JP4022456B2 - エンジンのリコイルスタータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのリコイルスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の従来技術として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。これは次のように構成されている。
リコイルリールに、入力側一方向回転伝動手段・入力輪・動力蓄積用うず巻きばね・出力輪・出力側一方向回転伝動手段を順に介して、エンジンの始動軸を連動連結する。
上記入力輪は、固定部に枢支されるとともに、間欠係合式逆回転防止手段によりその逆転が防止されるように構成する。
そして、このリコイルスタータには、上記出力輪の回転を阻止するロック機構と、動力蓄積用うず巻きばねの巻き取り回数を計測するばね巻き取り回数計測手段と、動力蓄積用うず巻きばねの巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときに、上記ロック機構を解除するロック解除手段とが設けられている。
【0003】
この特許文献1に記載の間欠係合式逆回転防止手段は、同文献の図2に示すように、入力輪に設けられた外側爪車と、固定側に設けられたストッパ爪とからなり、外側爪車とストッパ爪とが係合することによって入力輪の逆転を阻止するようになっている。
【0004】
かかる間欠係合式逆回転防止手段は、市販のほぼ任意位置での位置保持が可能なワンウェイクラッチに比べて安価であるため、たとえば特願2002−78163に記載されたリコイルスタータにおいて、そこで用いられているワンウェイクラッチに代えて使用すれば、リコイルスタータの製造コストを削減できるという利点がある。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−17810号公報(2−3頁、第1図、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記間欠係合式逆回転防止手段は、間欠係合式であるがゆえに入力輪の逆転を完全には防止することはできず、最大で360度÷(外側爪車の爪数)の角度だけ入力輪の逆転が起こり得る。
【0007】
一方、特願2002−78163に記載されたリコイルスタータでは、計測用爪車は2つのラチェット爪によって逆転を阻止されるため、一方で動力蓄積用うず巻きばねの巻き取り回数をより正確に計測することができるが、他方で、このリコイルスタータに上記のような間欠係合式の逆回転防止手段を用いた場合には、次のような問題が生じる。
【0008】
すなわち、オペレータが始動ロープの引き操作を途中で止めた場合等には、それまでに動力蓄積用うず巻きばねに蓄えられた蓄力によって入力輪が最大で上記角度だけ逆転し、入力輪に設けられた送り爪と、動力蓄積用うず巻きばねの巻き取り回数を計測する計測用爪車とが衝突し、それによって、動力蓄積用うず巻きばねのばね力がすべて計測用爪車に衝撃荷重としてかかる事態を招来し、送り爪と計測用爪車のいずれか一方またはその両方が破損するおそれがある。特に、特許文献1に記載の間欠係合式逆回転防止手段を例にとれば、外側爪車の爪数が少ないほど入力輪の逆転し得る角度が大きくなるため、破損の危険性はより大きいといえる。
【0009】
かかる場合、上記のような間欠係合式の逆回転防止手段に代えて、市販のワンウェイクラッチを用いることもできるが、上述したように、ワンウェイクラッチは一般に高価なため、リコイルスタータの製造コスト増を招き、根本的な問題の解決とはいえない。
【0010】
本発明は、かかる課題に鑑み、低コストの間欠係合式逆回転防止手段を使用しながら、しかも、上記のような問題が生じないリコイルスタータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1の発明は、図1から図6または図9に例示するように、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、リコイルリール(1)に、入力側一方向回転伝動手段(2)・入力輪(3)・動力蓄積用弾性体(4)・出力輪(5)・出力側一方向回転伝動手段(6)を順に介して、エンジンの始動軸(7)を連動連結し、
上記入力輪(3)は、固定部(9)に枢支されるとともに、間欠係合式逆回転防止手段(8)によりその逆転が防止されるように構成し、
上記出力輪(5)の回転を阻止するロック機構(10)と、
動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数を計測する弾性体巻き取り回数計測手段(11)と、
動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときに、上記弾性体巻き取り回数計測手段(11)がこれを検出することに基づいて、上記ロック機構(10)を解除するロック解除手段(12)と、
を設けたエンジンのリコイルスタータにおいて、
上記弾性体巻き取り回数計測手段(11)は、入力輪(3)に設けた送り爪(14)と、この送り爪(14)によって刻み送りされる計測用爪車(15)とを備え、
上記送り爪(14)を入力輪(3)の半径方向外方に向けて付勢して計測用爪車(15)との当接により起伏自在に構成し、入力輪(3)が動力蓄積用弾性体(4)を蓄力する方向(X)に回転するときには、この送り爪(14)は起立して上記計測用爪車(15)を刻み送りするのに対し、入力輪(3)がその逆方向(Y)に回転するときには、この送り爪(14)は計測用爪車(15)との当接により倒伏するように構成した、ことを特徴とする。
ここで、本明細書にいう間欠係合式逆回転防止手段とは、入力輪(3)側に設けられた係合部(25)と、固定部(9)側に設けられた被係合部(24)とを備え、この両者(25)・(24)が係合することにより入力輪(3)の逆転を防止するものであって、係合部(25)と被係合部(24)の係合位置が離散的なものをいう。
【0012】
請求項2の発明は、図1から図6または図9に例示するように、請求項1の発明において、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、前記ロック機構(10)は、出力輪(5)に設けられた駆動停止部(20)と、この駆動停止部(20)に係脱自在な駆動停止操作手段(21)とを備え、この駆動停止操作手段(21)をロック位置とロック解除位置とに切換可能に構成し、上記駆動停止操作手段(21)がロック位置にあるときには駆動停止部(20)と係合して出力輪(5)の回転を阻止するのに対し、上記駆動停止操作手段(21)がロック解除位置にあるときには駆動停止部(20)を解放して出力輪(5)の回転を自由にするように構成し、
前記ロック解除手段(12)は、動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときに、前記弾性体巻き取り回数計測手段(11)がこれを検出することに基づいて、上記駆動停止操作手段(21)をロック位置からロック解除位置に切り換えるように構成した、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、図1から図6または図9に例示するように、請求項1または2の発明において、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、前記計測用爪車(15)は、入力輪(3)が動力蓄積用弾性体(4)を蓄力する方向(X)に回転するときにはこれに従動して刻み送りされるが、入力輪(3)がその逆方向(Y)に回転するときには従動を阻止されるように構成した、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、図9に例示するように、請求項1から3のいずれかの発明において、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、前記間欠係合式逆回転防止手段(8)は、前記固定部(9)に設けられた逆止用爪車(24)と、入力輪(3)に設けられた複数の逆止用爪(25)とを備え、
これら複数の逆止用爪(25)の逆止用爪車(24)に対する係合位相を相互にずらした、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の作用効果】
(請求項1または2の各発明)
▲1▼オペレータが始動ロープ(34)の引き操作を途中で止めた場合等において、それまでの引き操作で動力蓄積用弾性体(4)に蓄えられた蓄力によって入力輪(3)が勢いよく逆転し計測用爪車(15)と衝突したとしても、送り爪(14)は計測用爪車(15)との当接により倒伏するように構成されているのでこれが緩衝作用を果たし、送り爪(14)や計測用爪車(15)の破損を回避できる。
【0016】
▲2▼入力輪(3)の逆転が招く問題を解消できるので、低コストの間欠噛合式逆回転防止手段(8)を使用でき、ひいては、リコイルスタータの製造コストを削減できる。
【0017】
(請求項3の発明)
▲3▼入力輪(3)が逆転するときには従動を阻止されるように計測用爪車(15)が構成されている場合、入力輪(3)の逆転によって、入力輪(3)に設けられた送り爪(14)と動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数を計測する計測用爪車(15)とが衝突し、動力蓄積用弾性体(4)の蓄力がすべて計測用爪車(15)に荷重としてかかる可能性はより高くなり、したがって、かかる構成の下では、送り爪(14)と計測用爪車(15)のいずれか一方またはその両方が破損する危険性はより高くなる。
しかし、入力輪(3)が逆転したときには、送り爪(14)は計測用爪車(15)との当接により倒伏するように構成されているため、両者の衝突により動力蓄積用弾性体(4)の蓄力がすべて計測用爪車(15)に負荷としてかかる事態を避けることができる。
【0018】
▲4▼計測用爪車(15)は、入力輪(3)が動力蓄積用弾性体(4)を蓄力する方向に回転するときにはこれに従動して刻み送りされる一方、入力輪(3)がその逆方向に回転するときには従動を阻止されるように構成されているため、動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数を正確に計測することができる。
【0019】
(請求項4の発明)
▲5▼上記請求項3の発明では、オペレータが始動ロープ(34)の引き操作を途中で一旦止め、その後、その続きを引いた場合等には、次のような問題が生じ得る。すなわち、オペレータが始動ロープ(34)の引き操作を途中で止めると、入力輪(3)は動力蓄積用弾性体(4)に蓄えられた蓄力の一部解放により一定角度逆転する。その際、送り爪(14)は入力輪(3)とともに逆転するが、計測用爪車(15)は従動を阻止されるためその位置に置き残される。この結果、送り爪(14)が計測用爪車(15)の爪一つ分逆戻りしてしまう場合があり得る。この入力輪(3)の逆転により動力蓄積用弾性体(4)の蓄力は一部解放されるが、計測用爪車(15)は逆転前の位置に置き残されるため、次にオペレータが始動ロープ(34)の続きを引いた場合、逆転による解放分を蓄力しているにもかかわらず、送り爪(14)は計測用爪車(15)を先送りしてしまう。つまり、動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が余分にカウントされることになる。この結果、動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときには、予定量に足りない蓄力しかなされていないことが起こり得る。
【0020】
しかし、請求項4の発明では、間欠係合式逆回転防止手段(8)が複数の逆止用爪(25)を備え、これら複数の逆止用爪(25)の逆止用爪車(24)に対する係合位相を相互にずらしたので、入力輪(3)の逆転可能な最大角度が小さくなる。
【0021】
この点を詳述すれば、前記従来技術では、前述のように、最大で360/n度(nは外側爪車の爪数)だけ入力輪(3)の逆転が起こり得る。
しかし、逆止用爪(25)を複数個設け、しかも、これら複数の逆止用爪(25)の逆止用爪車(24)に対する係合位相を相互にずらした場合には、例えば図9に示すように、例えばその位相差をθ(0<θ<360/n)とすると、入力輪(3)の逆転可能な最大角度はおよそ(360/n)−θまたはθのいずれか大きい方となり、従来技術の場合よりも小さくなる。このため、依然入力輪(3)の逆転は起こり得るも、動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が余分にカウントされる確率を小さくすることができ、ひいては、蓄力不足が生じる確率を小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態の縦断正面図、図2(A)は図1のII−II線矢視断面図、図2(B)は図2(A)におけるB−B線矢視断面図、図3は図1のIII−III線矢視断面図である。また、図4は図3から駆動停止操作手段21を取り除いた図、図5は図4から第2のラチェット爪52を取り除いた図、図6は図3のVI−VI線矢視断面図である。なお、本明細書では、図1の紙面に向かって右方を前方、左方を後方と定める。
【0023】
図1において、符号7は強制空冷式4サイクルガソリンエンジンのクランク軸、符号31はフライホイルファンである。このクランク軸7の一端にスタータプーリ32が設けられる。このスタータプーリ32はクランク軸7に固定され、クランク軸7と一体に回転する。
【0024】
本発明の第1実施形態たるリコイルスタータは、上記クランク軸7の一端側に設けられるスタータケース33を有する。このスタータケース33は、その内部に、上記クランク軸7と同軸上に配置される固定部9を有する。
【0025】
この固定部9に、前方から順に、リコイルリール1と入力輪3と出力輪5とがそれぞれ回転自在に外嵌される。このうち、リコイルリール1には始動ロープ34が巻回される。そして、リコイルリール1とスタータケース33との間にはリール巻き戻し用うず巻きばね35が設けられ、始動ロープ34を引っ張ったときに、このリール巻き戻し用うず巻きばね35により始動ロープ34がリコイルリール1に巻き戻されるように構成されている。なお、本明細書では、図2に示すように、始動ロープ34の引き操作によりリコイルリール1が回転する方向Xを正回転方向(正転方向)とする。
【0026】
リコイルリール1と入力輪3との間には、図2に示すように、入力側一方向回転伝動手段2が介装されている。この入力側一方向回転伝動手段2は、リコイルリール1の後端面(入力輪側端面)に設けられた爪38と、入力輪3の前端面(リコイルリール側端面)の周縁に設けられた突合縁39とを備える。この爪38は図示しないばねにより外方に向けて付勢され、始動ロープ34の引き操作時には、この爪38と突合縁39とが突合してリコイルリール1の回転は入力輪3に伝達されるが、始動ロープ34の巻き戻し作動時には、上記の爪38と突合縁39との突合が解け、リコイルリール1の回転が入力輪3に伝達されないようになっている。
【0027】
上記入力輪3は、また、図2に示すように、間欠係合式逆回転防止手段8により逆転が防止されるようになっている。本実施形態における間欠係合式逆回転防止手段8は、固定部9側に設けられた逆止用爪車24と、入力輪3側に設けられた逆止用爪25とを備える。上記逆止用爪車24は、固定部9に回転不能に外嵌されるとともに、その中心部から外方に向けて4つの逆止用係合部41を延出している。各逆止用係合部41は略90度の間隔を置いて十字状に配設されている。各逆止用係合部41は、図2(B)に示すように、略三角形断面を有し、入力輪3が正転するときに(すなわちX方向回転時に)逆止用爪25を逃すための傾斜をつけた逃し面41aと、入力輪3が逆転するときに(すなわちY方向回転時に)逆止用爪25と係合する係合面41bとを備える。逆止用爪車24は、リコイルリール1の後端面と入力輪3の前端面との間の空間に収容される。一方、逆止用爪25は、入力輪3の前端面から出没自在に構成され、入力輪3とともに回転するようになっている。本実施形態では、逆止用爪25は2つ設けられている。各逆止用爪25は、入力輪3の回転中心を間に挟んで点対称な位置に配置されている。
【0028】
このような構成の結果、逆止用爪25は、入力輪3がX方向へ正転しようとするときには、上記の逃し面41aによって入力輪3内に退入するため、入力輪3の正転を可能にするが、入力輪3がY方向へ逆転しようとするときには、突出状態を保ったまま逆止用係合部41の係合面41bと係合して入力輪3の逆転を阻止する。但し、各逆止用係合部41が90度の間隔を置いて配置されているためと、逆止用爪25が入力輪3の回転中心に対して点対称な位置に配置されているために、逆止用爪25が係合面41bと係合するまでには、入力輪3は最大で約90度逆転し得る。なお、本実施形態では、寸法公差等を除けば、一方の逆止用爪25が係合面41bに係合しているときには他方の逆止用爪25も他の係合面41bに係合するようになっている。つまり、本実施形態では、各逆止用爪25の逆止用爪車24に対する係合位相は一致している。
【0029】
この第1実施形態の動力蓄積用弾性体4はうず巻きばねとして構成される。この動力蓄積用うず巻きばね4は、入力輪3と出力輪5の間の空間に収容され、その外端部は入力輪3に固定され、その内端部は出力輪5に固定される。
【0030】
出力輪5とクランク軸7との間には、出力側一方向回転伝動手段6が介装されている。この出力側一方向回転伝動手段6は、出力輪5の回転をクランク軸7に伝達するもので、図1と図3とに示すように、遠心式クラッチ機構として構成されている。すなわち、前記クランク軸7と一体回転するスタータプーリ32に、ばね43で内方に付勢された遠心爪44が枢支され、一方、出力輪5の後端面に、この遠心爪44と係合可能な爪受部5aが設けられる。そして、クランク軸7の回転速度が所定速度に達するまでは、遠心爪44と爪受部5aとは係合状態にあるが、クランク軸7の回転が所定速度以上になったときには、遠心爪44はクランク軸7の回転による遠心力で外方に揺動し、遠心爪44と爪受部5aとの係合は解除されるようになっている。
【0031】
本実施形態に係るリコイルスタータには、出力輪5の回転を阻止するロック機構10が設けられている。このロック機構10は、出力輪5に設けられた駆動停止部20と、この駆動停止部20に係脱自在な駆動停止操作手段21とを備える。上記駆動停止部20は、出力輪5の後端面に設けられた凸部として構成される。この凸部は、出力輪5の後端面の周縁に等間隔で設けられる。図3から5に示すように、本実施形態では、駆動停止部20は6個設けられている。
【0032】
一方、駆動停止操作手段21は、スタータケース33に固定された第1の枢支軸47に揺動自在に枢支される。駆動停止操作手段21は、ロック位置とロック解除位置とに切換可能に構成され、上記駆動停止操作手段21がロック位置にあるときには駆動停止部20と係合して出力輪5の回転を阻止するのに対し、上記駆動停止操作手段21がロック解除位置にあるときには駆動停止部20を解放して出力輪5の回転を自由にするように構成される。第1の枢支軸47はスタータケース33内でその前後方向に架設されている。
【0033】
上記駆動停止操作手段21は、ロック位置付勢手段48によってロック位置方向に付勢されている。本実施形態におけるロック位置付勢手段48は引っ張りばねによって構成され、この引っ張りばね48は、その一端がスタータケース33側に係止され、その他端が駆動停止操作手段21に係止される。
【0034】
この駆動停止操作手段21は、腕部21aを備える。この腕部21aは、後述の第2の枢支軸57に向けて延出され、駆動停止操作手段21が揺動したときに、第2の枢支軸57に懸架するようになっている。この腕部21aは、第2の枢支軸57に懸架することにより駆動停止操作手段21のロック位置方向への一定以上の揺動を規制する。
【0035】
この駆動停止操作手段21の腕部21aには受動部21bが下方に向けて垂設されている。駆動停止操作手段21は、この受動部21bにおいて後述のロック解除手段12と当接し、その駆動を受けるようになっている。
【0036】
このリコイルスタータは、動力蓄積用うず巻きばね4の巻き取り回数を計測するばね巻き取り回数計測手段11を備える。このばね巻き取り回数計測手段11は、入力輪3に設けた送り爪14と、この送り爪14によって刻み送りされる計測用爪車15と、この計測用爪車15と一体回転する残置用爪車50と、この残置用爪車50に係止する第1のラチェット爪51および第2のラチェット爪52と、を備える。
【0037】
このうち、入力輪3に設けられる送り爪14は次のように構成される。すなわち、図7と図8とに示すように、この送り爪14は、入力輪3の外周面に設けられた凹部に収容され、起伏自在に枢支されるとともに、ねじりばね55によって入力輪3の半径方向外方に向けて付勢される。そして、入力輪3が動力蓄積用うず巻きばね4を蓄力する方向Xに回転するとき(すなわち、入力輪3の正転時)には、この送り爪14は起立して後述の計測用爪車15を刻み送りするのに対し、入力輪3がその逆方向Yに回転するときには、この送り爪14は計測用爪車15との当接により倒伏するように構成される。
【0038】
上記計測用爪車15と残置用爪車50は、スタータケース33に固定された第2の枢支軸57に回転自在に枢支され、一体に回転するように構成される。この第2の枢支軸57は、スタータケース33内でその前後方向に架設され、前記第1の枢支軸47と略平行になるようにしてある。
【0039】
本実施形態では、図2に示すように、2つの送り爪14が入力輪3の外周面に設けられているため、入力輪3の1回転により計測用爪車15は爪2つ分刻み送りされる。
【0040】
上記残置用爪車50には、ロック解除手段12が設けられている。このロック解除手段12は、動力蓄積用うず巻きばね4の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときに、前記ロック機構10を解除するようになっている。すなわち、このロック解除手段12は残置用爪車50(および計測用爪車15)と一体に回動し、計測用爪車15が送り爪14によって刻み送りされて目標巻き取り回数に達したときに、前記駆動停止操作手段21に設けられた受動部21bに当接してこれを駆動し、駆動停止操作手段21をロック位置からロック解除位置に切り換えるようになっている。なお、本実施形態では、このロック解除手段12を残置用爪車50に植設したピンとして構成してあるが、残置用爪車50と一体に形成してもよい。また、計測用爪車15にロック解除手段12を設けてもよい。
【0041】
第1のラチェット爪51と第2のラチェット爪52は、前記第1の枢支軸47に枢支され、リコイルスタータの前方から第1のラチェット爪51・第2のラチェット爪52・駆動停止操作手段21の順に並設されている。このうち、第1のラチェット爪51は、引っ張りばね61によって前記残置用爪車50に係止する方向に付勢されている。この引っ張りばね61は、一端が第1のラチェット爪51に係止され、他端がスタータケース33側に係止されている。
【0042】
一方、第2のラチェット爪52は、引っ張りばね62によって残置用爪車50に係止する方向に付勢されている。この引っ張りばね62は、一端が第2のラチェット爪52に係止され、他端が前記駆動停止操作手段21に係止されている(図3・図4参照)。この第2のラチェット爪52には、また、入力部52aが設けられ、この入力部52aは、駆動停止操作手段21に設けられた切り欠き部21cとの係合により駆動停止操作手段21の揺動を第2のラチェット爪52に伝達するようになっている。すなわち、前記ロック解除手段12が駆動停止操作手段21の受動部21bに当接しこれを押動することにより駆動停止操作手段21をロック位置からロック解除位置に切り換えたときに、この駆動停止操作手段21の揺動は上記切り欠き部21cと入力部52aとの係合を介して第2のラチェット爪52に伝達され、第2のラチェット爪52を揺動起立させることにより第2のラチェット爪52と残置用爪車50との係止を解除する。また、駆動停止操作手段21がロック解除位置にある場合には、第2のラチェット爪52も入力部52aと切り欠き部21cとの係合を介して残置用爪車50との係止を解除する係止解除姿勢を維持する。他方、駆動停止操作手段21がロック解除位置からロック位置に切り換えられたときには、第2のラチェット爪52も入力部52aを介してこれに連動し残置用爪車50に係止するようになっている。
【0043】
本実施形態のリコイルスタータには、リコイルリール1が始動ロープ34を巻き戻す方向に回転することに基づいて、弾性体巻き取り回数計測手段11が計測した動力蓄積用弾性体4の巻き取り回数の計数値をリセットする計測リセット手段が設けられている。この計測リセット手段は、前記計測用爪車15を初期位置に付勢する初期位置付勢手段71と、リコイルリール1に設けられたリセット用主動部72と、前記第1のラチェット爪51に設けられたリセット用従動部73と、を備える。
【0044】
このうち、初期位置付勢手段71は、図1と図6とに示すように、第2の枢支軸57に巻回された第1のねじりばねとして構成され、この第1のねじりばねの一端はスタータケース33側に固定され、その他端は計測用爪車15に固定される。この初期位置付勢手段71は、前記第1のラチェット爪51と第2のラチェット爪52の両方が残置用爪車50との係止を解除されたときに、計測用爪車15を初期位置に回動復帰させる。なお、図3から5に示すように、スタータケース33に設けられたブラケット76によって、上記初期位置付勢手段71による計測用爪車15の一定以上の回動復帰は規制されており、このブラケット76と計測用爪車15とが当接する位置を計測用爪車15の初期位置と定める(図3から図5参照)。
【0045】
上記リセット用主動部72は、リコイルリール1の後端面の周縁に等間隔に突設された凸部として構成される。一方、リセット用従動部73は、一端が第1のラチェット爪51に係止された第2のねじりばね78の他端部として構成され、この他端部は解放端となっている。この第2のねじりばね78は、前記第1の枢支軸47に巻回されたうえ、リセット用従動部73として機能するその解放端を下方に延出して、リコイルリール1の回転時にリセット用主動部72と当接してその駆動を受けるようになっている。これにより、リコイルリール1の回転がリセット用主動部72とリセット用従動部73との当接を通じて第1のラチェット爪51に伝達される。但し、リコイルリール1の正転時Xには、リセット用主動部72がリセット用従動部73と当接してこれを駆動しても、この駆動力は第2のねじりばね78を介して第1のラチェット爪51を残置用爪車50に係止させる方向に作用するため、第1のラチェット爪51と残置用爪車50との係止は維持されるが、リコイルリール1の逆転時Y(リコイルリール1が始動ロープ34を巻き戻す巻き戻し回転時)には、リセット用主動部72がリセット用従動部73を駆動することにより第1のラチェット爪51を揺動起立させ、第1のラチェット爪51と残置用爪車50との係止が解除されるようになっている。
【0046】
本発明の第1実施形態に係るリコイルスタータは次のように作動する。
いま、エンジンは停止しており、これからエンジンを始動させる場合を想定する(図3から図5参照)。動力蓄積用うず巻きばね4には何ら蓄力されておらず、始動ロープ34はリコイルリール1に巻き取られているものとする。このとき、計測用爪車15は初期位置にあり、駆動停止操作手段21は駆動停止部20に係合して出力輪5はロックされている。また、第1のラチェット爪51と第2のラチェット爪52は、それぞれ引っ張りばね61と引っ張りばね62の付勢力によって残置用爪車50に係止しており、出力側一方向回転伝動手段6の遠心爪44はばね43により内方に付勢されて出力輪5の爪受部5aと係合している。
【0047】
この場合において、始動ロープ34を引っ張ると、出力輪5はロックされているため、動力蓄積用うず巻きばね4への蓄力が開始される。すなわち、始動ロープ34の引き操作により、リコイルリール1が正転方向Xへ回転し、このリコイルリール1の回転が入力側一方向回転伝動手段2を介して入力輪3を回転させる。一方、出力輪5はロックされているため、入力輪3が回転した分だけ上記動力蓄積用うず巻きばね4は巻き取られることになる。
【0048】
このような入力輪3の回転は、送り爪14によって計測用爪車15に伝達され、この計測用爪車15を刻み送りする。このとき、この計測用爪車15と一体に回転する残置用爪車50には第1のラチェット爪51と第2のラチェット爪52とが係止しているため、計測用爪車15はその計数値に相当する各計数位置に置き残され、動力蓄積用うず巻きばね4の巻き取り回数を正確にカウントすることができる。
【0049】
動力蓄積用うず巻きばね4の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達すると、ロック解除手段12が駆動停止操作手段21の腕部21aに設けられた受動部21bを押動し、駆動停止操作手段21をロック位置からロック解除位置に切り換える。これにより出力輪5はその拘束を解かれることになり、動力蓄積用うず巻きばね4に蓄えられた蓄力が解放されて出力輪5が回転する。この出力輪5の回転は、出力側一方向回転伝動手段6によってクランク軸7に伝達され、エンジンを始動させることになる。
【0050】
エンジンが始動しクランク軸7の回転速度が所定速度以上になると、クランク軸7と一体回転するスタータプーリ32に設けられた遠心爪44が遠心力により外方に揺動し、爪受部5aとの係合が解除される。これによりクランク軸7と出力輪5との連繋は断たれる。
【0051】
一方、上記駆動停止操作手段21がロック位置からロック解除位置へと切り換えられることに連動して第2のラチェット爪52が揺動起立し、第2のラチェット爪52と残置用爪車50との係止が解除される。
【0052】
なお、始動ロープ34の巻き戻し作動が開始していない状態では、ロック解除手段12が受動部21bを介して駆動停止操作手段21を押し上げている状態にあるため、駆動停止操作手段21はロック解除位置に保持され、また、第2のラチェット爪52は残置用爪車50との係止を解除された係止解除姿勢をとり続けることになる。
【0053】
この状態から、次に、始動ロープ34の巻き戻し作動が開始される。すなわち、リコイルリール1はリール巻き戻し用うず巻きばね35により始動ロープ34を巻き戻す方向Yに回転し始める。このリコイルリール1の逆転により、リセット用主動部72がリセット用従動部73を駆動し、この駆動力が第2のねじりばね78を介して第1のラチェット爪51に伝達され、これを揺動起立させて、第1のラチェット爪51と残置用爪車50との係止が解除される。
【0054】
この結果、計測用爪車15は、初期位置付勢手段71の付勢力により初期位置に回動復帰する。これに連動して、ロック解除手段12も回動して駆動停止操作手段21から離れる。この結果、下からの支持を失った駆動停止操作手段21は、ロック位置付勢手段たる引っ張りばね48のばね力(および自重)によりロック位置に切り換えられる。また、これに連動して、第2のラチェット爪52も残置用爪車50に係止することになる。
【0055】
このように、本実施形態では、計測リセット手段によって弾性体巻き取り回数計測手段11の計数値がリセットされることに連動してロック機構10が作動し、駆動停止操作手段21をロック解除位置からロック位置に切り換えるようになっている。このため、出力輪5のロック解除だけでなくロック投入も自動的に行われユーザーの利便性が向上する。
【0056】
なお、図3・図4・図6に示すように、第2の枢支軸57には第3のねじりばね80が巻回されている。この第3のねじりばね80の一端は残置用爪車50に係止され、その他端は解放端になっており、この解放端部は、計測用爪車15が入力輪3の正転に従動して刻み送りされてゆく度に上昇して、駆動停止操作手段21に下から当接する。そして、駆動停止操作手段21がロック解除位置にあるときには、これを下から支持するようになっている。
【0057】
この第3のねじりばね80は、駆動停止操作手段21がロック解除位置からロック位置へと切り換えられるときに、この切換動作に動作遅れを持たせるためのものである。すなわち、リコイルリール1の巻き戻し作動により第1のラチェット爪51が揺動起立し、これにより計測用爪車15は初期位置に回動復帰するが、この回動に連動して直ちに駆動停止操作手段21がロック位置に切り換えられるとすると、出力輪5の回転が十分に停止していない状態で駆動停止操作手段21がロック位置に切り換えられることも起こり得る。この結果、駆動停止操作手段21と駆動停止部20とが衝突して、騒音や破損の原因となる。そこで、この第3のねじりばね80を設けることにより駆動停止操作手段21のロック解除位置からロック位置への切り換えにタイムラグを持たせて、出力輪5の回転中に駆動停止操作手段21がロック位置に切り換えられないようにしたものである。
【0058】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は本発明の第2実施形態を示し、第1実施形態の図2に相当する図である。なお、第1実施形態と同一の部材・要素には同一の符合が付してある。また、第2実施形態の説明中、特に言及のない部分については第1実施形態と同様に構成されている。
【0059】
第2実施形態のリコイルスタータは、間欠係合式逆回転防止手段8の構成において第1実施形態と相違する。すなわち、図9に示すように、第2実施形態のリコイルスタータの間欠係合式逆回転防止手段8では、逆止用爪25a・25bの逆止用爪車24に対する係合位相を相互にずらしてある。具体的には、逆止用爪を2つ設け、そのうちの一方の逆止用爪25aの係合位相を、他方の逆止用爪25bの係合位相に対して、入力輪3の逆転する方向Yにθだけ進ませてある。但し、0°<θ<90°とする。
【0060】
この結果、図2に示す第1実施形態では、最大で約90度の入力輪3の逆転が生じるのに対して、図9に示す第2実施形態では、入力輪3の逆転可能な最大角度は約90−θまたはθのいずれか大きい方となり、第1実施形態と比較して入力輪3が逆転し得る最大角度が小さくなる。例えば、上記各逆止用爪25a・25bの位相差が45度の場合(θ=45°)、入力輪3の逆転可能な最大角度はほぼ45度となる。
【0061】
このため、依然入力輪3の逆転は起こり得るも、動力蓄積用うず巻きばね4の巻き取り回数が余分にカウントされる確率を小さくすることができ、ひいては、蓄力不足が生じる確率を小さくすることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、間欠係合式逆回転防止手段は上記各実施形態のものに限られるものではなく、間欠係合式のものであれば他の構成を採用してもよい。上記各実施形態では、間欠係合式逆回転防止手段8の逆止用爪25が2つの場合を説明したが、1つであってもよく、また、3つ以上であってもよい。上記各実施形態の間欠係合式逆回転防止手段8では、逆止用爪車24に4つの逆止用係合部41が設けられていたが、4つに限られるものではない。上記の各実施形態では、動力蓄積用弾性体4がうず巻きばねの場合について説明したが、蓄力可能な弾性体であればよく、例えばねじりばねであってもよい。上記各実施形態では、出力側一方向回転伝動手段6が遠心式クラッチ機構の場合について説明したが、これに限られず、他の形式のもの(例えば噛み合いクラッチ)であってもよい。上記の各実施形態では、計測用爪車15を計数位置に置き残すために第1のラチェット爪51と第2のラチェット爪52とを設けたが、いずれか一方のラチェット爪で計測用爪車15を置き残すようにしてもよい。また、本発明は、ラチェット機構により計測用爪車15の逆転を阻止するように構成されたリコイルスタータ以外のリコイルスタータにも適用することができる。さらに、本発明は、出力輪5のロック解除後も始動ロープ34を引くように構成されたリコイルスタータにも適用することができる。かかるリコイルスタータは、動力蓄積用弾性体4の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達するまでは、始動ロープ34の引力は動力蓄積用弾性体4に蓄えられるが、動力蓄積用弾性体4の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達して出力輪5のロックが解除された後は、動力蓄積用弾性体4に蓄えられた蓄力と始動ロープ34の引き力との合力により始動軸7を回転させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の縦断正面図である。
【図2】図2(A)は図1のII−II線矢視断面図、図2(B)は図2(A)におけるB−B線矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視断面図である。
【図4】図3から駆動停止操作手段21を取り除いた図である。
【図5】図4から第2のラチェット爪52を取り除いた図である。
【図6】図3のVI−VI線矢視断面図である。
【図7】図7(A)は入力輪3の正面図、図7(B)は図7(A)におけるB−B線矢視断面図である。
【図8】図8(A)は、ばね巻き取り回数計測手段11をエンジン側から見た図である(但し、駆動停止操作手段21と第1のラチェット爪51は省略してある)。図8(B)は図8(A)の要部を示し、送り爪14の動きを示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示し、第1実施形態の図2に相当する図である。
【符号の説明】
1…リコイルリール、2…入力側一方向回転伝動手段、3…入力輪、4…動力蓄積用弾性体(うず巻きばね)、5…出力輪、6…出力側一方向回転伝動手段、7…始動軸(クランク軸)、8…間欠係合式逆回転防止手段、9…固定部、10…ロック機構、11…弾性体巻き取り回数計測手段(ばね巻き取り回数計測手段)、12…ロック解除手段、14…送り爪、15…計測用爪車、20…駆動停止部、21…駆動停止操作手段、24…逆止用爪車、25…逆止用爪。

Claims (4)

  1. リコイルリール(1)に、入力側一方向回転伝動手段(2)・入力輪(3)・動力蓄積用弾性体(4)・出力輪(5)・出力側一方向回転伝動手段(6)を順に介して、エンジンの始動軸(7)を連動連結し、
    上記入力輪(3)は、固定部(9)に枢支されるとともに、間欠係合式逆回転防止手段(8)によりその逆転が防止されるように構成し、
    上記出力輪(5)の回転を阻止するロック機構(10)と、
    動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数を計測する弾性体巻き取り回数計測手段(11)と、
    動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときに、上記弾性体巻き取り回数計測手段(11)がこれを検出することに基づいて、上記ロック機構(10)を解除するロック解除手段(12)と、
    を設けたエンジンのリコイルスタータにおいて、
    上記弾性体巻き取り回数計測手段(11)は、入力輪(3)に設けた送り爪(14)と、この送り爪(14)によって刻み送りされる計測用爪車(15)とを備え、
    上記送り爪(14)を入力輪(3)の半径方向外方に向けて付勢して計測用爪車(15)との当接により起伏自在に構成し、入力輪(3)が動力蓄積用弾性体(4)を蓄力する方向(X)に回転するときには、この送り爪(14)は起立して上記計測用爪車(15)を刻み送りするのに対し、入力輪(3)がその逆方向(Y)に回転するときには、この送り爪(14)は計測用爪車(15)との当接により倒伏するように構成した、
    ことを特徴とするエンジンのリコイルスタータ。
  2. 請求項1に記載のエンジンのリコイルスタータにおいて、
    前記ロック機構(10)は、出力輪(5)に設けられた駆動停止部(20)と、この駆動停止部(20)に係脱自在な駆動停止操作手段(21)とを備え、この駆動停止操作手段(21)をロック位置とロック解除位置とに切換可能に構成し、上記駆動停止操作手段(21)がロック位置にあるときには駆動停止部(20)と係合して出力輪(5)の回転を阻止するのに対し、上記駆動停止操作手段(21)がロック解除位置にあるときには駆動停止部(20)を解放して出力輪(5)の回転を自由にするように構成し、
    前記ロック解除手段(12)は、動力蓄積用弾性体(4)の巻き取り回数が目標巻き取り回数に達したときに、前記弾性体巻き取り回数計測手段(11)がこれを検出することに基づいて、上記駆動停止操作手段(21)をロック位置からロック解除位置に切り換えるように構成した、
    ことを特徴とするエンジンのリコイルスタータ。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンのリコイルスタータにおいて、
    前記計測用爪車(15)は、入力輪(3)が動力蓄積用弾性体(4)を蓄力する方向(X)に回転するときにはこれに従動して刻み送りされるが、入力輪(3)がその逆方向(Y)に回転するときには従動を阻止されるように構成した、
    ことを特徴とするエンジンのリコイルスタータ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のエンジンのリコイルスタータにおいて、
    前記間欠係合式逆回転防止手段(8)は、前記固定部(9)に設けられた逆止用爪車(24)と、入力輪(3)に設けられた複数の逆止用爪(25)とを備え、
    これら複数の逆止用爪(25)の逆止用爪車(24)に対する係合位相を相互にずらした、
    ことを特徴とするエンジンのリコイルスタータ。
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