JPH11323250A - 水性2成分系ポリウレタン被覆組成物及び該被覆組成物を含有する水性被覆剤 - Google Patents

水性2成分系ポリウレタン被覆組成物及び該被覆組成物を含有する水性被覆剤

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JPH11323250A
JPH11323250A JP11029159A JP2915999A JPH11323250A JP H11323250 A JPH11323250 A JP H11323250A JP 11029159 A JP11029159 A JP 11029159A JP 2915999 A JP2915999 A JP 2915999A JP H11323250 A JPH11323250 A JP H11323250A
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プログマン フリードリッヒ
Rainer Lomoelder
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改善された光学的、機械的、物理化学的及び
使用技術的性質を得るための新規の水性2成分系ポリウ
レタン系。 【解決手段】 少なくとも1種のポリオール成分の水性
分散液、2−メチルペンタンジイソシアネート−1,5
をベースとするポリイソシアネート成分を含有する2成
分系ポリウレタン被覆組成物。 【効果】 被覆が、明らかにより迅速な乾燥挙動並びに
明らかに高められた最終硬度を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−メチルペンタ
ン−1,5−ジイソシアネート(以下、MPDIと呼称
する)をベースとする水性2成分系被覆組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水性ラッカー系は、経済的及び環境的理
由から、ますます重要性を増している。化学的に架橋し
ている2成分系ポリウレタンラッカーの場合、遊離イソ
シアネート基を有する化合物(「ポリイソシアネー
ト」)が結合剤用の硬化剤として用いられているが、こ
れは、一般にNCO反応基を有する有機ポリマー(ポリ
アクリレートポリオール、ポリエーテルポリオール又は
ポリエステルポリオール)である。これらのラッカー
は、その卓越した性質、殊に耐候安定性、耐黄変安定性
及び耐化学薬品安定性並びに、これらを用いて製造した
被覆の硬度及び可撓性の傑出した挙動により、一層重要
になっている。この場合、最近まで有機溶剤を不要にす
ることはできなかった(Farbe + Lack 97、199
1、201〜206)。水の使用は、イソシアネート基
が周知のように、所望のように、結合剤の有機的に結合
したNCO反応基とばかりでなく望ましくないが水とも
反応してしまうので久しく不可能であった。これによっ
て尿素構造体が生じ、かつ二酸化炭素が遊離することに
なる。これは、一方では、硬化した被覆中での減少した
架橋密度につながり、他方では、ガス発生によるフォー
ムの形成につながる。これは、この系の後処理及び被覆
の光学的性質にとっては不利な結果である。全体とし
て、このような水性系は、被覆のより短い可使時間及び
完全には満足のいかない性質により、実際には使用不可
能であると思われていた。
【0003】イソシアネート基の加水分解は、該イソシ
アネート基をブロックする(かまたは覆い隠す)ことに
よって阻止することができる。このためには、遊離ポリ
イソシアネートをブロック化剤(第二級アルコール又は
第三級アルコール;ラクタム又はオキシム)と反応させ
ている。ブロック化されたポリイソシアネートは、室温
及び適度に高められた温度で安定性であり、かつ水性1
成分系被覆剤にするための結合剤と混合することができ
る。被覆の硬化温度で、ブロック化剤は、分離される。
遊離していくイソシアネート基は、結合剤の反応能の基
と、連鎖架橋下に反応する。ブロック化されたイソシア
ネートは、確かに、イソシアネート基の加水分解に関連
した問題を回避するが、しかし、ブロック化とともに付
加的な処理工程、著しく高い硬化温度を必要とし、更に
効果の差異に、簡単には環境中に放出させてはならない
ブロック化剤を遊離してしまう。
【0004】従って、遊離イソシアネート基を有する硬
化剤を含有する水性2成分系ポリウレタン被覆系が、依
然として望まれていた。ドイツ連邦共和国特許第270
8442号及び同第3529249号によれば、性質形
状の改善のために有機ジ−もしくはポリイソシアネート
がプラスチック分散液に添加されている。しかしなが
ら、分散されたプラスチックとは、ポリイソシアネート
のための反応成分としてポリウレタン化学において通常
の有機ポリヒドロキシル化合物のことではなく、イソシ
アネート基に対して不活性な物質のことである。従っ
て、性質改善効果は、化学的架橋ではなく、イソシアネ
ートと水とから形成されたポリ尿素化合物を用いる分散
されたプラスチックの被覆に由来するものである。
【0005】結合剤用の硬化剤としての、遊離ポリイソ
シアネートと化学的に架橋する水性2成分系ポリウレタ
ン被覆剤は、明らかである限りでは、欧州特許第035
8979号中にはじめて記載されていた。これによれ
ば、結合剤成分としてのポリヒドロキシアクリレート
は、ポリイソシアネートラッカーとも呼称される遊離イ
ソシアネート基を有する特定のポリイソシアネートを乳
化することができる。こうして生じる水性2成分系は、
硬化して架橋薄膜になる。ポリイソシアネートラッカー
は、ビウレット−、ウレタン−、ウレトジオン及び/又
は、十分に使用可能なモノマー又は簡単なジイソシアネ
ート、殊にヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及び/
又はビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12
MDI又は短くHMDI)のイソシアレート基を有する
オリゴマー誘導体である。欧州特許第0358979号
により使用されたポリイソシアネートラッカーは、23
℃で1000mPasまでの粘土を有しており、かつ
2.2〜5の平均NCO官能価を示している。ポリイソ
シアネートラッカーは、前記のブロックされたポリイソ
シアネートのように別個の処理工程で製造され、そのよ
り大きな分子量により、有機溶剤で使用に相応しい粘度
にまで希釈されるか又はイオン性又は非イオン性の親水
性中心の組み込みを経て自己分散可能にされる。
【0006】他の刊行物では、特に、乳化作用のある結
合剤成分の使用分野の拡大及びアルコキシル化による非
イオン性親水性変性を含めたポリイソシアネート硬化剤
成分の変法、就中、可使時間の延長の目的及び被覆の性
質の改善を扱っている。親水性に変性されたポリイソシ
アネートは、硬化した被覆が依然として含有している親
水性基により多少なりとも水に敏感であるので、硬化剤
成分としては確かに問題がある。種々の結合剤及び/又
は親水性に変性されたポリイソシアネートの使用の例
は、欧州特許第0469389号、同第0496205
号、同第0496210号、同第0542085号、同
第0542105号、同第0543228号、同第05
62436号、同第0583728号、同第05870
61号、同第0603219号、同第0610450
号、同第0626401号、同第0639594号、同
第0654051号、同第0654052号、同第06
54055号、同第0657483号、同第07009
45号、同第0707608号、同第0731119
号、同第0742239号及び同第0746578号中
に見出される。就中、欧州特許第0206059号、同
第0516277号、同第0540985号、同第05
48669号、同第0645410号、同第06809
83号、同第0703255号、同第0728785号
及び同第0754713号は、特に、水性分散2成分系
ポリウレタン系中での使用のための親水性に変性された
ポリイソシアネートの製造を扱っている。
【0007】良好なラッカー技術的性質についての基本
原則は、2成分系ラッカー調製物の場合、いつでも、架
橋成分と結合剤成分との特に微細でかつできるだけ均一
な混合である。これは、水性系の場合で、使用した物質
の化学的性質に基づいて完全な混和性が存在しておら
ず、従って、均一な単相系が自然発生的に生じなくて、
強力な撹拌が必要とされる場合に、殊に重要である。低
い粘度により、特にHDIをベースとするポリイソシア
ネートは、水性2成分系ポリウレタン系のための硬化剤
成分として今日まで使用されている。IPDI及びHM
DIをベースとするポリイソシアネートは使用可能であ
るにもかかわらず、確かに、凝集状態により、調製のた
めには、HDI−ポリイソシアネートの場合よりも多く
の量の有機溶剤が必要とされているが、しかしこのこと
こそ、環境にやさしい水性系の場合に回避しようとされ
ているのである。
【0008】前記のように、2成分系ポリウレタン系
は、その高い耐候安定性、耐黄変安定性及び耐化学薬品
安定性について知られている。国際公開番号WO93/
05090号によれば、溶剤を含有する2成分系ポリウ
レタン系の場合には、環境の影響に対する被覆の安定性
の更なる改善が、HDIのポリイソシアネートとIPD
Iのものとの混合物の使用の際に得られた。これとは異
なり、機械的要求、例えば耐引掻き安定性及び耐洗浄装
置安定性に対してはマイナスの影響を及ぼされている
(I−Lack 61、1993、30)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】課題は、改善された光
学的、機械的、物理化学的及び使用技術的性質を得るた
めの新規の水性2成分系ポリウレタン系を見出すことで
あった。
【0010】これは、品質を犠牲にせずに環境にやさし
い水性ラッカー系によってこれまではまだ容易に代替す
ることができなかった、溶剤をベースとするラッカー系
の極めて高い品質よりも重要である。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題は、請求項に記
載の水性2成分系被覆組成物によって解決された。
【0012】本発明の対象は、本質的に、 A)少なくとも1種のポリオール成分の水性分散液、 B)2−メチルペンタンジイソシアネート−1,5をベ
ースとするポリイソシアネート成分を含有するが、この
場合、A対Bの量比が、1:0.5〜1:5のOH/N
CO当量比に相応する、水性2成分系ポリウレタン被覆
組成物である。
【0013】驚異的なことに、水性2成分系ポリウレタ
ン系中での硬化剤成分としてのMPDIをベースとする
ポリイソシアネートの使用の際には、これまでにしばし
ば使用された、硬化剤成分としてのHDIベースのポリ
イソシアネートを有する水性2成分系ポリウレタン系と
は異なり、種々の期待されていなかった利点を生じてい
ることが見出された。従って、同種の調製の際には、殊
に、被覆の明らかにより迅速な乾燥挙動並びに明らかに
高められた最終硬度が生じるが、これは、純粋な有機系
中では観察されないので一層驚異的なことである。従っ
て、大きな利点は、後処理の場合に、より短いダスト乾
燥時間及びより迅速な研磨可能時間/上塗り可能性に基
づいて並びに被覆自体の場合にもたらされる(可撓性の
変動せずに良好な値の場合のより一層の硬度及び環境の
影響に対する安定性)。
【0014】2−メチルペンタン−1,5−ジイソシア
ネート(MPDI)をベースとするポリイソシアネート
は公知であり、その製造は、ドイツ連邦共和国特許第3
151853号、同第3151855号及び同第322
7779号中に記載されている。また、ポリウレタン系
中でのMPDI−ポリイソシアネートの使用に関して
も、出版物が観光されている。ドイツ連邦共和国特許第
3151854号は、溶剤を含有する純粋な有機2成分
系ポリウレタン系中でのMPDIをベースとするポリイ
ソシアネートをより詳細に扱っているが、この場合、別
のポリイソシアネートと比して240℃での改善された
熱安定性が記載されている。これとは異なり、水性2成
分系ポリウレタンラッカー中での硬化剤成分としてのM
PDIをベースとするポリイソシアネートの使用は記載
されていない。
【0015】結合剤成分Aとしては、2成分系被覆組成
物にとっては通常の親水性で水希釈可能な系、即ち、水
中に分散したポリヒドロキシル化合物が、それぞれそれ
自体単独でか又は2種以上の代表物の混合物として使用
することができる。場合により存在する有機補助溶剤の
量及び種類、分子量及び親水性の程度に応じて、結合剤
成分Aは、分散分布しているか(>0.1μmの平均粒
度)、コロイド分散しているか(10〜100nmの範
囲内の平均粒度)あるいはまた分子分散分布して存在し
ている(<10nmの平均粒度)。一般に、分散分布並
びにコロイド分散及び分子分散含量が存在している。全
ての場合に、結合剤成分Aは、分散液としてか又はコロ
イド分散ないし分子分散した「溶液」として水で希釈可
能でなければならない。水とともに連続相として用いる
ことができる適当な溶剤は、イソシアネート反応の範囲
内で不活性であり、標準圧力下(1013ミリバール)
で300℃未満、有利に100〜250℃で沸騰するも
のである。有利な溶剤は、エーテル基及びエステル基を
分子中に有しており、かつ溶剤もしくは分散液が、均一
に分布した水/補助溶剤相を有する系である限りにおい
ては水と認容性である。この水性の「溶液」又は分散液
は、一般に、20〜80重量%、の固体含量、23℃で
10〜10000mPasの粘度及び6〜10のpH値
を有している。
【0016】結合剤成分Aは、公知のOH官能性重合樹
脂、重縮合樹脂又は重付加樹脂、例えばポリアクリレー
ト樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂であっ
てもよい。同一又は異なる種類の複数の樹脂からなる混
合物も適している。分子量は、著しく変動することがあ
るので、例えば数平均分子量(Mn)は、500〜10
0000であってもよい。これらの樹脂は、線状又は分
枝鎖状であってもよい。前記の樹脂の水希釈可能性及び
希釈された溶液又は分散液の安定性は、通常、イオン性
の親水性基、例えば潜在的イオン性の親水性基、例えば
カルボン酸基、スルホン酸基又は第三アミノ基から中和
によって生じるカルボキシレート基、スルホネート基又
は第四級アンモニウム基の存在に基づいている。潜在的
イオン性カルボキシル基は、通常、完全には中和されな
いので、樹脂は、一般に、20〜100mgKOH/g
の酸価を有している。勿論、硬化剤成分Bのイソシアネ
ート基との反応に必要なヒドロキシル基も、結合剤成分
Aの親水性、ひいては水希釈可能性にとって有用であ
る。ヒドロキシル基とともに、更に別の親水性になる
基、例えばポリオキシアルキレン基並びにイソシアネー
ト基と反応することがある他の基、例えばポリマー主鎖
に結合したアミノ基、イミノ基、メルカプト基またはC
H酸基、例えばマロン酸誘導体が存在していてもよい。
有利な結合剤成分Aは、50〜300、有利に100〜
200のヒドロキシル価を有している。
【0017】結合剤成分Aの分散液は、それぞれの結合
剤成分Aと認容性である更に他の水希釈可能な有機ポリ
ヒドロキシ化合物、例えば2個以上のヒドロキシル基を
有し、場合によりオキシアルキレン基を有する水溶性の
アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリ
オール、1,2,6−ヘキサントリオール及びペンタエ
リトリット並びに前記アルコールのエトキシル化生成物
及び/又はプロポキシル化生成物を含有していてもよ
い。
【0018】MPDIをベースとする本発明によるポリ
イソシアネートとしては、ビウレット−、ウレトジオン
−及び/又はイソシアヌレートベースのポリイソシアネ
ート(ドイツ連邦共和国特許第3151853号、同第
3151855号及び同第3227779号)及び/又
は、原理的には欧州特許第0535483号中に記載さ
れているようにアロファネート変性された形でも使用で
きる。平均NCO官能価は、一般に2.3〜5である。
1つの有利な実施態様の場合、蒸留による分離を用い
て、<0.5重量%の残留モノマー含量を有するポリイ
ソシアネートが使用される。イソシアヌレートを有する
ポリイソシアネートは、特に有利である。
【0019】MPDIをベースとするポリイソシアネー
トは、別のポリイソシアネートと混合して使用すること
ができる。これには、例えば冒頭で記載した欧州特許第
0358979号中に詳細に記載されているHDI、I
PDI又はHMDIをベースとする(シクロ)脂肪族
「ポリイソシアネート」及び/又は芳香族ポリイソシア
ネート、例えばテトラメチレンキシリレンジイソシアネ
ート(TMXDI)、ジイソシアナトトルオール(TD
I)及び/又はジイソシアナトジフェニルメタン(MD
I)が極めて好適である。通常、前記のポリイソシアネ
ートは、被覆組成物の一定の性質を意図的に変化させる
ために僅少量でのみ添加されている。
【0020】全部のポリイソシアネート成分は、23℃
で10〜20000mPasの粘度を有していなければ
ならない。従って必要な場合には、該ポリイソシアネー
トは、粘度を使用目的に相応する値に調節するために、
僅少量の不活性溶剤と混合して使用することができる。
しかしながら、この種の溶剤の量は、最終的に得られる
本発明による被覆剤中で最大20重量%が残留している
ような程度に最大値を定めなければならないが、この場
合、水性結合剤分散液中に場合によりなお存在している
溶剤も一緒に計算してある。ポリイソシアネートのため
の添加剤として適した溶剤は、例えば芳香族炭化水素、
エステル、エーテル及び/又はケトンである。
【0021】親水性化されたポリイソシアネートの使用
は、同様に可能である。これによって、被覆剤組合せ物
の特定の性質、例えば安定性及び認容性を多くの場合に
改善することができる。親水性化されたポリイソシアネ
ートは、例えば酸化エチレンベースまた場合によっては
酸化プロピレンベースのポリエーテルセグメント及び/
又はカルボキシレート基を有している。
【0022】すぐに使用できる被覆組成物の製造には、
硬化剤成分Bが、被覆剤の後処理の直前に、結合剤成分
Aの分散液中で乳化されるが、この場合、前記結合剤成
分は、ポリイソシアネート成分のための乳化剤の機能を
受け継いでいる。いずれにせよ、多くの場合に有用であ
ったとしても、付加的な乳化剤は不必要である。この2
つの成分は、簡単な撹拌機によって室温で混合すること
ができる。有利に、例えば急速撹拌機、溶解機、振動器
又はターボ混合機によって強い剪断力がかけられる。こ
れによって、結合剤成分Aの分散液中での硬化剤成分B
の望ましい微細分布が達成される。これは、微細分布し
た硬化剤成分Bの平均粒度が、結合剤成分Aの平均粒度
と同じ粒度分布範囲内である場合には有利である。結合
剤成分Aと硬化剤成分Bの量は、結合剤成分A中のヒド
ロキシル基対硬化剤成分B中のイソシアネート基の当量
比が1:0.5〜1:5、有利に1:0.9〜1:3で
あるように定められる。
【0023】予定した塗装法にとって粘度が高すぎる場
合には、粘度を、有機溶剤又は水の添加によって容易に
使用に適する値に調節することができる。
【0024】成分AとBとの混合の際に、結合剤成分A
の分散した粒子の中へのポリイソシアネートの拡散によ
ってにしろ、結合剤成分Aの分散したポリオール粒子の
乳化作用による形成されたポリイソシアネート液滴の安
定化によってにしろ、結合剤成分Aは、硬化剤成分Bを
水の干渉から取り除いている。いずれにせよ、被覆組成
物の目的に応じた貯蔵及び後処理の場合に、水との反応
によるポリイソシアネートの取るに足るような損失は生
じない。これに応じて、取るに足るような二酸化炭素の
発生も生じない。
【0025】本発明による被覆組成物には、外部乳化剤
を添加せずとも調製できるという利点がある。従って、
該被覆組成物は、有利に、外部乳化剤を含有していな
い。しかしながら勿論、調製の際に乳化剤を添加するこ
とも可能である。更に、該被覆組成物は、別の通常の助
剤及び添加剤、例えば顔料、消泡剤、流展剤、増粘剤、
乾燥剤、充填剤及び/又はイソシアネート付加反応のた
めの触媒を含有していてもよい。前記の助剤及び添加剤
は、被覆組成物の本発明による成分ではない。これら
は、一般に、結合剤成分A中に存在しており、その分散
の前後に場合により該被覆組成物に添加することができ
る。当該の助剤及び添加剤が水相中に達してはならない
場合には、常に前者が推奨される。
【0026】被覆組成物の固体含量は、クリアラッカー
としての使用の場合には、一般に、25〜60重量%、
有利に30〜55重量%であり、有機補助溶剤の含量
は、0〜20重量%、有利に0〜15重量%である。こ
れに応じて、被覆組成物中の含水量は、通常、20〜7
5重量%の範囲内、有利に30〜65重量%である。2
3℃での被覆組成物の粘度は、はじめに、即ち、成分A
とBとの混合及び場合による希釈の直後に、通常10〜
1000mPasであり、かつpH値は、通常6〜10
である。
【0027】こうして製造した被覆組成物は、反応能の
成分を含有しているので、該被覆組成物は、その後処理
の前に無制限に貯蔵することはできない。可使時間/後
処理時間は、就中、結合剤成分A及び硬化剤成分Bの化
学的性質に左右される。一般に、室温で貯蔵した場合の
被覆組成物は、成分AとBとの混合による該被覆組成物
の製造後、遅くとも12時間以内、好ましくは8時間以
内に使用されなければならない。該被覆組成物は、実際
には、溶剤を含有するか又は溶剤不含の被覆系を用い
て、必要とされる硬化温度に耐えられる支持体上に高価
な被覆剤が製造される全ての使用分野に適している。こ
れらは、ナイフ、噴霧、浸漬又は刷毛塗りのような通常
の方法により支持体上に塗布される。本発明による被覆
は、通常、有利に20〜150℃で硬化するが、この場
合、硬化はより高い温度によって促進される。生じた塗
膜は、引掻き耐性及び耐溶剤安定性、気泡がなく、かつ
クリアラッカーとして透明である。本発明による被覆組
成物は、木材、金属及びプラスチック支持体上の上塗り
の製造に特に適している。
【0028】
【実施例】例1及び比較例A
【0029】
【表1】
【0030】本発明による2成分系ポリウレタン被覆剤
の製造 成分1〜8を装入し、撹拌機を用いて毎秒4mの周囲速
度で混合する。十分な混和後に、成分9を撹拌機の同じ
周囲速度で添加する。同じ混合条件下で、引き続き、成
分10を希釈のために緩徐に添加する。添加の終了後
に、変化させずに更に5分間撹拌する。すぐに使用可能
な系は、DIN4−ビーカー中で約20秒の流出時間に
相応する粘度、38重量%の固体含量及び11.3重量
%の有機補助溶剤の含量を有している。
【0031】比較例 A HDI−イソシアヌレートをベースとする比較例の製造
を、本発明により上記の2成分系ポリウレタン被覆剤の
製造と同様にして行った。
【0032】例1及び比較例Aの機械的特性値 本発明による2成分系ポリウレタン被覆を、上記のよう
にして製造し、引き続き直接、機械的特性値の測定のた
めに燐酸塩処理したスチール薄板(Bonder 26S/60/OC)
の上に塗布し、かつ室温もしくは80℃の場合には30
分間硬化させた。以下に記載の機械的特性値は、達成可
能な最終値と理解される。硬化の経過の測定のために、
室温もしくは80℃の場合には30分間乾燥させたスチ
ール薄板を、室温で貯蔵し、かつ1日後、3日後及び1
週間後に再度測定した。
【0033】
【表2】
【0034】例2及び比較例B
【0035】
【表3】
【0036】本発明による2成分系ポリウレタン被覆剤
の製造 成分1〜6を装入し、かつ撹拌機を用いて毎秒4mの周
囲速度で混合する。十分な混和後に、まず、成分7、次
に、成分8を撹拌機の同じ周囲速度で添加する。同じ混
合条件下で、引き続き、成分9を希釈のために緩徐に添
加する。添加の終了後に、変化させずに更に5分間撹拌
する。塗布できる系は、DIN4−ビーカー中で約20
秒の流出時間に相応する粘度、45重量%の固体含量及
び3.1重量%の有機補助溶剤の含量を有している。
【0037】比較例 B HDI−イソシアヌレートをベースとする比較例の製造
を、本発明による前記の2成分系ポリウレタン被覆剤の
製造と同様にして行った。
【0038】例2及び比較例Bの機械的特性値 本発明による2成分系ポリウレタン被覆を、上記のよう
にして製造し、引き続き直接、機械的特性値の測定のた
めに燐酸塩処理したスチール薄板(Bonder 26S/60/OC)
の上に塗布し、かつ室温もしくは80℃の場合には30
分間硬化させた。以下に記載の機械的特性値は、達成可
能な最終値と理解される。硬化の経過の測定のために、
室温もしくは80℃の場合には30分間乾燥させたスチ
ール薄板を、室温で貯蔵し、かつ1日後、3日後及び1
週間後に再度測定した。
【0039】
【表4】
【0040】例3及び比較例C
【0041】
【表5】
【0042】本発明による2成分系被覆剤の製造 成分1〜3を装入し、かつ撹拌機を用いて毎秒4mの周
囲速度で混合する。十分な混和後に、成分4を撹拌機の
同じ周囲速度で添加する。同じ混合条件下で、引き続
き、成分5を希釈のために緩徐に添加する。添加の終了
後に、変化させずに更に5分間撹拌する。すぐに使用可
能な系は、DIN4−ビーカー中で約20秒の流出時間
に相応する粘度、30重量%の固体含量及び4.9重量
%の有機補助溶剤の含量を有している。
【0043】比較例 C HDI−イソシアヌレートをベースとする比較例の製造
を、本発明による前記の2成分系ポリウレタン被覆剤の
製造と同様にして行った。
【0044】例3及び比較例Cの機械的特性値 本発明による2成分系ポリウレタン被覆を、上記のよう
にして製造し、引き続き直接、機械的特性値の測定のた
めに燐酸塩処理したスチール薄板(Bonder 26S/60/OC)
の上に塗布し、かつ室温もしくは80℃の場合には30
分間硬化させた。以下に記載の機械的特性値は、達成可
能な最終値と理解される。硬化の経過の測定のために、
室温もしくは80℃の場合には30分間乾燥させたスチ
ール薄板を、室温で貯蔵し、かつ1日後、3日後及び1
週間後に再度測定した。
【0045】
【表6】
【0046】例4:
【0047】
【表7】
【0048】成分1〜3を装入し、かつ撹拌機を用いて
毎秒4mの周囲速度で混合する。十分な混和後に、成分
4及び5の混合物を撹拌機の同じ周囲速度で添加する。
同じ混合条件下で、引き続き、成分6を希釈のために緩
徐に添加する。添加の終了後に、変化させずに更に5分
間撹拌する。すぐに使用可能な系は、DIN4−ビーカ
ー中で約20秒の流出時間に相応する粘度、30重量%
の固体含量及び6.6重量%の有機補助溶剤の含量を有
している。
【0049】例4の機械的特性値 本発明による2成分系ポリウレタン被覆を、上記のよう
にして製造し、引き続き直接、機械的特性値の測定のた
めに燐酸塩処理したスチール薄板(Bonder 26S/60/OC)
の上に塗布し、かつ室温もしくは80℃の場合には30
分間硬化させた。以下に記載の機械的特性値は、達成可
能な最終値と理解される。硬化の経過の測定のために、
室温もしくは80℃の場合には20分間乾燥させたスチ
ール薄板を、室温で貯蔵し、かつ1日後、3日後及び1
週間後に再度測定した。
【0050】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライナー ロメルダー ドイツ連邦共和国 ミュンスター ギガス シュトラーセ 40 ベー (72)発明者 ディルク ライヒェル ドイツ連邦共和国 ドルステン レルヒェ ンヴェーク 11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)少なくとも1種のポリオール成分の
    水性分散液、 B)2−メチルペンタンジイソシアネート−1,5をベ
    ースとするポリイソシアネート成分を含有するが、この
    場合、A対Bの量比が、1:0.5〜1:5のOH/N
    CO当量比に相応する、水性2成分系ポリウレタン被覆
    組成物。
  2. 【請求項2】 MPDIをベースとするポリイソシアネ
    ートとして、ビウレット−、ウレトジオン−及び/又は
    イソシアヌレートベースのポリイソシアネートを、アロ
    ファネート変性された形であっても、2.3〜5の平均
    官能価で含有している、請求項1に記載の2成分系ポリ
    ウレタン被覆組成物。
  3. 【請求項3】 MPDIのイソシアヌレートを含有して
    いる、請求項1又は2に記載の2成分系ポリウレタン被
    覆組成物。
  4. 【請求項4】 <0.5重量%の残留モノマー含量を有
    するポリイソシアネートを含有している、請求項1から
    3までのいずれか1項に記載の2成分系ポリウレタン被
    覆組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオール成分A)として、ヒドロキシ
    ル基を有するポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂
    及び/又はポリウレタン樹脂を含有している、請求項1
    から4までのいずれか1項に記載の2成分系ポリウレタ
    ン被覆組成物。
  6. 【請求項6】 HDI、IPDI、HMDI及び/又は
    TMXDI、TDI、MDIをベースとする別のポリイ
    ソシアネートを含有している、請求項1から5までのい
    ずれか1項に記載の2成分系ポリウレタン被覆組成物。
  7. 【請求項7】 助剤を含有している、請求項1から6ま
    でのいずれか1項に記載の2成分系ポリウレタン被覆組
    成物。
  8. 【請求項8】 水性被覆剤において、請求項1から7ま
    でのいずれか1項に記載の水性2成分系ポリウレタン被
    覆組成物を含有することを特徴とする、水性被覆剤。
JP11029159A 1998-02-05 1999-02-05 水性2成分系ポリウレタン被覆組成物及び該被覆組成物を含有する水性被覆剤 Pending JPH11323250A (ja)

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DE59900199D1 (de) 2001-09-27
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