JP4021099B2 - 高嵩密度粒子群 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤組成物等に好適に配合することのできる、界面活性剤を含有してなる高嵩密度粒子群に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣類の洗濯作業において、洗浄力向上の目的でカチオン界面活性剤を用いることが知られている。しかし、従来のカチオン界面活性剤を含有した粉粒状組成物粒子群は溶解時間が長く、水温や攪拌力等の洗濯条件によっては効果の低下や溶け残りが生じるおそれがあった。
例えば、特開昭59−68400号公報には、粒子径を規定した第四級アンモニウム塩の粉末粒子が、特開昭57−137398号公報には、カチオン界面活性剤を無機物と混合溶融した後に噴霧冷却法で粉末化した粒子が開示されているが、低水温域での溶解性や近年の洗濯機に設定されている低攪拌洗濯条件での洗浄性の点で未だ満足のいくものではなかった。
また、特開平5−247497号公報には、粉末洗剤の流動性、外観を向上させ、微粉の発生を抑える目的で、平均粒子径を大きくした高嵩密度洗剤粒子群が知られている。しかし、該洗剤粒子群は低嵩密度洗剤粒子群に比べて溶解時間が長い為、水温や攪拌力等の洗濯条件によっては洗浄力の低下や溶け残りが生じるおそれがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、如何なる洗濯条件でも溶解性及び洗浄性に優れる高嵩密度粒子群を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
〔1〕式(1)〜(4)
【0005】
【化3】
Figure 0004021099
【0006】
(式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基、Rは炭素数1〜5の炭化水素基、Rは−(AO)n−H、Rは炭素数6〜18の炭化水素基、X-は陰イオンである。Aはアルキレン基であり、m、nは1〜10である。)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる一種以上およびその他の界面活性剤を含有し、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/L以上の高嵩密度粒子群であって、710μm以上の粒径の粒子群及び125μm未満の粒径の粒子群が該高嵩密度粒子群全体のそれぞれ10重量%以下であり、かつその他の界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルである高嵩密度粒子群、
〔2〕水難溶性無機物と、水溶性ポリマー及び水溶性塩類から選ばれる一種以上とを含有してなるベース顆粒に、式(1)〜(4)
【0007】
【化4】
Figure 0004021099
【0008】
(式中、Rは炭素数10〜20の炭化水素基、Rは炭素数1〜5の炭化水素基、Rは−(AO)n−H、Rは炭素数6〜18の炭化水素基、X-は陰イオンである。Aはアルキレン基であり、m、nは1〜10である。)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる一種以上およびその他の界面活性剤が担持されてなる、平均粒径が150〜700μm、嵩密度が500g/L以上の高嵩密度粒子群であって、その他の界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルである高嵩密度粒子群、
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕記載の高嵩密度粒子群を含有してなる洗剤組成物、に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
1.高嵩密度粒子群
嵩密度は500g/L以上、好ましくは500〜1000g/L、より好ましくは600〜1000g/L、特に好ましくは650〜850g/Lである。経済効率の観点から嵩密度は500g/L以上が好ましく、溶解性の観点から1000g/L以下が好ましい。
水分量は、該粒子群の20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0010】
本発明の高嵩密度粒子群は、低水温や低攪拌等の洗濯条件での溶解性及び洗浄性の点で、粒子径が180〜250μmの粒子群が全高嵩密度粒子群中の20重量%以上を占めるものが好ましく、30重量%以上を占めるものがより好ましい。加えて、250〜355μmの粒子径の粒子群が全高嵩密度粒子群中の20重量%以上を占めるものが好ましく、30重量%以上を占めるものがより好ましい。
【0011】
本発明の高嵩密度粒子群としては、例えば、以下の態様が好ましい。
1)態様1
本態様の粒子群の平均粒径は、ペースト化による溶解速度遅延の防止及び粒子の溶解性向上の観点から150〜500μmであり、180〜500μmが好ましく、180〜300μmがより好ましい。
【0012】
特に、本態様の粒子群は、低水温や低攪拌等の洗浄条件での溶解性及び洗浄性の点で、710μm以上の粒径の粒子群が高嵩密度粒子群全体の10重量%以下、好ましくは8重量%以下、特に好ましくは0重量%、及び125μm未満の粒径の粒子群が10重量%以下、好ましくは8重量%以下、特に好ましくは0重量%の粒子群である。該粒径分布は、例えば、それぞれの篩の目開きが装置上部から下部に向かって2000μm、1410μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm及び125μmである9段の篩と、目開きが125μmの篩を通り抜ける粒子を受ける、最下部にある受け皿とからなる分級装置を用いて分級することにより求めることができる。
【0013】
本発明の高嵩密度粒子群は界面活性剤を含有する。かかる界面活性剤としては、式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物である。
高嵩密度粒子群には、その他の界面活性剤としてさらにアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる一種以上が含有されていても良い。かかる界面活性剤が含有されることにより、洗浄性能がさらに向上する。界面活性剤成分における〔式(1)〜(4)で表される化合物〕:〔前記その他の界面活性剤〕の重量比は、1:0〜1:80が好ましく、1:0〜1:50がより好ましく、1:5〜1:40が特に好ましい。
【0014】
本態様の高嵩密度粒子群の組成としては、例えば、界面活性剤が5〜80重量%、水難溶性無機物が10〜50重量%、水溶性ポリマーが1〜20重量%の組成が好ましい。洗浄力、生産性、ケーキング防止及び流動性の観点から界面活性剤の量が10〜60重量%がより好ましく、20〜50重量%が特に好ましい。
【0015】
かかる粒子群は、例えば水難溶性無機物の一部を除いた主成分を連続ニーダーを用いて捏和・混合し、得られた捏和物と残部の水難溶性無機物とを粉砕機に投入して粉砕することにより得ることができる。そして、得られた粒子群を篩い分けすることによって所定の平均粒径分布を有する粒子群を得ることができる。尚、連続ニーダーとしては、栗本鉄工所製KRC2型等、粉砕機としてはホソカワミクロン製DKASO6型等が好適例である。
【0016】
2)態様2
本態様の高嵩密度粒子群の平均粒径は、ペースト化による溶解遅延の防止及び粒子の溶解性の向上の観点から150〜700μmであり、150〜500μmが好ましく、180〜400μmがより好ましい。
【0017】
本態様の高嵩密度粒子群はベース顆粒に界面活性剤が担持されてなる構造である。ベース顆粒は水難溶性無機物と、水溶性ポリマー及び水溶性塩類から選ばれる一種以上とを含有してなり、特に水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有してなるベース顆粒が、溶解性の観点からより好ましい。
【0018】
ベース顆粒の組成は、水難溶性無機物、水溶性ポリマー、水溶性塩類のうち二種又は三種の成分を用いることが好ましく、その場合、水難溶性無機物は好ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜75重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。水溶性ポリマーは好ましくは2〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。水溶性塩類は好ましくは5〜78重量%、より好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。これらの範囲内であれば、ベース顆粒の構造は水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類がベース顆粒の内部よりも表面近傍に多く偏在した構造となる。このような偏在性を示すベース顆粒は、水中で表面近傍の水溶性成分が速やかに溶解して、それにより粒子表面からの粒子の崩壊を促進するという溶解挙動を示す。そのために、かかるベース顆粒により高速溶解性が実現され、さらに溶解性に優れた粒子群を得ることができる。
【0019】
ベース顆粒の構造の偏在性の確認は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)や光音響分光法(PAS)を併用する方法(FT−IR/PAS)等を用いることができる。これは、APPLIED SPECTROSCOPY vol.47 、1311-1316(1993) に記載のとおり、ベース顆粒の表面から深さ方向における物質の分布状態を解析する方法である。
【0020】
ベース顆粒に担持される界面活性剤としては、式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物である。
ベース顆粒には、その他の界面活性剤としてさらにアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる一種以上が担持されていても良い。かかる界面活性剤が担持されることにより、洗浄性能がさらに向上する。界面活性剤成分における〔式(1)〜(4)で表される化合物〕:〔前記その他の界面活性剤〕の重量比は、1:0〜1:80が好ましく、1:0〜1:50がより好ましく、1:5〜1:40が特に好ましい。
【0021】
ベース顆粒に担持させる界面活性剤の量としては、洗浄力の点で、ベース顆粒100重量部に対して5〜80重量部が好ましく、5〜60重量部がより好ましく、10〜60重量部がさらに好ましく、20〜60重量部が特に好ましい。
【0022】
かかる粒子群は、例えば次のようにして調製することができる。
まず、ベース顆粒を構成する成分を含有するスラリーを調製する。次いで、スラリーを噴霧乾燥に付してベース顆粒を得る。噴霧乾燥により、ベース顆粒を構成する成分のうちの水溶性成分が水分の蒸発に伴ってベース顆粒表面に移動する。そのために、ベース顆粒は偏在性を示すことになる。
次いで、得られたベース顆粒と界面活性剤とを、回分式や連続式の混合機に投入することによりベース顆粒に界面活性剤を担持させることができる。
【0023】
2.高嵩密度粒子群を構成する成分
式(1)〜(4)
【0024】
【化5】
Figure 0004021099
【0025】
(式中、R1 は炭素数10〜20の炭化水素基、R2 は炭素数1〜5の炭化水素基、R3 は−(AO)n−H、R4 は炭素数6〜18の炭化水素基、X- は陰イオンである。Aはアルキレン基であり、m、nは1〜10である。)のいずれかで表される化合物は単独で用いても複数を併用しても良い。かかる化合物を用いることにより、洗浄性能の向上という効果が奏せられる。
尚、式(1)〜(4)においてR2 が複数個ある場合、R2 の示す基はそれぞれ同一でも異なっていても良い。R3 が複数個ある場合も同様である。
【0026】
1 及びR4 の炭素数としては9〜18が好ましく、その具体例としては、ヤシ油由来、パーム油由来、パーム核油由来の炭化水素基が挙げられる。R2 の炭素数としては、1〜3が好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。Aのアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好適である。mは1〜5が好ましく、特に好ましくは3であり、nは1〜8が好ましい。X- としては、具体的には塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンや、メチルサルフェート、エチルサルフェート等に由来の硫酸イオン等が挙げられ、塩化物イオンが好ましい。
【0027】
式(1)〜(4)で表される化合物の具体例は、以下の化合物(5)〜(8):
【0028】
【化6】
Figure 0004021099
【0029】
(式中、Rは式(1)〜(4)におけるR1 又はR4 である。)
である。
【0030】
アルキルベンゼンスルホン酸塩又はアルキル硫酸塩としては、炭素数12〜14の直鎖アルキル基を有するもの等が、また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はその硫酸塩としては、炭素数10〜16のアルコールのエチレンオキサイド1〜10モル付加物等が好適例である。
【0031】
水難溶性無機物としては、一次粒子の平均粒径が0.1〜20μmのものが好ましい。具体的な物質としては、結晶性又は非晶質のアルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等が挙げられる。中でも金属イオン封鎖能及び界面活性剤の吸油能の点で結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。
【0032】
水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられる。中でも金属イオン封鎖能、固体汚れ・粒子汚れの分散能及び再汚染防止能の点で、分子量が数千〜10万のカルボン酸系ポリマーが好ましい。特に、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩が好ましい。ここで、塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
【0033】
水溶性塩類としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩、又はリン酸塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩等の水溶性無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機酸塩が挙げられる。該水溶性塩類を配合することは、該水溶性塩類と水との反応で生じた水和熱、溶解熱により、粒子から発生する気泡を熱膨張させ、それにより粒子の崩壊性を促進できる点でより好ましい。
【0034】
本発明の粒子群には、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、香料等を含有させることができる。
【0035】
また、粒子の流動性及び非ケーキング性向上の観点から、本発明の粒子群と表面被覆剤とを混合して表面改質を行っても良い。
表面被覆剤としては、アルミノケイ酸塩、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物、金属石鹸、粉末の界面活性剤等の微粉体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー、脂肪酸等が挙げられる。
【0036】
3.洗剤組成物
また、本発明は、上記高嵩密度粒子群を含有してなる洗剤組成物に関する。該粒子群の含有量は、洗剤組成物としての溶解性及び洗浄性の点から洗剤組成物の50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
本発明の洗剤組成物には、上記粒子群以外の成分、例えば界面活性剤やビルダー等の公知の洗浄剤基剤、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、香料等を含有させることもできる。
【0037】
粒子群の嵩密度はJIS K 3362に規定された方法で測定する。粒子群の平均粒径はメジアン径であり、JIS Z 8801の標準篩を用いて試料を5分間振動させた後、ふるいの目開きのサイズによる重量分率から測定する。
【0038】
【実施例】
ベース顆粒の調製
攪拌翼を有した1m3 の混合槽に水500kgを加えた。水温が55℃に達した後に、40重量%のアクリル酸−マレイン酸コポリマー(ナトリウム塩)水溶液120kgを添加した。これを15分間攪拌した後に、炭酸ナトリウム96kg、硫酸ナトリウム48kg、亜硫酸ナトリウム12kg、蛍光染料3kgを添加した。これを更に15分間攪拌した後に、ゼオライト360kgを添加した。これを30分間攪拌してスラリーを得た(最終温度は60℃)。
【0039】
このスラリーを噴霧乾燥塔に供給し、塔頂より噴霧を行うことによりベース顆粒を調製した。得られたベース顆粒の組成は次のとおりである。
アクリル酸−マレイン酸コポリマー(ナトリウム塩)8重量%、炭酸ナトリウム16重量%、硫酸ナトリウム8重量%、亜硫酸ナトリウム2重量%、蛍光染料0.5重量%、ゼオライト60重量%、水5.5重量%。
【0040】
該ベース顆粒をFT−IR/PASにて解析した結果、顆粒内側はゼオライトの比率が高いこと、水溶性ポリマー及び水溶性塩類は粒子表面近くに多く存在した被覆型の粒子構造を有していること、即ち該ベース顆粒は偏在性を有することが確認された。
【0041】
アンモニウム塩の調製
ヤシ油由来のラウリルアミン及びミリスチルアミン2:1モル比混合物(平均分子量195.2)100gを500mLのオートクレーブに入れ、窒素置換後密封した。95℃まで加熱した後、エチレンオキシド135gを約1時間かけて圧入し、90〜100℃で3時間熟成した後、冷却した。続いて、イソプロパノール300mLを入れ、窒素置換後密封し、100℃まで加熱した。その後、メチルクロライド38.8g及び10重量%水酸化ナトリウム水溶液61.5gを約1時間かけて圧入した。95〜105℃で3時間熟成した後、冷却した。イソプロパノールを減圧留去し、粘稠な液体を得た。有効分89.1重量%、水分7.8%、塩化ナトリウム3.1重量%の混合物を得た。混合物から水分及び塩化ナトリウムを除去してアンモニウム塩を得た。得られたアンモニウム塩は、式(2)で表される化合物であり、エチレンオキシド平均付加モル数は約6であった。
【0042】
高嵩密度粒子群の調製
レディデミキサー(松坂技研製、容量20L、ジャケット付)に上記ベース顆粒100重量部を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始した。そこに、炭素数12〜16、平均EO付加モル数7.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル15重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量部、前記アンモニウム塩1重量部、ポリエチレングリコール(平均分子量8500)2重量部及び水3重量部を加熱混合して得られた70℃の混合液を3分間で投入し、その後5分間攪拌を行い粒子群を得た。さらに、結晶性シリケート(SKS−6、平均粒径50μm)10重量部と非晶質アルミノケイ酸塩2重量部とを投入し表面被覆を行った。尚、非晶質アルミノケイ酸塩は、Al2 3 =29.6重量%、SiO2 =52.4重量%、Na2 O=18.0重量%(1.0Na2 O・Al2 2 ・3.10SiO2 )の組成のものであって、そのCaイオン捕捉能は185CaCO3 mg/g、吸油能は285mL/100g、含有水分量は11.2重量%であった。次いで、9段の篩と受け皿とからなる分級装置を用いて粒子群を分級した。得られた高嵩密度粒子群の物性を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004021099
【0044】
得られた高嵩密度粒子群の溶解時間は極めて短く、また、流動性などの品質が改善された。
【0045】
得られた高嵩密度粒子群100重量部に、酵素0.5重量部と香料0.5重量部を混合して洗剤組成物を得た。ここで、酵素としては、セルラーゼK(特開昭63−264699号公報記載のもの)、リポラーゼ100T(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)を3:1の重量比で混合したものを用いた。
【0046】
得られた洗剤組成物を用いて溶解性及び洗浄性を評価した。
溶解性は次のようにして評価した。即ち、内径105mmの円柱状の1Lビーカーに10℃の蒸留水1Lを入れ、電気伝導度計をセットした。全長35mm、直径7.5mmの円柱状攪拌子を用いて550rpmにて攪拌を行った。10℃の試料1gを水の渦中心に投入し、この時点を0秒として、10秒間隔で電気伝導度を測定した。継続して2分以上測定値が上昇しなくなった値を100%溶解値として95%溶解値を算出した。そしてその値に至るまでに要する時間を95%溶解時間とし、該95%溶解時間で溶解性を評価した。
【0047】
洗浄性の評価のための試験は、特開平10−168485号公報の第14欄第6行以降に記載の方法に従って実施した。
【0048】
その結果、本発明品は、市販されている高嵩密度洗剤組成物(ライオン製ダッシュLot.No.95.02-16C7C)よりも10℃の溶解時間及び洗浄に要する時間が格段に短かった。上記市販洗剤の粒子群の嵩密度は810g/L、平均粒径は544μm、710μm以上の粒径の粒子及び125μm未満の粒径の粒子は粒子群全体のそれぞれ25.6重量%、4.0重量%であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明の高嵩密度粒子群は溶解性が良好であり、低温洗濯条件であっても洗浄力を十分に発揮できる。

Claims (7)

  1. 式(1)〜(4)
    Figure 0004021099
    (式中、R は炭素数10〜20の炭化水素基、R は炭素数1〜5の炭化水素基、R は−(AO)n−H、R は炭素数6〜18の炭化水素基、X - は陰イオンである。Aはアルキレン基であり、m、nは1〜10である。)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる一種以上およびその他の界面活性剤を含有し、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/L以上の高嵩密度粒子群であって、710μm以上の粒径の粒子群及び125μm未満の粒径の粒子群が該高嵩密度粒子群全体のそれぞれ10重量%以下であり、かつその他の界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルである高嵩密度粒子群。
  2. 水難溶性無機物と、水溶性ポリマー及び水溶性塩類から選ばれる一種以上とを含有してなるベース顆粒に、式(1)〜(4)
    Figure 0004021099
    (式中、R は炭素数10〜20の炭化水素基、R は炭素数1〜5の炭化水素基、R は−(AO)n−H、R は炭素数6〜18の炭化水素基、X - は陰イオンである。Aはアルキレン基であり、m、nは1〜10である。)のいずれかで表される化合物からなる群より選ばれる一種以上およびその他の界面活性剤が担持されてなる、平均粒径が150〜700μm、嵩密度が500g/L以上の高嵩密度粒子群であって、その他の界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルである高嵩密度粒子群。
  3. さらに界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる一種以上がベース顆粒に担持されてなる請求項2記載の高嵩密度粒子群。
  4. 式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物と、その他の界面活性剤との重量比が1:5〜1:80である請求項1〜3いずれか記載の高嵩密度粒子群。
  5. ベース顆粒が、水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類がベース顆粒の内部よりも表面近傍に多く偏在した構造である請求項2〜4いずれか記載の高嵩密度粒子群。
  6. ベース顆粒に担持させる界面活性剤の量が、ベース顆粒100重量部に対して5〜80重量部である請求項2〜5いずれか記載の高嵩密度粒子群。
  7. 請求項1〜いずれか記載の高嵩密度粒子群を含有してなる洗剤組成物。
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