JP4085567B2 - コンクリート型枠用塗装合板の製造方法 - Google Patents

コンクリート型枠用塗装合板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート型枠用塗装合板の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、転用回数が大幅に向上した耐久性の高いコンクリート型枠用塗装合板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、森林資源、特に熱帯地方南洋材の伐採規制が行われている。しかし、一方で、建築・土木業界におけるコンクリート型枠用合板の使用量は多く、使用量の削減が提唱されている。このような状況の中で、転用回数を、従来の5〜8回から、20回程度に増やすことができれば、合板使用量の減少、木材伐採量の低減が可能になり、産業廃棄物の大幅な削減と自然環境保護の効果が得られる。
従来より、繰り返し使用可能なコンクリート型枠用塗装合板は、合板に付着する下塗塗料、例えば、着色顔料や体質顔料などの充填剤を多量に含む溶剤型アクリルウレタン系塗料、あるいは、充填剤を多量に含む水性アクリルエマルション系塗料、及び、下塗塗料に付着し、コンクリートとは剥離する上塗塗料、例えば、溶剤型アクリルウレタン系塗料、無溶剤型ウレタン系塗料、あるいは、紫外線硬化型塗料を合板に塗装することにより製造されていた。
一般に型枠用合板に使用されている南洋材の材種は、数十種類あると言われているが、森林資源を節約して使用している現状では、コンクリー卜の硬化不良を引き起こしやすい糖分の多い材種や、吸水すると脆弱化して塗膜剥離を引き起こしやすい軟らかくて弱い材種が使用されることが多い。このような合板には、コンクリートの硬化不良や塗膜剥離を防止し、また、平滑な仕上がりを得るために、着色顔料や体質顔料などの充填剤を多量に含んだ下塗塗料及び上塗塗料を使用し、塗付量を多くする必要があった。また、生産性及び火災や安全衛生上の問題から、下塗塗料としては水性塗料を使用することが多く、通常は硬化剤を配合しないことが多い。このために、塗装された塗膜としては、付着強度や耐水、耐久性に難点があり、塗装型枠として繰り返し使用すると、合板からの塗膜剥離、クラックなどの問題が発生し、転用回数としては5〜8回が限界であった。
このような問題の原因は、型枠の使用中に水又はコンクリート水が、合板の木口面、フォームタイ部などから侵入し、合板表面及び下塗塗膜層の強度を低下させることにあった。また、コンクリート打設時のバイブレーターによる塗装面の損傷も、転用回数減少の原因であった。
このために、水の侵入と拡散が抑制され、合板表面の強度が向上し、転用回数が大幅に向上した耐久性の高いコンクリート型枠用塗装合板が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、転用回数が大幅に向上した耐久性の高いコンクリー卜型枠用塗装合板の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、型枠用合板に、低粘度の浸透性シーラーを塗装し、その上に、ポリイソシアネートを含有する下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装することにより、耐久性が大幅に向上したコンクリート型枠用塗装合板が得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下である溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、該浸透性シーラーの加熱残分が15〜55重量%であり、表面張力が10〜40mN/mであり、その上に、水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有し、20℃で測定した粘度が10,000mPa・s以上であり、顔料/樹脂固形分の重量比が0〜2である下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装することを特徴とする転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法、
(2)型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下である溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、該浸透性シーラーの加熱残分が15〜55重量%であり、表面張力が10〜40mN/mであり、その上に、ヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有し、顔料/樹脂固形分の重量比が0.1〜1.5である下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装することを特徴とする転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法、
)浸透性シーラーが、溶剤型の1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂又はヒドロキシル基を有する溶剤型アクリル樹脂と溶剤型ポリイソシアネートからなる2液アクリルウレタン樹脂を含有し、顔料/樹脂固形分の重量比が0〜0.5である第1項又は第2項記載の転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法、
)下塗塗料を2回以上塗装する第1項又は第2項記載の転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法、及び、
)上塗塗料が、溶剤型アクリルウレタン系塗料又は無溶剤型ウレタン系塗料である第1項又は第2項記載の転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
)水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂が、活性水素を有する樹脂である第1項記載のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法の第1の態様においては、型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下である溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、その上に水分散性樹脂及び/又は水溶樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有し、20℃で測定した粘度が10,000mPa・s以上である下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装する。
本発明方法の第2の態様においては、型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下である溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、その上にヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装する。
本発明方法の第3の態様においては、型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下であり、水分散性樹脂及び/又は水溶樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有する水性の浸透性シーラーを塗装し、その上にヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装する。
【0006】
本発明方法に用いる型枠用合板の材種に特に制限はなく、例えば、ラワン、ナラ、カバ、タモ、カエデ、ミズメ、シナ、セン、ブナなどを挙げることができる。本発明方法に用いる型枠用合板は、「コンクリート型枠用合板の日本農林規格」(農林省告示第932号、昭和42年6月30日)に適合するものであることが好ましい。
本発明方法に使用する浸透性シーラーは、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下であり、より好ましくは30秒以下である。フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒を超えると、型枠用合板に塗装しても合板に十分に浸透しなくなるおそれがある。
本発明方法において、溶剤型の浸透性シーラーに使用する樹脂に特に制限はなく、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。溶剤型の浸透性シーラーとしては、溶剤型の1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂又はヒドロキシル基を有する溶剤型アクリル樹脂と溶剤型ポリイソシアネートからなる2液アクリルウレタン樹脂を好適に用いることができる。溶剤型の1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、ポリマーポリオールとポリイソシアネートを反応させ、ヒドロキシル基はすべてウレタン結合させ、イソシアネート基を残した樹脂であり、塗膜形成時に水分と反応して尿素結合を形成して硬化する。2液アクリルウレタン樹脂は、ヒドロキシル基を有する溶剤型アクリル樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを組み合わせた樹脂であることが好ましい。溶剤型ポリイソシアネートは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有し、溶剤に可溶であれば特に限定はなく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、これらイソシアネートモノマーから得られるイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加物などのイソシアネートプレポリマーを挙げることができる。このような溶剤型ポリイソシアネートは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0007】
本発明方法において、水性の浸透性シーラーに使用する水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂としては、例えば、ゴム系水性ラテックス、酢酸ビニル系エマルション、アクリル系エマルション、アクリル系ディスパージョン、塩化ビニリデン系エマルション、エポキシ系エマルション、ウレタン系エマルション、ウレタン系ディスパージョン、水溶性アクリル樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶ビニル樹脂、水溶性セルロース樹脂などを挙げることができる。これらの水性エマルション、水性ディスパージョン又は水溶性樹脂は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、水性ウレタン系ディスパージョン、アクリル系ディスパージョン又はこれらの混合物を特に好適に使用することができる。
アクリル系ディスパージョンとしては、例えば、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれらのアルキルエステルと、スチレンなどのモノマーから得られる共重合体の水性ディスパージョンを挙げることができる。共重合体は、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などの活性水素を有する官能基を有することが好ましい。
ウレタン系ディスパージョンとしては、例えば、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオールなどのポリオール成分や、2,2−ジメチロールプロピオン酸などの親水性成分と、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を重合せしめた自己乳化型水性ウレタン系ディスパージョンなどを挙げることができる。
【0008】
水性の浸透性シーラーに使用する水分散型ポリイソシアネートは、含有されるイソシアネート基が、水分散性樹脂又は水溶性樹脂に含まれる活性水素を有する官能基と反応することにより架橋構造を形成し、架橋剤として作用する。このことにより、水分散型ポリイソシアネートは、水分散性樹脂又は水溶性樹脂の欠点である耐水性を向上し、湿潤時における強度不良の問題などを解消することができる。水分散型ポリイソシアネートは、分子中に親水基とイソシアネート基を複数個有する化合物であり、水で容易に乳化することができ、また、かなり長時間イソシアネート基を保有する。このために、水分散性樹脂又は水溶性樹脂に容易に乳化され、塗装作業時間内はその効果を持続する。
水分散型ポリイソシアネートとしては、例えば、各種イソシアネートモノマーと親水性の官能基を有する化合物を複合したイソシアネートプレポリマーを使用することができる。イソシアネートプレポリマー中のイソシアネートモノマー成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートなどを挙げることができる。これらのイソシアネートモノマー成分は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、これらのイソシアネートモノマーから得られるイソシアネートプレポリマーの骨格としては、例えば、イソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加物などを挙げることができる。親水性官能基を有する化合物としては、例えば、カチオン性親水基、アニオン性親水基又はノニオン性親水基を有する化合物を挙げることができるが、イソシアネート基との反応性を有しないポリエーテル型ノニオン性化合物を好適に用いることができる。本発明方法において、水分散型ポリイソシアネートは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0009】
本発明方法に使用する浸透性シーラーは、加熱残分が15〜55重量%であることが好ましく、20〜45重量%であることがより好ましい。浸透性シーラーの加熱残分が15重量%未満であると、シーリング効果が不十分となるおそれがある。浸透性シーラーの加熱残分が55重量%を超えると、塗装作業性が不良になるおそれがある。本発明方法に使用する浸透性シーラーは、表面張力が10〜40mN/mであることが好ましく、20〜35mN/mであることがより好ましい。表面張力が10mN/m未満であると、塗装作業性が不良になるおそれがある。表面張力が40mN/mを超えると、型枠用合板に塗装しても合板に十分に浸透しなくなるおそれがある。本発明方法に使用する浸透性シーラーは、顔料/樹脂固形分の重量比が0〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.35であることがより好ましい。顔料/樹脂固形分の重量比が0.5を超えると、型枠用合板の強度が低下するおそれがある。
本発明方法において、浸透性シーラーの塗装方法に特に制限はなく、例えば、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ナイフコーターなどを用いて塗装することができる。浸透性シーラーの塗付量は、合板木質の材種に応じて適宜選択することができるが、通常は30〜120g/m2であることが好ましく、50〜100g/m2であることがより好ましい。浸透性シーラーを塗装したのち、必要に応じて、強制乾燥処理を施すことができる。また、乾燥後、必要に応じて、サンダーなどにより塗装面の研磨を行って、平滑な合板表面を得ることができる。
【0010】
本発明方法の第1の態様においては、型枠用合板に溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、その上に水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有し、20℃で測定した粘度が10,000mPa・s以上である下塗塗料を塗装する。下塗塗料に使用する水分散体樹脂及び/又は水溶性樹脂に特に制限はなく、例えば、ゴム系水性ラテックス、酢酸ビニル系エマルション、アクリル系エマルション、アクリル系ディスパージョン、塩化ビニリデン系エマルション、エポキシ系エマルション、ウレタン系エマルション、ウレタン系ディスパージョン、水溶性アクリル樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性ビニル樹脂、水溶性セルロース樹脂などを挙げることができる。これらの中で、水性アクリルエマルション及びアクリル系ディスパージョンを特に好適に使用することができる。水性アクリルエマルション又はアクリル系ディスパージョンは、それぞれを単独で用いることができ、あるいは、両者を混合して用いることもできる。
アクリル系エマルション又はアクリル系ディスパージョンとしては、例えば、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれらのアルキルエステルと、スチレンなどのモノマーの共重合体の水性エマルション又はディスパージョンを挙げることができ、活性水素を有する官能基を有する共重合体を特に好適に使用することができる。下塗塗料においても、浸透性シーラーの場合と同様に、イソシアネート基が水分散性樹脂又は水溶性樹脂が有する活性水素を有する官能基と反応することにより、架橋構造を形成して、耐水性を向上することができる。
下塗塗料に使用する水分散型ポリイソシアネートとしては、浸透シーラーに使用する水分散型ポリイソシアネートと同様の化合物を使用することができ、例えば、各種イソシアネートモノマーと親水性の官能基を有する化合物を複合したイソシアネートプレポリマーを挙げることができる。イソシアネートプレポリマーの成分であるイソシアネートモノマーは、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート又はこれらの混合物のいずれをも使用することができる。また、イソシアネートプレポリマーの骨格としては、例えば、イソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加物などを挙げることができる。これらの水分散型ポリイソシアネートは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0011】
本発明方法の第2の態様においては、型枠用合板に溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、その上にヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料を塗装する。また、本発明の第3の態様においては、型枠用合板に水性の浸透性シーラーを塗装し、その上にヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料を塗装する。下塗塗料に使用するヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂としては、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらの中で、溶剤型アクリル樹脂又は溶剤型アクリル樹脂とビニル樹脂の混合物を特に好適に使用することができる。
下塗塗料に使用する溶剤型ポリイソシアネートとしては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有し、溶剤に可溶な化合物であれば特に制限はなく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、これらのイソシアネートモノマーから得られるイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加物などのイソシアネートプレポリマーを挙げることができる。これらの溶剤型ポリイソシアネートは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0012】
本発明方法の第1の態様に使用する水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料は、20℃で測定した粘度が10,000mPa・s以上であることが好ましく、15,000mPa・s以上であることがより好ましい。水性の下塗塗料の20℃における粘度が10,000mPa・s未満であると、型枠用合板表面の凹凸の目止めが不十分になるおそれがある。本発明方法の第2の態様又は第3の態様に使用するヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料は、溶剤型の下塗塗料は塗装が容易なので、粘度に特に制限はない。本発明方法に使用する下塗塗料は、顔料/樹脂固形分の重量比が0〜2であることが好ましく、0.1〜1.5であることがより好ましい。顔料/樹脂固形分の重量比が2を超えると、型枠用合板の強度が低下するおそれがある。
本発明方法において、下塗塗料の塗装方法に特に制限はなく、例えば、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ナイフコーターなどを用いて塗装することができる。下塗塗料の塗付量は、合板木質の材種に応じて適宜選択することができるが、通常は合計で80〜300g/m2塗装することが好ましい。本発明方法において、下塗塗料は、2回以上塗装することが好ましい。下塗塗料を2回以上塗装することにより、合板の目止めを十分に行うことができる。下塗塗料を塗装したのち、必要に応じて、強制乾燥処理を施すことができる。
本発明方法においては、浸透性シーラー及び/又は下塗塗料に配合する顔料は、塗料の安定性、流動性、作業や塗膜の平滑を損なわないかぎり特に制限はなく、例えば、酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ベントナイト、アクリル樹脂粉、木粉、パルプ粉、小麦粉などを挙げることができる。これらの顔料は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。顔料を配合することにより、塗料の着色、隠蔽性の向上、増量剤としての効果を付与することができる。しかし、顔料を全く使用することなく、コンクリート型枠用塗装合板を製造することもできる。
【0013】
本発明方法においては、下塗塗料を塗装した上に上塗塗料を塗装する。使用する上塗塗料に特に制限はなく、溶剤型アクリルウレタン系塗料、無溶剤型ウレタン系塗料、紫外線硬化型塗料などを挙げることができる。これらの中で、溶剤型アクリルウレタン系塗料及び無溶剤型ウレタン系塗料を好適に用いることができる。
溶剤型アクリルウレタン系塗料は、ヒドロキシル基を2個以上有するアクリル樹脂を主成分とし、これに顔料、レベリング剤などの添加剤を混合してなる主剤と、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート系硬化剤からなる塗料である。アクリル樹脂としては、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、スチレンなどのモノマーの共重合体の有機溶剤溶液を好適に用いることができる。アクリル樹脂は、ヒドロキシル価が10〜150mgKOH/gであることが好ましく、重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましい。
ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーや、これらのイソシアネートモノマーから得られるイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加物などのイソシアネートプレポリマーを挙げることができる。これらの中で、ジフェニルメタンジイソシアネートを特に好適に使用することができる。
【0014】
無溶剤型ウレタン系塗料は、ヒドロキシル基を2個以上有するポリオールを主成分とする主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤からなる塗料である。ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなど、常温で液状のポリオールを単独で又は混合して使用することができる。
ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーや、これらのイソシアネートモノマーから得られるイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加物などのイソシアネートプレポリマーを挙げることができる。これらの中で、ジフェニルメタンジイソシアネートを特に好適に使用することができる。
本発明方法において、上塗塗料の塗装方法に特に制限はなく、例えば、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ナイフコーターなどを用いて塗装することができる。これらの中で、ロールコーターを特に好適に使用することができる。上塗塗料の塗付量に特に制限はないが、通常は20〜100g/m2であることが好ましく、30〜70g/m2であることがより好ましい。上塗塗料を塗装したのち、必要に応じて、強制乾燥処理を施すことができる。
本発明方法により製造されたコンクリート型枠用塗装合板は、水の侵入と拡散が抑制され、合板表面単板の強度が向上し、浸透性シーラーが塗膜に強固に付着し、また、さまざまな使用環境においても下塗塗料の強度が低下することなく、コンクリート型枠用塗装合板として使用したとき、従来の型枠用塗装合板に比べて転用回数が大幅に向上する。
【0015】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、塗膜と合板の付着強度は、「コンクリート型枠用合板の日本農林規格」に記載された平面引張り試験方法により測定した。実施例1
溶剤型の1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂塗料[日本油脂(株)、ウレタンNo.1500クリヤー]100重量部を、ウレタンシンナー[日本油脂(株)]50重量部で希釈し、浸透性シーラーを調製した。この浸透性シーラーのフォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度は15秒であり、加熱残分は23重量%であり、表面張力は28mN/mであった。
この浸透性シーラーを、寸法600mm×1,800mmの12mmJAS型枠用合板4枚に、ロールコーターを用いて約70g/m2塗装し、90℃に保った乾燥機で10分乾燥し、さらに乾燥後180番のワイドベルトサンダーで塗装面を研磨した。
アクリル系ディスパージョン[BASFディスパージョン(株)、アクロナールYJ−1100D、加熱残分46重量%]100重量部に、ブチルセロソルブ6重量部、脂肪族高級アルコール[イーストマン・ケミカル(株)、テキサノール]1重量部、消泡剤[サンノプコ(株)、ノプコ8034]0.3重量部及び増粘剤[ローム・アンド・ハース(株)、プライマルASE−60]5重量部を混合し、さらに水分散型の芳香族ポリイソシアネート[住友バイエルウレタン(株)、SBUイソシアネート0775]3重量部を加えて、下塗塗料を調製した。この下塗塗料の20℃で測定した粘度は、20,000mPa・sであった。
この水分散性樹脂と水分散型ポリイソシアネートからなる下塗塗料を、浸透性シーラーを塗装したのち研磨した上記の型枠用合板に、ナイフコーターを用いて2回、合計塗付量が約150g/m2になるように塗装し、90℃に保った乾燥機で10分乾燥した。次いで、この塗装板に、無溶剤型ウレタン系塗料[日本油脂(株)、ウレタンNSクリヤー2/1.6Y]をロールコーターを用いて約50g/m2塗装し、90℃に保った乾燥機で50分乾燥して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
この4枚のコンクリート型枠用塗装合板1を使用し、図1に示す形状の180mm×1,200mm×1,800mmのコンクリート型枠を作製し、型枠として25回の転用試験を行った。型枠に生コンクリートを流し込み、バイブレーターで十分締め固めて3日間養生したのち脱型し、型枠の脱型性を評価するとともに、型枠塗装面の状態を観察し、塗膜と合板の付着強度を測定した。25回目においても、型枠の脱型性と型枠塗装面の状態は良好であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が2.16MPaであり、25回目が1.27MPaであった。
【0016】
実施例2
溶剤型の2液アクリルウレタン樹脂塗料主剤[日本油脂(株)、ハイウレタンNo.5000クリヤー51HA]100重量部、硬化剤[日本油脂(株)、ハイウレタン硬化剤HA]20重量部及び顔料として重質炭酸カルシウム6重量部を混合し、ハイウレタンシンナー[日本油脂(株)]50重量部で希釈して、浸透性シーラーを調製した。この浸透性シーラーのフォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度は20秒であり、加熱残分は32重量%であり、表面張力は30mN/mであった。この浸透性シーラーを、実施例1と同様に12mmJAS型枠用合板に塗装し、乾燥及び研磨処理を行った。
下塗塗料として、溶剤型2液アクリルウレタン樹脂塗料[日本油脂(株)、ハイウレタンNo.500イエローCP81Y]を、浸透性シーラーを塗装したのち研磨した上記の型枠用合板に、ロールコーターを用いて2回、合計塗付量が約120g/m2になるように塗装し、90℃に保った乾燥機で10分乾燥した。次いで、この塗装板に、実施例1と同様にして無溶剤型ウレタン系上塗塗料を塗装し、乾燥して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を行った。25回目においても、型枠の脱型性と型枠塗装面の状態は良好であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が2.06MPaであり、25回目が1.27MPaであった。
実施例3
実施例1と同様にして、12mmJAS型枠用合板に、溶剤型の1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂塗料からなる浸透性シーラーを塗装し、乾燥、研磨処理したのち、下塗塗料として、ビニル樹脂を含む2液アクリルウレタン樹脂塗料[日本油脂(株)、ウレタンNo.500下塗イエローCP201Y]を、実施例2と同様に塗装し、乾燥し、さらに無溶剤型ウレタン系上塗塗料を塗装し、乾燥して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を行った。25回目においても、型枠の脱型性と型枠塗装面の状態は良好であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が1.96MPaであり、25回目が1.18MPaであった。
【0017】
実施例4
アクリル系ディスパージョン[BASFディスパージョン(株)、アクロナールYJ−1850D、加熱残分41重量%]l00重量部に、ブチルセロソルブ6重量部、脂肪族高級アルコール[イーストマン・ケミカル(株)、テキサノール]1重量部、界面活性剤[ビックケミー・ジャパン(株)、BYK−346]0.3重量部及び水30重量部を混合し、さらに水分散型の芳香族ポリイソシアネート[住友バイエルウレタン(株)、SBUイソシアネート0775]3重量部を加えて、浸透性シーラーを調製した。この浸透性シーラーのフォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度は18秒であり、加熱残分は33重量%であり、表面張力は28mN/mであった。
この水分散体樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有する浸透性シーラーを、実施例1と同様に12mmJAS型枠用合板に塗装し、乾燥、研磨処理した。
次に、下塗塗料として溶剤型2液アクリルウレタン樹脂塗料[日本油脂(株)、ウレタンNo.500イエローCP81Y]を、浸透性シーラーを塗装して研磨した上記の型枠用合板に、ロールコーターを用いて2回、合計塗付量が約120g/m2になるように塗装し、90℃に保った乾燥機で10分乾燥した。次いで、この塗装板に、実施例1と同様に無溶剤型ウレタン系上塗塗料を塗装し、乾燥して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を行った。25回目においても、型枠の脱型性と型枠塗装面の状態は良好であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が2.06MPaであり、25回目が1.18MPaであった。
【0018】
実施例5
ウレタン系ディスパージョン[三井化学(株)、オレスターUD500、加熱残分38重量%]50重量部、アクリル系ディスパージョン[BASFディスパージョン(株)、アクロナールYJ−1850D、加熱残分41重量%]50重量部に、ブチルセロソルブ6重量部、脂肪族高級アルコール[イーストマン・ケミカル(株)、テキサノール]1重量部、界面活性剤[ビックケミー・ジャパン(株)、BYK−346]0.3重量部及び水30重量部を混合し、さらに水分散型の芳香族ポリイソシアネート[住友バイエルウレタン(株)、SBUイソシアネート0775]3重量部を加えて、浸透性シーラーを調製した。この浸透性シーラーのフォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度は18秒であり、加熱残分は32重量%であり、表面張力は29mN/mであった。
この浸透性シーラーを、実施例1と同様に12mmJAS型枠用合板に塗装し、研磨し、次いで、実施例2と同様にして下塗塗料及び上塗塗料を塗装して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を行った。25回目においても、型枠の脱型性と型枠塗装面の状態は良好であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が2.06MPaであり、25回目が1.37MPaであった。
実施例6
アクリル系ディスパージョン[BASFディスパージョン(株)、アクロナールYJ−1850D、加熱残分41重量%]100重量部に、ブチルセロソルブ6重量部、脂肪族高級アルコール[イーストマン・ケミカル(株)、テキサノール]1重量部、界面活性剤[ビックケミー・ジャパン(株)、BYK−346]0.3重量部及び水30重量部を加え、顔料として重質炭酸カルシウム10重量部を混合したのち、水分散型の芳香族ポリイソシアネート[住友バイエルウレタン(株)、SBUイソシアネート0775]3重量部を加えて、浸透性シーラーを調製した。この浸透性シーラーのフォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度は28秒であり、加熱残分は38重量%であり、表面張力は28mN/mであった。
この浸透性シーラーを、実施例1と同様に12mmJAS型枠用合板に塗装し、乾燥、研磨した。次いで、実施例2と同様に下塗塗料を塗装したのち、上塗塗料として溶剤型アクリルウレタン系塗料[日本油脂(株)、ウレタンNo.500クリヤー81Y]を、ロールコーターを用いて約100g/m2塗装し、90℃に保った乾燥機で30分乾燥して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を行った。25回目においても、型枠の脱型性と型枠塗装面の状態は良好であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が1.96MPaであり、25回目が1.18MPaであった。
【0019】
比較例1
アクリル系ディスパージョン[BASFディスパージョン(株)、アクロナールYJ−1100D、加熱残分46重量%]100重量部に、ブチルセロソルブ6重量部、脂肪族高級アルコール[イーストマン・ケミカル(株)、テキサノール]1重量部、消泡剤[サンノプコ(株)、ノプコ8034]0.3重量部を加え、顔料として重質炭酸カルシウム200重量部を混合したのち、水分散型の芳香族ポリイソシアネート[住友バイエルウレタン(株)、SBUイソシアネート0775]3重量部を加えて、下塗塗料を調製した。この下塗塗料の20℃における粘度は22,000mPa・sであり、顔料/樹脂固形分の重量比は4.1であった。
浸透性シーラーを塗装することなく、この下塗塗料を直接12mmJAS型枠用合板に実施例1と同様に塗装し、次いで、実施例1と同様に上塗塗料を塗装して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を試みた。しかし、8回目において、型枠にノロの付着が多く、剥離脱型する際の抵抗が大きく、型枠の脱型性は不良であった。また、型枠塗装面の一部に亀裂が認められ、型枠塗装面の状態は不良であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が1.77MPaであり、8回目が1.27MPaであった。転用試験は、8回で中断した。
比較例2
アクリル系ディスパージョン[BASFディスパージョン(株)、アクロナールYJ−ll00D、加熱残分46重量%]100重量部に、ブチルセロソルブ6重量部、脂肪族高級アルコール[イーストマン・ケミカル(株)、テキサノール]1重量部及び消泡剤[サンノプコ(株)、ノプコ8034]0.3重量部を加え、顔料として重質炭酸カルシウム200重量部を混合して、下塗塗料を調製した。この下塗塗料の20℃における粘度は25,000mPa・sであり、顔料/樹脂固形分の重量比は4.3であった。
浸透性シーラーを塗装することなく、この下塗塗料を直接12mmJAS型枠用合板に、実施例1と同様にして塗装し、次いで、実施例1と同様に上塗塗料を塗装して、コンクリート型枠用塗装合板を得た。
得られたコンクリート型枠用塗装合板を用い、実施例1と同様にして、25回の転用試験を試みた。しかし、8回目において、塗膜の剥離や亀裂が見られ、剥離脱型するときの抵抗が大きく、ノロの付着も多く、型枠の脱型性は不良であった。また、型枠塗装面に剥離や亀裂が認められ、型枠塗装面の状態は不良であった。塗膜と合板の付着強度は、1回目が1.67MPaであり、8回目が0.78MPaであった。転用試験は、8回で中断した。
実施例1〜6及び比較例1〜2の浸透性シーラー、下塗塗料及び上塗塗料の物性と塗付量を第1表に、型枠としての転用試験の結果を第2表に示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004085567
【0021】
【表2】
Figure 0004085567
【0022】
【表3】
Figure 0004085567
【0023】
第2表に見られるように、本発明方法により製造した実施例1〜6のコンクリート型枠用塗装合板は、25回の転用後も脱型性と塗装面の状態が良好であり、塗膜と合板の付着強度も大きく、型枠として確実に20回以上の転用が可能である。これに対して、浸透性シーラーによる塗装を行わなかった比較例1〜2のコンクリート型枠用塗装合板は、8回の転用により脱型性と塗装面の状態が不良となり、塗膜と合板の付着強度も低下し、たかだか5〜8回の転用が限度である。
【0024】
【発明の効果】
本発明のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法は、南洋のラワン材、その他地域の針葉樹などのさまざまな材種の合板に適用することができる。本発明方法により得られたコンクリート型枠用塗装合板は、従来のコンクリート型枠用塗装合板に比べ、耐久性、耐水性などに優れ、コンクリート打設におけるセメント混和物や、降雨などによる水分に対して優れた耐性を有し、コンクリート型枠用塗装合板としての反復打設における転用回数が、従来品の5〜8回に比べて、20回以上と極めて多いという利点を有し、産業廃棄物の削減、森林資源及び自然環境の保護に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例において作製したコンクリート型枠の斜視図である。
【符号の説明】
1 コンクリート型枠用塗装合板

Claims (5)

  1. 型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下である溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、該浸透性シーラーの加熱残分が15〜55重量%であり、表面張力が10〜40mN/mであり、その上に、水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有し、20℃で測定した粘度が10,000mPa・s以上であり、顔料/樹脂固形分の重量比が0〜2である下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装することを特徴とする転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法。
  2. 型枠用合板に、フォードカップNo.4法により20℃で測定した粘度が60秒以下である溶剤型の浸透性シーラーを塗装し、該浸透性シーラーの加熱残分が15〜55重量%であり、表面張力が10〜40mN/mであり、その上に、ヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有し、顔料/樹脂固形分の重量比が0.1〜1.5である下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装することを特徴とする転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法。
  3. 浸透性シーラーが、溶剤型の1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂又はヒドロキシル基を有する溶剤型アクリル樹脂と溶剤型ポリイソシアネートからなる2液アクリルウレタン樹脂を含有し、顔料/樹脂固形分の重量比が0〜0.5である請求項1又は請求項2記載の転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法。
  4. 下塗塗料を2回以上塗装する請求項1又は請求項2記載の転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法。
  5. 上塗塗料が、溶剤型アクリルウレタン系塗料又は無溶剤型ウレタン系塗料である請求項1又は請求項2記載の転用回数20回以上のコンクリート型枠用塗装合板の製造方法。
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