選択番号とともにならべて表示されている場合に、その番号の入力キー48を操作する。入力キー48は、その操作されたキーに対応する入力指示を表示制御部63へ出力する。表示制御部63は、入力キー48からの入力指示に基づいて、その番号の選択肢を選択する。
このように所定の課題に対応する回答を生成すると、表示制御部63は、そのアクセス情報に含まれるサーバ装置3のURL(サーバ装置3内のコンテンツを指すURL)を指定して、通信制御部61にデータの取得を指示する。通信制御部61は、サーバ装置3を送信先に指定したデータの送信要求を生成し、無線通信I/F46へ出力する。通信制御部61が生成するデータの送信要求には、先に生成した回答のデータと、QRコードパターン12からデコードしたアクセス情報と、半導体メモリ43に記憶されている端末ID番号53とが含まれる。無線通信I/F46は、その送信要求を、通信ネットワーク4の基地局33へ送信する。
通信ネットワーク4の基地局33へ送信されたこのカメラ付きの携帯電話端末2の送信要求は、ATM通信網32を介してインターネット31へ送信される。サーバ装置3の通信I/F74は、インターネット31から、この自分宛てのデータ送信要求を受信する。
通信I/F74がインターネット31からデータの送信要求を受信すると、データ送出制御部66は、その要求を解釈する。このQRコードパターン12の読み取りに基づくデータの送信要求には、QRコードパターン12にコード化したアクセス情報が含まれる。データ送出制御部66は、記憶デバイス73に記憶されている対応テーブル79を参照し、対応テーブル79において受信したアクセス情報に対応する正解の表示データ78を特定する。データ送出制御部66は、その正解の表示データ78を記憶デバイス73から読み込み、通信I/F74に供給する。通信I/F74は、正解の表示データ78をインターネット31へ送出する。
また、送信要求に係る正解の表示データ78を通信I/F74に供給した後、データ送出制御部66は、通信I/F74が受信したデータの送信要求を履歴管理部67へ供給する。履歴管理部67は、供給されたデータの送信要求を、端末ID番号、およびその供給されたタイマ76の計測時刻とともに、履歴データ69として記憶デバイス73に記憶させる。
図9は、図6中の記憶デバイス73に記憶される履歴データ69のデータ構造の説明図である。記憶デバイス73において、各データの送信要求に含まれる、端末ID番号53、アクセス情報および選択された回答などの受信データは、タイマ76の計測時刻とともに、履歴データ69の1つのレコードとして記憶される。履歴データ69は、このデータの送信要求毎のレコードの集合体のデータである。
インターネット31へ送出された正解の表示データ78は、ATM通信網32、基地局33を介して、データの送信を要求した生徒のカメラ付きの携帯電話端末2の無線通信I/F46へ送信される。通信制御部61は、無線通信I/F46が受信した正解の表示データ78を表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した正解の表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49は、正解の表示データ78に基づいて正解を表示する。図10は、図6中の液晶デバイス49に表示される正解の表示画面の一例を示す説明図である。図10では、図8の課題において、1番の選択肢が正解であることが説明されている。
カメラ付きの携帯電話端末2に表示される正解に基づいて、生徒は、出題された課題の答えを知ることができる。また、誤った選択肢を選択した生徒は、その回答を見ることで自分の誤りを知り、もう一度、史跡21そのもの、史跡21の案内板22に記載されている事柄などを学習しなおし、その正解を納得することができる。史跡21に関する理解を深めることができる。
1つ目の史跡21において課題に取り組み終えた生徒は、次の史跡21へ移動する。そして、次の史跡21においても、自分の学校の校章と、その横にあるQRコードパターン12とを見つける。生徒は、持参するカメラ付きの携帯電話端末2を用いて、そのQRコードパターン12にコード化されているアクセス情報および所定の課題の表示データをデコードし、その所定の課題に取り組む。
表示制御部63が入力キー48からの入力指示に基づいて所定の課題に対応する回答を生成すると、通信制御部61は、新たにデコードされたアクセス情報に含まれるサーバ装置3のURLを指定して、無線通信I/F46に、データの送信要求を送信させる。このデータの送信要求には、この2つ目の史跡21におれる回答のデータと、2つ目の史跡21に設置されたQRコードパターン12からデコードしたアクセス情報と、半導体メモリ43に記憶されている端末ID番号53とが含まれる。
無線通信I/F46から通信ネットワーク4の基地局33へ送信された送信要求は、ATM通信網32およびインターネット31を介して、サーバ装置3の通信I/F74に受信される。データ送出制御部66は、通信I/F74が受信したデータの送信要求に含まれるアクセス情報を用いて、対応テーブル79においてそのアクセス情報に対応付けられている正解の表示データ78を特定する。データ送出制御部66は、その正解の表示データ78を記憶デバイス73から読み込み、通信I/F74からカメラ付きの携帯電話端末2の無線通信I/F46へ送信させる。
無線通信I/F46がサーバ装置3からの正解の表示データ78を受信すると、表示制御部63は、その正解の表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49は、正解の表示データ78に基づき正解を表示する。生徒は、このカメラ付きの携帯電話端末2に表示に基づいて、課題の正解を知ることができる。
カメラ付きの携帯電話端末2を持参する生徒は、上述するように各史跡21において所定の課題に取り組みながら、観光地の複数の史跡21を巡る。これにより、図4のような観光地にある複数の史跡21について、単に観光ガイドについて巡る場合に比べて、観光地にある複数の史跡21について深く理解することとなる。
また、学校の生徒が各史跡21において設定された課題に取り組みながら複数の史跡21を巡ることで、履歴管理部67により、サーバ装置3の記憶デバイス73には、図9に示すように、カメラ付きの携帯電話端末2によるデータの送信要求が履歴データ69として蓄積される。
サーバ装置3の履歴管理部67は、この履歴データ69の蓄積処理とともに、その履歴データ69に基づいて各種の処理を実施する。
履歴管理部67は、まず、タイマ76の計測する時刻が予め設定された所定の終了時刻を経過したか否かを監視する。なお、この履歴管理部67が監視に使用する終了時刻は、生徒がその観光地の複数の史跡21を巡る終了時刻であればよい。履歴管理部67が監視に使用する終了時刻は、この他にもたとえば、その史跡21を巡る終了時刻の30分前などの時刻や、開始時刻から所定の時間(たとえば4時間など)が経過する時刻などであってもよい。
タイマ76の計測する時刻が予め設定された所定の終了時刻を経過した場合、履歴管理部67は、予定されていたすべての史跡21を巡り終えた生徒のグループを特定する。履歴管理部67は、具体的には、履歴データ69から端末ID番号毎にレコードを抽出し、その抽出したレコード内に予定されていたすべての史跡21についての複数のアクセス情報が含まれているか否かを判断する。そして、履歴管理部67は、抽出したレコード内にすべてのアクセス情報が含まれている端末ID番号に対応するグループは、すべての史跡21を巡り終えている生徒のグループとして特定する。
履歴データ69に含まれるすべての端末ID番号について上述した処理を完了して、すべての史跡21を巡り終えている生徒のグループを特定すると、履歴管理部67は、その特定したグループを所定の成績順に並べて表示する表示データを生成する。なお、この成績順は、たとえば最後の史跡21についての送信要求の時刻の早い順であっても、その時刻に正誤数に応じた時間を加減算した時刻において時刻の早い順であってもよい。
履歴管理部67は、生成した表示データをデータ送出制御部66へ供給する。データ送出制御部66は、学校の引率の先生が使用する携帯電話端末2Aを送信先に指定し、通信I/F74に表示データを送信させる。通信I/F74は、この表示データをインターネット31を介して、学校の引率の先生が使用する携帯電話端末2Aの無線通信I/F46へ送信する。通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したこの表示データを表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した正解の表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49には、予定されていたすべての史跡21を巡り終えた生徒のグループのリストが成績順に表示される。
図11は、先生が使用する携帯電話端末2Aの液晶デバイス49に表示される成績の表示画面の一例を示す説明図である。図11の画面では、成績が良いものから順番に上から下に、各生徒のグループが使用するカメラ付きの携帯電話端末2の端末ID番号53が並べて表示される。所定の課題の消化に伴い得られる各グループのアクセス履歴に基づいて、携帯電話端末2Aの液晶デバイス49には、予定されていたすべての史跡21を巡り終えた生徒のグループのリストが成績順に表示される。
この表示に基づいて、先生は、所定の終了時刻において予定されていたすべての史跡21を巡り終えた生徒のグループを知ることができる。また、その巡り終えた生徒のグループの成績を知ることができる。
また、タイマ76の計測する時刻が予め設定された所定の終了時刻を経過した場合、履歴管理部67は、予定されていたすべての史跡21を巡り終えていない生徒のグループを特定する。履歴管理部67は、具体的には、履歴データ69から端末ID番号毎にレコードを抽出し、その抽出したレコード内に予定されていたすべての史跡21についての複数のアクセス情報が含まれているか否かを判断する。そして、履歴管理部67は、抽出したレコード内にすべての史跡21に対応するアクセス情報が含まれていない端末ID番号に対応するグループは、すべての史跡21を巡り終えていない生徒のグループとして特定する。
履歴データ69に含まれるすべての端末ID番号について上述した処理を完了して、すべての史跡21を巡り終えていない生徒のグループを特定すると、履歴管理部67は、そのグループに関する情報を表示する表示データを生成する。
このグループに関する情報には、そのグループを特定する情報が含まれる。グループを特定する情報としては、たとえばそのグループが使用するカメラ付きの携帯電話端末2の端末ID番号53や、サーバ装置3の記憶デバイス73に予め端末ID番号53とグループ名との対応関係を記憶させておき、その対応関係に基づいて特定されるグループ名であればよい。また、表示されるグループに関する情報には、その端末ID番号を含むすべてのレコード(アクセス履歴)について、そのレコード(アクセス履歴)に含まれる時刻の順番にしたがって、史跡21の名称とそれぞれの通過時刻とが表示される。
履歴管理部67は、生成した表示データをデータ送出制御部66へ供給する。データ送出制御部66は、学校の引率の先生が使用する携帯電話端末2Aを送信先に指定し、通信I/F74に表示データを送信させる。この表示データは、インターネット31を介して、学校の引率の先生が使用する携帯電話端末2Aの無線通信I/F46へ送信される。通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したこの表示データを表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、その正解の表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49には、所定の終了時刻において予定されていたすべての史跡21を巡り終えていない生徒のグループに関する情報が表示される。
図12は、先生が使用する携帯電話端末2Aの液晶デバイス49に表示される、終了時刻において迷子となっている生徒を示す表示画面の一例を示す説明図である。図12では、一番上に迷子となっている生徒のグループが使用するカメラ付きの携帯電話端末2の端末ID番号53が表示されている。また、その下には、その生徒のグループが既に回っている史跡21とその通過時刻とが、上から下に通過順に並べて表示されている。先生が使用する携帯電話端末2Aの液晶デバイス49には、所定の課題の消化に伴い得られる各グループのアクセス履歴に基づいて、予定されていたすべての史跡21を巡り終えていない生徒のグループに関して、その複数の史跡21の通過状況が表示される。
この携帯電話端末2Aの表示に基づいて、先生は、所定の終了時刻において予定されていたすべての史跡21を巡り終えていない、迷子となっている生徒のグループを知ることができる。また、その迷子となっているグループがどの史跡21まで巡っているのか、各史跡21を何時訪れているのかを知ることができる。つまり、迷子となっている生徒のグループが既に通過した経路に関する情報の表示に基づいて、その迷子となっている生徒のグループの行動を把握することができる。
その結果、先生は、所定の終了時刻において予定されていたすべての史跡21を巡り終えていない生徒を把握し、携帯電話端末2Aを使用してその生徒と連絡をとったり、そのグループがどこまで巡っているかを把握したりした上で、探しに行くことができる。そのため、先生は、観光地の全域ではなく、たとえばそのグループが最後に訪れたことが判っている史跡21とその次の史跡21との間の区間などの限られた地域について重点的に捜索し、高い確率で且つ短時間で迷子となっている生徒のグループを発見することができる。
また、履歴管理部67は、データの送信要求のすべてを履歴データとして蓄積し、その後、履歴データに含まれる端末ID番号に基づいて迷子となっている端末を特定している。そのため、たとえば、あるグループの生徒がカメラ付きの携帯電話端末2を用いてサーバ装置3に複数回アクセスしてきた場合、その複数回のアクセスが、迷子となっている生徒の情報として、先生が使用する携帯電話端末2Aに表示される。たとえば生徒が、迷った後に元の場所に戻ってサーバ装置3にアクセスしたり、迷っている途中において他の史跡21に設定されたQRコードパターン12をデコードしてサーバ装置3にアクセスしたりした場合には、それらの成績に関係しないアクセスについても、迷子となっている生徒の情報として提供される。したがって、先生は、所定の終了時刻において予定されていたすべての史跡21を巡り終えていない生徒に関する情報として、最新の情報を得ることができる。
履歴管理部67は、また、周期的に履歴データ69を用いて、カメラ付きの携帯電話端末2の端末ID番号毎に、その最新の時刻から所定の時間(たとえば30分や1時間)が経過したか否かを調べる。そして、あるカメラ付きの携帯電話端末2についてその最新の時刻から所定の時間が経過した場合、履歴管理部67は、そのカメラ付きの携帯電話端末2を使用するグループに関する情報を表示する表示データを生成する。
このグループに関する情報には、そのグループを特定する情報が含まれる。また、表示されるグループに関する情報には、その端末ID番号を含むすべてのレコード(アクセス履歴)について、そのレコード(アクセス履歴)に含まれる時刻の順番にしたがって、史跡21の名称とそれぞれの通過時刻とが表示される。
履歴管理部67は、生成した表示データをデータ送出制御部66へ供給する。データ送出制御部66は、学校の引率の先生が使用する携帯電話端末2Aを送信先に指定し、通信I/F74に表示データを送信させる。通信I/F74は、この表示データをインターネット31を介して、先生が使用する携帯電話端末2Aの無線通信I/F46へ送信する。通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したこの表示データを表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した正解の表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49には、予定されているすべての史跡21を巡る途中において迷子となっている生徒のグループに関する情報が表示される。
図13は、先生が使用する携帯電話端末2Aの液晶デバイス49に表示される、史跡21を巡る途中において迷子となっている生徒を示す表示画面の一例を示す説明図である。図13の表示画面では、一番上に迷子となっている生徒のグループが使用するカメラ付きの携帯電話端末2の端末ID番号53が表示されている。また、その下には、その生徒が既に回った史跡21とその通過時刻とが、上から下に通過順に並べて表示されている。先生が使用する携帯電話端末2Aの液晶デバイス49には、所定の課題の消化に伴い得られる各グループのアクセス履歴に基づいて、予定されているすべての史跡21を巡る途中において迷子となっている生徒のグループに関して、その迷子となるまでの複数の史跡21の通過状況が表示される。
この携帯電話端末2Aの表示に基づいて、先生は、予定されているすべての史跡21を巡る途中において迷子となっている生徒のグループを知ることができる。また、その迷子となっているグループがどの史跡21まで巡っているのか、各史跡21を何時訪れているのかを知ることができる。つまり、迷子となっている生徒のグループが既に通過した経路に関する情報の表示に基づいて、その迷子となっている生徒のグループの行動を把握することができる。
その結果、先生は、予定されているすべての史跡21を巡る途中において迷子となっている生徒を把握し、携帯電話端末2Aを使用してその生徒と連絡をとったり、そのグループがどこまで巡っているかを把握したりした上で、探しに行くことができる。そのため、先生は、観光地の全域ではなく、たとえばそのグループが最後に訪れたことが判っている史跡21とその次の史跡21との間の区間などについて重点的に捜索し、高い確率で且つ短時間で迷子となっている生徒のグループを発見することができる。
また、履歴管理部67は、データの送信要求のすべてを履歴データとして蓄積し、その後、履歴データに含まれる端末ID番号に基づいて迷子となっている端末を特定している。そのため、たとえば、あるグループの生徒がカメラ付きの携帯電話端末2を用いてサーバ装置3に複数回アクセスしてきた場合、その複数回のアクセスが、迷子となっている生徒の情報として、先生の携帯電話端末2Aに表示される。たとえば生徒が、迷った後に元の場所に戻ってサーバ装置3にアクセスしたり、迷っている途中において他の史跡21に設定されたQRコードパターン12をデコードしてサーバ装置3にアクセスしたりした場合には、それらの成績に関係しないアクセスについても、迷子となっている生徒の情報として提供される。したがって、先生は、史跡を巡る途中において迷っている生徒に関する情報として、最新の情報を得ることができる。
以上のように、この実施の形態1に係る研修システムは、観光地の複数の史跡21に所定の課題の表示データをコード化したQRコードパターン12を設置し、そのQRコードパターン12を各生徒のグループが使用するカメラ付きの携帯電話端末2にデコードさせることで、各グループに課題を提供する。しかも、QRコードパターン12にはアクセス情報をコード化し、このアクセス情報を用いてサーバ装置3にアクセスさせることで、その所定の課題の回答を提供する。したがって、生徒は、与えられた課題を解くために、各史跡21に到着すればかならずサーバ装置3へアクセスすることになる。生徒は、面倒がらずにサーバ装置3へアクセスすることになる。
また、サーバ装置3は、カメラ付きの携帯電話端末2によるアクセスの履歴を蓄積し、その蓄積したアクセス履歴に基づいて、複数の生徒のグループの成績順のリストや迷子となっている生徒のグループの過去のアクセス履歴を、先生が使用する携帯電話端末2Aに表示させる。その結果、サーバ装置3の使用者や先生は、生徒による史跡21の通過を、生徒に面倒がらせることなく把握し、生徒の行動を把握することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る研修システムは、街中に設定した複数のチェックポイントを順番にまわるゲームを用いた研修に使用可能なものである。ゲームの競技者は、図14に示すようなコマ図にしたがって、所定の時間内にスタート地点からゴール地点までに移動し、且つ、その経路の途中に設定されたチェックポイントを所定の順番で通過することが要求される。図14は、街中に設定した複数のチェックポイントをまわるゲームで使用するコマ図シートの一例を示す図である。このようなゲームを用いた研修は、新入社員の状況判断能力や現場を見る眼を確かめる研修として好適に使用することができる。
図15は、本発明の実施の形態2に係る研修システムにおいて使用する、QRコードを有するシート1を示す正面図である。QRコードを有するシート1は、たとえば塩化ビニル製の白色のマット材11の表面に、二次元コードパターンとしてのQRコードパターン12と、新入社員などが認識可能なマーク91とが並べて印刷される。図15では、星の図案が、新入社員などが認識可能なマーク91として印刷されている。このQRコードを有するシート1は、コマ図シートにしたがって移動する経路の途中に設定された複数のチェックポイントに設定される。QRコードを有するシート1は、たとえば図示外のラミネートフィルムにより被覆され、そのラミネートフィルムに開設された孔に通した紐でたとえばチェックポイント近くの電柱などに設置される。QRコードパターン12には、アクセス情報がコード化される。QRコードパターン12にコード化されるアクセス情報は、シート1毎に異なる。
図16は、本発明の実施の形態2に係る研修システムにおいて、携帯電話端末2,2Aとサーバ装置3とに実現される機能を示す機能ブロック図である。カメラ付きの携帯電話端末2は、各新入社員が使用するものである。携帯電話端末2Aは、研修の管理者が使用するものである。
サーバ装置3の記憶デバイス73は、複数の通過地点の通過順序をカメラ付きの携帯電話端末2に表示させる表示データとしての複数の通過順の表示データ101と、対応テーブル102と、を記憶する。
通過順の表示データ101は、たとえば通過順を示す番号を表示する表示データである。そして、複数の表示データ101による番号は、たとえば1番から1つずつ大きくなる番号の組合せである。
対応テーブル102は、QRコードパターン12にコード化される複数のアクセス情報と、複数の通過順の表示データ101との対応関係を記憶するテーブルである。対応テーブル102において、複数の通過順の表示データ101は、コマ図にしたがって移動する経路において通過する順番にしたがって、番号の小さい順に対応付けられる。したがって、コマ図にしたがって正しく移動した場合、複数の表示データ101による番号は、1番から1つずつ大きくなる。
実施の形態2に係る研修システムにおいて上述した構成以外の構成要素は、実施の形態1の同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態1の同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、実施の形態2に係る研修システムの動作を説明する。
コマ図シートおよびカメラ付きの携帯電話端末2を渡された新入社員は、コマ図シートに記載されるコマ図にしたがって移動する。そして、その移動経路の途中において、チェックポイントに設定された星の図案のマーク91と、QRコードパターン12とを発見すると、持参するカメラ付きの携帯電話端末2を用いて、そのQRコードパターン12を読み取る。
カメラ付きの携帯電話端末2のデコーダ62は、CCDカメラ47が撮像した画像の中のQRコードパターン12を認識し、このQRコードにコード化されていたアクセス情報(たとえばURL)を復号する。デコーダ62は、復号したアクセス情報を表示制御部63へ供給する。
QRコードパターン12からデコードされたサーバ装置3へのアクセス情報が供給されると、表示制御部63は、そのアクセス情報に含まれるサーバ装置3のURL(サーバ装置3内のコンテンツを指すURL)を指定して、通信制御部61にデータの取得を指示する。通信制御部61は、サーバ装置3を送信先に指定したデータの送信要求を生成し、無線通信I/F46へ出力する。通信制御部61が生成するデータの送信要求には、QRコードパターン12からデコードしたアクセス情報と、半導体メモリ43に記憶されている端末ID番号53とが含まれる。無線通信I/F46は、その送信要求を、通信ネットワーク4の基地局33へ送信する。
無線通信I/F46が基地局33へ送信した送信要求は、基地局33、ATM通信網32およびインターネット31を介して、サーバ装置3の通信I/F74により受信される。通信I/F74がデータの送信要求を受信すると、サーバ装置3のデータ送出制御部66は、対応テーブル102を参照し、そのデータの送信要求に含まれるアクセス情報に対応する通過順の表示データ101を特定する。データ送出制御部66は、特定した通過順の表示データ101を記憶デバイス73から読み込み、通信I/F74に送信させる。
また、送信要求に係る通過順の表示データ101を通信I/F74に送信させた後、データ送出制御部66は、通信I/F74が受信したデータの送信要求を履歴管理部67へ供給する。履歴管理部67は、供給されたデータの送信要求を、端末ID番号、およびその供給されたタイマ76の計測時刻とともに、履歴データ69として記憶デバイス73に記憶させる。
サーバ装置3の通信I/F74によりインターネット31へ送出された通過順の表示データ101は、ATM通信網32、基地局33を介して、データの送信要求をした新入社員が使用するカメラ付きの携帯電話端末2の無線通信I/F46へ送信される。カメラ付きの携帯電話端末2の通信制御部61は、無線通信I/F46が受信した通過順の表示データ101を表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した通過順の表示データ101を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49は、通過順の表示データ101を表示する。これにより、新入社員が使用するカメラ付きの携帯電話端末2の液晶デバイス49には、それで読み取ったQRコードパターン12にコード化されたアクセス情報に予め対応付けられている通過順が表示される。
カメラ付きの携帯電話端末2に表示される通過順の番号に基づいて、新入社員は、複数のチェックポイントを正しい順番で通過しているか否かを確認することができる。そして、複数のチェックポイントを正しい順番で通過していることを確認した新入社員は、コマ図シートにしたがって、コマを進めてゴールまで移動する。また、途中のチェックポイントを抜かしてしまったことを確認した新入社員は、たとえばコマ図シートにしたがってコマを戻り、その抜かしてしまったチェックポイントまで戻る。このように、新入社員は、各チェックポイントにおいて通過順を確認することで、複数のチェックポイントを正しい順番で通過するように、スタート地点からゴール地点まで移動することができる。
また、新入社員が各チェックポイントにおいて通過順を確認しながら移動することで、サーバ装置3の記憶デバイス73には、新入社員が使用するカメラ付きの携帯電話端末2によるデータの送信要求が履歴データ69として蓄積される。
サーバ装置3の履歴管理部67は、このような履歴データ69の蓄積処理とともに、その履歴データ69に基づいて各種の処理を実施する。
履歴管理部67は、まず、タイマ76の計測する時刻が予め設定された所定の終了時刻を経過したか否かを監視する。そして、タイマ76の計測する時刻が予め設定された所定の終了時刻を経過した場合、履歴管理部67は、予定されていたすべてのチェックポイントを巡り終えた新入社員を特定し、その特定した新入社員を所定の成績順に並べて表示する表示データを生成する。履歴管理部67は、生成した表示データをデータ送出制御部66へ供給する。データ送出制御部66は、研修の管理者が使用する携帯電話端末2Aを送信先に指定し、通信I/F74に、履歴管理部67により生成された表示データを送信させる。
携帯電話端末2Aの通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したこの表示データを表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49には、予定されていたすべてのチェックポイントを巡り終えた新入社員のリストが成績順に表示される。
これにより、携帯電話端末2Aの液晶デバイス49には、通過順を確認するための各新入社員によるアクセス履歴に基づいて、すべてのチェックポイントを通過した新入社員のリストが成績順に表示される。
また、履歴管理部67は、タイマ76の計測する時刻が予め設定された所定の終了時刻を経過した場合、すべてのチェックポイントを巡り終えていない新入社員を特定し、その新入社員に関する情報を表示する表示データを生成し、データ送出制御部66へ供給する。データ送出制御部66は、研修の管理者が使用する携帯電話端末2Aを送信先に指定し、通信I/F74に、履歴管理部67により生成されたこの表示データを送信させる。
携帯電話端末2Aの通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したこの表示データを表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49には、予定されていたすべてのチェックポイントを巡り終えていない新入社員に関する情報が表示される。
この終了時刻においてすべてのチェックポイントを巡り終えていない新入社員に関する情報には、その新入社員を特定する情報が含まれる。また、表示される新入社員に関する情報には、その端末ID番号を含むすべてのレコードについて、そのレコードに含まれる時刻の順番にしたがって、チェックポイントとそれぞれの通過時刻とが表示される。これにより、携帯電話端末2Aの液晶デバイス49には、通過順を確認するための各新入社員のアクセス履歴に基づいて、終了時刻においてすべてのチェックポイントを巡り終えていない新入社員に関して、その複数のチェックポイントの通過状況が表示される。
また、履歴管理部67は、周期的に履歴データ69を用いて、カメラ付き携帯電話端末2の端末ID番号毎に、その最新の時刻から所定の時間(たとえば30分や1時間)が経過したか否かを調べる。そして、あるカメラ付き携帯電話端末2についてその最新の時刻から所定の時間が経過した場合、履歴管理部67は、そのカメラ付き携帯電話端末2を使用する新入社員に関する情報を表示する表示データを生成し、データ送出制御部66へ供給する。データ送出制御部66は、研修の管理者が使用する携帯電話端末2Aを送信先に指定し、通信I/F74に、履歴管理部67により生成されたこの表示データを送信させる。
携帯電話端末2Aの通信制御部61は、無線通信I/F46が受信したこの表示データを表示制御部63へ供給する。表示制御部63は、無線通信I/F46が受信した表示データ78を、液晶デバイス49へ出力する。液晶デバイス49には、すべてのチェックポイントを巡る途中において迷子となっている新入社員に関する情報が表示される。
すべてのチェックポイントを巡る途中において迷子となっている新入社員に関する情報には、その新入社員を特定する情報が含まれる。また、表示される新入社員に関する情報には、その端末ID番号を含むすべてのレコードについて、そのレコードに含まれる時刻の順番にしたがって、チェックポイントとそれぞれの通過時刻とが表示される。これにより、携帯電話端末2Aの液晶デバイス49には、通過順を確認するための各新入社員のアクセス履歴に基づいて、すべてのチェックポイントを巡る途中において迷子となっている新入社員に関して、その迷子となるまでの複数のチェックポイントの通過状況が表示される。
その結果、研修の管理者は、すべてのチェックポイントを巡る途中において迷子となっている新入社員や、所定の終了時刻においてすべてのチェックポイントを巡り終えていない新入社員を把握し、携帯電話端末2Aを使用してその新入社員と連絡をとったり、その新入社員がどこまで巡っているかを把握したりした上で、探しに行くことができる。そのため、研修の管理者は、チェックポイントを設定した地域の全域ではなく、たとえばその新入社員が最後に訪れたことが判っているチェックポイントとその次のチェックポイントとの間の区間などについて重点的に捜索し、高い確率で且つ短時間で迷子となっている新入社員を発見することができる。
また、履歴管理部67は、データの送信要求のすべてを履歴データとして蓄積し、その後、履歴データに含まれる端末ID番号に基づいて迷子となっている端末を特定している。そのため、たとえば、ある新入社員がカメラ付きの携帯電話端末2を用いてサーバ装置3に複数回アクセスしてきた場合、その複数回のアクセスが、迷子となっている新入社員の情報として、研修の管理者が使用する携帯電話端末2Aの液晶デバイス49に表示される。たとえば新入社員が、迷った後に元の場所に戻ってサーバ装置3にアクセスしたり、迷っている途中において他のチェックポイントに設定されたQRコードパターン12をデコードしてサーバ装置3にアクセスしたりした場合には、それらの成績に関係しないアクセスについても、迷子となっている新入社員の情報として提供される。したがって、研修の管理者は、迷子となっている新入社員に関する情報として、最新の情報を得ることができる。
なお、実施の形態2では、チェックポイントにおいて、カメラ付きの携帯電話端末2がサーバ装置3へアクセスし、通過順の情報を取得しているが、さらに、実施の形態1のように課題などを取得し、その課題に回答するようにしてもよい。また、実施の形態1のように、通過順の情報の代わりに、課題などを取得し、その課題に回答するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態2に係る研修システムは、複数のチェックポイントにアクセス情報をコード化したQRコードパターン12を設置し、そのQRコードパターン12を各新入社員が使用するカメラ付きの携帯電話端末2にデコードさせることで、各新入社員に通過順を確認させる。したがって、新入社員は、その通過順を確認するために、各チェックポイントに到着すればかならずサーバ装置3へアクセスすることになる。新入社員は、面倒がらずにサーバ装置3へアクセスすることになる。
また、サーバ装置3は、新入社員が使用するカメラ付きの携帯電話端末2によるアクセスの履歴を蓄積し、その蓄積したアクセス履歴に基づいて、複数の新入社員の成績順のリストや、迷子となっている新入社員の過去のアクセス履歴を、研修の管理者が使用する携帯電話端末2Aに表示する。その結果、研修の管理者は、新入社員によるチェックポイントの通過を、新入社員に面倒がらせることなく把握し、新入社員の行動を把握することができる。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
たとえば上記実施の形態1では、学校の校章によるマーク13およびQRコードパターン12を印刷したシート1を史跡21の近くに設置している。この他にもたとえば、学校の校章およびQRコードパターン12を印刷したシート1は、建造物、店舗、その他の街に現存する物体の近くに設置するようにしてもよい。
上記実施の形態1では、史跡21に設置するQRコードパターン12に、課題の表示データと、サーバ装置3へのアクセス情報とをコード化し、このアクセス情報に基づくアクセスに基づいてサーバ装置3は、課題に関する情報として、課題の正解の表示データ78を送信している。この他にもたとえば、サーバ装置3は、課題に関する情報として、課題を解くヒントなどの表示データを送信するようにしてもよい。また、史跡21に設置するQRコードパターン12には、サーバ装置3へのアクセス情報をコード化し、このアクセス情報に基づくアクセスに基づいてサーバ装置3が、カメラ付きの携帯電話端末2へ所定の課題を送信するようにしてもよい。
上記各実施の形態では、サーバ装置3は、アクセス情報と1対1に対応付けられた表示データを、そのアクセス情報に基づくデータの送信要求に応じて送信している。この他にもたとえば、サーバ装置3は、その記憶デバイス73がアクセス情報およびカメラ付きの携帯電話端末2の端末ID番号53毎に異なる複数の表示データを記憶し、データの送信要求に含まれるアクセス情報および端末ID番号53に応じた表示データを選択して送信するようにしてもよい。
これにより、たとえばあるグループの生徒に対する課題やヒントと、他のグループの生徒に対する課題やヒントとが互いに異なるものとすることができ、各生徒は、たとえば近くにいる他のグループの生徒の回答を参照して課題に取り組むことができなくなる。
上記各実施の形態では、サーバ装置3は、各カメラ付きの携帯電話端末2のデータの送信要求に応じて課題の正解の表示データ78などを送信している。この他にもたとえば、サーバ装置3は、データの送信要求に含まれるアクセス情報に基づいて、その送信要求がなされた地点を特定し、その地点に応じた最寄りの警察署、緊急連絡先、トイレ、指定休憩所、その他の周辺情報を表示する表示データを、それらの表示データ78とともに送信するようにしてもよい。
これにより、たとえば生徒などは、自分がいる地点において何らかの問題が生じた場合に、その周辺情報を参照して、警察署、緊急連絡先、その他に連絡をしたり、トイレや指定休憩所などに立ち寄ったりすることができる。したがって、生徒などは、見知らぬ土地を巡る場合であったとしても、安心して複数の地点を回ることができる。
上記各実施の形態では、サーバ装置3は、カメラ付きの携帯電話端末2のデータの送信要求に応じて所定の表示データ78,101などを送信している。この他にもたとえば、サーバ装置3は、携帯電話端末2Aなどからの送信要求に基づいて、その所定の表示データ78,101などを電子メールとしてカメラ付きの携帯電話端末2へ送信するようにしてもよい。
これにより、カメラ付きの携帯電話端末2は、QRコードパターン12がデコードできない場合であっても、サーバ装置3から送信される表示データを表示することができる。したがって、生徒などは、たとえばQRコードパターン12が汚れていてそれをデコードすることができない場合であっても、そのQRコードパターン12にコード化されている所定の課題などに取り組むことができる。また、生徒などは、複数の地点を巡ることを中断することなく続けて回ることができる。
上記各実施の形態では、生徒などは、カメラ付きの携帯電話端末2を使用している。この他にもたとえば、生徒などは、QRコードなどの二次元コードのデコード装置と、サーバ装置3と通信可能な携帯端末とを使用するようにしてもよい。このように二次元コードのデコード装置を使用する場合、QRコードのモデル番号は、1番であっても、3番であっても、4番であってもよい。また、二次元コードには、QRコードの他にも、マイクロQRコード、PDF417方式のコード、DataMatrix方式のコード、MaxiCodeなどがある。QRコード、DataMatrix方式のコード、MaxiCodeは、それぞれマトリックスコードの一種である。PDF417は、スタックドバーコードの一種である。二次元コードのデコード装置は、これらのコードによるパターンをデコードするものであってもよい。
なお、上記各実施の形態において、表示データ中の端末ID番号53の代わりに、グループの識別情報を、端末2の識別情報として使用するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態においては、サーバ装置3がカメラ付きの携帯電話端末2Aへ表示データを自動的に送信しているが、サーバ装置3が表示データを蓄積しておき、カメラ付きの携帯電話端末2Aがそのサーバ装置3にアクセスして所定の表示データを取得するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態において、携帯電話端末2Aの代わりに、カメラ機能のない携帯電話端末、通信機能を有するパーソナルコンピュータなどを使用するようにしてもよい。