JP4024484B2 - バスアービタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バスアービタに関し、例えば、画像情報のデジタル処理を行う機器のメモリ活用技術におけるバスアービタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バスアービタは一般に、画像処理装置全般、特に、デジタル複写機、スキャナ、プリンタ、FAX等に適用され構成される。
【0003】
本願発明と技術分野の類似する先願発明例の特開平8−149241号公報に記載されてある様に、スキャナ、プリンタ、画像を記憶させる画像メモリを持つコントローラ等の各機能機器を汎用バスで接続し、インターフェースを共通化することで別々の機器の接続のための無駄な回路、制御ソフトの増加を抑制し、また、拡張性の高いシステムとすることを目的としたシステムが考案されている。
【0004】
この様なシステムにおいて、スキャナからの読み取り、及びプロッタへの画像出力時は、スキャナとプロッタが一定速度で動作するシステムでは、コントローラの画像メモリとの間で一定量のデータをバスを介して転送する必要があるため、一時的にバストラフィックが激しく増加し、このことは高速機になるにしたがい顕著になる。
【0005】
ところで、このような汎用バスにIEEE1394、USB等の通信系のインターフェースを接続することも可能であり、このようなインターフェースを介して外部機器とデータを送受信することが一般的に行われている。
【0006】
以上のように汎用バスに、スキャナ、プロッタ、通信系インターフェースデバイス等の複数のバスマスタが存在する構成では、バスの調停方法が重要になってくる。バスの調停方法として一般的に知られているものには、固定優先順位方式、ラウンドロビン方式等がある。前者の固定優先順位方式は、バス要求が同時に発生した場合に、あらかじめ固定的に設定された優先順位にしたがって高い方にバス使用権を与える方法である。また、後者のラウンドロビン方式は、優先順位が固定ではなく、バス使用権をとった直後に優先順位が最下位になり、全体として公平に調停される方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の調停方式にはそれぞれ長所、短所がある。前者の固定優先順位方式は、優先順位が高いデバイスにはバス獲得が保証され優位であるが、低いデバイスは自分より高いデバイスからの要求がある限りバスが獲得できない状況が発生するという短所がある。また、後者のラウンドロビン方式は、公平にバス獲得のための調停が行われるという長所があるが、逆にバスの使用率を各デバイス毎に転送データ量、密度に応じて異ならせたい場合には不向きという短所がある。
【0008】
ラウンドロビン方式は、本来バス自体の持つデータ転送能力(バス幅×所定あたりのデータの転送時間)が、スキャナ、プロッタ等のデバイスが動作時に転送しなければならないデータ量に対し限界に近いほど、なおさら不向きと言える。しかし、固定優先順位方式を採用した場合、スキャナ、プロッタ等のデバイスが動作時には、通信系インターフェース等の他のデバイスはバスを必要期間内に全く獲得できない状況が生じてしまい、通信異常を発生してしまう可能性が出てくる。
【0011】
請求項1記載の構成を有することにより、特定事象発生時の第1のバスマスタ以外の優先度の低いバスマスタからの要求に対し、バス使用権を与えた後の次のバス獲得要求を一定期間をマスクすることで、バスの使用頻度を一時的に低下でき、簡単な構成で第1のバスマスタのデータ転送効率が確約されるように調停することができるバスアービタを提供することを目的とする。
【0012】
請求項2記載の構成を有することにより、特定事象発生時の第1のバスマスタ以外の優先度の低いバスマスタからの要求に対し、バス使用権を与える間隔を可変にでき、バス上を構成するデバイスの状態等、システムに応じて、簡単な構成で第1のバスマスタのデータ転送効率が確約されるように調停することができるバスアービタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載のバスアービタは、デジタル処理を行う機器に適用され、共通のバスに接続されている複数のバスマスタからのバス獲得要求を調停するバスアービタにおいて、第1のバスマスタからのバス獲得要求に対し、バス使用権を与えた後の一定期間以内を事象発生と判定して、バス獲得頻度制御部に事象発生信号を出力する事象検出部と、前記バスの獲得要求時に、バスマスタに対して使用権を与える頻度を制限するバス獲得頻度制御部と、を備え、前記バス獲得頻度制御部は、特定の事象により発生した第1のバスマスタからのバス獲得要求が存在する場合に前記第1のバスマスタ以外のバスマスタからのバス獲得要求に対して、特定の事象が発生していない通常の場合より、バス使用権を与える頻度を制限し、前記事象検出部からの事象発生信号を受けている間に、前記第1のバスマスタ以外のバスマスタに対しバス使用権を与えた際に、該バスマスタの次のバス獲得要求を所定期間マスクするように制御するようにしたことことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のバスアービタにおいて、所定期間は、任意に変更可能としたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明によるバスアービタの実施の形態を詳細に説明する。図1から図3を参照すると、本発明のバスアービタの一実施形態が示されている。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係るバスアービタ1の実施の形態の一例を示すシステム構成図であり、システムバス上に、バスマスタと成り得る3つのデバイスとメモリ2を接続してなるシステム構成例を示している。図中の点線部は各マスタから出力されるバスマスタ獲得のための要求信号である。バスアービタはこれらの要求信号の調停を行い、3つのバスマスタの1つにバスの使用許可を与える。
【0019】
本発明の請求項記載の第1のバスマスタに相当するデバイスは、本実施例ではスキャナ3である。原稿読み取り時、このスキャナ3は、一定速度で原稿をスキャンし、次々とラスタ形式でシステムバス上のメモリ2に一定量の画像データを転送する。システム制御部4は、スキャナ3、通信系デバイスであるIEEE1394(5)と通信を行い動作状態に関する各コマンド、ステータスのやりとりを行う。
【0020】
図2は、バスアービタ1の内部の構成と各マスタデバイスの接続状態を示している。バスアービタ1は、ハードウェアロジックで構成され、以下、各ブロック毎に機能説明を行う。
【0021】
<2−1(調停回路)の説明>
調停回路11は、ラウンドロビン方式の調停を行う回路で、それぞれ各マスタからバス獲得のための要求信号が入力され、それに対しそれぞれ許可信号を出力している。
【0022】
<2−2(事象検出部)の説明>
事象検出部12は、マスタデバイス1の許可信号により時間計測を開始し、あらかじめ決められた時間計測後停止するようなカウンタで構成される。その一定時間計測中に、マスク時間計測部に対し事象発生信号を出力する。なお、マスタデバイス1は、図1のスキャナ3に相当する。スキャナ動作が行われていない状態では、マスタデバイス1からはバスアービタにはバス獲得要求が出力されず、よってその許可信号1も出力されず、事象発生信号は出力されない。また、カウンタ計測中にマスタデバイス1の許可信号が入力されると、カウンタが初期化され、その時点からさらに一定時間を計測する動作を行う。
【0023】
<2−3(マスク時間計測部)の説明>
事象検出部12からの事象発生信号がアクティブ中に調停回路から許可信号が入力されると時間計測を開始し、あらかじめ決められた時間計測後停止するようなカウンタで構成される。その一定時間計測中に要求マスク部に対し、要求マスク信号を出力する。このカウンタで計測する時間計測値は、初期化時にシステム制御部4より直接書き換えが可能な構成としてあり、マスタデバイスの種類に応じてバス獲得頻度が変更可能としている。
【0024】
<2−4(要求マスク部)の説明>
マスク時間計測部から出力される要求マスク信号がアクティブ中には、マスタデバイスからのバス獲得要求が調停回路に伝わらないようにバス獲得要求信号をマスクするゲート回路で構成される。
以上がバスアービタの構成の説明である。
【0025】
図3には、バス調停の様子を示す。バスマスタ1のバス獲得要求がない場合には、他のバスマスタ2、3は要求マスクをされることなく、特別なバス使用の制限は受けずにバスを獲得している。しかし、バスマスタ1がバスの獲得要求を発生し、事象発生を検出した場合、バスマスタ2、3は一定期間、バス要求をマスクされ、それによってバス使用頻度を制限される。これによって、他のバスマスタのバス使用頻度を一時的に低下させることができ、かつ優先度の低いバスマスタからの要求を無視することなく、第1のバスマスタのデータ転送効率が確約されるように調停することができる。
【0026】
また、本実施例では特定の事象検出をアービトレーションのための許可信号から行っているが、スキャナ等のデバイスから直接バスアービタに入力する構成とすることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明のバスアービタは、特定事象発生時の第1のバスマスタ以外の優先度の低いバスマスタからの要求に対し、バス使用権を与えた後の次のバス獲得要求を一定期間をマスクする。このことで、バスの使用頻度を一時的に低下でき、簡単な構成で第1のバスマスタのデータ転送効率が確約されるように調停することができる。
【0031】
請求項2記載の発明では、特定事象発生時の第1のバスマスタ以外の優先度の低いバスマスタからの要求に対し、バス使用権を与える間隔を可変にでき、バス上を構成するデバイスの状態等、システムに応じて、簡単な構成で第1のバスマスタのデータ転送効率が確約されるように調停することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバスアービタの実施形態が適用されるシステム構成図である。
【図2】バスアービタの内部の構成と各マスタデバイスの接続状態を示す図である。
【図3】バス調停の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 バスアービタ
2 メモリ
3 スキャナ
4 システム制御部
5 IEEE1394
11 調停回路
12 事象検出部
Claims (2)
- デジタル処理を行う機器に適用され、共通のバスに接続されている複数のバスマスタからのバス獲得要求を調停するバスアービタにおいて、
第1のバスマスタからのバス獲得要求に対し、バス使用権を与えた後の一定期間以内を事象発生と判定して、バス獲得頻度制御部に事象発生信号を出力する事象検出部と、
前記バスの獲得要求時に、バスマスタに対して使用権を与える頻度を制限するバス獲得頻度制御部と、
を備え、
前記バス獲得頻度制御部は、
特定の事象により発生した第1のバスマスタからのバス獲得要求が存在する場合に前記第1のバスマスタ以外のバスマスタからのバス獲得要求に対して、特定の事象が発生していない通常の場合より、バス使用権を与える頻度を制限し、
前記事象検出部からの事象発生信号を受けている間に、前記第1のバスマスタ以外のバスマスタに対しバス使用権を与えた際に、該バスマスタの次のバス獲得要求を所定期間マスクするように制御するようにしたことを特徴とするバスアービタ。 - 前記所定期間は、任意に変更可能としたことを特徴とする請求項1記載のバスアービタ。
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