JP4025104B2 - 一酸化炭素ガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素ガス(以下「COガス」または単に「CO」ともいう)センサに関し、詳しくは、省電力性とガス(COガス)に対する定量性に優れたセンサに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
家庭用のガス漏れや不完全燃焼を検知する警報器をより普及させるため、設置性の改善が強く望まれている。特に、警報器をコードレスとすることは、大幅な設置性の改善が期待できるため、電池駆動の警報器の実現が強く望まれている。従来の酸化錫焼結体を用いた商用電源駆動のガスセンサの消費電力は、200mW〜1Wであるが、5年寿命の電池駆動警報器を実現するためには、現状のセンサから抜本的なセンサ構造と駆動方法の改良が必要となる。すなわち、低消費電力化の方向として、加熱部分を微細化し熱容量の低減化をはかるためのセンサ構造の改良(小型化、熱放散抑制)が重要である。
【0003】
本発明者らは、特開2000−292394号公報に、電池駆動型センサを実現するため、低消費電力化を計るための薄膜ガスセンサの構造について開示している。ここでは、薄膜状の支持膜の外周部または両端部が電気絶縁性の基板により支持されてなるダイヤフラム様の支持基板上に、ガスの有無によって抵抗値が変化する膜状酸化物と、前記膜状酸化物の電気抵抗値を計測する少なくとも1対の電極と、前記膜状酸化物を加熱するためのヒーターとを設けた構造としている。
【0004】
一般にCOを検知する半導体式センサでは、センサ表面は、80〜100℃付近で保持されたときの半導体の抵抗値でもってCOを検知するが、このような低温に保持していると、水分の吸着によってCOの感度が消失するため、表面をクリーニングするための周期的パージ加熱が別途必要となる。電池駆動のCO警報器を実現し、さらに、より電池寿命を延ばすためには、この周期的な加熱に関わる電力をいかに小さくするかが重要となる。
【0005】
一方、CO警報器に求められる性能として、CO濃度に対する定量性がある。すなわち、COの人体に対する影響度は、その濃度と暴露時間の積によるため、高濃度であれば、早く警報を発する必要があるし、低濃度であれば、一定の時間をおいて警報を発することが許されるし、ある濃度以下であれば、警報を発する必要はない。
【0006】
たとえば、日本ガス機器検査協会の基準では、COが550ppmでは5分以内に警報し、COが200ppmでは15分以内に警報し、COが25ppm以下では無警報であることが規定されている。
【0007】
我々は、特開2000−292394号公報に示されてなる構造において、感ガス体である酸化スズ薄膜や選択燃焼触媒層を最適化し、COに対する定量性を向上させる駆動モードについて、鋭意研究を行った。すなわちセンサの抵抗値変化とCOの濃度との関係において広範に一定の濃度勾配をもつための駆動モードを、本センサ構造について鋭意研究した
【0008】
図8に、本構造を用いたセンサの駆動方法のフローを示す。その結果、パージ温度の時間を100msec以上とした場合には、CO検知モードにおけるセンサの抵抗値の変化は、CO濃度が30〜500ppmの範囲の濃度勾配が大きくなるが、パージ温度の時間を100msec以下とした場合には逆に、この濃度域での抵抗値変化の濃度勾配は小さくなることが分かった。
【0009】
[発明の目的]
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、極めて省電力であるダイヤフラム状(様)のCOガスセンサにおいて、ヒートパージによる電力損失を極力抑えることによる省電力化とCOに対する定量性の向上とを同時に達成するためのCOセンサを提供するところにある。
【0010】
本発明者らは、このパージ温度の時間を100msec以下とした場合においては、定量的な検知には不向きであるものの、COの有無を判定するに限っては有意な動作モードであることを突き止めた。そこで、発明者らは、以下の駆動を行うためのCO警報器を完成させた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のCOガスセンサは、薄膜状の支持膜の外側円周部または左右両端部が電気絶縁性の基板により支持されてなる支持基板上に、ガスの有無によって電気抵抗値が変化する膜状酸化物と、前記膜状酸化物の電気抵抗値を計測する少なくとも1対の電極と、前記膜状酸化物を加熱するためのヒーターを設け、前記ヒーターへの電圧印加は、一酸化炭素ガスを検知するための検知用電圧印加モードと、センサ素子表面のクリーニングを目的としたパージ用電圧印加モードと、電圧を印加しない非印加モードとを、所定の周期で繰り返すことにより行われ、前記の検知用電圧印加モードにおける前記膜状酸化物の電気抵抗値によって一酸化炭素ガスを検知するセンサにおいて、前記パージ用電圧印加モードとして、第1パージモードと、前記第1パージモードよりも時間が長く設定された第2パージモードを有し、前記ヒーターへの電圧印加が、前記第1パージモードと前記検知用電圧印加モードと前記非印加モードからなる第1パージモードサイクルと、前記第2パージモードと前記検知用電圧印加モードと非印加モードからなる第2パージモードサイクルとを切り替えて実行するよう設定され、前記第1パージモードサイクルから前記第2パージモードサイクルへの切り替えのための前記膜状酸化物の電気抵抗値を予め設定値として認識させておき、前記第1パージモードサイクルにおいて、前記検知用電圧印加モードと、前記第1パージモードと、前記非印加モードからなる群より選ばれた少なくとも1つのモード中に測定した前記膜状酸化物の電気抵抗値が前記設定値を超えるとき、前記第2パージモードサイクルに進むように構成し、当該第2パージモードサイクルにて前記膜状酸化物の電気抵抗値を測定して該電気抵抗値が所定の値を超えているか否かの判断を下し、超えている場合には警報を発するように構成したものである。
【0012】
請求項2に記載のCOガスセンサは、請求項1に記載のセンサにおいて、前記第1パージモードの間は50〜200msecの範囲に設定され、前記第2パージモードの間は100msecより大きく、かつ前記第1パージモードの時間よりも長く設定されてなるものである。
【0013】
【発明の実施の態様】
パージ用電圧印加モードとしては、所定の時間より短かくした第1パージモードと、この第1パージモードの時間よりも長く設定した第2パージモードのいずれかを選択するよう設定し、通常は、前記第1パージモードサイクルによって低濃度のCOに対しても鋭敏なセンサ状態で検知を行う。
【0014】
前記第1パージモードサイクルから前記第2パージモードサイクルへの切り替えは、CO検知するため検知用電圧印加モードと、パージ用の電圧印加モードである第1パージモードと、電圧を印加しない非印加モードより選ばれる少なくとも1つのモードにおける前記膜状酸化物の電気抵抗値が、所定の値を超えるか否かによって判定される。そして、第2パージモードサイクルを繰り返しているときの検知用電圧印加モードに於ける電気抵抗値でもってCOの濃度判定を行う。これにより、実使用環境ではCOが発生する時間は総使用時間のごく一部であるために、消費電力の低減が可能となり、またCOが発生したときにはパージモードサイクルを切り替え、定量性を向上させて警報を発することが可能となる。
【0015】
ここで、第1パージモードの(即ち、第1パージモードのON時間)は50〜200msecの範囲であり、また第2パージモードの(即ち、第2パージモードのON時間)を100msecよりも大きく、且つ第1パージモードの間よりも長い時間に設定している。第1パージモードの間が50msecよりも短くなると、経時的にCO感度が低下するため、これよりも長く設定する必要がある。しかし、200msecよりも長くなると、第1パージモードを採用することによる消費電力の低減の効果がなくなるため、50msecから200msecの範囲で設定することが望ましい。
【0016】
また、第2パージモードの間が100msecよりも短いと、センサ抵抗変化のCOの濃度依存性が小さくなり、CO=100ppmレベルと、CO=300ppmレベルとの区別ができなくなる。また、第2パージモードの時間が1000msecを超えた場合には、COの濃度依存性における改善の効果が小さくなるため好ましくない。
【0017】
ここで、パージに相当する電圧は、表面のクリーニングを行うための表面温度に導く電圧であれば良く、例えば400℃以上に設定し得る電圧である。なお、本構造のセンサにおいては、パージ用電圧印加後、2msecにおいてセンサ表面の温度はパージ用の表面温度に達するため、パージモードの間は、ほぼセンサ表面におけるージ用温度の保持時間に相当する。
【0018】
また、前記第1パージモードサイクルから前記第2パージモードサイクルへの切り替えは、前述したように、検知用電圧印加モードと、第1パージードと、非印加モードより選ばれる少なくとも1つのモードにおける前記膜状酸化物の電気抵抗値、所定の値を超えるか否かによって判定する。
【0019】
ここで、酸化スズ半導体のようなn型半導体で、COガスの存在下で電気抵抗値が減少するような膜状酸化物では、この電気抵抗値が所定の値よりも小さくなるかどうかによって判定する。また、酸化銅、酸化ニッケルのようなp型半導体で、COガスの存在下で電気抵抗値が増大するような膜状酸化物では、この電気抵抗値が所定の値よりも大きくなるかどうかによって判定する。
【0020】
次に、本発明のセンサの判定のサイクルについて、以下詳述する。図1では、前記第1パージモードサイクルから、前記第2パージモードサイクルへの切り替えはCOを検知するための検知用圧印加モード(以下、CO検知モードということがある。)における膜状酸化物の電気抵抗値によって判断している。すなわち、前記第1パージモードサイクルから第2パージモードサイクルへの切り替えのための電気抵抗値を予め設定して認識させておき、この設定値を、前記検知用電圧印加モードおいて測定した前記膜状酸化物の電気抵抗値が超えるときに第2パージモードサイクルに進むように構成している。
【0021】
ここでは第1パージモード時間を50msec、CO検知モード時間を500msec、印加モードの時間を20秒とした。この第1パージモードイクルで、CO検知モードの電気抵抗値の変化によって、第2パージモードサイクルへの移行判断を行うが、第2パージモードサイクルへの移行は、CO検知モード終了直後に移行しても良いが、それまでの規則的なサイクル通り、いったん電圧非印加時間を経た後に、第2パージモードサイクルに移行してもよい。
【0022】
第2パージモードサイクルに移行すると、CO検知モードにおける膜状酸化物の抵抗値とCO濃度との関係は図7のようになる。比較のため、図6に、第1パージモードサイクルのCO検知モードに於ける膜状酸化物の抵抗値とCO濃度との関係を示す。第2パージモードサイクルへの移行によって、30ppmから300ppmにかけての濃度勾配が高くなり定量性が向上することが分かる。
【0023】
本発明者らは、さらに、第1パージモードサイクルから、第2パージモードサイクルへの切り替えを速やかにして省電力化を図る検討をさらに行った。すなわち、COの有無判定を行うのは、CO検知モードだけではなく、第1パージモードにおける電気抵抗値変化あるいは印加モードにおける電気抵抗値の変化においても可能であることを突き止めた。
【0024】
図5に、第1パージモードサイクル時の膜状酸化物の抵抗値の雰囲気CO濃度依存性について、第1パージモード中、非印加モード中について示している。この図から明らかなように、いずれのモードに於いても、airレベルとCO=30ppm以上のレベルとは抵抗値の差が得られており、これらのモード中でCOの有無を判定することが可能である。
【0025】
CO検知モードにおける判定に加え、第1パージモード中の抵抗値変化による判定を行う場合の判定サイクルを図2に示す。
【0026】
このような流れによって、前述の、パージ時間の延長の判断を、CO検知モード時においてのみ行う場合に比べ、より迅速にCOの定量的判定を行うための第2パージモードサイクルに移行できる。
【0027】
また図3では、第2パージモードサイクルへの移行を、CO検知モード、第1パージモード中の抵抗値変化に加え、印加モードにおける抵抗値変化による判定を加えた場合のサイクルを示している。これにより、さらに第2パージモードサイクルへの移行を早め、早期にCOの濃度に基づく警報を発することが可能となる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の詳細を具体的に説明する。
<マイクロセンサの製造方法>
図4に、本発明の実施例に用いた薄膜ガスセンサの構造を示す。両面に熱酸化膜が3000オングストローム形成されたSi基板の表面に、ダイフラム構造の支持層となるSiNとSiO膜を順次プラズマCVD法にてそれぞれ1500オングストロームと1μm形成した。この上にヒータ層としてPtW膜を0.5μm形成し、ウエットエッチングによりヒータパターンを形成した。さらに、SiO絶縁膜をスパッタ法により2.0μm形成した後、ヒータと電極パッドの接合個所をHFにてエッチングして窓明けを行った。
【0029】
次に、Pt/Ta(2000オングストローム/500オングストローム)膜をガス検知膜の電極として成膜しウエットエッチングによりパターニングした。ここでTaは、SiOとPt膜間の接合層としての役割をもつ。さらに、この上部にガス検知膜としてスパッタ法によるSnOをリフトオフ法により0.1〜10μmの厚さにて形成した。次にアルミナ粒子にPd触媒を0.1〜7.5wt%担持させた粉末をバインダとともにペーストとし、スクリーン印刷によりSnOの表面に塗布して焼成させ、約30μm厚の選択燃焼層を形成した。最後に、基板の裏面からドライエッチングによりSiを400μm径の大きさにて完全に除去し、そしてダイフラム構造とした。
【0030】
<センサ駆動方法>
図3に示すフローチャートによって動作する警報動作回路を作製した。第1パージモードの間は50msec、CO検知モード時間を500msec、ヒーターOFFの非印加モードの時間を149.45としている。したがって、本実施例の第1パージモードイクルは2分30秒である。
【0031】
なお、第1パージモードの時間は省電力化のため、より短い方が望ましいが、50msec以下ではパージの効果がほとんどなくなる。上限値は、省電力化の観点で選定すれば良く、200msecを超える場合では第2パージモードを設定する必要がなくなるため、200msecまでの範囲で設定する。
【0032】
第2パージモードサイクルへの判定は、第1パージモードサイクルにおける第1パージモード時、CO検知モード時および印加モード時の各々で行うようにしており、この判定を行うのはそれぞれのモードの最終点である。また、各ード時における膜状酸化物の電気抵抗値と感度は異なるため、それぞれのード時のairレベルとCO感度から判定レベルを決定した。
【0033】
第2パージモードの時間は200msecとした。この時間は長いほど、出力とCO濃度との関係において濃度勾配を大きくするために有利ではあるが、400msecを超えるとこの効果は飽和し、1000msecを超えると省電力化の観点で好ましくない。
【0034】
第2パージモードサイクルにおけるCO検知モードのセンサ出力の判定は、その出力に応じて異なる警報を発するように設定して良い。また、第2パージモードサイクルの出力が所定の値よりも低くなった場合には、第1パージモードサイクルに復帰する。ここで、第1パージモードサイクルへの復帰は、本実施例では第1パージモードサイクルのヒーターOFFのモードへ移行するようにしたが、第1パージモードサイクルのその他のモード(第1パージモードやCO検知モード)に移行しても良い。
【0035】
第2パージモードサイクルにおけるCO検知モードで所定値(例えばCO濃度100ppmの感度相当以上であり、下記実施例では具体的には10kΩ以下)の測定値が得られたとき、すなわちCOの存在が確実である状況下にあっては、ヒーターFFの時間は第1パージモードサイクルにおけるCO検知モード終了後のヒーターFFの時間よりも短く設定しても良い。これにより、環境のCO濃度の変化に応じて、よりきめ細やかに警報を発することができる。
【0036】
本実施例では、第1パージモードサイクルから第2パージモードサイクルに移行しても、検知サイクルが150秒に保たれるような設定とした。
【0037】
電池容量としては、アルカリ単2電池を2個搭載し、警報動作はLEDの点滅で確認するようにした。CO濃度は70〜200ppm相当、CO=200〜500ppm相当において、それぞれ第1警報動作として、5秒周期で1回の点滅、第2警報動作5秒周期で3回の点滅というように、濃度に応じ異なる警報が得られるようにした。
【0038】
警報器の試験を以下のように行った。警報器を試験用チャンバに設置し、ガスかけの試験を次のサイクルで実施した。すなわち、CO=30ppm相当(10分)→air(1時間20分)→CO=100ppm相当(10分)→air(1時間20分)→CO=300ppm(10分)→air(1時間20分)のサイクルを100回行った。
【0039】
下記[表1]に試験期間中の警報発報回数と電池残量を示す。本発明の検知モードを採用した警報器と、比較用として、図8に示す検知モード(パージモード時間を50msec,100msec,200msecの3種)を採用した警報器の結果を示している。
【0040】
【表1】
Figure 0004025104
100回経過時の電池消費量は、比較例3に示す従来の200msecでの固定パターンでは25.1mWh消費することが分かった。本発明のモードでは、12.6mWhであり、50msecに固定した場合(比較例1)と同程度しか消費されないことが分かった。また、COに対する応答は、比較例1では本来警報を発するべきでない30ppmのCOに対して、第1警報が15回程度発報を生じ、かつCO=100ppm時、CO=300ppm時での発生回数がほぼ同等で、これらの濃度間での区別が困難なことが分かる。
【0041】
また、比較例2ではCO=30ppmレベルでは無警報を維持でき、CO=100ppmレベル、CO=300ppmレベルの認識を、約70%の確率でおこなえることが分かる。したがって、本発明では第2パージモードの時間として200msecに設定したが、CO=30ppmでは無警報であり、且つ半分以上の確率で、100ppmと300ppmとを認識する場合には、第2パージモードの間に100msecを設定すればよい。
【0042】
一方、本発明の駆動方法では、CO=30ppmでは、一度も警報を発することなく、かつCO=100ppm時にはほとんど第1警報を、CO=300ppm時にはほとんど第2警報を発生させることができ、これらの間の濃度の区別ができていることが分かった。この特性は、電力消費がほぼ2倍である比較例2の警報動作機能と同等であることが分かった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、省電力化とCOに対する定量性の向上とを同時に達成し得るCOセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサによる駆動パターンを示すチャート図である。
【図2】他の駆動パターンを示すチャート図である。
【図3】さらに他の駆動パターンを示すチャート図である。
【図4】本発明のガスセンサのセンサ素子構造を示す拡大断面図である。
【図5】本発明のセンサの第1パージモードサイクルにおける膜状酸化物抵抗値とCO濃度との関係を示す図である(第1パージモード中および非印加モード中)。
【図6】本発明のセンサの第1パージモードサイクルにおける膜状酸化物抵抗値とCO濃度との関係を示す図である(CO検知モード中)。
【図7】本発明のセンサの第2パージモードサイクルにおける膜状酸化物抵抗値とCO濃度との関係を示す図である(CO検知モード中)。
【図8】従来の駆動パターンを示すチャート図である。

Claims (2)

  1. 薄膜状の支持膜の外側円周部または左右両端部が電気絶縁性の基板により支持されてなる支持基板上に、ガスの有無によって電気抵抗値が変化する膜状酸化物と、前記膜状酸化物の電気抵抗値を計測する少なくとも1対の電極と、前記膜状酸化物を加熱するためのヒーターを設け、前記ヒーターへの電圧印加は、一酸化炭素ガスを検知するための検知用電圧印加モードと、センサ素子表面のクリーニングを目的としたパージ用電圧印加モードと、電圧を印加しない非印加モードとを、所定の周期で繰り返すことにより行われ、前記の検知用電圧印加モードにおける前記膜状酸化物の電気抵抗値によって一酸化炭素ガスを検知するセンサにおいて、
    前記パージ用電圧印加モードとして、第1パージモードと、前記第1パージモードよりも時間が長く設定された第2パージモードを有し、
    前記ヒーターへの電圧印加が、前記第1パージモードと前記検知用電圧印加モードと前記非印加モードからなる第1パージモードサイクルと、前記第2パージモードと前記検知用電圧印加モードと前記非印加モードからなる第2パージモードサイクルとを切り替えて実行するよう設定され、
    前記第1パージモードサイクルから前記第2パージモードサイクルへの切り替えのための前記膜状酸化物の電気抵抗値を予め設定値として認識させておき、
    前記第1パージモードサイクルにおいて、前記検知用電圧印加モードと、前記第1パージモードと、前記非印加モードからなる群より選ばれた少なくとも1つのモード中に測定した前記膜状酸化物の電気抵抗値が前記設定値を超えるとき、前記第2パージモードサイクルに進むように構成し、
    当該第2パージモードサイクルにて前記膜状酸化物の電気抵抗値を測定して該電気抵抗値が所定の値を超えているか否かの判断を下し、超えている場合には警報を発するように構成したことを特徴とする一酸化炭素ガスセンサ。
  2. 前記第1パージモードの間は50〜200msecの範囲に設定され、前記第2パージモードの間は100msecより大きく、かつ前記第1パージモードの時間よりも長く設定されてなる請求項1に記載の一酸化炭素センサ。
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