JP4023719B2 - インターロック回路を有する給電装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターロック回路を有する給電装置およびそれを用いる画像形成装置に関する。具体的には、これに限定する意図ではないが、事務機器などのオペレータ保護の為に設けられたインターロック回路に関し特にインターロック回路に用いられている電気リレーの接点異常の検知に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より事務機器においては、インターロック回路が用いられており、例えば、その機器の前扉などの開閉にリンクするスイッチなどを用いて、モータなどの負荷駆動回路装置のDC電源電圧の開閉を行うことで、オペレータに危険な動作状態が発生しないようにしている。これにより、仮に機器の電源が投入されている状態であっても、前扉などが開放されていれば、負荷の駆動電圧が印加されず、すなわち負荷が動くことはなく、期せずして生じる事故を防止することができる。
【0003】
一般的にこの構成を実現させるためには、インターロック回路として開閉したい電源電圧ラインを、その扉まで配回していき、その扉の開閉メカ機構により回路を開閉するスイッチに、配回した電源電圧ラインをシリアルに接続させる方法が挙げられる。
【0004】
しかしながらこの方法の場合、インターロック回路として遮断したい負荷が大電流を要すると、その大電流をその扉まで配廻す必要が出てしまい、電磁輻射ノイズの抑制の観点からあまり望ましいものではない。また、インターロック機構としての扉類が複数存在する場合、また、遮断したい回路が複数存在する場合、それらは、その組み合わせ分スイッチが必要となる。例えば、前ドア、左ドア、右ドアとあり、どれが開いても回路を遮断でき、遮断回路として5V系、24V系1、24V系2と3系統あった場合、3×3=9個ものスイッチが必要となってくる。
【0005】
このため上記以外の方法として、負荷系の電源電圧ラインの遮断に電気リレー(以下では単にリレーと言うこともある)を用いて、そのリレーの駆動回路を、インターロックスイッチ(ドアスイッチ)で遮断させる方法もある。この場合、上記の遮断箇所3箇所、電源3系統の例で示すと、24V系1をドアスイッチにて開閉できる構成とし、更にリレー駆動回路も割り当てる。そして駆動されるリレーとして、2回路入りのものを用い、a接点側を5V系、b接点側を24V系2として割り当てる。この構成によれば、24V系1(リレー駆動回路)を開閉する為のスイッチが3個と、24V系2,5V系を開閉するリレー1個という、少ない部品構成にて、どこのドアが開いても、3系統の電源全てを遮断できるインターロック回路が実現出来ることになる。なお、この場合には、3個のドアスイッチを直列に接続して、24V系1とリレーコイルの間に接続させる。なおもちろん、リレー駆動の電源はインターロック電圧(24V系1,24V系2,5V系)に限定する必要はない。
【0006】
しかしながら一般的に、スイッチ、リレーといった回路開閉部品では、接点を閉じる際、負荷側に設けられた容量性負荷あるいは浮遊容量に突入電流が流れ込み、この突入電流によりアーク等が発生し、接点が溶着するという問題がある。また、負荷への通電中に接点開閉を行った場合、負荷のON/OFFを直接回路開閉部品で行うことになり、その際、接点間にアーク等が発生し、その通電電流値が大きい場合、接点が溶着してしまうという問題がある。
【0007】
特にリレーの場合、一般的に同じ電流容量のスイッチと比較すると、アーク等に対する耐性が低いものが多く、そのため、通電時にON/OFFしない注意を払ったり、より突入電流を押さえる検討等が種々行われてきた。リレーの対処技術としては、特開2000−215772号公報記載の技術等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
インターロックの回路開閉部品の接点を保護するといった観点で、突入電流自体を発生させない方法,突入電流を抑制する方法など、いろいろ検討されている。
【0009】
例えば、前者の突入電流自体を発生させない方法としては、インターロック用リレーの対処例として、特開2000−215772号公報記載の技術が挙げられ、また後者の抑制の方法としては、電流制限回路を付加したり等、公知の技術は多く発表されており、また負荷容量を押さえつつ機能を満足をさせるというのも一つの方法である。
【0010】
しかしながらこれら従来の方法では、例えば特開2000−215772号公報記載の技術では、突入電流自体を発生させない機構であるため、リレーの接点保護という観点では全く申し分ないが、回路の立ち上がり時間が遅れるため、システムとしての副作用がないようにしなければならない。また、回路動作としても発振などに注意を払う必要があり、決して安易な設計では作り上げることはできない。
【0011】
また、電流制限回路を付加したり、負荷容量を押さえるといった方法では、突入電流を抑制することができても、機能とのトレードオフになり、負荷の選定に大きく影響する。また、機能達成とリレーの部品寿命との折衝となる場合が多々あり、この回路が搭載される機器としての寿命仕様、もしくは安全規格の要求寿命を満足できればよしとしてしまう場合がある。リレー寿命が機器としての寿命仕様と同等の場合、機器としての仕様は満足していることにはなるが、それ以上の仕様で使われたユーザに対しては、安全を保証していないことになってしまう。
【0012】
実際、SWのON/OFF回数などは、一般的な使われ方をターゲットにしており、機器の調子があまりよくない場合は、メインSWのON/OFFは頻繁に行われ、また複写機/プリンタなどであれば、紙の通りが悪ければジャムが多発し、ドア類の開閉も頻繁に行われることになる。この場合、SW,リレーの寿命仕様を越えてしまうこともあり得る。また、耐用年数を超えて使われる機器もかなり市場には存在しており、トラブルなく機器が稼働していても、寿命仕様を越えてしまう場合が多々ある。
【0013】
しかしながら、そもそもインターロック回路とは、オペレータ保護の為の回路であるので、異常がないようにするのはもちろんであるが、異常があった場合でも、オペレータに危険な動作状態が発生しないようになっているのが望ましいといえる。
【0014】
本発明は、電気リレーの動作異常傾向の把握が容易な電源回路およびそれを用いる画像形成装置を提供することを第1の目的とし、該動作異常傾向を監視することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では、このような従来技術の問題点に鑑みなされたもので、まずインターロック回路の回路開閉部品として、励磁コイルを個別に持った複数のリレーを用い、それぞれにインターロック動作させる負荷系を振り分ける。回路構成としては、1つ目のリレーの出力にもう一つのリレーの駆動コイルを接続し、さらに複数のリレーがある場合は、同様に、2つ目のリレー出力にもう一つのリレーの駆動コイルを接続させていく。
【0016】
そして、本発明の好ましい実施態様では、振り分けられたそれぞれの負荷ラインには接点開閉検知回路を接続しておき、この検知出力をCPU,MPUあるいはディスクリート論理回路などのデジタルデバイスにて監視を行わせる。この回路動作として、振り分けられた複数の負荷系電源はシーケンシャルにON/OFFをするため、接点開閉検知回路が接続されたデバイスもそのシーケンスを監視することで、接点の異常検知が可能となる。
【0017】
リレー接点は、突然に溶着してしまうものではなく、突入電流値の大小,突入電流のdI/dt(微分値)、定常通電電流値の大小などに起因して、徐々に接点移転が起こっていくものである。すなわち、接点間ギャップが縮まる方向に接点自体の形状が変わっていき、最後には接点が溶着しOFFしなくなるというものであるが、その接点移転が起こっている間も、リレーコイルにON通電したのに接点がなかなかON(オン;閉成)しない、リレーコイルの通電をOFFしたのに接点がなかなかOFF(オフ;開放)しないというような異常傾向が現われる。
【0018】
本発明の好ましい実施態様では、このような状態、すなわち溶着といった最終破壊状態前の異常状態を検知する。
【0019】
具体的には、次の通りである:
(1)インターロックスイッチ(73),該インターロックスイッチのオフからオンへの切換りによりオフからオンに切換えられる第1電気リレー(86)、および、第1電気リレーのリレー接点の開放から閉成への切換りによりオフからオンに切換えられる第2電気リレー(8)を備え、第1電気リレー(86)のリレー接点を介して第1負荷(5A)に給電し、第2電気リレー(8)のリレー接点を介して第2負荷(5B)に給電する、インターロック回路を有する給電装置。
【0020】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素もしくは相当要素の記号を、参考までに付記した。以下も同様である。
【0021】
これによれば、第1電気リレー(86)の系統と第2電気リレー(8)の系統に振り分けられた第1負荷(5A)と第2負荷(5B)が、インターロックスイッチのON/OFFにともなってシーケンシャルにON/OFFするため、インターロックスイッチのON/OFFの切換りから、第1負荷(5A)と第2負荷(5B)のON/OFFの切換りまでの各時間遅れの間に時間差ができ、時間遅れの検知が容易になり、時間遅れを計測することにより、またON/OFFの切換りシーケンスを監視することで、接点の異常傾向の把握ならびに異常検知が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(2)前記インターロックスイッチ(73)のオンからオフへの切換りから各設定時間(T1,T2)内に第1および第2電気リレー(86,8)のリレー接点がオンからオフに切換わったかを監視する開放監視手段(MPU/F,Co,L1,L2,c1,c2);をさらに備える上記(1)の給電装置。
【0023】
例えば、第1電気リレー(86)のオンからオフへの開放遅れ異常判定閾値をT1とし、第2電気リレー(8)のオンからオフへの開放遅れ異常判定閾値をT2とすると、開放監視手段で、インターロックスイッチ(73)のオンからオフへの切換り時点から、第1電気リレー(86)がオンからオフへ切換わった時点までの経過時間t1と、第2電気リレー(8)がオンからオフへ切換わった時点までの経過時間t2とを計測して、t1>T1であると第1電気リレー(86)が開放遅れ傾向であると判定し、t2>T2であると第2電気リレー(8)が開放遅れ傾向であると判定する。実際に電気リレーがオンからオフに切換わらなくなる前に、その傾向があることを知ることができる。
【0024】
(3)前記インターロックスイッチ(73)のオフからオンへの切換りから各設定時間(T1B,T2B)内に第1および第2電気リレー(86,8)のリレー接点がオフからオンに切換わったかを監視する閉成監視手段(MPU);をさらに備える上記(1)又は(2)に記載の給電装置。
【0025】
例えば、第1電気リレー(86)のオフからオンへの閉成遅れ異常判定閾値をT1Bとし、第2電気リレー(8)のオフからオンへの閉成遅れ異常判定閾値をT2Bとすると、開放監視手段で、インターロックスイッチ(73)のオフからオンへの切換り時点から、第1電気リレー(86)がオフからオンへ切換わった時点までの経過時間t1と、第2電気リレー(8)がオフからオンへ切換わった時点までの経過時間t2とを計測して、t1>T1Bであると第1電気リレー(86)が閉成遅れ傾向であると判定し、t2>T2Bであると第2電気リレー(8)が閉成遅れ傾向であると判定する。実際に電気リレーがオフからオンに切換わらなくなる前に、その傾向があることを知ることができる。
【0026】
(4)前記インターロックスイッチ(73)を介して第3負荷(5)に給電する、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインターロック回路を有する給電装置。これによれば、負荷群の中の最先にオン/オフするのが好ましい負荷を上記第3負荷(5)に定め、次順位の負荷を上記第1負荷(5A)に定め、そして次次順位の負荷を上記第2負荷(5B)に定めて、負荷のオン/オフシーケンスを定めることができる。
【0027】
(5)感光体(101)に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置(106)でトナー像に顕像化し、該トナー像を、直接に又は中間媒体を介して間接に、転写紙に転写する画像形成装置において、
画像形成装置のドア又は前カバーの開により開き、閉により閉じるインターロックスイッチ(73);
該インターロックスイッチのオフからオンへの切換りによりオフからオンに切換えられて画像形成装置の第1負荷(5A)に給電する第1電気リレー(86);および、
第1電気リレーのリレー接点の開放から閉成への切換りによりオフからオンに切換えられて画像形成装置の第2負荷(5B)に給電する第2電気リレー(8);
を備えことを特徴とする画像形成装置。
【0028】
これによれば、画像形成装置例えばプリンタにおいて、第1電気リレー(86)の系統と第2電気リレー(8)の系統に振り分けられた第1負荷(5A)と第2負荷(5B)が、インターロックスイッチのON/OFFにともなってシーケンシャルにON/OFFするため、インターロックスイッチのON/OFFの切換りから、第1負荷(5A)と第2負荷(5B)のON/OFFの切換りまでの各時間遅れの間に時間差ができ、時間遅れの検知が容易になり、時間遅れを計測することにより、またON/OFFの切換りシーケンスを監視することで、接点の異常傾向の把握ならびに異常検知が可能となる。
【0029】
(6)装置は更に、原稿の画像を読取って画像データを発生する原稿スキャナ(10);および、該画像データを前記感光体に静電潜像を形成するための画像データに処理する手段(53);を備える、上記(5)の画像形成装置。
【0030】
これによれば、デジタル複写装置において、上記(5)の作用,効果が同様に得られる。
【0031】
(7)カバーの開閉に連動してOFF/ONするインターロックスイッチ(73)と、このスイッチが挿入されている電源ライン(+24V)により動作する複数の電気リレー(86,8)と、前記スイッチ(73)及びリレー(86,8)の接点の後段に各負荷を接続した、インターロック回路を有する給電装置において、
回路上で前段のリレー(86)の出力が、後段のリレー(8)のトリガになるよう接続し、カバー開閉動作により前記スイッチ(73)がOFF/ONする場合、前記複数のリレー(86,8)がシーケンシャルにOFF/ONすることを特徴とする、給電装置。
【0032】
これによれば、複数のリレー(86,8)が、前記スイッチ(73)のON/OFFにともなってシーケンシャルにON/OFFするため、スイッチ(73)のON/OFFの切換りから、各リレーの接点のON/OFFの切換りまでの各時間遅れの間に時間差ができ、時間遅れの検知が容易になり、時間遅れを計測することにより、またON/OFFの切換りシーケンスを監視することで、接点の異常傾向の把握ならびに異常検知が可能となる。
【0033】
本発明の他の目的および特徴は図面を参照した以下の実施例の説明により明らかになろう。
【0034】
【実施例】
図1に本発明の1実施例の複合機能複写機の外観を示す。この複合機能複写機は、大略で、自動原稿送り装置〔ADF〕30と、操作部20と、カラースキャナ10と、カラープリンタ100と、中継ユニット32と、ステープラ及び作像された用紙を大量に積載可能なシフトトレイ付きのフィニッシャ34と、両面反転ユニット33と、給紙バンク35と、大容量給紙トレイ36及び1ビン排紙トレイ31、の各ユニットで構成されている。
【0035】
図2に、カラープリンタ100の構成を示す。101は可撓性の感光体ベルトであり、感光体ベルト101は、回動ローラ102,3間に架設され、回動ローラ102の回転駆動により図中矢印A方向(時計方向)に搬送される。図中104は、感光体ベルト101表面を均一に帯電する帯電チャージャ、図中105は、像書込みユニットであるレーザ露光装置である。また、図中106はカラー現像装置であり、106aはマゼンタ、106bはシアン、106cはイエロー、106dは黒現像ユニットである。
【0036】
更に、図中109は中間転写ベルトであり、中間転写ベルト109は回動ローラ110−112に架設され、回動ローラ110の回転駆動により図中矢印B方向(反時計方向)に搬送される。感光体ベルト101と、中間転写ベルト109は、感光体ベルト101の無記号の回動ローラ部で接触している。該接触部の中間転写ベルト109側には、導電性を有するバイアスローラ113が、中間転写ベルト110裏面に所定の条件で接触している。
【0037】
感光体ベルト101は帯電チャージャ104により一様に帯電された後、レーザ露光装置105による、画像記録信号で変調されたレーザ光の走査により、露光される。これにより感光体ベルト101上に静電潜像が形成される。ここで、レーザ光を変調する画像記録信号は、所望のフルカラー画像をマゼンタ,シアン,イエロー、及び黒(Bk)の色情報に分解した、各色(単色)宛てのものであり、1色宛ての静電潜像の形成と、現像装置106a−106dの中の該色宛のものによる現像が、色数分(例えばマゼンタ,シアン,イエロー、及び黒、計4回)繰返される。現像により現われた顕像(トナー像)は、それぞれ中間転写ベルト9に重ね合わせ転写される。
【0038】
即ち、図中矢印A方向に回転する感光体ベルト1上に形成される各単色画像(トナー像)は、感光体ベルト101と同期して図中矢印B方向に回転する中間転写ベルト109上に、マゼンタ,シアン,イエロー、及び黒の単色毎に、バイアスローラ113に印加された所定の転写バイアスにより順次重ね転写される。中間転写ベルト109上に重ね合わされたマゼンタ,シアン,イエロー、及び黒の画像は、給紙台116の給紙カセット116aから給紙ローラ117,搬送ローラ対118a,118b、レジストローラ対119a,119bを経て転写ローラ114へ搬送された転写紙上に一括転写される。転写終了後、転写紙上のトナー像は定着装置120により転写紙に定着(加熱圧着)される。これによりフルカラー画像が完成し、転写紙は、排紙ローラ対121a,121bを経て排紙スタック部122に排出される。
【0039】
なお、図中107は、感光体ベルト101に常時当接し、感光体ベルト101上のトナーを拭い取るクリーニングブレード、図中115は、中間転写ベルト109のクリーニング装置で、該クリーニング装置115のクリーニングブラシ115aは、画像形成動作中には中間転写ベルト110表面から離間した位置に保持され、形成像が上述の転写紙上に転写された後に中間転写ベルト110表面に当接される。
【0040】
また、感光体ベルト101,帯電チャージャ104,中間転写ベルト109,クリーニング装置107,115は、プロセスカートリッジに一体的に組付けられてユニット化されている。
【0041】
108が、感光体ベルト101上のトナー付着量を検出するためのトナー付着量センサである。今回使用したトナー付着量センサ108は、発光部が赤外発光ダイオード、拡散反射光受光部がフォトダイオードの、フォトダイオードの受光量に応じたレベルの電圧Vs即ち検出信号を発生し出力するもの、即ち、拡散反射光光量を測定するトナー濃度センサ、である。
【0042】
定着装置120の定着ローラの内部には、定着ヒータ(ハロゲンランプ)123Cがあり、この定着ヒータ123Cに、定着通電回路85(図4)が通電し、これにより定着ヒータ123Cが発熱し且つ赤外線を発生して、定着ローラを加熱する。
【0043】
図3に、図1に示す複写機の電気系システムの概要を示す。複写機メカ制御部すなわち画像読取りおよび画像形成プロセス制御の主要部に、メイン制御板50上の1つのMPU(Micro Processing Unit)51と、スキャナ制御板11上の1つのCPU(Center Processing Unit)12が用いられている。MPU51は作像シーケンスおよび定着制御とシステム関係の制御を、CPU12はスキャナ関係の制御をそれぞれ行う。MPU51とCPU12とは、画像データインターフェース及びシリアルインターフエースによって接続されている。
【0044】
また、図3において、20は操作部、70は入出力電気回路を搭載した入出力I/F(インターフェイス)板、92は画像露光用のレーザ光を制御するLD制御板、41は給紙制御板、13はCCDを搭載する読み取り制御板、90はマザーボードである。
【0045】
60は、パソコン,ワープロなどホストのドキュメントを印刷するプリンタ機能及びコピー,ファクシミリ,プリンタの複合動作モードを制御するためのプリンタコントローラ(ボード)である。91は、複合機能を実現するためのアプリケーション拡張ユニットで、FAX機能を搭載したファクシミリ制御ユニット(FCU)である。80はDC電源/AC制御板である。
【0046】
図4に、電源装置80から、定着ヒータ123C,I/O制御板(入出力インターフエイス)70,メイン制御板(メインコントローラ)50,マザーボード90及びプリンタコントローラ60への給電系統の概要、ならびに、プリンタコントローラ60の概要を示す。
【0047】
図4を参照すると、画像形成プロセスを制御するメイン制御板50には、MPU51、CPU周辺ASIC(Application Specific IC)54、画像処理ASIC53、およびプリンタコントローラ60とのインターフェイス機能および画像データの圧縮伸張機能を有したI/F(インターフェイス)52がある。
【0048】
システムの制御を司るプリンタコントローラ60には、複合機能を実現するためのMPU61とメイン制御板50とのインターフェイスと操作部との通信機能およびメモリの制御機能を有した周辺ASIC64およびその他がある。
【0049】
原稿を光学的に読み取る原稿スキャナ10は、読み取りユニットにて、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(CCD)は、センサー・ボード・ユニット(SBU)13にあり、CCDに於いて電気信号に変換された画像信号は、SBU13上でデジタル信号すなわち読取った画像デ−タに変換された後、SBU13から、メイン制御板50上の画像処理ASIC53に出力される。
【0050】
SBU13からの読取り画像デ−タは、画像処理ASIC53に転送され、画像処理ASIC53が、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化:スキャナ特性による読取り画像デ−タの歪)を補正し、該画像デ−タをプリンタコントローラ60に転送してメモリMEM65に書込む。又は、プリンタ出力のための処理を施してプリンタ100のLD制御板92に与える。
【0051】
すなわち、画像処理ASIC53には、読取り画像デ−タをメモリMEM65に蓄積して再利用するジョブと、メモリMEM65に蓄積しないでLD制御板92上のビデオ・データ制御(VDC)に出力してレ−ザプリンタ機能で作像出力するジョブとがある。メモリMEM65に蓄積する例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、スキャナ10を1回だけ動作させ、読取り画像デ−タをメモリMEM65に蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。メモリMEM65を使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、読取り画像デ−タをそのままプリンタ出力用に処理すれば良いので、メモリMEM65への書込みを行う必要はない。
【0052】
まず、メモリMEM65を使わない場合、画像処理ASIC53は、読取り画像データに画像読取り補正を施してから、面積階調に変換するための画質処理を行う。画質処理後の画像データはLD制御板92上のVDCに転送する。面積階調に変化された信号に対し、ドット配置に関する後処理及びドットを再現するためのパルス制御をVDCで行い、レ−ザプリンタ機能によって転写紙上に再生画像を形成する。
【0053】
メモリMEM65に蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、画像読取り補正を施した画像データは、プリンタコントローラ60の、画像メモリアクセス制御機能がある周辺ASIC64に送られる。ここではMPU61の、フラッシュEEPROMに格納された動作プログラムに従った制御によって、画像データとメモリモジュ−ルMEM65のアクセス制御,外部パソコンPCのプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリ有効活用のための画像データの圧縮/伸張を行う。周辺ASIC64へ送られたデータは、データ圧縮後MEM65へ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出しデータは伸張し、本来の画像データに戻し周辺ASIC64から画像処理ASIC53へ戻される。
【0054】
画像処理ASIC53へ戻されると、そこで画質処理を、そしてLCD制御板92上のVDCでのパルス制御を行い、レーザプリンタ機能によって転写紙上に顕像(トナ−像)を形成する。
【0055】
複合機能の1つであるFAX送信機能は、原稿スキャナ10の読取り画像データを画像処理ASIC53にて画像読取り補正を施し、FAX制御ユニット(FCU)91へ転送する。FCU91にて公衆回線通信網へのデータ変換を行い、該通信網へFAXデータとして送信する。FAX受信は、通信網からの回線データをFCU91にて画像データへ変換し、画像処理ASIC53へ転送する。この場合特別な画質処理は行わず、LCD制御板92上のVDCにおいてドット再配置及びパルス制御を行い、レーザプリンタ機能によって転写紙上に顕像を形成する。
【0056】
メイン制御板50のMPU51は、画像データの流れを制御し、システムコントローラ60のMPU61はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。このデジタル複合機能複写機の機能選択は、操作部20にて選択入力し、コピー機能,FAX機能等の処理内容を設定する。
【0057】
プリンタコントローラ60の電源は、休止モード時でも通電状態にある+5VEが供給される。メイン制御板50には、休止モード時に通電がオフされる+5Vが供給される。I/O制御板70には、同じく休止モード時に通電がオフされる+5Vと+24Vがそれぞれ供給される。
【0058】
DC電源80には、コンバータ出力の+24Vと+5VE(+5Vの電圧)にそれぞれスイッチ83,84が接続されている。これらのスイッチ83,84のオン/オフを行うための制御信号がプリンタコントローラ60からスイッチ83,84に与えられる。省エネのための休止モードに移行するとき、プリンタコントローラ60はこの制御信号でスイッチ83および84を共にオフにする。
【0059】
定着制御85の目標温度を、トナー像を転写した転写紙の定着処理に定められた定着動作温度として定着ローラの温度をそれに維持する、コピースタートあるいはプリントコマンドに応答して実質上遅れ時間無く画像形成を開始することが出来るスタンバイモード、及び、電力消費を低くするために目標温度を定着動作温度の80%とし他はスタンバイモードと同様な状態であって操作入力があるとスタンバイモードへの復帰が直ちに行える低電力モード、ではプリンタコントローラ60は上記制御信号でスイッチ83および84を共にオンにしている。
【0060】
すなわち、休止モードではスイッチ83,84がオフで、プリンタコントローラ60,操作部20,圧板開閉検知の、複写機使用の可能性を伺わせるオペータの行為又はパソコンPCのプリントコマンドを検知するに最小限の電気素子又は回路に+5VEが継続して印加される。プリンタコントローラ60においては、該検知を待ちそれに応答してスイッチ83,84をオンにする回路ならびに不揮発保持が必要とされるデータを格納するメモリに+5VEが継続して印加される。
【0061】
なお、低電力モード時は、全てに電源が供給されており、定着ヒータ123Cの設定温度のみを下げている。
【0062】
操作部20からのキーインデータの解析や表示の制御は、プリンタコントローラ60のMPU61が行い、操作部20とのインターフェイスは周辺ASIC64が受け持っている。周辺ASIC64と操作部20とは、この実施例では、マザーボード90とメイン制御板50およびスキャナ制御板11を経由して接続されている。プリンタコントローラ60には、操作部20と同様にマザーボード90とメイン制御板50およびスキャナ制御板11を経由して圧板開閉検知(図示略)が接続されている。
【0063】
圧板開閉検知は、ADF30がスキャナに接続されている時には、ADF30の開閉を検出する検知スイッチであり、ADF30の装着が無い時には、原稿押さえ用の圧板の開閉を検出する検知スイッチである。いずれにしても圧板開閉検知は、ADF又は原稿押さえ用の圧板が開放状態かどうかを示す信号を発生し、これが、画像処理動作状態,スタンバイモード,低電力モード及び休止モードのいずれの時でも、スキャナ制御板10,メイン制御板50及びマザーボード90を介して、プリンタコントローラ60の周辺ASIC64に与えられ、MPU61がこの信号を読み取る。開放状態かどうかを示す信号を表すための電源(+5VE)および操作部20の入力キーのオンを検出して検出信号を発生するための電源(+5VE)は、マザーボード90,メイン制御板50及びスキャナ制御板10を介して、プロセスコントローラ60から、開閉検知スイッチおよび操作部20に与える。
【0064】
なお、ADF30を装備する場合、それはスキャナ制御板11に接続される。ADF30の原稿台に原稿があるか否を検出する原稿センサの検出信号も、スキャナ制御板10,メイン制御板50及びマザーボード90を介して、プリンタコントローラ60の周辺ASIC64に与えられ、MPU61がこの信号を読み取る。原稿センサが原稿の有無をあらわす検出信号を発生するための電源(+5VE)も、マザーボード90,メイン制御板50及びスキャナ制御板10を介してて、プロセスコントローラ60から、原稿センサに与える。
【0065】
DC電源/AC制御板80のSW83,84と、多くの電気的負荷が接続される入出力I/F板70の間の+24V給電ラインと+5V給電ラインのそれぞれに、2組の接点の複式電気リレー86の各組の接点が介挿されている。+24V給電ラインはリレー接片aで、+5V給電ラインはリレー接片bで、それぞれ開閉される。リレー86の電気コイルには、SW83の出力電圧+24Vが、ドアスイッチ73を通して印加される。なお、商用交流を定着ヒータ123Cに供給する定着通電回路85に、商用交流電圧ラインに介挿した図示しない電気リレーがあり、この電気リレーの電気コイルにも、ドアスイッチ73を通してSW83の出力電圧+24Vが印加される。
【0066】
ドアスイッチ73は、プリンタ100の前面ドアの開によってオフに、閉によってオンに切換えられるインターロックスイッチである。なお、前面ドアの他に、側面ドア又はカバー等の開によっても、DC電源/AC制御板80の電気リレーを開く場合には、それらのドア又はカバーの開閉によって開閉されるスイッチを、ドアスイッチ73と各電気リレーとの間に直列に介挿する。
【0067】
図5に、図4に示す電気回路システム上の、ドアスイッチ73および電気リレー86,8を含むインターロック回路の、第1電気リレー86および第2電気リレー8の接片aの開放遅延を検知する回路構成を示す。降圧電源回路5である負荷Cにはドアスイッチ73を介して+24Vが印加されるが、入出力I/F71上にあるモータドライバ5Aである負荷Aは、第1電気リレー86の接点aを介して+24Vが印加され、また、同様に入出力I/F71上にあるソレノイドドライバ5Bである負荷Bは、第2電気リレー8の接点aを介して+24Vが印加される。
【0068】
第1電気リレー86は、プリンタ100のカバードア(図示せず)の開閉に連動してOFF/ONするドアスイッチ73が挿入された+24Vをコイル電圧としており、その出力端には負荷A(5A)と電解コンデンサ6Bが接続されている。この電解コンデンサ6Bは、負荷Aの電源デカップ(電源電圧変動抑制およびノイズ抑制)用のパスコン(バイパスコンデンサ)となっている。また更に、この第1電気リレー86の出力ラインには、もう一つの第2電気リレー8の駆動コイルも接続されており、この第2電気リレー8の出力端には、同様に負荷B(5B)と電解コンデンサ6cが接続されている。電解コンデンサ6cは負荷B(5B)の電源デカップ用のパスコンとなっている。
【0069】
この回路構成において動作を説明すると、まず開いていた図示していないカバードアが閉まることで、ドアスイッチ73がONし、第1電気リレー86のコイルへ+24Vが供給される。それに伴い、第1電気リレー86の接点a,bがクローズ(閉:オン)になりすなわち閉成し、負荷A(5A)への+24V供給がはじまる。正確には負荷A(5A)への+24V供給の前に、デカップ用の電解コンデンサ6Bへの充電が始まり、充電具合に応じて、電圧が上昇し、充電完了をもって供給元の+24Vと同電位となる。この間コンデンサ容量や負荷系を含めた回路定数によるが、十数マイクロ〜数十マイクロsecオーダの時間となっている。その間は、そのラインに接続された第2電気リレー8の駆動コイルの印加電圧は十分には上昇せずにおり、正確には動作電圧(一般的に+24Vより少し低い電圧)まで上昇したところで、初めて第2電気リレー8の接点aがクローズになり、デカップ用のパスコン6Cへの充電動作が開始され、充電完了とともに、負荷B(5B)への+24V供給が始まる。
【0070】
これらの動作により、第1電気リレー86および第2電気リレー8は、ソフト制御などの介在なしにシーケンシャルにONする。なおこの特性はOFF時にも有効であり、前段の第1電気リレー86がOFFすると、電解コンデンサ6Bが放電している間、次段の第2電気リレー8はONしており、ある程度まで電圧が下がると、第2電気リレー8がOFFし、さらに後段に接続されたリレーという順に、シーケンシャルにOFFしていくことになる。
【0071】
なお、図1では、+24V出力が1回路入りのリレーを用いて説明しているが、もちろん2回路入りリレーでもこの構成は可能である。この場合、電圧の高い方、もしくはデカップコンデンサの容量の大きい方に段々に接続していけばよい。要は、充電時間の長い方にすればよい。
【0072】
図5の構成によると、上記シーケンシャルなON/OFF動作をする回路に、さらに開閉検知回路が接続されており、負荷A(5A),B(5B)の接続されたラインの状態を監視できるよう、メイン制御板50上のMPU51の入力ポートに接続されている。
【0073】
ところで、リレー接点とは突然に溶着してしまうものではなく、突入電流値の大小、突入電流のdI/dt、定常通電電流値の大小などに起因して、徐々に接点移転が起こっていくものである。すなわち、接点間ギャップが縮まる方向に接点自体の形状が変わっていき、最後には接点が溶着しOFFしなくなるというものであるが、その接点移転が起こっている間も、ONしたのになかなかONしない、OFFしたのになかなかOFFしないというような異常傾向が現れる。
【0074】
これは上記に示した電源電圧のON/OFFシーケンスに誤差が生じてくることを意味しており、MPU51でこのシーケンスを監視すれば、接点の異常状態を管理できることになる。ON時の両負荷ラインのシーケンスが逆転していないか、シーケンスは合っているが、そのディレイ時間が広がりすぎていないか、OFF時の両負荷ラインのシーケンスが逆転していないか、シーケンスは合っているが、そのディレイ時間が広がりすぎていないか、ソフト監視することで異常判断をする。なお、MPU51の動作スピードによっては、通常の入力ポートヲ使用する処理が間に合わない場合は、割り込み入力として直ちに処理をさせる。あるいは、ディスクリートデジタル論理回路を用いる監視回路を利用する。
【0075】
また最終的に上記異常検知が行われた場合は、オペレータ用の表示パネルに異常内容を表示させることで、オペレータに異常を報知すると共に、機器を停止させ、リレー部品の交換を促す。オペレータ保護が動作しない可能性がある為、部品交換されるまでは機器の稼働を不可能とする。
【0076】
図6に、カバードアが開かれてドアスイッチ73がONからOFFに切換り、これにより第1信号i1Aが高レベルHから低レベルLに切換り、これに応答してMPU51が実行する、ドアオープン時の割り込み処理CAMAの内容を示す。
【0077】
オペレータがプリンタ100の前ドアを開くと、ドアスイッチ73が閉から開へ変化し、これによって信号i1AがHからLへ立下ると、MPU51は、割込み処理CAMAに進み、タイムカウンタt1およびt2を使用する各計時を開始する(11)。次にMPU51は、第1電気リレー86の出力信号i2がLに立ち下がるのを待つ(12,13)。待っている間に、タイムカウンタt1を使用する計時値t1が、接片a,bの開移動異常判定用の閾値T1を超える値になったかをチェックする(14)。
【0078】
t1>T1になると、MPU51は、第1エラーレジスタER1に、第1リレー86の開エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー86の開移動異常を表示する(14)。そしてタイムカウンタt1を使用する計時t1を停止する(15)。
【0079】
t1>T1になる前に第1電気リレー86の出力信号i2がLに立ち下がるとMPU51は、タイムカウンタt1を使用する計時t1を停止して(15)、第2電気リレー8の出力信号i3がLに立ち下がるのを待つ(16,17)。待っている間に、タイムカウンタt2を使用する計時値t2が、接片aの開移動異常判定用の閾値T2を超える値になったかをチェックする(17)。
【0080】
t2>T2になると、MPU51は、第2エラーレジスタER2に、第2リレー8の開エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー8の開移動異常を表示する(18)。そしてタイムカウンタt2を使用する計時t2を停止する(19)。
【0081】
t2>T2になる前に第2電気リレー8の出力信号i3がLに立ち下がるとMPU51は、タイムカウンタt2を使用する計時t2を停止する(19)。そしてt1>T1かをチェックして(20)、そうであると第1エラーレジスタER1に、第1リレー86の開エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー86の開移動異常を表示する(22)。t1≦T1であったときには、第1エラーレジスタER1をクリアし、操作部20の表示パネルの、電気リレー86の開移動異常表示は消去する(21)。また、t2>T2かをチェックして(23)、そうであると第2エラーレジスタER2に、第2リレー8の開エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー8の開移動異常を表示する(25)。t2≦T2であったときには、第2エラーレジスタER2をクリアし、操作部20の表示パネルの、電気リレー8の開移動異常表示は消去する(24)。
【0082】
なお、上述のリレー開異常傾向監視にディスクリートのデジタル論理回路を用いる場合には、たとえば図5のMPU51のブロック内に仮想線(2点鎖線)で示すように、第1信号i1AのHからLへの立下りでフリップフロップFをセットしてカウンタCoによるクロックパルスCLKのカウントアップを開始し、第2信号i2のHからLへの立下りで第1ラッチL1にカウントデータt1をラッチし、第3信号i3のHからLへの立下りで第2ラッチL2にカウントデータt2をラッチして、t1>T1であると比較器c1の出力を異常表示レベルにして操作部20の表示パネルに、第1電気リレー86の開移動異常を表示し、t2>T2であると比較器c2の出力を異常表示レベルにして操作部20の表示パネルに、第2電気リレー8の開移動異常を表示する。
【0083】
図7に、カバードアが閉じられてドアスイッチ73がOFFからONに切換り、これにより第4信号i1Bが高レベルHから低レベルLに切換り、これに応答してMPU51が実行する、ドアクローズ時の割り込み処理CAMBの内容を示す。
【0084】
オペレータがプリンタ100の前ドアを閉じると、ドアスイッチ73が開から閉へ変化し、これによって第4信号i1BがHからLへ立下ると、MPU51は、割込み処理CAMBに進み、タイムカウンタt1およびt2を使用する各計時を開始する(31)。次にMPU51は、第1電気リレー86の出力信号i2がHに立ち上がるのを待つ(32,33)。待っている間に、タイムカウンタt1を使用する計時値t1が、接片a,bの閉移動異常判定用の閾値T1を超える値になったかをチェックする(34)。
【0085】
t1>T1になると、MPU51は、第1エラーレジスタER1に、第1リレー86の閉エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー86の閉移動異常を表示する(34)。そしてタイムカウンタt1を使用する計時t1を停止する(35)。
【0086】
t1>T1になる前に第1電気リレー86の出力信号i2がHに立ち上がるとMPU51は、タイムカウンタt1を使用する計時t1を停止して(35)、第2電気リレー8の出力信号i3がHに立ち上がるのを待つ(36,37)。待っている間に、タイムカウンタt2を使用する計時値t2が、接片aの閉移動異常判定用の閾値T2を超える値になったかをチェックする(37)。
【0087】
t2>T2になると、MPU51は、第2エラーレジスタER2に、第2リレー8の閉エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー8の閉移動異常を表示する(38)。そしてタイムカウンタt2を使用する計時t2を停止する(39)。
【0088】
t2>T2になる前に第2電気リレー8の出力信号i3がHに立ち上がるとMPU51は、タイムカウンタt2を使用する計時t2を停止する(39)。そしてt1>T1かをチェックして(40)、そうであると第1エラーレジスタER1に、第1リレー86の閉エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー86の閉移動異常を表示する(42)。t1≦T1であったときには、第1エラーレジスタER1をクリアし、操作部20の表示パネルの、電気リレー86の閉移動異常表示は消去する(41)。また、t2>T2かをチェックして(43)、そうであると第2エラーレジスタER2に、第2リレー8の閉エラー情報を書込み、操作部20の表示パネルに、電気リレー8の閉移動異常を表示する(45)。t2≦T2であったときには、第2エラーレジスタER2をクリアし、操作部20の表示パネルの、電気リレー8の閉移動異常表示は消去する(44)。
【0089】
なお、上述のリレー閉異常傾向監視にディスクリートのデジタル論理回路を用いる場合には、上述の図5のMPU51のブロック内に仮想線(2点鎖線)で示す論理回路と同様なものを用いる。
【0090】
【発明の効果】
複数の電気リレー(86,8)が、インターロックスイッチ(73)のON/OFFにともなってシーケンシャルにON/OFFするため、インターロックスイッチ(73)のON/OFFの切換りから、各リレーの接点のON/OFFの切換りまでの各時間遅れの間に時間差ができ、時間遅れの検知が容易になり、時間遅れを計測することにより、またON/OFFの切換りシーケンスを監視することで、接点の異常傾向の把握ならびに異常検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の給電装置を装備したデジタル複写機の外観を示す平面図である。
【図2】 図1に示すカラープリンタ100の機構概要を示す縦断面図である。
【図3】 図1に示すデジタル複写機の電気系統のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】 図3に示すDC電源80の構成の概要を示すブロック図である。
【図5】 図4に示す電気回路上の、ドアスイッチ73および電気リレー86,8を含むインターロック回路の、電気リレー86,8の接片a,bの開放遅延を検知する回路構成を示す電気回路図である。
【図6】 図4に示すMPU51の、ドアスイッチ73が開いたときの割込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】 図4に示すMPU51の、ドアスイッチ73が閉じたときの割込み処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100:カラープリンタ
73:ドアスイッチ
86,8:電気リレー
a,b:接片
5,56,57:インバータ
Claims (6)
- インターロックスイッチ,該インターロックスイッチのオフからオンへの切換りによりオフからオンに切換えられる第1電気リレー、および、第1電気リレーのリレー接点の開放から閉成への切換りによりオフからオンに切換えられる第2電気リレーを備え、第1電気リレーのリレー接点を介して第1負荷に給電し、第2電気リレーのリレー接点を介して第2負荷に給電する、インターロック回路を有する給電装置。
- 前記インターロックスイッチのオンからオフへの切換りから各設定時間内に第1および第2電気リレーのリレー接点がオンからオフに切換わったかを監視する開放監視手段;をさらに備える請求項1に記載の給電装置。
- 前記インターロックスイッチのオフからオンへの切換りから各設定時間内に第1および第2電気リレーのリレー接点がオフからオンに切換わったかを監視する閉成監視手段;をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の給電装置。
- 前記インターロックスイッチを介して第3負荷に給電する、請求項1乃至3のいずれかに記載のインターロック回路を有する給電装置。
- 感光体に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置でトナー像に顕像化し、該トナー像を、直接に又は中間媒体を介して間接に、転写紙に転写する画像形成装置において、
画像形成装置のドア又は前カバーの開により開き、閉により閉じるインターロックスイッチ;
該インターロックスイッチのオフからオンへの切換りによりオフからオンに切換えられて画像形成装置の第1負荷に給電する第1電気リレー;および、
第1電気リレーのリレー接点の開放から閉成への切換りによりオフからオンに切換えられて画像形成装置の第2負荷に給電する第2電気リレー;
を備えことを特徴とする画像形成装置。 - 装置は更に、原稿の画像を読取って画像データを発生する原稿スキャナ;および、該画像データを前記感光体に静電潜像を形成するための画像データに処理する手段;を備える、請求項5記載の画像形成装置。
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