JP4024340B2 - 木質基材の毛羽立ち防止方法およびこの方法により毛羽立ち防止された木質基材塗装品 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、木質基材の毛羽立ち防止方法、およびこの方法により毛羽立ち防止された木質基材塗装品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、公害防止の観点から、有機溶剤を溶媒とする塗料から水を溶媒とする水系塗料への転換が強く求められている。
【0003】
しかしながら、木質基材表面に、水系塗料による塗装を行なうと、木は親水性であるため水を直ぐに吸収して膨潤を起こし、この膨潤力により木目等の組織の荒い箇所は毛羽立ち、目ブクレを起こすという問題がある。
【0004】
したがって、従来は木質基材表面に、疎水性樹脂の塗膜を形成する塗料、たとえばUV硬化塗料、ラッカー、ポリウレタン樹脂塗料などを塗布、乾燥した後、水系塗料を塗布、乾燥する方法が採られている。
【0005】
しかしながら、この方法では、木質基材の毛羽立ち、目ブクレを防止することができるものの、下地処理でUV硬化塗料を使用する場合、UV照射機等の設備費および運転費が必要であり、また下地処理としてラッカー、ポリウレタン樹脂塗料などの塗料を使用する場合、乾燥炉、棚等の設備およびその運転費が必要であるため、設備費等が高くつくという問題がある。
【0006】
したがって、本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究し、木質材表面に、イソシアネート化合物と水可溶性アルコール系溶媒とを含有してなる下地処理剤を塗布した後、塗布された水性下地処理剤が乾燥しないうちに水系塗料を塗布、乾燥ないし硬化させることにより、木質基材の毛羽立ちと導管部の目ブクレを防止することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、下地処理に必要な設備費およびその運転費のコストダウンが図れる、木質基材の毛羽立ち防止方法およびこの方法により毛羽立ち防止および導管部の目ブクレ防止された木質基材塗装品を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法は、
木質基材の表面に、イソシアネート化合物(a)と水可溶性アルコール系溶媒(b)とを含有してなる水性下地処理剤(A)を塗布し、
次いで、塗布された水性下地処理剤(A)が乾燥しないうちに、水系塗料(B)を塗布、乾燥ないし硬化させることを特徴としている。
【0009】
前記水性下地処理剤(A)による塗装を行なうに際して、水性下地処理剤(A)の反応速度を調製するために、必要により、硬化促進剤(c)および/または硬化遅延剤(d)を水性下地処理剤(A)に配合することができる。
【0010】
本発明に係る毛羽立ち防止された木質基材塗装品は、
上記の本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法により、水性下地処理剤(A)による下地処理と水系塗料(B)の塗装がなされていることを特徴としている。
【0011】
なお、本明細書における「毛羽立ち」とは、木質基材が水を含むことにより、木質基材の導管部のルーズな箇所がカールしたように起き上がっている状態をいい、また、「目ブクレ」とは、木質基材が水を含むことにより、木質基材の導管部全体が盛り上がっている状態をいう。
【0012】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法、およびこの方法により毛羽立ち防止された木質基材塗装品について具体的に説明する。
【0013】
まず、本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法で用いられる水性下地処理剤(A)と水系塗料(B)について説明する。
水性下地処理剤(A)
本発明で用いられる水性下地処理剤(A)は、イソシアネート化合物(a)と水可溶性アルコール系溶媒(b)とを含有してなり、必要に応じて、硬化促進剤(c)および/または硬化遅延剤(d)を配合することができる。
【0014】
[イソシアネート化合物(a)]
本発明で用いられるイソシアネート化合物(a)としては、従来公知のモノイソシアネート類、ジイソシアネート、トリイソシアネート等のポリイソシアネート類、ポリイソシアネート類とポリオールとの重・縮合反応で合成されるポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0015】
モノイソシアネート類としては、具体的には、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、α- ナフチルイソシアネート、β- ナフチルイソシアネートなどが挙げられる。
【0016】
ジイソシアネートとしては、具体的には、
4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI]、トリレンジイソシアネート[TDI]、キシリレンジイソシアネート[XDI]等の芳香族ジイソシアネート;
メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)[HMDI]、イソホロンジイソシアネート[IPDI]等の脂環式ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート[TMHMDI]等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0017】
トリイソシアネートとしては、具体的には、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、従来公知の湿気硬化性ポリウレタン樹脂、触媒硬化型ポリウレタン樹脂、ポリオール硬化性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0018】
湿気硬化性ポリウレタン樹脂は、ウレタンプレポリマーの1液性で、遊離イソシアネートを含み、このイソシアネート基に空気中の湿気が反応して硬化し、塗膜を形成する。空気中の湿気が硬化剤の役割を果たす。このウレタンプレポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常1,000〜4,000である。
【0019】
触媒硬化型ポリウレタン樹脂は、遊離イソシアネート基を含むウレタンプレポリマーの2成分系でトリエチレンジアミン等の触媒(硬化剤)を加えて用い、湿気の作用で硬化して塗膜を形成する。このウレタンプレポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常1,000〜4,000である。
【0020】
ポリオール硬化性ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート類と多水酸基含有高分子化合物(硬化剤)の2液性で、使用に際して両液を一定の割合で混合し、ポットライフの制限内で使用する。
【0021】
上記のようなイソシアネート化合物(a)の中でも、下記に示すイソシアヌレート環を形成し得るMDI、TDI、XDI、HMDI、IPDI、および湿気硬化性のTDI系ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
【0022】
【化1】
【0023】
上記のようなイソシアネート化合物(a)は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
[水可溶性アルコール系溶媒(b)]
本発明で用いられる水可溶性アルコール系溶媒(b)としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、ベンジルアルコール、メトキシプロパノール、ソルビットなどのアルコール類が挙げられる。
【0024】
上記のような水可溶性アルコール系溶媒(b)は、希釈溶剤として用いられ、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
水可溶性アルコール系溶媒(b)の配合量は、使用するイソシアネート化合物(a)の種類により異なり、主として水性下地処理剤(A)の塗装に際して使用する塗装機の作業性を考慮して決定される。
【0025】
[硬化促進剤(c)]
本発明で必要に応じて用いられる硬化促進剤(c)としては、具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ-(2-エチルヘキソエート)等の有機スズ化合物;トリエチレンジアミン等の第三級アミン類などが挙げられる。
【0026】
上記のような硬化促進剤(c)は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
硬化促進剤(c)は、使用するイソシアネート化合物(a)の反応調整剤として用いられる。硬化促進剤(c)は、後述の硬化遅延剤(d)を併用することができる。
【0027】
硬化促進剤(c)の配合量は、使用するイソシアネート化合物(a)の反応速度により異なるが、水性下地処理剤(A)の可使時間(ポットライフ)を考慮して決定される。
【0028】
[硬化遅延剤(d)]
本発明で必要に応じて用いられる硬化遅延剤(d)としては、具体的には、
アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、アセチルアセトン等のケトン類などが挙げられる。中でも、アセチルアセトンが好ましい。
【0029】
上記のような硬化遅延剤(d)は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
硬化遅延剤(d)は、使用するイソシアネート化合物(a)の反応調整剤として用いられる。硬化遅延剤(d)は、イソシアネート基のマスキング剤としての効果を有する。硬化遅延剤(d)は、上述した硬化促進剤(c)を併用することができる。
【0030】
硬化遅延剤(D)の配合量は、使用するイソシアネート化合物(a)の反応速度により異なるが、水性下地処理剤(A)の可使時間を考慮して決定される。
[水性下地処理剤(A)]
本発明で用いられる水性下地処理剤(A)は、上述したイソシアネート化合物(a)と水可溶性アルコール系溶媒(b)と必要により硬化促進剤(c)および/または硬化遅延剤(d)とを混合して調製することができる。
【0031】
また、本発明で用いられる水性下地処理剤(A)は、上記のような1液型の水性下地処理剤の他、たとえばイソシアネート化合物(a)、水可溶性アルコール系溶媒(b)および硬化遅延剤(d)を混合して調製されたA液と、水可溶性アルコール系溶媒(b)および硬化促進剤(c)(たとえば有機スズ系触媒)を混合して調製されたB液とからなる2液性の水性下地処理剤であってもよい。このような水性下地処理剤は使用に際して、A液とB液とを一定の割合で混合してポットライフの制限内で使用する。
【0032】
水性下地処理剤(A)を1液型にするか、2液型にするかは、実際の塗装ラインを考慮して選択するのが望ましい。
また、この水性下地処理剤(A)中に、必要に応じて、アルミナ系の減摩剤、シリコーン、アクリル系等の消泡剤、レベリング剤、増粘剤、分散剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0033】
水系塗料(B)
本発明で用いられる水系塗料(B)は、特に制限はなく、従来公知の透明または着色水系塗料を使用することができる。具体的には、エマルジョン型酢酸ビニル樹脂塗料、エマルジョン型酢酸ビニル・アクリル共重合樹脂塗料、エマルジョン型アクリル樹脂塗料等の水系エマルジョン塗料、水溶性アクリル樹脂塗料、水溶性尿素樹脂塗料等の水溶性樹脂塗料などが挙げられる。
【0034】
木質基材の毛羽立ち防止方法
本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法は、
木質基材の表面に、イソシアネート化合物(a)と水可溶性アルコール系溶媒(b)とを含有してなる水性下地処理剤(A)を塗布し、
次いで、塗布された水性下地処理剤(A)が乾燥しないうちに、水系塗料(B)を塗布、乾燥ないし硬化させる。
【0035】
また、上記の水性下地処理剤(A)塗布後、その塗布面に水系塗料(B)を塗布する前に、水を塗布してもよい。
本発明においては、上記水性下地処理剤(A)の塗布工程の前に、木質基材表面をサンドペーパーなどで研磨する工程を行なうことが好ましい。
【0036】
上記木質基材としては、具体的には、ナラ、ケヤキ、ローズ、チーク、ウォールナット等の突板を接着積層した突板合板、このような突板をパーティクルボード、ハードボード等の表面に接着積層した突板ボードなどが挙げられる。
【0037】
水性下地処理剤(A)および水系塗料(B)については、既に上述した通りである。
水性下地処理剤(A)および水系塗料(B)の塗装は、ロールコーター、フローコーター、スプレー等の塗装機を用いて行なうことができる。
【0038】
水性下地処理剤(A)の塗布量は、水性下地処理剤(A)の種類および木質基材の種類により異なるが、通常5〜80g/m2 (wet の状態で測定した塗布量)、好ましくは10〜60g/m2 、さらに好ましくは20〜50g/m2 の範囲である。
【0039】
また、水系塗料(B)の塗布量は、水系塗料(B)の種類により異なるが、通常5〜60g/m2 (wet の状態で測定した塗布量)、好ましくは5〜50g/m2 、さらに好ましくは5〜20g/m2 の範囲である。
【0040】
本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法では、木質基材表面に水性下地処理剤(A)を塗布した後、塗布された水性下地処理剤(A)が乾燥しないうち、水系塗料(B)を塗布する、いわゆる「wet on wet」による塗装方法を採用しているため、木質基材表面に塗布された水性下地処理剤(A)を乾燥する必要がなく、上述した従来の木質基材の毛羽立ち防止方法と異なり、UV照射機等の設備およびその運転費あるいは乾燥炉、棚等の設備およびその運転費は不要である。したがって、本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法は、従来の木質基材の毛羽立ち防止方法と比較して、下地処理に必要な設備費、運転費を大幅にコストダウンすることができるとともに、木質基材塗装品の生産性が大幅に向上する。
【0041】
また、本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法では、木質基材表面に塗布された水性下地処理剤(A)に含まれているイソシアネート化合物(a)のイソシアネート基を、空気中の湿気(水)、木質基材表面に含まれている水分、および水系塗料(B)中の水と反応させることにより、木質基材表面に疎水性の樹脂膜を形成し、木質基材表面と水との接触を遮断しているので、水分による木質基材の毛羽立ちと目ブクレを防止することができる。
【0042】
水系塗料(B)塗装後は、使用する水系塗料(B)の種類に応じて、乾燥、あるいはUV照射等を行なって水系塗料(B)を硬化させる。場合によっては、水性下地処理剤(A)も硬化させることになる。
【0043】
木質基材塗装品
本発明に係る毛羽立ち防止された木質基材塗装品は、上述した本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法により、水性下地処理剤(A)による下地処理(下塗り)と水系塗料(B)の塗装がなされている。この木質基材塗装品は、水分による木質基材の毛羽立ちと目ブクレが防止されている。
【0044】
本発明に係る毛羽立ち防止された木質基材塗装品としては、具体的には、フロアー材、ドア−材、壁材等の建材、家具などが挙げられる。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る木質基材の毛羽立ち防止方法によれば、下地処理に必要な設備費およびその運転費のコストダウンが図れるとともに、水分による木質基材の毛羽立ちおよび導管部の目ブクレが防止された木質基材塗装品を提供することができる。
【0046】
本発明に係る毛羽立ち防止された木質基材塗装品は、生産性がよく、コストダウンが図れる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0048】
なお、実施例および比較例で用いた下地処理剤は、次の通りである。
下地処理剤(1)
武田薬品工業(株)製のタケネートM−417[商品名;湿気硬化タイプのTDI系ウレタンプレポリマー、重量平均分子量(Mw)=5,000、粘度=98mPa・秒/25℃]50gに対し、ユニオンカーバイド社製のPMソルベント[商品名;プロピレングリコールモノメチルエーテル]50gを加え、室温にて撹拌し、タケネートM−417を均一に溶解させて下地処理剤(1)を調製した。
下地処理剤(2)
日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートHX[商品名;ヘキサメチレンジイソシアネートヌレート型、重量平均分子量(Mw)=650、粘度=20mPa・秒/25℃]50gに対し、ユニオンカーバイド社製のPMソルベント[商品名;プロピレングリコールモノメチルエーテル]50gを加え、室温にて撹拌し、コロネートHXを均一に溶解させた後、ジブチルスズジラウレート0.03gおよびアセチルアセトン10gを加え均一に溶解させて下地処理剤(2)を調製した。
下地処理剤(3)
日本ポリウレタン工業(株)製のミリオネートMR−100[商品名;ジフェニルメタンジイソシアネート、重量平均分子量(Mw)=350、粘度=1.5mPa・秒/25℃]50gに対し、ユニオンカーバイド社製のPMソルベント[商品名;プロピレングリコールモノメチルエーテル]50gを加え、室温にてゆっくり撹拌し、ミリオネートMR−100を均一に溶解させた後、ジブチルスズジラウレート0.05gおよびアセチルアセトン2gを加え均一に溶解させて下地処理剤(3)を調製した。
【0049】
また、実施例および比較例で用いた水系塗料は、次の通りである。
水系塗料
40℃の温水9.8gに、セロサイズQP−4400H[商品名;ユニオンカーバイド社製の増粘剤、ハイドロキシセルロース]0.2gを加え、ディスパーにて撹拌し、溶解させた。その溶解液に、水11g、エチレングリコール2gを加え、撹拌し、さらに撹拌しながら、フォーマスターAP[商品名;サンノプコ社製の消泡剤:鉱物油、シリカ、ノニオン活性剤等の混合物]1.5g、スラモニーB[武田薬品工業(株)製の防腐剤、ハロゲン化有機酸エステル系化合物]0.1g、アンモニア水0.1g、ブチルセロソルブ3gを加えた。さらに撹拌しながら、プライマールAC−261[ローム&ハース社製のアクリルエマルジョン樹脂]54g、およびエマコールブラック[商品名;山陽色素社製の着色剤]18.5gを加え、水系塗料を調製した。
【0050】
【実施例1】
2mm厚のナラ突き板合板の表面に、上記下地処理剤(1)を塗布量60g/m2 (wet状態)になるように刷毛で塗装した後、直ぐにウエスにて拭き取った。拭き取った後、直ぐに上記水系塗料を刷毛で塗装し、塗装後ウエスにて拭き取り室温にて乾燥させた。
【0051】
上記のようにして得られた塗装品の表面を観察して、導管部の毛羽立ち、および導管部の目ブクレを下記の評価基準にて評価した。結果を第1表に示す。
【0052】
<導管部の毛羽立ちについての評価基準>
5 ・・・導管部の毛羽立ちが全く認められない。
4 ・・・導管部の5%が、その先端が材より0.1mm起き上がっている。
3 ・・・導管部の10%が、その先端が材から0.2mm起き上がっている。
2 ・・・導管部の100%が、その先端から0.6mm起き上がっている。
1 ・・・導管部の100%が、その先端から1mm起き上がっている。
【0053】
<導管部の目ブクレについての評価基準>
5 ・・・導管部の目ブクレが全く認められない。
4 ・・・導管部の5%が約0.1mm盛り上がっている。
3 ・・・導管部の10%が約0.2mm盛り上がっている。
2 ・・・導管部の100%が約1mm盛り上がっている。
1 ・・・導管部の100%が約2mm盛り上がっている。
【0054】
【実施例2】
2mm厚のナラ突き板合板の表面に、上記下地処理剤(2)を塗布量60g/m2 (wet状態)になるように刷毛で塗装した後、直ぐにウエスにて拭き取った。拭き取った後、直ぐに上記水系塗料を刷毛で塗装し、塗装後ウエスにて拭き取り室温にて乾燥させた。
【0055】
上記のようにして得られた塗装品の表面を観察して、導管部の毛羽立ち、および導管部の目ブクレを上記の評価基準にて評価した。結果を第1表に示す。
【0056】
【実施例3】
2mm厚のナラ突き板合板の表面に、上記下地処理剤(3)を塗布量60g/m2 (wet状態)になるように刷毛で塗装した後、直ぐにウエスにて拭き取った。拭き取った後、直ぐに上記水系塗料を刷毛で塗装し、塗装後ウエスにて拭き取り室温にて乾燥させた。
【0057】
上記のようにして得られた塗装品の表面を観察して、導管部の毛羽立ち、および導管部の目ブクレを上記の評価基準にて評価した。結果を第1表に示す。
【0058】
【比較例1】
2mm厚のナラ突き板合板の表面に、上記水系塗料を刷毛で塗装し、塗装後直ぐにウエスにて拭き取り室温にて乾燥させた。
【0059】
上記のようにして得られた塗装品の表面を観察して、導管部の毛羽立ち、および導管部の目ブクレを上記の評価基準にて評価した。結果を第1表に示す。
【0060】
【表1】
Claims (5)
- 木質基材の表面に、イソシアネート化合物(a)と水可溶性アルコール系溶媒(b)とを混合して調製された水性下地処理剤(A)を塗布し、
次いで、塗布された水性下地処理剤(A)が乾燥しないうちに、水系塗料(B)を塗布、乾燥ないし硬化させることを特徴とする木質基材の毛羽立ち防止方法。 - 前記水性下地処理剤(A)がイソシアネート化合物(a)および水可溶性アルコール溶媒(b)に加えて、さらに硬化促進剤(c)および/または硬化遅延剤(d)を混合して調製されたことを特徴とする請求項1に記載の木質基材の毛羽立ち防止方法。
- 前記水性下地処理剤(A)の塗布がロールコーター、フローコーターまたはスプレーで行なわれることを特徴とする請求項1に記載の木質基材の毛羽立ち防止方法。
- 前記水性下地処理剤(A)の塗布量が、5〜80g/m2 の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の木質基材の毛羽立ち防止方法。
- 請求項1に記載の木質基材の毛羽立ち防止方法により、水性下地処理剤(A)による下地処理と水系塗料(B)の塗装がなされていることを特徴とする毛羽立ち防止された木質基材塗装品。
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